JP2005339801A - 光学的情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 2層の情報層2,3を有し、レーザ光が情報層2,3のいずれかに集束して照射されることによって情報信号が記録再生される光学的情報記録媒体であって、レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層3よりも手前に位置する情報層2が、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有し、前記記録層が状態aの場合の前記手前に位置する情報層2の透過率をTc、状態bの場合の透過率をTaとするとき、
0≦|Tc-Ta|/Tc≦0.1
とする。これによって、手前の情報層の記録・未記録にかかわらず奥の情報層に情報を正確に記録再生することができる。
【選択図】 図1
Description
前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層が、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有し、
前記記録層が状態aの場合の前記手前に位置する情報層の透過率をTc、状態bの場合の透過率をTaとするとき、
(数1)
0≦|Tc-Ta|/Tc≦0.1
となる構成を有する光学的情報記録媒体である。
前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する複数の情報層がそれぞれ、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有し、
前記複数の情報層が有する各記録層がいずれも状態aの場合の、前記複数の情報層の合成透過率をTc、
前記複数の情報層の合成透過率が最小となる、前記各記録層の状態の組み合わせの場合の、その合成透過率をTmin、
前記複数の情報層の合成透過率が最大となる、前記各記録層の状態の組み合わせの場合の、その合成透過率をTmaxとするとき、
(数2)
0≦|Tc-Tmin|/Tc≦0.1 且つ 0≦|Tc-Tmax|/Tc≦0.1
となる構成を有する光学的情報記録媒体である。
(数3)
(Ta+Tc)/2≧0.4
となる構成を有する上記第1の本発明の光学的情報記録媒体である。
前記記録層が状態aの場合の前記手前に位置する情報層の反射率をRc[%]、状態bの場合の反射率をRa[%]とするとき、
(数4)
Ac<Aa かつ Rc>Ra、あるいは、
Ac>Aa かつ Rc<Ra
となる構成を有する上記第1又は第3の本発明の光学的情報記録媒体である。
前記各層は入射側から前記第1の誘電体層、前記相変化記録層、前記第2の誘電体層、前記金属反射層の順序で配置されている上記第3の本発明の光学的情報記録媒体である。
前記金属反射層がAg、もしくはAgを主成分とする合金からなり、
前記相変化記録層の厚さをta[nm]、前記金属反射層の厚さをtb[nm]とすると、
(数5)
tb≦18 のとき ta≦12
18<tb≦22 のとき ta≦10
22<tb≦30 のとき ta≦32−tb
となる構成を有する上記第5の本発明の光学的情報記録媒体である。
前記各層は入射側から前記第1の誘電体層、前記相変化記録層、前記第2の誘電体層、前記金属反射層、前記第3の誘電体層の順序で配置されている上記第3の本発明の光学的情報記録媒体である。
前記金属反射層が少なくともAg、もしくはAgを主成分とする合金からなり、
前記相変化記録層の厚さをta[nm]、前記金属反射層の厚さをtb[nm]とするとき、
(数6)
tb≦18 のとき ta≦12
16<tb≦18 のとき ta≦38−tb
18<tb≦20 のとき ta≦10
20<tb≦24 のとき ta≦30−tb
24<tb≦26 のとき ta≦28−tb
となる構成を有する上記第7の本発明の光学的情報記録媒体である。
前記記録層が結晶の場合の前記情報層の反射率をRc[%]、アモルファスの場合の反射率をRa[%]とするとき、
(数7)
Ac<Aa かつ Rc>Ra、あるいは、
Ac>Aa かつ Rc<Ra
となる構成を有する上記第5〜8のいずれかの本発明の光学的情報記録媒体である。
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域が状態aであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層によって反射された後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSaとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域の一部又は全部が状態bであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層によって反射された後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSbとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記SaとSbを基に前記手前に位置する情報層の透過率変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最小となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合aとし、
