JPH08316128A - 電子ビーム露光装置及びその操作方法 - Google Patents

電子ビーム露光装置及びその操作方法

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JPH08316128A
JPH08316128A JP7122107A JP12210795A JPH08316128A JP H08316128 A JPH08316128 A JP H08316128A JP 7122107 A JP7122107 A JP 7122107A JP 12210795 A JP12210795 A JP 12210795A JP H08316128 A JPH08316128 A JP H08316128A
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deflection
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智彦 阿部
Akio Takemoto
暁生 竹本
Kenichi Miyazawa
憲一 宮沢
Isamu Seto
勇 瀬戸
Soichiro Arai
総一郎 荒井
Hidefumi Yahara
秀文 矢原
Hiroshi Yasuda
洋 安田
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子ビーム露光装置及びその操作方法に関
し、露光精度を犠牲にせずに、整定待ち時間を短縮して
スループットを向上させる。 【構成】 電子ビーム入射側に設けた2段の偏向手段を
ステンシルマスク12の電子ビーム入射側に設けた電磁
レンズ11の第1クロスオーバ6を挟む様に配置した2
つのマスク偏向器5,7で構成してスリット偏向器とし
ても機能するようにし、また、電子ビーム出射側に設け
た2段の偏向手段をステンシルマスク12の電子ビーム
出射側に設けた電磁レンズ14の第2クロスオーバ18
の直前に配置した2つのマスク偏向器13,16で構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子ビーム露光装置及び
その操作方法に関するものであり、特に、露光精度が高
く、且つ、スループットの高い電子ビーム露光装置及び
その操作方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路装置の集積度と機
能がますます向上して計算機、通信、或いは、機械制御
等の産業全般に渡る技術進歩の核技術としての役割が期
待されており、この役割を担う半導体集積回路装置の集
積度は2年乃至3年で4倍の速度で向上しており、DR
AM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)の
場合には1Gビットまで試作されているが、この様な集
積度の向上は微細加工技術の進歩によるものである。
【0003】微細加工技術として電子ビーム露光を用い
た場合には、0.05μm以下の微細加工が0.02μ
m以下の位置合わせ精度で実現できるが、この様な微細
パターンの描画工程のスループットは非常に低くてVL
SI(超大規模集積回路装置)の量産には使用できない
ものと考えられていた。
【0004】しかし、この様な予測は従来市販されてい
た電子ビーム露光装置を用いた一筆書きの電子ビームに
ついての議論にすぎないものである。従来の電子ビーム
露光装置は、可変矩形ビームを用いて試料上で電子ビー
ムを走査し矩形パターンを繋ぐことによって任意のパタ
ーンを形成していた。
【0005】この様な装置はソフトであるパターンデー
タから実際のパターンを作りだすパターンジェネレータ
であるが、矩形パターンを繋ぐことにより任意の形状の
パターンを発生させるため、パターンルールが微細にな
ればなるほど単位面積当たりの露光ショット数が増加
し、スループットが低下するという欠点があった。
【0006】そこで、本発明者等はこの様な限界を越え
るためにブロック露光方式や、マルチビーム方式ブラン
キング・アパーチャ・アレイ(BAA)露光方式を提案
しており、この提案により1cm□/sec程度のスル
ープットが期待できるようになってきており、微細さ、
位置合わせ精度、クイックターンアラウンド、及び、信
頼性のどれをとっても他の方法と比較して優れた方法で
ある。
【0007】ここで、図9を参照してブロック露光に用
いている従来の電子ビーム露光装置を簡単に説明する。 図9参照 電子銃1から放出された電子ビームは、電子ビームを矩
形状に成形するスリット3を介して設けられた一対の第
1アライメントコイル(AL1a,AL1b)23,2
4により電子ビームの光軸合わせを行い、また、スリッ
ト3を介して設けられた一対の電磁レンズ(L1a,L
1b)2,4によって成形された電子ビームを収束させ
る。なお、点線は電子ビームのクロスオーバ像軌道を表
し、符号6及び18は夫々第1クロスオーバ及び第2ク
ロスオーバを表す。
【0008】次いで、スリット偏向器25及びスリット
偏向振り戻し偏向器27を設けて、電子ビームがマスク
ステージ(図示せず)に設置したステンシルマスク12
上に照射する位置を偏向し、ステンシルマスク12を介
して2個ずつ設けた第1乃至第4マスク偏向器5,7,
13,16によってステンシルマスク12に設けた複数
の透過孔の一つを選択して透過させる。
【0009】また、ステンシルマスク12を介して設け
た同一の電流が流れる一対の電磁レンズ(L2a,L2
b)11,14によってステンシルマスク12上にクロ
スオーバ光学系を平行光とし、マスクスティグ・フォー
カスコイル28、ブランキング偏向手段29、電磁レン
ズ(L3a,L3b)17,19を介して電子ビームを
絞りアパーチャ20に照射し、絞りアパーチャ20を通
過した電子ビームをリフォーカスコイル32、2つの電
磁レンズ(L4 ,L5 )21,22で電子ビームを収束
させ、収束した電子ビームを副偏向器33によって偏向
することによって露光を行うものである。なお、第2乃
至第4アライメントコイル(AL2 乃至AL4 )26,
30,31も電子ビームの光軸を調整するために設けて
いる。
【0010】次に、ブロック露光方式の場合について説
明すると、超微細パターンを必要とするLSIは、例え
ば、64MビットDRAM(ダイナミック・ランダム・
アクセス・メモリ)のように微細ではあるが露光するパ
ターンのほとんどの面積はある基本パターンの繰り返し
であることが多い。
【0011】したがって、繰り返しパターンの単位とな
る基本パターンをそれ自身の複雑さには関係なく1ショ
ットで露光することができれば、パターンの微細さには
依存せず、1ショットの大きさと露光面積の関係でほぼ
決定する時間内で露光することが可能になる。
【0012】この様な基本パターンを複数個ステンシル
マスク12上に設け、これを電子ビームで選択すること
により電子ビームを任意の形状に成形し、それを繋ぐこ
とにより繰り返しパターンを露光する方法がブロック露
光方式である。
【0013】次に、ブランキング・アパーチャ・アレイ
(BAA)露光方式の場合を説明すると、光源、即ち、
電子銃からの電子ビームをブランキング制御部によって
制御されたブランキング・アパーチャ・アレイ(BA
A)を介して任意の形状に成形したのち、主偏向器及び
副偏向器により偏向して、移動ステージ制御部によって
制御される移動ステージ上に載置した露光試料上に照射
する方法である。
【0014】このブランキング・アパーチャ・アレイ
(BAA)は、各々一個ずつ開閉が可能な矩形状の複数
の窓を碁盤の目状に配置したもので、任意に開いた複数
個の窓を通過させて複数の矩形状電子ビームブロックよ
りなる任意の電子ビームパターンを形成し、この電子ビ
ームパターンを試料に照射して露光を行うものである。
【0015】この様な露光方式においても、主偏向器に
よる偏向時間の短縮化がはかられており、主偏向器の補
正の先読み演算処理や主偏向器のフィードバック偏向器
(FBC:フィードバックコイル)と、その制御回路で
あるメインデフセットリングフィードバック回路(MS
F)の提案により、従来の主偏向器による100μmの
