JPH08316131A - 電子線描画方法及び装置 - Google Patents

電子線描画方法及び装置

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Publication number
JPH08316131A
JPH08316131A JP7122699A JP12269995A JPH08316131A JP H08316131 A JPH08316131 A JP H08316131A JP 7122699 A JP7122699 A JP 7122699A JP 12269995 A JP12269995 A JP 12269995A JP H08316131 A JPH08316131 A JP H08316131A
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JP
Japan
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electron beam
moving speed
waiting time
predetermined
sample
Prior art date
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JP7122699A
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English (en)
Inventor
Ichigai Mizuno
一亥 水野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 描画パターン密度に応じて一列内の描画ビー
ム安定化待ち時間を可変とし、各列でのステージ移動速
度変化及び電子線描画偏向量を抑制して、描画精度が向
上可能な電子線描画方法及び装置を実現する。 【構成】 ステップ102、103、104で整定待ち時間初期値
を設定し列単位のデータ並び替えを行ないシュミレーシ
ョンでの各列内の描画時間を算出する。ステップ105、10
6、107で各列単位の描画位置移動速度を算出し加速度制
限処理しステージ目標移動速度を算出し描画位置移動速
度とステージ目標移動速度とから各列各位置での速度偏
差を算出する。ステップ108、109で算出速度偏差が最大
速度偏差より小かを判定し小でないと待ち時間を増加し
ステップ104〜108を実行する。速度偏差が最大速度偏差
より小ならステップ110に進み次の算出用チップ配列が
あるかを判定しあればステップ111に進み次のチップ配
列指定を行いステップ102に戻る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステージを連続移動さ
せて描画を行う電子線描画方法及び装置に関し、特に、
ステージの可変速連続移動による描画の最適化に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子線描画装置における、ステッ
プ・アンド・リピート方式の描画では、ステージの移動
時には、試料への描画は実行されず、これは、無駄時間
として、描画時間短縮(スループット向上)に対する障
害となっていた。
【0003】このため、ステージの移動時においても、
試料への描画を実行するステージ連続移動方式の電子線
描画装置が開発された。このステージ連続移動方式の電
子線描画装置においては、ステージを移動させながら同
時に描画を行うために、ステージ移動に伴う無駄時間が
排除され、描画時間の短縮を実現することができる。
【0004】ステージの連続移動方法としては、ステー
ジ等速移動方式と可変速移動方式とがある。ある電子線
偏向幅でステージ移動方向に描画される領域を、一列
(ストライプ)とすると、ステージ等速移動方式では、
一列内の描画パターンに粗密がある場合、移動速度は描
画パターンの密な部分(描画速度の遅い部分)にて決定
されるため、全体の描画時間は低い。
【0005】これに対し、ステージ可変速移動方式は、
一列内の描画パターンの粗密により、ステージの移動速
度を変化させながら描画を行う方式であり、ステージ等
速移動方式と比較して、全体の描画時間を短縮すること
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術であるステージ可変速連続移動による描画におい
ては、一列(ストライプ)内の描画パターンの粗密が極
端な場合、ステージ移動での移動速度の変化が大きく、
加減速によって発生する外乱力が、電子線描画装置の電
子光学系鏡体等を振動させる要因となり、描画精度に悪
影響を及ぼすおそれがある。
【0007】このため、ステージ移動時の加減速度を制