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最大となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合bとし、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる各記録層の状態の組み合わせが前記場合aであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、その透過した情報層より奥にある所定の情報層によって反射された後前記手前に位置する複数の情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSaとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる記録層の状態の組み合わせが前記状態bであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、前記最も遠い情報層によって反射された後前記手前に位置する複数の情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSbとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記SaとSbを基に前記手前に位置する複数の情報層の透過率変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域が状態aであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層によって反射された後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSaとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域の一部又は全部が状態bであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層によって反射された後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSbとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記SaとSbを基に前記レーザ光の強度変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最小となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合aとし、
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最大となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合bとし、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる各記録層の状態の組み合わせが前記場合aであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、その透過した情報層より奥にある所定の情報層によって反射された後前記手前に位置する複数の情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSaとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる記録層の状態の組み合わせが前記状態bであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、前記最も遠い情報層によって反射された後前記手前に位置する複数の情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の強度をSbとして前記光検出器によって測定するステップと、
前記SaとSbを基に前記レーザ光の強度変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域が状態aであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA1として、前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域の一部又は全部が状態bであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA2として前記光検出器によって測定するステップと、
前記A1とA2を基に前記手前に位置する情報層の透過率変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最小となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合aとし、
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最大となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合bとし、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる各記録層の状態の組み合わせが状態aであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、その透過した情報層より奥にある所定の情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する複数の情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA1として、前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる各記録層の状態の組み合わせが状態bであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、前記最も遠い情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA2として前記光検出器によって測定するステップと、
前記A1とA2を基に前記手前に位置する情報層の透過率変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域が状態aであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA1として、前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する情報層に含まれる記録層の、前記レーザ光が透過する領域の一部又は全部が状態bであるときに、前記手前に位置する情報層を透過し、前記最も遠い情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA2として前記光検出器によって測定するステップと、