偏向で約50μsecかかっていた整定待ち時間が約3
μsecになり、主偏向器による偏向開始後、約3μs
ecで副偏向器による露光開始が可能になってきてい
る。
【0016】この従来の電子ビーム露光装置の操作方法
を図10及び図11を参照して説明する。 図10参照 電子ビーム露光に際しては、光源、即ち、電子銃からの
電子ビームはブランキング制御部によって制御されたブ
ランキング・アパーチャ・アレイ(BAA)を介して任
意の形状に成形されたのち、主偏向器及び副偏向器によ
り偏向されて、移動ステージ制御部によって制御される
移動ステージ上に載置した露光試料上に照射される。
【0017】この場合の主偏向器の偏向は、主偏向器制
御部からの主偏向データを主偏向器DAC(デジタル−
アナログ変換器)によりアナログ量に変換したのち、入
力抵抗Rin42、帰還抵抗Rf 43、及び、出力抵抗R
o 44を設けた比較増幅器41を介して主偏向器のコイ
ルに印加する共に、メインデフセットリングフィードバ
ック回路によって実際に主偏向器に印加されている電圧
と主偏向器DACの出力との差分を検出して、この出力
を偏向量は小さいが高速に追従できるフィードバック偏
向器に印加し、主偏向器による偏向を副偏向器による露
光可能範囲に持って行くことにより、見かけ上の整定待
ち時間は約3μsecに短縮される。
【0018】なお、メインデフセトリングフィードバッ
ク回路において矢印で示すゲイン・ローテーション演算
部46は、コイルの巻方、コイルの設置位置、或いは、
コイルの特性等による電子ビームに対するズレ分を補正
するために設けている。
【0019】次いで、主偏向器による偏向が副偏向器に
よる露光可能範囲になると、副偏向器制御部からの副偏
向データを副偏向器DACによりアナログ量に変換した
のち、増幅器(AMP)を介して副偏向器に印加して露
光を開始し、露光が終了した場合には、副偏向器制御部
から露光終了信号を出力して、主偏向器によって次の露
光領域に電子ビームをふって同じ操作を繰り返す。
【0020】図11参照 この場合、各信号のタイミングは主偏向器整定待ち時間
制御部により制御されることになるが、この主偏向器整
定待ち時間制御部は主偏向データから主偏向器の飛び量
を算出する飛び量算出回路、整定待ち時間を決定する待
ち時間演算回路、待ち時間カウンタ回路、待ち時間フラ
グ発生回路によって構成され、待ち時間フラグ発生回路
からの出力、即ち、待ち時間フラグを副偏向器に入力し
て露光を開始する。
【0021】この様なメインデフセットリングフィード
バック回路を有する電子ビーム露光装置によって露光す
る場合、副偏向器による露光パターンデータが極端に疎
な場合には、主偏向器の整定待ち時間が例えば3μse
cであり、副偏向器による露光サイクルが例えば10M
Hz(107 Hz、10-7=100n)で、露光パター
ンが例えば10ショットとすると、主偏向器による偏向
開始後露光終了までにかかる時間は、 3μsec+(100nsec×10ショット)=4μ
sec となり、スループットの向上が期待できる。
【0022】第3に、ブロック露光方式或いはマルチビ
ーム方式ブランキング・アパーチャ・アレイ露光方式に
おいて、連続移動露光方式を採用すると共に、主偏向器
の整定時間の短縮化をはかることにより、スループット
を向上させることも提案されている。
【0023】この提案を図12を参照して説明する。 図12参照 まず、主偏向器に副偏向器による露光の開始が可能にな
る位置に電子ビームを大きく偏向するための主偏向デー
タによる電圧を印加して、主偏向器による偏向を開始す
るが、この場合にも、従来と同様に主偏向器を安定化す
るための50μsec程度の大きな整定待ち時間が必要
となる。
【0024】そして、この大きな整定待ち時間中にも試
料は連続的に移動しているので、最初の主偏向データに
よる偏向だけでは大きな整定待ち時間終了後には試料の
位置は大きく偏向しており、副偏向器による露光が可能
になる位置に電子ビームが偏向していないことになる。
【0025】そこで、大きな整定待ち時間中に、試料の
移動を定期的に読み取り、その移動量に応じた補正偏向
データを主偏向器に印加して、電子ビームの偏向位置を
補正していくが、この様な補正の際にも最低限の整定待
ち時間、即ち、補正整定待ち時間Cが必要となり、例え
ば、3μsec程度である。
【0026】この様な場合の目標として設定する全体の
大きな整定待ち時間WAIT1は、X方向の偏向前の値
と偏向する値の差分の絶対値ΔXとY方向の偏向前の値
と偏向する値の差分の絶対値ΔYとを比較して大きな方
の絶対値を飛び量ΔGとし、さらに、3μsec程度の
オフセット分Bを設定して、整定待ち時間演算を行うこ
とによって求めている。
【0027】この演算において、目標として設定する全
体の大きな整定待ち時間WAIT1は、 WAIT1=ΔG×A+B の式で表される。なお、A及びBは予め設定した係数で
あり、試料の露光中には少なくとも変化しないものであ
る。ここで、定期的に試料の移動を読み取りその移動量
に応じた補正偏向データを主偏向器に印加して電子ビー
ムの偏向位置を補正する際に、補正整定待ち時間Cが図
に示すWAITCの形で周期的に現れることになる。
【0028】このように、試料の移動中に主偏向器の偏
向を開始すると共に、移動に伴うズレを定期的補正によ
り補正していくので、露光工程全体に係る時間が短くな
り、スループットが向上する。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図9に示す従
来提案されているブロック露光方式に用いる電子ビーム
露光装置において、高スループットと高露光精度を達成
するためには、第1に高速なマスク偏向器を必要とす
る。これは、露光パターンによっては1ショット毎に異
なるマスクパターンを選ばなければならない場合がある
が、その場合に、マスク偏向器は各ショットの試料上の
露光位置を決める副偏向器の速度に近い偏向速度を有す
る必要があるためである。
【0030】しかし、従来の電子ビーム露光装置におい
ては、マスク偏向器5,7,13,16を電子ビームの
拡がった位置に設けているため、電子ビームを偏向させ
るためには大きな電圧、例えば、200Vの電圧を印加
する必要があり、200Vの電圧を発生するためには応
答速度の遅い大出力のアンプを用いる必要があり、それ
によって偏向速度をあまり速くすることができなかっ
た。
【0031】第2に、マスクパターンを選択するために
電子ビームをマスク偏向器5,7,13,16で偏向す
る場合、非点収差や像面湾曲などの収差が発生し、この
収差をマスク偏向器5,7,13,16でマスクパター
ンを選択する速度に合わせて補正する必要があるが、非
点収差補正手段によってクロスオーバー像が絞りアパー
チャ20を通過するように非点収差補正を行った場合、
その補正によりスリット像が歪み、露光パターン精度が
低下する問題がある。
【0032】第3に、電子ビームがマスクパターンを通
過して成形される場合、電子ビームがステンシルマスク
2に対して斜めに入射すると露光されるパターンの一部
がかげり、所定の寸法と異なることによりパターン精度
が低下する欠点がある。例えば、従来の電子ビーム露光
装置においては、電磁レンズ(L2a,L2b)11,
14がステンシルマスク12近傍に配置されているた
め、電磁レンズ(L2a,L2b)11,14の磁場が
ステンシルマスク12上に漏れ出し、この漏れ磁場によ
って電子ビームが回転するので電子ビームの入射角が7
mradと大きく、垂直入射とはかけ離れていた。
【0033】第4に、電子ビームをブランキング偏向手
段29により偏向して遮断する場合、絞りアパーチャ2
0によって完全に遮断させるまでの間に電子ビームがわ
ずかに漏れることがあり、この間に試料上のスリット像
が動くと不要な部分に露光されてしまい、高感度レジス
トを使用した場合に問題が生ずる。
【0034】次に、ブランキング・アパーチャ・アレイ
(BAA)露光方式の場合の問題点を図13及び図14
を参照して説明する。 図13(a)及び(b)参照 露光試料上の電子ビームの軌跡を見れば、電子ビームは
