JPH08315722A - Mim/mis電子源およびその製造方法 - Google Patents
Mim/mis電子源およびその製造方法Info
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- JPH08315722A JPH08315722A JP13721095A JP13721095A JPH08315722A JP H08315722 A JPH08315722 A JP H08315722A JP 13721095 A JP13721095 A JP 13721095A JP 13721095 A JP13721095 A JP 13721095A JP H08315722 A JPH08315722 A JP H08315722A
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Abstract
能であり、また、製造プロセスが簡便なMIM/MIS
電子源およびその製造方法を提供する。 【構成】 500torrの第1のチャンバ内にヘリウ
ムを導入し、金を蒸発させ、直径30nm程度の超微粒
子Auを生成し、500torrの第2のチャンバ内に
ヘリウムと酸素を導入し、アルミニウムを蒸発させ、表
面が酸化膜(Al2O3)に覆われた直径30nm程度
の超微粒子Alを生成する。両超微粒子を第3のチャン
バ内に導入し、ノズルから吹き出させて基板上に両微粒
子の混合層を形成する。この混合層に電圧V1を印加す
ると、Al→Al2O3→AuというMIM接合におい
てトンネル電流が流れ、電子放出が起こる。
Description
特に、基板上の任意のパターン領域から電子放出を可能
にするMIM/MIS電子源に関する。
etal-Insulator-Metal) という3層構造から構成される
電子源であり、また、MIS電子源は、金属−絶縁体−
半導体(Metal-Insulator-Semiconductor) という3層構
造から構成される電子源である。これらの電子源は、
表面汚染の影響を受けにくい、動作電圧が5〜10V
程度と低い、電子放出領域を任意のパターンにでき
る、といった利点を有する素子として注目を集めてい
る。その動作原理は、量子力学上のトンネル効果を利用
したものである。すなわち、フェルミレベルの異なる2
種類の金属同士もしくは金属と半導体とを絶縁層を挟ん
で接合し、この絶縁層をトンネルして通り抜けた電子を
外部へ放出させるものである。
源の構造は、基板上に、金属−絶縁体−金属という薄膜
の3層構造を形成したMIM構造のものが主流である。
たとえば、日本学術振興会真空マイクロエレクトロニク
ス第158委員会第3回研究会資料(平成6年8月29
日)の第17〜21頁には、「金属−絶縁体−金属型電
子源の非フォーミング状態での電子放出特性」と題し
て、シリコン基板上に、アルミニウム−酸化アルミニウ
ム−金という3層薄膜構造をもったMIM電子源を試作
した実験結果が報告されている。また、第55回応用物
理学関係連合講演会予稿集第579頁には、「MIM電
子源の電子放出特性の温度依存性」と題して、MIM電
子源の放出電流の温度特性が報告されている。更に、第
42回応用物理学関係連合講演会予稿集第642頁に
は、「コーン型MIS電子源の電子放出特性」および
「外部電極を持つコーン型MIS電子源の作製」と題し
て、MIS電子源に関する研究結果が報告されている。
うな従来報告されているMIM/MIS電子源は、いず
れも実験段階のものであり、面内で均一な電子放出を安
定して行うことが困難であり、また、製造プロセスが非
常にむずかしいという問題点があり、実用化には至って
いない。MIM/MIS電子源の素子としての性能に大
きく影響を与える要因のひとつは、絶縁層の品質および
膜厚である。絶縁層はトンネル効果が生じる程度の薄膜
にする必要があり、通常は、数nm程度の厚みしかもた
ない。このため、ピンホールなどが発生しやすく、高品
質の絶縁膜を形成することは非常に困難である。また、
一様な膜厚をもった絶縁層を形成することも技術的に難
しい。絶縁層にピンホールなどの欠陥や厚みの変動が生
じていると、均一で安定した電子放出が阻害されること
になる。また、絶縁層と金属層(半導体層)との界面状
