JPH08316141A - 半導体素子 - Google Patents
半導体素子Info
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- JPH08316141A JPH08316141A JP12023195A JP12023195A JPH08316141A JP H08316141 A JPH08316141 A JP H08316141A JP 12023195 A JP12023195 A JP 12023195A JP 12023195 A JP12023195 A JP 12023195A JP H08316141 A JPH08316141 A JP H08316141A
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Abstract
合物半導体を得るに際し、ドーピング効率がよく、かつ
炭素濃度の汚染を低く抑制ですること。 【構成】 化合物半導体素子はアルミニウム、ガリウ
ム、インジウムの少なくとも一つを含む第 III族の元素
と少なくとも窒素を含む第V族の元素との III−V族化
合物半導体から構成されている。このドーピング源は第
VI族の元素を含み、炭素原子と窒素原子が結合したもし
くは窒素原子と水素原子が結合した置換基を含まず、ま
た酸素原子も含まない特定の有機化合物を用いる。
Description
II−V族窒化物半導体層を備えた、電界効果型トランジ
スタ、フォトダイオードや発光ダイオード(LED)等
の半導体素子に係わり、特に第VI族原子がドーピングさ
れた III−V族窒化物半導体素子に関する。
ウム(GaN)や窒化インジウム(InN)及びそれら
の混晶である III−V族窒化物半導体層は、緩衝層、能
動層或いはコンタクト層などとして、電界効果型トラン
ジスタ等の電子デバイスや紫外線検出器等の光デバイス
に用いられる。これらの半導体素子には、不純物を故意
に添加するドーピングを施し伝導形をn形或いはp形と
した III−V族窒化物半導体層が利用される。
ばMOVPE法等の気相成長法では、亜鉛(Zn)やマ
グネシウム(Mg)などの元素周期律表の第II族に属す
る原子をドーピングすることにより得られている。一
方、n形の伝導性を呈する III−V族窒化物半導体層を
得るには、従来から第IV族の珪素(Si)がドーパント
して多用されている。第VI族原子も III−V族窒化物半
導体に対しては、原理的にはn形の不純物として作用す
る。
As等の他の III−V族化合物半導体と同様に、例えば
Si等の第 族原子は同半導体層中の第 III族原子の空
孔(vacancy)、即ちガリウム(Ga)の空孔
((Ga)v で表す。)の位置を占有し、結合価数の関
係から束縛性の薄い電子が放出されることにより、その
半導体層にn形の伝導性を付与する。これを模式的に表
現すれば式(1)の如くとなる。 Si+(Ga)V → SiGa+e- ・・・・・式(1) 式(1)に於いて、符号SiGaは(Ga)V を占有した
Si原子を表し、e-はそれにより放出されたn形の伝
導性をもたらす電子を意味する。
体層の気相成長で或る一定の成長温度に於ける空孔濃度
のV/III 比率の依存性を図1に例示する。図1に示す
様にIII−V族化合物半導体で(Ga)V 等の第 III族
原子の空孔の濃度(130)は例えばMOVPE法で I
II−V族化合物半導体層を気相成長させるに際し、成長
環境内の第 III族原子の量に対する第V族原子の量の比
率を増加させると増加する傾向がある。よって、Siの
ドーピングを施してn形の III−V族窒化物半導体層を
得るには、式(1)に従えば第 III族原子の空孔の密度
を増加させるのが効率的であるのが判る。例えば、Ga
N等のSiのドーピングを施したn形のIII−V族窒化
物半導体をMOVPE法で得る場合にあっては、成長環
境内で第V族元素であるNの量を第 III族の原子の濃度
に対して増加させる必要がある。
E法による III−V族窒化物半導体層の気相成長では、
アンモニア(NH3 )がN源として利用されている。第
III族構成原子の原料としては、トリメチルガリウム
((CH3 )3 Ga)、トリメチルアルミニウム((C
H3 )3 Al)やトリメチルインジウム((CH3 )3
In)等の有機金属化合物が使用される。これらの有機
金属化合物は一般には低温で容易にしかも非可逆的に分
解し金属原子を成長系に供給できる。しかし、NH3 は
これらの有機金属化合物とは対照的に低温では難分解性
でありしかも可逆的な分解を呈する。このNH3 の有機
第 III族化合物に比較しての不釣り合いな難分解性と分
解反応の可逆性によって、V/III 比率を容易には増加
できない事態を招くこととなっていた。即ち、Si等の
第IV族原子の III−V族窒化物半導体層へのドーピング
の非効率化を招いていた。
してNH3 をN源としてMOVPE法によりGaNへS
iをドーピングした際のシート抵抗のV/III 比率依存
性を例示する。ここで云うV/III 比率とは、GaNの
成膜に原料として用いたNH3 と(CH3 )3 Gaの成
長反応系への供給比率、即ちNH3 /(CH3 )3 Ga
で表される成長反応系への原料の供給比率を示す。シー
ト抵抗はキャリア濃度に逆比例し、一般にはキャリア濃
度が増加するに伴い低い値を取る。図2に示す如く、V
/III 比率の増大に伴いシート抵抗は低下する傾向は認
められるものの、例えばGaAs層のMOVPE成長に
通常採用されるV/III 比率とは桁違いに大きな比率に
於いてようやく1015〜1016cm-3程度の低いキャリ
ア濃度が得られる。図2に併せて図示する様に常圧のM
OVPE法によるGaAsの気相成長に於いては、V/
III 比率が20〜30と低比率側でもキャリア濃度が1
018cm-3を越える低シート抵抗である、通常の半導体
素子の能動層やコンタクト層等として充分に利用できる
高いキャリア濃度のn形層が得られる。第IV族原子の含
窒素 III−V族化合物層へのドーピングの効率はこの様
に極めて悪い。上記の如く1015〜1016cm-3の低い
キャリア濃度の含窒素化合物層は一般には半導体素子の
能動層として利用するのは困難である。電界効果型トラ
ンジスタに於いても能動層には1017cm-3程度のn形
半導体層が必要とされる。即ち、第IV族原子の III−V
族化合物層に対するドーピング効率の低さは、n形の含
窒素化合物層を利用する半導体素子の生産性の低さをも
たらす結果を招いていた。
するドーピング効率の低さは、(Ga)V の濃度の小さ
いことに起因している。前記した実験例の如く例えばG
aAsに比較し原料のV/III 供給比率を遥かに高く設
定したところで、成長反応系の内部ではそれに対応して
実際のV/III 比率は高いキャリア濃度の半導体層を容
易に得るに充分な(Ga)V の濃度に依然として至って
いことを意味している。
族原子の空孔の濃度([ III]V で表す。)と第V族原
子の空孔濃度([V]V で表す。)とには、或る温度で
次の式(2)で表される関係が成立する。 [ III]V × [V]V = c(定数) ・・・・・ 式(2) 即ち、或る温度で[ III]V と[V]V の積の値は正の
定数となる。この式(2)で表される関係から[ III]
V の濃度が小さい場合は、逆に[V]V の濃度は増大す
ることが知れる。従って、例えばGaNの場合では(G
a)V の濃度が小さくなるに伴い、Nの空孔((N)
V )の濃度([N]V )が増大することを表している。
呈する III−V族窒化物半導体層を得るには、第IV族原
子に替わり第VI族の原子をドーピングするのが都合が良
い。何故ならば次の式(3)に示す如く第V族原子の空
孔を6価の例えば硫黄(S)原子が占有すると、原子価
の関係からn形の伝導をもたらす自由電子を放出できる
からである。 S + (V)V → SV + e- ・・・・・式(3) ここで、SV は第V族原子の空孔がS原子により占有さ
れた状態を示している。
−V族化合物半導体へドーピングするためのドーピング
ガスとしては従来から、硫化水素(H2 S)やセレン化
水素(H2 Se)が用いられている。そしてこれらをド
ーピングガスとして例えば、(CH3 )3 GaをGa源
としてn形のGaAs層がMOVPE成長させられてい
る。また(CH3 )3 InをIn源としたInPのMO
CVD成長に於いてもH2 SをドーピングガスとしてS
がドーピングされたn形のInP層が得られている。し
かしながら、総じてルイス酸性を示すこれらのトリアル
キル III族化合物と概してルイス塩基性の第V族の水素
化合物とは室温に於いても容易に反応し、正常なMOV
