JPH08319555A - Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の処理方法 - Google Patents

Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の処理方法

Info

Publication number
JPH08319555A
JPH08319555A JP12180395A JP12180395A JPH08319555A JP H08319555 A JPH08319555 A JP H08319555A JP 12180395 A JP12180395 A JP 12180395A JP 12180395 A JP12180395 A JP 12180395A JP H08319555 A JPH08319555 A JP H08319555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
temperature
alloy
cooling rate
cooled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP12180395A
Other languages
English (en)
Inventor
Junji Imai
順二 今井
Shuji Yamada
修司 山田
Tadashi Hamada
糾 濱田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP12180395A priority Critical patent/JPH08319555A/ja
Publication of JPH08319555A publication Critical patent/JPH08319555A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬度の高いFe−Cr−Ni−Al系フェラ
イト合金を簡単に得る。 【構成】 Cr:25〜40重量%、Ni:10〜25
重量%、Al:4〜8重量%、Zr,Ti,Y,Hf,
Ce,La,Nd及びGdのうちいずれか1種また2種
以上:0.05〜1.0重量%、残部FeからなるFe
−Cr−Ni−Al系フェライト合金を酸化性雰囲気で
加熱してアルミナ皮膜を表面に析出し、500〜650
℃の温度域を1.0℃/秒以下の冷却速度で冷却して硬
化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はセラミックスの持つ表
面硬さと金属の持つ強さを兼備した刃物(かみそり刃、
バリカン刃など)や耐摩耗性部品の材料として好適なF
e−Cr−Ni−Al系フェライト合金の処理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、刃物や耐摩耗性部品としてセラミ
ックスや超硬合金が一般に使われる。しかし、前者のセ
ラミックスは硬度が非常に高い(Hv=2000)が、
割れや欠けが生じ易いし、後者の超硬合金は割れや欠け
が生じにくいが、セラミックスに比べると表面硬度が十
分でない。
【0003】またアルミナ皮膜を表面に析出するFe−
Cr−Ni−Al系フェライト合金を材料として刃物に
適用するためには母材硬度を上げる(Hv=500以
上)必要があるが、この材料で母材硬度を上げるには1
200℃以上の温度から1℃/秒以上の冷却速度で冷却
する必要があった。しかし、1℃/秒以上の早い冷却速
度で冷却するためには素材の大きさに制限を受ける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】セラミックスの持つ硬
さと金属の持つ強さを十分に兼備して刃物(かみそり
刃、バリカン刃など)や耐摩耗性部品の材料として適性
度の高いFe−Cr−Ni−Al系フェライト合金を、
上記の急冷(1200℃以上に昇温し、1℃/秒以上の
急冷をする)をすること無しに簡単に得ることができる
処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかかるFe−Cr−Ni−Al系フェライ
ト合金の処理方法では、Cr:25〜40重量%、N
i:10〜25重量%、Al:4〜8重量%、Zr,T
i,Y,Hf,Ce,La,Nd及びGdのうちいずれ
か1種また2種以上:0.05〜1.0重量%、残部F
eからなるFe−Cr−Ni−Al系フェライト合金を
