JPH11294353A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

ロータリ圧縮機

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Publication number
JPH11294353A
JPH11294353A JP9363698A JP9363698A JPH11294353A JP H11294353 A JPH11294353 A JP H11294353A JP 9363698 A JP9363698 A JP 9363698A JP 9363698 A JP9363698 A JP 9363698A JP H11294353 A JPH11294353 A JP H11294353A
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JP
Japan
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sliding member
vane
rolling piston
rotary compressor
oil
Prior art date
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Pending
Application number
JP9363698A
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English (en)
Inventor
Hideto Nakao
英人 中尾
Kimiaki Matsukawa
公映 松川
Yoshinori Shirafuji
好範 白藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機運転中にベーンの先端面とローリング
ピストンの外周面とが滑り接触するが、該接触部が線接
触となるため、該接触部での温度上昇が激しく、これに
起因して冷凍機油の粘度が低下し、前記接触部の異常摩
耗や焼付が発生する。 【解決手段】 ローリングピストン6の外周面に断面円
弧状の凹部6aを設け、この凹部6aにベーン10の厚
さよりも大きな外径の断面円形状の摺動部材17を回転
自在に嵌合し、且つ、ベーン10の先端には凹状曲面1
0bを形成し、この凹状曲面10bに摺動部材17を転
がり接触させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷凍冷蔵機器や
空調機器等に使用されるロータリ圧縮機に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図19は従来のロータリ圧縮機を示す縦
断面図、図20は図19のB−B線に沿う拡大断面図で
ある。図19において、1は密閉容器、2は密閉容器1
内に配置されたステータ、3はステータ2と対のロー
タ、4はステータ2とロータ3とによって構成された電
動機部、5は電動機部4によって回転駆動されるクラン
ク軸、5aはクランク軸5の偏心部、6はその偏心部5
aに回転自在に取り付けられたローリングピストン、7
は前記密閉容器1内の下部に配置されたシリンダであ
り、このシリンダ7内に前記ローリングピストン6が配
置されている。
【0003】8は前記クランク軸5の上軸受、9は前記
クランク軸5の下軸受であり、これらの上軸受8と下軸
受9は、前記クランク軸5が貫通している前記シリンダ
7の上下開口部を閉塞して該シリンダ7に取り付け固定
されている。10は前記シリンダ7に軸心方向へ摺動自
在に取り付けられたベーン、10aはそのベーン10の
先端面であり、この先端面10aは、図20に示すよう
に、ほぼ半円弧状に形成されている。
【0004】11は前記ベーン10を付勢するベーンス
プリングであり、このベーンスプリング11によって、
前記ベーン10の先端面10aが前記ローリングピスト
ン6の外周面に押し付けられている。ここで、前記ロー
リングピストン6と、該ローリングピストン6の外周面
に先端面10aが押し付けられたベーン10は、前記シ
リンダ7内を図20に示すように吸入室(低圧室)7A
と圧縮室(高圧室)7Bとに仕切っている。
【0005】12は冷媒ガスのアキュームレータ、13