PE成長を阻害する。InやGaのトリアルキル化合物
に比較し特にルイス酸性の強いトリアルキルAl化合物
は室温でも次の式(4)で示される電子供与・受容反応
により難解離性の固形物を生成する(Gmelin H
andbuch der Anorganischen
Chemie(Achte vollih neu
bearbeitete Auflage)、Spri
nger−Verlag(1981)、p.56.)。 Al(C2 H5 )3 (g)+H2 Se(g) → Al2 Se(s) ・・・式(4) 式(4)に於いて、符号(g)及び(s)は室温に於い
てそれらの物質が各々気体状態及び固体状態にあること
を示している。例えば、Alx Ga1-x As(xは組成
比を表す。)のAlの組成比を制御するに際し、この様
な反応が起こると固形物の生成にAlが消費されるため
所望のAl組成比が得られない場合が起こる。Alの組
成比が設計した値と異なれば所望する禁止帯幅を有する
Alx Ga1-x As層が得られない。Al組成の不安定
性に基づく禁止帯幅の変動は高移動度電界効果型トラン
ジスタ等のヘテロ接合でのバンドの不連続性を利用する
半導体素子にあっては、電子移動度等の電気的特性の不
安定性を招き好ましくはない。このため、Alを含む I
II−V族化合物半導体層では、第VI族元素であるSをド
ーピングしたn形伝導層は半導体素子を構成する一つの
層として実用上利用されている例は殆どない。GaN等
の III−V族窒化物半導体に対しても第VI族原子がn形
のドーパントとして作用することは原理的に類推でき、
第VI族原子をn形ドーパントとすることは提案はされて
いるものの(特開平5−190903)、現実には第VI
族原子のドーピングにより得たn形の伝導を呈する III
−V族窒化物半導体層を備えた半導体素子は実用化に至
っていない。
aや(CH3 )3 In等のトリアルキル化合物でも起こ
る。但し、GaやInのトリアルキル化合物は一般にA
lのトリアルキル化合物に比較すればルイス酸性が弱い
ため目立った反応とはなっていない。いずれにしても、
トリアルキル化合物を第 III族原子の供給源とする従来
の III−V族窒化物半導体のMOVPE法等の気相成長
方法に於いても事態は同じであり、第VI族原子をドーピ
ングしn形の窒化物半導体層を得るに優位な[V]V が
高い状態にあるにも拘らず、n形の半導体層を得るため
に第 族原子をドーピングするに際しては、上記の様な
ルイス酸・ルイス塩基の反応に伴う問題が存在してい
た。
圧を有し、且つ半導体層成長用として高純度である等の
理由により、やはり第 III族のトリアルキル化合物を用
いるのが適当である。第VI族原子をドーピングしn形の
III−V族窒化物半導体層を得るに際し、前述の従来の
問題点を克服するには第 III族のトリアルキル化合物を
第II族族原子の供給源とすることを前提として、これら
のトリアルキル第 III族化合物とのルイス酸・塩基反応
を回避、抑制出来る新たな第VI族化合物が望まれる。し
かし、未だこの目的に合致し、ドーピング材料として適
する第VI族元素を含む新たな化合物は提示されていな
い。
としては、第VI族を含んでいることが必要条件の一つと
はなるが、第VI族原子を含む全ての化合物がドーピング
材料として適するとは限らない。例えば、酸素(O)原
子を含む化合物例えば、カルボキシル基(−COO
H)、ケトン基(=CO)、ニトロソ基(−NO)やニ
トロ(−NO2 )基等の置換基が付加した第VI族原子を
含む化合物は、VPE、MOVPE或いはまたMBE等
の気相方式に拘らず好ましくはない。易酸化性のAl原
子を構成原子として含む例えばAlNやAlInN、G
aInNやAlGaInN等の混晶を成長させる際に、
Al原子が酸素により酸化され良質のAl含有膜が形成
されないからである。
含む化合物が有機化合物であると、III−V族窒化物半
導体層中への炭素(C)の混入が懸念される。例えば、
トリメチルガリウム等の有機アルキル化合物と、窒素源
としてアンモニアと第VI族元素のドーピング源として硫
化水素(H2 S)とを利用する減圧方式のMOCVD法
で成長した硫黄(S)を含むGaN層の炭素原子の濃度
は1018cm-3前後の高濃度に達することもあった。こ
の様な高濃度の炭素が本来無色透明なGaN半導体層内
に混入すると、GaN層の透明度を損う一因となる場合
が有り得る。GaNに限らず不透明な半導体層は、例え
ば発光ダイオード等の光の透過性が求められる半導体層
から構成される半導体素子にあっては、発光層からの発
光がその半導体層に吸収される等の不具合をもたらす。
従って、第VI族元素を含む有機化合物の選定に当たって
は熱分解または光分解等の分解方法によって、揮散し易
く、成長反応系内から容易に排出され得る分解生成物を
もたらす様な有機化合物を選定する必要がある。しか
し、ドーパントとして適するとされる第VI族原子を含む
有機化合物は今までに系統的に提示されておらず、僅か
にジエチルサルファイド((C2 H5 )2 S)が提示さ
れているに過ぎない。しかしながらこのジエチルサルフ
ァイドは硫黄(S)原子に2つの脂肪族炭化水素置換基
であるエチル基(C2 H5 −)が付加した化合物であ
る。エチル基を構成する炭素原子の数は2であり、分子
自体占有する空間領域は小さい。従って、硫黄原子の周
囲の空間を硫黄原子を取巻くように占有することはでき
ない。よってトリアルキル化合物との電子供与・受容反
応を抑制するのに充分とはならない。
族窒化物半導体層の第V族原子の空孔の濃度の本質的な
高さを利用して、 III−V族窒化物半導体層に第VI族の
原子をドーピングし半導体素子を構成するに必要とされ
るn形の III−V族窒化物半導体層を得るに際し、ルイ
ス酸性を示す第 III族のトリアルキル化合物との電子供
与・受容反応が抑制、回避でき、且つ炭素の汚染を抑制
できる第VI族元素を含む有機化合物を新たなドーピング
材料として提示すると共に、第VI族原子がドーピングさ
れたn形のIII−V族窒化物半導体層を備えた半導体素
子を提供する。
決するために開発されたもので、 III−V族窒化物半導
体に特定の有機化合物を用いて第VI族元素をドーピング
源したものである。即ち、本発明の半導体素子はアルミ
ニウム、ガリウム、インジウムの少なくとも一つの元素
を含む III族(元素周期律表、以下同じ)の元素と少な
くとも窒素を含む III−V族化合物半導体素子であっ
て、そのドーピング源として次の要件を満たす有機化合
物を用いて第VI族元素をドーピングしたものである。ド
ーパントとして使用する有機化合物はその構成要件とし
て a)硫黄、セレン、テルウのうち少なくとも1種の元素
と、炭素原子数3以上の炭化水素基を含む鎖状炭化水素
化合物 b)硫黄、セレン、テルルのうち少なくとも1種の元素
を含む芳香族炭化水素化合物 c)硫黄、セレン、テルルのうち少なくとも1種の元素
を含む脂環式炭化水素化合物 d)硫黄、セレン、テルルのうち少なくとも1種の元素
を含む複素環式炭化水素化合物を満たすものとする。こ
れらドーパントとして用いる有機化合物に望まれる構成
成分としては、 i)第VI族元素を含む。 ii)骨格部分以外の置換基に炭素原子と窒素原子との
結合を含まない。 iii)骨格部分以外の置換基に炭素原子と水素原子と
の結合を含まない。 iv)酸素原子を含まない。 等があげられる。以下これらの代表的な化合物を構造的
に分類して列挙する。本発明では、上記化合物により
S、Se叉はTeのうち1種以上の第VI族元素がドープ
されてなり、且つ炭素の濃度が8×1016cm-3以下で
ある含窒素 III−V族化合物半導体層を備えた半導体素
子を提供する。
には、GaN、AlN、InN、AlGaN、GaIn
N、AlInN、AlGaInNが挙げられる。また、
Nに加え第V族元素としてヒ素(As)やリン(P)を
含む III−V族窒化物半導体も本発明に該当する。これ
にはGaNAs、GaNP、AlNAs、AlNP、I
nNAs、InNP、AlGaNAs、AlGaNP、
GaInNAs、GaInNP、AlInNAs、Al
InNP、AlGaInNAs、AlGaInNP、G
aNPAs、AlNPAs、InNPAs、AlGaI
nNPAsなどの他、タリウム(Tl)の化合物等があ
る。
l)基(CH3 −)、エチル(ethyl)基(CH3
CH2 −若しくはC2 H5 −)やプロピル(propy
l)基(CH3 CH2 CH2 −若しくはC3 H7 −)な
ど、直鎖状若しくは枝分かれ状(branch)飽和脂
肪族化合物を構成する水素原子(H)の内の1個のHが
脱離した状態に在る基(group)を云う。即ち、炭