酸化性雰囲気で加熱してアルミナ皮膜を表面に析出し、
500〜650℃の温度域を1.0℃/秒以下の冷却速
度で冷却して硬化させる。
【0006】或いは、アルミナ皮膜を表面に析出して一
旦冷却した後、500〜650℃の温度に再加熱し、こ
の温度を所定時間保持した後冷却して硬化させる。或い
は、上記組成のFe−Cr−Ni−Al系フェライト合
金を酸化性雰囲気で加熱してアルミナ皮膜を表面に析出
し、600〜700℃の温度域を1.0℃/分以下の冷
却速度で冷却して硬化させる。
【0007】或いは、アルミナ皮膜を表面に析出して一
旦冷却した後、600〜700℃に再加熱し、この温度
を2時間以上保持した後冷却して硬化させる。以下、本
発明をより具体的に説明する。本発明ではアルミナ皮膜
を表面に形成する原材料であるFe−Cr−Ni−Al
系フェライト合金を酸化性雰囲気(例えば、普通の空気
雰囲気)中で、通常5分以上、熱処理し、合金表面にア
ルミナ成分を析出させるのであるが、熱処理温度は10
00〜1350℃程度の範囲である。このとき熱処理温
度は高い方が処理時間が短くて済む。アルミナ成分を析
出させた後、冷却するのであるが、その際50℃/秒以
上の冷却速度で冷やすことをしてもHv=500以上の
母材硬度が確保される。しかし、50℃/秒以上の冷却
速度で冷やすには素材の大きさに制限を生じる。そこ
で、本発明では、この冷却の間の500〜650℃の温
度域の冷却速度を1.0℃/秒(好ましくは0.3℃/
秒)以下とする。或いは一旦冷却した後、500〜65
0℃に再加熱し、この温度を保持(好ましくは10分以
上)後冷却する。この熱処理によりHv=500以上の
母材硬度が確保できる。上記のような冷却速度にした
り、上記のような再加熱温度にする理由は次の通りであ
る。再加熱を施す温度を500〜650℃の温度範囲と
した理由は、650℃を越えたり、500℃に満たない
温度では十分な母材硬度上昇が得られないからである。
また、再加熱を行わず冷却するときの冷却速度を1.0
℃/秒以下とした理由は、500〜650℃の温度域の
冷却速度が1.0℃/秒を越えると、母材硬度を十分に
上昇させることができないからである。
【0008】また本発明ではアルミナ皮膜を表面に形成
する原材料であるFe−Cr−Ni−Al系フェライト
合金を酸化性雰囲気(例えば、普通の空気雰囲気)中
で、通常5分以上、熱処理し、合金表面にアルミナ成分
を析出させるのであるが、熱処理温度は1000〜13
50℃程度の範囲である。このとき熱処理温度は高い方
が処理時間が短くて済む。アルミナ成分を析出させた
後、冷却するのであるが、その際1200℃以上に加熱
し、1℃/秒以上の冷却速度で冷やすことをしてもHv
=500以上の母材硬度が確保される。しかし、このよ
うな冷却速度で冷やすには素材の大きさに制限を生じ
る。そこで、本発明では、この冷却の間の650〜70
0℃の温度域の冷却速度を1.0℃/分(好ましくは
0.5℃/分)以下とする。或いは一旦冷却した後、6
50〜700℃に再加熱し、この温度を2時間以上保持
した後冷却する。この熱処理によりHv=800程度の
硬度が確保できる。上記のような冷却速度にしたり、上
記のような再加熱温度にする理由は次の通りである。こ
の硬化にはAlの拡散が関与しており、650〜700
℃の温度範囲とした理由は700℃を越えると、Alに
別の挙動を生じ、650℃に満たない温度では十分なA
lの拡散が得られないために十分な硬度が得られないか
らである。また再加熱を行わず冷却するとき冷却速度が
650〜700℃の温度域で1.0℃/分を越えたり、
再加熱をした場合の保持時間が2時間に満たない場合、
Alの拡散が不十分であり十分な硬度を得ることができ
ない。
【0009】以下、原材料であるFe−Cr−Ni−A
l系フェライト合金の含有元素について、その含有量の
限定理由を説明する。本発明の合金はフェライト生成元
素であるCr及びAlと、オーステナイト生成元素であ
るNiを多量に含有したFe基合金であり、合金を主と
してフェライト相にする理由は次の通りである。フェラ
イト相の合金は、酸化加熱処理により、緻密で下地との
密着性の良い厚いアルミナ(Al2 3 )皮膜を形成し
やすいが、オーステナイト相の合金ではアルミナ皮膜が
均一に生じず、剥離するからである。
【0010】[Cr:25〜40重量%]Crは合金表
面に緻密で均一なアルミナ皮膜を形成させるために必要
であるが、本発明ではNiを含有するため、合金をフェ
ライト相にするためには、Niが下限値でAlが上限値
