JPH07259767A - 縦形ロータリ圧縮機 - Google Patents

縦形ロータリ圧縮機

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JPH07259767A
JPH07259767A JP5006894A JP5006894A JPH07259767A JP H07259767 A JPH07259767 A JP H07259767A JP 5006894 A JP5006894 A JP 5006894A JP 5006894 A JP5006894 A JP 5006894A JP H07259767 A JPH07259767 A JP H07259767A
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JP
Japan
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roller
oil
outer peripheral
vane
peripheral groove
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Application number
JP5006894A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Tadokoro
哲也 田所
Kazuhisa Ichimoto
和久 市本
Nobutoshi Hoshino
信利 星野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ローラ外周とベーン先端の当接部の摩耗を低
減し信頼性を高め、冷凍サイクルへの冷凍機油の吐出量
が少ない縦形ロータリ圧縮機を提供する。 【構成】 冷凍機油を貯溜した密閉容器内の上部に電動
機部、下部に圧縮機構部を有する縦形ロータリ圧縮機に
おいて、クランク軸偏心部4aにクランク軸内給油通路
4bから外径に通じるクランク軸横孔4cと、偏心部外
径に横孔4cと連通して設けたクランク軸油溝4dと、
ローラ3の外周に設けたベーン5の先端部と略同等の曲
率のローラ外周溝3cと、その外周溝にローラ内径から
貫通するローラ貫通孔3aと、外周溝最深部に当該外周
溝と平行に設けたローラ油溝3bとを設けた。給油通路
4bに汲み上げられた冷凍機油を、ローラ貫通孔3aと
クランク軸横孔4cとを連通させることにより強制的に
ローラ、ベーン間に送り油膜を形成する。なお、塩素を
含まない代替冷媒にも対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縦形ロータリ圧縮機に
係り、信頼性を向上し、かつ、冷凍サイクルへの冷凍機
油の吐出量が少ない縦形ロータリ圧縮機に関するもので
ある。特に、縦形ロータリ圧縮機を搭載する高効率な空
気調和機に利用される。
【0002】
【従来の技術】一般に縦形ロータリ圧縮機は、例えば、
特開昭62−67292号公報記載の如き構造になって
いる。その縦形ロータリ圧縮機の構成と作用を、図6お
よび図7を参照して説明する。図6は、従来の縦形ロー
タリ圧縮機の縦断面図、図7は、図6のB−B矢視断面
図である。
【0003】図6,7に示す縦形ロータリ圧縮機は、冷
凍機油10を貯溜した密閉容器1内の上部に、回転子8
および固定子9からなる電動機を収納し、密閉容器1内
の下部に、前記電動機にクランク軸4を介して連結され
た圧縮機構部を収納している。この圧縮機構部は、シリ
ンダ2と該シリンダ2の両端を閉塞する上軸受6および
下軸受7とで形成された圧縮室11と、この圧縮室11
に前記上軸受6および下軸受7に支持されたクランク軸
4によって偏心回転するローラ3と、このローラ3の外
周に当接し前記ローラ3の偏心回転に追従して往復運動
し前記圧縮室11を低圧部と高圧部とに仕切るベーン5
とを備えたものである。
【0004】冷凍機油10は、通常、シリンダ2が前記
冷凍機油10内に充分に浸る量(シリンダ2の上面高
さ)まで封入されている。ここで、ロータリ圧縮機にお
ける冷凍機油10の働きを図7を参照して説明する。図
7中の太い矢印はクランク軸4の回転方向を示し、実線
矢印は冷凍機油10の動きを示している。
【0005】クランク軸4の回転にともなう遠心力によ
ってクランク軸4内を上昇した冷凍機油10は、クラン
ク軸4の横孔から吐出され、さらに圧力差によってロー
ラ3の上下方向の隙間を通過し、圧縮室11および吸込
室12に至る。圧縮室11側に漏れた冷凍機油10は、
シリンダ2とローラ3の半径方向の隙間やベーン5上下
方向の隙間を通過して吸込室12側に至る。一方、ベー