はそのアキュームレータ12から前記シリンダ7内の吸
入室7Aに冷媒ガスを導入するための吸入パイプであ
り、この吸入パイプ13から前記吸入室7Aに導入され
た冷媒ガスは前記圧縮室7Bに流入するようになってい
る。14は前記上軸受8に設けられた吐出口であり、こ
の吐出口14は、前記シリンダ7の圧縮室7Bと前記密
閉容器1内とを接続している。15は前記密閉容器1内
から冷凍回路(図示せず)に冷媒ガスを導くための吐出
パイプ、16は前記密閉容器1内の底部に封入された潤
滑用の冷凍機油であり、この冷凍機油16中に前記クラ
ンク軸5の下端部および下軸受9が浸漬している。ここ
で、クランク軸5、ローリングピストン6、シリンダ
7、上軸受8、下軸受9、ベーン10、ベーンスプリン
グ11は、前記電動機部4によって駆動される圧縮機構
部を構成している。
【0006】次に動作について説明する。電動機部4に
よってクランク軸5が回転駆動されると、その偏心部5
aの回転により、ローリングピストン6がシリンダ7の
内周面に密接して回転する。このとき、ベーン10は、
ベーンスプリング11の付勢力でローリングピストン6
の外周面に押し付けられた状態で、該ローリングピスト
ン6に追従して往復運動する。このようなローリングピ
ストン6とベーン10の関連動作によって、吸入パイプ
13からシリンダ7の吸入室7Aに冷媒ガスが吸い込ま
れ、該冷媒ガスは圧縮室7Bで圧縮された後、吐出口1
4から密閉容器1内に吐出され、次いで、吐出パイプ1
5から冷凍回路に送り出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のロータリ圧縮機
は以上のように構成されているので、圧縮機運転中はベ
ーン10の先端面10aとローリングピストン6の外周
面とが滑り接触するが、この場合、その接触部が線接触
となるため、該接触部での温度上昇が激しく、これに起
因して冷凍機油の粘度が低下し、前記接触部に充分な油
膜を形成できず、該接触部の異常摩耗や焼付けが発生す
る等の課題があった。なお、従来のこの種の類似技術と
して、特開平8−319975号公報に開示のものがあ
る。
【0008】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、ベーンとローリングピストンとの
接触部の温度上昇を抑制でき、該接触部における摩擦損
失を低減できて、摩耗および焼付けを防止できるロータ
リ圧縮機を得ることを目的とする。また、この発明は、
ベーンとローリングピストンとの接触部の摩擦損失を一
層効率的に低減でき、その接触部における摩耗および焼
付けの抑止性能を一層向上させることができるロータリ
圧縮機を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係るロータリ
圧縮機は、密閉容器と、該密閉容器内に設けられたクラ
ンク軸と、このクランク軸を駆動する電動機部と、前記
クランク軸の偏心部に回転自在に取り付けられてシリン
ダ内に嵌挿されたローリングピストンと、前記シリンダ
に取り付けられて先端が前記ローリングピストンに当接
し、該ローリングピストンとともに前記シリンダ内を高
圧室と低圧室とに仕切るベーンとを備えたロータリ圧縮
機において、前記ローリングピストンの外周面側に回転
可能に設けられて前記クランク軸に平行する断面円弧状
の凹部と、前記ベーンの厚さ以上の外径を有して前記凹
部に回転自在に嵌合された断面円形状の摺動部材と、前
記ベーンの先端面に形成され、前記凹部の開口側で前記
摺動部材の周面に面接触して該摺動部材が転がり接触す
る凹状曲面とを備えたものである。
【0010】この発明に係るロータリ圧縮機は、ベーン
に、この先端の凹状曲面に開口して摺動部材の表面に冷
凍機油を供給する少なくとも1つ以上の給油通路が設け
られているものである。
【0011】この発明に係るロータリ圧縮機は、ローリ
ングピストンの凹部の表面に、該凹部と摺動部材との間
に供給された冷凍機油を保持して循環させるため少なく
とも1つ以上の油溝が設けられているものである。
【0012】この発明に係るロータリ圧縮機は、ベーン
の先端の凹状曲面に、給油通路と接続する少なくとも1
つ以上の油溝が設けられているものである。
【0013】この発明に係るロータリ圧縮機は、摺動部
