JPH04308031A - アルミナ皮膜付Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の製造方法 - Google Patents

アルミナ皮膜付Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の製造方法

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JPH04308031A
JPH04308031A JP41430690A JP41430690A JPH04308031A JP H04308031 A JPH04308031 A JP H04308031A JP 41430690 A JP41430690 A JP 41430690A JP 41430690 A JP41430690 A JP 41430690A JP H04308031 A JPH04308031 A JP H04308031A
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alumina
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Tadashi Hamada
糾 濱田
Shuji Yamada
修司 山田
Junji Imai
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気カミソリの内刃
や外刃やバリカン等の刃物あるいは電動工具のチャック
やギア等の機構部品など高硬度、高耐摩耗性が要求され
る用途に好適なアルミナ皮膜付Fe−Cr−Ni−Al
系フェライト合金の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高温酸化により合金表面に均一なAl2
 O3 皮膜(アルミナ皮膜)を生じる合金としては、
Fe−Cr−Al系フェライト合金が、アルミナ皮膜の
剥離が起こり易いFe−Ni−Cr−Al系オーステナ
イト合金よりも優れている。Fe−Cr−Al系フェラ
イト合金については、特開昭54−141314 号公
報、特開昭56−121641 号公報、特開昭58−
177437 号公報、特開昭59−53657号公報
、特開昭59−93853号公報で酸化膜の耐剥離性等
の改善が提案されており、また、特開昭57−5785
9号公報、特開昭64−47837号公報で加工性の改
善が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のFe−Cr−Al系フェライト合金は、強度およ
び硬度が低く、特に、厚み数μm以上のアルミナ皮膜を
生じさせるために1000℃程度の高温加熱処理をする
と、合金基地の結晶粒が粗大化し、得られたアルミナ皮
膜付Fe−Cr−Al系フェライト合金の硬度が非常に
低いという問題があった。
【0004】この発明は、緻密かつ密着性に優れた均一
なアルミナ皮膜が硬度の十分な母材表面に形成されてな
るFe−Cr−Ni−Al系フェライト合金を製造する
ことのできる方法を提供することを課題とする。
【0005】
【問題を解決するための手段】前記課題を解決するため
、請求項1記載のアルミナ皮膜付Fe−Cr−Ni−A
l系フェライト合金の製造方法は、所定の形状に成形さ
れたFe−Cr−Ni−Al系フェライト合金を、酸化
雰囲気中、700℃以上1200℃未満の温度で加熱す
ることにより前記合金の表面に酸化アルミニウムを析出
させて酸化アルミニウム(アルミナ)皮膜を形成した後
、1200℃以上に加熱し、1℃/秒以上の速度で冷却
するようにしており、請求項2記載のアルミナ皮膜付F
e−Cr−Ni−Al系フェライト合金の製造方法は、
所定の形状に成形されたFe−Cr−Ni−Al系フェ
ライト合金を、酸化雰囲気中、1200℃以上の温度ま
で加熱し前記合金の表面に酸化アルミニウムを析出させ
て酸化アルミニウム皮膜を形成した後、1℃/秒以上の
速度で冷却するようにしている。
【0006】これら、請求項1、2記載の発明における
Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の組成は、請
求項3のように、Cr:25〜35重量%、Ni:15
〜25重量%、Al:4〜8重量%、Ti:0〜0.5
重量%、Zr、Y、Hf、Ce、La、NdおよびGd
のうちのいずれか1種または2種以上:0.05〜1.
