以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。
〔実施例1〕
(情報記録媒体の構成、製法)
本発明は、図1に示したようにレイヤー0からレイヤーn−1までn層(nは2以上の整数)からなる複数のレイヤーを持つ多層情報記録媒体及びその記録方法及び再生方法に関する。記録及び再生に用いる光はレイヤー番号の小さな方向、すなわちレイヤー0側から入射される。
図2は、nが2の場合における本発明の第1実施例のディスク状情報記録媒体の断面構造を示す模式図である。この媒体は次のようにして製作した。まず、直径12cm、厚さ0.6mmで表面にトラッキング用の溝を有するポリカーボネイト基板11上に、膜厚約100nmの(ZnS)80(SiO2)20膜と膜厚約5nmのCr40O57N3膜を積層してなるL0下部保護層12、膜厚約6nmのGe5Sb2Te8からなるL0記録膜13、膜厚約5nmのCr2O3膜と膜厚約95nmの(ZnS)80(SiO2)20膜を積層してなるL0上部保護層14を順次形成した。積層膜の形成はマグネトロン・スパッタリング
装置により行った。こうして第1のディスク部材を得た。
他方、同様のスパッタリング方法により、第1のディスク部材と異なる構成を持つ第2のディスク部材を得た。第2のディスク部材は、ポリカーボネイト保護基板20上に、膜厚約80nmのAg98Pd1Cu1膜からなるL1反射層19、膜厚約80nmの(ZnS)80(SiO2)20膜と膜厚約5nmのCr2O3を積層してなるL1上部保護層18、膜厚約18nmのGe5Sb2Te8L1記録膜17、膜厚約5nmのCr40O57N3膜と膜厚約80nmの(ZnS)80(SiO2)20膜を積層してなるL1下部保護層16を順次形成したものである。
その後、前記第1のディスク部材と第2のディスク部材をそれぞれのL0上部保護層14とL1下部保護層16をスペーサ層15を介して貼り合わせ、図2に示す2層情報記録媒体(ディスクA)を得た。基板11上には、溝深さ42nm、溝幅0.38μmの凹凸が形成されており、保護基板20上には、溝深さ42nm、溝幅0.36μm、の凹凸が形成されている。各情報面は光入射側の構成膜(L0下部保護層12からL0上部保護層14まで)をL0構成膜、光入射側から遠い方の構成膜(L1下部保護層16からL1反射層19まで)をL1構成膜とした。
溝深さ、溝幅は、図3に示したように定義される。図3において、21は基板、22はレイヤー0、23はレイヤー0とレイヤー1間のスペーサ層、24はレイヤー1、25は保護基板である。L0の溝深さは、L0の基板表面の凹凸の高さ(D0)、L1の溝深さは、スペーサ層表面の凹凸の高さ(D1)である。L0の溝幅は、溝深さD0の半分の高さで凹凸を横切った場合の幅(W0)、L1の溝幅は、溝深さD1の半分の高さで凹凸を横切った場合の幅(W1)である。ランド部とグルーブ部の溝幅が異なるときは、両者の平均値とする。
上記基板の凹凸は次のようにして作製される。図4に示されるように、工程1でガラス板333上にフォトレジスト332を塗布し、工程2でレーザ光331を照射する。この際にレーザ光の強度や照射面積を制御することにより、凹凸の形状を変えることができる。溝の幅を広くするためには、照射面積を広くする必要がある。また、トラックピッチを広くするには照射のピッチを広くする必要がある。溝を蛇行させるには、レーザ光を蛇行させながら照射する必要がある。溝深さはフォトレジスト332の厚さで制御できる。溝深さを大きくするには、フォトレジストを厚くする必要がある。次に工程3で現像し、原盤335が出来あがる。
次に、図5に示されるように、工程4では原盤335にニッケルメッキによりニッケルスタンパ336を作製する。続いて、このニッケルスタンパ336を設置した金型内に高温融解させたプラスチック基板材料(例えばポリカーボネートなど)を高圧で注入した後に冷却し、ニッケルスタンパ336から剥離して基板337取り出すと、表面に凹凸パターンが複製されたプラスチック基板が完成する。この際のインジェクションの温度条件を変えると溝の肩の形状が変化する。この手法は現在のCD−Audio、CD−R、CD−ROMをはじめDVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、MOなどのプラスチック基板作製における一般的な手法(射出成形法)である。