の場合でも25重量%以上のCrが必要である。Ni量
が下限値、Al量が上限値付近、Cr量が25重量%未
満の合金ではアルミナ皮膜の形成が不完全である。この
ためCrの下限は25重量%である。また、合金中のC
rの含有量が増加するにつれて塑性加工が困難となって
いくのでCrの上限は40重量%である。
【0011】[Ni:10〜25重量%]NiはNiA
l粒子を合金中に分散させ母材の機械的性質(例えば、
硬度)を向上させるものと推察されるが、Alと共存下
でNiAlを析出させるのに不可欠の元素である。機械
的性質の向上に十分に効果的であるためには10重量%
以上のNiを必要とする。Ni量が増加すれば、NiA
lの析出には好都合であるが、それに伴ってCr及びA
lの含有量を増加させる必要がある。しかし、Ni量が
25重量%を越えるとCr量を増加させねばならず、そ
うすると塑性加工が難しくなるのでNiの上限値は25
重量%である。
【0012】[Al:4〜8重量%]AlはNiAl粒
子を合金中に分散させ、さらに高温酸化処理により合金
表面にアルミナ皮膜を形成させるのに不可欠な元素であ
る。緻密で均一な皮膜を形成させるためには、4重量%
以上のAlを含有することが必要である。Al含有量の
増加は、NiAlの析出やアルミナ皮膜の形成に有利で
あるが、8重量%を超えると合金の塑性加工性が低下す
るのでAlの上限は8重量%である。
【0013】[Zr,Ti,Y,Hf,Ce,La,N
d及びGdのうちいずれか1種または2種以上:0.0
5〜1.0重量%]これらの各元素はアルミナ皮膜直下
の合金内に内部酸化物粒子として分散して皮膜の密着性
を著しく向上させる。この効果を発揮させるには0.0
5重量%以上を含有させる必要がある。他方、1重量%
を越えて含有すると、合金の塑性加工性が急激に低下す
るので上限は1重量%である。
【0014】[Fe:残部]上記の各成分の他をFeが
占める。ただし、残部が完全にFeである場合のみに限
定されず、不可避的に不純物としてFe中に存在するも
の(Si等)があってもよい。上記のように本発明で得
られたアルミナ皮膜付のFe−Cr−Ni−Al系のフ
ェライト合金の用途としては、耐摩耗性や耐食性が要求
される電気かみそりの内刃や外刃、バリカン刃の固定刃
や可動刃などの刃物や電動工具等の軸、チャックやギア
などの機構部品、内燃機関用あるいは腐食雰囲気用バル
ブなどに応用できる。しかし、用途はこれらに限定され
ない。アルミナ皮膜形成以前に部品の形状に合わせた加
工をしておいて、本発明のようにアルミナ形成のための
熱処理と硬度上昇のための熱処理を施したものを、その
まま部品を使うようにすることも可能である。
【0015】
【作用】本発明のFe−Cr−Ni−Al系フェライト
合金の処理方法では、上記のような適切な組成の合金を
酸化性雰囲気で加熱処理することにより表面にアルミナ
皮膜を形成するとき、アルミナ成分を析出させる加熱
し、この温度を保持した後、急冷(1200℃から冷却
速度を1℃/秒以上で急冷)すること無しに、500〜
650℃の温度域を1.0℃/秒以下の冷却速度で冷却
して硬化させ、或いは、一旦冷却後に500〜650℃
の温度に再加熱してこの温度を所定時間保持した後冷却
して硬化させることによりHv=500以上の母材硬度
が確保でき、また、600〜700℃の温度域を1.0
℃/分以下の速度で冷却して硬化させ、或いは、600
〜700℃の温度に再加熱し、2時間保持後冷却して硬
化させることにより約Hv=800の母材硬度が確保で
きる。これにより、非常に表面が硬く母材も非常に強い
ものとなり、セラミックスの持つ硬さと金属の持つ強さ
を兼ね備えるようになる。
【0016】
【実施例】
(実施例1)電解鉄、電解クロム、電解ニッケル、Fe
−Al母合金(50−50重量%)、Fe−Zr母合金
(24−76重量%)を原材料とし、Cr:34重量
%、Ni:21重量%、Al:6.7重量%、Zr:
0.3重量%、Fe:残部となるように秤量し、高周波
誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Paの真空中で溶製
し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴットを1100℃
の熱間で押出し、さらに900℃の熱間で圧延し、厚さ
2mmの合金板を得た。続いて、得られた合金板を11
50℃の温度で、7時間の間、大気中で熱処理してアル
ミナ皮膜を析出させ、500〜650℃の温度域を1.