0重量%、残部が実質的にFeからなるものが適当であ
る。
【0007】この発明で得られるアルミナ皮膜付Fe−
Cr−Ni−Al系フェライト合金(以下、適宜に「フ
ェライト合金」と言う)は、フェライト相の生地に、高
強靱化に大きな役割を果たすといわれているNiAl系
金属間化合物が均一に分散析出した状態となっている。 このため、従来のFe−Cr−Al系フェライト合金に
比べて強度および硬度が飛躍的に向上している。また、
合金基地中に均一に分散析出したNiAlの存在により
、アルミナ皮膜形成のための熱処理を行った場合、結晶
粒の粗大化が抑制される利点がある。唯、実用性のある
十分な厚みのアルミナ皮膜を形成するためには長時間高
温で酸化処理する必要があり、この場合、そのままでは
、フェライト相生成元素であるAlがAl2 O3 と
なるにつれて、NiAlの減少並びにオーステナイト相
生成元素であるNi元素の余剰で生じるオーステナイト
相の新たな出現あるいは粗大化が生じ、母材硬度の低下
が起こる。しかし、この発明のように、1℃/秒以上の
急速度で冷却することで硬度低下が阻止できるのである
【0008】請求項1記載の発明の場合、アルミナ(酸
化アルミニウム)皮膜を形成するための酸化性雰囲気で
の熱処理は、700℃以上1200℃未満である。70
0℃未満だと全面に均一なアルミナ皮膜が形成されず、
また、母材が脆化する恐れがあるので、下限を700℃
とした。一方、1200℃以上だとアルミナ皮膜の形成
速度が早いため、長時間加熱した場合、NiAlの構成
元素であり、かつ、合金基地のフェライト相生成元素で
あるAl元素がAl2 O3 となるにつれてNiAl
量の減少並びにオーステナイト相生成元素であるNi元
素の余剰によるオーステナイト相の新たな出現あるいは
粗大化が加速されることにより、母材硬度の大幅な低下
を招くので、1200℃未満とした。好ましくは、11
50℃以下である。また、加熱温度が900℃以下と低
い場合は、加熱時間は0.5時間以上が好ましい。0.
5時間より短いと全面に均一なアルミナ皮膜が形成され
ないことがある。アルミナ皮膜の厚さは、特に限定され
ない。
【0009】アルミナ皮膜形成後、合金基地中に分散析
出しているNiAlを合金基地に固溶させ微細化させる
1200℃以上の温度の熱処理を行う。温度が1200
℃未満だと固溶・微細化が生じにくいので、1200℃
を下限とした。また、1350℃を超えて加熱すると、
母材が脆化し易くなるので、加熱温度は1350℃以下
が好ましい。
【0010】1200℃以上での保持時間は、合金基地
中に分散析出しているNiAlを合金基地に固溶させ微
細化させるに十分な時間であれば特に限定されないが、
加熱温度が1200℃以上では急速にNiAl粒が固溶
・微細化するため保持する必要は特に無い。また、いた
ずらに長時間の加熱はコスト的に不利であるばかりでな
く、前述のとおりAl元素がAl2 O3 となること
により、NiAl量の減少、オーステナイト相の新たな
出現あるいは粗大化による母材硬度の軟化を招くので、
1時間以内とするのが好ましい。
【0011】冷却速度が、1℃/秒未満だと加熱温度で
合金基地に固溶し微細化したNiAlが粒成長を起こし
、そのため、母材硬度の向上が図れないので、1℃/秒
を冷却速度の下限とした。なお、冷却方法としては、空
冷、水冷等が挙げられるが、これに限らない。この発明
においては、合金表面に形成されたアルミナ皮膜は緻密
で合金との間の密着性が良好であるため、1200℃以
上の高温度から急速水冷を行っても、アルミナ皮膜の剥
離は生じない。
【0012】請求項2の発明においても、表面に緻密で
かつ合金との密着性に優れたAl2 O3 を主成分と
する酸化物皮膜を備える。従来の耐高温酸化合金である
Fe−Cr−Al系合金は、フェライト系固有の強度、
硬度が小さいという弱点をもっており、また、表面に均
一なアルミナ皮膜を形成させるために高温加熱処理を施
した場合、一般の合金と同様に結晶粒の粗大化が認めら
れ硬度が低下するのに対し、この発明のフェライト合金
では、酸化雰囲気中、1200℃以上に加熱し、加熱直
後あるいは所定時間保持の後、1℃/秒以上の速度で冷