素原子(C)の数を正の整数である(n)(n≧1)で
表すとC(n) H(2n+1)−で表される基である。
素基も本発明では脂肪族炭化水素基として一括して取り
扱う。これには、エチレン若しくはエテン(ethyl
ene或いはetene)基(C2 H3 −若しくはH2
C=CH−)や1−ブテン(butene)基(HC=
CHCH2 CH2 −)や2−ブテン基(H2 CHC=C
HCH2 −)やオクテン(octene)基(C8 H15
−)等が挙げられる。ここでは、飽和及び不飽和脂肪族
炭化水素基(アルキル基及びアルケン基)を便宜上、記
号RまたはR’で表す。
Teのうち少なくとも1種の第VI族の原子と結合してい
る化合物が使用できる。第VI族原子でも酸素(O)原子
は不適当である。S、Se、Teのうち少なくとも1種
の第VI族の原子と結合する2個の炭化水素基は同一であ
っても、また相互に異なっていても差し支えはない。上
記の記号をもって示せば、S、Se、Teのうち第VI族
の原子と2個の炭化水素基が結合した直鎖状脂肪族化合
物はR−VI−RやR−VI−R’などの形式をもって表す
ことができる。
肪族化合物では、従来から III−V族化合物半導体への
n形ドーパントして使用されて来た第VI族元素に水素が
結合してなる、例えば硫化水素(H2 S)やセレン化水
素(H2 Se)等の第VI族水素化物に比較すれば、水素
原子より大きな空間体積を占める少なくとも1個の炭素
原子と少なくとも3個の水素原子からなるメチル基(C
H3 −)等が第VI族元素に付加している。このため、本
発明に係わる化合物中の第VI族原子がルイス酸性的で求
電子的反応を起こし易い第 III族元素のトリアルキル化
合物の第 III族原子に対して充分に接近することが容易
ではなくなる。これにより、従来、第 III族元素のトリ
アルキル化合物と硫化水素(H2 S)やセレン化水素
(H2 Se)等の間で生ずる電子供与・受容反応による
円滑な気相成長を阻害する従来の気相ポリマー化反応を
より低減することが可能となる。
型の化合物に於いて、炭化水素基の立体障害による第 I
II族原子の出発原料であるトリアルキル化合物との従来
の結合化反応はR−VI−R型若しくはR−VI−R’型の
化合物に於いて、基を構成する炭素数が3以上の炭化水
素基を少なくとも一つ備えた化合物に於いて特に顕著に
回避される。基を構成する炭素原子の数を3以上とする
炭化水素基には、炭素数が3のイソプロピル基(CH3
(CH3 )CH−)や構成する炭素数を4とするイソブ
チル基(−CH2 CH(CH3 )CH3 )等がある。し
かし、炭化水素基を構成する炭素数の増加に伴い、化合
物の融点は一般に上がる。例えば、直鎖状の炭化水素基
で炭素数を2とするエチル基を備えたジエチルサルファ
イドは、室温で液体であるが、炭素数を12とするドデ
シル基を備えたジノルマルドデシルサルファイドにあっ
ては、融点が38〜40℃の室温で固体となる。室温で
固体であっても適度な昇華圧を呈すれば気相成長用途の
ドーパント源となり得るが、バブリング操作によってド
ーパント源を気相成長系に供給することを意図する場合
には、室温から気相成長設備を構成するバルブ等の部品
類の一般的な耐熱温度である70〜80℃の温度範囲内
に融点を有する化合物であることが望ましい。従って、
液体源のバブリング操作により気相成長系にドーパント
源を供給する場合にあっては、炭素数を3以上とし、概
ね、12から15以下とする炭化水素基を備えた化合物
を利用するのが望ましい。
素原子(H)との結合(N−H結合)を含まない化合物
を選択する必要がある。GaN等の含窒素 III−V族化
合物半導体層に於いて、例えば、NH3 等のN源や或い
は気相成長系内添加、混合される化合物の不十分な熱分
解などに伴って層内に置換基からもたらされるN−H結
合が残存すると、同じく層内に存在するキャリアの伝導
キャリアとしての電気的な活性化を妨げるからである。
従って、本発明ではN−H結合の含窒素 III−V族化合
物半導体層内への混入をもたらす可能性の高い例えば、
アミン基(NH2 −)を付加してなる炭化水素基を備え
た化合物類及びアミン基を置換基として備えた炭化水素
基を有する化合物類は除外する。
子(N)との結合(C−N結合)を含む置換基若しくは
官能基を備えた脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基
を含む化合物は除外される。熱分解により、有害なシア
ン系の物質が生成される可能性が高いことによる気相成
長に係わる操作上の危険性を回避するためである。
含まない置換基が結合した化合物の一例には、例えば第
VI族元素に2個の同一の直鎖状飽和脂肪族炭化水素基が
結合した脂肪族化合物がある。これには例えばジノルマ
ルプロピルサルファイド((CH3 (CH2 )2 )2
S)、ジノルマルブチルサルファイド((CH3 (CH
2 )3 )2 S)、ジノルマルアミルサルファイド(ジノ
ルマルペンチルサルファイド)((CH3 (CH2 )4
)2 S)、ジノルマルヘキシルサルファイド((CH3
(CH2 )5 )2 S)、ジノルマルヘプチルサルファ
イド((CH3 (CH2 )6 )2 S)、ジノルマルオク
チルサルファイド((CH3 (CH2 )7 )2 S)、ジ
ノルマルノリルサルファイド((CH3 (CH2 )8 )
2 S)、ジノルマルデシルサルファイド((CH3 (C
H2 )9 )2 S)、ジノルマルドデシルサルファイド
((CH3 (CH2 )11)2 S)などのR−S−R型
(−は結合を示す。)等の化合物が例示できる。
和脂肪族炭化水素基(R及びR’で示す。)が結合した
R−S−R’型の脂肪族化合物も本発明で云う第VI族元
素に炭化水素化合物が結合してなる化合物の一例であ
る。これには、メチルノルマルプロピルサルファイド
(CH3 (CH2 )2 SCH3 )、ノルマルブチルメチ
ルサルファイド(CH3 (CH2 )3 SCH3 )、ノル
マルヘプチルメチルサルファイド(CH3 (CH2 )6
SCH3 )、メチルノルマルオクチルサルファイド(C
H3 (CH2 )7 SCH3 )、メチルノルマルノニルサ
ルファイド(CH3(CH2 )8 SCH3 )、ノルマル
デシルメチルサルファイド(CH3 (CH2)9 SCH3
)、ノルマルデシルメチルサルファイド(CH3 (C
H2 )11SCH3 )、エチルノルマルプロピルサルファ
イド(CH3 CH2 S(CH2 )2CH3 )、ノルマル
ブチルエチルサルファイド(CH3 (CH2 )3 SCH
2 CH3 )、アミルエチルサルファイド(CH3 (CH
2 )4 SCH2 CH3 )、ノルマルデシルエチル(CH
3 (CH2 )9 SCH3 )、ノルマルブチルノルマルプ
ロピルサルファイド(CH3 (CH2 )3 S(CH2 )
2 CH3 )などがある。
てなる化合物には、例えば、チオフェノール(Ph・S
・H;Phはフェニル基(C6 H5 −)を表す。)、2
−ターシャリィブチルチオフェノール、4−ターシャリ
ィブチルチオフェノール、フェニルセレノール(Ph・
Se・H)、メチルフェニルサルファイド(Ph・S・
CH3 )や2,6−ジメチルチオフェノール、3,4−
ジメチルチオフェノール及び3,5−ジメチルチオフェ
ノール等の同族体、2,4−ジターシャリィブチルチオ
フェノール、フェニルノルマルプロピルサルファイド
(Ph・S・(CH2 )2 CH3 )、イソプロピルフェ
ニルサルファイド(Ph・S・CH(CH3 )2 )やo
−、m−及びp−チオクレゾール同族体(CH3 Ph・
S・H)、ベンジルメチルサルファイド(PhCH2 ・
S・CH3 )、ベンジルエチルサルファイド(PhCH
2 ・S・CH2 CH3 )等のフェニル基を含む化合物が
例示できる。
Se)やジベンジルサルファイド((PhCH2 )2
S)等の如く含まれる炭化水素基は全てが芳香族炭化水
素基であっても良い。
む化合物も芳香族炭化水素基と第VI族原子とが結合して
なる化合物として例示できる。例えば、2−チオナフト
ール(2−Thionaphthol、Naphtha
lene−2−thiol或いは2−Mercapto
naphthaleneとも称す。)やチオナフテン
(Thionaphthene、1−Benzothi
opheneとも称す。)がこれに該当する。
合物は熱分解するに際し、例えば、第VI族原子と結合し
てなる芳香族炭化水素基がその形態を保持して分離する
ため、芳香族環が分解して生成される炭化水素フラグメ
ントが少なく第VI族原子のドーピングに伴う成長層中へ
の炭素の汚染が低減される利点がある。
族元素を含み、置換基として炭素原子と窒素原子との結
合若しくは窒素原子と水素原子との結合を含まず、且つ