前記A1とA2を基に前記レーザ光の変調振幅の変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最小となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合aとし、
前記手前に位置する複数の情報層の合成透過率が最大となる、前記記録層の状態の組み合わせの場合を場合bとし、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる各記録層の状態の組み合わせが状態aであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、その透過した情報層より奥にある所定の情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する複数の情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA1として、前記光検出器によって測定するステップと、
前記手前に位置する複数の情報層に含まれる各記録層の状態の組み合わせが状態bであるときに、前記手前に位置する複数の情報層を透過し、前記最も遠い情報層に記録された前記情報信号によって変調を受けた後前記手前に位置する情報層を再び透過して前記光学的情報記録媒体から出た前記レーザ光の変調振幅をA2として前記光検出器によって測定するステップと、
前記A1とA2を基に前記レーザ光の変調振幅の変化を導出するステップとを備えた光学測定方法である。
前記レーザ光の変調振幅A2の代わりに、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A2'を測定し、
前記A1とA2とに基づいて、前記レーザ光の変調振幅の変化を導出するステップの代わりに、前記A1'とA2'とに基づいて、前記レーザ光の振幅変調の上側エンベロープとの変化を導出するステップを備えた、上記第16又は第17発明の光学測定方法である。
(数8)
0≦|1+(Sb/Sa)1/2|≦0.1α
となる構成を有する光学的情報記録媒体である。
(数9)
0≦|1-(A2/A1)1/2|≦0.1α
となる構成を有する光学的情報記録媒体である。
前記光学的情報記録媒体の片側の面から2つ以上の情報層のうちの一つに前記レーザ光を照射することにより、情報信号を記録または再生する光学的情報記録再生方法である。
図1および図2は本発明の第1の実施の形態に係る光学的情報記録媒体の概略図である。
(数10)
Pps=Ppth×1.2
と定義して求めた。
変動率=(A1-A2)/A1
同時に、再生信号のエラーレートを測定した。
またディスク(1)〜(4)では、エンベロープの変動率が5%以下と良好だったのに対し、ディスク(5),(6)の変動率は大きかった。
図中の○印は、該当する膜厚ta、tbで、平均透過率が40%以上になり、透過率比の絶対値を10%以下に小さくできることを示している。なお、×印は、t1,t2をどのように選んでも、平均透過率が40%以上になり、透過率比の絶対値を10%以下に小さくできる可能性が無いことを示す。つまり、図4(a),(b)の平均透過率が40〜50%で且つ、透過率比が−10〜+10%であるエリアが全くないということを示す。
ここでは、各記録層・反射層のすべての組み合わせに対して図4(a)および図4(b)と同様の計算を行い、誘電体層の膜厚を変化させて平均透過率と透過率比が両立できる点が存在すれば、条件を満たす第1の情報層2が構成可能であるとしている。
(数12)
tb≦18 のとき ta≦12
18<tb≦22 のとき ta≦10
22<tb≦30 のとき ta≦32−tb
また表3は、記録層と反射層が共に薄い構成の場合に上記の平均透過率と透過率比をみたす構成が得られることを示している。これは、第1の情報層2で光学的吸収を有する層が主として記録層と反射層であることを意味する。さらに、光源側から見て記録層の方が反射層よりも手前にあることから、記録層の吸収率の方が反射層の吸収率よりも大きく、記録層の膜厚を厚くすることの方が反射層の膜厚を厚くすることよりも透過率に影響を与えやすいこともいえる。
(数13)
na+ka<nc+kc
の場合には、記録膜の吸収率をAa>Acとし、反射率をRa<Rcとすると、TcとTaがほぼ等しくする構成が得やすい。
逆に、
(数14)
na+ka>nc+kc
の場合には、記録膜の吸収率をAa<Acとし、反射率をRa>Rcとすると、TcとTaがほぼ等しくする構成が得やすい傾向がある。
なお、段落番号0067に記載した本実施の形態の記録層ではna+ka<nc+kcの関係にあるので、記録膜の吸収率をAa>Acとし、反射率をRa<Rcとすると、TcとTaがほぼ等しくする構成が得やすいことになる。
図5は、図2でレーザ光の入射側から見て手前の情報層となる、第1の情報層3の構成の一例を示す断面図である。第1の実施の形態と異なるのは、反射層12の上に第3の誘電体層13を設けている点である。図6は、記録層の厚さを10nm、反射層の厚さを10nm、第3の誘電体層の厚さを10nmとし、第1の誘電体層と第2の誘電体層の膜厚を変化させたときの平均透過率(Ta+Tc)/2と透過率比(Tc-Ta)/Tcの変化をプロットした図である。図6と図4を比較すると、記録層と反射層の厚さが同じにもかかわらず、第3の誘電体層を設けることによって、透過率比(Tc-Ta)/Tcの絶対値が10%以下になる領域が増加している。また、第3の誘電体層の厚さを適当に選べば、平均透過率を向上させることも可能である。このように、第1の情報層2の構成の自由度を上げる役割を有する。
(数15)
tb≦18 のとき tb≦12
16<ta≦18 のとき ta≦38−ta
18<ta≦20 のとき ta≦10
20<ta≦24 のとき ta≦30−ta
24<ta≦26 のとき ta≦28−ta
また表6〜表9からわかるように、記録層と反射層が共に薄い構成の場合に上記の平均透過率と透過率比をみたす構成が得られている。これは、第1の情報層2で光学的吸収を有する層が主として記録層と反射層であることを意味する。