フィードバック偏向器により時間の経過と共に→の
所定の位置にきており、主偏向器による偏向開始から4
μsec後(整定待ち時間:3μsec、露光:100
nsec×10ショット=1μsec)には次の主偏向
器による偏向が可能であるように見えるが、主偏向器の
軌跡から明らかなように実際は主偏向器による偏向は所
定の位置まで振り切れていない。
【0035】そして、露光データが極端に疎な場合、例
えば、10ショットの露光の場合、露光を開始して1μ
sec後のの時点においては、主偏向器による実際の
ビームの位置は露光開始の位置まで達していないので、
の時点において主偏向器による次の偏向を行う場合、
メインデフセットリングフィードバック回路の比較増幅
器には主偏向器に印加されている所定の値に達していな
い出力が入力され、主偏向器DACの出力との差分が正
確な差分とならないため、極端な露光精度の劣化を招く
欠点がある。
【0036】図14(a)参照 例えば、露光データがある程度密な場合には、図14
(a)に示すように、フィードバック偏向器により所定
の位置まで3μsec程度で偏向したのち副偏向器で露
光を開始し、50μsec程度の露光を行ったのち、同
じ操作を繰り返して全領域を露光することになる。
【0037】図14(b)参照 しかし、露光データが疎な場合には、露光は早く終了
し、露光終了後直ちに、主偏向器を次の露光領域に偏向
しようとする場合、主偏向器の実際の偏向位置は露光開
始位置とdだけ差があることになり、このdの値が大き
い場合、即ち、露光データが極端に疎で露光が非常に早
く終了した場合には、必要とする偏向量ががフィードバ
ック偏向器の偏向範囲を越えてしまい、正確な位置での
露光が不可能となる。
【0038】この様な露光データが極端に疎の場合の露
光精度の劣化を防止するためには主偏向器の整定待ち時
間を十分な時間だけ取る必要があるが、主偏向器の整定
待ち時間のみの制御では、露光データ量が密なフィール
ドの場合にも、長い整定待ち時間の終了後の副偏向器に
よる露光を開始することになる。
【0039】この場合、主偏向器の整定待ち時間を例え
ば50μsecとし、100μm□のフィールドを副偏
向器による露光サイクルが例えば10MHzで4μm□
/1ショットとしたとき、主偏向器による偏向開始から
フィールド全体を露光するのに必要な時間は、 50μsec+(100μm□÷4μm□×100ns
ec)=112.5μsec となり、図14(a)に示すように主偏向器の偏向開始
から3μsecで副偏向器による露光を行った場合の時
間、 50μsec+(100μm□÷4μm□×100ns
ec)+(50μsec−3μsec)=65.5μs
ec と比べ大幅に増加する欠点がある。
【0040】なお、上記の2番目の式における、第1項
は最低整定待ち時間、即ち、最低滞在時間であり、第2
項は実際の露光時間であり、さらに、第3項は整定待ち
時間の内の露光にかぶる時間であるが、以後の式におい
ては、説明を簡単にするために、 3μsec+(100μm□÷4μm□×100nse
c)=65.5μsec の様に表記する。
【0041】図12参照 また、第3の提案である連続移動露光方式においても定
期的な読み取り周期は、目標として設定する全体の大き
な整定待ち時間WAIT1に対して任意の周期であるた
め、必ずしもその整数倍である現実の整定待ち時間WA
ITとWAIT1とは一致するものではなく、 WAIT=ΔG×A+B+α で表される。
【0042】したがって、主偏向器の現実の整定待ち時
間WAITとWAIT1と読み取り周期とがたまたま一
致する場合には、 WAIT=ΔG×A+B(α=0) で表され、整定待ち時間の効率に問題はないが、WAI
T1と読み取り周期とずれが最大の場合には、補正整定
待ち時間をCとすると、 WAIT=ΔG×A+B+C で表され、一番効率の悪い実際の整定待ち時間となって
しまう欠点がある。
【0043】したがって、本発明は、これらの課題を解
決するために、まず、第1にブロック露光方式に用いる
電子ビーム露光装置において、露光速度を高速にすると
共に、露光精度を高精度に維持することによってスルー
プットを向上させることを目的とする。
【0044】また、本発明は、第2にフィードバック偏
向器を用いて主偏向器による偏向を副偏向器の露光可能
範囲に高速に持っていく電子ビーム露光装置において、
露光精度を劣化させることなく偏向及び露光に必要とす
る時間を短くしてスループットを向上させることを目的
とする。
【0045】さらに、本発明は、第3に大きな整定待ち
時間の終了時点内に最後の補正整定待ち時間の終了時点
が含まれるように、試料の移動量の読み取りを制御する
ことにより、実際の整定時間待ち時間の無駄αをなくし
てスループットを向上させることを目的とする。
【0046】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、電子ビームの断面形状を成形する透過
孔パターンが複数個形成されているステンシルマスク
(図1の12)と、このステンシルマスク(図1の1
2)上の所望の開口パターンを選択して電子ビームを透
過させるために偏向するステンシルマスク(図1の1
2)の電子ビーム入射側に設けた2段の偏向手段及びス
テンシルマスク透過後の電子ビームを再度光軸に振り戻
すために偏向するステンシルマスク(図1の12)の出
射側に設けた2段の偏向手段を具備する収束偏向系と、
成形された電子ビームを縮小し、光軸上にある絞りアパ
ーチャ(図1の20)を透過させ試料上に投影するため
の電磁レンズ光学系と、収束偏向系と電磁レンズ光学系
の光軸を合わせるための偏向手段を有する電子ビーム露
光装置において、ステンシルマスク(図1の12)を挟
んで設けた一対の電磁レンズ(図1の11,14)によ
りクロスオーバ光学系を平行光にすると共に、一対の電
磁レンズ(図1の11,14)のポールピース(図2の
35)のステンシルマスク(図1の12)に近い側の内
径を遠い側の内径より小さくし、さらに、電子ビーム入
射側に設けた2段の偏向手段をステンシルマスク(図1
の12)の電子ビーム入射側に設けた電磁レンズ(図1
の11)の第1クロスオーバ位置(図1の6)を挟む様
に配置した2つのマスク偏向器(図1の5,7)で構成
してスリット偏向器としても機能するようにし、また、
電子ビーム出射側に設けた2段の偏向手段をステンシル
マスク(図1の12)の電子ビーム出射側に設けた電磁
レンズ(図1の14)の第2クロスオーバ位置(図1の
18)の直前に配置した2つのマスク偏向器(図1の1
3,16)で構成したことを特徴とする。
【0047】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、ステンシルマスク(図1の12)の電子ビーム出射
側に設けた電磁レンズ(図1の14)の第2クロスオー
バ位置(図1の18)におけるクロスオーバ像の非点収
差を補正するための非点収差補正手段(図1の10)を
ステンシルマスク(図1の12)の電子ビーム入射側に
設けた電磁レンズ(図1の11)内に設けると共に、ク
ロスオーバ像の非点収差補正に伴って発生するステンシ
ルマスク(図1の12)上におけるスリット像の像歪を
補正する像歪補正手段(図1の8)を電子ビーム入射側
に設けた2段の偏向手段(図1の5,7)の直下に設け
たことを特徴とする。
【0048】(3)また、本発明は、上記(2)におい
て、絞りアパーチャ(図1の20)において電子ビーム
を遮断するために、少なくとも2段のブランキング偏向
手段(図1の9,15)をステンシルマスク(図1の1
2)を介して配置すると共に、ステンシルマスク(図1
の12)の電子ビーム入射側に設けたブランキング偏向
手段(図1の9)を像歪補正手段(図1の8)の直下に
配置したことを特徴とする。
【0049】(4)また、本発明は、主偏向器の偏向量
をデジタル量からアナログ量に変換するD−A変換器の
出力と、実際に主偏向にかかっている電圧との差分を抽
出し、その出力をフィードバック偏向器にかけて電子ビ
ームの位置を副偏向器の露光可能位置の偏向するメイン
デフセトリングフィードバック回路を有する電子ビーム
露光装置において、主偏向器による偏向時に、主偏向器
