JP4084160B2 - 光学測定方法及び光学測定装置 - Google Patents

光学測定方法及び光学測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクなどの光学的情報記録媒体等に関連する光学測定方法及び光学測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光学的に情報を記録する媒体として、光ディスク、光カード、光テープなどが提案・開発されている。その中でも光ディスクは、大容量かつ高密度に情報を記録・再生できる媒体として注目されている。
【0003】
書き換え型光ディスクの一つの方式に相変化型光ディスクがある。相変化型光ディスクに用いる記録膜は、レーザ光による加熱条件および冷却条件によってアモルファス状態と結晶状態のいずれかの状態になり、かつ2つの状態に可逆性がある。また、アモルファス状態と結晶状態では記録膜の光学定数が異なる。相変化型光ディスクでは、情報信号に応じて選択的に2つの状態を記録膜に形成し、この結果生じる光学的変化(すなわち、透過率または反射率の変化)を利用して情報信号の記録・再生を行う。上記の2つの状態を得るために、以下のような方法で情報信号を記録する。
【0004】
記録膜の温度を融点以上に上昇させるパワー(これをピークパワーと呼ぶ)で光ディスクの記録膜にパルス状に照射すると、レーザ光の通過とともに溶融部分は急速に冷却されてアモルファス状態の記録マークになる。また、記録膜の温度を結晶化温度以上かつ融点以下の温度まで上昇させる程度の強度のレーザ光(これをバイアスパワーと呼ぶ)を集束して照射すると、照射部の記録膜は結晶状態になる。
【0005】
さらに、近年、光ディスクの高密度化が強く要求されている。それに伴って、ディスクの厚さ方向に2層以上の情報層を有し、各情報層に対して情報を記録再生できる多層記録媒体が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−39657号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法でレーザ入射側から見て奥の情報層に記録を行う場合、手前の情報層の状態の影響を受ける可能性があった。
【0008】
例えば、情報記録層の記録再生領域に信号が記録されているか否かで、その層の透過率が異なる。従って、奥の情報層で記録を行う際に、手前の情報記録層上でのレーザスポット中に占めるアモルファス領域と結晶領域との割合によって、奥の情報層に到達するレーザ光の光量が変化するために正確な記録ができないという課題を有していた。
【0009】
さらに、奥の情報層のデータを再生する場合でも、手前の情報層の記録状態によって透過率が変化するために、再生信号の品質が低下する課題を有していた。
【0010】
本発明はこれら従来の課題を解決するもので、多層記録媒体の奥の情報層で正確にデータを記録再生できる光学的情報記録媒体等に関連する光学測定方法及び光学測定装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
ここでは、第1の本発明〜第14の本発明について述べる前に、まず、本発明または本発明に関連する発明の技術に係る第1発明〜第26発明について述べ
第1発明は、2層の情報層を有し、レーザ光が前記情報層のいずれかに集束して照射されることによって情報信号が記録再生される光学的情報記録媒体であって、
前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層が、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有し、
前記記録層が状態aの場合の前記手前に位置する情報層の透過率をTc、状態bの場合の透過率をTaとするとき、
【0012】
【数1】
0≦|Tc-Ta|/Tc≦0.1
となる構成を有する光学的情報記録媒体である。
【0013】
2発明は、3層以上の情報層を有し、レーザ光が前記情報層のいずれかに集束して照射されることによって情報信号が記録再生される光学的情報記録媒体であって、
前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する複数の情報層がそれぞれ、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有し、
前記複数の情報層が有する各記録層がいずれも状態aの場合の、前記複数の情報層の合成透過率をTc
前記複数の情報層の合成透過率が最小となる、前記各記録層の状態の組み合わせの場合の、その合成透過率をTmin
前記複数の情報層の合成透過率が最大となる、前記各記録層の状態の組み合わせの場合の、その合成透過率をTmaxとするとき、
【0014】
【数2】
0≦|Tc-Tmin|/Tc≦0.1 且つ 0≦|Tc-Tmax|/Tc≦0.1
となる構成を有する光学的情報記録媒体である。
【0015】
3発明は、さらに、
【0016】
【数3】
(Ta+Tc)/2≧0.4
となる構成を有する第1明の光学的情報記録媒体である。
【0017】
4発明は、前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層の有する前記記録層が状態aの場合の前記記録層の吸収率をAc[%]、状態bの場合の吸収率をAa[%]とし、
前記記録層が状態aの場合の前記手前に位置する情報層の反射率をRc[%]、状態bの場合の反射率をRa[%]とするとき、
【0018】
【数4】
Ac<Aa かつ Rc>Ra、あるいは、
Ac>Aa かつ Rc<Ra
となる構成を有する第1発明又は3明の光学的情報記録媒体である。
【0019】
第5発明は、前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層が、少なくとも第1の誘電体層、相変化記録層、第2の誘電体層、金属反射層を有し、
前記各層は入射側から前記第1の誘電体層、前記相変化記録層、前記第2の誘電体層、前記金属反射層の順序で配置されている第3明の光学的情報記録媒体である。
【0020】
6発明は、前記レーザ光の波長を390nm〜430nmの範囲とし、
前記金属反射層がAg、もしくはAgを主成分とする合金からなり、
前記相変化記録層の厚さをta[nm]、前記金属反射層の厚さをtb[nm]とすると、
【0021】
【数5】
b≦18 のとき ta≦12
18<tb≦22 のとき ta≦10
22<tb≦30 のとき ta≦32−tb
となる構成を有する第5明の光学的情報記録媒体である。
【0022】
第7発明は、前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層が、少なくとも第1の誘電体層、相変化記録層、第2の誘電体層、金属反射層、第3の誘電体層を有し、
前記各層は入射側から前記第1の誘電体層、前記相変化記録層、前記第2の誘電体層、前記金属反射層、前記第3の誘電体層の順序で配置されている第3明の光学的情報記録媒体である。
【0023】
8発明は、前記レーザ光の波長を390nm〜430nmの範囲とし、
前記金属反射層が少なくともAg、もしくはAgを主成分とする合金からなり、
前記相変化記録層の厚さをta[nm]、前記金属反射層の厚さをtb[nm]とするとき、
【0024】
【数6】
b≦18 のとき ta≦12
16<tb≦18 のとき ta≦38−tb
18<tb≦20 のとき ta≦10
20<tb≦24 のとき ta≦30−tb
24<tb≦26 のとき ta≦28−tb
となる構成を有する第7明の光学的情報記録媒体である。
【0025】
9発明は、前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層の有する前記記録層が結晶の場合の前記相変化記録層の吸収率をAc[%]、アモルファスの場合の吸収率をAa[%]とし、
前記記録層が結晶の場合の前記情報層の反射率をRc[%]、アモルファスの場合の反射率をRa[%]とするとき、
【0026】
【数7】
Ac<Aa かつ Rc>Ra、あるいは、
Ac>Aa かつ Rc<Ra
となる構成を有する第5発明〜8発明のいずれか光学的情報記録媒体である。
【0028】
第10明は、2層の情報層を有し、レーザ光が前記情報層のいずれかに集束されることによって情報信号が記録再生され、前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層が、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有する光学的情報記録媒体に、前記レーザ光を収束し、前記情報層のいずれかによって反射された前記レーザ光を光検出器によって受光し、透過率変化を測定する光学測定方法であって、
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域が状態aであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層によって反射された後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSaとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域の一部又は全部が状態bであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層によって反射された後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSbとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記SaとSbを基に前記手前に位置する情報層の透過率変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
【0029】