酸素原子を含まない環式脂肪族炭化水素化合物(略し
て、脂環式化合物)を用いる。炭素原子と窒素原子との
結合若しくは窒素原子と水素原子との結合を排除するの
は上述の理由による。本発明の云う脂環式化合物にはシ
クロヘキサン環とメチル基が硫黄(S)原子に結合して
なるシクロヘキシルメチルサルファイド、シクロヘキサ
ン環とS原子が結合したシクロヘキセンサルファイドや
芳香族炭化水素基であるフェニル基(Ph−)を備えた
シクロプロピルフェニルサルファイドなどが一例として
挙げられる。
2重結合(−C=C−;記号−は単結合を=は2重結合
を各々、表す。)等の多重結合を含む炭化水素との結合
を含む化合物をドーパント源として利用する。2重結合
には一つのパイ(π)結合が、3重結合には2つのπ結
合が存在することとなるが、このπ結合を保有する炭化
水素基は熱分解により第VI族元素との結合を切断し、離
脱した際にもπ結合による共役により熱的な構造安定性
が維持される。これにより、多重結合を内包する炭化水
素基にあっては、更に小さな分子に分裂し炭素を含むラ
ジカル等のフラグメントを生ずる可能性が少なくなる。
従って、成長層内への炭素の汚染が減少される利点があ
る。
る2重結合等の多重結合を含む炭化水素との結合を含む
化合物の一例として同一の不飽和脂肪族炭化水素基が結
合した脂肪族化合物がある。これには例えば、ジアリル
サルファイド((CH2 =CHCH2 )2 S)のR−S
−R型の化合物がある。2重結合を含む不飽和脂肪族炭
化水素基と飽和炭化水素基とが第 族元素に結合した化
合物には、アリルメチルサルファイド(CH2 =CHC
H2 SCH3 )、アリルエチルサルファイド(CH2 =
CHCH2 SCH2 CH3 )、アリルノルマルヘキシル
サルファイド(CH2 =CHCH2 )2 S(CH2 )5
CH3 )、アリルノルマルドデシルサルファイド(CH
2 =CHCH2 )2 S(CH2 )11CH3 )等のR−S
−R’型の直鎖状の炭化水素基を備えた化合物が例示で
きる。
不飽和炭化水素基と第VI族元素としてSとの結合を含む
化合物の例であるが、化合物としてはこれらに限定され
ることはなく、例えば、芳香族炭化水素基と不飽和脂肪
族炭化水素基とが第VI族元素に結合してなる化合物であ
っても良い。また、第VI族元素はSe、テルリウム(T
e)等でも良い。
炭化水素基を含む化合物の例には、ベンジルメタリルサ
ルファイド(PhCH2 ・S・CH2 C(CH3 )=C
H2)等の化合物がある。
は、それを構成する炭素数が増加するに伴い、炭化水素
基が占有する空間体積が増加する。例えば、メチル基
(CH3 −)に比較すればエチル基(CH3 CH2 −)
の占める空間体積は大きい。第VI族元素に炭素原子数が
多い炭化水素基が付加していると、炭化水素基が空間的
に占有する体積が大きいことによる立体障害のため、第
VI族原子への例えば求電子的反応を起こし難くなる。基
を構成する炭素数が同一であっても直鎖状炭化水素基よ
りも枝分かれした炭化水素基の方がより空間を占める体
積が増大する。例えば、直鎖状の炭化水素基の一例であ
るノルマルプロピル基に比較し、枝分かれした基の一例
であるイソプロピル基はより空間的な占有面積が大き
く、とりもなおさず結合している第VI族原子を接近する
分子に対し遮蔽する効果がより増大する。よって、従来
から多用されている(CH3 )3 Gaや(CH3 )3 A
lなどのトリアルキル化合物との求電子的化合物との従
来から問題とされて来た結合化反応が抑制できる利点が
生まれる。
結合してなる化合物には、ジイソプロピルサルファイド
(((CH3 )2 CH2 )2 S)、ジイソアミルサルフ
ァイド(((CH3 )2 CHCH2 CH2 )2 S)など
が例示できる。これらは第VI族元素に同一の枝分かれ炭
化水素基が結合してなるR−VI−R型(記号VIは第VI族
原子を表す。)化合物の例である。異なる炭化水素基が
第VI族元素に結合してなるR−S−R’型の化合物に
は、ターシャルィブチルメチル(CH3 SC(CH3 )
3 )、ターシャリイブチルエチルサルファイド(CH3
CH2 SC(CH3 )3 )、ノルマルブチルイソプロピ
ルサルファイド(CH3 (CH2 )3 SCH((CH
3 )CH3 )、ノルマルブチルイソブチルサルファイド
(CH3 (CH2 )3 SCH2 CH(CH3 )CH
3 )、セカンドリィブチルメチルサルファイド(CH3
SCH(CH)3 CH2 CH3 )、セカンドリイブチル
ターシャリイブチルサルファイド(CH3 CH2 CH
(CH3 )S(CH2 )3 CH3 )、セカンダリイブチ
ルイソブチルサルファイド((CH3 )2 CHCH2 S
CH(CH3 )CH2 CH3 )、ターシャリイアミルメ
チルサルファイド(CH3 CH 2 C(CH3 )2 SCH
3 )などが挙げられる。上記した例は第VI族としてSを
含んだ化合物の例であるが、第VI族原子はSに限定され
ることはない。
は3重の多重結合を含む不飽和炭化水素基とを備えた化
合物もここでは、本発明に係わる枝分かれした炭化水素
基を備えた化合物として扱う。枝分かれした炭化水素基
と2重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基とが第VI族原
子に結合した化合物には、アリルイソプロピルサルファ
イド(CH2 =CHCH2 SCH(CH3 )2 )、ジア
リルセカンダリィブチルサルファイド(CH2 =CHC
H2 SCH(CH3 )CH2 CH3 )、アリルセカンダ
リィブチルスルファイド(CH2 =CHCH2 SCH
(CH3 )CH2CH3 )などが例示できる。これらの
化合物は異なる炭化水素基を結合してなっているが、同
一の炭化水素基が第 族原子に結合してなる化合物に
は、ジメタリルサルファイド((CH2 =C(CH3 )
CH2 )2 S)等が例示できる。枝分かれした脂肪族炭
化水素基を含む化合物も構造上から分類すればR−VI−
R型若しくはR−S−R’型の化合物である。
族原子を含む化合物をドーピング源として利用する。第
VI族原子に結合している炭化水素基が同一である場合、
同一分子内に複数の第VI族原子が含まれていると、分子
を構成する原子の総数(ここでは(a)とする。)に対
する第VI族原子の総数(ここでは(b)とする。)の比
率((b/a)が大きくなる。例えば、第VI族原子とし
てSを1個含むノルマルヘプチルメチルサルファイド
(CH3 (CH2 )6 ・S・CH3 )では、(a)=2
7で(b)=1であるから(b/a)は約0.037で
ある。一方、第VI族原子のSに結合している脂肪族炭化
水素基の種類と種類別の基の数量は同一であるものの、
2個のS原子を含む2,9−ジチアデカン((CH3 ・
S・(CH2 )6 ・S・CH3 )にあっては、S原子1
個の増量により(a)は28となる。この場合、(b)
=2であるから、(b/a)=0.071となり、分子
を構成する原子数に対し第VI族原子が占有する構成比率
が増す。これにより、例えば、気相成長系に供給される
ドーパント源とする化合物のモル(mol)数が同一で
あれば、同一体積(供給量)の分子から例えば、熱分解
により放出される第VI族元素の量の増加がもたらされる
利点がある。これらの化合物の一例には、1,2−ベン
ゼンジチオール(C4 H6 S2 )等の芳香族系化合物
や、1,10−デカンジチオール(H・S・(CH2 )
10・S・H) 等のH−S−(CH2 )n−S−H型
(nは0以上の正の整数)、2,6−ジチアヘプタン
(CH3 ・S・(CH2 )3 ・S・CH3 )などのR−
S−(CH2 )n −S−R型(nは0以上の正の整数)
の脂肪族系化合物がある。この様な化合物は第VI族原子
相互の結合は含んでいないが、同一分子内に複数の第VI
族原子を含有する化合物の一例である。
つ第VI族原子相互の結合む化合物は、更に熱分解性に於
いて優位である。第VI族原子相互の結合とは例えば、
(−S−S−)(−は結合を表す。)、(−Se−Se
−)や(−Te−Te−)など第VI族原子が相互に結合
していることを云う。この様な相互結合を形成している
第VI族原子の周囲には、結合に寄与しない電子が非結合
性電子対(lone pair)として存在する。結合
している互いの第VI族原子の周囲に各々、負電荷の電子
対が存在すると、同一の負電荷を有する電子対相互の反
発が生ずる。この電気的な反発力により、第VI族原子間
で結合が切断され易くなる。これにより、化合物の分解
が助長され、第VI族原子を気相成長系内に放出するに優
位となる。
つ第VI族原子相互の結合を含む化合物には、例えば、上