(初期結晶化)
前記のようにして製作したディスクAのL0記録膜13及びL1記録膜17を次のようにして初期結晶化を行った。なお、以下ではL0記録膜13、L1記録膜17についてのみ説明するが、この他の多層媒体の記録膜についても全く同様である。
媒体(ディスクA)を記録トラック上の点の線速度が5m/sであるように回転させ、波長約810nmの半導体レーザのレーザパワーを300mWにしてL1の記録膜にフォーカスした後、レーザパワーを700mWにして、基板1及びL0構成膜、スペーサー層を通してL1記録膜17に媒体の半径方向に長い長円形のスポット形状で照射した。スポットの移動は、媒体の1回転につき媒体の半径方向のスポット長の1/24ずつずらした。こうして、L1記録膜全面の初期結晶化を行った。この初期結晶化は1回でもよいが3回繰り返すと初期結晶化によるノイズ上昇を少し低減できた。この初期結晶化は高速で行える利点がある。
次に、波長約810nmの半導体レーザのレーザパワーを300mWにしてレーザのフォーカス位置を変えてL0の記録膜にフォーカスした後、レーザパワーを700mWにして、基板1を通してL0記録膜13に媒体の半径方向に長い長円形のスポット形状で照射した。スポットの移動は、媒体の1回転につき媒体の半径方向のスポット長の1/24ずつずらした。こうして、L0記録面全面の初期結晶化を行った。この初期結晶化は1回でもよいが3回繰り返すと初期結晶化によるノイズ上昇を少し低減できた。この初期結晶化は高速で行える利点がある。
初期化の順序はL1記録膜から行ってもL0記録膜から行っても、また3層以上の多層情報記録媒体においてはランダムに行っても良い。
(記録・消去・再生)
前記のようにして製作し、初期結晶化を行った媒体について、次ぎのように記録・消去・再生特定の評価を行った。なお、以下ではL1記録膜17についてのみ説明するが、L0記録膜13についても全く同様であり、また、3層以上の多層情報記録媒体におけるそれぞれの情報面の記録膜についても同様である。
初期結晶化が完了した記録膜17の記録領域にトラッキングと自動焦点合わせを行いながら、記録用レーザ光のパワーを中間パワーレベルPe(3mW)と高パワーレベルPh(7mW)との間で変化させて情報の記録を行った。記録トラックの線速度は9m/s、半導体レーザ波長は405nm、レンズの開口数(NA)は0.65である。記録用レーザ光により記録領域に形成される非晶質又はそれに近い部分が記録点となる。この媒体の反射率は結晶状態の方が高く、記録され非晶質状態になった領域の反射率の方が低くなっている。
記録用レーザ光の高レベルと中間レベルのパワー比は1:0.3〜1:0.7の範囲が好ましい。また、この他に短時間ずつ他のパワーレベルにしてもよい。図6に示したように、1つの記録マークの形成中にウインドウ幅の半分(Tw/2)ずつ中間パワーレベルPeより低いボトムパワーレベルPbまでパワーを繰り返し下げ、かつクーリングパワーレベルPcを記録パルスの最後に持つ波形を生成する手段を持った装置で記録・再生を行うと、再生信号波形のジッター値及びエラーレートが低減した。クーリングパワーレベルPcは中間パワーレベルPeより低く、ボトムパワーレベルPbより高いか同じレベルである。この波形は、第1パルス幅Tpが記録マークとそのマークの直前に設けられたスペースの長さの組み合わせによって変化する特徴とクーリングパルス幅Tc(記録パルスの最後にPcレベルまで下げる時間幅)が記録マークとそのマークの後続スペース長の組み合わせにより決まる特徴を持つ。マーク直前のスペース長が短く、マークが長いほどTpは短くなり、マーク直前のスペース長が長く、マークが短いほどTpは長くなる。ただし、媒体の構造によっては6Twマークの記録用記録波形のTpを特に長くした場合、ジッター低減効果が大きかった。また、後続のスペース長が長く、マークが長いほど、Tcは短くなり、後続のスペース長が短く、マークが短いほど、Tcは長くなる。
図6には3Tw,4Tw,6Tw,11Twの記録波形しか示していないが、5Twは6Twの記録波形の一連の高いパワーレベルのパルス列のうち、Tw/2の高いパワーレベルPhと直後のTw/2のボトムパワーレベルPbをそれぞれ一つずつ削減したものである。また、7Tw〜10Tw用記録波形は6Tw用記録波形の最後尾の高いパワーレベルのパルスの直前に、Tw/2の高いパワーレベルPhとTw/2のボトムパワーレベルPbを、それぞれ1組ずつ追加したものである。したがって、5組追加したものが11Twである。