態も、MIM/MIS素子としての性能に影響を与える
要因のひとつであり、理想的な界面を有する素子を製造
することは非常に困難である。
定した電子放出が可能であり、また、製造プロセスが簡
便なMIM/MIS電子源およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
る第1の微粒子と表面が絶縁層によって覆われた第2の
導電性材料からなる第2の微粒子とにより構成される電
子源形成層と、この電子源形成層を支持する支持基板
と、によりMIM/MIS電子源を構成し、絶縁層の厚
みを、トンネル効果により電子が通り抜けることが可能
な厚みとし、第1の導電性材料および第2の導電性材料
には互いにフェルミレベルが異なる金属もしくは半導体
材料を用い、電子源形成層の二点に所定の電圧を印加し
たときに、この二点間に電流が流れるのに十分な密度
で、第1の微粒子および第2の微粒子を充填するように
したものである。
の態様に係るMIM/MIS電子源において、第1の導
電性材料として金を、第2の導電性材料としてアルミニ
ウムを、絶縁層として酸化アルミニウムを、それぞれ用
いたものである。
の態様に係るMIM/MIS電子源において、第1の導
電性材料として金を、第2の導電性材料としてシリコン
を、絶縁層として酸化シリコンを、それぞれ用いたもの
である。
〜第3の態様に係るMIM/MIS電子源において、第
1の微粒子および第2の微粒子として、直径が100n
m以下の超微粒子を用いたものである。
〜第4の態様に係るMIM/MIS電子源を製造する方
法において、第1の導電性材料を収容する第1のチャン
バと、第2の導電性材料を収容する第2のチャンバと、
電子源形成層を形成させるための第3のチャンバと、を
用意し、第1のチャンバ内では、不活性ガスを導入しな
がら第1の導電性材料を蒸発させて第1の微粒子を生成
し、第2のチャンバ内では、不活性ガスおよび絶縁層の
材料ガスを導入しながら第2の導電性材料を蒸発させて
第2の微粒子を生成し、生成した第1の微粒子および第
2の微粒子を第3のチャンバ内に導入し、両微粒子を、
少なくとも支持基板上において混合状態となるようにノ
ズルから支持基板に向けて放出することにより、支持基
板上に電子源形成層を形成するようにしたものである。
の態様に係るMIM/MIS電子源の製造方法におい
て、第3のチャンバ内に、支持基板を移動させる移動ス
テージを設け、この移動ステージにより支持基板を移動
させながら電子源形成層を成長させることにより、移動
軌跡に応じたパターンを電子源形成層を形成するように
したものである。
いうMIM電子源もしくは金属−絶縁体−半導体という
MIS電子源の基本構成要素を、微粒子によって実現し
た点にある。たとえば、金の微粒子と、アルミニウムの
微粒子とを用意し、アルミニウムの微粒子の表面に酸化
アルミニウムからなる絶縁膜を形成する。これらの微粒
子を支持基板上に混合した状態で付着させて電子源形成
層を作れば、この電子源形成層は、内部に金属−絶縁体
−金属というMIM電子源の基本構成要素を多数含んだ
層になる。すなわち、酸化アルミニウムの膜厚をトンネ
ル効果が生じるように十分小さな膜厚にしておき、個々
の微粒子を十分な密度で充填しておくようにすれば、
「金−酸化アルミニウム−アルミニウム」というMIM
接合が随所において見られるようになり、このような接
合箇所がそれぞれ個々のMIM電子源素子として機能す
ることになる。したがって、電子源形成層の二点間に所
定の電圧を印加すれば、この二点間に電流が流れ、この
層の至るところから電子放出が起こることになる。特
に、用いる微粒子として、直径が100nm以下の超微
粒子を用いるようにすれば、電子源形成層の表面から非
常にきめが細かい一様な電子放出が得られるようにな
る。
は、非常に簡便な製造プロセスで製造可能である。たと
えば、第1のチャンバ内を所定の真空度に保ち、不活性
ガスを導入しながら金を蒸発させれば、チャンバ内に金
の微粒子を充満させることができる。一方、第2のチャ
ンバ内を所定の真空度に保ち、酸素ガスを導入しながら
アルミニウムを蒸発させれば、チャンバ内に酸化膜で覆
われたアルミニウムの微粒子を充満させることができ
る。なお、アルミニウムは非常に酸化されやすい金属な