材の表面に、ベーン先端の凹状曲面との間に供給された
冷凍機油を保持する少なくとも1以上の油溝または複数
の凹みが設けられているものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1によるロ
ータリ圧縮機を示す縦断面図、図2は図1のA−A線に
沿う拡大断面図、図3は図1中のベーンを拡大して示す
斜視図であり、図19および図20と同一部分に同一符
号を付して重複説明を省略する。図において、6aはロ
ーリングピストン6の外周面に形成された断面円弧状の
凹部であり、この凹部6aはクランク軸5に平行してい
る。17は前記凹部6aに回転自在に嵌め込み保持され
た円柱状の摺動部材であり、この摺動部材17は、前記
凹部6aの開口部分でベーン10の先端に転がり接触さ
せるもので、該ベーン10の厚さよりも大きな外径に形
成されている。10bは前記ベーン10の先端面に形成
された凹状曲面であり、この凹状曲面10bは前記摺動
部材17の外周面とほぼ同一曲面に形成されている。こ
のように、ベーン10の先端に形成された凹状曲面10
bは、ベーンスプリング11の押し付け力で摺動部材1
7の外周面に常に接触している。
【0015】次に動作について説明する。ロータリ圧縮
機の運転中は、電動機部4によるクランク軸5の回転駆
動によって、ローリングピストン6がシリンダ7の内周
面に密接しながら回転するが、このとき、ベーンスプリ
ング11でベーン10先端の凹状曲面10bが摺動部材
17の外周面に押し付けられていることにより、前記摺
動部材17はローリングピストン6の凹部6a内で回転
する。従って、ローリングピストン6と摺動部材17の
接触部および摺動部材17とベーン10の接触部は面接
触となり、また、ローリングピストン6とベーン10は
摺動部材17を介した転がり接触となる。その他の動作
は、図19および図20の場合と同様に行われる。
【0016】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、ローリングピストン6の外周面に断面円弧状の凹部
6aを設け、この凹部6aに円柱状の摺動部材17を回
転自在に嵌め込み保持させたことにより、前記ローリン
グピストン6と摺動部材17とは面接触となるため、そ
れら両者の接触面圧を低く抑えることができる。また、
ベーン10の先端に摺動部材17の外周面とほぼ同一曲
率の凹状曲面10bを形成し、この凹状曲面10bを前
記摺動部材17の外周面に押し付けたことにより、ベー
ン10と摺動部材17の接触部も面接触となるため、ベ
ーン10と摺動部材17の場合も両者の接触面圧を低く
抑えることができるという効果がある。しかも、ローリ
ングピストン6とベーン10は、前記摺動部材17を介
した転がり接触となるため、ローリングピストン6とベ
ーンとの間の摩擦損失および摩耗を低減でき、且つ、焼
付を防止できるという効果がある。
【0017】実施の形態2.図4はこの発明の実施の形
態2によるロータリ圧縮機を示す縦断面図であり、図に
おいて、18は下軸受9に設けられた少なくとも1つ以
上の給油通路であり、この給油通路18は、密閉容器1
内の底部に貯留した冷凍機油16中に開口している。1
9はベーン10に設けられた給油通路であり、この給油
通路19は、一端が前記下軸受9の給油通路18に接続
し、且つ、他端がベーン10先端の凹状曲面10bに開
口している。従って、ベーン10の給油通路19は、下
軸受9の給油通路18を介して密閉容器1内底部の冷凍
機油16中に浸漬している。
【0018】次に動作について説明する。圧縮機運転時
には、ローリングピストン6の回転および摺動部材17
の回転により、前記給油通路18,19に発生する吸引
力および/または該給油通路18,19の毛細管現象に
より、冷凍機油16の一部が前記給油通路18,19か
らベーン10の凹状曲面10bと摺動部材17との間に
吸い上げ供給されるため、ベーン10と摺動部材17と
の間が潤滑される。これにより、前記ベーン10の凹状
曲面10bと転がり接触する前記摺動部材17の外周面
には油膜が形成され、その摺動部材17がローリングピ
ストン6の凹部6aで回転することにより、ローリング
ピストン6と摺動部材17との間も潤滑される。
【0019】従って、この実施の形態2によれば、ロー
リングピストン6と摺動部材17との間および摺動部材