0℃/秒の冷却速度で冷やした。
【0017】(実施例2)電解鉄、電解クロム、電解ニ
ッケル、Fe−Al母合金(50−50重量%)、Fe
−Zr母合金(24−76重量%)を原材料とし、C
r:29重量%、Ni:21重量%、Al:6.7重量
%、Zr:0.3重量%、Fe:残部となるように秤量
し、高周波誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Paの真
空中で溶製し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴットを
1100℃の熱間で押出し、さらに900℃の熱間で圧
延し、厚さ2mmの合金板を得た。続いて、得られた合
金板を1250℃の温度で、30分間の間、大気中で熱
処理してアルミナ皮膜を析出させ、500〜650℃の
温度域を0.2℃/秒の冷却速度で冷やした。
【0018】(実施例3)電解鉄、電解クロム、電解ニ
ッケル、Fe−Al母合金(50−50重量%)、Fe
−Zr母合金(24−76重量%)を原材料とし、C
r:33重量%、Ni:21重量%、Al:6.0重量
%、Zr:0.3重量%、Fe:残部となるように秤量
し、高周波誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Paの真
空中で溶製し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴットを
1100℃の熱間で押出し、さらに900℃の熱間で圧
延し、さらに冷間圧延で0.2mmの合金板を得た。続
いて、得られた合金板を1250℃の温度で、5分間の
間、大気中で熱処理してアルミナ皮膜を析出させ、50
0〜650℃の温度域を0.1℃/秒の冷却速度で冷や
した。
【0019】(実施例4)電解鉄、電解クロム、電解ニ
ッケル、電解アルミニウム、Fe−Zr母合金(24−
76重量%)を原材料とし、Cr:34重量%、Ni:
21重量%、Al:6.7重量%、Zr:0.3重量
%、Fe:残部となるように秤量し、高周波誘導加熱真
空溶解炉にて6×10-3Paの真空中で溶製し、銅製鋳
型に鋳込んだ。このインゴットを1100℃の熱間で押
出し、さらに900℃の熱間で圧延し、厚さ2mmの合
金板を得た。続いて、得られた合金板を1150℃の温
度で、20時間の間、大気中で熱処理してアルミナ皮膜
を析出させ、8℃/秒で冷却した後、大気中で再加熱し
て560℃の温度に5分間保持した後、5℃/秒の冷却
速度で冷やした。
【0020】(実施例5)電解鉄、電解クロム、電解ニ
ッケル、Fe−Al母合金(50−50重量%)Fe−
Zr母合金(24−76重量%)を原材料とし、Cr:
33重量%、Ni:21重量%、Al:6.7重量%、
Zr:0.3重量%、Fe:残部となるように秤量し、
高周波誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Paの真空中
で溶製し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴットを11
00℃の熱間で押出し、さらに900℃の熱間で圧延
し、厚さ4mmの合金板を得た。続いて、得られた合金
板を1250℃の温度で、30分間の間、大気中で熱処
理してアルミナ皮膜を析出させ、700℃まで0.5℃
/秒、700℃未満は5℃/秒で冷却した後、大気中で
再加熱して500℃に2時間保持した後、2℃/秒の冷
却速度で冷やした。
【0021】(実施例6)電解鉄、電解クロム、電解ニ
ッケル、Fe−Al母合金(50−50重量%)Fe−
Zr母合金(24−76重量%)を原材料とし、Cr:
33重量%、Ni:21重量%、Al:6.0重量%、
Zr:0.3重量%、Fe:残部となるように秤量し、
高周波誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Paの真空中
で溶製し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴットを11
00℃の熱間で押出し、さらに900℃の熱間で圧延
し、さらに冷間圧延で厚さ0.2mmの合金板を得た。
続いて、得られた合金板を1250℃の温度で、5分間
の間、大気中で熱処理してアルミナ皮膜を析出させ、7
00℃まで0.1℃/秒、700℃未満は3℃/秒で冷
却した後、真空中で再加熱して650℃に1時間保持し
た後、5℃/秒の冷却速度で冷やした。
【0022】(実施例7)電解鉄、電解クロム、電解ニ
ッケル、電解アルミニウム、Fe−Zr母合金(24−
76重量%)を原材料とし、Cr:34重量%、Ni:
21重量%、Al:6.7重量%、Zr:0.3重量
%、Fe:残部となるように秤量し、高周波誘導加熱真
空溶解炉にて6×10-3Paの真空中で溶製し、銅製鋳
型に鋳込んだ。このインゴットを1100℃の熱間で押
出し、さらに1000℃の熱間で圧延し、厚さ3mmの