第11明は、3層以上の情報層を有し、レーザ光が前記情報層のいずれかに集束されることによって情報信号が記録再生され、前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する複数の情報層が、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有する光学的情報記録媒体に、前記レーザ光を収束し、前記情報層のいずれかによって反射された前記レーザ光を光検出器によって受光し、透過率変化を測定する光学測定方法であって、
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最小となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合aとし、
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最大となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合bとし、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる各記録層の状態の組み合わせが前記場合aであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、その透過した情報層より奥にある所定の情報層によって反射された後前記手前に位置する複数の情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSaとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる記録層の状態の組み合わせが前記状態bであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、前記最も遠い情報層によって反射された後前記手前に位置する複数の情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSbとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記SaとSbを基に前記手前に位置する複数の情報層の透過率変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
【0030】
第12明は、2層の情報層を有し、レーザ光が前記情報層のいずれかに集束されることによって情報信号が記録再生され、前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層が、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有する光学的情報記録媒体に、前記レーザ光を収束し、前記情報層のいずれかによって反射された前記レーザ光を光検出器によって受光し、前記レーザ光の強度変化を測定する光学測定方法であって、
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域が状態aであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層によって反射された後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSaとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域の一部又は全部が状態bであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層によって反射された後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSbとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記SaとSbを基に前記レーザ光の強度変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
【0031】
第13明は、3層以上の情報層を有し、レーザ光が前記情報層のいずれかに集束されることによって情報信号が記録再生され、前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する複数の情報層が、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有する光学的情報記録媒体に、前記レーザ光を収束し、前記情報層のいずれかによって反射された前記レーザ光を光検出器によって受光し、前記レーザ光の強度変化を測定する光学測定方法であって、
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最小となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合aとし、
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最大となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合bとし、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる各記録層の状態の組み合わせが前記場合aであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、その透過した情報層より奥にある所定の情報層によって反射された後前記手前に位置する複数の情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSaとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる記録層の状態の組み合わせが前記状態bであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、前記最も遠い情報層によって反射された後前記手前に位置する複数の情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSbとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記SaとSbを基に前記レーザ光の強度変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
【0032】
第12発明,第13明では、透過率を求めること無しに、前記手前に位置する情報層の透過率変化の大小を容易に判定できる。
【0033】
また、後述する第2の光学測定方法は、例えば、次の第14明である。
【0034】
第14明は、2層の情報層を有し、レーザ光が前記情報層のいずれかに集束されて情報信号が記録再生され、前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層が、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有する光学的情報記録媒体に、前記レーザ光を収束し、前記情報層のいずれかによって反射された前記レーザ光を光検出器によって受光し、透過率変化を測定する光学測定方法であって、
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域が状態aであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA1として、前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域の一部又は全部が状態bであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA2として前記光検出器によって測定するステップと、
前記A1とA2を基に前記手前に位置する情報層の透過率変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
【0035】
第15明は、3層以上の情報層を有し、レーザ光が前記情報層のいずれかに集束されて情報信号が記録再生され、前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する複数の情報層が、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有する光学的情報記録媒体に、前記レーザ光を収束し、前記情報層のいずれかによって反射された前記レーザ光を光検出器によって受光する光学測定方法であって、
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最小となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合aとし、
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最大となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合bとし、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる各記録層の状態の組み合わせが状態aであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、その透過した情報層より奥にある所定の情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する複数の情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA1として、前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる各記録層の状態の組み合わせが状態bであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、前記最も遠い情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA2として前記光検出器によって測定するステップと、