17とベーン10との間の潤滑性が向上し、それらの摩
耗および焼付を一層効率的に防止できるという効果があ
る。
【0020】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形
態3によるロータリ圧縮機のベーンを示す斜視図であ
り、図において、20はベーン10先端の凹状曲面10
bに設けられた少なくとも1つ以上(図示では3つ)の
油溝であり、この油溝20はベーン10の厚さ方向に延
在するよう形成され、その油溝20の溝底には給油通路
19が接続されている。即ち、この実施の形態3では、
上記実施の形態2におけるベーン10先端の凹状曲面1
0bに、給油通路19と接続する油溝20を設けたもの
である。
【0021】この実施の形態3によれば、給油通路19
からベーン10の凹状曲面10bに供給された冷凍機油
16(図4参照)を前記油溝20で保持することがで
き、該油溝20に保持された冷凍機油16によって、前
記凹状曲面10bと転がり接触する摺動部材17の外周
面に油膜が形成され易くなり、このため、ローリングピ
ストン6と摺動部材17との間および摺動部材17とベ
ーン10との間の潤滑性が更に向上し、それらの摩耗お
よび焼付を一層効率的に防止できるという効果がある。
【0022】実施の形態4.図6はこの発明の実施の形
態4によるロータリ圧縮機のベーンを示す斜視図であ
り、図において、21は上記実施の形態3の場合と同様
にベーン10の凹状曲面10bに形成したベーン厚さ方
向の油溝、22はその油溝21と直交する方向の油溝で
あり、それらの油溝21,22の交叉部に給油通路19
が接続されている。
【0023】この実施の形態4によれば、ベーン10先
端の凹状曲面10bでの前記油溝21,22による冷凍
機油の保持量が上記実施の形態3の場合よりも多くな
り、このため、摺動部材17の外周面に充分な油膜を形
成促進させることができて、ローリングピストン6と摺
動部材17との間および摺動部材17とベーン10との
間の潤滑性が更に向上し、それらの摩耗および焼付を一
層効率的に防止できるという効果がある。
【0024】実施の形態5.図7はこの発明の実施の形
態5によるロータリ圧縮機のベーンを示す斜視図であ
る。この実施の形態5では、上記実施の形態2における
ベーン10先端の凹状曲面10bに、該ベーン10の厚
さ方向と一定の角度α(0<α<90度)を有して傾斜
する少なくとも1つ以上(図示では3つ)の油溝23を
設け、該油溝23に給油通路19を接続したものであ
る。
【0025】この実施の形態5の場合も、給油通路19
からベーン10の凹状曲面10bに供給された冷凍機油
16(図4参照)が前記油溝23で保持され易くなるた
め、上記実施の形態3および上記実施の形態4に共通す
る同様の作用効果を得ることができる。
【0026】実施の形態6.図8はこの発明の実施の形
態6によるロータリ圧縮機のベーンを示す斜視図であ
る。この実施の形態6では、上記実施の形態2における
ベーン10先端の凹状曲面10bに、該ベーン10の厚
さ方向と一定の角度β(0度<β<90度)を有して傾
斜する油溝24と、前記ベーン10の厚さ方向と一定の
角度γ(0度<γ<90度)を有して前記油溝24とは
逆方向に傾斜し且つ該油溝24と交叉する油溝25とを
設けたものである。従って、前記油溝24,25は網目
状に形成され、該油溝24,25の交叉部に給油通路1
9が接続されている。
【0027】この実施の形態6の場合も、給油通路19
からベーン10の凹状曲面10bに供給された冷凍機油
16(図4参照)が前記油溝24,25で保持され易く
なるため、上記実施の形態3および上記実施の形態4に
共通する同様の作用効果を得ることができる。
【0028】実施の形態7.図9はこの発明の実施の形
態7によるロータリ圧縮機の摺動部材を示す斜視図であ
る。この実施の形態7では、上記実施の形態2における
円柱状の摺動部材17の外周面に、この円周方向に沿っ
た環状の油溝26を少なくとも1つ以上(図示では4
つ)設け、この油溝26に、図4に示すベーン10の給
油通路19から冷凍機油16が供給されるようにしたも
のである。
【0029】この実施の形態7によれば、図4におい
て、ベーン10の給油通路19からベーン10先端の凹
状曲面10bに供給された冷凍機油16が摺動部材17