ここでは、3Twに対応する最短記録マーク長を0.26μmとした。記録すべき部分を通り過ぎると、レーザ光パワーを再生(読み出し)用レーザ光の低パワーレベルPr(1mW)に下げるようにした。
このような記録方法では、既に情報が記録されている部分に対して消去することなく、重ね書きによって新たな情報を記録すれば、新たな情報に書き換えられる。すなわち、単一のほぼ円形の光スポットによるオーバーライトが可能である。
しかし、書き換え時の最初のディスク1回転又は複数回転で、前記のパワー変調した記録用レーザ光の中間パワーレベル(3mW)又はそれに近いパワーの連続光を照射して、記録されている情報を一たん消去し、その後、次の1回転でボトムパワーレベル(0.5mW)と高パワーレベル(7mW)の間で、又は中間パワーレベル(3mW)と高パワーレベル(7mW)との間で、情報信号に従ってパワー変調したレーザ光を照射して記録するようにしてもよい。このように、情報を消去してから記録するようにすれば、前に書かれていた情報の消え残りが少ない。従って、線速度を2倍に上げた場合の書き換えも、容易になる。
(下部保護層)
本実施例では、L1下部保護層16及びL0下部保護層12を(ZnS)80(SiO2)20とCr40O57N3層の2層構造としている。2層構造をとる下部保護層12、16の(ZnS)80(SiO2)20に代わる材料としては、ZnSとSiO2の混合比を変えたものが好ましい。また、ZnS,Si−N系材料、Si−O−N系材料、SiO2,SiO,TiO2,Al2O3,Y2O3,CeO2,La2O3,In2O3,GeO,GeO2,PbO,SnO,SnO2,BeO,Bi2O3,TeO2,WO2,WO3,Sc2O3,Ta2O5,ZrO2,Cu2O,MgOなどの酸化物、TaN,AlN,BN,Si3N4,GeN,Al−Si−N系材料(例えばAlSiN2)などの窒化物、ZnS,Sb2S3,CdS,In2S3,Ga2S3,GeS,SnS2,PbS,Bi2S3などの硫化物、SnSe2,Sb2Se3,CdSe,ZnSe,In2Se3,Ga2Se3,GeSe,GeSe2,SnSe,PbSe,Bi2Se3などのセレン化物、CeF3,MgF2,CaF2などの弗化物、あるいはSi,Ge,TiB2,B4C,B,C,又は、上記の材料に近い組成のものを用いてもよい。また、ZnS−SiO2,ZnS−Al2O3など、これらの混合材料の層やこれらの多重層でもよい。この中で、ZnSはスパッタレートが大きく、ZnSが60mol%以上を占めると成膜時間を短くできるため、これを60mol%以上含む混合物の場合、ZnSのスパッタレートが大きい点と酸化物や窒化物等の化学安定性の良い点が組み合わされる。この他の硫化物、セレン化物でもZnSに近い特性が得られた。
これら化合物における元素比は、例えば酸化物や硫化物における金属元素と酸素元素あるいは硫黄元素の比は、Al2O3,Y2O3,La2O3は2:3、SiO2,ZrO2,GeO2は1:2、Ta2O5は2:5、ZnSは1:1という比をとるかその比に近いことが好ましいが、その比から外れていても同様の効果は得られる。しかし、上記整数比から外れている場合、例えばAl−OはAlとOの比率がAl2O3からAl量で±10原子%以下、Si−OはSiとOの比率がSiO2からSi量で±10原子%以下等、金属元素量のずれが10原子%以下が好ましい。10原子%以上ずれると、光学特性が変化するため、変調度が10%以上低下した。
上記材料は、下部保護層全原子数の90%以上であることが好ましい。上記材料以外の不純物が10原子%以上になると、書き換え可能回数が1/2以下になる等、書き換え特性の劣化が見られた。
本実施例で用いた下部保護層の消衰係数kについては0又は0に近いことが好ましい。さらに、下部保護層材料の80%以上の膜厚において消衰係数kがk≦0.01であれば、コントラストの低下が2%以下に抑制でき好ましい。
下部保護層を2層以上にし、記録膜側の下部保護層材料をCr2O3又はCr40O57N3とすると、多数回書き換え時に記録膜へZn,Sの拡散を抑制でき、書き換え特性が良好であることがわかった。記録膜側の下部保護層材料のCr2O3に代わる材料としては、Cr2O3にSiO2,Ta2O5,Al2O3,ZrO2−Y2O3を混合した混合物が好ましい。次いで、CoO又はGeO2,NiO、これらとCr2O3の混合物が好ましい。これら酸化物は消衰係数kが小さく、下部界面層における吸収が非常に小さい。そのため、変調度が大きく保てるという利点がある。