記のbが2に相当する次の(1)乃至(4)の様な化合
物が例示できる。 (1)ジメチルジサルファイド((CH3 )2 S2 )、
ジエチルジサルファイド((CH3 CH2 )2 S2 )、
ジノルマルプロピルジサルファイド((CH3 (CH
2 )2 )2 S2 )、ジノルマルヘキシルジサルファイド
((CH3 (CH2)5 )2 S2 )、ジノルマルヘプチ
ルジサルファイド((CH3 (CH2 )6 )2 S2 )等
の飽和炭化水素基を付加した化合物やジアリルジサルフ
ァイド((CH2 =CHCH2 )2 S2 )等の不飽和炭
化水素基を備えた骨格を例えば、R−VI−VI−R型(記
号VIは第VI族原子を表す。)とする脂肪族炭化水素基を
付加、結合した脂肪族系化合物。また、ジフェニルジセ
レナイド(Ph−Se−Se−Ph)、ジベンジルジセ
レナイド(PhCH2 −Se−Se−CH2 Ph)、ジ
ベンジルジサルファイド(PhCH2 −S−S−CH2
Ph)等の例えば、骨格をPh−VI−VI−Ph型やPh
CH2 −VI−VI−CH2 Ph型とする芳香族系化合物。 (2)2,2’−ジピリジルジサルファイド、4,4’
−ジピリジルジサルファイド、ジ(2−チエニル)ジサ
ルファイド等の第VI族原子相互の結合に関して対称的に
芳香族基が配置している芳香族系化合物。 (3)ジシクロヘキシルジサルファイドなどの脂環式化
合物。 (4)互いに結合をなす第VI族原子の各々に異なる炭化
水素基が結合してなる第VI族原子相互の結合に関して非
対称的な構成を有する化合物。
脂環式化合物または芳香族化合物若しくはそれらの誘導
体或いはそれらの置換体をドーパント源として利用す
る。但し、誘導体及び置換体は炭素原子と窒素原子との
結合及び窒素原子と水素原子との結合を備えた置換基を
含まないものとする。理由は上述したとおりである。酸
素原子も含まないものとする。
た複素環を備えた脂環式化合物または芳香族化合物若し
くはそれらの誘導体或いはそれらの置換体をドーパント
源として利用する。
第VI族元素とを備えた複素環を含む脂環式化合物または
芳香族化合物若しくはそれらの誘導体或いはそれらの置
換体をドーパント源として利用する。
に記述すれば、一つの炭化水素基が環状に屈曲し、基の
両端が第VI族元素に結合した環状の構造を有する化合物
である。この化合物の一例にヘキサメチレンサルファイ
ド((CH2 )6 S)等がある。ヘテロ原子とする第VI
族原子が1個の場合は、第VI族ヘテロ原子の両端にはメ
チレン基(CH2 −)等が結合している。炭化水素基は
一般には、電子供与性の基であるから、両端のメチレン
基及びヘテロ原子周辺の電子密度が増加する。第VI族ヘ
テロ原子の周辺にはまた、第VI族原子の非結合性の電子
対が存在する。この電子対と環を構成する炭化水素基内
の電子密度の片寄りとによって、ヘテロ原子と環を構成
する炭化水素基の両端との間で電気的な反発が生じ、ヘ
テロ原子と炭化水素との結合が切断される。これによ
り、ヘテロ環は開壊し、ヘテロ原子が放出され易い利点
がある。
する原子として備えた複素(ヘテロ)環を含む複素(ヘ
テロ)環式脂環式化合物及びその置換体も上記と同様
に、ヘテロ原子とそれに結合しているメチレン基等との
間で開裂し易い。従って、ヘテロ原子を放出し易い利点
がある。更に、複数の第VI族のヘテロ原子を含んでいれ
ば、第VI族原子の周辺に存在する非結合電子対の数量が
増加する。これにより、分子内に存在する電子対相互の
反発により尚一層分子は開裂し易くなる利点がある。こ
れらの化合物の例としてジチアン(Dithian)類
がある。1,3−ジチアンや1,4−ジチアン等の同族
体やジチアンにフェニル基を付加した例えば、2−フェ
ニル−1,3−ジチアン等の6員環構成の脂環式化合物
や、1,3−ジチオラン(Dithiolane)等の
5員環構成の脂環式化合物などがその例である。ジチア
ン類やジチオラン類は2個のS原子を環の構成原子とし
て含む複素環であるが、複素環を構成する第VI族原子に
拘らず、Se等の他の第VI族元素であっても構わない。
また、複素環を構成する複数の第VI族の構成原子が異な
っていても差し支えはない。
の環の構成原子として含む複素(ヘテロ)環を備えた芳
香族複素環式化合物若しくはそれらの誘導体或いはそれ
らの置換体をドーパント源として利用する。但し、誘導
体及び置換体は炭素原子と窒素原子との結合及び窒素原
子と水素原子との結合を備えた置換基を含まないものと
する。環内に存在するπ電子と第VI族ヘテロ原子の非結
合電子対との電気的な反発力により、当該化合物の分解
が助長される利点があるからである。
フェン(Thiophen:C4 H4 S)類がある。2
−メルカプトチオフェン、2,5−ジメチルチオフェ
ン、ノルマルアミルチオフェン等の脂肪族炭化水素基を
付加したチオフェン誘導体、2−フェニルチオチオフェ
ン、3−フェニルチオチオフェン等のフェニル基などを
含んだ芳香族系化合物がその例である。
も第VI族元素を少なくとも一つの環の構成原子として含
む複素環を備えた芳香族複素環式化合物及びその誘導体
や置換体が該当する。これには例えば、2つのSをヘテ
ロ原子として含む5員複素環を備えた3,4−ジメチル
チエノチオフェン(Diemethylthienot
hiophene)、2,2’−ジチエニル(Dith
ienyl)や3,3’−ジチエニルがある。
メチルベンゾチオフェン等の5員環と6員環とが縮合し
た構造を有する芳香族化合物も例示できる。
othiophene)等の2個の6員環と1個の5員
環が縮合した構造を備えた化合物も例示できる。S以外
の第VI族元素を含であるセレン(Se)を含む複素環か
らなる化合物には、2,5−ジメチルベンズセレナゾー
ル(Dimethylbenzselenazole)
等が挙げられる。ヘテロ環を構成する第VI族原子の種類
と当該ヘテロ環に付随ずる環の員数や数量等には制限は
ない。
晶等の含窒素 III−V族化合物半導体層の気相成長にあ
っては、上述の如くNH3 がN源として多用されてい
る。NH3 の難分解性により、これらの含窒素 III−V
族化合物半導体層の成長は従来から通常は1000℃前
後の高温で低くとも800℃程度で実施されている。こ
の様な高温では、成長層からのNの揮散も激しくなり、
結果としてして化学量論的に不釣合な含窒素 III−V族
化合物半導体層をもたらす。本発明では、係る従来の事
態を克服し化学量論的にも優れ、同時にn形の伝導を呈
する導電層を得るためにヘテロ原子としての窒素原子と
第VI族元素とを含む化合物を第VI族原子のドーパント源
として利用する。
を含む代表的な化合物の例を次からの6項に例示する。
族ヘテロ環と例えば、メルカプト基(−SH)等の第VI
族原子を含む基を備えた化合物で、6員構成のヘテロ環
を唯一備えた2−メルカプトピリジン等。
族ヘテロ環と例えば、メルカプト基(−SH)等の第VI
族原子を含む基若しくは第VI族原子を備えた化合物であ
って、例えば、5員環構成の2−メルカプトイミダゾー
ル、イミダゾールのアルキル置換体を備えた2−メルカ
プト−1−メチルイミダゾール、5員環と6員環との縮
合構造を備えた2−メルカプトベンズイミダゾールやア
ルキル置換体を備えた2−メルカプト−5−メチルベン
ズイミダゾールなどのイミダゾール類等。
4,6−ジアミノ−2−メルカプトピリミジン、4,6
−ジアミノ−2−メチルメルカプトピリミジン等のピリ
ミジン類など。
テロ環と第VI族原子若しくは第VI族原子を含む基を備え
た化合物。
テロ環と第VI族原子若しくは第VI族原子を含む基を備え
た化合物。一例として、2個のNヘテロ原子を含む脂環
式ヘテロ環と環外のS原子との2重結合を含む2−イミ
ダゾリジンチオン(Imidazolidinethi
one)など。
たヘテロ環と第VI族原子若しくは第VI族原子を含む基を
備えた化合物であって、例としてメルカプト(−SH
基)を備えた3−メルカプト−1,2,4−トリアゾー
ル、3−メルカプト−4−メチル−1,2,4−トリア
ゾール等のトリアゾール類など。
び第VI族元素の双方を環を構成するヘテロ原子として含
む化合物をドーピング源として利用する。代表的な化合
物の例を次からの4項に示す。
S或いはSe等の第VI族原子をヘテロ原子として含む芳
香族ヘテロ環式化合物であって、例えば、2−メルカプ
トチアゾール、2−イソプロピル−4−メチルチアゾー
ル等の5員環構成のヘテロ環式化合物がある。
の縮合構造を備えた2−メルカプトベンゾチアゾールや
2−メルカプト−4−フェニルチアゾール等のチアゾー
ル(Thiazole)類及び2−メルカプトベンズセ
レナゾール(C7 H4 NSe−SH)等のセレナゾール
(Selenazole)類。
メルカプトチアゾリン等のチアゾリン類。
