JPH08319817A - 自動車用消音器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】吸音室と共鳴室に排気ガスを効率よく導引する
排気通路を設け排気抵抗の増加を抑制し、排気ガスの発
生する高周波音を吸音し、共鳴作用により低周波音を消
音するコンパクトな自動車用消音器を提供する。 【構成】排気ガス吸入口を形成するメイン排気管の排出
口を外筒内に設け、大気中への排気ガス吐出口を形成す
る無孔排気吐出管を上流側にフレア状にしぼり成形し、
その排気吸入口をメイン排気管の排出口に挿設し、重な
りあった排気吸入口と排出口とのすき間の排気通路によ
り、上流側に設けた消音室と隔壁で区切って下流側に設
けた共鳴室とメイン排気管とが連通する。排気吐出管と
重なりあった部分を除くメイン排気管の周面に多数孔を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上に利用分野】この発明は、吸音作用により高周
波音を消音するほか、排気抵抗の増加を抑制しながら共
鳴作用により特定周波数の低周波音を消音する装置のコ
ンパクト化を図った自動車用消音器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動車用消音器においては、例え
ば特許出願公告昭６３−２８２０１の実施例に示されて
いるように、排気管の周面に設けた多数の孔を通じ排気
ガスを吸音材を充填した吸音型消音装置に導入し消音す
るほか、外筒と排気管によって形成される空間を隔壁で
区切って複数の空洞室を外筒内に配設する共鳴型消音装
置によって排気ガスの流れを変える複雑な排気通路を形
成する構造の装置が用いられてきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数の
共鳴空洞室と複雑な排気通路を配設した従来の消音器に
おいては、それらの共鳴空洞室や排気通路において排気
ガスの流れの方向が複雑に変化するために排気ガスが干
渉しあって、むしろ排気抵抗を増大させる原因を招き消
音器自体の排気作用を減衰させる問題があった。また、
従来の技術においては、エンジンからの排気ガスを分岐
管を通じ分流し、消音器本体に付属して設けられた別個
の共鳴消音器において消音するような装置が提供された
が、消音器自体のコンパクト化を実現して経済的な消音
器を提供するという目的は達成されていない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明の自動車用消音
器は、エンジンからの排気ガスの吸入口を形成するメイ
ン排気管の排気排出口を外筒内に配設し、排気ガスの大
気中への吐出口を形成する排気吐出管を、排気の流れの
上流側に向かってフレア状にしぼって形成し、その排気
導入口を形成する上流側の開口部を、排気排出口に挿設
し、メイン排気管と挿設された排気吐出管とのすき間の
排気通路を形成するメイン排気管の部分は無孔とし、上
流側に設けた吸音室とバッフルで仕切って下流側に共鳴
空洞室を設け、メイン排気管と排気吐出管とのすき間の
排気通路により共鳴空洞室とメイン排気管とが連通され
ている構造を特徴としている。

【０００５】

【作用】この発明の自動車用消音器においては、エンジ
ンからの排気ガス導入口と外筒内の主要な排気通路を形
成するメイン排気管に、排気ガスの大気への吐出口を形
成する排気吐出管を内設し、メイン排気管と上流側に設
けた吸音室とはメイン排気管の周面の多数孔で連通さ
れ、排気吐出管と下流側に設けた共鳴空洞室とは、メイ
ン排気管と内設された排気吐出管とのすき間に形成され
た排気通路で連通されているために、吸音室において高
周波音を効率よく消音するほか、メイン排気管と共鳴空
洞室を連通する排気通路における円滑な排気作用により
排気抵抗の増加を抑制し、共鳴空洞室の共鳴作用により
排気ガスの特定周波数の低周波音を効率よく消音する。

【０００６】

【実施例】以下添付図面により、この発明の自動車用消
音器を詳細に説明する。

【０００７】図１はこの発明の自動車用消音器の一実施
例を示す縦断側面図、図２及び図３は図１におけるＡ−
Ａ及びＢ−Ｂ部分のそれぞれ断面図である。

【０００８】各図において、１は消音器の本体を構成す
る外筒、２はメイン排気管、３はメイン排気管２の排気
排出口、４は排気吐出管、５は排気吐出管４の排気吸入
口、６はメイン排気管２の周面に穿設した多数孔、７は
メイン排気管２の無孔の部分、８は吸音室、９は吸音
材、１０はバッフル、１１は共鳴空洞室、１２はメイン
排気管２と、それに挿設した排気吐出管４とのすき間に
形成された排気通路である。エンジンから排気ガスの吸
入口を形成するメイン排気管２の排気排出口３に、上流
側に向かってフレア状にしぼって形成された排気吐出管
４の排気吸入口５を挿設し、メイン排気管２と、下流側
に排気ガスの大気中への吐出口を形成する排気吐出管４
とによって、エンジンからの排気ガスが大気中へ吐出さ
れる主要な排気通路を設ける。