限することが考えられるが、ステージ移動の加減速度を
制限すると、場合によってはこの制限が過度となり、ス
テージの描画位置への追従性が低下してしまって、所定
位置へのビーム移動時間が大となってしまう。そこで、
これを回避するためには、描画時の電子線偏向量を大と
して、移動時間が大となることを抑制する必要がある。
ところが、電子線の偏向幅を大とすると、偏向制御の限
界から、偏向動作に起因する誤差によって、描画精度が
劣化する可能性がある。
【0008】さらに、ステージの描画位置が最大偏向範
囲を超えた場合、描画動作に待ち状態(ステージが電子
線偏向可能領域に入るのを待つ)が発生し、これが無駄
時間となって、全体の描画時間が長くなってしまうこと
になる。
【0009】本発明の目的は、描画パターン密度に応じ
て、一列(ストライプ)内の描画ビーム安定化待ち時間
を可変とし、各列での描画移動速度を最適化して、ステ
ージ移動に伴う振動及び電子線偏向量の増加を抑制して
描画精度が向上可能な電子線描画方法及び装置を実現す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、次のように構成される。電子線描画制御
手段により電子線発生源からの電子線を偏向制御して試
料に照射するとともに、試料を配置する試料台の連続移
動を制御して、描画データに基づいた図形を電子線によ
り試料に描画する電子線描画方法において、描画データ
を、描画時における試料台の移動方向にほぼ直行する方
向の、所定の電子線描画幅を有する複数の列に分割し、
かつ、各列において試料台の移動方向に沿った所定の寸
法からなる複数の領域に分割し、所定の電子線描画幅に
分割した各列各領域毎に、描画データ及び所定の電子線
の安定化待ち時間に基づいて、電子線の移動速度を算出
し、電子線の移動速度の変化を算出して、この移動速度
変化が所定の最大移動速度変化より未満か否かを判定
し、移動速度変化が、所定の最大移動速度変化以上であ
る場合には、移動速度変化が最大移動速度変化未満であ
る条件を満足するまで、所定の安定化待ち時間を増加し
て、条件を満足する電子線安定化待ち時間を決定し、決
定した待ち時間により、描画データを電子線により試料
に描画する。
【0011】また、電子線発生源と、試料が配置される
試料移動台と、描画データに従って電子線発生源からの
電子線を偏向制御するとともに、描画時における試料移
動台の連続移動を制御する電子線描画制御手段とを有
し、描画データに基づいた図形を電子線により試料に描
画する電子線描画装置において、描画データを、描画時
における試料台の移動方向にほぼ直行する方向の、所定
の電子線描画幅を有する複数の列に分割し、かつ、各列
において試料台の移動方向に沿った所定の寸法からなる
複数の領域に分割する分割処理部と、所定の電子線描画
幅に分割した各列各領域毎に、描画データ及び所定の電
子線安定化待ち時間に基づいて、電子線の移動速度を算
出する移動速度算出部と、記電子線の移動速度の変化を
算出する移動速度変化算出部と、移動速度変化が所定の
最大移動速度変化より未満か否かを判定する判定部と、
移動速度変化が、所定の最大移動速度変化以上である場
合には、所定の安定化待ち時間を増加する電子線安定化
待ち時間変更部とを備え、移動速度変化が最大移動速度
変化未満である条件を満足するまで、所定の安定化待ち
時間を増加して、条件を満足する電子線安定化待ち時間
を決定し、決定した待ち時間により、描画データを電子
線により試料に描画する。
【0012】好ましくは、上記電子線描画方法及び装置
において、所定の安定化待ち時間を所定の待ち時間以上
としても、条件を満足しない場合には、試料台の移動方
向に沿った所定の寸法を変更して、複数の領域の分割を
変更し、変更した分割領域を用いて、電子線の移動速度
及び移動速度変化を算出し、移動速度変化が最大移動速
度変化未満である条件を満足するまで、所定の安定化待
ち時間を増加して、条件を満足する電子線安定化待ち時
間を決定する。
【0013】また、好ましくは、上記電子線描画方法及
び装置において、電子線描画制御手段によるシュミレー
ションにより、上記移動速度を算出する。また、好まし
くは、上記電子線描画方法及び装置において、試料台の
移動及び電子線の照射以外の実際の描画動作を行い、移
動速度を算出する。
【0014】また、好ましくは、上記電子線描画方法及
び装置において、電子線描画制御手段によるシミュレー
ションにより移動速度を算出して、安定化待ち時間を決
定し、決定した安定化待ち時間で、試料台の移動及び電
子線の照射以外の実際の描画動作を行い算出された移動
速度変化が条件を満足するか否かを判定する。
【0015】また、好ましくは、上記電子線描画方法及
び装置において、電子線の描画移動速度は、試料台の移