をヘテロ原子とするヘテロ環を有するする化合物。例え
ば、4,5−ジフェニル−1,2,3−チアジアゾー
ル、2−メルカプト−5−メチル−1,3,4−チアジ
アゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジ
アゾールなどのチアジアゾール類。
等に基づいた便宜上の一分類例であって、例えば、1個
のN原子をヘテロ原子として含む芳香族ヘテロ環とメル
カプト基(−SH)を備えた2−メルカプトピリジンは
1個のN原子と同一の第VI族原子を2個含む化合物とし
ても分類できる。同様に1個のNヘテロ原子及び1個の
S或いはSe等の第VI族原子をヘテロ原子として含む芳
香族ヘテロ環式化合物である2−メルカプトベンズセレ
ナゾール(C7 H4 NSe−SH)等は、それを構成す
る原子の数に着目すれば、1個のN原子と異なる2個の
第VI族原子を含む化合物となる。
いは置換体は、酸素原子を含まないものとする。これら
の化合物の分解に伴い酸素原子が気相成長反応系内に放
出されると、例えば、Al源となる易酸化性の(CH
3 )3 Al等が酸化されるため、良好な膜質を有するA
lN膜やAlGaN混晶膜等の成長が阻害されるからで
ある。例えば、枝分かれした炭化水素基を含む化合物で
ジイソブチルサルフォン(Diisobutylsul
phone;((CH3 )2 CHCH2 )2 S2O2 )
等の酸素原子を含む化合物は好ましくない。1個のN原
子をヘテロ原子として含む芳香族ヘテロ環とメルカプト
基(−SH)を備えた化合物でも例えば、2,8−ジメ
ルカプト−6−ヒドロキシプリン(2,8−Dimer
capto−6−hydroxypurine)等の酸
素原子を含む水酸基(OH−)等を置換基として付加し
た化合物は好ましくない。
半導体層へ第VI族原子をドーピングするに際し、その化
合物半導体層の成長方式には特に制限はない。従来のM
OVPE法やVPE成長法が利用できる。また、分子線
エピタキシャル(MBE)法や化学ビームエピタキシャ
ル(CBE)法等の成長方法もできる。MBE法には使
用する原料の形態に依ってガスソース(GS)MBEや
有機金属(MO)MBE等の方式が有るがいずれでも利
用できる。含窒素 III−V族化合物半導体層を成長させ
るに当たっての例えばGa、AlまたはIn或いはN原
料についても制限はない。
大気圧(常圧)下で行う常圧方式と減圧下で実施する減
圧方式に大別される。いずれの方式に於いても、含窒素
III−V族化合物半導体層の成長は、従来から一般に3
00℃前後から1000℃程度の温度範囲で実施されて
いることから、ドーピングもこの温度範囲で実施でき
る。第VI族元素から炭化水素基等を脱離させるに充分な
熱エネルギーを与えられ、且つ必要以上の高温での脱離
した炭化水素基等に起因する余分なフラグメントの発生
を抑制する観点からすれば、ドーピングを施す温度は4
00℃前後から800℃近傍の範囲とするのが好まし
い。また、本発明に係る化合物を利用するドーピングに
於いては、画一的にドーピング温度(成長温度)を設定
する必要はなく、利用する化合物の分解性等の特性を勘
案して、化合物毎に温度に変化を与えても差し支えな
い。更に、本発明に係わる化合物をドーピング源とした
含窒素 III−V族化合物半導体層を積層構造の一構成層
として設ける場合にあっては、当該ドーピング層を設け
る温度と他の積層構造構成層の成長温度とは同一であっ
ても良く、異にしても差し支えはない。
て利用する場合に於いて、その使用形態には数多くの手
法が利用できる。例えば、本発明に係わる化合物が常温
で液体であれば、水素或いは窒素、アルゴン等の不活性
ガスでバブリング操作を施せば気相成長反応系内にドー
ピング源として供給できる。バブリング操作を行う化合
物は単体であっても本発明に係わる化合物からなる混合
物であっても差し支えはない。また、本発明に係わる化
合物を適当な濃度に希釈して使用しても構わない。例え
ば、本発明に係わる化合物を例えば、数ppmから数%
程度の濃度で含有するガス(気体)をドーピング源とし
ても構わない。
源を気相成長反応系に添加する方法についても特定はな
い。例えば、一般的なMOCVD或いはVPE設備に於
いて出発原料の蒸気等を反応炉内に搬送するための水素
等のキャリアガスに合流させても構わない。この場合、
キャリアガスを流通させる配管等にドーピング源を合流
させる位置等についても制限はない。また、キャリアガ
ス等とは合流させずに単独で反応炉に到達させても構わ
ない。
(PhCH2 S(CH2 )2 Cl)、2,3,4−トリ
ブロモチオフェンや2,3,5−トリブロモチオフェン
等のハロゲン置換体は気相成長方法の中でもMOVPE
方式には不適であるが、ハロゲンVPEやハイドライド
VPE法に於ける第VI族元素のドーパントとしては利用
できる。
ピング源として利用し、上記に例示した気相成長方法等
により成長させた、第VI族元素が添加された炭素濃度が
8×1016cm-3以下である含窒素 III−V族化合物半
導体層を使用して半導体装置を構成する。本発明者が鋭
意、検討した結果、従来の例えば、(CH3 )3 Ga/
NH3 /H2 気相反応系に於いて、H2 SをSのドーピ
ング源としてGaN膜を得たた場合にあっては、膜中の
炭素濃度は8×1016cm-3程度と高くなった。炭素汚
染の機構は完全には把握出来ていないが、ルイス塩基性
のH2 Sとルイス酸性の(CH3 )3 Gaとの電子受容
・供与反応により複合体形成に伴って脱離したメチルラ
ジカルが炭素の汚染源であると推定された。
素に結合している炭化水素基の立体障害効果や環内の共
役効果等によりルイス酸性物質との複合体形成反応がそ
もそも抑制される利点がある。また、第VI族元素に芳香
族環基や脂環式炭化水素基等が付加して化合物に於いて
は、第VI族元素より脱離した芳香族環基や脂環式炭化水
素基等が熱的に安定な化合物を形成し易いためラジカル
等の炭素を含むフラグメント等は発生し難い。これによ
って、本発明に係わる化合物にあっては含窒素III−V
族化合物半導体成長層内の炭素汚染の程度を抑制でき、
その層内の炭素濃度を8×1016cm-3以下に抑制でき
る。炭素濃度が低く抑制された成長層では、層内の不純
物濃度が低減されるため電子移動度の向上等の電気的特
性の向上がもたらされる利点がある。また、層内に残留
する炭素原子の濃度が低く抑制されることによって、故
意に炭素を添加する場合、特に低濃度な炭素ドーピング
を果たす場合に於いてもドーピングされる炭素濃度に対
する残留炭素濃度の比率が小さくなり、よって残留炭素
濃度とドーピング炭素濃度との総和で表される総炭素濃
度の残留炭素濃度の大小に起因する層内の総炭素原子濃
度の変動を少なくできる。
以下であり第VI族元素を添加してなる含窒素 III−V族
化合物半導体層を利用して例えば、電界効果型トランジ
スタや発光ダイオード等の半導体装置を構成する。炭素
濃度が8×1016cm-3以下となれば含窒素 III−V族
化合物半導体層の透明度は損なわれることがない。ま
た、炭素濃度がこの濃度以下であれば例えば、移動度の
顕著な低下を来さない。上記の様に層内の炭素濃度の低
減により電子移動度が向上した層を利用した電界効果型
トランジスタにあっては、相互コンダクタンス等のFE
T特性の改善がもたらされる。
なるAlN層を気相成長法により得る場合の実施例を基
に説明する。図3に本実施例に記載のMOCVD成長に
使用した気相成長設備の模式図を示す。
ジフェニルジセレナイド(C6 H5−Se−Se−C6
H5 ;Ph・Se・Se・Ph)を使用した。Ph・S
e・Se・Phは内容積が約150ccのステンレス鋼
製容器(102)内に収納した。Ph・Se・Se・P
hを収納する容器(102)の温度は、融点が約62℃
であるPh・Se・Se・Phを液化するため、恒温槽
(107)によって75℃に保持した。容器(102)
の材質、内容積及び設定温度は上記の値に限定されるも
のではない。
ミニウム((CH3 )3 Al)である。(CH3 )3 A
lはステンレス鋼製の容器(104)に収納した。(C
H3)3 Al用の容器(104)は恒温槽(107)に
より25℃に保持した。ドーピング源(101)及びA
l源(103)を収納する各容器((102)及び(1
04))の温度は恒温槽(107)により、後述する基
板の加熱操作を実施する以前に保持しておいた。設定温
度はこれに限定されない。窒素源としては液化アンモニ
アガス(NH3 )(126)を使用した。
hに原料搬送用ガス(110)とした高純度の窒素(N
2 )ガスを流通し、バブリングした。バブリングに使用
したN2 ガスの流量は150cc/分に設定した。第VI