の整定待ち時間とは別に、副偏向器による露光時間の一
部も含めた最低滞在時間を設置し、この最低滞在時間終
了後で、且つ、副偏向器の露光終了後に、次の主偏向器
による偏向が可能になるように制御する主偏向器整定待
ち時間制御部を設けたことを特徴とする。
【0050】(5)また、本発明は、上記(4)におい
て、主偏向器による偏向時に、主偏向器の整定待ち時間
終了後直ちに、最低滞在時間のカウントと副偏向器によ
る露光を開始することを特徴とする。
【0051】(6)また、本発明は、上記(4)におい
て、主偏向器による偏向時に、主偏向器の整定待ち時間
のカウントと最低滞在時間のカウントを同時に開始する
と共に、主偏向器の整定待ち時間終了後に副偏向器によ
る露光を開始することを特徴とする。
【0052】(7)また、本発明は、上記(4)におい
て、主偏向器による偏向時に、主偏向器の整定待ち時間
のカウントと最低滞在時間のカウントとを同時に開始す
ると共に、主偏向器の整定待ち時間終了後に副偏向器に
よる露光を開始し、露光終了後直ちに、次の主偏向器に
よる偏向を開始し、その整定待ち時間後で、且つ、前の
最低滞在時間終了後に、副偏向器による次の露光を開始
することを特徴とする。
【0053】(8)また、本発明は、上記(7)におい
て、主偏向器による次の整定待ち時間を、前の主偏向器
による偏向の最低滞在時間の残時間と初期設定整定待ち
時間を比較する手段を設け、両者の内の大きな時間とす
ることを特徴とする。
【0054】(9)また、本発明は、試料を連続移動し
ながら露光する電子ビーム露光装置の操作方法におい
て、試料の移動量読み取りによる補正偏向に伴う補正整
定待ち時間の終了時が主偏向器による偏向の全体の整定
待ち時間の終了時以前となるように、全体の整定待ち時
間の残量に基づいて試料の読み出しタイミングを決定し
たことを特徴とする。
【0055】(10)また、本発明は、上記(9)にお
いて、全体の整定待ち時間を主偏向器の飛び量からデジ
タル数として割り出し、このデジタル数をダウンカウン
タでカウントして整定待ち時間を待つと共に、このダウ
ンカウンタの数値を読み取りタイミング決定用メモリの
アドレスとし、全体の整定待ち時間終了から一定時間手
前のアドレスに読み取り開始のためのデータを格納して
おき、全体の整定待ち時間終了直前の読み取り補正偏向
に伴う補正整定待ち時間の終了時が全体の補正待ち時間
の終了時以前となるようにしたことを特徴とする。
【0056】(11)また、本発明は、上記(10)に
おいて、読み取りタイミング決定用メモリに、全体の整
定待ち時間終了直前の読み取り周期と、それ以外の読み
取り周期とを変更する時間機能を持たせたことを特徴と
する。
【0057】(12)また、本発明は、上記(10)に
おいて、主偏向器による偏向の飛び量のX軸及びY軸に
対して求めた絶対値をアドレスとして有するメモリを設
け、このメモリに飛び量及び飛び方向に依存する整定待
ち時間マップを格納することを特徴とする。
【0058】(13)また、本発明は、上記(12)に
おいて、主偏向器による偏向の飛び量の絶対値が小さい
時には一定値の整定待ち時間とし、それ以外では飛び量
の絶対値に比例する様な整定待ち時間とする、整定待ち
時間マップを格納することを特徴とする。
【0059】(14)また、本発明は、上記(13)に
おいて、主偏向器による偏向の飛び方向による整定待ち
時間をX軸方向とY軸方向とで異なるように設定するこ
とを特徴とする。
【0060】
【作用】電子ビームの断面形状を成形する透過孔パター
ンが複数個形成されているステンシルマスクと、このス
テンシルマスク上の所望の開口パターンを選択して電子
ビームを透過させるために偏向するステンシルマスクの
電子ビーム入射側に設けた2段の偏向手段及びステンシ
ルマスク透過後の電子ビームを再度光軸に振り戻すため
に偏向するステンシルマスクの出射側に設けた2段の偏
向手段を具備する収束偏向系と、成形された電子ビーム
を縮小し、光軸上にある絞りアパーチャを透過させ試料
上に投影するための電磁レンズ光学系と、収束偏向系と
電磁レンズ光学系の光軸を合わせるための偏向手段を有
する電子ビーム露光装置において、ステンシルマスクを
挟んで設けた一対の電磁レンズによりクロスオーバ光学
系を平行光にし、また、一対の電磁レンズのポールピー
スのステンシルマスクに近い側の内径を遠い側の内径よ
り小さくすることによって、電磁レンズの漏れ磁場を低
減することができ、それによって磁場による電子ビーム
の回転(らせん運動)を抑え、回転方向においても半径
方向においてもステンシルマスクに垂直に電子ビームを
入射することができ、影ができることがないので、露光
精度を高精度にすることができる。
【0061】また、電子ビーム入射側に設けた2段の偏
向手段をステンシルマスクの電子ビーム入射側に設けた
電磁レンズの第1クロスオーバ位置を挟む様に配置した
2つのマスク偏向器で構成し、電子ビーム出射側に設け
た2段の偏向手段をステンシルマスクの電子ビーム出射
側に設けた電磁レンズの第2クロスオーバ位置の直前に
配置した2つのマスク偏向器で構成することによって、
偏向効率を最大にすることができる。
【0062】また、電子ビーム入射側に設けた2段の偏
向手段がスリット偏向器としても機能するようにするこ
とにより、スリット偏向器を省略して構成を簡素化する
ことができる。
【0063】また、ステンシルマスクの電子ビーム出射
側に設けた電磁レンズの第2クロスオーバ位置における
クロスオーバ像の非点収差を補正するための非点収差補
正手段をステンシルマスクの電子ビーム入射側に設けた
電磁レンズ内に設けると共に、クロスオーバ像の非点収
差補正に伴って発生するステンシルマスク上におけるス
リット像の像歪を補正する像歪補正手段を電子ビーム入
射側に設けた2段の偏向手段の直下に設けることによ
り、非点収差補正及び像歪補正を効果的に行うことがで
きる。
【0064】また、絞りアパーチャにおいて電子ビーム
を遮断するために、少なくとも2段のブランキング偏向
手段をステンシルマスクを介して配置すると共に、ステ
ンシルマスクの電子ビーム入射側に設けたブランキング
偏向手段を像歪補正手段の直下に配置することによっ
て、スリット像が試料上を動くことがないのでブランキ
ングを高精度で行うことができ、スリット像のボケを防
止することができる。
【0065】また、マルチビーム方式ブランキング・ア
パーチャ・アレイ電子ビーム露光装置においては、主偏
向器による偏向時に、主偏向器の整定待ち時間とは別
に、副偏向器による露光時間の一部も含めた最低滞在時
間を設置することによって、露光データが極端に疎な場
合にも、露光終了後、次の主偏向器による偏向を少なく
とも最低滞在時間待ったのちに行うことによって露光精
度の劣化を防止することができる。
【0066】また、主偏向器による偏向時に、主偏向器
の整定待ち時間終了後直ちに、最低滞在時間のカウント
と副偏向器による露光を開始することにより、露光精度
の劣化を防止することができると共に、全領域の露光に
必要な平均所要時間を短縮することができる。
【0067】また、主偏向器による偏向時に、主偏向器
の整定待ち時間のカウントと最低滞在時間のカウントを
同時に開始すると共に、主偏向器の整定待ち時間終了後
に副偏向器による露光を開始することにより、露光が疎
な場合の所要時間を露光精度を犠牲にすることなく短縮
することができるので、全領域の露光に必要な平均所要
時間をより短縮することができる。
【0068】また、主偏向器による偏向時に、主偏向器
の整定待ち時間のカウントと最低滞在時間のカウントを
同時に開始すると共に、主偏向器の整定待ち時間終了後
に副偏向器による露光を開始し、露光終了後直ちに、次
の主偏向器による偏向を開始し、その整定待ち時間後
で、且つ、前の最低滞在時間終了後に、副偏向器による
次の露光を開始することにより、露光データが疎な場合
に、次の主偏向器による偏向の整定待ち時間をより短縮
することができる。
【0069】また、主偏向器による偏向の次の整定待ち
時間を、前の主偏向器による偏向の最低滞在時間の残時
間と初期設定整定待ち時間を比較する手段を設けること
によって、次の整定待ち時間の制御が容易になる。