前記A1とA2を基に前記手前に位置する情報層の透過率変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
【0036】
第16明は、2層の情報層を有し、レーザ光が前記情報層のいずれかに集束されて情報信号が記録再生され、前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層が、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有する光学的情報記録媒体に、前記レーザ光を収束し、前記情報層のいずれかによって反射された前記レーザ光を光検出器によって受光し、前記レーザ光の変調振幅の変化を測定する光学測定方法であって、
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域が状態aであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA1として、前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域の一部又は全部が状態bであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA2として前記光検出器によって測定するステップと、
前記A1とA2を基に前記レーザ光の変調振幅の変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
【0037】
第17明は、3層以上の情報層を有し、レーザ光が前記情報層のいずれかに集束されて情報信号が記録再生され、前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する複数の情報層が、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有する光学的情報記録媒体に、前記レーザ光を収束し、前記情報層のいずれかによって反射された前記レーザ光を光検出器によって受光し、前記レーザ光の変調振幅の変化を測定する学測定方法であって、
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最小となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合aとし、
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最大となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合bとし、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる各記録層の状態の組み合わせが状態aであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、その透過した情報層より奥にある所定の情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する複数の情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA1として、前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる各記録層の状態の組み合わせが状態bであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、前記最も遠い情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA2として前記光検出器によって測定するステップと、
前記A1とA2を基に前記レーザ光の変調振幅の変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
【0038】
第16発明,第17明では、透過率を求めること無しに、前記手前に位置する情報層の透過率変化の大小を容易に判定できるである。
【0039】
第18明は、前記レーザ光の変調振幅A1の代わりに、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A1'を測定し、
前記レーザ光の変調振幅A2の代わりに、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A2'を測定し、
前記A1とA2とに基づいて、前記レーザ光の変調振幅の変化を導出するステップの代わりに、前記A1'とA2'とに基づいて、前記レーザ光の振幅変調の上側エンベロープとの変化を導出するステップを備えた、第16発明又は17明の光学測定方法である。
【0041】
第19明は、前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、レーザ光が透過する領域が状態bである状態で、前記最も遠い情報層に情報信号を記録した後、変調振幅A2の測定を行う第14明の光学測定方法である。
【0042】
第20明は、前記状態aは結晶状態であり、前記状態bはアモルファス状態である第10発明12発明14発明16発明又は19明の光学測定方法である。
【0043】
第21明は、前記Sb又はA2又はA2' を測定するときは、前記手前に位置する報層の記録層は、アモルファス状態の多数の記録マークとその周辺の結晶部とからなる状態である第20明の光学測定方法である。
【0044】
第22明は、前記状態aはアモルファス状態であり、前記状態bは結晶状態である第10発明12発明14発明16発明又は19明の光学測定方法である。
【0045】
第23明は、前記Sb又はA2又はA2'を測定するときは、前記手前に位置する情報層の記録層は、結晶状態の多数の記録マークとその周辺のアモルファス部とからなる状態である第22明の光学測定方法である。
【0046】
第24明は、前記第10明の光学測定方法で用いられた前記Sbを測定す時の前記レーザ光が透過する面積に占める前記記録マーク部の面積の割合をαとしたとき、
【0047】
【数8】
0≦|1+(Sb/Sa)1/2|≦0.1α
となる構成を有する光学的情報記録媒体である。
【0048】
第25明は、14明の光学測定方法で用いられた前記A2を測定す時の前記レーザ光が透過する面積に占める前記記録マーク部の面積の割合をαとしたとき、
【0049】
【数9】
0≦|1-(A2/A1)1/2|≦0.1α
となる構成を有する光学的情報記録媒体である。
【0050】
第26明は、1発明,第3発明,第4発明,第5発明,第6発明,第7発明,第8発明,又は第9発明,若しくは、24発明又は25明の光学的情報記録媒体にレーザ光を照射することによって情報信号の記録または再生を行う光学的情報記録再生方法であって、
前記光学的情報記録媒体の片側の面から2つ以上の情報層のうちの一つに前記レーザ光を照射することにより、情報信号を記録または再生する光学的情報記録再生方法である。 第1の本発明は、レーザ光入射側から順に、第1情報層、第2情報層を有する光学的情報記録媒体における、前記第1情報層での光学的に検知しうる2つの状態間の透過率変化を測定する光学測定方法であって、
前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層によって反射された後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度Saを測定するステップと、
前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層によって反射された後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度Sbを測定するステップと、
前記レーザ光の強度Sbを測定する際に、前記第1情報層での前記レーザ光が透過する面積に占める記録マーク部の面積の割合をαとしたとき、前記第1情報層の透過率比(Tc−Ta)/Tcを、
【数22】
(1−(Sb/Sa) 1/2 )/α
から得るステップと、を備えた、光学測定方法である。
第2の本発明は、レーザ光入射側から順に、第1情報層、第2情報層を有する光学的情報記録媒体における、前記第1情報層での光学的に検知しうる2つの状態間の透過率変化を測定する光学測定方法であって、
前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層に記録された情報信号によって変調を受けた後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅A1を測定するステップと、
前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層に記録された情報信号によって変調を受けた後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅A2を測定するステップと、
前記レーザ光の変調振幅A2を測定する際に、前記第1情報層での前記レーザ光が透過する面積に占める記録マーク部の面積の割合をαとしたとき、前記第1情報層の透過率比(Tc−Ta)/Tcを、
【数23】
(1−(A2/A1) 1/2 )/α
から得るステップと、を備えた、光学測定方法である。
第3の本発明は、前記レーザ光の変調振幅A を測定するステップの代わりに、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A ′を測定するステップと、
前記レーザ光の変調振幅A を測定するステップの代わりに、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A ′を測定するステップと、を備えた第2の本発明の、光学測定方法である。