ので、第2のチャンバ内に不活性ガスを満たした状態で
アルミニウムの微粒子を作成しても、このアルミニウム
の微粒子を大気中で取り出した段階で、表面は酸化膜で
覆われた状態になり、チャンバ内においても不活性ガス
中の不純物酸素や水によって表面は酸化される傾向にあ
る。したがって、チャンバ内には必ずしも酸素ガスを導
入する必要はないが、酸素ガスの導入によって酸化膜厚
を制御することが可能になる。
3のチャンバ内に導入し、混合した状態でノズルから支
持基板に向けて放出すれば、支持基板上に電子源形成層
を形成させることができる。微粒子の大きさや酸化膜の
厚みは、チャンバ内の真空度や材料の蒸発温度によって
制御することができる。支持基板上に形成される電子源
形成層内には、膨大な数の微粒子が堆積した状態にな
り、個々の微粒子の表面にMIM接合が形成されること
になるので、全体として得られるMIM接合の面積は非
常に大きなものになる。このため、非常に効率的な電子
放出が可能になる。しかも、全体として、微粒子の密度
や分布は支持基板上で均一になるため、面内において均
一な安定した電子放出が得られることになる。
動させる移動ステージを設け、この移動ステージにより
支持基板を移動させながら電子源形成層を成長させるよ
うにすれば、ノズルから放出される混合粒子を支持基板
上の任意の位置へ堆積させることが可能になり、移動軌
跡に応じた任意のパターンを非常に簡単に形成させるこ
とができる。
する。はじめに、参考のために、従来提案されている一
般的なMIM電子源の構造およびその動作を簡単に説明
しておく。
M電子源と、このMIM電子源を用いた電子デバイスの
構成を示す断面図である。この例では、MIM電子源
は、金属層1、絶縁層2、金属層3の3層によって構成
されている。ここで、金属層1はアルミニウム(Al)
からなり、絶縁層2は酸化アルミニウム(Al2O3)
からなり、金属層3は金(Au)からなる。このような
3層構造を有するMIM電子源において、金属層1と金
属層3との間に図のような電圧V1(たとえば、V1=
10V)を印加し、更に、このMIM電子源から少し離
れた位置に対向電極4を配置し、この対向電極4にアノ
ード電圧V2(たとえば、V2=500V)を印加すれ
ば、MIM電子源から対向電極4に向けて電子e−が放
出されることになる(両者間は、たとえば、10−5P
a程度の圧力に保たれる)。
準位図によって説明される。アルミニウムと金は、互い
にフェルミレベルの異なる金属であるが、両者のフェル
ミレベルが一致する方向に電圧V1を印加すると、中間
の酸化アルミニウム層2を挟んで、図示のようなエネル
ギー準位が得られることになる。ここで、印加電圧V1
=10V程度とし、酸化アルミニウム層2の厚みをトン
ネル効果が起こり得る10nm程度とすると、酸化アル
ミニウム層2内の電界は109V/m程度に達するた
め、アルミニウム層1から酸化アルミニウム層2の伝導
帯へ電子がトンネルし、このトンネル電子e−は金層3
へと移動し、散乱によりエネルギーを失う。このような
トンネル電子e−の移動により、MIM構造をもった3
層を流れるダイオード電流I1が発生することになる。
一方、エネルギー損失が少なかったトンネル電子e
−は、仕事関数φの障壁を越えて真空中に放出され、対
向電極4へと向かうことになる。対向電極4に流れる放
出電流I2は、こうして放出されたトンネル電子e−の
移動によるものである。ここで、電流比I2/I1は、
全トンネル電子のうちの対向電極側へ放出される電子の
割合(放出比)を示すものとなり、これまで報告されて
いる一般的なMIM電子源の場合、I2/I1=10
−3〜10−5程度である。
子源は、表面汚染に対して非常に強い素子になる。これ
は、トンネル電流を支配しているのが、表面障壁ではな
く、アルミニウム層1と酸化アルミニウム層2との間の
界面障壁であるためである。
子源では、放出面から均一で安定した電子放出を行うこ
とが困難であり、また、製造プロセスが難しいという問
題があることは既に述べたとおりである。たとえば、図
1に示す例の場合、金層3の表面から均一に安定した電
子放出を行うためには、各薄膜の厚みを均一にし、しか
も、部分的な欠陥のない高品質な薄膜を形成する必要が
ある。現在の技術では、このような品質の高い薄膜を均
