JPH08315424A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH08315424A
JPH08315424A JP7116716A JP11671695A JPH08315424A JP H08315424 A JPH08315424 A JP H08315424A JP 7116716 A JP7116716 A JP 7116716A JP 11671695 A JP11671695 A JP 11671695A JP H08315424 A JPH08315424 A JP H08315424A
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recording
groove
transparent substrate
guide groove
width
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Withdrawn
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JP7116716A
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English (en)
Inventor
Masato Terada
正人 寺田
Kazuyuki Furuya
一之 古谷
Tatsuya Okamura
立也 岡村
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 イングルーブ記録において1.2μm以下ま
で狭トラックピッチ化し高密度化した場合でも、感度が
高く、信号対雑音比の優れた光記録媒体を提供する。 【構成】 案内溝を有する透明基板上に少なくとも光を
照射することにより光学定数が変化する記録層が設けら
れ、前記光スポット径ωが1.2μm以下に絞り込まれ
たレーザビームを用いて情報の記録・再生・消去が行わ
れる光記録媒体において、記録層の下層の案内溝の溝半
値幅W4を0.27ω≦W4≦0.45ωとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光を照射することによ
って信号を記録再生および消去することが可能な光記録
媒体に関し、特に案内溝内に信号を記録する光記録媒体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光記録媒体は高度情報化社会にお
ける記録媒体の中心適役割りを担うものとして注目さ
れ、積極的に研究開発が進められている。光記録媒体の
うち、特に光ディスクは今後マルチメディアの普及にと
もない最も有力な大容量記録媒体として注目されてい
る。
【0003】このような光ディスクには、コンパクトデ
ィスクやレーザディスクに代表される再生専用型、ユー
ザーによる情報の書き込みが可能な追記型、情報の書換
が可能な書換可能型の三種類があり、このうち書換可能
型としては、光を照射することにより光学定数が変化す
る記録膜の方式として光磁気方式と相変化方式とがあ
る。
【0004】光ディスクは、図2に示すように、透明基
板1上に対物レンズ8によって集光された光ビームスポ
ットを正確な位置に導くための案内溝(グルーブ部)が
施されており、透明基板1の案内溝側に光照射によって
光学定数が変化する記録層を有する膜7が設けられてい
る。透明基板上に設けられる記録膜としては、図4
(a)、(b)に示すように3層または4層の多層膜を
有する積層構造が一般的である。図4において、ポリカ
ーボネート樹脂等の透明基板1上に誘電体層2が形成さ
れ、その上に記録層3が形成され、記録層3の上下面を
誘電体層2および4で保護している。なお、図4(b)
の4層構造ディスクでは、反射層5を設けてあるため、
誘電体層4は干渉層としての作用も有する。
【0005】光ディスク駆動装置は、案内溝から得られ
るサーボ信号をもとに光ビームスポットの位置を制御
し、信号の記録再生を行っている。信号を記録する位置
としては、案内溝内に光ビームスポットを照射し、案内