動速度を含み、この試料台の移動速度変化が所定の移動
速度変化以下となるように、制限する。
【0016】
【作用】実描画開始前に、各列での描画速度を、シュミ
レーション又はダミー描画(試料台の移動及び電子線の
照射以外の実際の描画動作を行う描画動作)による測定
にて求め、これより、各列の各位置での描画移動速度変
化を算出する。
【0017】ここで、判定基準として、速度変化<最大
速度変化を定め、一列内で、描画位置に対応して、判定
基準を満足するような描画データの位置決め整定待ち時
間(電子線安定化待ち時間)を求める。
【0018】描画パターン密度によって、実描画開始前
に、一列(ストライプ)内で、描画位置に対応して、描
画データの描画位置への位置決め整定待ち時間を求める
ことで、ステージの描画位置が最大偏向範囲を超えるこ
とによって発生する描画動作での待ち状態(ステージが
電子線偏向可能領域に入るのを待つ)を防止することが
可能となり、これは全体の描画時間の低下を抑制するこ
とになる。
【0019】また、試料台の移動速度変化を所定の変化
以下とすることにより、試料台の振動を抑制して、この
振動に起因する描画精度の劣化を防止することができ
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1は、本発明の第1実施例における電子線
描画装置の全体構成図である。図1において、装置本体
1内にステージ(試料移動台)2が収納されており、描
画用の試料(ウエハ)3は、このステージ2上に配置さ
れている。ステージ2の位置は、測長計4によって測定
され、測定されたステージ2の位置を示す信号は、ステ
ージ制御部5に供給される。ステージ制御部5は、制御
計算機7からの指令信号と測長計4からの位置信号に従
って、駆動部6を制御することにより、ステージ2の移
動動作を行う。
【0021】描画パターンデータ入力部8から描画パタ
ーンが制御計算機7に供給され、この制御計算機7によ
って、ウェハ3内での描画順序に従って、各列(ストラ
イプ)単位で、描画パターン・データ8の並び替えが行
われ、バッファ・メモリ9に転送される。ここで、上記
列(ストライプ)は、ある電子線偏向幅でステージ移動
方向に沿って描画される長方形状の領域であり、この列
の複数が試料3上に描画される。
【0022】描画制御部10は、制御計算機7から描画
動作の起動が指令されると、バッファ・メモリ9から、
順次、描画パターン・データ入力部8から描画パターン
を読み出し、ショットへの分解及び各ショットの座標計
算を行い、ショット・データ10aを作成して、追従補
正部11へ供給する。
【0023】追従補正部11は、測長計4によって測定
されたステージ位置を示す信号4aとショット・データ
10aとから偏向データ11aを計算し、ステージ2が
偏向範囲に入ると、ショット制御部12を起動させる。
ショット制御部12は、偏向制御部13に対して、偏向
データ11aの設定、偏向整定待ち(ビーム安定化待
ち)及びショット時間の制御を行う。
【0024】ここで、上記偏向整定待ち時間(ビーム安
定化待ち時間)について説明する。電子線描画装置にお
いて、電子ビームが偏向される場合、この電子ビームが
目標位置にて停止する迄に、ある程度の待ち時間が設定
されている。これは、偏向コイルへの偏向指令電流の応
答遅れ等によりビームが目標位置で停止する迄にある時
間だけ振動するからである。
【0025】従来においては、上記ビーム安定化待ち時
間は、描画パターン密度に関係無く一定であったが、本
発明においては、以下に説明するように、描画パターン
密度に応じて、ビーム安定化待ち時間が変更される。
【0026】さて、偏向制御部13は、電子銃14から
射出される電子ビーム14aを、ショット制御部12に
従い、正確に偏向することによって、ステージ2上に配
置されている試料3への描画パターンの描画動作を行
う。
【0027】ステージ連続移動描画方式では、各列(ス
トライプ)毎に、制御計算機7によって、描画制御部1
0への描画動作の起動指令が行われ、ステージ制御部5
に対する列(ストライプ)移動動作の起動が行われる。
【0028】図2は、本発明の第1実施例における制御
計算機7の主要部分の機能ブロック図である。図2にお
いて、制御計算機7は、チップ配列分割処理部71と、
列単位パターンデータ並び替え処理部72と、描画時間
算出部73と、移動速度算出部74と、速度偏差算出部
75と、速度偏差判断部76と、動作制御部77と、ビ
ーム安定化待ち時間変更部78とを備える。
【0029】図3は、本発明の第1実施例における電子
線描画方法及び装置の動作フローチャートである。図3
のステップ100において、チップ配列分割処理部71
は、予め決定された最大偏向量Wmaxを設定し、ステッ