また、Cr2O3又はCr40O57N3の一部をAl2O3又はAl40O57N3に変えると、記録膜以外での吸収が減り透過率が大きくできるため、L0層でC/Nが大きく出来て好ましい。Al2O3又はAl40O57N3の代りにSiO2又はSi33O63N4など、またこれらの窒素と酸素量の比が異なるものを用いても同様な特性が得られた。
また、AlN,BN,CrN,Cr2N,GeN,HfN,Si3N4,Al−Si−N系材料(例えばAlSiN2)、Si−N系材料、Si−O−N系材料、TaN,TiN,ZrN,などの窒化物は保存寿命が大きくなり、外界温度変化に強く、より好ましい。窒素が含まれた記録膜組成又はそれに近い組成の材料でも接着力が向上する。
その他、BeO,Bi2O3,CeO2,Cu2O,CuO,CdO,Dy2O3,FeO,Fe2O3,Fe3O4,GeO,GeO2,HfO2,In2O3,La2O3,MgO,MnO,MoO2,MoO3,NbO,NbO2,PbO,PdO,SnO,SnO2,Sc2O3,SrO,ThO2,TiO2,Ti2O3,TiO,TeO2,VO,V2O3,VO2,WO2,WO3などの酸化物、C,Cr3C2,Cr23C6,Cr7C3,Fe3C,Mo2C,WC,W2C,HfC,TaC,CaC2などの炭化物又は、上記の材料に近い組成のものを用いてもよいし、これらの混合材料でもよい。
下部保護層の記録膜側に酸化物又は窒化物の層を設けた場合は、Zn,S等の記録膜中への拡散が防止でき、消え残りが増加するのを抑制できる。さらに、記録感度を低下させないためには、25nm以下とすることが好ましく、10nm以下ではより好ましかった。均一な膜形成ができるのは約2nm以上であり、5nm以上がさらに良好であった。これより、記録膜側の下部保護層膜厚を2〜25nmとすると記録・再生特性がより良くなり、好ましい。下部保護層膜厚が30nm未満の場合、再結晶化のためにC/Nが低下した。また、下部保護層膜厚が10nm未満の場合、記録膜の保護効果がなくなるため、書き換え可能回数が1桁以上低下した。下部保護層と記載したものは、L0下部保護層、L1下部保護層、さらに多層の情報記録媒体の下部保護層を意味する。
(記録膜)
本実施例では、記録膜13、記録膜17をGe5Sb2Te8により形成している。本記録膜の再生波長における屈折率は、結晶状態が2.0、非晶質状態が2.6と、結晶状態の方が小さい。
Ge5Sb2Te8に代わる記録膜13,17の材料としては、Ag3Ge30Sb14Te53,Cr3Ge32Sb13Te52等、Ag−Ge−Sb−Te系、Cr−Ge−Sb−Te系材料で組成比の異なるものが変調度が大きくなり好ましい。記録膜13及び/又は記録膜17中のAg量やCr量が多いと短波長での反射率変化が大きくなるが、結晶化速度は遅くなる。従って、添加されるAg量又はCr量が2原子%以上、10原子%以下が好ましい。しかし、Agの添加されていないGe−Sb−Te系材料でもオーバーライトは可能である。Agの代わりに記録膜13,17へ添加する元素としては、Cr,W,Mo,Pt,Co,Ni,Pd,Si,Au,Cu,V,Mn,Fe,Ti,Biのいずれかのうちの少なくとも一つで置き換えても、オーバーライト特性が良好であることがわかった。これらの記録膜13,記録膜17材料は全て、再生波長における屈折率は結晶状態の方が非晶質状態より小さい。
本実施例で記録膜17の膜厚を変化させ、10回書き換え後及び10万回書き換え後のジッター(σ/Tw)を測定したところ、下記表1のようになった。記録膜17の膜厚(nm)に対し、10回書き換え後については前エッジ又は後エッジのジッターの悪い方の値(%)を、1万回書き換え後については前エッジのジッター値(%)を示した。
これより、記録膜17の膜厚を薄くすると記録膜流動や偏析による、10回書き換え後のジッターが増加し、また厚くすると、1万回書き換え後のジッターが増加することがわかった。これより、記録膜17の膜厚は4nm以上、25nm以下がジッターを20%以下にでき好ましく、5nm以上、20nm以下であればジッターを15%以下に出来、より好ましい。