一に形成することは非常に困難である。
エネルギー準位図によって説明される動作原理に基いて
動作する素子ではあるが、その物理的な構造は、全く異
なるものである。図3は、本発明の一実施例に係るMI
M電子源の基本構成を説明するための断面図である。い
ま、この図に断面が示されているように、2種類の超微
粒子を用意する。この実施例では、第1の超微粒子は、
金(Au)の超微粒子であり、第2の超微粒子は、アル
ミニウム(Al)からなる超微粒子の表面に酸化アルミ
ニウム(Al2O3)の層を形成してなる超微粒子であ
る。一般に、「超微粒子」という言葉は、直径100n
m以下の微粒子に対して用いられており、本実施例で
は、いずれの超微粒子も直径10〜30nm程度の大き
さのものを用いている。また、第2の超微粒子の表面に
形成された酸化アルミニウムの絶縁膜は膜厚5nm程度
のものであり、トンネル効果により電子が通り抜けるこ
とが可能な厚みとなっている。
子を所定の密度で混合充填し、所定の支持基板上に物理
的な層を形成すれば、この層はMIM電子源として機能
することを見出したのである。たとえば、図3において
左端点Pに示されているアルミニウムからなる超微粒子
と、右端点Qに示されている金からなる超微粒子との間
に、所定の印加電圧V1を供給すると、二点PQ間に充
填されている他のいくつかの超微粒子を介して電流が流
れることになる。超微粒子の充填密度をある程度以上に
保てば、三次元空間内において、各超微粒子の大部分は
他の超微粒子と表面接触することになり、また、酸化ア
ルミニウム層はトンネル電子が通り抜けられる厚みなの
で、結局、二点PQ間の経路において電子の移動が可能
になるのである。この電子の移動経路では、図1に示す
MIM電子源の3層構造が多数の箇所にわたって形成さ
れることになり、この超微粒子の充填層は、いわばMI
M三層構造を多数箇所に配置した集合体として機能する
ことになる。
子源の実際の構造を示す斜視図である。支持基板5上
に、いわゆるカマボコ型の電子源形成層6が形成されて
いる。この電子源形成層6は、図3に示した2種類の超
微粒子を混合して所定の密度に充填してなる層である。
この電子源形成層6の一端Pと他端Qとの間に、所定の
印加電圧V1を供給すれば、前述のように、トンネル電
子の移動によって、二点PQ間には所定のダイオード電
流I1が流れることになる。また、トンネル電子の一部
は、仕事関数φの障壁を越えて真空中に放出される。し
たがって、図に破線で示すような対向電極7を用意し、
この対向電極7にアノード電圧V2を印加し、支持基板
5と対向電極7との間の空間を所定の真空度に維持して
おけば、電子源形成層6の表面から、仕事関数φの障壁
を越えた電子が対向電極7へと向かって放出され、放出
電流I2を生成することになる。このように、支持基板
5および電子源形成層6は、MIM電子源として機能す
る。なお、印加電圧V1は、直流電圧に限らず、交流電
圧でもよい。このように電子源形成層6が極性を選ばな
い構造になる点が、本発明に係るMIM電子源の1つの
特徴である。
常に安定した電子放出が得られ、かつ、面に関する電子
放出分布は均一になる。なぜなら、電子源形成層6は、
図3に示す2種類の超微粒子を一様に分散させてなる層
であり、層全体の至るところでトンネル現象および電子
放出現象が均等に起こるからである。もちろん、個々の
超微粒子をミクロ的に見れば、それぞれ直径や形状も異
なり、また、隣接する超微粒子との接触状態もそれぞれ
異なっている。しかしながら、電子源形成層6全体とし
てマクロ的に見れば、各超微粒子の分布も相互の接触状
態も均一になるのである。しかも、本実施例の場合、電
子源形成層6は直径30nm程度の非常に微細な粒子を
多数充填させたものであるため、アルミニウムと酸化ア
ルミニウムとの界面の面積、すなわち、トンネル現象の
起こる界面障壁の面積は非常に大きくなり、トンネル現
象が効果的に起こることになる。
均一で安定した電子放出が得られるという特徴の他に、
製造プロセスが容易であるという特徴を有する。以下、
本実施例に係るMIM電子源の製造プロセスの一例を説
明する。この製造プロセスは、いわゆるガスデポジショ
ン装置を用いた反応性超微粒子成膜技術を利用したもの
である。
を用意する。第1のチャンバ10は、収容した金材料1