プ101にて、描画パターンデータ入力部8に対して算
出用チップ配列の指定を行い、算出用チップ配列を入力
する。
【0030】次に、ステップ102において、列単位パ
ターンデータ並び替え処理部72は、各描画位置yでの
偏向整定待ち時間Tw(y)の初期値として、最小整定
待ち時間Tw1、例えば、50nsを設定する。次に、
ステップ103において、列単位パターンデータ並び替
え処理部72は、列(ストライプ)単位でのデータの並
び替えを行なう。
【0031】続いて、ステップ104において、描画時
間算出部73は、シミュレーションによる各列(ストラ
イプ)内での描画時間Te(y)を算出する。そして、
ステップ105及びステップ106において、移動速度
算出部74は、各列単位での描画位置移動速度Ve
(y)の算出を行い、この描画位置移動速度Ve(y)
に対して、加速度制限処理を行ない、ステージの目標移
動速度Vs(y)を算出する。ここで、加速度制限処理
とは、ステージ移動加速度が最小限度の加速度以上とな
る場合には、この最小限度の加速度以下となるように、
ステージ移動を行う処理である。
【0032】次に、ステップ107において、速度偏差
算出部75は、描画位置移動速度Ve(y)とステージ
目標移動速度Vs(y)とから各列(ストライプ)の各
位置での速度偏差(変化)dV(y)を算出する。続い
て、ステップ108において、速度偏差判断部76は、
算出された速度偏差(変化)dV(y)が最大速度偏差
(変化)dVmaxより小か否かを判定する。ここで、最
大速度偏差dVmaxは、電子線偏向量の増加等により描
画精度の低下を発生させない許容最大速度偏差である。
【0033】ステップ108において、速度偏差dV
(y)が最大速度偏差dVmaxより以上であれば、ステ
ップ109において、ビーム安定化待ち時間変更部78
は、ステップ102で設定した待ち時間TW(y)に最
小増加可能時間dT、例えば、50nsを加算した値を
待ち時間TW(y)とする。そして、処理は、ステップ
109に戻り、変更した待ち時間TW(y)を用いて、
上記ステップ104〜108が実行される。
【0034】ステップ108において、速度偏差dV
(y)が最大速度偏差dVmaxより小であれば、ステッ
プ110に進み、次の算出用チップ配列があるか否かを
判定する。次の算出用チップ配列があれば、ステップ1
11に進み、次の算出用チップ配列の指定を行い、ステ
ップ102に戻る。以降、上述したステップ102〜1
11が実行される。ステップ110において、次の算出
用チップ配列が無ければ、処理は終了となる。
【0035】そして、上述した動作に従って設定された
ビーム安定化待ち時間を用いて、動作制御部77が、バ
ッファメモリ9、描画制御部10、ステージ制御部5を
制御して描画を実行させる。
【0036】上述したビーム安定化待ち時間を調節する
ことにより、描画移動速度偏差が小となる。例えば、ビ
ーム安定化待ち時間が一定の場合には、描画パターン密
度が高い部分から密度が低い部分に移るとき、描画移動
速度変動が大となる。これに対して、描画パターン密度
が高い部分のビーム安定化待ち時間よりも描画パターン
密度が低い部分のビーム安定化待ち時間を大とすれば描
画位置移動速度の差が小となり、電子線偏向量の増加を
抑制することができる。
【0037】図4は、描画パターンのウェハ3上のチッ
プ配列例を示し、複数の列S1、S2、S3、S4・・・が
形成される。ここで、列S4を例にとると、チップA、
B、Cは、それぞれのパターン密度が、チップA<チッ
プB<チップCであり、かつ、各チップ内のパターン密
度は均一であるとする。この場合、列(ストライプ)内
での描画時間Te(y)は、加速度制限処理が実施され
ていない場合には、図5に示す通りになる。
【0038】図5において、待ち時間が一定の場合を実
線で示している。そして、待ち時間が一定の場合は、チ
ップAの描画時間はt1であり、チップBの描画時間は
1より大のt2である。また、チップCの描画時間はt
2より大のt3である。また、図5において、待ち時間を
可変とした場合の描画時間の変化部分を破線にて示す。
この図5の例では、チップAにおいて、描画時間が待ち
時間が一定の場合と比較して、破線で示す部分だけ、描
画時間が長くなっている。
【0039】また、加速度制限処理が実施されていない
場合の描画位置の移動速度Ve(y)は、図6に示す通
りになる。図6においても待ち時間が一定の場合を実線
で示している。そして、待ち時間が一定の場合は、チッ
プAの描画位置移動速度はv3であり、チップBの描画
位置移動速度はv3より小のv2である。また、チップC
の描画位置移動速度時間はt2より大のt3である。
【0040】図6において、待ち時間を可変とした場合
の描画位置移動速度の、待ち時間一定の場合の描画位置