【0070】また、試料の移動量読み取りによる補正偏
向に伴う補正整定待ち時間の終了時が主偏向器による偏
向の全体の整定待ち時間の終了時以前となるように、全
体の整定待ち時間の残量に基づいて試料の読み出しタイ
ミングを決定することにより、全体の整定待ち時間終了
直前における最後の補正整定待ち時間による無駄をなく
すことができる。
【0071】また、全体の整定待ち時間を主偏向器の飛
び量からデジタル数として割り出し、このデジタル数を
ダウンカウンタでカウントして整定待ち時間を待つと共
に、このダウンカウンタの数値を読み取りタイミング決
定用メモリのアドレスとし、全体の整定待ち時間終了か
ら一定時間手前のアドレスに読み取り開始のためのデー
タを格納しておくことにより、最後の読み取りタイミン
グを無駄のない様に自動的に決定することができる。
【0072】また、読み取りタイミング決定用メモリ
に、全体の整定待ち時間終了直前の読み取り周期と、そ
れ以外の読み取り周期とを変更する時間機能を持たせた
ことにより、読み取り回数を減らすことができる。
【0073】また、主偏向器による偏向の飛び量のX軸
及びY軸に対して求めた絶対値をアドレスとして有する
メモリを設け、このメモリに飛び量及び飛び方向に依存
する整定待ち時間マップを格納することによって、整定
待ち時間マップのデータをカウントすることによって整
定待ち時間終了を自動的に決定することができる。
【0074】また、主偏向器による偏向の飛び量の絶対
値が小さい時には一定値の整定待ち時間とすることによ
って、飛び量が小さい場合の偏向精度を良好に確保する
ことができる。
【0075】また、主偏向器による偏向の飛び方向によ
る整定待ち時間をX軸方向とY軸方向とで異なるように
設定することによって、ステージ移動特性や増幅器の特
性がX軸方向とY軸方向における異なる場合に、自由に
補正することができる。
【0076】
【実施例】図1及び図2を参照して、本発明の第1の実
施例であるブロック露光方式に用いる電子ビーム露光装
置を説明する。なお、本発明と従来例との差異をより明
瞭に、且つ、より簡単に説明するために、図9に示した
従来の電子ビーム露光装置と共通の部分の説明は省略す
るものであり、また、収束偏向系と電磁レンズ光学系の
光軸を合わせるためのアライメントコイルの図示も省略
する。
【0077】図1及び図2参照 まず、本発明の電子ビーム露光装置においては、電磁レ
ンズ(L2a,L2b)11,14をステンシルマスク
12から実用上可能な限り離すと共に、図2に示すよう
に電磁レンズ(L2a,L2b)11,14のポールピ
ース(磁極)35(34はコイル)についても、ステン
シルマスク12に近い側の内径d1を、遠い側の内径d
2に比べて小さくする。
【0078】このポールピース35の形状によってステ
ンシルマスク12上に磁場が漏れにくくなり、また、レ
ンズ強度が同じであれば電磁レンズ(L2a)11のポ
ールピース35のギャップ36の間隔が大きい方が、電
子ビームは緩やかに回転し、回転方向の入射角が垂直に
より近くなるので、電磁レンズ(L2a)11のポール
ピース35のギャップ36を従来の電磁レンズのポール
ピースのギャップの1.5〜2倍にしている。
【0079】この様な構成を採用することによって、ス
テンシルマスク12に対する入射角は3mradとな
り、従来の電子ビーム露光装置における7mradに対
して大幅に垂直入射性が向上し、ステンシルマスク12
の厚さを20μmとした場合に、2μm□の電子ビーム
は最大でも0.06μm(20μm×3×10-3)、即
ち3%かげるに過ぎない。
【0080】また、本発明の電子ビーム露光装置におい
ては、電子ビームの入射側のマスク偏向器5,7及び電
子ビームの出射側のマスク偏向器13,16の位置をス
テンシルマスク12からできるかぎり離して設置してい
るので、偏向電圧を低くしても十分偏向することができ
る。
【0081】本発明においては、マスク偏向器の偏向電
圧は±40Vで十分であるので、従来の電子ビーム露光
装置における±200Vの偏向電圧より大幅に低電圧化
され、偏向電圧を供給する増幅器の特性に依存する偏向
速度を大きくすることができる。
【0082】なお、電磁レンズ光学系全体の距離を伸ば
したのでは、電子間相互の反発により露光パターンが劣
化するので、電磁レンズ光学系全体の距離をそのままに
してマスク偏向器5,7,13,16とステンシルマス
ク12の距離を離すために、電子ビーム入射側に設けた
2つのマスク偏向器5,7をステンシルマスク12の電
子ビーム入射側に設けた電磁レンズ(L2a)11の第
1クロスオーバ6を挟む様に配置すると共に、電子ビー
ム出射側に設けた2つのマスク偏向器13,16をステ
ンシルマスク12の電子ビーム出射側に設けた電磁レン
ズ(L2b)14の第2クロスオーバ18の直前に配置
する。
【0083】この場合、図9に示した従来の電子ビーム
露光装置において設けていたスリット偏向器25及びス
リット偏向振り戻し偏向器27の配置スペースがなくな
るのでスリット偏向器25及びスリット偏向振り戻し偏
向器27を除去し、スリット偏向量のデータをマスク偏
向器5,7の偏向量データにデジタル的に加算すること
によってスリット偏向器25及びスリット偏向振り戻し
偏向器27の役割を兼ねさせる。
【0084】また、第2クロスオーバ18において発生
する非点収差は、クロスオーバ軌道が最も拡がっている
部分で補正を行うのが効率的であるので、電磁レンズ
(L2a)11の内部に非点収差補正手段10を配置す
る。
【0085】また、このクロスオーバの非点収差補正に
伴ってステンシルマスク12上にスリット像の像歪が発
生するが、この像歪補正はスリット像軌道が最も拡がっ
た部分で行うのが効率的であるので、スリット偏向器2
5及びスリット偏向振り戻し偏向器27の削除とマスク
偏向器5,7の移動により生じた空間のスリット像がよ
り拡がっている位置に像歪補正手段8を設ける。これに
より、像歪を抑えた高精度の露光が可能となる。
【0086】また、スリット偏向器25及びスリット偏
向振り戻し偏向器27の削除とマスク偏向器5,7の移
動により生じた空間の残りの部分に第1ブランキング偏
向手段9を追加して配置して、第3マスク偏向器13の
下部に配置した第2ブランキング偏向手段15と共にブ
ランキング偏向を行うようにすることによって、あたか
もステンシルマスク12部分でブランキング偏向を行っ
たようにすることができる。
【0087】この様子を図3を参照して説明する。 図3(a)及び(b)参照 図3(a)の状態にある電子ビームに、図3(b)に示
すようにステンシルマスク部分以外に設けた1段のブラ
ンキング偏向手段のみでブランキング偏向を行った場合
には、ブランキングをかけた瞬間に試料上のスリット像
が移動し、ブランキングが完全にかかるまでにスリット
像のズレが露光され、高感度レジストを使用した場合、
このスリット像のズレが露光パターンとなり露光精度が
悪化する。
【0088】図3(c)参照 本発明のようにブランキング偏向手段を2段とすること
によって、あたかもステンシルマスク部分で偏向がかか
るようになり、ステンシルマスク上でスリット像は収斂
しているので、どの様に偏向しても電磁レンズの振り戻
し作用によって試料上の同じ位置に収斂することにな
り、ブランキングをかけた瞬間にも試料上のスリット像
が移動することがなく、スリット像のズレによる露光精
度の悪化を防止することができる。
【0089】次に、図4乃至図6を参照して、スループ
ットを改善する第2の方法に関する実施例(第2乃至6
の実施例)を説明する。 図4参照 なお、図4は、第2乃至第4の実施例に共通する電子ビ
ーム露光装置の制御機構で、特に、主偏向器整定待ち時
間制御部を詳細に説明する図であり、他の制御機構及び
操作機構は図10で説明した従来のフィードバック偏向
器(FBC)を有する電子ビーム露光装置と同等であ
る。
【0090】図4参照 本発明の電子ビーム露光装置の特徴は、主偏向器整定待
ち時間制御部に整定待ち時間制御のための待ち時間演算
回路、待ち時間カウンタ回路、及び、待ち時間フラグ発
生回路以外に、最低滞在時間を設定するための最低滞在
時間制御回路を設けたところにある。