合金板を得た。続いて、得られた合金板を1100℃の
温度で、20時間の間、大気中で熱処理してアルミナ皮
膜を析出させ、600〜700℃の温度域を1℃/分の
冷却速度で冷やした。
【0023】(実施例8)電解鉄、電解クロム、電解ニ
ッケル、Fe−Al母合金(50−50重量%)、Fe
−Zr母合金(24−76重量%)を原材料とし、C
r:33.5重量%、Ni:21重量%、Al:7.0
重量%、Zr:0.3重量%、Fe:残部となるように
秤量し、高周波誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Pa
の真空中で溶製し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴッ
トを1100℃の熱間で押出し、さらに1000℃の熱
間で圧延し、直径8mmの合金棒を得た。続いて、得ら
れた合金棒を1250℃の温度で、30分間の間、大気
中で熱処理してアルミナ皮膜を析出させ、600〜70
0℃の温度域を0.5℃/分の冷却速度で冷やした。 (実施例9)電解鉄、電解クロム、電解ニッケル、Fe
−Al母合金(50−50重量%)、Fe−Zr母合金
(24−76重量%)を原材料とし、Cr:34重量
%、Ni:21重量%、Al:6.5重量%、Zr:
0.3重量%、Fe:残部となるように秤量し、高周波
誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Paの真空中で溶製
し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴットを1100℃
の熱間で押出し、さらに1000℃の熱間で圧延し、直
径10mmの合金棒を得た。続いて、得られた合金棒を
1100℃の温度で、10時間の間、大気中で熱処理し
てアルミナ皮膜を析出させ、600〜700℃の温度域
を0.1℃/分の冷却速度で冷やした。
【0024】(実施例10)電解鉄、電解クロム、電解
ニッケル、Fe−Al母合金(50−50重量%)、F
e−Zr母合金(24−76重量%)を原材料とし、C
r:34重量%、Ni:21重量%、Al:6.5重量
%、Zr:0.3重量%、Fe:残部となるように秤量
し、高周波誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Paの真
空中で溶製し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴットを
1100℃の熱間で押出し、さらに1000℃の熱間で
圧延し、直径10mmの合金棒を得た。続いて、得られ
た合金棒を1100℃の温度で、20時間の間、大気中
で熱処理してアルミナ皮膜を析出させ、6℃/秒の冷却
速度で冷却した後、大気中で再加熱して650℃の温度
に2時間保持した後、1℃/秒の冷却速度で冷やした。
【0025】(実施例11)電解鉄、電解クロム、電解
ニッケル、Fe−Al母合金(50−50重量%)、F
e−Zr母合金(24−76重量%)を原材料とし、C
r:33.5重量%、Ni:21重量%、Al:7.0
重量%、Zr:0.3重量%、Fe:残部となるように
秤量し、高周波誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Pa
の真空中で溶製し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴッ
トを1100℃の熱間で押出し、さらに900℃の熱間
で圧延し、厚さ2mmの合金板を得た。続いて、得られ
た合金板を1150℃の温度で、7時間の間、大気中で
熱処理してアルミナ皮膜を析出させ、5℃/秒の冷却速
度で冷却した後、大気中で再加熱して700℃の温度に
4時間保持した後、5℃/秒の冷却速度で冷やした。
【0026】(実施例12)電解鉄、電解クロム、電解
ニッケル、Fe−Al母合金(50−50重量%)、F
e−Zr母合金(24−76重量%)を原材料とし、C
r:33重量%、Ni:21重量%、Al:7.0重量
%、Zr:0.3重量%、Fe:残部となるように秤量
し、高周波誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Paの真
空中で溶製し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴットを
1100℃の熱間で押出し、さらに1000℃の熱間で
圧延し、直径10mmの合金棒を得た。続いて、得られ
た合金棒を1100℃の温度で、40時間の間、大気中
で熱処理してアルミナ皮膜を析出させ、1℃/秒の冷却
速度で冷却した後、大気中で再加熱して600℃の温度
に8時間保持した後、8℃/秒の冷却速度で冷やした。
【0027】(比較例1)電解鉄、電解クロム、電解ニ
ッケル、Fe−Al母合金(50−50重量%)、Fe
−Zr母合金(24−76重量%)を原材料とし、C
r:34重量%、Ni:21重量%、Al:6.7重量