の前記油溝26で保持され易くなり、また、その摺動部
材17がローリングピストン6の凹部6aで転がり運動
するので、該凹部6aの全面およびベーン10の凹状曲
面10bの全面に冷凍機油16が供給され易くなる。こ
のため、ローリングピストン6と摺動部材17との間お
よびベーン10と摺動部材17との間に油膜が形成され
易くなり、それらの間の潤滑性が向上し、それらの摩耗
および焼付を防止することができるという効果がある。
【0030】実施の形態8.図10はこの発明の実施の
形態8によるロータリ圧縮機の摺動部材を示す斜視図で
ある。上記実施の形態7では、摺動部材17の外周面に
円周方向に沿った環状の油溝26を設けたが、この実施
の形態8では、摺動部材17の外周面に、軸方向に沿っ
た複数の油溝27を設けたものである。従って、その油
溝27によっても上記実施の形態7の場合と同様の作用
効果が得られる。
【0031】実施の形態9.図11はこの発明の実施の
形態9によるロータリ圧縮機の摺動部材を示す斜視図で
ある。この実施の形態9では、摺動部材17の外周面
に、円周方向と軸方向に延びる網目状の油溝28を設け
たものであり、この油溝28によっても上記実施の形態
7の場合と同様の作用効果が得られる。
【0032】実施の形態10.図12はこの発明の実施
の形態10によるロータリ圧縮機の摺動部材を示す斜視
図である。この実施の形態10では、摺動部材17の外
周面に、この円周方向と一定の角度δ(0度<δ<90
度)を有して平行する複数の油溝29を設けたものであ
り、この油溝29によっても上記実施の形態7の場合と
同様の作用効果が得られる。
【0033】実施の形態11.図13はこの発明の実施
の形態11によるロータリ圧縮機の摺動部材を示す斜視
図である。この実施の形態11では、摺動部材17の外
周面に、この円周方向と一定の角度ε(0度<ε<90
度)を有する油溝30と、円周方向と一定の角度ζ(0
度<ζ<90度)を有して前記油溝30に交叉する油溝
31とを設けたものである。従って、前記油溝30,3
1は網目状に形成され、該油溝30,31によっても上
記実施の形態7の場合と同様の作用効果が得られる。
【0034】実施の形態12.図14はこの発明の実施
の形態12によるロータリ圧縮機の摺動部材を示す斜視
図である。この実施の形態12では、摺動部材17の外
周面に複数の凹み32を設けたものであり、この凹み3
2によっても冷凍機油を保持し易くなるため、上記実施
の形態7の場合と同様の作用効果が得られる。なお、前
記凹み32は、図14に示すような楕円形状のほか、円
形状やその他の形状であってもよい。
【0035】実施の形態13.図15はこの発明の実施
の形態13によるロータリ圧縮機のローリングピストン
を示す斜視図である。この実施の形態13では、上記実
施の形態1および/または上記実施の形態2によるロー
タリ圧縮機が備えたローリングピストン6の凹部6aの
表面に、該凹部6aの周方向に沿った複数の油溝33を
設けたものである。
【0036】この実施の形態13によれば、図1のロー
タリ圧縮機の場合、ローリングピストン6の凹部6aと
摺動部材17との間に導入された冷凍機油16が、前記
凹部6a表面の前記油溝33で保持される。また、図4
のロータリ圧縮機の場合は、ベーン10の給油通路19
から摺動部材17に供給され、該摺動部材17の外周面
に付着した冷凍機油16が、前記摺動部材17の転がり
運動によって、該摺動部材17とローリングピストン6
の凹部6aとの間に供給されるが、このとき、該凹部6
a表面の前記油溝33によって、前記冷凍機油16が保
持される。従って、ローリングピストン6と摺動部材1
7との間に油膜が形成され易くなり、その両者間の潤滑
性が向上し、摺動部材17の摩耗および焼付が防止され
る。
【0037】実施の形態14.図16はこの発明の実施
の形態14によるロータリ圧縮機のローリングピストン
を示す斜視図である。この実施の形態14では、ローリ
ングピストン6の凹部6aの表面に、円周方向と軸方向
に延びて交叉する網目状の油溝34を設けたものであ
り、この油溝34によっても上記実施の形態13の場合
と同様の作用効果が得られる。
【0038】実施の形態15.図17はこの発明の実施
の形態15によるロータリ圧縮機のローリングピストン
を示す斜視図である。この実施の形態15では、ローリ