第4の本発明は、前記レーザ光の強度S 又は前記レーザ光の変調振幅A 又は前記零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A ′を測定するときは、前記第1情報層の記録層は、アモルファス状態の多数の記録マークとその周辺の結晶部とからなる状態である第1〜3のいずれかの本発明の、光学測定方法である。
第5の本発明は、前記レーザ光の強度S 又は前記レーザ光の変調振幅A 又は前記零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A ′を測定するときは、前記第1情報層の記録層は、結晶状態の多数の記録マークとその周辺のアモルファス部とからなる状態である第1〜3のいずれかの本発明の、光学測定方法である。
第6の本発明は、前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記レーザ光が前記第2情報層の所定トラックに照射されることで前記レーザ光の強度Saが測定される場合、
前記レーザ光の強度Sbを測定するステップにおいて、前記レーザ光を前記第2情報層の前記所定トラックに照射する第1の本発明の、光学測定方法である。
第7の本発明は、前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記情報信号が前記レーザ光を前記第2情報層の所定トラックに照射することで記録される場合、
前記レーザ光の変調振幅A2を測定するステップにおいて、前記レーザ光を前記第2情報層の前記所定トラックに照射する第2の本発明の、光学測定方法である。
第8の本発明は、レーザ光入射側から順に、第1情報層、第2情報層を有する光学的情報記録媒体における、前記第1情報層での光学的に検知しうる2つの状態間の透過率変化を測定する光学測定装置であって、
前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層によって反射された後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度Saを測定する手段と、
前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層によって反射された後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度Sbを測定する手段と、
前記レーザ光の強度Sbを測定する際に、前記第1情報層での前記レーザ光が透過する面積に占める記録マーク部の面積の割合をαとしたとき、前記第1情報層の透過率比(Tc−Ta)/Tcを、
【数22】
(1−(Sb/Sa) 1/2 )/α
から得る手段と、を備えた、光学測定装置である。
第9の本発明は、レーザ光入射側から順に、第1情報層、第2情報層を有する光学的情報記録媒体における、前記第1情報層での光学的に検知しうる2つの状態間の透過率変化を測定する光学測定装置であって、
前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層に記録された情報信号によって変調を受けた後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅A1を測定する手段と、
前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層に記録された情報信号によって変調を受けた後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅A2を測定する手段と、
前記レーザ光の変調振幅A2を測定する際に、前記第1情報層での前記レーザ光が透過する面積に占める記録マーク部の面積の割合をαとしたとき、前記第1情報層の透過率比(Tc−Ta)/Tcを、
【数23】
(1−(A2/A1) 1/2 )/α
から得る手段と、を備えた、光学測定装置である。
第10の本発明は、前記レーザ光の変調振幅A を測定する手段の代わりに、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A ′を測定する手段と、
前記レーザ光の変調振幅A を測定する手段の代わりに、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A ′を測定する手段と、を備えた第9の本発明の、光学測定装置である。
第11の本発明は、前記レーザ光の強度S 又は前記レーザ光の変調振幅A 又は前記零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A ′を測定するときは、前記第1情報層の記録層は、アモルファス状態の多数の記録マークとその周辺の結晶部とからなる状態である第8〜10のいずれかの本発明の、光学測定装置である。
第12の本発明は、前記レーザ光の強度S 又は前記レーザ光の変調振幅A 又は前記零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A ′を測定するときは、前記第1情報層の記録層は、結晶状態の多数の記録マークとその周辺のアモルファス部とからなる状態である第8〜10のいずれかの本発明の、光学測定装置である。
第13の本発明は、前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記レーザ光が前記第2情報層の所定トラックに照射されることで前記レーザ光の強度Saが測定される場合、
前記レーザ光の強度Sbを測定する手段において、前記レーザ光を前記第2情報層の前記所定トラックに照射する第8の本発明の、光学測定装置である。
第14の本発明は、前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記情報信号が前記レーザ光を前記第2情報層の所定トラックに照射することで記録される場合、
前記レーザ光の変調振幅A2を測定する手段において、前記レーザ光を前記第2情報層の前記所定トラックに照射する第9の本発明の、光学測定装置である。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を用いて本発明または本発明に関連する発明をさらに具体的に説明する。
【0052】
(第1の実施の形態)
図1および図2は本発明の第1の実施の形態に係る光学的情報記録媒体の概略図である。
【0053】
図1における光ディスク1の断面を図2に示している。図2は情報記録層が2層からなる場合の光ディスク、およびそれにレーザ光を照射した状態を示す。光ディスク1は、光源から見て手前に位置する第1の情報層2と、奥に位置する第2の情報層3とを有する。各情報層は、基板4、5に溝または位相ピットをあらかじめ形成し、誘電体層、記録層、反射層等を成膜することにより作製する。それぞれの基板を紫外線硬化樹脂等で接着し、中間層6を形成する。
【0054】
または、溝または位相ピットを形成した基板4に第2の情報層3を構成する各層を成膜した後に、溝または位相ピットを有する中間層6を形成し、第1の情報層2を構成する各層を成膜してから基板5(カバー層ともいう)を接着するものであっても良い。
【0055】
基板4、5にはガラス・樹脂等の透明な平板を用いる。または、樹脂を溶剤に溶かして塗布・乾燥させたものでも良い。
【0056】
図2は、図1でレーザ光の入射側から見て手前の情報層となる、第1の情報層3の構成の一例を示す断面図である。
【0057】
基板5上の第1の誘電体層9、第2の誘電体層10としてはSiO2、SiO、TiO2、MgO、GeO2等の酸化物、Si3N4、BN、AlN等の窒化物、ZnS、PbS等の硫化物あるいはこれらの混合物が使える。
【0058】
記録層11に用いる記録薄膜材料としてはアモルファス・結晶間の相変化をする材料、例えばSbTe系、InTe系、GeTeSn系、SbSe系、TeSeSb系、SnTeSe系、InSe系、TeGeSnO系、TeGeSnAu系、TeGeSnSb系、TeGeSb系等のカルコゲン化合物が使える。Te-TeO2系、Te-TeO2-Au系、Te-TeO2-Pd系等の酸化物系材料も使える。これらの材料の場合、結晶(すなわち状態aに相当)−アモルファス(すなわち状態bに相当)の間で相変化を生ずる。また、AgZn系、InSb系等の結晶(状態a)−結晶(状態b)間の相変化を生ずる金属化合物であっても良い。
【0059】
反射層12としては、Au、Ag、Al、Cu等の金属材料あるいは所定の波長における反射率の高い誘電体多層膜等が使える。
【0060】
これらの材料を成膜する方法としては真空蒸着法やスパッタリング法等が使える。
【0061】
なお、第2の情報層3については、レーザ光により反射光の光学的変化が情報として検出可能なものであればどのような形態でもかまわない。第1の情報層2と同様に相変化記録層を含む多層膜であっても良いし、光磁気記録層や色素層を含む多層膜でも良い。また、基板4に位相ピットとして記録されている形態であっても良い。
【0062】
イントは、上記構成において各層の膜厚を適切に選ぶことにより、記録前後の2つの状態(記録状態と未記録(消去)状態)における第1の情報層2の透過率を同等にして、いずれの状態においても、第2の情報層への記録再生時に到達するレーザ光の光量を同等にすることである。また、第2の情報層に到達するレーザ光の光量を記録再生に十分とすることである。なお、以下の説明では一例として、未記録(消去)部分が結晶状態で、記録部分がアモルファス状態の場合について述べる。
【0063】
第1の情報層2の透過率は、第1の情報層を構成する各層の材料の光学定数および膜厚にから、マトリクス法と呼ばれる計算で求めることができる(マトリクス法については、例えば久保田広著「波動光学」岩波書店、1971年、第3章に記載されている)。
【0064】
表1に、本実施の形態において試作したディスクの第1の情報層2の膜厚構成例と、計算したアモルファス状態(Ta)および結晶状態での透過率(Tc)、アモルファス状態(Ra)および結晶状態での反射率(Rc)、アモルファス状態(Aa)および結晶状態での吸収率(Ac)、アモルファス状態と結晶状態の透過率比(Tc-Ta)/Tcと、平均透過率(Ta+Tc)/2を示す。