ン5の背面の空間5aは冷凍機油10によって満たされ
ているので、ベーン5側面とシリンダ2のベーンスロッ
トとの隙間を圧力差によって冷凍機油10が通過する。
ロータリ圧縮機では、前記のように各隙間を冷凍機油が
通過することによって油膜が形成され、冷媒の吹き抜け
が防止されて効率が高めらるとともに、油膜によって摺
動部における金属接触が防止され、圧縮機としての信頼
性が高められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(1)従来の技術においては、ベーン先端部とローラ外
周との当接部に油膜を形成する手段は特に配慮されてお
らず、封入した冷凍機油、もしくは循環する冷媒に混入
している冷凍機油を、差圧を利用して各部の隙間から給
油し油膜を形成していた。しかし、従来のロータリ圧縮
機では、ベーン先端部とローラ外周との当接部に確実に
油膜を形成して摩耗を抑えることは困難であり、ベーン
のローラに対する押付力が大で、吸込室と圧縮室が共に
吐出圧力に比して十分低い圧力のときに油膜が切れ易い
という問題があった。
【0007】さらに、従来、空気調和機用の冷媒として
用いられているHCFC22に対して、オゾン層破壊の
恐れのない、塩素を含まない代替冷媒、例えばHFC1
34a,HFC32,HFC125等の混合冷媒を用い
た場合、圧縮機内で摺動部を潤滑する冷凍機油の油膜が
切れた場合に、著しく潤滑性が低下する問題がある。そ
のため、十分な冷凍機油をシリンダ内、特にローラ外周
とベーン先端との当接部に供給する必要があるが、前記
の給油方法では、シリンダ内の冷凍機油量が少なく、特
に油膜のできにくいローラ外周とベーン先端との間で摩
耗を生じやすいという問題があった。
【0008】(2)圧縮機が停止しているときは、圧縮
機内の温度は外気温に近い状態にあり、圧縮機内の冷凍
機油には多量の冷媒が溶解している。冷凍機油の油面
は、通常上軸受に設けられている圧縮ガスの吐出口より
も高くなっている。こうした状態で運転が開始されるの
で、圧縮ガスが冷凍機油を吹き上げ、多量の冷凍機油が
圧縮機の密閉容器に設けられた吐出パイプから冷凍サイ
クルに持ち出されるという問題があった。すなわち、冷
凍サイクルに吐出される冷凍機油の比率(オイルレー
ト)が高くなることにより、冷凍機油が熱交換器内に付
着し、熱伝達を悪くして空気調和機等の効率が低下する
という問題があった。
【0009】また、ベーン先端とローラ摺動部の信頼性
を向上させるために、例えば、特開平4−228894
号公報には、図8に示すベーン先端とローラ切欠き部が
開示されている。図8は、従来の他の縦形ロータリ圧縮
機のベーン先端とローラとの摺動部を示す要部断面図で
ある。
【0010】図8に示すロータリ圧縮機では、先端5b
が円弧状で円弧角が180℃を超えるベーン5Aを備
え、ローラ3Aの外周部に前記ベーン先端5bと同等以
上の曲率で円弧角が180℃を超える円弧状の切欠き2
0を設け、この切欠き20からローラ内周部に給油通路
21を設けたものが開示されている。この構成のもの
は、ベーン先端とローラ摺動部における漏れを低減し、
圧縮機の効率を向上する効果があるが、油膜形成につい
ては記載されておらず、ベーン、ローラの加工費が高く
なることについて配慮されていなかった。
【0011】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、少ない封入量の冷凍機油で
も、ベーン先端とローラ外周との当接部に油膜を形成
し、かつ、ベーン押付力を低減して信頼性を高めるとと
もに、オイルレートを低減して空気調和器等の効率を向
上し得る縦形ロータリ圧縮機を提供することを目的とす
る。また、本発明の他の目的は、塩素を含まない冷媒を
用いた場合でも高い信頼性の圧縮機およびそれを搭載す
る空気調和機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る縦型ロータリ圧縮機の構成は、冷凍機
油を密閉容器内下部に貯溜し、その密閉容器内上部に電
動機部を収納し、この電動機部にクランク軸で連結され
た圧縮機構部を前記電動機部の下部に収納し、前記圧縮
機構部は、シリンダと該シリンダの両端面を閉塞する上
軸受および下軸受とで形成された圧縮室と、この圧縮室
内に前記上軸受および下軸受に支持されたクランク軸の
偏心部に遊合され偏心回転するローラと、このロ−ラの
外周に当接し前記ローラの偏心回転に追従して往復運動
し前記圧縮室を低圧部と高圧部とに仕切るベーンとから
なり、前記クランク軸内に、一端が冷凍機油内に開口し
た給油通路を形成してなる縦型ロータリ圧縮機におい
て、前記クランク軸の偏心部に前記給油通路から当該偏
心部外径に通じるように設けた横孔と、前記偏心部外径