%、Zr:0.3重量%、Fe:残部となるように秤量
し、高周波誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Paの真
空中で溶製し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴットを
1100℃の熱間で押出し、さらに900℃の熱間で圧
延し、厚さ2mmの合金板を得た。続いて、得られた合
金板を1150℃の温度で、20時間の間、大気中で熱
処理してアルミナ皮膜を析出させ、2℃/秒の冷却速度
で冷却した。
【0028】(比較例2)電解鉄、電解クロム、電解ニ
ッケル、Fe−Al母合金(50−50重量%)、Fe
−Zr母合金(24−76重量%)を原材料とし、C
r:33.5重量%、Ni:21重量%、Al:7.0
重量%、Zr:0.3重量%、Fe:残部となるように
秤量し、高周波誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Pa
の真空中で溶製し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴッ
トを1100℃の熱間で押出し、さらに900℃の熱間
で圧延し、厚さ2mmの合金板を得た。続いて、得られ
た合金板を1150℃の温度で、7時間の間、大気中で
熱処理してアルミナ皮膜を析出させ、700℃まで0.
5℃/秒、700℃未満は2℃/秒の冷却速度で冷却し
た後、大気中で再加熱して700℃の温度に1時間保持
した後、5℃/秒の冷却速度で冷やした。
【0029】(比較例3)電解鉄、電解クロム、電解ニ
ッケル、Fe−Al母合金(50−50重量%)、Fe
−Zr母合金(24−76重量%)を原材料とし、C
r:33重量%、Ni:21重量%、Al:7.0重量
%、Zr:0.3重量%、Fe:残部となるように秤量
し、高周波誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Paの真
空中で溶製し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴットを
1100℃の熱間で押出し、さらに900℃の熱間で圧
延し、厚さ2mmの合金板を得た。続いて、得られた合
金板を1250℃の温度で、30分間の間、大気中で熱
処理してアルミナ皮膜を析出させ、700℃まで0.2
℃/秒、700℃未満は2℃/秒の冷却速度で冷却した
後、大気中で再加熱して450℃の温度に4時間保持し
た後、8℃/秒の冷却速度で冷やした。
【0030】(比較例4)電解鉄、電解クロム、電解ニ
ッケル、Fe−Al母合金(50−50重量%)、Fe
−Zr母合金(24−76重量%)を原材料とし、C
r:34重量%、Ni:21重量%、Al:6.7重量
%、Zr:0.3重量%、Fe:残部となるように秤量
し、高周波誘導加熱真空溶解炉にて6×10-3Paの真
空中で溶製し、銅製鋳型に鋳込んだ。このインゴットを
1100℃の熱間で押出し、さらに1000℃の熱間で
圧延し、直径8mmの合金棒を得た。続いて、得られた
合金棒を1150℃の温度で、20時間の間、大気中で
熱処理してアルミナ皮膜を析出させ、2℃/秒の冷却速
度で冷却した後、大気中で再加熱して750℃に2時間
保持後、2℃/秒の冷却速度で冷やした。
【0031】上記実施例及び比較例の各母材のビッカー
ス硬度を測定した。その結果の平均値を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1の比較例1及び2と実施例1及び4の
硬度測定結果を比べれば、本発明の請求項1、2の熱処
理を施すことで高温酸化後に、1200℃以上に昇温
後、1℃/秒以上といった高温下での急冷が不可能な素
材においてもHv=500以上の母材硬度が達成するこ
とが出来ることが良く分かる。また、実施例7及び10
の硬度測定結果より本発明の請求項3、4の熱処理を施
すことによりHv=800前後の非常に高い母材硬度が
得られることが分かる。
【0034】なお、本発明の適用される範囲はこの実施
例に限定されるものではない。
【0035】
【発明の効果】本発明のFe−Cr−Ni−Al系フェ
ライト合金の処理方法では、適切な組成の合金を酸化性
雰囲気で加熱処理することにより表面にアルミナ皮膜を
形成するとき、アルミナ成分を析出させる加熱をし、こ
の温度を保持した後、急冷(1200℃から冷却速度を
1℃/秒以上で急冷)をすること無しに、500〜65
0℃の温度域を1.0℃/秒以下の冷却速度で冷却して
硬化させ、或いは、一旦冷却後に500〜650℃の温
度に再加熱してこの温度を所定時間保持した後冷却して
硬化させることによりHv=500以上の母材硬度が確
保でき、また、600〜700℃の温度域を1.0℃/
分以下の速度で冷却して硬化させ、或いは、600〜7
00℃の温度に再加熱し、2時間保持後冷却して硬化さ
せることにより約Hv=800の母材硬度が確保でき