却することによって、合金中に均一に分散析出したNi
Alを微細にかつ均一に分散させることにより加熱前に
比べて硬度の大幅な向上を図ることができる。酸化雰囲
気中、1200℃以上の温度に達する熱処理で同時に表
面に緻密かつ合金との密着性に優れたAl2 O3 を
主成分とする酸化皮膜を形成することができる。
【0013】請求項2記載の発明において、加熱温度が
1200℃未満だと、合金基地中に分散析出しているN
iAlの合金基地への固溶による微細化が起こり難く、
1℃/秒以上の速度で冷却しても硬度の大幅な向上を図
ることは難しいので、1200℃を下限とした。また、
1350℃を超えて加熱すると母材が脆化し易くなるの
で、加熱温度は1350℃以下が好ましい。
【0014】1200℃以上での保持時間は、合金基地
中に分散析出しているNiAlを合金基地中に固溶させ
微細化させるに十分な時間であれば特に限定されるもの
ではないが、加熱温度が1200℃以上で保持する必要
はなく、加熱後すぐ1℃/秒以上の速さで冷却すれば十
分に硬化する。即ち、合金基地内に固溶し一度微細化す
れば、その後の加熱保持は硬化には不要であり、短時間
で硬化できる利点がある。
【0015】請求項2記載の発明においても、冷却速度
が、1℃/秒未満では加熱温度で合金基地に固溶し微細
化したNiAlが粒成長を起こし、その為、母材硬度の
向上が図れないので、1℃/秒を冷却速度の下限とした
。なお、冷却方法としては、空冷、水冷等があるが、特
に限定されない。得られるフェライト合金表面のアルミ
ナ皮膜厚みは、加熱温度が高く加熱時間が長いほど厚く
なる。請求項2記載の発明では、1200℃以上の加熱
温度で保持しなくても全面に均一なアルミナ皮膜が形成
される。また、1350℃を超えて加熱すると母材が脆
化し易くなるので、加熱温度は1350℃以下が好まし
い。アルミナ皮膜厚みを増加させたい場合、加熱時間を
長くすればよい。長いほどアルミナ皮膜厚さに有効であ
るので特に限界はない。しかし、いたずらに長時間加熱
することはコスト的に不利であるばかりでなく、NiA
lの成分であり、フェライト安定化元素でもあるAl元
素がAl2 O3 となるにつれて、微細NiAl量の
減少ならびにオーステナイト相の新たな出現あるいは粗
大化により、1℃/秒以上の急冷によっても母材が硬化
せず軟化現象を招くので、5時間以内とするのが好まし
い。アルミナ皮膜の厚みは、特に限定されない。
【0016】また、この発明において、フェライト合金
に形成されるアルミナ皮膜は緻密でかつ合金との密着性
に優れている為、1℃/秒以上の急速な冷却、例えば、
加熱温度から水冷を行っても、アルミナ皮膜の剥離は起
こらない。請求項3の組成における各元素含有量の限定
理由を説明する。この発明の合金は、フェライト生成元
素であるCrおよびAlと、オーステナイト生成元素で
あるNiとを多量に含有したFe基合金であり、合金が
主としてフェライト相で構成されるように各元素の量を
選ばねばならない。この発明の合金を主としてフェライ
ト相にする理由は次のとおりである。フェライト相の合
金は、酸化加熱処理により、表面に緻密で下地との密着
性の良い厚いAl2 O3 の膜が均一に生じず、剥離
するからである。合金をフェライト相にする場合、Ni
量を増加させると、(Cr+Al)量も増加させる必要
がある。なお、わずかのオーステナイト相が混合しても
この発明のフェライト合金の性質を損なうことはない。
【0017】この発明の合金では、Crは、全体の25
〜35重量%を占める。Fe−Cr−Al系合金におい
て、緻密で表面に均一なアルミナ皮膜を形成させるため
に必要であるが、この発明の合金では多量のNiを含有
していて、合金をフェライト相にするためには、Niが
下限値でAlが上限値の場合でも24重量%以上のCr
が必要である。それで、Crの下限は25重量%である
。また、合金中のCr含有量が増加するにつれて脆化の
傾向が強くなるので、Crの上限は35重量%である。
【0018】この発明の合金では、Niは、全体の15
〜25重量%を占める。この発明では、微細なNiAl
を合金中に析出させることにより、機械的性質の向上を
はかっているが、Alとの共存下でNiAlを析出させ