【0065】
【表1】
Figure 0004084160
【0066】
本実施の形態では、第2の情報層への記録再生時に到達するレーザ光の光量をアモルファス状態と結晶状態で同等にするために、透過率比(Tc-Ta)/Tcの絶対値が小さいほど好ましい。また、平均透過率(Ta+Tc)/2をできるだけ高くして、第2の情報層に到達するレーザ光の光量が記録再生に十分とすることがより好ましいことになる。本実施の形態では表1のように、記録層の厚さta、反射層の厚さtb、第1の誘電体層の厚さt1、第2の誘電体層の厚さt2を変化させることにより、第1の情報層2の透過率比と平均透過率を種々異ならせた6種類のディスクを作成した。
【0067】
ディスクの作製は以下のようにして行った。基板4として、直径120mm、厚さ1.1mmのポリカーボネート板を用い、表面にスパイラル状の幅0.25μm、ピッチ0.32μm、深さ20nmの溝を形成した。第2の情報層3はこの基板4の表面上に形成し、反射層AgPdCu(光学定数0.32-2.06i)を100nm、誘電体層ZnS-SiO2(光学定数2.25-0.00i)を15nm、記録層GeSbTe(晶状態の光学定数1.78-3.51i、アモルファス状態の光学定数3.31-2.29i)を12nm、誘電体層ZnS-SiO2を60nm、順番に成膜した。
【0068】
次に、第2の情報層3の記録層を、レーザ光の照射によりアモルファス状態から結晶状態に変化させて初期化した後、基板4と同様の溝形状を転写した中間層6を形成した。
【0069】
さらに、第1の情報層2として反射層AgPdCuをtbnm、第2の誘電体層ZnS-SiO2をt2nm、記録層GeSbTeをtanm、第1の誘電体層ZnS-SiO2をt1nm、順番に成膜した。成膜後、第1の情報層3の記録層をレーザ光の照射によりアモルファス状態から結晶状態に変化させて初期化した。
【0070】
最後にポリカーボネートからなる基板5を紫外線硬化樹脂により接着した。接着部の厚さと基板5の厚さの合計は0.1mmとした。
【0071】
これら6種類のディスクを用いて記録再生実験を行った。ディスクを線速度5m/sで回転させ、波長405nmの半導体レーザ光を開口数(NA)0.85の対物レンズで絞ってディスクのいずれかの情報層2または3に照射した。
【0072】
記録再生時の変調符号としては(8-16)変調を用い、変調後の信号をマルチパルス化して半導体レーザを発光させた。3Tのマーク長は0.20μmとした。
【0073】
次に図3を用いて、記録パワーの設定方法について説明する。第1の情報層2に未記録の状態で、第2の情報層3に対してピークパワーを変化させて3T周期信号を記録し、記録後に再生信号のC/Nを測定した。C/Nのピークパワーに対する依存性を図3のようにプロットし、(C/N飽和値−3dB)となるピークパワーをPpthとして、情報の記録に用いる最適ピークパワーPpsを、
【0074】
【数10】
Pps=Ppth×1.2
と定義して求めた。
【0075】
なお最適バイアスパワーは、ピークパワーを一定としてバイアスパワーを変化させて3T信号を記録し、その後11T信号をオーバーライトし、最も消去率の高くなるバイアスパワーPboとして求めた。
【0076】
次に、光源から見て手前に位置する第1の情報層が、奥に位置する第2の情報層に及ぼす影響について説明する。
【0077】
第1の情報層2の最内周から最外周までについて、半周分の領域にランダム信号を記録した。
【0078】
さらに、第2の情報層3に対してピークパワーをPps、バイアスパワーをPboとして3T周期信号を1トラック1周分記録しこの信号を再生したところ、図7に示すように、再生信号の振幅が第1の情報層2における未記録領域・記録領域に対応して半周ごとに変動した。この再生信号のエンベロープ(包絡線)の変動量を測定し、第1の情報層2における未記録領域での再生信号振幅を基準としてエンベロープ変動率を求めた。第1の情報層2における未記録領域での再生信号振幅をA1、記録領域での再生信号振幅をA2をとして、エンベロープの変動率は、下式のように定義した。
【0079】
【数11】
変動率=(A1-A2)/A1
同時に、再生信号のエラーレートを測定した。
【0080】
各ディスクに対するエンベロープ変動率とエラーレートの結果を表2に示す。
【0081】
【表2】
Figure 0004084160
【0082】
ディスク(1)〜(3)では、一般的に認められているエラーレートの閾値である1×10-4より小さい良好なエラーレートが得られたのに対し、(4)〜(6)のエラーレートは十分ではなかった。
【0083】
またディスク(1)〜(4)では、エンベロープの変動率が5%以下と良好だったのに対し、ディスク(5),(6)の変動率は大きかった。
【0084】
さらに、各ディスクの第2の情報層3を再生時の信号を、2値化回路・PLL(位相同期ループ)回路からなる再生信号処理回路内で測定したところ、ディスク(4)〜(6)ではエンベロープの変動が大きいために2値化回路の動作が不安定になり、ディスク(4)〜(6)では再生信号品質が十分でないためにPLLが安定に動作しなかった。
【0085】
以上の結果が得られた理由は次のように考えられる。ディスク(1)〜(3)は第1の情報層2の記録領域の透過率と未記録領域の透過率の変化が小さいために、第1の情報層2の記録状態によって第2の情報層3に到達するレーザ光の光量変化が小さく、エンベロープの変動が小さく2値化動作が安定になり、エラーレートが低くなるものと考えられる。表2の結果より(1),(2),(3)のディスクが良いことが分かり、その結果、表1より、透過率比の絶対値が10%以下の場合に1×10-4より小さい良好なエラーレートが得られていることがわかる。
【0086】
また、ディスク(4)〜(6)では、第1の情報層2の平均透過率が低いために、第2の情報層3の記録再生時にこの情報層に到達するレーザ光の光量が少なくなるので、再生信号品質が悪化してエラーレートが高くなる要因となっていると考えられる。表2の結果より、(4),(5),(6)のディスクが悪いことが分かり、その結果、表2より、平均透過率が40%未満の場合にはエラーレートが1×10-4より大きくなり十分に良好ではないことがわかる。
【0087】
以上のことから、ディスク(1)〜(3)では透過率比(Tc-Ta)/Tcの絶対値を10%以下まで小さくし、第1の情報層2の平均透過率(Ta+Tc)/2を40%以上に高くしたために、第2の情報層3に情報を良好に記録再生できることがわかった。
【0088】
さらに、図2に示す構成において、平均透過率(Ta+Tc)/2が40%以上になり透過率比(Tc-Ta)/Tcの絶対値を10%以下に小さくできる膜厚条件を、計算を用いて詳細に調べた。図4(a)、(b)はその一例として、記録層の厚さtaを10nm、反射層の厚さtbを10nmとし、第1の誘電体層の膜厚t1と第2の誘電体層の膜厚t2とを変化させたときの平均透過率(Ta+Tc)/2と透過率比(Tc-Ta)/Tcの変化をそれぞれプロットした図である。図4において、レーザ光の波長は405nmとし、上誘電体と下誘電体の膜厚はレーザ光の波長(λ)を基準とした光学長で示している。
【0089】
図4(a)で平均透過率(Ta+Tc)/2が40%以上になる誘電体層の膜厚と、図4(b)で透過率比(Tc-Ta)/Tcの絶対値を10%以下に小さくできる誘電体層の膜厚が両立できれば、この記録層・反射層の膜厚の組み合わせにて、第2の情報層3に情報を良好に記録再生できる第1の情報層2が構成できることになる。
【0090】
表3は、記録層の膜厚taを2〜32nm、反射層の膜厚tbを2〜36nmまで変化させたときに、平均透過率(Ta+Tc)/2が40%以上になり、透過率比(Tc-Ta)/Tcの絶対値を10%以下に小さくできる可能性を有する第1の情報層2が構成できるか否かを示す表である。
【0091】
図中の○印は、該当する膜厚ta、tbで、平均透過率が40%以上になり、透過率比の絶対値を10%以下に小さくできることを示している。なお、×印は、t1,t2をどのように選んでも、平均透過率が40%以上になり、透過率比の絶対値を10%以下に小さくできる可能性が無いことを示す。つまり、図4(a),(b)の平均透過率が40〜50%で且つ、透過率比が−10〜+10%であるエリアが全くないということを示す。
【0092】
ここでは、各記録層・反射層のすべての組み合わせに対して図4(a)および図4(b)と同様の計算を行い、誘電体層の膜厚を変化させて平均透過率と透過率比が両立できる点が存在すれば、条件を満たす第1の情報層2が構成可能であるとしている。
【0093】
【表3】
Figure 0004084160
【0094】
この表から、以下の条件の膜厚で平均透過率40%以上と透過率比の絶対値10%以下をみたす可能性のある構成が得られることがわかる。
【0095】
【数12】
b≦18 のとき ta≦12
18<tb≦22 のとき ta≦10
22<tb≦30 のとき ta≦32−tb
また表3は、記録層と反射層が共に薄い構成の場合に上記の平均透過率と透過率比をみたす構成が得られることを示している。これは、第1の情報層2で光学的吸収を有する層が主として記録層と反射層であることを意味する。さらに、光源側から見て記録層の方が反射層よりも手前にあることから、記録層の吸収率の方が反射層の吸収率よりも大きく、記録層の膜厚を厚くすることの方が反射層の膜厚を厚くすることよりも透過率に影響を与えやすいこともいえる。
【0096】
また、ディスク(1)、(3)についてアモルファス状態での記録層の吸収率Aaと、結晶状態での記録層の吸収率Acの値を計算したところ、Aa>Acとなった。これは(1)と(3)の反射率をRa<Rcとなるようにしたので、透過率比の絶対値を小さくする(すなわち、TcとTaがほぼ等しくなる)ためには、記録層の吸収率(≒100%−反射率−透過率)をAa>Acとなるようにしたほうが構成が容易だからである。逆にディスク(2)の場合のように反射率をRa>Rcとなるようにしたときには、記録層の吸収率はAa<Acとすると容易に上記の条件を満たす構成ができることになる。AaとAcの大小関係は、情報層を構成する各膜の光学定数および膜厚によって変化するが、記録膜のアモルファス状態での光学定数をna-ika、結晶状態での光学定数をnc-ikcとすると、