溝(グルーブ部)内に信号を記録するイングルーブ記録
と、案内溝と案内溝の間(ランド部)に光ビームスポッ
トを照射して信号を記録するオンランド記録がある。
【0006】このうち照射するレーザパワーの差で結晶
−非晶質間の相変化を生じる材料からなる相変化型光デ
ィスクでは、イングルーブ記録が一般に用いられてい
る。その理由は、結晶−非晶質間の反射率差、すなわち
信号コントラストがイングルーブ記録でも大きくとれる
という点や、溝の障壁等の影響により繰り返し耐久性に
効果があるという点、将来にわたる高密度化に対応して
トラックピッチを狭め易いという点からである。
【0007】さらに高密度化をはかるためには、グルー
ブ部とランド部の両方に信号を記録するグルーブ/ラン
ド記録という方式も提案されている。近年、情報のマル
チメディア化が進み、画像・動画データまでが扱われる
ようになったため、マルチメディア化に対応した大容量
記録媒体が切望されており、大容量化を実現するために
トラックピッチを狭めたり、記録マークサイズを小さく
する等の技術を用いて高密度光ディスクを達成するため
の研究開発が盛んに行われている。
【0008】なかでも相変化型光ディスクは将来にわた
る高密度化技術の展開が描き易いなどの点から現在盛ん
に研究開発が行われており、波長λ=680nm、NA
=0.6のピックアップにより光スポット径を1μm程
度に絞り込んだレーザビームを用いて、トラックピッチ
を0.9μm程度にまで狭めたフォーマットも提案され
ている。
【0009】さらには、より短波長なレーザを用いて、
より小さく絞り込んだレーザビームを実現し、高密度化
を達成する検討も盛んに行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、イング
ルーブ記録において1.2μm以下まで狭トラックピッ
チ化した場合、信号のキャリアレベルが急激に小さくな
り、さらにはノイズレベルの上昇が急激に大きくなるな
どの十分な信号品質が得られないという問題があった。
【0011】また、記録マークの形成にも影響を与え、
レーザパワーに対する記録感度が低下してしまうことも
判明した。これは、基板上に設けられた案内溝の溝幅あ
るいは溝深さにより、反射される光の位相(回折条件)
が影響を受けて信号対雑音比(CNR)が低下するため
であり、狭トラックピッチ化の実現、さらには記録密度
向上に対する障害となっていた。
【0012】また、イングルーブ記録を行う場合、案内
溝内に記録マークを形成するため、案内溝の形状として
矩形に近い形状が望ましいが、実際にはスタンパ作製プ
ロセス等において完全な矩形を形成することは困難であ
る。本発明は、このような課題を解決するためのもので
あり、イングルーブ記録において1.2μm以下まで狭
トラックピッチ化した場合でも、良好な信号品質を安定
して得ることができる高密度な光記録媒体を提供するこ
とを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意研究を重ねた結果、1.2μm以下まで狭トラッ
クピッチ化した場合は、案内溝の溝幅に対して透明基板
上に設けられる膜の膜厚がほぼ同等な大きさになるた
め、案内溝形状が膜を設けることにより変化する影響を
無視できなくなることがわかった。
【0014】従って、イングルーブ記録において良好な
信号品質を安定して得るためには、透明基板上に膜を設
けた後の案内溝形状が重要なポイントであるという観点
にたち、本発明を完成させるに至った。本発明では、案
内溝形状が、図4に示した誘電体層2等により大きく影
響を受け、また信号により記録マークの有無を検出する
際、誘電体層2と記録層3の界面で起こる光の反射が重
要であることに着目し、例えば、透明基板と記録層3と
の間に設けられる誘電体層2を設けた後、すなわち記録
層3を形成する前の溝半値幅を所定の範囲とすることに
より、ノイズレベルの上昇とキャリアレベルの低下を抑
え、良好な信号対雑音比(CNR)を得ている。
【0015】さらには透明基板の案内溝の半値幅および
透明基板と記録層3の間に設けられる膜厚範囲を所定の
範囲とすることにより、さらにノイズレベルの上昇とキ