【０００９】エンジンからメイン排気管２に導入された
排気ガスは、膨張、拡散してメイン排気管２の多数孔６
をとおり吸音室８に導入され、吸音材９により排気ガス
の発生する高周波音が効率よく吸音される。吸音室の排
気ガスは、メイン排気管２と排気吐出管４が形成する主
要な排気通路を流れるエンジンからの排気ガスの流れに
吸引されメイン排気管２に還流し、主要な排気通路の円
滑な排気作用により、その大部分が勢いよく大気中へ吐
出される。

【００１０】排気の流れの上流側に吸音室８と、吸音室
８とバッフル１０で仕切られ下流側に共鳴空洞室１１と
が配設されており、メイン排気管２と排気吐出管４との
すき間に形成される排気通路１２によって、共鳴空洞室
１１とメイン排気管２とは連通されている。メイン排気
管２から排気通路１２へ分流した排気ガスを共鳴空洞室
１１へ円滑に導入するため最適な断面積と容積をもった
排気通路１２を形成するため、メイン排気管２の内径
は、排気吐出管４の外径より大きく形成し、かつ排気通
路１２の部分のメイン排気管の周面は、無孔とすること
が好ましい。

【００１１】共鳴消音を必要とする一部の排気ガスは、
上述のように、排気抵抗の増加が抑制され円滑な排気作
用を伴う排気通路１２をとおりメイン排気管２から共鳴
空洞室１１へ導入され、共鳴空洞室１１における共鳴作
用により、排気ガスの発生する特定周波数の低周波音が
効率よく消音される。

【００１２】また、上述したような排気通路１２へ分流
し共鳴作用を通じ消音された一部の排気ガスが、排気通
路１２内の排気圧の変化に応じメイン排気管２へ還流す
る過程においても、無孔の排気吐出管４に仕切られて、
メイン排気管２から排気吐出管４をとおり大気中へ吐出
される流量の多い排気ガスと強く干渉しあうことがな
い。

【００１３】以上述べたように、この発明の自動車用消
音器の構造によれば、低周波音を吸収するために、別個
に、又は複数の共鳴室を設けたり複雑な排気通路により
排気ガスの流れの方向を変える必要がないので、消音器
自体をコンパクト化することができ、コンパクトな装置
でありながら高周波音と低周波音が消音できる経済的な
自動車用消音器を提供する。

【００１４】

【発明の効果】この発明による自動車用消音器は、簡単
な排気通路の構造により空気抵抗の増加を抑制して、効
率のよい吸音作用により高周波音を消音し、排気の円滑
な導入を伴う優れた共鳴装置により低周波音の除去に高
い効果が得られた。また、この構造によれば装置本体を
コンパクト化することができ、経済的な自動車用消音器
を提供する。

【図面の簡単な説明】

図１は一実施例の縦断側面図、図２と図３は図１のＡ−
ＡとＢ−Ｂ部分の断面図、図４と図５は従来の消音器構
造を示す説明図、図６は従来の消音器の縦断側面図であ
る。各図において、１は外筒、２はメイン排気管、３は
メイン排気管の排気排出口、４は吐出管、５は吐出管の
吸入口、６は多数孔、７は無孔のメイン排気管部分、８
は吸音室、９は吸音材、１０はバッフル、１１は共鳴空
洞室、１２はメイン排気管と吐出管とのすき間の排気通
路である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 消音器の本体部分を構成する外筒（１）と、その外筒内
   においてエンジンからの排気ガスの排気通路を形成し、
   その周面に多数の孔（６）を穿設した排気管と、その外
   筒と排気管との間に吸音材（９）を充填して形成した吸
   音室と、その外筒と排気管との間に配設した共鳴空洞室
   からなる自動車用消音器において、エンジンからの排気
   ガスの吸入口を形成するメイン排気管（２）の排気排出
   口（３）を外筒内に配設し、排気ガスの大気中への吐出
   口を形成する排気吐出管（４）を、排気の流れの上流側
   へフレア状にしぼって形成し、その排気導入口（５）を
   メイン排気管の排気排出口（３）に挿設し、排気吐出管
   とのすき間の排気通路（１２）を形成するメイン排気管
   の部分（７）の周面は無孔とし、排気の流れの上流側に
   配設する吸音室（８）とバッフル（１０）で仕切って排
   気の流れの下流側に共鳴空洞室（１１）を配設し、共鳴
   空洞室（１１）とメイン排気管（２）とが排気通路（１
   ２）により連通する構造を特徴とする自動車用消音器。