に前記横孔と連通して設けた油溝と、前記ローラの外周
に設けた前記ベーンの先端部と略同等の曲率の外周溝
と、その外周溝にローラ内径から貫通する孔と、前記外
周溝最深部に当該外周溝と平行に設けた油溝とを有し、
ベーン先端をローラ外周溝に離着自在に当接させるよう
にしたものである。
【0013】より詳しくは、クランク軸の偏心部に設け
た横孔および油溝が、吸込室および圧縮室内の圧力が共
に吐出圧力に対し十分低い圧力のとき、ローラ内径から
外周溝へ貫通する孔に連通され、ベーン先端部とローラ
外周溝との当接部に強制的に給油するものである。
【0014】
【作用】上記技術手段による働きを以下に述べる。本発
明では、ローラに内径から外径へ通ずる貫通孔を設ける
とともに、ローラ外周溝とその最深部に外周溝と平行に
油溝を設け、前記ローラ外周溝にベーン先端部を離着自
在に当接し、クランク軸偏心部の横孔とローラ貫通孔と
を連通させることにより、ベーン先端部とローラ外周溝
との当接部に冷凍機油を強制的に供給するようになって
いる。そこで、クランク軸が回転することによって、前
記ベーン、ローラ当接部に確実に油膜を形成することが
できる。ローラ外周に形成した溝に冷凍機油を供給する
方法を以下に説明する。
【0015】密閉形のロータリ圧縮機内において、クラ
ンク軸が回転すると、密閉容器内に封入されている冷凍
機油内で、前記クランク軸の下端、および内部にそれぞ
れ具備された給油ピース、および給油用ひねり板により
冷凍機油が汲み上げられる。汲み上げられた冷凍機油
は、クランク軸の偏心部に設けられた横孔を通り偏心部
外径とローラ内径の隙間を潤滑するとともに、ローラに
設けられた貫通孔と連通すると、その貫通孔の開口して
いるローラ外周溝とそこに当接してあるベーン先端の当
接部に直接給油することができる。
【0016】これと同時に、ローラ貫通孔および油溝に
より、ベーン先端にローラ内部の圧力(吐出圧力)が掛
り、ベーン押付力を低減することができる。特に、塩素
を含まない代替冷媒使用時に最も摩耗する恐れのあるロ
ーラ、ベーン間を、十分な冷凍機油で強制潤滑すること
ができ、摩耗を低減することができる。
【0017】以上の作用により、本発明の圧縮機はクラ
ンク軸内部の給油通路に汲み上げられた冷凍機油を、ク
ランク軸偏心部の横孔およびローラ貫通孔を連通させる
ことにより、強制的にローラ、ベーン間に十分な量を給
油するようにしたため、少ない封入量の冷凍機油でも、
ローラ、ベーン間に油膜を形成し、同時にベーン押付力
を低減し、圧縮機の信頼性を高めるとともに、オイルレ
ートを低減して空気調和機等の効率を向上することがで
きる。
【0018】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図5を参照し
て説明する。図1は、本発明の一実施例に係る縦形ロー
タリ圧縮機の縦断面図、図2は、図1の縦形ロータリ圧
縮機の圧縮機構部の要部断面図、図3は、図2のA−A
矢視断面図、図4は、図1のロータリ圧縮機におけるロ
ーラ、ベーン、クランク軸部品の分解斜視図である。こ
れらの図中、従来技術について説明した図6、図7と同
一符号のものは、同等の働きをする構成部品である。
【0019】図1に示す縦形ロータリ圧縮機は、冷凍機
油10を貯溜した密閉容器1内の上部に電動機を収納
し、密閉容器1内の下部に、前記電動機にクランク軸4
を介して連結された圧縮機構部を収納している。電動機
部は、密閉容器1に焼嵌等で固定された固定子9と、ク
ランク軸4を嵌着した回転子8とで構成されている。
【0020】圧縮機構部は、シリンダ2と該シリンダ2
の両端面を閉塞する上軸受6および下軸受7とで圧縮室
11を構成している。クランク軸4は偏心部4aを有
し、該偏心部4aに遊合されたロ−ラ3がシリンダ2内
を偏心回転するようになっている。また、シリンダ2内
には、圧縮室11と吸込室12に仕切るベーン5が設け
られており、ローラ3の偏心回転に追従してベーン5が
往復運動し、冷媒ガスを圧縮する構成になっている。圧
縮された冷媒ガスは、下軸受7に設置された吐出弁(図
示せず)から下方に吐出される。なお、下軸受7はサイ
レンサカバー13で覆われており、吐出弁から出た冷媒
ガスは、下軸受7、シリンダ2、上軸受6に設けられた
貫通穴(図示せず)を通過し、上軸受6の上面から吐出
される。
【0021】本実施例の特徴点である冷凍機油供給経路
について説明する。図1ないし図4の各図において、4
bは、クランク軸4の軸心部に貫通して設けられた給油
通路、4cは、クランク軸偏心部4aに前記給油通路4
bから偏心部外径に通じるように設けたクランク軸横
孔、4dは、前記偏心部外径に前記クランク軸横孔4c