ャリアレベルの低下を抑え、良好な信号対雑音比(CN
R)を得ている。すなわち、本発明の請求項1に係る光
記録媒体は、案内溝を有する透明基板上に少なくとも光
を照射することにより光学定数が変化する記録層が設け
られ、前記光スポット径ωが1.2μm以下に絞り込ま
れたレーザビームを用いて情報の記録・再生・消去が行
われる光記録媒体において、前記記録層の下層の案内溝
の溝半値幅W4が0.27ω≦W4≦0.45ωである
ことを特徴とする。
【0016】また、請求項2に係る光記録媒体は、案内
溝を有する透明基板上に少なくとも光を照射することに
より光学定数が変化する記録層が設けられ、レーザビー
ムの光スポット径ωが0.8〜1.2μmに絞り込まれ
たレーザビームを用いて情報の記録・再生・消去が行わ
れ、案内溝の溝ピッチが0.7μm〜1.1μmであ
り、記録層の下層の案内溝の溝半値幅W4が0.27μ
m≦W4≦0.45μmであることを特徴とする。
【0017】さらに、請求3に係る光記録媒体は、透明
基板と記録層の間に設けられた層の膜厚d(単位:μ
m)が0.07≦d≦0.32、かつ透明基板の案内溝
の溝半値幅W3(単位:μm)が(d+1.68)/
6.25≦W3≦(d+1.61)/3.57であるこ
とを特徴とする。図1は本発明の光記録媒体の断面を示
す図であり、図1(a)は透明基板の断面図であり、図
1(b)は透明基板1上に所定の膜を設けた後の案内溝
の断面形状であり、記録層を形成する前の断面形状を示
している。
【0018】また、W1は透明基板1の溝開口部の幅、
W2は溝底部の幅、W3は透明基板の案内溝の溝半値
幅、W4は記録層の下層の膜を設けた後の溝半値幅、D
1はその溝深さを示す。透明基板1の溝開口部の幅W1
は溝底部の幅W2より広くなるのが一般的である。ここ
で、開口部W1と底部W2の差が大きい溝、すなわちV
字型形状の案内溝では、反射光の回折効果が大きくなる
ため信号強度が低下する。また、投入レーザパワーに対
して記録マークが大きくなり難く、記録・消去感度が低
下するなど好ましくない。
【0019】従って、溝底部の幅W2は溝開口部の幅W
1の少なくとも50%以上あることが望ましく、より好
ましくは60%以上あるのがよい。この透明基板1の上
に誘電体層等の膜を形成し、図1(b)に示す記録層を
形成する前の状態にする。ここで、本発明によれば、レ
ーザビームの光スポット径ωに対し、記録層の下層の案
内溝の溝半値幅Wを0.27ω≦W4≦0.45ωとす
ることによって、ノイズレベルの上昇とキャリアレベル
の低下を抑え、良好な信号対雑音比(CNR)を得るこ
とができる。
【0020】また、より好ましくはレーザビームの光ス
ポット径ωが0.8〜1.2μm以下に絞り込まれ、案
内溝の溝ピッチが0.7〜1.1μmであり、記録層の
下層の案内溝の溝半値幅W4が0.27μm≦W4≦
0.45μmとするのがよい。この場合、溝半値幅W4
が0.27μmより狭い場合は、入射レーザパワーに対
して記録マークが大きくなりにくく、記録・消去感度が
低下する。また、回折効果が大きくなるため、信号強度
(キャリアレベル)が低下し良好な信号対雑音比(CN
R)は得られない。
【0021】一方、溝半値幅W4が0.45μmより広
い場合は、キャリアレベルは大きいもののノイズレベル
が上昇し、CNRが低下し、好ましくない。また、プレ
ピット部の信号振幅にも低下がみられるなど、エンボス
特性との両立も難しくなる。以上の点から、誘電体層を
設けた後の記録層を形成する前の案内溝半値幅W4は
0.27μm以上0.45μm以下が好ましく、より好
ましくは0.30μm以上0.40μm以下がよい。
【0022】また、波長λ=680nmのピックアップ
を用いた場合、透明基板上に誘電体層等を設けた後、す
なわち記録層を形成する前の溝深さD1を63nm±1
0nmの範囲とすることが望ましい。透明基板上に誘電
体層等を設けた後の溝半値幅W4を本発明の所望の範囲
に実現するためには、透明基板と記録層の間に設けられ
た層の膜厚d(単位:μm)が0.07≦d≦0.3
2、かつ透明基板の案内溝の溝半値幅W3(単位:μ
m)が(d+1.68)/6.25≦W3≦(d+1.