【0097】
【数13】
na+ka<nc+kc
の場合には、記録膜の吸収率をAa>Acとし、反射率をRa<Rcとすると、TcとTaがほぼ等しくする構成が得やすい。
逆に、
【0098】
【数14】
na+ka>nc+kc
の場合には、記録膜の吸収率をAa<Acとし、反射率をRa>Rcとすると、TcとTaがほぼ等しくする構成が得やすい傾向がある。
【0099】
なお、段落番号0067に記載した本実施の形態の記録層ではna+ka<nc+kcの関係にあるので、記録膜の吸収率をAa>Acとし、反射率をRa<Rcとすると、TcとTaがほぼ等しくする構成が得やすいことになる。
【0100】
以上要するに、光学定数がいずれの場合でも、アモルファス状態での、RaとRcの大小関係に対するTaとTcの大小関係が、結晶状態での、RaとRcの大小関係に対するTaとTcの大小関係と異なることが望ましい。
【0101】
以上述べたように本実施の形態に係る光学的情報記録媒体は、透過率比(Tc-Ta)/Tcの絶対値を10%以下まで小さくし、第1の情報層2の平均透過率(Ta+Tc)/2を40%以上に高くするように構成することにより、第2の情報層3に十分なレーザ光の光量を到達させることができ、第1の情報層2の記録・未記録にかかわらず情報を正確に記録再生することができる。
【0102】
(第2の実施の形態)
図5は、図2でレーザ光の入射側から見て手前の情報層となる、第1の情報層3の構成の一例を示す断面図である。第1の実施の形態と異なるのは、反射層12の上に第3の誘電体層13を設けている点である。図6は、記録層の厚さを10nm、反射層の厚さを10nm、第3の誘電体層の厚さを10nmとし、第1の誘電体層と第2の誘電体層の膜厚を変化させたときの平均透過率(Ta+Tc)/2と透過率比(Tc-Ta)/Tcの変化をプロットした図である。図6と図4を比較すると、記録層と反射層の厚さが同じにもかかわらず、第3の誘電体層を設けることによって、透過率比(Tc-Ta)/Tcの絶対値が10%以下になる領域が増加している。また、第3の誘電体層の厚さを適当に選べば、平均透過率を向上させることも可能である。このように、第1の情報層2の構成の自由度を上げる役割を有する。
【0103】
表4に、本実施の形態において試作したディスクの第1の情報層2の膜厚構成例と、計算したアモルファス状態(Ta)および結晶状態での透過率(Tc)、アモルファス状態(Ra)および結晶状態での反射率(Rc)、アモルファス状態と結晶状態の透過率比(Tc-Ta)/Tcと、平均透過率(Ta+Tc)/2を示す。
【0104】
【表4】
Figure 0004084160
【0105】
本実施の形態では表4のように、記録層の厚さta、反射層の厚さtb、第1の誘電体層の厚さt1、第2の誘電体層の厚さt2、第3の誘電体層の厚さt3を変化させることにより、第1の情報層2の透過率比と平均透過率を種々異ならせたディスクを作成した。
【0106】
ディスクは第1の実施の形態と同様にして作成したが、第1の実施の形態と異なるのは以下の点である。第1の情報層2として第3の誘電体層ZnS-SiO2をt3nm、反射層AgPdCuをtbnm、第2の誘電体層ZnS-SiO2をt2nm、記録層GeSbTeをtanm、第1の誘電体層ZnS-SiO2をt1nm、順番に成膜した。
【0107】
次に表3に示す6種類のディスクを用いて記録再生実験を行った。第1の実施の形態と同様にディスクを線速度5m/sで回転させ、波長405nmの半導体レーザ光を開口数(NA)0.85の対物レンズで絞ってディスクのいずれかの情報層2または3に照射した。記録条件・測定条件も第1の実施の形態と同じとした。
【0108】
各ディスクに対するエンベロープ変動率とエラーレートの結果を表5に示す。
【0109】
【表5】
Figure 0004084160
【0110】
ディスク(7)〜(10)では、1×10-4より小さい良好なエラーレートが得られたのに対し、(10)〜(12)のエラーレートは十分ではなかった。またディスク(7)〜(9)および(11)では、エンベロープの変動率が5%以下と良好だったのに対し、ディスク(10)、(12)の変動率は大きかった。
【0111】
さらに、各ディスクの第2の情報層3を再生時の信号を、2値化回路・PLL(位相同期ループ)回路からなる再生信号処理回路の内部で測定したところ、ディスク(11)、(12)ではエンベロープの変動が大きいために2値化回路の動作が不安定になり、エラーレートが高くなっていた。また、ディスク(10)〜(12)では再生信号品質が十分でないためにPLLが安定に動作していないことがエラーレートが高くなる要因となっていた。
【0112】
また表4および表5の結果より、透過率比の絶対値が10%以下で、平均透過率が40%以上の場合に1×10-4より小さい良好なエラーレートが得られていることがわかる。
【0113】
以上のことから、ディスク(7)〜(9)では第1の情報層2の平均透過率(Ta+Tc)/2を40%以上に高くし、透過率比(Tc-Ta)/Tcの絶対値を10%以下まで小さくしたために、第2の情報層3に情報を良好に記録再生できることがわかった。
【0114】
さらに、図5に示す構成において、平均透過率(Ta+Tc)/2が40%以上になり透過率比(Tc-Ta)/Tcの絶対値を10%以下に小さくできる膜厚条件を、計算を用いて詳細に調べた。
【0115】
表6は、記録層の膜厚taを2〜32nm、反射層の膜厚tbを2〜36nmの範囲で変化させ、第3の誘電体層の膜厚t3を10nmとしたときに、平均透過率(Ta+Tc)/2が40%以上になり、透過率比(Tc-Ta)/Tcの絶対値を10%以下に小さくできる第1の情報層2が構成可能か否かを示す表である。また、記録層と反射層の膜厚を同様に変化させ、第3の誘電体層の膜厚t3を30nmとしたものを表7、50nmとしたものを表8、70nmとしたものを表9に示す。
【0116】
【表6】
Figure 0004084160
【0117】
【表7】
Figure 0004084160
【0118】
【表8】
Figure 0004084160
【0119】
【表9】
Figure 0004084160
【0120】
これらの表から、記録層の厚さをta[nm]、金属反射層の厚さをtb[nm]とすると、第3の誘電体層の膜厚が10〜70nmのいずれであっても、以下の条件の膜厚で上記の平均透過率と透過率比をみたす構成が得られることがわかる。
【0121】
【数15】
b≦18 のとき tb≦12
16<ta≦18 のとき ta≦38−ta
18<ta≦20 のとき ta≦10
20<ta≦24 のとき ta≦30−ta
24<ta≦26 のとき ta≦28−ta
また表6〜表9からわかるように、記録層と反射層が共に薄い構成の場合に上記の平均透過率と透過率比をみたす構成が得られている。これは、第1の情報層2で光学的吸収を有する層が主として記録層と反射層であることを意味する。
【0122】
また、ディスク(7)〜(9)についてアモルファス状態での記録層の吸収率Aaと、結晶状態での記録層の吸収率Acの値を計算したところ、Aa>Acとなった。これは(7)〜(9)の反射率をRa<Rcとなるようにしたので、透過率比を小さくする(すなわち、TcとTaがほぼ等しくなる)ためには、記録層の吸収率(≒100%−反射率−透過率)をAa>Acとなるようにしたほうが構成が容易だからである。
【0123】
以上述べたように本実施の形態に係る光学的情報記録媒体においても、透過率比(Tc-Ta)/Tcの絶対値を10%以下まで小さくし、第1の情報層2の平均透過率(Ta+Tc)/2を40%以上に高くするように構成することにより、第2の情報層3に十分なレーザ光の光量を到達させることができ、第1の情報層2の記録・未記録にかかわらず情報を正確に記録再生することができる。
【0124】
最後に、前述の透過率TaやTcは一般に分光器等の光学測定器で測定されるが、図7に示した様に情報再生用のレーザ光を第2の情報層に当てたときに得られる再生信号を利用することで、TcとTaの差を測定することが容易となる。そのような光学測定法について新たに図を使って説明する。
【0125】
図9はそのような第1の光学測定方法の手順を示す概略図で、上段はレーザ光の各情報層への照射の様子を示した略式断面図であり、下段は第2の情報層で反射されたレーザ光から得られる再生信号の波形図である。
【0126】
(ステップ1)
まず図9(a)上段のように、第1の情報層になにも記録されていない状態でレーザ光が第2の情報層に焦点を合わせて照射される。このときの照射位置は例えば1回転毎に元の位置に戻る、いわゆるスチル状態にしておいて測定位置を特定出来るようにしておくと、次のステップで測定した結果との比較が容易でより好ましい。反射光量は信号再生用のフォトディテクタなどで電流や電圧に変換され、図9(a)下段の様にほぼ直流の再生波形として観測される。実際の波形は光ディスクの反射率等の様々なばらつきのため、ある程度凸凹が見られるが、時間平均を取れば直流波形と見て差し支えない。同図の縦軸の零レベルは、レーザ光の光路上から光ディスクが取り外されたときのフォトディテクタの出力値を示してある。よって、図に示したレベルSaが第1の情報層になにも記録されていない状態での反射光量を示す。
【0127】
(ステップ2)
次に、図9(b)上段に示すように、ステップ1でSaを測定した位置の真下に位置する第1の情報層にランダム信号もしくはモノトーン信号を記録していく。記録する範囲は、レーザ光を第2の情報層に焦点を合わせたときに、そのレーザ光が第1の情報層を通過する領域を全て含む様に指定する。レーザ光の波長405nm、対物レンズNA0.85、中間層の厚み30um、中間層の屈折率1.60とすると、第1の情報層におけるレーザ光の直径は約37.6umになり、これに第1と第2の層の間の偏心を考慮すると、200um程度の範囲にわたって記録すればよい。
【0128】