族元素のドーピング源としたPh・Se・Se・Phを
バブリングするガスは必ずしもN2 に限定されるもので
はなく、水素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスでも良
く、或いはそれらを混合させた混合ガスでも構わない。
容器(104)内の(CH3 )3 Al(103)には、
原料搬送用ガス(110)とした高純度水素ガスを25
cc/分の流量で流通し、バブリングした。尚、Ph・
Se・Se・Ph及び(CH3 )3 Alのバブリング操
作は後述する基板(115)の加熱操作を実施する約3
0分前から開始した。
あっては、Ph・Se・Se・Ph及び(CH3 )3 A
lの蒸気を含む原料搬送用ガス(110)は各々の原料
に対応する配管((113−1)乃び(113−2))
内を通し、それぞれ開状態にあるバルブ((114−
2)及び(114−4))を介して排気用配管(11
2)に導入しておいた。
サファイア(単結晶アルミナ)基板を成長反応容器(1
08)内の加熱体(117)上に載置した後、成長反応
容器(108)内に配管(111)を通して水素キャリ
アガス(109)を導入した。水素キャリアガス(10
9)の流量は7.0l/分とした。水素キャリアガス
(109)の成長反応容器(108)への導入を開始し
てから20分後に、加熱体(117)に通電を開始し基
板(115)を700℃に加熱した。成長反応容器(1
08)内の圧力はほぼ大気圧とした。
てから20分間保持した後、バルブ((114−2)及
び(114−4))を開状態から閉状態に切り換え、逆
にバルブ((114−1)及び(114−3))を閉状
態から開とし、上記のPh・Se・Se・Ph及び(C
H3 )3 Alを含む原料搬送用ガス(110)を、それ
ぞれ配管(111)に導入して水素キャリアガス(10
9)と合流させた。同時にN源としたNH3 ガス(12
6)を配管(125)を利用して配管(111)に導入
して水素キャリアガス(109)と合流させた。NH3
ガス(126)の流量はV/III 比率、即ち、反応容器
(108)へのNH3 /(CH3 )3 Alの供給比率が
約1000となる様に設定した。
た、成長反応容器(108)内の圧力をほぼ大気圧に保
ちながら、この原料成分を含む水素キャリアガス(10
9)を、成長反応容器(108)内の基板(115)の
上方に設けたガスノズル(118)の内部に流入させ、
サファイアC面基板(115)の表面に向けて40分間
に亘り継続して供給した。
(115)上に約0.14μmの膜厚のSeが添加され
てなるAlN成長層を得た。2次イオン質量分析法(S
IMS)による半定量分析の結果からは、AlN成長層
中のSe原子の総濃度は1018cm-3近傍であった。A
lN成長層はn形の伝導を呈し、室温でのシート抵抗は
約2800Ω/□であった。また炭素濃度は3×1015
cm-3であった。このシート抵抗値は従来のSiをドー
パントとして、本実施例と同一のV/III 比率に於いて
得られる値に対し約1桁低下しており、従来例に比較す
ればドーピング効率の向上が果たされるのが認められ
た。
3 )3 Alを含有バブリングガス及びNH3 を含有水素
ガスを水素キャリアガスに合流させる際の混合順序は図
3に示した流路図に限定されず、如何なる順序で混合さ
せても構わない。
光ダイオード(LED)を構成する例を基に本発明を詳
細に説明する。図4に本実施例のLED用途の積層構造
を得るにあたり使用した常圧方式のMOCVD気相成長
の概略図を示す。また、図5は本発明に係わるLEDの
断面模式図である。基板(115)には、直径が約6
2.5mmのアルミニウム(Al)円盤を用いた。基板
(115)の厚さは約500μmであった。
加(ドーピング)したGaN層(121)、AlGaN
層(122)、AlGaN層(124)及びGaN層
(123)を常圧のMOCVD法により順次、堆積し
た。
化水素基として炭素原子の2重結合を含むアリル基とS
原子との結合からなるジアリルサルファイド(CH2 =
CHCH2 −S−CH2 CH=CH2 )を利用した。ジ
アリルサルファイドはステンレス鋼製のバブラー容器
(102)内に収納した。容器(102)の温度は恒温
槽(107)により70℃に保持した。
は各々、(CH3 )3 Al及び(CH3 )3 Gaを使用
した。(CH3 )3 Alはステンレス鋼製のバブラー容
器(104)に、(CH3 )3 Gaはステンレス鋼製の
バブラー容器(106)に個別に収納した。Al源を収
納する容器(104)は恒温槽(107)により25℃
に保持した。Ga源を収納する容器(106)は恒温槽
(107)により0℃に保持した。窒素源(119)と
しては、ピロール(Pyrrole)を使用した。窒素
源はステンレス鋼製容器(120)に収納し、恒温槽
(107)により60℃に保持した。Al源(10
3)、Ga源(105)及びN源(119)を収納する
各容器((104)、(106)及び(120))の温
度は後述する基板の加熱操作を実施する以前に予め、上
記の各温度に安定させておいた。設定温度はこれに限定
されない。また、本実施例では、第 III族及び第V族元
素の原料は全て液体の状態として使用したが、原料の使
用形態はこれに限定されることはない。
るSを添加したGaN層(121)の成膜を開始する以
前にあっては、ジアリルサルファイドドーパント源(1
01)、Al源(103)、Ga源(105)及びN源
(119)を収納する容器内には、予め原料搬送用ガス
(110)とした高純度の水素(H2 )ガスを流通しバ
ブリングしておいた。バブリングに使用したH2 ガスの
流量はドーパント源(101)については120cc/
分、Al源(103)については55cc/分、Ga源
(105)については35cc/分、及びN源(11
9)については180cc/分に各々設定しておいた。
各々の原料の蒸気を随伴する原料搬送用ガス(110)
は各原料に対応する配管((113−1)乃至(113
−4))を通し、開状態にあるバルブ((114−
2)、(114−4)、(114−6)及び(114−
8))を通過させて排気側配管(112)に流通してお
いた。バブリングするガスは必ずしもH2 に限定される
ものではなく、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス
でも良く、或いはそれらを混合させた混合ガスでも構わ
ない。これらのバブリング操作は、後述する基板(11
5)の加熱操作を実施する約30分前から開始した。反
応器(108)に通ずるキャリアガスを流通させるため
の配管(111)には、キャリアガスとして水素を毎分
7lの流量で流通させておいた。
7)上に載置した基板(115)の温度を抵抗加熱方式
の加熱体(117)への通電を開始することにより、室
温より680℃に到達する迄昇温した。同温度に到達し
てから後、20分経過後、バルブ(114−8)を開状
態から閉状態にし、逆にバルブ(114−7)を閉から
開としN源(119)の蒸気を随伴する原料搬送用ガス
(110)を配管(111)内を流通する水素キャリア
ガス(109)に合流させ、反応容器(108)内の基
板(115)の直上に設けた原料ガスを含む水素キャリ
アガス(109)を基板(115)の表面に吹き付ける
ためのガスノズル(118)内を通過させて基板(11
5)表面への供給を開始した。
到達してから20分経過後、配管(113−1)内を流
通させて排気側配管(112)に流通させていたドーパ
ント源(101)の蒸気を随伴する原料搬送用ガス(1
10)をバルブ((114−1)及び(114−2))
の開閉状態を逆転させ、配管(111)内を流れる水素
キャリアガス(109)に合流させた。
9)の各蒸気を含むガスをノズル(108)内を通じて
基板(115)の表面に吹き付ける環境を創出し、5分
間経過後、配管(113−3)内を流通するGa源(1
05)の蒸気を随伴する原料搬送ガス(110)をバル
ブ((114−5)及び(114−6))の開閉状態を
逆転させて配管(111)内の水素キャリアガス(10
9)に合流させた。これにより、Sを添加してなるGa
Nの成長を開始した。反応容器(108)内の圧力をほ
ぼ大気圧に保持しながら、成膜を40分間継続し、これ
により、膜厚が約0.4μmのSを添加したGaN層
(121)を基板(115)上に堆積した。
3−3)に付帯するバルブ(114−5)を閉とし、逆
にバルブ(114−6)を開として再び、Ga源(10
5)を随伴する原料搬送用ガス(110)を排気側配管
(112)に導き、反応炉(108)へのGa源(10
5)の供給を一時停止した。一方、N源(119)の供
給は継続した。