61)/3.57の範囲とする必要がある。
【0023】すなわち、誘電体層2等の膜を設けること
により透明基板の溝半値幅W3から溝半値幅W4に変化
する割合は誘電体層2の膜厚によって異なり、誘電体層
2の膜厚が0.32μm程度では溝半値幅は約20%小
さくなり、また誘電体層2の膜厚が0.07μm程度で
は約4%程度小さくなる。例えば図4(a)、(b)に
示すように透明基板1と記録層3の間に誘電体層2が設
けられる場合、誘電体層2の膜厚に応じて透明基板1の
溝半値幅W3を変化させる必要があり、図3に示すA、
B、C、Dで囲まれた範囲内に設定する必要がある。
【0024】従って、透明基板上に誘電体層等を設けた
後の溝半値幅W4を所望の範囲に実現するためには図3
のA、B、C、Dで囲まれた範囲に設定する必要があ
り、より好ましくは、0.07≦d≦0.32μm、か
つ(d+1.48)/5.00≦W3≦(d+1.5
3)/3.85、すなわち図3のE、F、G、Hで囲ま
れた範囲内に設定するのがよい。
【0025】本発明に用いられる層構造は、図4
(a)、(b)のように、ポリカーボネート樹脂等の透
明基板1上に誘電体層2が形成され、その上に記録層3
が形成され、さらに誘電体層4が形成される構造、ある
いはさらに反射層5を設ける構造とすることができる
が、図4(c)に示すような透明基板1と光照射により
光学定数が変化する記録層3との間に2層以上の層が形
成された場合でも有効であり、この場合には誘電体層2
の下側にAuなどの金属層6が設けることができる。
【0026】誘電体層2の膜厚としては、0.07μm
から0.32μmの範囲を用いることができるが、繰り
返し記録消去時の透明基板への熱的ダメージ低減、高温
高湿環境下における水分等の侵入抑制効果を考慮すると
0.10μm以上であるのが望ましい。誘電体層の材料
としては、公知の誘電体材料が使用可能であり、Zn
S、SiO2 、SiN、AlN、Al2 3 、Ta2
5 等の金属硫化物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化
物、金属セレン化物、またはこれらの混合物などを用い
ることができる。
【0027】また、本発明の相変化型光記録媒体の記録
層に用いられる材料としては、公知の相変化材料が使用
可能であり、たとえばGe−Te−Sb系、In−Sb
系、Ge−Te系またはこれらの系に少量の元素を添加
した系などを挙げることができる。なお、光スポット径
ωは、出力ビームの断面方向の強度分布において中心強
度の1/e2 で定義されるのが一般的であり、本発明に
おいてもこの定義に従っている。
【0028】本発明に用いられる記録膜の層構成につい
ては図4(a)、(b)、(c)に示した積層構造が一
般的であるが、少なくとも光を照射することにより光学
定数が変化する記録層から構成されるものであれば特に
限定されるものではない。本発明の光記録媒体における
記録膜の形成方法については、特に制限するものではな
く、公知のスパッタリング法、蒸着法、CVD法などを
用いることができる。
【0029】また、本発明に用いられる透明基板の材料
としては、ガラス、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、
エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂などの透明材料が挙
げられるが、これらの中でポリカーボネート樹脂および
アクリル樹脂が機械的、光学的特性面で好適である。ま
た、透明基板に形成される案内溝は、公知の射出成形法
や2P法などで形成することができる。
【0030】
【作用】本発明によれば、1.2μm以下まで狭トラッ
クピッチ化した場合において、光を照射することにより
光学定数が変化する記録層を形成する前の案内溝の溝半
値幅を所定の範囲に設定し、さらに透明基板の案内溝の
溝半値幅と、該透明基板と記録層との間に設けられる誘
電体層等の膜厚の範囲を所定の範囲に設定することによ
り、良好な信号対雑音比(CNR)が安定して得られる
光記録媒体を提供するものである。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。トラックピッチが0.9μmであり、案内溝の半値
幅W3がゾーン毎に表1に示す値をもつ3.5インチサ
イズ用スタンパを作成した。この時、溝深さとなる塗布
レジスト厚は63nmとした。
【0032】次いで、このスタンパを用いて射出成形を
行い、直径86mm径、基板厚み0.6mmで案内溝を
もつ透明基板を作成した。使用したレジンはポリカーボ
ネート樹脂を用いた。こうして作成した清浄なポリカー
ボネート基板上に、図4(b)のように厚さ290nm
のZnS−SiO2 薄膜からなる誘電体層2、厚さ25
nmのSbTeGe合金薄膜からなる記録層3、厚さ2
0nmのZnS−SiO2 薄膜からなる誘電体層4、更
に厚さ100nmのAl合金薄膜からなる反射層5を順
次スパッタリング法により成膜して積層し、さらに反射
層5の表面を紫外線硬化樹脂で被覆した。
【0033】このようにして作成した片面ディスクを2
枚、記録膜側を内側にしてホットメルト接着剤で接着す
ることにより、全面密着構造の相変化型光ディスクを作
成した。この相変化型光ディスクを駆動装置(レーザ光
の波長λ=680nm、対物レンズの開口数NA=0.