1を蒸発させて、金の超微粒子を生成させるためのチャ
ンバであり、第2のチャンバ20は、収容したアルミニ
ウム材料21を蒸発させるとともに酸素ガスを導入し、
表面が酸化膜で覆われたアルミニウムの超微粒子を生成
させるためのチャンバである。また、第3のチャンバ3
0は、この2種類の超微粒子を、支持基板5上に放出す
ることにより、電子源形成層6を形成させるためのチャ
ンバである。
加熱するためのヒータ12が備わっており、電源13か
らヒータ12に電流を供給することにより、金材料11
の表面から金が蒸発し、所定の真空度に保たれたチャン
バ内に充満することになる。チャンバ内には、ガス導入
管14によって不活性ガスとしてのヘリウムが導入され
ている。このような環境下では、チャンバ内のヘリウム
雰囲気中において、散在している金原子が互いに結合し
て、金の微粒子が生成されることになる(ガス中蒸発
法)。生成される微粒子の大きさは、チャンバ内の真空
度と、ヒータ12の温度によって制御することができ
る。チャンバ内の圧力を、数10mtorr〜数100
0torr程度に維持すれば、金の超微粒子を生成する
ことが可能であるが、最終的に製造される電子源形成層
6の密度を高くするためには、500torr以上に維
持しておくのが好ましい。
ニウム材料21を加熱するためのヒータ22が備わって
おり、電源23からヒータ22に電流を供給することに
より、アルミニウム材料21の表面からアルミニウムが
蒸発し、所定の真空度に保たれたチャンバ内に充満する
ことになる。チャンバ内には、ガス導入管24によって
不活性ガスとしてのヘリウムと、酸化膜形成用の酸素ガ
スが導入されている。このような環境下では、チャンバ
内のヘリウム・酸素雰囲気中において、散在しているア
ルミニウム原子が互いに結合して、アルミニウムの微粒
子が生成されることになり、しかもその表面は酸素ガス
による酸化を受けて酸化膜が形成されることになる(ガ
ス中蒸発法)。導入するヘリウムガスと酸素ガスとの配
分率は、適宜選択することができるが、生成される超微
粒子の酸化膜を薄くするためには、酸素の配分率を小さ
くする必要がある。この実施例では、酸素の配分率を1
0%程度としている。生成される微粒子の大きさは、チ
ャンバ内の真空度と、ヒータ22の温度によって制御す
ることができる。やはり、チャンバ内の圧力を、数10
mtorr〜数1000torr程度に維持すれば、ア
ルミニウムの超微粒子を生成することが可能であるが、
最終的に製造される電子源形成層6の密度を高くするた
めには、300torr以上に維持しておくのが好まし
い。
粒子は、移送管15を伝わって第3のチャンバ30内に
送られ、第2のチャンバ20内で生成された酸化膜で覆
われたアルミニウムの微粒子は、移送管25を伝わって
第3のチャンバ30内に送られる。両微粒子は、混合さ
れた後に、ノズル31から放出される。第3のチャンバ
30内の圧力を、第1のチャンバ10および第2のチャ
ンバ20の圧力より低くしておけば、各微粒子はチャン
バ間の圧力差に基いて、自然に第3のチャンバ30内に
移送される。この実施例では、第1のチャンバ10およ
び第2のチャンバ20の圧力を500torrに維持す
るとともに、第3のチャンバ30の圧力を5torr程
度に維持している。
32が設けられており、支持基板5は、この移動ステー
ジ32上に固定されている。ノズル31から放出された
混合超微粒子は、支持基板5の上面に吹き付けられる。
移動ステージ32は、このノズル31の吹き出し方向に
対して垂直な平面内において、支持基板5を自由に移動
させることができる。そこで、たとえば、図6に示すよ
うに、矢印Aの方向に支持基板5をゆっくりと移動させ
ながら、ノズル31からの混合超微粒子を支持基板5上
に吹き出させれば、支持基板5上には、この矢印Aで示
す移動軌跡に応じたパターンをもった電子源形成層6を
成長させることができる。この実施例では、幅200μ
m、厚み(高さ)20μm、長さ10mm程度の寸法を
もった電子源形成層6を得ている。
るので、各超微粒子は、上述の実施例のように、それぞ
れ別々のチャンバ内において生成し、支持基板5上に吹
き付ける直前に混合するのが好ましい。超微粒子の混合
は、移送管15からの気流と、移送管25からの気流と