るためにNiは不可欠の元素である。機械的性質の向上
に十分効果的であるだけのNiAlを析出させるために
は、15重量%程度以上のNiを必要とするので、Ni
の下限は15重量%である。Ni量が増加すれば、Ni
Alの析出や機械的性質の向上に好都合であるが、この
発明の合金はフェライト相で構成されねばならないので
、オーステナイト生成元素であるNiの含有量を増加す
ればそれに伴ってCrおよびAlの含有量を増加させる
必要がある。しかし、Ni量が25重量%を越えると、
Cr量を増加させねばならず、そうすると脆化しやすく
なるので、Niの上限値は25重量%である。
【0019】この発明の合金では、Alは、全体の4〜
8重量%を占める。Alは合金中にNiAlを析出させ
、さらに、高温酸化処理により合金表面にアルミナ皮膜
を形成させるためには不可欠な元素である。特に、緻密
で均一な皮膜を形成させるためには、4重量%以上のA
lを含有することが必要である。Al含有量の増加は、
NiAlの析出やアルミナ皮膜の形成に有利であるが、
8重量%を越えると合金の加工性が低下するので、Al
の上限は8重量%である。
【0020】この発明の合金では、Zr、Y、Hf、C
e、La、Nd、Gd等のチタン族元素や希土類元素は
アルミナ皮膜内に混入して皮膜の脆さを改善するととも
に、皮膜直下の合金内に内部酸化物粒子として分散し、
皮膜の密着性を著しく向上させる。これらの効果が発揮
されるには、Zr、Y、Hf、Ce、La、Ndおよび
Gdのうちの1種または2種以上が少なくとも0.05
重量%必要である。他方、1.0重量%を越えて含有す
ると、合金の加工性が急激に低下するので、上限は1.
0重量%である。
【0021】Tiは合金中に0.5重量%程度含有され
ている場合、適当な熱処理により微細な金属間化合物を
形成し、合金の強靱化に役立つ。この発明の合金は、T
iを含んでいないものであってもよいが、このような理
由によりTiを含んでいてもよい。ただし、Tiの含有
量が0.5重量%を越えるとアルミナ皮膜の密着性や緻
密性を損なうおそれがあるので0.5重量%以下が望ま
しい。
【0022】この発明の合金は、以上の成分以外の残部
をFeが占める。ただし、残部が全てFeである場合の
みに限定されず、たとえば、残部がFe以外に不可避的
に存在している不純物も含んでいる場合も含める。なお
、不純物の中でも、Si、C、Nの3元素は、下記の理
由により、下記の範囲となるようにすることが好ましい
【0023】Siは高温酸化処理中にSiO2 となり
、アルミナ皮膜に混入して皮膜の緻密性を損なうおそれ
があることから、0.3重量%以下とすることが望まし
い。0重量%であってもよい。Cは高温でCrと反応し
てCr炭化物を形成し、合金を脆化させる。また、CO
がCO2 ガスとなり、アルミナ皮膜を破壊する。さら
に、希土類と容易に反応し皮膜の密着性向上に対する希
土類元素の効果を低下させる。これらのことから、Cは
0.01重量%以下が望ましい。0重量%であってもよ
い。
【0024】Nは合金の靱性を低下させ、また、高温加
熱中にCrと反応しCr系窒化物となり、合金の脆化の
原因となりうる。このため、0.015重量%以下が望
ましい。0重量%であってもよい。この発明のフェライ
ト合金は、以上の成分限定理由で述べたように、基本的
にはフェライト相であるが、数%、より好ましくは10
%(体積率)以下のオーステナイト相が混合しても合金
の性質を損なうことはなく、均質な膜を形成することが
可能である。
【0025】なお、熱処理する所定形状のフェライト合
金は、各成分を一緒に真空溶解して鋼片を得てから、熱
間鍛造・圧延、温冷間加工の後、所定の形状に成形する
ようにする。この発明により製造されたアルミナ皮膜付
のフェライト合金は、表面に緻密で合金との密着性に優
れた均一なアルミナ皮膜が形成されていて、表面硬度が
母材よりも極めて高く、母材の保護皮膜となっており、
また、従来合金よりも硬度が大幅に向上しているため、
耐摩耗性と耐食性が要求される電気カミソリの内刃、外
刃、バリカン刃の固定刃、可動刃などの刃物や、また、
電動工具等のチャックやギアなどの機構部品、内燃機関
用あるいは腐食雰囲気用バルブなどに応用できる。しか