6、レーザビームのスポットサイズは中心強度の1/e
2 になる径で1.04μm)にかけて、信号対雑音比
(CNR)および記録感度を評価した。記録する信号は
2−7RLLマークポジション変調を用い、図5に示し
たような記録信号に応じて強度変調されたレーザ光を照
射して、オーバーライト記録を行い、信号は案内溝の内
部、すなわちイングルーブ記録を行った。
【0034】CNRおよび記録感度の測定に当たって
は、各案内溝の溝半値幅依存性が評価できるよう、各溝
幅ゾーン毎に記録マーク長が0.48μmとなるよう記
録周波数あるいは線速度を調整した。また、記録感度に
ついては、CNRが40dBを越えるのに必要なレーザ
パワー(記録パワー)を記録感度と定義した。案内溝の
溝半値幅の測定にはAFMを用いて、案内溝に垂直な方
向にスキャンさせて案内溝の断面プロファイルを測定す
ることにより実施した。すなわち、透明基板の溝半値幅
W3は、射出成形プロセス終了後、成形基板の段階でA
FM測定を実施し、また、誘電体層を透明基板上に設け
た後、すなわち記録層を形成する前の溝半値幅W4は、
透明基板上に誘電体層のみを設けたサンプルを作成し、
これをAFM測定することにより求めた。
【0035】表1に各ゾーン毎における案内溝の半値幅
に関するデータ、および記録特性に関する測定結果を示
す。
【0036】
【表1】
【0037】この結果より、透明基板1上に誘電体層2
を設けた後の案内溝の溝半値幅、すなわち記録層を形成
する前の溝半値幅W4の範囲が0.27μmから0.4
3μmのものが10mW以下の記録パワーでCNRが4
0dB以上に到達し、さらにCNRの最大値も49dB
以上と良好な記録特性が得られていることがわかる。ま
た、透明基板上に設ける誘電体層2の膜厚を290nm
とした場合、良好な溝半値幅W4を実現できる透明基板
の溝半値幅W3は、0.32μmから0.52μmの範
囲であることがわかる。
【0038】一方、記録層を形成する前の案内溝の溝半
値幅W4が0.27μmより狭い場合は、記録パワーに
対して形成される記録マークが大きくなりにくく、記録
パワーに対するCNRの立ち上がりが緩やか(Low−
γ特性)となり、記録感度の低下が起こる。また、回折
効果が大きくなるため、信号強度(キャリアレベル)が
低下し、十分なCNRが得られなくなる。
【0039】さらに、案内溝の溝半値幅W4が0.46
μm以上となる場合、記録感度は十分であるものの、ノ
イズレベルの上昇によるCNRの低下がみられ好ましく
ない。次に他の実施例および比較例を説明する。上述の
ようにして作成したポリカーボネート製の成形基板に、
厚さ85nmのZnS−SiO2 薄膜からなる誘電体層
2、厚さ25nmのSbTeGe合金薄膜からなる記録
層3、厚さ20nmのZnS−SiO2 薄膜からなる誘
電体層4、更に厚さ100nmのAl合金薄膜からなる
反射層5を順次スパッタリング法により成膜して積層
し、さらに反射層5の表面を紫外線硬化樹脂で被覆し
た。
【0040】このようにして作成した片面ディスクを2
枚、記録膜側を内側にしてホットメルト接着剤で接着す
ることにより、全面密着構造の相変化型光ディスクを作
成した。この相変化型光ディスクを、上述と同様の駆動
装置(レーザ光の波長λ=680nm、対物レンズの開
口数NA=0.6)にかけて、マーク長0.48μm相
当の記録マークを形成し、信号対雑音比(CNR)およ
び記録感度を評価した。
【0041】また、案内溝の溝半値幅も同様にAFMを
用いて透明基板での溝半値幅W3、および記録層を形成
する前の案内溝の溝半値幅W4を測定した。表2に各ゾ
ーン毎における案内溝の半値幅に関するデータおよび記
録特性に関する測定結果を示す。
【0042】
【表2】
【0043】この結果より、透明基板上に誘電体層等を
設けた後の案内溝の溝半値幅、すなわち記録層を形成す
る前の溝半値幅W4の範囲が、0.27μmから0.4
5μmにおいて、10mW以下の記録パワーでCNRが
40dB以上に到達し、さらにCNRの最大値も49d