る。これにより、非常に表面が硬く母材も非常に強いも
のとなり、セラミックスの持つ硬さと金属の持つ強さを
兼備した有用な合金が得られることとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 10/50 C23C 10/50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:25〜40重量%、Ni:10〜
    25重量%、Al:4〜8重量%、Zr,Ti,Y,H
    f,Ce,La,Nd及びGdのうちいずれか1種また
    2種以上:0.05〜1.0重量%、残部Feからなる
    Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金を酸化性雰囲
    気で加熱してアルミナ皮膜を表面に析出し、500〜6
    50℃の温度域を1.0℃/秒以下の冷却速度で冷却し
    て硬化させることを特徴とするFe−Cr−Ni−Al
    系フェライト合金の処理方法。
  2. 【請求項2】 Cr:25〜40重量%、Ni:10〜
    25重量%、Al:4〜8重量%、Zr,Ti,Y,H
    f,Ce,La,Nd及びGdのうちいずれか1種また
    2種以上:0.05〜1.0重量%、残部Feからなる
    Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金を酸化性雰囲
    気で加熱してアルミナ皮膜を表面に析出して冷却した
    後、500〜650℃の温度に再加熱し、この温度を所
    定時間保持した後冷却して硬化させることを特徴とする
    Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の処理方法。
  3. 【請求項3】 Cr:25〜40重量%、Ni:10〜
    25重量%、Al:4〜8重量%、Zr,Ti,Y,H
    f,Ce,La,Nd及びGdのうちいずれか1種また
    2種以上:0.05〜1.0重量%、残部Feからなる
    Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金を酸化性雰囲
    気で加熱してアルミナ皮膜を表面に析出し、600〜7
    00℃の温度域を1.0℃/分以下の冷却速度で冷却し
    て硬化させることを特徴とするFe−Cr−Ni−Al
    系フェライト合金の処理方法。
  4. 【請求項4】 Cr:25〜40重量%、Ni:10〜
    25重量%、Al:4〜8重量%、Zr,Ti,Y,H
    f,Ce,La,Nd及びGdのうちいずれか1種また
    2種以上:0.05〜1.0重量%、残部Feからなる
    Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金を酸化性雰囲
    気で加熱してアルミナ皮膜を表面に析出して冷却した
    後、600〜700℃に再加熱し、この温度を2時間以
    上保持した後冷却して硬化させることを特徴とするFe
    −Cr−Ni−Al系フェライト合金の処理方法。
JP12180395A 1995-05-19 1995-05-19 Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の処理方法 Withdrawn JPH08319555A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12180395A JPH08319555A (ja) 1995-05-19 1995-05-19 Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12180395A JPH08319555A (ja) 1995-05-19 1995-05-19 Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08319555A true JPH08319555A (ja) 1996-12-03

Family

ID=14820318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12180395A Withdrawn JPH08319555A (ja) 1995-05-19 1995-05-19 Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08319555A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004104245A3 (en) * 2003-05-20 2005-07-07 Exxonmobil Res & Eng Co Composition gradient cermets and reactive heat treatment process for preparing same