【0091】この最低滞在時間制御回路は主偏向器制御
部からのセットトリガ信号及び待ち時間フラグ発生回路
からの出力(待ち時間フラグ)によって最低滞在時間の
カウントが制御されるものであり、例えば、最低滞在時
間としては、主偏向器のみの偏向の場合に必要な整定待
ち時間である50μsecを採用する。
【0092】この場合、主偏向器制御部からのセットト
リガ信号と同時に最低滞在時間のカウントを開始するよ
うに設定すると、主偏向器による偏向時に、主偏向器の
整定待ち時間のカウントと同時に最低滞在時間のカウン
トを開始するようになり、露光データが極端に疎な場合
にも、副偏向器からの露光終了フラグが入力された後
で、且つ、最低滞在時間終了後でなければ、最低滞在時
間フラグが出力されないので、露光精度が劣化すること
がない。
【0093】また、待ち時間フラグ発生回路からの出力
(待ち時間フラグ)によって最低滞在時間のカウントを
制御する場合には、整定待ち時間(例えば、3μse
c)終了後に、最低滞在時間のカウントを開始するよう
になり、露光データが極端に疎な場合にも、副偏向器か
らの露光終了フラグが入力された後で、且つ、最低時間
終了後でなければ、最低滞在時間フラグが出力されない
ので、露光精度が劣化することがない。
【0094】次に、図5を参照して第2乃至第4の実施
例を説明する。 図5(a)参照 先ず、第2の実施例においては、主偏向器の整定待ち時
間制御と最低滞在時間制御のためにカウンタを設け、主
偏向器の偏向開始と同時に主偏向器の整定待ち時間のカ
ウントを開始し、整定待ち時間終了後に、最低滞在時間
のカウント及び副偏向器による露光を開始する。そし
て、最低滞在時間の終了後、且つ、露光の終了後に、次
の主偏向器による偏向の操作を繰り返して、全領域の露
光を行う。
【0095】ここで、露光データが密な場合、即ち、例
えば、副偏向器により露光サイクルが10MHzで4μ
m□/1ショットで100μm□のフィールドを塗りつ
ぶす場合の主偏向器による偏向開始から副偏向器による
露光の終了までの所要時間は、最低滞在時間を50μs
ec(メインデフセトリングフィードバック回路及びフ
ィードバック偏向器による補正を含まない場合の主偏向
器の整定待ち時間)とし、主偏向器の整定待ち時間を3
μsecとした場合、 3μsec+(100μm□÷4μm□×100nμs
ec)=65.5μsec となる。
【0096】また、露光データが極端に疎な場合、例え
ば、4μm□で10ショットである場合の所要時間は、
上と同じ条件で、 3μsec+50μsec=53μsec となる。
【0097】ここで、1セル当たり1mm□の露光デー
タが疎密疎密の繰り返しデータである場合の露光に必要
な全所要時間、即ち、平均所要時間は、 1mm□÷100μm□=100フィールド であり、例えば、露光データが疎のフィールドが50フ
ィールド、また、露光データが密のフィールドが50フ
ィールドであるとすると、 50フィールド×(53μsec+65.5μsec)
=5.925msec となる。
【0098】一方、メインデフセトリングフィードバッ
ク回路及びフィードバック偏向器を用いないで、主偏向
器の整定待ち時間(50μsec)のみで露光を制御し
た場合には、同じ条件で、露光データが密な場合、 50μsec+(100μm□÷4μm□×100ns
ec)=112.5μsec 露光データが疎な場合、 50μsec+(10ショット×100nsec)=5
1μsec となり、 50フィールド×(51μsec+112.5μse
c)=8.175msec となる。
【0099】したがって、例えば、露光フィールドが1
00フィールドの時、露光データが疎だけの場合には、
2μsec(=53μsec−51μsec)×100
(フィールド)=0.2msecだけ従来の方がスルー
プットが良いものの、例えば、各々50フィールドづつ
の疎密がある場合には、本発明の露光方式によってその
平均所要時間は8.175msec−5.925mse
c=2.25msecだけ短くなり、スループットが向
上する。
【0100】次に、図5(b)を参照して、第3の実施
例を説明する。 図5(b)参照 この第3の実施例においては、主偏向器の整定待ち時間
制御と最低滞在時間制御のためにカウンタを設け、主偏
向器の偏向開始と同時に主偏向器の整定待ち時間及び最
低滞在時間のカウントを開始し、整定待ち時間の終了後
に副偏向器による露光を開始する。そして、最低滞在時
間の終了後、且つ、露光の終了後に、次の主偏向器によ
る偏向の操作を繰り返して、全領域の露光を行う。
【0101】ここで、第2の実施例と同条件において、
露光に必要な所要時間は、露光データが密な場合、 3μsec+(100μm□÷4μm□×100nse
c)=65.5μsec 露光データが極端に疎な場合、 50μsec となる。
【0102】したがって、平均所要時間は、 50フィールド×(50μsec+65.5μsec)
=5.775msec となり、露光データが疎だけの場合には、1μsec
(=51μsec−50μsec)×100(フィール
ド)=0.1msecだけ、また、疎密がある場合に
は、8.175msec−5.775msec=2.4
msecだけ本発明の露光方式によってその平均所要時
間は短くなり、スループットが向上する。
【0103】次に、図5(c)を参照して、第4の実施
例を説明する。 図5(c)参照 この第4の実施例においては、主偏向器の整定待ち時間
制御と最低滞在時間制御のためにカウンタを設け、主偏
向器の偏向開始と同時に主偏向器の整定待ち時間及び最
低滞在時間のカウントを開始し、整定待ち時間の終了後
に副偏向器による露光を開始する。
【0104】そして、最低滞在時間が終了していなくと
も、露光の終了後に、次の主偏向器による偏向を開始す
る。ここで、前の最低滞在時間の残時間と整定待ち時間
の初期設定値(3μsec)とを比較器により比較し
て、値の大きな方を次の主偏向器の整定待ち時間に設定
する。
【0105】ここで、第2の実施例と同条件において、
露光に必要な所要時間は、露光データが密な場合は第2
及び第3の実施例と同様に65.5μsecであるが、
極端に疎な露光データが続く場合には次の主偏向器の整
定待ち時間が前の最低滞在時間に含まれるため、50μ
sec以下、例えば、初期設定値が3μsecであるな
らば最短で47μsecとなる。
【0106】したがって、平均所要時間は、露光データ
が疎だけの場合にも、0.4msec以上の改善が見ら
れ、また、疎密がある場合にも、2.4msec以上の
改善が見られる。
【0107】次に、図6を参照してアナログ比較器を用
いて最低滞在時間を制御する第5の実施例を説明する。 図6参照 この図6はメインデフセトリングフィードバック回路の
差分抽出部の出力部にアナログ比較器47,48を設け
たもので、主偏向器の整定待ち時間のカウントを開始
し、整定待ち時間終了後に副偏向器による露光を開始す
ると共に、2つのアナログ比較器47,48に2つの異
なったしきい値A,B(A>B)を基準値として入力
し、メインデフセトリングフィードバック回路の差分抽
出部からの出力と比較した2つのアナログ比較器47,
48の出力をand回路49に入力し、このand回路
49を介した出力を最低滞在時間フラグとする。
【0108】この場合は、メインデフセトリングフィー
ドバック回路の差分抽出部の出力がA以下、且つ、B以
上の場合に最低滞在時間フラグが出力されて次の主偏向
器の偏向を可能とするので、時間管理は主偏向器による
偏向の整定待ち時間のみの管理となり、最低滞在時間の
制御はアナログ波形で行うことになるので時間管理が簡
単になる。
【0109】次に、図示しないもののアナログ比較器を
用いて整定待ち時間及び最低滞在時間を制御する第6の
実施例を説明する。この第6の実施例は図6と同様のメ
インデフセトリングフィードバック回路の差分抽出部の
出力部に整定待ち時間制御用アナログ比較器及び最低滞
在時間制御用アナログ比較器を設けたもので、副偏向器
による露光可能な値を基準値とする整定待ち時間制御用
アナログ比較器に主偏向器による偏向開始時よりメイン
デフセトリングフィードバック回路の差分抽出部の出力