ングピストン6の凹部6aの表面に、円周方向に対して
一定の角度η(0度<η<90度)を有して平行する複
数の油溝35を設けたものであり、この油溝35によっ
ても上記実施の形態13の場合と同様の作用効果が得ら
れる。
【0039】実施の形態16.図18はこの発明の実施
の形態16によるロータリ圧縮機のローリングピストン
を示す斜視図である。この実施の形態16では、ローリ
ングピストン6の凹部6aの表面に、円周方向に対して
一定の角度θ(0度<θ<90度)を有する油溝36
と、円周方向に対して一定の角度ι(0度<ι<90
度)を有して油溝36に交叉する油溝37とを設けたも
のである。従って、前記油溝36,37は網目状に形成
され、該油溝36,37によっても上記実施の形態13
の場合と同様の作用効果が得られる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、クラ
ンク軸の偏心部に回転自在に取り付けられてシリンダ内
に嵌挿されたローリングピストンの外周面に、前記クラ
ンク軸と平行する断面円弧状の凹部を設け、この凹部に
前記ベーンの厚さよりも大きな外径の断面円形状の摺動
部材を回転自在に嵌合させると共に、ベーンの先端に
は、前記凹部の開口側で前記摺動部材の周面に接触させ
る凹状曲面を形成し、この凹状曲面に前記摺動部材を転
がり接触させる構成としたので、前記ベーンと摺動部材
との接触部は面接触となって、それら両者の接触面圧を
低く抑えることができ、このため、前記ベーンと摺動部
材との接触部の温度上昇を抑制でき、しかも、前記ロー
リングピストンとベーンは、前記摺動部材を介した転が
り接触となるため、ベーンとローリングピストンとの接
触部の温度上昇をも抑制でき、前記各接触部における摩
擦損失を低減できて、摩耗および焼付を防止できるとい
う効果がある。
【0041】この発明によれば、ベーンの先端の凹状曲
面に開口して摺動部材の表面に冷凍機油を供給する少な
くとも1つ以上の給油通路を前記ベーンに設けた構成と
したので、前記ベーンと摺動部材との間に前記給油通路
から冷凍機油を供給されることにより、前記ベーンと摺
動部材との間の潤滑性が向上し、それらの摩耗および焼
付を一層効率よく防止できるという効果がある。
【0042】この発明によれば、ローリングピストンの
凹部の表面に、該凹部と摺動部材との間に供給された冷
凍機油を保持して循環させるため少なくとも1つ以上の
油溝を設けた構成としたので、ローリングピストンと摺
動部材との間に供給された冷凍機油が前記油溝で保持さ
れ易くなり、このため、前記ローリングピストンと摺動
部材との間および摺動部材とベーンとの間の潤滑性が更
に向上し、それらの摩耗および焼付を一層効率的に防止
できるという効果がある。
【0043】この発明によれば、ベーンの先端の凹状曲
面に、給油通路と接続する少なくとも1つ以上の油溝を
設けた構成としたので、その油溝により冷凍機油が保持
され易くなって、ベーン先端の前記凹状曲面に転がり接
触する摺動部材の外周面に充分な油膜を形成促進させる
ことができ、ローリングピストンと摺動部材との間およ
び摺動部材とベーンとの間の潤滑性が更に向上し、それ
らの摩耗および焼付を一層効率的に防止できるという効
果がある。
【0044】この発明によれば、摺動部材の表面に、ベ
ーン先端の凹状曲面との間に供給された冷凍機油を保持
する少なくとも1以上の油溝または複数の凹みを設けた
構成としたので、前記油溝または前記凹みによって摺動
部材の表面に冷凍機油が保持され易くなり、前記潤滑性
の向上および前記摩耗、焼付の防止上で同様の効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるロータリ圧縮
機を示す縦断面図である。
【図2】 図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図3】 図1中のベーンを拡大して示す斜視図であ
る。
【図4】 この発明の実施の形態2によるロータリ圧縮
機を示す縦断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態3によるロータリ圧縮
機のベーンを示す斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態4によるロータリ圧縮