B以上と良好な記録特性が得られていることがわかる。
【0044】また、透明基板上に設ける誘電体層の膜厚
を85nmとした場合、良好な溝半値幅W4を実現でき
る透明基板の溝半値幅W3は、0.28μmから0.4
8μmの範囲であることがわかる。一方、記録層を形成
する前の案内溝の溝半値幅W4が0.27μmより狭い
場合は、記録パワーに対するCNRの立ち上がりが緩や
か(Low−γ特性)となり、記録感度の低下が起こ
り、CNR≧40dBを満足するのに10mW以上の記
録パワーを必要とする。また、回折効果が大きくなるた
め、信号強度(キャリアレベル)が低下し、十分なCN
Rが得られなくなる。
【0045】さらに、案内溝の溝半値幅W4が0.46
μm以上となる場合、記録感度は十分であるものの、ノ
イズレベルの上昇によるCNRの低下がみられ、CNR
≦49dBとなり好ましくない。
【0046】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、1.2μm以下まで狭トラックピッチ化した場合に
おいて、光を照射することにより光学定数が変化する記
録層を形成する前の案内溝の溝半値幅を所定の範囲に設
定し、さらに透明基板の案内溝の溝半値幅と該透明基板
と記録層との間に設けられる誘電体層等の膜厚の範囲を
所定の範囲に設定することにより、良好な信号対雑音比
(CNR)が安定して得られ、高い記録感度を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明基板に設けられた案内溝および透明基板上
に誘電体層等を設けた後の案内溝の構造を示す断面図で
ある。
【図2】一般的な光記録媒体の断面構造を示す斜視図で
ある。
【図3】本発明の記録層を形成する前の案内溝の溝半値
幅W4に設定するための、透明基板の案内溝の溝半値幅
W3および透明基板と記録層の間に設けられる誘電体層
2の膜厚範囲を示す。
【図4】光記録媒体の記録膜構造を示す断面図である。
【図5】オーバーライトに用いられる強度変調されたレ
ーザビーム波形である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 誘電体層 3 記録層 4 誘電体層 5 反射層 6 金属層 7 記録層を形成する前の膜 8 対物レンズ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 案内溝を有する透明基板上に少なくとも
    光を照射することにより光学定数が変化する記録層が設
    けられ、前記光スポット径ωが1.2μm以下に絞り込
    まれたレーザビームを用いて情報の記録・再生・消去が
    行われる光記録媒体において、 前記記録層の下層の案内溝の溝半値幅W4が0.27ω
    ≦W4≦0.45ωであることを特徴とする光記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 案内溝を有する透明基板上に少なくとも
    光を照射することにより光学定数が変化する記録層が設
    けられ、レーザビームの光スポット径ωが0.8〜1.
    2μmに絞り込まれたレーザビームを用いて情報の記録
    ・再生・消去が行われ、案内溝の溝ピッチが0.7μm
    〜1.1μmであり、記録層の下層の案内溝の溝半値幅
    W4が0.27μm≦W4≦0.45μmであることを
    特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】 透明基板と記録層の間に設けられた層の
    膜厚d(単位:μm)が 0.07≦d≦0.32、 かつ透明基板の案内溝の溝半値幅W3(単位:μm)が (d+1.68)/6.25≦W3≦(d+1.61)
    /3.57 であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の光記録媒体。
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