を入力し、この入力が基準値に達した場合に露光を開始
する。
【0110】次いで、露光終了後で、且つ、図6と同様
に2つのアナログ比較器を用い、メインデフセトリング
フィードバック回路の差分抽出部の出力がA以下、且
つ、B以上になった場合に最低滞在時間フラグが出力さ
れて次の主偏向器による偏向を可能とする。したがっ
て、時間管理を行わずに、アナログ波形のみで整定待ち
時間及び最低滞在時間の制御を行うことになるので全体
のシステムが簡素化される。
【0111】次に、図7及び図8を参照して、連続移動
露光方式に関する本発明の第7の実施例を説明する。先
ず、主偏向器の偏向前の値と偏向後の値の差分の絶対値
を2進数にしたものの内の上位数ビットをX側とY側よ
り夫々取り出し、これらをアドレスとして予め求めてお
いた整定待ち時間の理想値を格納したメモリより整定待
ち時間の理想値のデータを呼び出す。
【0112】図7(a)参照 例えば、主偏向器による偏向範囲が約±1mmであると
すると、上位8ビット(28 =256)を取り出せば、
約8μm(厳密には8.192μm)のLSB(最下位
のビット)のメッシュで偏向による飛び量マップを構成
することができ、この8μmLSBでメッシュ化された
飛び量マップの各アドレスには任意のデータを格納でき
るものである。
【0113】飛び量ΔGが100μm以下の場合には、
整定待ち時間は最低整定待ち時間3μsecで十分であ
り、飛び量ΔGが100μm以上の場合には3μsec
より長い整定待ち時間が必要になるので、全体の大きな
整定待ち時間WAIT1を、 WAIT1=3μsec :ΔG≦100μm WAIT1=(ΔG−100)×A+3μsec :ΔG>100μm の様に設定する。
【0114】この場合、飛び量マップにより求められた
整定待ち時間を時間カウンタ(ダウンカウンタ)にプリ
ロードしてカウントダウン値が0になったことによって
整定待ち時間の終了を表す。但し、時間カウンタに与え
られるクロックが10MHz(107 Hz)であるとす
ると、マップの整定待ち時間のLSBは10-7sec、
即ち、100nsecとなり、例えば、整定待ち時間が
3μsecの場合には100nsecのLSBで30カ
ウントすることになるので、飛び量ΔGが100μm以
下のアドレスには30を格納することになる。
【0115】図7(b)参照 図7(b)は、この様なデータを格納したマップの例を
示すものであり、X−Y座標の中心、即ち、(0,0)
点近傍においては、飛び量ΔGは小さいので30、即
ち、3μsecの整定待ち時間を入力し、(0,0)点
から離れるにしたがって大きな数値を入力する。
【0116】次に、試料の移動を読み取るタイミングを
決める読み取りタイミング決定用メモリを設け、ダウン
カウンタの数値を読み取りタイミング決定用メモリのア
ドレスとし、全体の整定待ち時間終了から一定時間手前
のアドレスに試料の移動の読み取りを開始するフラグを
出すためのビットを格納しておく。
【0117】図8参照 ダウンカウンタの出力が全体の整定待ち時間終了から一
定時間手前になった時点で、試料の移動の読み取りを開
始するフラグが出力されて全体の整定待ち時間WAIT
終了直前の最後の読み取りが行われるので、この最後の
読み取りによる補正偏向に伴う補正整定待ち時間の終了
時が全体の整定待ち時間の終了時以前とすることがで
き、全体の大きな整定待ち時間WAITの終了に対して
時間効率の良いタイミングで読み取りフラグを発生で
き、最低待ち時間Cの無駄がなくなる。
【0118】また、読み取りタイミング決定用メモリに
時間制御機能を持たせることにより、読み取りフラグの
発生間隔も任意に変更可能になるので、大きな整定待ち
時間の開始時点付近においては読み取り間隔を大きく
し、整定待ち時間の終了時点付近においては間隔を狭く
設定することができ、整定待ち時間WAITの無駄をな
くし、且つ、読み取り回数を少なくすることができる。
【0119】また、整定待ち時間マップに格納するデー
タは、X軸方向とY軸方向で異なるように設定しても良
く、異なるように設定することによってステージ移動特
性或いは増幅器の特性がX軸方向とY軸方向において異
なる場合に、その特性の相違を自由に補正することがで
きる。
【0120】
【発明の効果】本発明によれば、高速のマスク偏向器を
用いることができるのでスループットを向上させること
ができ、また、非点収差補正手段、像歪補正手段、及
び、2段のブランキング偏向手段を設けているので露光
精度を高精度にすることができる。
【0121】また、本発明によれば、整定待ち時間制御
機構以外に最低滞在時間制御機構を設けたので、露光精
度を損なわずにメインデフセトリングフィードバック回
路及びフィードバック偏向器を用いた高速偏向が可能に
なり、スループットを向上することができる。
【0122】また、本発明によれば、主偏向器による偏
向の大きな整定待ち時間の終了と大きな整定待ち時間の
終了直前の最後の移動読み取りに伴う補正整定待ち時間
の終了を略一致させることができるので、現実の整定待
ち時間における無駄を無くし、スループットを向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるブロック露光方式
に用いる電子ビーム露光装置の概念的構成図である。
【図2】本発明の第1の実施例の電子ビーム露光装置に
用いるポールピースの概略的構成図である。
【図3】本発明の第1の実施例におけるブランキング偏
向の際のスリット像の移動の説明図である。
【図4】本発明の第2乃至第4の実施例に共通する電子
ビーム露光装置の整定待ち時間制御部の説明図である。
【図5】本発明の第2乃至第4の実施例における整定待
ち時間のカウント、最低滞在時間のカウント、及び、露
光のタイミングの説明図である。
【図6】本発明の第5の実施例であるアナログ比較器を
用いて最低滞在時間を制御する場合の制御機構の説明図
である。
【図7】本発明の第7の実施例における飛び量マップの
説明図である。
【図8】本発明の第7の実施例における試料読み取りタ
イミングの説明図である。
【図9】従来のブロック露光方式に用いている電子ビー
ム露光装置の概念的構成図である。
【図10】従来のブランキング・アパーチャ・アレイ露
光方式における電子ビーム露光装置の制御機構の説明図
である。
【図11】従来のブランキング・アパーチャ・アレイ露
光方式における電子ビーム露光装置の整定待ち時間制御
部の説明図である。
【図12】従来の連続移動露光方式における試料読み取
りタイミングの説明図である。
【図13】従来のブランキング・アパーチャ・アレイ露
光方式における電子ビームの軌跡の説明図である。
【図14】従来のブランキング・アパーチャ・アレイ露
光方式における問題点の説明図である。
【符号の説明】
1 電子銃 2 電磁レンズ(L1a) 3 スリット 4 電磁レンズ(L1b) 5 第1マスク偏向器 6 第1クロスオーバ 7 第2マスク偏向器 8 像歪補正手段 9 第1ブランキング偏向手段 10 非点収差補正手段 11 電磁レンズ(L2a) 12 ステンシルマスク 13 第3マスク偏向器 14 電磁レンズ(L2b) 15 第2ブランキング偏向手段 16 第4マスク偏向器 17 電磁レンズ(L3a) 18 第2クロスオーバ 19 電磁レンズ(L3b) 20 絞りアパーチャ 21 電磁レンズ(L4) 22 電磁レンズ(L5) 23 第1アライメントコイル(AL1a) 24 第1アライメントコイル(AL1b) 25 スリット偏向器 26 第2アライメントコイル(AL2) 27 スリット偏向振り戻し偏向器 28 マスクスティグ・フォーカスコイル 29 ブランキング偏向手段 30 第3アライメントコイル(AL3) 31 第4アライメントコイル(AL4) 32 リフォーカスコイル 33 副偏向器 34 コイル 35 ポールピース 36 ギャップ 41 比較増幅器 42 入力抵抗 43 帰還抵抗 44 出力抵抗 45 アナログ比較器 46 ゲイン・ローテーション演算部 47 アナログ比較器 48 アナログ比較器 49 and回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮沢 憲一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 瀬戸 勇 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 荒井 総一郎 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 矢原 秀文 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 安田 洋 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームの断面形状を成形する透過孔