(ステップ3)
最後に、図9(c)上段のように、ランダム信号もしくはモノトーン信号が記録された第1の情報層を通してレーザ光が第2の情報層に焦点を合わせて照射される。このときの照射位置はステップ1で測定したトラックに一致させるのが測定精度が高くなるのでより好ましい。反射光量は図9(c)下段の様にほぼ直流の再生波形として観測される。図に示したレベルSbが第1の情報層が記録済みの状態での反射光量を示す。この図では、第1の情報層において記録済みの状態の方が未記録の状態よりも透過率が低くなる場合を示している。
【0129】
(ステップ4)
aとSbより、第1の情報層が未記録の状態と記録済みの状態との間で透過率の変化を次の計算で得ることが出来る。すなわち、レーザ光が第2の情報層に焦点を結んでいるときの第1の情報層上レーザ光の断面において、記録マークがレーザ光断面全てに対して占める面積の割合をαとすると、記録済みの第1の情報層の等価的な透過率Ta’は
【0130】
【数16】
a’=(1−α)Tc+αTa=Tc−α(Tc−Ta
となる。未記録の第1の情報層の透過率はTcのままであり、かつ、Sa及びSbの測定ではレーザ光は第1の情報層を2回透過するから、次の式が成り立つ。
【0131】
【数17】
b/Sa=(Ta’/Tc2
これら2つの式より前述の透過率比は、
【0132】
【数18】
(Tc−Ta)/Tc=(1−(Sb/Sa1/2)/α … 式(1)
から得ることが出来る。αは記録パワー等記録条件によって変化するが、通常略0.25の値をとる。
【0133】
以上ステップ1〜4によって第1の情報層が未記録の状態と記録済みの状態との間で透過率の変化を、専用の測定器を使用すること無しに簡単に測定することが出来る。
【0134】
図10は第2の光学測定方法の手順を示す概略図で、上段はレーザ光の各情報層への照射の様子を示した略式断面図であり、下段は第2の情報層で反射されたレーザ光から得られる再生信号の波形図である。
【0135】
(ステップ1)
まず図10(a)上段のように、第1の情報層になにも記録されていない状態でレーザ光が第2の情報層に焦点を合わせて照射され、ランダムもしくはモノトーン信号が第2の情報層の所定トラックに記録される。次にそのトラックに記録された信号は再生レベルのレーザ光で照射され、フォトディテクタなどで電流や電圧に変換され、図10(a)下段の様に一定の振幅を有したエンベロープ波形として観測される。図に示した振幅A1が第1の情報層になにも記録されていない状態での再生信号振幅を示す。
【0136】
(ステップ2)
次に、図10(b)上段に示すように、ステップ1でA1を測定した位置の真下に位置する第1の情報層にランダム信号もしくはモノトーン信号を記録していく。記録する範囲は第1の光学測定方法と同じである。
【0137】
(ステップ3)
最後に、図10(c)上段のように、ランダム信号が記録された第1の情報層を通してレーザ光が第2の情報層に焦点を合わせて照射される。このときの照射位置はステップ1で測定したトラックに一致させる。再生信号は図10(c)下段の様に一定の振幅を有したエンベロープ波形として観測される。図に示した振幅A2が第1の情報層が記録済みの状態での再生振幅を示す。この図においても、第1の情報層において記録済みの状態の方が未記録の状態よりも透過率が低くなる場合を示している。
【0138】
(ステップ4)
第1の光学測定方法で示した計算でSaをA1に、SbをA2に置き換えることにより、第1の情報層が未記録の状態と記録済みの状態との間で透過率比(Tc−Ta)/Tcを得ることが出来る。
【0139】
以上ステップ1〜4によって、第1の情報層が未記録の状態と記録済みの状態との間で透過率の変化を、専用の測定器を使用すること無しに簡単に測定することが出来る。また、図10で説明した方法では、反射光量を比較するために再生振幅A1及びA2を用いているため、たとえ第1の情報層からの反射光の一部が迷光となってフォトディテクタに入射しても、振幅測定時にキャンセルされるため、より精度良く透過率差を測定することが可能となる。一方、図9で説明した方法においても、フォトディテクタの大きさを十分小さくして迷光量を例えば全入射光量の2%程度に抑えれば、透過率差の精度を100分の2に抑えることが出来るので十分高精度の測定が可能となる。
【0140】
なお、上述した第2の光学測定方法に関しては、図11に示すように、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A1'とA2'を測定し、第1の光学測定方法で示した計算でSaをA1'に、SbをA2'に置き換えることにより、第1の情報層が未記録の状態と記録済みの状態との間で透過率比(|Tc-Ta|/Tc)を得ることも出来る。
【0141】
以上述べた光学測定法を用いれば式(1)を通じて透過率比を簡単に求めることが出来る。先に説明したように、第1の情報層として好ましい透過率比の条件は10%以下であるので、式(1)を用いると、第1の光学測定方法から得られるSa及びSbが、
【0142】
【数19】
0≦|1-(Sb/Sa)1/2|≦0.1α
を満たせばよいことになる。もしくは、第2の光学測定方法から得られるA1及びA2が、
【0143】
【数20】
0≦|1-(A2/A1)1/2|≦0.1α
を満たせばよい。
【0144】
なお、上述の実施の形態における媒体では、第1の情報層2の構成を図2に示すような4層構成または図5に示すような5層構成としたが、各層の間に界面層を有する多層構成であっても、上記の透過率比および/または平均透過率を満たす条件になるように構成すれば良い。また、反射層を有しない構成など、図2、図5以外の構成としてもかまわない。各層の材料も本実施の形態で用いたものに限定されるものではない。
【0145】
また、上述の実施の形態では、媒体を2つの情報層を有する光ディスクとしたが、図8に示すような3つ以上の情報層を有し、レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する複数の情報層の合成透過率が、上記の透過率比を満たす条件のものであっても良い。
【0146】
すなわち、この合成透過率は各情報層の透過率の積となる。各層の記録・未記録状態の組み合わせにより合成透過率が最小となる場合(この透過率をTminとする)と、最大になる場合(この透過率をTmaxとする)が存在することになる。情報層が2層の場合と同様にして、これら複数の情報層より奥の情報層に到達するレーザ光の光量変化を小さくするためには、
【0147】
【数21】
0≦|Tc-Tmin|/Tc≦0.1 且つ 0≦|Tc-Tmax|/Tc≦0.1
となるように構成すればよい。
【0148】
ここでTcは、複数の情報層が全て未記録状態のときの合成透過率である。
【0149】
ただしこの場合、手前に位置するすべての情報層について40%以上の平均透過率が得られない可能性があるので、十分な信号品質を得るためには再生回路のS/Nを向上させる必要がある。
【0150】
また、上述した光学測定方法についても、測定の対象となる媒体は3層以上の情報層を有するものであってもよい。このときには、レーザ光の入射側からみて最も遠い情報層よりも手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最小となる場合(これを場合aという)と、最大となる場合(これを場合bという)の反射光量を測定すれば、手前に位置する複数の情報層についての最大の透過率変動が測定できる。
【0151】
さらに、上述の光学測定方法では、測定したSa(またはA1、A1')とSb
(またはA2、A2')をもとにしてステップ4で透過率比を導出するものとしたが、これらの測定した信号の変化を導出する方法とすれば、透過率比を求めることなく、手前に位置する情報層の透過率変化の良否を容易に判定することができる。
【0152】
たとえば、信号の変化を表すパラメータとして、
(Sa−Sb)/Saまたは(A1−A2)/A1または(A1'−A2')/A1'を定義する。こうしたパラメータを導出することにより、透過率比(Tc−Ta)/Tcを求めることなしに、手前に位置する情報層の、最も遠い情報層の再生信号品質に与える影響の大小を見積もることができ、手前に位置する情報層の透過率変化の良否を容易に判定することが可能となる。
【0153】
また、実際の測定では、ディスクの反射率等のばらつきのために、Sa(またはA1、A1')とSb(またはA2,A2')には多少の変動が存在するが、最も変動に大きな影響を与えるのは手前に位置する情報層の透過率変化である。
【0154】
したがって、手前の情報層に局所的に信号を記録しておき、その後手前の情報層を通して最も遠い情報層からの反射光量の変化を測定し、その最大値をSa 最小値をSbとして測定し、上記のパラメータを求めることとしても、手前に位置する情報層の透過率変化の良否を容易に判定するのには実質的には問題ない。変調振幅A1、A1'、A2、A2'を測定する場合でも同様である。
【0155】
さらに、上記の実施の形態で用いられる変調方式、記録密度は上述した形態に限定されるものではなく、媒体自身や記録再生装置に応じた適切な形態とすることが可能であることは言うまでもない。
以上述べたように本発明に関連する発明の光学的情報記録媒体は、奥の情報層に十分なレーザ光の光量を到達させることができ、手前の情報層の記録・未記録にかかわらず奥の情報層に情報を正確に記録再生することができる。
【0156】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の光学測定方法及び光学測定装置は、記録、未記録による手前の情報層の透過率変化を容易に測定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光学的情報記録媒体を示す外観・断面図
【図2】前記第1の実施の形態に係る第1の情報層を示す断面図
【図3】前記第1の実施の形態に係るC/Nのピークパワー依存性を示す図
【図4】前記第1の実施の形態に係る平均透過率および透過率比の計算結果を示す図
【図5】前記第2の実施の形態に係る第1の情報層を示す断面図