と連通して設けたクランク軸油溝である。
【0022】また、3cは、ローラ3の外周に形成した
ローラ外周溝で、このローラ外周溝3cは、ベーン5の
先端部の曲率とほぼ同等の曲率を有している。3aは、
前記ローラ外周溝3cにローラ3内径から貫通するロー
ラ貫通孔、3bは、前記ローラ外周溝3cの最深部に当
該外周溝と並行に設けたローラ油溝で、このローラ油溝
3bに前記ローラ貫通孔3aが連通できるようになって
いる。なお、図4には、ローラ貫通孔3aを1個設けた
ものを示しているが、ローラ貫通孔を複数個設けても差
し支えない。
【0023】冷凍機油10の液面は、従来機よりも少な
いシリンダ2の下面付近の高さとしており、圧縮機の運
転が停止されている低温状態でも、上軸受6の上面に設
けられた冷媒ガスの吐出口よりも高くなることはなく、
運転開始時に冷凍機油10を吹き上げ、油を圧縮機から
冷凍サイクルへ持ち出すことがない。
【0024】次に、図2、図3および図4を参照してベ
ーン5の先端部とローラ外周溝3cとの当接部に給油す
るための油溝や、給油通路等の働きを説明する。前述の
ように、ローラ3には、ローラ貫通孔3a、ベーン5の
先端部と略同曲率のローラ外周溝3c、該外周溝の最深
部に該外周溝と平行にローラ油溝3bが形成されてい
る。図2に示すように、クランク軸4が回転すると、冷
凍機油10中に浸っているクランク軸4下端に具備され
ている給油ピース14、クランク軸内部給油通路4bに
具備されている給油用ひねり板15により冷凍機油10
が汲み上げられる。
【0025】次に、汲み上げられた冷凍機油10は、ク
ランク軸偏心部4aに設けられたクランク軸横孔4cを
通り、偏心部外周開口部に設けられたクランク軸油溝4
dによりローラ3の内径とクランク軸偏心部4aの外周
との隙間を潤滑する。さらに、図3に示すように、吸込
室12と圧縮室11内の圧力がともに吐出圧力に対し十
分に低い圧力のとき、前記クランク軸偏心部4aに形成
されているクランク軸横孔4c、その横孔開孔部に位置
するクランク軸油溝4dが前記ローラ貫通孔3aと連通
され、差圧によって冷凍機油10がローラ外周溝3c部
に形成されたローラ油溝3bに供給される。したがっ
て、ローラ外周溝3c部とそこに離着自在に当接された
ベーン5の先端との間を強制的に潤滑することができ、
かつ、ローラ貫通孔3aおよびローラ油溝3bの設置に
よりベーン先端にローラ内部の圧力(吐出圧力)が掛
り、ベーン押付力を低減することができる。
【0026】特に、塩素を含まない代替冷媒、例えばH
FC32、HFC134aを30:70の比率で混合し
た場合や、HFC32、HFC125、HFC134a
を30:10:60、もしくは23:25:52の比率
で混合した冷媒を使用した場合にも、ローラ外周溝3c
とそこに当接されたベーン5の先端との間を強制的に十
分な量の冷凍機油で潤滑することができ、ローラ貫通孔
3aおよびローラ油溝3bの設置によりベーン先端にロ
ーラ内部の圧力(吐出圧力)が掛り、ベーン押付力を低
減することができる。このため、最も問題となるロー
ラ、ベーン間の摩耗を低減することができ、圧縮機の信
頼性を向上させることができる。
【0027】なお、クランク軸内部の給油通路4b下端
に給油ピース14を設けてあり、そこから強制的にロー
ラ、ベーン間に給油することから、冷凍機油10の封入
量を低減し、油面の高さを低くすることが可能となっ
た。
【0028】次に、前記実施例で述べた縦形ロータリ圧
縮機を空気調和機に搭載した場合の効果について、図5
を参照して説明する。図5は、本発明の効果を示す線図
である。図5は、横軸に圧縮機内冷凍機油の油面高さ、
縦軸に冷凍サイクルに吐出される冷媒に対する冷凍機油
の比率、すなわち、オイルレートと、空気調和機の効率
向上率(シリンダ上面まで冷凍機油を封入したときの空
気調和機の効率を100とした場合の効率比)を示した
ものである。
【0029】図5から明らかなように、冷凍機油の封入
量を少なくし、油面の高さを低くすると実線に示すよう
にオイルレートを低減でき、その結果、破線に示すよう
に空気調和機の効率を向上できることがわかる。これ
は、オイルレートの低減によって、冷凍サイクルの熱交
換器内における冷凍機油の付着を低減でき、熱伝達を向
上できるためである。油面は低いほど効果があるが、シ
リンダ中央付近でも約1%効率を向上できる。上記実施
例に示した本発明では、さらに、シリンダの下面高さ以
下まで油量を低減できるので、本発明によって空気調和
機の効率を2%以上向上することができる。
【0030】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、少ない封入量の冷凍機油でも、ベーン先端とロー