を単に混合するだけでよい。各超微粒子は、それぞれの
気流内において、孤立状態で浮遊しているため、気流を
混合させるだけで均一な混合が可能である。
金との元素比は、混合時の気流比を適当に設定すること
により、0:1〜1:0まで任意に調節することができ
る。ただ、アルミニウム−酸化アルミニウム−金という
MIM接合を得る上では、金の元素比を50%以下に抑
えるのが好ましい。
移動軌跡によって、任意のパターンをもった電子源形成
層6を形成することができる。これは、MIM電子源を
各種素子に利用する上では大きなメリットである。ま
た、必要に応じて、アルミニウムに対するエッチャン
ト、金に対するエッチャントを用いれば、電子源形成層
6を形成後に、エッチングプロセスによりパターニング
を行うことも可能である。
明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
く、この他にも種々の態様で実施可能である。たとえ
ば、上述の実施例では、アルミニウム−酸化アルミニウ
ム−金という3層構造によってMIM接合を得ている
が、各層の構成材料はこれらのものに限定されるもので
はなく、アルミニウムや金の代わりに別な金属を用いて
もかまわないし、金属以外の別な導電性材料を用いても
かまわない。本明細書における「導電性材料」は、半導
体をも含んだ広い概念である。一方の導電性材料として
半導体を用いれば、MIS電子源を形成することができ
る。たとえば、第1の導電性材料として金を用い、第2
の導電性材料としてシリコンを用い、このシリコンの微
粒子表面に酸化シリコンからなる絶縁膜を形成すれば、
金−酸化シリコン−シリコンという構造をもったMIS
電子源を構成できる。もちろん、表面に絶縁膜が形成さ
れた金属微粒子と、半導体微粒子とによってMIS電子
源を形成することも可能である。要するに、互いにフェ
ルミレベルの異なる2種類の導電性材料による微粒子を
用意し、一方の微粒子の表面に、トンネル効果により電
子が通り抜けることが可能な厚みをもった絶縁膜を形成
し、両微粒子を所定の支持基板上に充填配置することが
できれば、個々の材料としてはどのような元素あるいは
化合物を用いてもかまわない。また、上述の実施例で
は、2種類の導電性材料を用いて2種類の微粒子を用意
しているが、3種類以上の導電性材料を用いて3種類以
上の微粒子を用意し、これらの微粒子を混合して電子源
形成層を形成するようにしてもかまわない。
ボコ型の電子源形成層6の両端点PQ間に所定の直流電
圧V1(交流でもよい)を印加しているが、上下方向に
電圧印加を行うことも可能である。図7は、このような
上下方向への電圧印加を行う実施例の構造を示す斜視図
である。この例では、電子源形成層6の下面に下部電極
8が形成され、上面に上部電極9が形成され、両電極間
に直流電圧V1(交流でもよい)が印加されている。電
子は上部電極9を通り抜けて対向電極7へ向けて放出さ
れる。
よってMIM接合もしくはMIS接合を実現するように
したため、所定面内で、均一かつ安定した電子放出が可
能であり、また、製造プロセスが簡便なMIM/MIS
電子源を実現することが可能になる。
このMIM電子源を用いた電子素子の構成を示す断面図
である。
説明するためのエネルギー準位図である。
成を説明するための断面図である。
構造を示す斜視図である。
るための装置構成を示すブロック図である。
の詳細図である。
際の構造を示す斜視図である。
5の態様に係るMIM/MIS電子源の製造方法におい
て、第3のチャンバ内に、支持基板を移動させる移動ス
テージを設け、この移動ステージにより支持基板を移動
させながら電子源形成層を成長させることにより、移動
軌跡に応じたパターンの電子源形成層を形成するように
したものである。
Claims (6)
- 【請求項1】 第1の導電性材料からなる第1の微粒子
と表面が絶縁層によって覆われた第2の導電性材料から
なる第2の微粒子とにより構成される電子源形成層と、
この電子源形成層を支持する支持基板と、を有し、 前記絶縁層はトンネル効果により電子が通り抜けること
が可能な厚みをもち、 前記第1の導電性材料と前記第2の導電性材料とは互い
にフェルミレベルが異なる金属もしくは半導体によって
構成され、 前記電子源形成層の二点に所定の電圧を印加したとき