【図6】前記第2の実施の形態に係る平均透過率および透過率比の計算結果を示す図
【図7】前記第1および第2の実施の形態に係る、第2の情報記録層からの再生信号波形を示す図
【図8】本発明の別の実施の形態に係る光学的情報記録媒体を示す外観・断面図
【図9】本発明の実施の形態に係る第1の光学測定方法の手順を示す概略図
【図10】本発明の実施の形態に係る第2の光学測定方法の手順を示す概略図
【図11】本発明の実施の形態に係る別の光学測定方法の手順を示す概略図
【符号の説明】
1 光ディスク
2 第1の情報層
3 第2の情報層
4、5 基板
6 中間層
7 対物レンズ
8 レーザ光
9 第1の誘電体層
10 第2の誘電体層
11 記録層
12 反射層
13 第3の誘電体層

Claims (14)

  1. レーザ光入射側から順に、第1情報層、第2情報層を有する光学的情報記録媒体における、前記第1情報層での光学的に検知しうる2つの状態間の透過率変化を測定する光学測定方法であって、
    前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層によって反射された後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度Saを測定するステップと、
    前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層によって反射された後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度Sbを測定するステップと、
    前記レーザ光の強度Sbを測定する際に、前記第1情報層での前記レーザ光が透過する面積に占める記録マーク部の面積の割合をαとしたとき、前記第1情報層の透過率比(Tc−Ta)/Tcを、
    Figure 0004084160
    から得るステップと、を備えた、光学測定方法。
  2. レーザ光入射側から順に、第1情報層、第2情報層を有する光学的情報記録媒体における、前記第1情報層での光学的に検知しうる2つの状態間の透過率変化を測定する光学測定方法であって、
    前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層に記録された情報信号によって変調を受けた後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅A1を測定するステップと、
    前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層に記録された情報信号によって変調を受けた後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅A2を測定するステップと、
    前記レーザ光の変調振幅A2を測定する際に、前記第1情報層での前記レーザ光が透過する面積に占める記録マーク部の面積の割合をαとしたとき、前記第1情報層の透過率比(Tc−Ta)/Tcを、
    Figure 0004084160
    から得るステップと、を備えた、光学測定方法。
  3. 前記レーザ光の変調振幅A を測定するステップの代わりに、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A′を測定するステップと
    前記レーザ光の変調振幅A を測定するステップの代わりに、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A′を測定するステップと、を備えた請求項2記載の光学測定方法。
  4. 前記レーザ光の強度又は前記レーザ光の変調振幅又は前記零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異′を測定するときは、前記第1情報層の記録層は、アモルファス状態の多数の記録マークとその周辺の結晶部とからなる状態である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学測定方法。
  5. 前記レーザ光の強度又は前記レーザ光の変調振幅又は前記零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異′を測定するときは、前記第1情報層の記録層は、結晶状態の多数の記録マークとその周辺のアモルファス部とからなる状態である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学測定方法。
  6. 前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記レーザ光が前記第2情報層の所定トラッ クに照射されることで前記レーザ光の強度Saが測定される場合、
    前記レーザ光の強度Sbを測定するステップにおいて、前記レーザ光を前記第2情報層の前記所定トラックに照射する請求項1記載の、光学測定方法。
  7. 前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記情報信号が前記レーザ光を前記第2情報層の所定トラックに照射することで記録される場合、
    前記レーザ光の変調振幅A2を測定するステップにおいて、前記レーザ光を前記第2情報層の前記所定トラックに照射する請求項2記載の、光学測定方法。
  8. レーザ光入射側から順に、第1情報層、第2情報層を有する光学的情報記録媒体における、前記第1情報層での光学的に検知しうる2つの状態間の透過率変化を測定する光学測定装置であって、
    前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層によって反射された後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度Saを測定する手段と、
    前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層によって反射された後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度Sbを測定する手段と、
    前記レーザ光の強度Sbを測定する際に、前記第1情報層での前記レーザ光が透過する面積に占める記録マーク部の面積の割合をαとしたとき、前記第1情報層の透過率比(Tc−Ta)/Tcを、
    Figure 0004084160
    から得る手段と、を備えた、光学測定装置。
  9. レーザ光入射側から順に、第1情報層、第2情報層を有する光学的情報記録媒体における、前記第1情報層での光学的に検知しうる2つの状態間の透過率変化を測定する光学測定装置であって、
    前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層に記録された情報信号によって変調を受けた後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅A1を測定する手段と、
    前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が記録状態であるときに、前記第1情報層を透過し、前記第2情報層に記録された情報信号によって変調を受けた後、前記第1情報層を再び透過して、前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅A2を測定する手段と、
    前記レーザ光の変調振幅A2を測定する際に、前記第1情報層での前記レーザ光が透過する面積に占める記録マーク部の面積の割合をαとしたとき、前記第1情報層の透過率比(Tc−Ta)/Tcを、
    Figure 0004084160
    から得る手段と、を備えた、光学測定装置。
  10. 前記レーザ光の変調振幅A を測定する手段の代わりに、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A ′を測定する手段と、
    前記レーザ光の変調振幅A を測定する手段の代わりに、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A ′を測定する手段と、を備えた請求項9記載の、光学測定装置。
  11. 前記レーザ光の強度S 又は前記レーザ光の変調振幅A 又は前記零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A ′を測定するときは、前記第1情報層の記録層は、アモルファス状態の多数の記録マークとその周辺の結晶部とからなる状態である請求項8〜10のいずれか1項に記載の、光学測定装置。
  12. 前記レーザ光の強度S 又は前記レーザ光の変調振幅A 又は前記零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A ′を測定するときは、前記第1情報層の記録層は、結晶状態の多数の記録マークとその周辺のアモルファス部とからなる状態である請求項8〜10のいずれか1項に記載の、光学測定装置。
  13. 前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記レーザ光が前記第2情報層の所定トラックに照射されることで前記レーザ光の強度Saが測定される場合、
    前記レーザ光の強度Sbを測定する手段において、前記レーザ光を前記第2情報層の前記所定トラックに照射する請求項8記載の、光学測定装置。
  14. 前記第1情報層における記録層の少なくとも前記レーザ光が透過する領域における状態が未記録状態であるときに、前記情報信号が前記レーザ光を前記第2情報層の所定トラックに照射することで記録される場合、
    前記レーザ光の変調振幅A2を測定する手段において、前記レーザ光を前記第2情報層の前記所定トラックに照射する請求項9記載の、光学測定装置。
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