    パターンが複数個形成されているステンシルマスクと、
    前記ステンシルマスク上の所望の開口パターンを選択し
    て前記電子ビームを透過させるために偏向する前記ステ
    ンシルマスクの電子ビーム入射側に設けた2段の偏向手
    段及び前記ステンシルマスク透過後の電子ビームを再度
    光軸に振り戻すために偏向する前記ステンシルマスクの
    出射側に設けた2段の偏向手段を具備する収束偏向系
    と、前記成形された電子ビームを縮小し、前記光軸上に
    ある絞りアパーチャを透過させて試料上に投影するため
    の電磁レンズ光学系と、前記収束偏向系と前記電磁レン
    ズ光学系の前記光軸を合わせるための偏向手段を有する
    電子ビーム露光装置において、前記ステンシルマスクを
    挟んで設けた一対の電磁レンズによりクロスオーバ光学
    系を平行光にすると共に、前記一対の電磁レンズのポー
    ルピースの前記ステンシルマスクに近い側の内径を遠い
    側の内径より小さくし、さらに、前記電子ビーム入射側
    に設けた2段の偏向手段を前記ステンシルマスクの電子
    ビーム入射側に設けた電磁レンズの第1クロスオーバ位
    置を挟む様に配置した2つのマスク偏向器で構成してス
    リット偏向器としても機能するようにし、また、前記電
    子ビーム出射側に設けた2段の偏向手段を前記ステンシ
    ルマスクの電子ビーム出射側に設けた電磁レンズの第2
    クロスオーバ位置の直前に配置した2つのマスク偏向器
    で構成したことを特徴とする電子ビーム露光装置。
  2. 【請求項2】 上記ステンシルマスクの電子ビーム出射
    側に設けた電磁レンズの第2クロスオーバ位置における
    クロスオーバ像の非点収差を補正するための非点収差補
    正手段を、前記ステンシルマスクの電子ビーム入射側に
    設けた電磁レンズ内に設けると共に、前記クロスオーバ
    像の非点収差補正に伴って発生する前記ステンシルマス
    ク上におけるスリット像の像歪を補正する像歪補正手段
    を、上記電子ビーム入射側に設けた2段の偏向手段の直
    下に設けたことを特徴とする請求項1記載の電子ビーム
    露光装置。
  3. 【請求項3】 上記像歪補正手段の直下に、上記ステン
    シルマスクを介して配置した少なくとも2段のブランキ
    ング偏向手段の内の一方を配置したことを特徴とする請
    求項2記載の電子ビーム露光装置。
  4. 【請求項4】 主偏向器の偏向量をデジタル量からアナ
    ログ量に変換するD−A変換器の出力と、前記主偏向器
    に実際にかかっている電圧との差分を抽出し、抽出した
    出力をフィードバック偏向器にかけて電子ビームの位置
    を副偏向器の露光可能位置に偏向するメインデフセトリ
    ングフィードバック回路を有する電子ビーム露光装置に
    おいて、前記主偏向器による偏向時に、主偏向器の整定
    待ち時間とは別に、前記副偏向器による露光時間の一部
    も含めた最低滞在時間を設置し、前記最低滞在時間終了
    後で、且つ、前記副偏向器の露光終了後に、次の主偏向
    器による偏向が可能になるように制御する主偏向器整定
    待ち時間制御部を設けたことを特徴とする電子ビーム露
    光装置。
  5. 【請求項5】 上記主偏向器の整定待ち時間終了後、直
    ちに、上記最低滞在時間のカウントと上記副偏向器によ
    る露光を開始するように上記主偏向器整定待ち時間制御
    部を設定したことを特徴とする請求項4記載の電子ビー
    ム露光装置。
  6. 【請求項6】 上記主偏向器の整定待ち時間のカウント
    と、上記最低滞在時間のカウントを同時に開始すると共
    に、前記主偏向器の整定待ち時間終了後に上記副偏向器
    による露光を開始するように上記主偏向器整定待ち時間
    制御部を設定したことを特徴とする請求項4記載の電子
    ビーム露光装置。
  7. 【請求項7】 上記主偏向器の整定待ち時間のカウント
    と、上記最低滞在時間のカウントを同時に開始すると共
    に、前記主偏向器の整定待ち時間終了後に上記副偏向器
    による露光を開始し、露光終了後直ちに、次の主偏向器
    による偏向を開始し、次の偏向における整定待ち時間後
    で、且つ、前の最低滞在時間終了後に、副偏向器による
    次の露光を開始するように上記主偏向器整定待ち時間制
    御部を設定したことを特徴とする請求項4記載の電子ビ
    ーム露光装置。
  8. 【請求項8】 上記主偏向器による次の整定待ち時間
    を、前の主偏向器による偏向の最低滞在時間の残時間と
    初期設定整定待ち時間を比較し、両者の内の大きな時間
    とすることを特徴とする請求項7記載の電子ビーム露光
    装置。
  9. 【請求項9】 試料を連続移動しながら露光する電子ビ
    ーム露光装置の操作方法において、試料の移動量読み取
    りによる主偏向器の補正偏向に伴う補正整定待ち時間の
    終了時が、前記主偏向器による偏向の全体の整定待ち時
    間の終了時以前となるように、前記全体の整定待ち時間
    の残量に基づいて前記試料の読み出しタイミングを決定
    したことを特徴とする電子ビーム露光装置の操作方法。
  10. 【請求項10】 上記全体の整定待ち時間を主偏向器の
    飛び量からデジタル数として割り出し、前記デジタル数
    をダウンカウンタでカウントして前記整定待ち時間を待
    つと共に、前記ダウンカウンタの数値を読み取りタイミ
    ング決定用メモリのアドレスとし、前記全体の整定待ち
    時間終了から一定時間手前のアドレスに読み取り開始の
    ためのデータを格納し、前記全体の整定待ち時間終了直
    前の読み取り補正偏向に伴う補正整定待ち時間の終了時
    が前記全体の補正待ち時間の終了時以前となるようにし
    たことを特徴とする請求項9記載の電子ビーム露光装置
    の操作方法。
  11. 【請求項11】 上記読み取りタイミング決定用メモリ
    に、上記全体の整定待ち時間終了直前の読み取り周期
    と、それ以外の読み取り周期とを変更する時間機能を持
    たせたことを特徴とする請求項10記載の電子ビーム露
    光装置の操作方法。
  12. 【請求項12】 上記主偏向器による偏向の飛び量のX
    軸及びY軸に対して求めた絶対値をアドレスとして有す
    るメモリを設け、前記メモリに飛び量及び飛び方向に依
    存する整定待ち時間マップを格納することを特徴とする
    請求項10又は11記載の電子ビーム露光装置の操作方
    法。
  13. 【請求項13】 上記整定待ち時間マップには、主偏向
    器による偏向の飛び量の絶対値が小さい時には一定値の
    整定待ち時間を、また、それ以外では飛び量の絶対値に
    比例する様な整定待ち時間を格納したことを特徴とする
    請求項12記載の電子ビーム露光装置の操作方法。
  14. 【請求項14】 上記主偏向器による偏向の飛び方向に
    よる整定待ち時間をX軸方向とY軸方向とで異なるよう
    に設定することを特徴とする請求項13記載の電子ビー
    ム露光装置の操作方法。
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