に、この二点間に電流が流れるのに十分な密度で、前記
第1の微粒子および第2の微粒子が充填されていること
を特徴とするMIM/MIS電子源。 - 【請求項2】 請求項1に記載のMIM/MIS電子源
において、 第1の導電性材料として金を、第2の導電性材料として
アルミニウムを、絶縁層として酸化アルミニウムを、そ
れぞれ用いたことを特徴とするMIM/MIS電子源。 - 【請求項3】 請求項1に記載のMIM/MIS電子源
において、 第1の導電性材料として金を、第2の導電性材料として
シリコンを、絶縁層として酸化シリコンを、それぞれ用
いたことを特徴とするMIM/MIS電子源。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のMIM
/MIS電子源において、 第1の微粒子および第2の微粒子として、直径が100
nm以下の超微粒子を用いたことを特徴とするMIM/
MIS電子源。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のMIM
/MIS電子源の製造方法において、 第1の導電性材料を収容する第1のチャンバと、第2の
導電性材料を収容する第2のチャンバと、電子源形成層
を形成させるための第3のチャンバと、を用意し、 前記第1のチャンバ内では、不活性ガスを導入しながら
第1の導電性材料を蒸発させて第1の微粒子を生成し、 前記第2のチャンバ内では、不活性ガスおよび絶縁層の
材料ガスを導入しながら第2の導電性材料を蒸発させて
第2の微粒子を生成し、 生成した第1の微粒子および第2の微粒子を前記第3の
チャンバ内に導入し、両微粒子を、少なくとも支持基板
上において混合状態となるようにノズルから支持基板に
向けて放出することにより、前記支持基板上に電子源形
成層を形成することを特徴とするMIM/MIS電子源
の製造方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載のMIM/MIS電子源
の製造方法において、 第3のチャンバ内に、支持基板を移動させる移動ステー
ジを設け、この移動ステージにより支持基板を移動させ
ながら電子源形成層を成長させることにより、移動軌跡
に応じたパターンを電子源形成層を形成することを特徴
とするMIM/MIS電子源の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6037606A (en) * | 1997-11-10 | 2000-03-14 | Nec Corporation | Construction of and method of manufacturing an MIM or MIS electron source |
US6771024B2 (en) * | 2000-12-20 | 2004-08-03 | Matsushita Electric-Industrial Co., Ltd. | Fluorescent lamp |
JP2007287403A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Futaba Corp | 電界電子放出素子の製造方法 |
JP2010267490A (ja) * | 2009-05-14 | 2010-11-25 | Sharp Corp | 電子放出素子、電子放出装置、自発光デバイス、画像表示装置、送風装置、冷却装置、帯電装置、画像形成装置、電子線硬化装置、電子放出素子の製造方法 |
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JP2010272256A (ja) * | 2009-05-19 | 2010-12-02 | Sharp Corp | 電子放出素子、電子放出装置、帯電装置、画像形成装置、電子線硬化装置、自発光デバイス、画像表示装置、送風装置、冷却装置 |
-
1995
- 1995-05-11 JP JP13721095A patent/JP3532299B2/ja not_active Expired - Fee Related
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