ラ外周との当接部に油膜を形成し、かつ、ベーン押付力
を低減して信頼性を高めるとともに、オイルレートを低
減して空気調和器等の効率を向上し得る縦形ロータリ圧
縮機を提供することができる。また、本発明によれば、
塩素を含まない冷媒を用いた場合でも高い信頼性の圧縮
機およびそれを搭載する空気調和機を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る縦形ロータリ圧縮機の
縦断面図である。
【図2】図1の縦形ロータリ圧縮機の圧縮機下部の要部
断面図である。
【図3】図2のA−A矢視断面図である。
【図4】図1のロータリ圧縮機におけるローラ、ベー
ン、クランク軸部品の分解斜視図である。
【図5】本発明の効果を示す線図である。
【図6】従来の縦形ロータリ圧縮機の縦断面図である。
【図7】図6のB−B矢視断面図である。
【図8】従来の他の縦形ロータリ圧縮機のベーン先端と
ローラとの摺動部を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1…密閉容器、2…シリンダ、3…ローラ、3a…ロー
ラ貫通孔、3b…ローラ油溝、3c…ローラ外周溝、4
…クランク軸、4a…クランク軸偏心部、4b…給油通
路、4c…クランク軸横孔、4d…クランク軸油溝、5
…ベーン、6…上軸受、7…下軸受、8…回転子、9…
固定子、10…冷凍機油、11…圧縮室、12…吸込
室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 信利 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部冷 熱本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍機油を密閉容器内下部に貯溜し、そ
    の密閉容器内上部に電動機部を収納し、この電動機部に
    クランク軸で連結された圧縮機構部を前記電動機部の下
    部に収納し、 前記圧縮機構部は、シリンダと該シリンダの両端面を閉
    塞する上軸受および下軸受とで形成された圧縮室と、こ
    の圧縮室内に前記上軸受および下軸受に支持されたクラ
    ンク軸の偏心部に遊合され偏心回転するローラと、この
    ローラの外周に当接し前記ローラの偏心回転に追従して
    往復運動し前記圧縮室を低圧部と高圧部とに仕切るベー
    ンとからなり、前記クランク軸内に、一端が冷凍機油内
    に開口した給油通路を形成してなる縦型ロータリ圧縮機
    において、 前記クランク軸の偏心部に前記給油通路から当該偏心部
    外径に通じるように設けた横孔と、前記偏心部外径に前
    記横孔と連通して設けた油溝と、前記ローラの外周に設
    けた前記ベーンの先端部と略同等の曲率の外周溝と、そ
    の外周溝にローラ内径から貫通する孔と、前記外周溝最
    深部に当該外周溝と平行に設けた油溝とを有し、 ベーン先端をローラ外周溝に離着自在に当接させるよう
    にしたことを特徴とする縦形ロータリ圧縮機。
  2. 【請求項2】 クランク軸の偏心部に設けた横孔および
    油溝が、吸込室および圧縮室内の圧力が共に吐出圧力に
    対し十分低い圧力のとき、ローラ内径から外周溝へ貫通
    する孔に連通され、ベーン先端部とローラ外周溝との当
    接部に強制的に給油することを特徴とする請求項1記載
    の縦形ロータリ圧縮機。
  3. 【請求項3】 ローラの貫通孔を複数個設けたことを特
    徴とする請求項1または2記載のいずれかの縦形ロータ
    リ圧縮機。
  4. 【請求項4】 塩素を含まない冷媒を用いて運転するこ
    とを特徴とする請求項1ないし3記載のいずれかの縦形
    ロータリ圧縮機。
JP5006894A 1994-03-22 1994-03-22 縦形ロータリ圧縮機 Pending JPH07259767A (ja)

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JP5006894A JPH07259767A (ja) 1994-03-22 1994-03-22 縦形ロータリ圧縮機

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6132195A (en) * 1996-07-10 2000-10-17 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Rotary compressor
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