機のベーンを示す斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態5によるロータリ圧縮
機のベーンを示す斜視図である。
【図8】 この発明の実施の形態6によるロータリ圧縮
機のベーンを示す斜視図である。
【図9】 この発明の実施の形態7によるロータリ圧縮
機の摺動部材を示す斜視図である。
【図10】 この発明の実施の形態8によるロータリ圧
縮機の摺動部材を示す斜視図である。
【図11】 この発明の実施の形態9によるロータリ圧
縮機の摺動部材を示す斜視図である。
【図12】 この発明の実施の形態10によるロータリ
圧縮機の摺動部材を示す斜視図である。
【図13】 この発明の実施の形態11によるロータリ
圧縮機の摺動部材を示す斜視図である。
【図14】 この発明の実施の形態12によるロータリ
圧縮機の摺動部材を示す斜視図である。
【図15】 この発明の実施の形態13によるロータリ
圧縮機のローリングピストンを示す斜視図である。
【図16】 この発明の実施の形態14によるロータリ
圧縮機のローリングピストンを示す斜視図である。
【図17】 この発明の実施の形態15によるロータリ
圧縮機のローリングピストンを示す斜視図である。
【図18】 この発明の実施の形態16によるロータリ
圧縮機のローリングピストンを示す斜視図である。
【図19】 従来のロータリ圧縮機を示す縦断面図であ
る。
【図20】 図19のB−B線に沿う拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 密閉容器、4 電動機部、5 クランク軸、5a
偏心部、6 ローリングピストン、6a 凹部、7 シ
リンダ、7A 吸入室(低圧室)、7B 圧縮室(高圧
室)、10 ベーン、10b 凹状曲面、16 冷凍機
油、17 摺動部材、18,19 給油通路、20〜3
1,33〜37 油溝、32 凹み。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器と、該密閉容器内に設けられた
    クランク軸と、このクランク軸を駆動する電動機部と、
    前記クランク軸の偏心部に回転自在に取り付けられてシ
    リンダ内に嵌挿されたローリングピストンと、前記シリ
    ンダに取り付けられて先端が前記ローリングピストンに
    当接し、該ローリングピストンとともに前記シリンダ内
    を高圧室と低圧室とに仕切るベーンとを備えたロータリ
    圧縮機において、前記ローリングピストンの外周面側に
    回転可能に設けられて前記クランク軸に平行する断面円
    弧状の凹部と、前記ベーンの厚さ以上の外径を有して前
    記凹部に回転自在に嵌合された断面円形状の摺動部材
    と、前記ベーンの先端面に形成され、前記凹部の開口側
    で前記摺動部材の周面に面接触して該摺動部材が転がり
    接触する凹状曲面とを備えたロータリ圧縮機。
  2. 【請求項2】 ベーンには、この先端の凹状曲面に開口
    して摺動部材の表面に冷凍機油を供給する少なくとも1
    つ以上の給油通路が設けられていることを特徴とする請
    求項1記載のロータリ圧縮機。
  3. 【請求項3】 ローリングピストンの凹部の表面には、
    該凹部と摺動部材との間に供給された冷凍機油を保持し
    て循環させるため少なくとも1つ以上の油溝が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1記載のロータリ圧縮
    機。
  4. 【請求項4】 ベーンの先端の凹状曲面には、給油通路
    と接続する少なくとも1つ以上の油溝が設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載のロータリ圧縮機。
  5. 【請求項5】 摺動部材の表面には、ベーン先端の凹状
    曲面との間に供給された冷凍機油を保持する少なくとも
    1以上の油溝また複数の凹みが設けられていることを特
    徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記
    載のロータリ圧縮機。
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