移動速度と異なるところを破線にて示す。この図6の例
では、チップAにおいて、描画位置移動速度を、速度v
2に一旦、上昇させた後、位置を移動させて速度v3に上
昇させている。
【0041】これに対して、加速度制限処理を行った場
合の、ステージの目標移動速度Vs(y)を算出する
と、図7に示すように通りになる。この図7においても
待ち時間が一定の場合を実線で示している。図7の例の
場合には、上述したように、加速制限処理が実行されて
いるので、急激な速度変化が抑制されている。
【0042】また、図7において、待ち時間を可変とし
た場合のステージ移動速度の、待ち時間一定の場合のス
テージ移動速度と異なるところを破線にて示す。この図
7の例においても、図6の例と同様に、チップAにおい
て、描画位置移動速度を、速度v2に一旦、上昇させた
後、位置を移動させて速度v3に上昇させている。
【0043】図8は、描画位置の移動速度Ve(y)と
ステージの目標移動速度Vs(y)とから算出された、
各列(ストライプ)の各位置での描画位置の速度偏差d
V(y)を示すグラフである。この図8において、待ち
時間が一定の場合を実線で示している。そして、待ち時
間を可変とした場合の移動速度偏差の、待ち時間一定の
場合と異なるところを破線にて示す。
【0044】図8において、待ち時間が一定の場合、列
(ストライプ)内における、各チップ間でのパターン密
度の差により、電子線偏向量が大きく最大速度偏差dm
を超過する部分が発生している。これに対して、待ち時
間を描画位置によって可変とした場合、判定基準である
速度偏差dV(y)<最大速度偏差dVmaxを満足して
いる。
【0045】以上のように、本発明の第1実施例によれ
ば、ビーム安定化待ち時間を、描画位置の移動速度とス
テージの目標移動速度とから算出された各列における速
度偏差が、所定の最大速度偏差より小となるまで増加す
るように、構成したので、描画パターン密度に応じて、
各列での描画移動速度変化を抑制して、描画精度が向上
可能な電子線描画方法及び装置を実現することができ
る。
【0046】図9は、本発明の第2実施例における電子
線描画装置の制御計算機7の主要部分の機能ブロック図
である。なお、電子線描画装置の全体構成は、図1の例
と同等となるので、図示は省略する。
【0047】図9において、制御計算機7は、チップ配
列分割処理部71と、列単位パターンデータ並び替え処
理部72と、ダミー描画指令部79と、ダミー描画移動
速度・速度偏差算出部80と、速度偏差判断部81と、
ビーム安定化待ち時間変更部78と、動作制御部77と
を備える。
【0048】上記第1実施例においては、各列単位での
描画時間の算出は、制御計算機7でのシュミレーション
により行われるが、この第2実施例においては、ダミー
描画に基づいて、描画時間の算出等が実行される。ただ
し、ダミー描画とは、ステージ移動及び電子ビームの試
料への照射以外は、実際の描画動作を電子線描画装置が
実行する動作を示す。
【0049】図10は、本発明の第2実施例における電
子線描画方法及び装置の動作フローチャートである。ス
テップ100〜103までは、図3の例と同様となるの
で説明は省略する。ステップ104Aにおいて、ダミー
描画指令部79は、上記ダミー描画を動作制御部77に
指令する。動作制御部77は、ダミー描画指令部79か
らの指令に従って、上記ダミー描画を実行する。
【0050】次に、ステップ105、106及び107
において、ダミー描画移動速度・速度偏差算出部80
は、ダミー描画の結果に基づいて、各列単位での描画移
動速度、ステージ移動速度及び速度偏差を算出する。そ
して、ステップ108において、速度偏差判断部81
は、算出した速度偏差が所定の最大速度偏差より小か否
かを判定する。
【0051】ステップ108において、算出した速度偏
差が最大速度偏差より小でなければ、ステップ109に
進み、ビーム安定化待ち時間変更部78により、前回の
待ち時間に最小増加可能時間dTが加算したものを今回
の待ち時間とする。そして、ステップ104Aに戻る。
以降、ステップ108において、速度偏差が最大速度偏
差より小となる迄、ステップ104A〜109が実行さ
れる。
【0052】ステップ108において、速度偏差が最大
速度偏差より小となれば、ステップ110において、次
の算出用チップ配列があるか否かを判定し、あれば、ス
テップ111に進む。ステップ110において、次の算
出用チップ配列が無ければ、処理は終了となる。
【0053】以上説明した本発明の第2実施例において
も、第1実施例と同様な効果を得ることができる。さら
に、この第2実施例においては、シュミレーションによ
る描画時間算出よりも時間は大となるが、より実描画に
近く、描画動作にて発生する無駄時間を考慮できるた