まず図9(a)上段のように、第1の情報層になにも記録されていない状態でレーザ光が第2の情報層に焦点を合わせて照射される。このときの照射位置は例えば1回転毎に元の位置に戻る、いわゆるスチル状態にしておいて測定位置を特定出来るようにしておくと、次のステップで測定した結果との比較が容易でより好ましい。反射光量は信号再生用のフォトディテクタなどで電流や電圧に変換され、図9(a)下段の様にほぼ直流の再生波形として観測される。実際の波形は光ディスクの反射率等の様々なばらつきのため、ある程度凸凹が見られるが、時間平均を取れば直流波形と見て差し支えない。同図の縦軸の零レベルは、レーザ光の光路上から光ディスクが取り外されたときのフォトディテクタの出力値を示してある。よって、図に示したレベルSaが第1の情報層になにも記録されていない状態での反射光量を示す。
次に、図9(b)上段に示すように、ステップ1でSaを測定した位置の真下に位置する第1の情報層にランダム信号もしくはモノトーン信号を記録していく。記録する範囲は、レーザ光を第2の情報層に焦点を合わせたときに、そのレーザ光が第1の情報層を通過する領域を全て含む様に指定する。レーザ光の波長405nm、対物レンズNA0.85、中間層の厚み30um、中間層の屈折率1.60とすると、第1の情報層におけるレーザ光の直径は約37.6umになり、これに第1と第2の層の間の偏心を考慮すると、200um程度の範囲にわたって記録すればよい。
最後に、図9(c)上段のように、ランダム信号もしくはモノトーン信号が記録された第1の情報層を通してレーザ光が第2の情報層に焦点を合わせて照射される。このときの照射位置はステップ1で測定したトラックに一致させるのが測定精度が高くなるのでより好ましい。反射光量は図9(c)下段の様にほぼ直流の再生波形として観測される。図に示したレベルSbが第1の情報層が記録済みの状態での反射光量を示す。この図では、第1の情報層において記録済みの状態の方が未記録の状態よりも透過率が低くなる場合を示している。
SaとSbより、第1の情報層が未記録の状態と記録済みの状態との間で透過率の変化を次の計算で得ることが出来る。すなわち、レーザ光が第2の情報層に焦点を結んでいるときの第1の情報層上レーザ光の断面において、記録マークがレーザ光断面全てに対して占める面積の割合をαとすると、記録済みの第1の情報層の等価的な透過率Ta’は
(数16)
Ta’=(1−α)Tc+αTa=Tc−α(Tc−Ta)
となる。未記録の第1の情報層の透過率はTcのままであり、かつ、Sa及びSbの測定ではレーザ光は第1の情報層を2回透過するから、次の式が成り立つ。
(数17)
Sb/Sa=(Ta’/Tc)2
これら2つの式より前述の透過率比は、
(数18)
(Tc−Ta)/Tc=(1−(Sb/Sa)1/2)/α … 式(1)
から得ることが出来る。αは記録パワー等記録条件によって変化するが、通常略0.25の値をとる。
まず図10(a)上段のように、第1の情報層になにも記録されていない状態でレーザ光が第2の情報層に焦点を合わせて照射され、ランダムもしくはモノトーン信号が第2の情報層の所定トラックに記録される。次にそのトラックに記録された信号は再生レベルのレーザ光で照射され、フォトディテクタなどで電流や電圧に変換され、図10(a)下段の様に一定の振幅を有したエンベロープ波形として観測される。図に示した振幅A1が第1の情報層になにも記録されていない状態での再生信号振幅を示す。
次に、図10(b)上段に示すように、ステップ1でA1を測定した位置の真下に位置する第1の情報層にランダム信号もしくはモノトーン信号を記録していく。記録する範囲は第1の光学測定方法と同じである。
最後に、図10(c)上段のように、ランダム信号が記録された第1の情報層を通してレーザ光が第2の情報層に焦点を合わせて照射される。このときの照射位置はステップ1で測定したトラックに一致させる。再生信号は図10(c)下段の様に一定の振幅を有したエンベロープ波形として観測される。図に示した振幅A2が第1の情報層が記録済みの状態での再生振幅を示す。この図においても、第1の情報層において記録済みの状態の方が未記録の状態よりも透過率が低くなる場合を示している。
第1の光学測定方法で示した計算でSaをA1に、SbをA2に置き換えることにより、第1の情報層が未記録の状態と記録済みの状態との間で透過率比(Tc−Ta)/Tcを得ることが出来る。
なお、本発明の第2の光学測定方法に関しては、図11に示すように、零レベルと変調振幅の上側エンベロープとの差異A1'とA2'を測定し、第1の光学測定方法で示した計算でSaをA1'に、SbをA2'に置き換えることにより、第1の情報層が未記録の状態と記録済みの状態との間で透過率比(|Tc-Ta|/Tc)を得ることも出来る。
(数19)
0≦|1-(Sb/Sa)1/2|≦0.1α
を満たせばよいことになる。もしくは、第2の光学測定方法から得られるA1及びA2が、
(数20)
0≦|1-(A2/A1)1/2|≦0.1α
を満たせばよい。
すなわち、この合成透過率は各情報層の透過率の積となる。各層の記録・未記録状態の組み合わせにより合成透過率が最小となる場合(この透過率をTminとする)と、最大になる場合(この透過率をTmaxとする)が存在することになる。情報層が2層の場合と同様にして、これら複数の情報層より奥の情報層に到達するレーザ光の光量変化を小さくするためには、
(数21)
0≦|Tc-Tmin|/Tc≦0.1 且つ 0≦|Tc-Tmax|/Tc≦0.1
となるように構成すればよい。
ここでTcは、複数の情報層が全て未記録状態のときの合成透過率である。
ただしこの場合、手前に位置するすべての情報層について40%以上の平均透過率が得られない可能性があるので、十分な信号品質を得るためには再生回路のS/Nを向上させる必要がある。
(またはA2、A2')をもとにしてステップ4で透過率比を導出するものとしたが、これらの測定した信号の変化を導出する方法とすれば、透過率比を求めることなく、手前に位置する情報層の透過率変化の良否を容易に判定することができる。
(Sa−Sb)/Saまたは(A1−A2)/A1または(A1'−A2')/A1'を定義する。こうしたパラメータを導出することにより、透過率比(Tc−Ta)/Tcを求めることなしに、手前に位置する情報層の、最も遠い情報層の再生信号品質に与える影響の大小を見積もることができ、手前に位置する情報層の透過率変化の良否を容易に判定することが可能となる。
2 第1の情報層
3 第2の情報層
4、5 基板
6 中間層
7 対物レンズ
8 レーザ光
9 第1の誘電体層
10 第2の誘電体層
11 記録層
12 反射層
13 第3の誘電体層
Claims (9)
- 2層の情報層を有し、レーザ光が前記情報層のいずれかに集束して照射されることによって情報信号が記録再生される光学的情報記録媒体であって、