US7431777B1 (en) 2003-05-20 2008-10-07 Exxonmobil Research And Engineering Company Composition gradient cermets and reactive heat treatment process for preparing same
CN116970824A (zh) * 2023-09-25 2023-10-31 太原理工大学 跨尺度体心立方析出相镶嵌结构中熵合金及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004104245A3 (en) * 2003-05-20 2005-07-07 Exxonmobil Res & Eng Co Composition gradient cermets and reactive heat treatment process for preparing same
US7431777B1 (en) 2003-05-20 2008-10-07 Exxonmobil Research And Engineering Company Composition gradient cermets and reactive heat treatment process for preparing same
CN116970824A (zh) * 2023-09-25 2023-10-31 太原理工大学 跨尺度体心立方析出相镶嵌结构中熵合金及其制备方法
CN116970824B (zh) * 2023-09-25 2023-12-12 太原理工大学 跨尺度体心立方析出相镶嵌结构中熵合金及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5099865B2 (ja) マルエージ鋼の鋼製品の製造方法、及びこの製造方法により得られる鋼製品
JP4918199B2 (ja) 鉄−ニッケル合金から作られたストリップの製造方法
JPH02175816A (ja) 熱間圧延鋼又は厚板の製造方法
TWI789871B (zh) 沃斯田鐵系不鏽鋼帶的製造方法
US2768915A (en) Ferritic alloys and methods of making and fabricating same
JP3410303B2 (ja) 耐溶融金属溶損性および耐摩耗性に優れたFe−Ni−Cr−Al系フェライト合金およびその製造方法
CN113215494B (zh) 一种航空用因瓦合金板材的制备方法
JPH08319555A (ja) Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の処理方法
JP3608546B2 (ja) 鋳造用金型およびその製造方法
JPH02301541A (ja) 耐食性および耐腐食疲労強度に優れたばね鋼
JP2637250B2 (ja) Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金
JP3005371B2 (ja) フェライト系ステンレス材の表面処理方法
JPH08319513A (ja) Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の処理方法
JP3462549B2 (ja) 刃物及びその製造方法
JPH04308031A (ja) アルミナ皮膜付Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の製造方法
JP2005530033A (ja) 珪素含有量が3.2重量%以上である、電磁用途用の冷間圧延鋼ストリップ
JP3216090B2 (ja) Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の熱処理方法
JPH05255797A (ja) Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金
JPH05209218A (ja) Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の製造方法
JP3377228B2 (ja) フェライト合金圧延材の製造方法
CN111961952B (zh) 一种电热合金的制备方法及其制备得到的电热合金材料
JP3026232B2 (ja) 耐食性と加工性に優れるステンレス鋼薄鋳片の製造方法
JP4099888B2 (ja) 耐溶損性に優れた鋳造用金型
JPH046233A (ja) 冷却能の高いCu合金製連続鋳造鋳型材およびその製造法
JPH06277707A (ja) Al含有フェライト合金圧延材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020806