め、速度偏差の算出精度が高くなる。
【0054】図11は、本発明の第3実施例における電
子線描画装置の制御計算機7の主要部分の機能ブロック
図である。なお、電子線描画装置の全体構成は、図1の
例と同等となるので、図示は省略する。
【0055】図11において、制御計算機7は、チップ
配列分割処理部71と、列単位パターンデータ並び替え
処理部72と、描画時間算出部73と、移動速度算出部
74と、速度偏差算出部75と、速度偏差判断部76
と、動作制御部77と、ビーム安定化待ち時間変更部7
8と、ダミー描画指令部79と、ダミー描画移動速度・
速度偏差算出部80と、速度偏差判断部81とを備え
る。
【0056】この図11の例は、図2の例に、ダミー描
画指令部79と、ダミー描画移動速度・速度偏差算出部
80と、速度偏差判断部81とが追加された例である。
つまり、図2の例のように、まず、制御計算機7によ
り、速度偏差が最大速度偏差より小となるように待ち時
間を決定する。そして、決定した待ち時間により、ダミ
ー描画を実行し、この結果、速度偏差が最大速度偏差よ
り小となることを確認する構成となっている。この場
合、ダミー描画動作実行中は、シュミレーションによる
次のチップ配列の描画時間算出が平行して実行される。
【0057】図12は、本発明の第3実施例における電
子線描画方法及び装置の動作フローチャートである。ス
テップ100〜111は、図2の例と同様となるので説
明は省略する。ステップ108において、速度偏差が最
大速度偏差より小となると、ステップ110に進むとと
もに、ステップ104Aに進む。
【0058】ステップ104Aにおいて、ダミー描画指
令部79は、上記ダミー描画を動作制御部77に指令す
る。動作制御部77は、ダミー描画指令部79からの指
令に従って、上記ダミー描画を実行する。
【0059】次に、ステップ112、113及び114
において、ダミー描画移動速度・速度偏差算出部80
は、ダミー描画の結果に基づいて、各列単位での描画移
動速度、ステージ移動速度及び速度偏差を算出する。そ
して、ステップ115において、速度偏差判断部81
は、算出した速度偏差が所定の最大速度偏差より小か否
かを判定する。ステップ115において、算出した速度
偏差が最大速度偏差より小であれば、速度偏差判断部8
1から、ダミー描画確認終了を示す信号が動作制御部7
7に供給され、処理は終了となる。
【0060】一方、ステップ115において、算出した
速度偏差が最大速度偏差より大であれば、ステップ11
6に進み、速度偏差判断部81は、描画時間算出部73
に再計算を示す信号を供給する。そして、描画時間算出
部73は、再計算を実行する。
【0061】以上説明した本発明の第3実施例において
も、第1実施例と同様な効果を得ることができる。さら
に、この第3実施例においては、シュミレーションを実
行するとともに、これと並列に、シュミレーションに基
づくダミー描画を実行し、速度偏差を確認するように構
成したので、第1実施例に比較してによる速度偏差の算
出精度をより高くすることができるとともに、第2実施
例に比較して、描画時間の全体的な算出時間を短縮化す
ることができる。
【0062】上述した例以外に、本発明のさらに他の実
施例としては、偏向整定待ち時間を変更して所定の最大
待ち時間以上としても、速度偏差が最大速度偏差より大
となる場合には、列内における描画データの分割寸法を
変更し、変更した分割寸法により、再度、速度偏差が最
大速度偏差より小となるように、待ち時間を算出するよ
うに構成できる。
【0063】なお、上述した例において、整定待ち時間
の初期値の例を50nsとしたが、他の時間であっても
よい。また、待ち時間に加算する時間dTの例を50n
sとしたが、50ns以外の値、例えば10nsとする
ことも可能である。
【0064】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次のような効果がある。描画に先立って、
最適な描画位置に対応する偏向静定待ち時間を求めるこ
とで、実描画において、ステージの描画位置への追従特
性を向上することになるため、描画時の電子線偏向量を
小さくすることが可能となり、偏向によって発生する歪
が小さくおさえられ、描画精度が向上する。
【0065】また、ステージ移動時の加減速動作が最小
限に抑えられるために、加減速によって発生する外乱力
の発生が少なくなり、描画精度の向上が期待できる。さ
らに、ステージの描画位置が最大偏向範囲を超えること
によって発生する描画動作での待ち状態(ステージが電
子線偏向可能領域に入るのを待つ)を防止することが可
能となり、これは全体の描画時間が低下を抑制すること
になる。
【0066】したがって、ステージ移動に伴う振動及び
電子線偏向量の増加を抑制して描画精度が向上可能な電