への供給を一時停止して5分間を経過後、バルブ((1
14−5)及び(114−6))の開閉状態の操作によ
り、再びGa源(105)を含む原料搬送用ガス(11
0)を水素キャリアガス(109)に合流させた。同時
に、Al源(103)を随伴する原料搬送用ガス(11
0)を配管(113−2)に付帯するバルブ((114
−3)及び(114−4))の開閉状態を逆転させて、
反応容器(108)内に設置したノズル(118)内部
を通過させて基板(115)表面にAl源(103)を
含む水素キャリアガス(109)を吹き付けた。この状
態に於いては、水素キャリアガス(109)にはまた、
ドーパント源(101)とN源(119)が含まれてい
る。上記のドーパント源(101)とAl源(103)
とGa源(105)とN源(119)とを含む水素キャ
リアガス(109)の基板(115)表面への供給を3
0分間に亘り継続した。これにより、Sが添加されてな
る膜厚が約0.4μmのAlGaN層(122)を成長
させた。AlGaN層(122)中のS原子の濃度はS
IMS分析によれば約4×1018cm-3であった。
4−2))の開閉状態を逆転させ、ドーパント源(10
1)の蒸気を含む原料搬送用ガス(110)の水素キャ
リアガス(109)への合流を停止した。即ち、成長反
応炉(108)へのドーパント源(101)の供給を停
止した。Al源(103)、Ga源(105)及びN源
(119)の反応炉(108)への供給は継続した。ド
ーパント源(101)の水素キャリアガス(109)へ
の添加を停止したと同時に、ジメチル亜鉛((CH3 )
2 Zn)を約100体積ppmの濃度で含有する水素ガ
ス(126)を水素キャリアガス(109)に合流させ
た。ガス(126)の流量はAlGaN層(124)中
のZn原子の濃度が約1×1018cm-3となる様に調節
した。その流量は本実施例にあっては概ね、150cc
/分から200cc/分であった。(CH3 )2 Znを
含有する水素ガス(126)の供給を45分間継続し、
膜厚が約0.6μmのZnを添加してなるAlGaN層
(124)を堆積した。
搬送用ガス(110)の水素キャリアガス(109)へ
の合流を停止した。N源(119)及び(CH3 )2 Z
nを含有する水素ガス(126)の成長反応炉(10
8)への供給は継続して実施した。Al源(103)の
供給を停止して5分間経過後、再び、Ga源(105)
及びドーパント源(101)の蒸気を各々含む原料搬送
用ガス(110)を水素キャリアガス(109)に合流
させた。これにより、Ga源(103)及びN源(11
9)及び(CH3 )2 Znを含有する水素ガス(12
6)を含む水素キャリアガス(109)を反応炉(10
8)内のノズル(118)を通過させて基板(115)
表面に供給し、Znを添加してなるGaN層(123)
を堆積した。GaN層(123)の膜厚は0.3μmで
あった。以上の含窒素 III−V族化合物半導体各層
((121)乃至(124))の成長は、成長反応容器
(108)内の圧力をほぼ大気圧に保持しながら実施し
たが、成長時の圧力はこれに限ることは無く、例えば、
数Torr乃至数百Torr程度の減圧された圧力下で
成長を実施、即ち、減圧方式のMOCVD法により成長
させても構わない。また、層毎に成長圧力を変化させて
も差し支えはない。
15)上に第VI族元素としてSを添加してなる本発明に
係わるGaN層(121)及びAlN層(122)とを
含む合計4層からなるLED用途の積層構造を得た。S
を添加してなるGaN層及びAlN層((121)及び
(122))内の炭素原子濃度はSIMS分析によれば
2×1015cm-3未満であった。積層構造を構成する含
窒素 III−V族化合物種や積層数は本実施例に限定され
るものではない。また、含窒素 III−V族化合物層に添
加する第VI族元素もSに限定されることはなく例えば、
SeやTeであっても良い。また、例えば、SやSeと
を添加するなど多種類の第VI族元素を含窒素 III−V族
化合物層に添加しても構わない。
リソグラフィー技術やエッチング技術等を応用して加工
を施し、図5の断面模式図に示す如くのLEDを構成し
た。積層構造の表面側の電極(127)の周囲は、酸化
珪素(SiOx )で被覆した。この被覆膜は酸化珪素に
限らず窒化珪素から構成しても差し支えはない。裏面側
の電極(128)は基板(115)としたAlが良好な
電気伝導性を有していることを利用して、基板(11
5)そのものとした。
て、第VI族元素を含有する特定の有機化合物をドーピン
グ源として使用することにより、第VI族の前記半導体へ
のドーピング効率を容易に高めることができ、また半導
体層中への炭素の混入を抑制することができる。
般的なV/III 比率依存性を示す図である。
aAs成長層のシート抵抗のV/III 比率依存性の一例
を示す図である。
ある。
ある。
る。
流通させるための配管 (113−2) Al源を含む原料搬送用ガスを流通さ
せるための配管 (113−3) Ga源を含む原料搬送用ガスを流通さ
せるための配管 (113−4) 窒素源を含む原料搬送用ガスを流通さ
せるための配管 (114−1) バルブ (114−2) バルブ (114−3) バルブ (114−4) バルブ (114−5) バルブ (114−6) バルブ (114−7) バルブ (114−8) バルブ (115) 基板 (116) 化合物半導体成長層 (117) 加熱体 (118) ノズル (119) 窒素(N)源 (120) N源収納用ステンレス鋼製容器 (121) 第VI族元素を添加した窒化ガリウム(Ga
N)成長層 (122) 第VI族元素を添加した窒化アルミニウム・
ガリウム(AlGaN)成長層 (123) GaN成長層 (124) AlGaN成長層 (125) ボンベガス用配管 (126) ボンベに収納されたガス (127) 表面電極 (128) 裏面電極 (129) 第V族元素の空孔濃度の変化を模式的に示
す線 (130) 第 III族元素の空孔濃度の変化を模式的に
示す線 (131) 第IV族元素をドーピングしたGaN成長層
のシート抵抗の変化を模式的に示す曲線 (132) 第IV族元素をドーピングしたGaAs成長
層のシート抵抗の変化を模式的に示す曲線
Claims (8)
- 【請求項1】 アルミニウム、ガリウム及びインジウム
のうち少なくとも1種の元素と、少なくとも窒素を含む
第V族元素とからなる III−V族化合物半導体素子であ
って、ドーパントとして硫黄、セレン及びテルルのうち
少なくとも1種の元素と、炭素原子数3以上の炭化水素
基を含む鎖状炭化水素化合物を用いてドーピングしてな
ることを特徴とする III−V族化合物半導体素子。 - 【請求項2】 鎖状炭化水素化合物が直鎖状であること
を特徴とする請求項1に記載の III−V族化合物半導体
素子。 - 【請求項3】 鎖状炭化水素化合物が分岐状であること
を特徴とする請求項1に記載の III−V族化合物半導体
素子。 - 【請求項4】 アルミニウム、ガリウム及びインジウム
のうち少なくとも1種の元素と、少なくとも窒素を含む
第V族元素とからなる III−V族化合物半導体素子であ
って、ドーパントとして硫黄、セレン及びテルルのうち
少なくとも1種の元素を含む芳香族炭化水素化合物を用
いてドーピングしてなることを特徴とする III−V族化
合物半導体素子。 - 【請求項5】 アルミニウム、ガリウム及びインジウム
のうち少なくとも1種の元素と、少なくとも窒素を含む
第V族元素とからなる III−V族化合物半導体素子であ
って、ドーパントとして硫黄、セレン及びテルルのうち
少なくとも1種の元素を含む脂環式炭化水素化合物を用
いてドーピングしてなることを特徴とする III−V族化
合物半導体素子。 - 【請求項6】 アルミニウム、ガリウム及びインジウム
のうち少なくとも1種の元素と、少なくとも窒素を含む
第V族元素とからなる III−V族化合物半導体素子であ
って、ドーパントとして硫黄、セレン及びテルルのうち
少なくとも1種の元素を含む複素環式炭化水素化合物を
用いてドーピングしてなることを特徴とする III−V族
化合物半導体素子。 - 【請求項7】 ドーパントとしてリン、ひ素及びアンチ
モンのうち少なくとも1種の元素を含む請求項1ないし
請求項6に記載の化合物を用いてドーピングしてなるこ
とを特徴とする III−V族化合物半導体素子。 - 【請求項8】 炭素濃度が8×1016cm-3以下である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7に記載の III
−V族化合物半導体素子。
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