し、用途は、これらに限定されない。
【0026】
【実施例】以下、この発明の具体的な実施例および比較
例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。 −請求項1記載の発明の実施例− 表1に示す試料 No.1〜7の組成の合金を高周波誘
導加熱式真空溶解炉で溶製し、0.5mm厚の板状に圧
延した。すなわち、5×10−4Torr以上の高真空
中で、電解鉄、電解クロムおよびNiペレットをアルミ
ナるつぼに入れて溶解し、溶融液中に、アルミニウム鉄
合金、FeZr合金、FeTi合金、ならびに、Hfお
よび希土類元素小片を添加した。さらに、同じ真空中で
炉内にある鉄あるいは銅鋳型に鋳込んで約1kgの合金
インゴットを得た。得られたインゴットを800〜11
00℃に加熱し、ハンマーで鍛造、さらに、同温度で圧
延し、1.5mm厚とし、表面酸化物を除去後、冷間圧
延によって0.5mm厚とした。これらを0.5mm×
15mm×20mmの大きさ切断し試料とした。
【0027】試料 No.1〜6の板材を、表2に示す
条件のもとに、大気中で加熱し酸化処理を行い、続いて
1200℃以上に再加熱し、再加熱直後あるいはその温
度で所定時間保持後、1℃/秒以下の速度で急冷した。 図1は、酸化処理および再加熱処理温度と経過時間との
関係をあらわすグラフであり、T1は酸化処理温度、t
1は酸化処理時間、T2は再加熱温度、t2は再加熱時
間である。
【0028】冷却後、板材断面のマクロビッカース硬度
(Hv)を測定するとともにアルミナ皮膜厚みを測定し
た。測定結果を表2に示す。比較のために、試料 No
.1〜7の板材を、表3に示す条件のもとに、処理し、
アルミナ皮膜付の合金を得た。マクロビッカース硬度(
Hv)およびアルミナ皮膜厚みを測定した。測定結果を
、表3に記す。なお、比較例13、14は従来例である
【0029】−請求項2記載の発明の実施例−表1に示
す試料 No.1〜7の組成の合金を高周波誘導加熱式
真空溶解炉で溶製し、0.5mm厚の板状に圧延した。 すなわち、5×10−4Torr以上の高真空中で、電
解鉄、電解クロムおよびNiペレットをアルミナるつぼ
に入れて溶解し、溶融液中に、アルミニウム鉄合金、F
eZr合金、FeTi合金、ならびに、Hfおよび希土
類元素小片を添加した。さらに、同じ真空中で炉内にあ
る鉄あるいは銅鋳型に鋳込んで約1kgの合金インゴッ
トを得た。得られたインゴットを800〜1100℃に
加熱し、ハンマーで鍛造、さらに、同温度で圧延し、1
.5mm厚とし、表面酸化物を除去後、冷間圧延によっ
て0.5mm厚とした。これらを0.5mm×15mm
×20mmの大きさ切断し試料とした。
【0030】試料 No.1〜6の板材を、表4に示す
条件のもとに、大気中で1200℃以上の温度に達する
処理を、到達温度に達した直後ないし所定時間保持後、
1℃/秒以下の速度で急冷した。冷却後、板材断面のマ
クロビッカース硬度(Hv)を測定するとともにアルミ
ナ皮膜厚みを測定した。測定結果を表4に示す。比較の
ために、試料 No.1〜7の板材を、表5に示す条件
のもとに、処理し、アルミナ皮膜付の合金を得た。マク
ロビッカース硬度(Hv)およびアルミナ皮膜厚みを測
定した。測定結果を、表5に記す。なお、比較例33、
34は従来例である。
【0031】なお、実施例と比較例のデータを比べれば
、この発明で得られたアルミナ皮膜付のFe−Cr−N
i−Al系フェライト合金が十分な硬度を維持している
ことがよく分かる。図2は、実施例4のアルミナ皮膜付
Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の母材内部の
金属組織をあらわす光学顕微鏡写真(倍率700倍)で
ある。
【0032】図3は、比較例3のアルミナ皮膜付Fe−
Cr−Ni−Al系フェライト合金の母材内部の金属組
織をあらわす光学顕微鏡写真(倍率700倍)である。 実施例4の場合、NiAl粒子は微細であるが、比較例
3の場合、粒径2〜4μmの粗大NiAl粒子がみられ
る。図4は、実施例22のアルミナ皮膜付Fe−Cr−
Ni−Al系フェライト合金の母材内部の金属組織をあ