子線描画方法及び装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子線描画装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第1実施例の電子線描画装置における
制御計算機の要部機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例における電子線描画方法及
び装置における動作フロチャートである。
【図4】描画パターンのウェハ上のチップ配列例を示す
図である。
【図5】列(ストライプ)内での描画時間を示すグラフ
である。
【図6】列(ストライプ)内での描画位置の移動速度を
示すグラフである。
【図7】列(ストライプ)内でのステージの目標移動速
度を示すグラフである。
【図8】列(ストライプ)内での移動速度偏差を示すグ
ラフである。
【図9】本発明の第2実施例の電子線描画装置における
制御計算機の要部機能ブロック図である。
【図10】本発明の第2実施例における電子線描画方法
及び装置における動作フロチャートである。
【図11】本発明の第3実施例の電子線描画装置におけ
る制御計算機の要部機能ブロック図である。
【図12】本発明の第3実施例における電子線描画方法
及び装置における動作フロチャートである。
【符号の説明】
1 装置本体 2 ステージ 3 試料 4 測長計 5 ステージ制御部 6 駆動部 7 制御計算機 8 描画パターン・データ入力部 9 バッファ・メモリ 10 描画制御部 11 追従補正部 12 ショット制御部 13 偏向制御部 14 電子源 71 チップ配列分割処理部 72 列単位パターンデータ並び替え処理
部 73 描画時間算出部 74 移動速度算出部 75 速度偏差算出部 76 速度偏差判断部 77 動作瀬制御部 78 ビーム安定化待ち時間変更部 79 ダミー描画指令部 80 ダミー描画移動速度・速度偏差算出
部 81 速度偏差判断部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子線描画制御手段により電子線発生源
    からの電子線を偏向制御して試料に照射するとともに、
    試料を配置する試料台の連続移動を制御して、描画デー
    タに基づいた図形を電子線により上記試料に描画する電
    子線描画方法において、 描画データを、描画時における試料台の移動方向にほぼ
    直行する方向の、所定の電子線描画幅を有する複数の列
    に分割し、かつ、各列において上記試料台の移動方向に
    沿った所定の寸法からなる複数の領域に分割し、 上記所定の電子線描画幅に分割した各列各領域毎に、描
    画データ及び所定の電子線の安定化待ち時間に基づい
    て、電子線の描画移動速度を算出し、 上記電子線の描画移動速度の変化を算出して、この移動
    速度変化が所定の最大移動速度変化より未満か否かを判
    定し、 上記移動速度変化が、上記所定の最大移動速度変化以上
    である場合には、上記移動速度変化が上記最大移動速度
    変化未満である条件を満足するまで、上記所定の安定化
    待ち時間を増加して、上記条件を満足する電子線安定化
    待ち時間を決定し、決定した上記待ち時間により、描画
    データを電子線により試料に描画することを特徴とする
    電子線描画方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子線描画方法におい
    て、上記所定の安定化待ち時間を所定の待ち時間以上と
    しても、上記条件を満足しない場合には、上記上記試料
    台の移動方向に沿った所定の寸法を変更して、複数の領
    域の分割を変更し、変更した分割領域を用いて、電子線
    の移動速度及び移動速度変化を算出し、上記移動速度変
    化が上記最大移動速度変化未満である条件を満足するま
    で、上記所定の安定化待ち時間を増加して、上記条件を
    満足する電子線安定化待ち時間を決定することを特徴と
    する電子線描画方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電子線描画方法に
    おいて、上記電子線描画制御手段によるシュミレーショ
    ンにより、上記移動速度を算出することを特徴とする電
    子線描画方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の電子線描画方法に
    おいて、試料台の移動及び電子線の照射以外の実際の描
    画動作を行い、上記移動速度を算出することを特徴とす
    る電子線描画方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の電子線描画方法に