前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層が、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有し、
前記記録層が状態aの場合の前記手前に位置する情報層の透過率をTc、状態bの場合の透過率をTaとするとき、
(数1)
0≦|Tc-Ta|/Tc≦0.1
となる構成を有する光学的情報記録媒体。 - 3層以上の情報層を有し、レーザ光が前記情報層のいずれかに集束して照射されることによって情報信号が記録再生される光学的情報記録媒体であって、
前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する複数の情報層がそれぞれ、光学的に検知しうる2つの状態間で変化する記録層を有し、
前記複数の情報層が有する各記録層がいずれも状態aの場合の、前記複数の情報層の合成透過率をTc、
前記複数の情報層の合成透過率が最小となる、前記各記録層の状態の組み合わせの場合の、その合成透過率をTmin、
前記複数の情報層の合成透過率が最大となる、前記各記録層の状態の組み合わせの場合の、その合成透過率をTmaxとするとき、
(数2)
0≦|Tc-Tmin|/Tc≦0.1 且つ 0≦|Tc-Tmax|/Tc≦0.1
となる構成を有する光学的情報記録媒体。 - さらに、
(数3)
(Ta+Tc)/2≧0.4
となる構成を有する請求項1に記載の光学的情報記録媒体。 - 前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層の有する前記記録層が状態aの場合の前記記録層の吸収率をAc[%]、状態bの場合の吸収率をAa[%]とし、
前記記録層が状態aの場合の前記手前に位置する情報層の反射率をRc[%]、状態bの場合の反射率をRa[%]とするとき、
(数4)
Ac<Aa かつ Rc>Ra、あるいは、
Ac>Aa かつ Rc<Ra
となる構成を有する請求項1又は3に記載の光学的情報記録媒体。 - 前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層が、少なくとも第1の誘電体層、相変化記録層、第2の誘電体層、金属反射層を有し、
前記各層は入射側から前記第1の誘電体層、前記相変化記録層、前記第2の誘電体層、前記金属反射層の順序で配置されている請求項3に記載の光学的情報記録媒体。 - 前記レーザ光の波長を390nm〜430nmの範囲とし、
前記金属反射層がAg、もしくはAgを主成分とする合金からなり、
前記相変化記録層の厚さをta[nm]、前記金属反射層の厚さをtb[nm]とすると、
(数5)
tb≦18 のとき ta≦12
18<tb≦22 のとき ta≦10
22<tb≦30 のとき ta≦32−tb
となる構成を有する請求項5に記載の光学的情報記録媒体。 - 前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層が、少なくとも第1の誘電体層、相変化記録層、第2の誘電体層、金属反射層、第3の誘電体層を有し、
前記各層は入射側から前記第1の誘電体層、前記相変化記録層、前記第2の誘電体層、前記金属反射層、前記第3の誘電体層の順序で配置されている請求項3に記載の光学的情報記録媒体。 - 前記レーザ光の波長を390nm〜430nmの範囲とし、
前記金属反射層が少なくともAg、もしくはAgを主成分とする合金からなり、
前記相変化記録層の厚さをta[nm]、前記金属反射層の厚さをtb[nm]とするとき、
(数6)
tb≦18 のとき ta≦12
16<tb≦18 のとき ta≦38−tb
18<tb≦20 のとき ta≦10
20<tb≦24 のとき ta≦30−tb
24<tb≦26 のとき ta≦28−tb
となる構成を有する請求項7に記載の光学的情報記録媒体。 - 前記レーザ光の入射側から見て最も遠い情報層よりも手前に位置する情報層の有する前記記録層が結晶の場合の前記相変化記録層の吸収率をAc[%]、アモルファスの場合の吸収率をAa[%]とし、
前記記録層が結晶の場合の前記情報層の反射率をRc[%]、アモルファスの場合の反射率をRa[%]とするとき、
(数7)
Ac<Aa かつ Rc>Ra、あるいは、
Ac>Aa かつ Rc<Ra
となる構成を有する請求項5〜8のいずれかに記載の光学的情報記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005246618A JP2005339801A (ja) | 2001-10-12 | 2005-08-26 | 光学的情報記録媒体 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP2001314827 | 2001-10-12 | ||
JP2002067695 | 2002-03-12 | ||
JP2005246618A JP2005339801A (ja) | 2001-10-12 | 2005-08-26 | 光学的情報記録媒体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002298002A Division JP4084160B2 (ja) | 2001-10-12 | 2002-10-10 | 光学測定方法及び光学測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005339801A true JP2005339801A (ja) | 2005-12-08 |
Family
ID=35493147
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005246618A Pending JP2005339801A (ja) | 2001-10-12 | 2005-08-26 | 光学的情報記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005339801A (ja) |
-
2005
- 2005-08-26 JP JP2005246618A patent/JP2005339801A/ja active Pending
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