らわす光学顕微鏡写真(倍率700倍)である。
【0033】図5は、比較例19のアルミナ皮膜付Fe
−Cr−Ni−Al系フェライト合金の母材内部の金属
組織をあらわす光学顕微鏡写真(倍率700倍)である
。実施例22の場合、NiAl粒子は1μm以下と微細
であるが、比較例19の場合、粒径2〜4μmの粗大N
iAl粒子がみられる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【発明の効果】請求項1、2記載の発明で得られるアル
ミナ皮膜付のFe−Cr−Ni−Al系フェライト合金
は、母材がFe−Cr−Ni−Al系フェライト合金で
あるため、アルミナ皮膜は緻密で合金との密着性に優れ
、1℃/秒以下の急冷処理を受けているため、母材硬度
が十分となっている。
【0040】請求項3記載の発明で得られるアルミナ皮
膜付のFe−Cr−Ni−Al系フェライト合金は、合
金組成が適切であるため、緻密で合金との密着性に優れ
たアルミナ皮膜付で母材硬度が十分なものが確実に得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化処理および再加熱処理温度と経過時間との
関係をあらわすグラフである。
【図2】実施例4のアルミナ皮膜付Fe−Cr−Ni−
Al系フェライト合金の母材内部の金属組織をあらわす
光学顕微鏡写真(倍率700倍)である。
【図3】比較例3のアルミナ皮膜付Fe−Cr−Ni−
Al系フェライト合金の母材内部の金属組織をあらわす
光学顕微鏡写真(倍率700倍)である。
【図4】実施例22のアルミナ皮膜付Fe−Cr−Ni
−Al系フェライト合金の母材内部の金属組織をあらわ
す光学顕微鏡写真(倍率700倍)である。
【図5】比較例19のアルミナ皮膜付Fe−Cr−Ni
−Al系フェライト合金の母材内部の金属組織をあらわ
す光学顕微鏡写真(倍率700倍)である。
【符合の説明】
T1  酸化処理温度 t1  酸化処理時間 T2  再加熱温度 t2  再加熱時間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  所定の形状に成形されたFe−Cr−
    Ni−Al系フェライト合金を、酸化雰囲気中、700
    ℃以上1200℃未満の温度で加熱することにより前記
    合金の表面に酸化アルミニウムを析出させて酸化アルミ
    ニウム皮膜を形成した後、1200℃以上に加熱し、1
    ℃/秒以上の速度で冷却するようにするアルミナ皮膜付
    Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の製造方法。
  2. 【請求項2】  所定の形状に成形されたFe−Cr−
    Ni−Al系フェライト合金を、酸化雰囲気中、120
    0℃以上の温度まで加熱し前記合金の表面に酸化アルミ
    ニウムを析出させて酸化アルミニウム皮膜を形成した後
    、1℃/秒以上の速度で冷却するようにするアルミナ皮
    膜付Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の製造方
    法。
  3. 【請求項3】  Fe−Cr−Ni−Al系フェライト
    合金が、Cr:25〜35重量%、Ni:15〜25重
    量%、Al:4〜8重量%、Ti:0〜0.5重量%、
    Zr、Y、Hf、Ce、La、NdおよびGdのうちの
    いずれか1種または2種以上:0.05〜1.0重量%
    、残部が実質的にFeからなる請求項1または2記載の
    アルミナ皮膜付Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合
    金の製造方法。
JP41430690A 1990-12-25 1990-12-25 アルミナ皮膜付Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金の製造方法 Expired - Fee Related JPH0737663B2 (ja)

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