    おいて、上記電子線描画制御手段によるシュミレーショ
    ンにより上記移動速度を算出して、上記安定化待ち時間
    を決定し、決定した安定化待ち時間で、試料台の移動及
    び電子線の照射以外の実際の描画動作を行い算出された
    移動速度変化が上記条件を満足するか否かを判定するこ
    とを特徴とする電子線描画方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電子線描画方法におい
    て、上記電子線の描画移動速度は、試料台の移動速度を
    含み、この試料台の移動速度変化が所定の移動速度変化
    以下となるように、制限することを特徴とする電子線描
    画方法。
  7. 【請求項7】 電子線発生源と、試料が配置される試料
    移動台と、描画データに従って電子線発生源からの電子
    線を偏向制御するとともに、描画時における試料移動台
    の連続移動を制御する電子線描画制御手段とを有し、描
    画データに基づいた図形を電子線により上記試料に描画
    する電子線描画装置において、 上記描画データを、描画時における試料台の移動方向に
    ほぼ直行する方向の、所定の電子線描画幅を有する複数
    の列に分割し、かつ、各列において上記試料台の移動方
    向に沿った所定の寸法からなる複数の領域に分割する分
    割処理部と、 上記所定の電子線描画幅に分割した各列各領域毎に、描
    画データ及び所定の電子線安定化待ち時間に基づいて、
    電子線の描画移動速度を算出する移動速度算出部と、 上記電子線の描画移動速度の変化を算出する移動速度変
    化算出部と、 上記移動速度変化が所定の最大移動速度変化より未満か
    否かを判定する判定部と、 上記移動速度変化が、上記所定の最大移動速度変化以上
    である場合には、上記所定の安定化待ち時間を増加する
    電子線安定化待ち時間変更部と、 を備え、上記移動速度変化が上記最大移動速度変化未満
    である条件を満足するまで、上記所定の安定化待ち時間
    を増加して、上記条件を満足する電子線安定化待ち時間
    を決定し、決定した上記待ち時間により、描画データを
    電子線により試料に描画することを特徴とする特徴とす
    る電子線描画装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の電子線描画装置におい
    て、上記所定の安定化待ち時間を所定の待ち時間以上と
    しても、上記条件を満足しない場合には、上記試料台の
    移動方向に沿った所定の寸法を変更して、複数の領域の
    分割を変更し、変更した分割領域を用いて、電子線の描
    画移動速度及び移動速度変化を算出し、上記移動速度変
    化が上記最大移動速度変化未満である条件を満足するま
    で、上記所定の安定化待ち時間を増加して、上記条件を
    満足する電子線安定化待ち時間を決定することを特徴と
    する電子線描画装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の電子線描画装置に
    おいて、上記移動速度算出部は、シュミレーションによ
    り上記移動速度を算出することを特徴とする電子線描画
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項7又は8記載の電子線描画装置
    において、上記移動速度算出部は、試料台の移動及び電
    子線の照射以外の実際の描画動作を行い上記移動速度を
    算出することを特徴とする電子線描画装置。
  11. 【請求項11】 請求項7又は8記載の電子線描画装置
    において、上記移動速度算出部は、シュミレーションに
    より上記移動速度を算出し、移動速度算出部、判定部、
    電子線安定化待ち時間判定部及び電子線安定化待ち時間
    変更部は、算出した移動速度に基づいて上記安定化待ち
    時間を決定し、決定した待ち時間で、試料台の移動及び
    電子線の照射以外の実際の描画動作を行い算出された移
    動速度変化が上記条件を満足するか否かを判定すること
    を特徴とする電子線描画装置。
  12. 【請求項12】 請求項7記載の電子線描画装置におい
    て、上記電子線の描画移動速度は、試料台の移動速度を
    含み、この試料台の移動速度変化が所定の移動速度変化
    以下となるように、制限することを特徴とする電子線描
    画装置。
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