記録膜13の膜厚及び、1〜N−1レイヤーにおける記録膜膜厚については、前記レイヤーの記録膜膜厚が次の関係にあると、各レイヤーにおいて記録・再生可能となるため好ましい。
レイヤー1≦レイヤー2≦…≦レイヤーN−1≦レイヤーN
さらに、光入射側の基板より1からN−1番めの情報面用記録膜の合計膜厚が10nm以下であると、N番めの情報面のC/Nが48dB以上と大きくでき好ましい。上記合計膜厚が8nm以下になるとN番めの情報面のC/Nが49dB以上と大きくできより好ましい。
本実施例では、記録膜13、記録膜17を各単層より形成している。本記録膜は複数の層からなっていてもよい。複数の層からなる場合は、層間に保護層があっても良い。また、記録膜組成も同じでもよいし、異なる組成のものでもよい。さらに記録のレベルについても、結晶と非晶質の2値記録だけでなく、各レイヤーを複数記録膜として結晶と非晶質の組合せによって反射率レベルを変えた多値記録、単層記録膜でマーク面積を変えた多値記録等を行なってもよい。
図7に、各レイヤーを複数記録膜として結晶と非晶質の組合せによって反射率レベルを変えた多値記録のうち記録膜を2層とし、3値記録にした例を示した。レーザ光326によって、非晶質領域324と結晶領域325の組合せを3組形成する。aでは記録膜A(321)と記録膜B(323)の両方が非晶質化、bでは記録膜A(321)のみ非晶質化し、記録膜B(323)は結晶化、cでは記録膜A(321)と記録膜B(323)の両方が結晶化されている。これによって反射率は3段階になり、3値の記録が行なえる。
図8に、各レイヤーに大きさの異なるマークを記録して、反射率レベルを変えた多値記録のうち、3値記録にした例を示した。レーザ光326によって、非晶質領域324と結晶領域325を、大きさを変えて形成する。dでは結晶化、eでは非晶質領域が小さく、fでは非晶質領域がより大きく形成されている。これによって反射率は3段階になり、3値の記録が行なえる。
(上部保護層)
本実施例では、L1上部保護層18及びL0上部保護層14をZnS−SiO2膜とCr40O60膜により形成した。
ZnS−SiO2に代わる上部保護層の材料としては、Si−N系材料、Si−O−N系材料、ZnS,SiO2,SiO,TiO2,Al2O3,Y2O3,CeO2,La2O3,In2O3,GeO,GeO2,PbO,SnO,SnO2,BeO,Bi2O3,TeO2,WO2,WO3,Sc2O3,Ta2O5,ZrO2,Cu2O,MgOなどの酸化物、TaN,AlN,BN,Si3N4,GeN,Al−Si−N系材料(例えばAlSiN2)などの窒化物、ZnS,Sb2S3,CdS,In2S3,Ga2S3,GeS,SnS2,PbS,Bi2S3などの硫化物、SnSe2,Sb2Se3,CdSe,ZnSe,In2Se3,Ga2Se3,GeSe,GeSe2,SnSe,PbSe,Bi2Se3などのセレン化物、CeF3,MgF2,CaF2などの弗化物、あるいはSi,Ge,TiB2,B4C,B,C又は、上記の材料に近い組成のものを用いてもよい。また、ZnS−SiO2,ZnS−Al2O3などこれらの混合材料の層やこれらの多重層でもよい。消衰係数は0又は0に近いことが好ましい。
これら化合物における元素比は、例えば酸化物あるいは硫化物における金属元素と酸素元素あるいは硫黄元素の比は、Al2O3,Y2O3,La2O3は2:3、SiO2,ZrO2,GeO2は1:2、Ta2O5は2:5、ZnSは1:1という比をとるかその比に近いことが好ましいが、その比から外れていても同様の効果は得られる。上記整数比から外れている場合、例えばAl−OはAlとOの比率がAl2O3からAl量で±10原子%以下、Si−OはSiとOの比率がSiO2からSi量で±10原子%以下等、金属元素量のずれが10原子%以下が好ましい。10原子%以上ずれると、光学特性が変化するため、変調度が10%以上低下した。
上記材料は、上部保護層全原子数の90%以上であることが好ましい。上記材料以外の不純物が10原子%以上になると、書き換え可能回数が1/2以下になる等、書き換え特性の劣化が見られた。
上部保護層を2層以上にし、記録膜側の上部保護層材料をCr2O3にすると、多数回書き換え時に記録膜へZn,Sの拡散を抑制でき、書き換え特性が良好になることがわかった。さらにその一部をAl2O3,又はSiO2に変えるとコントラストが大きく出来て好ましいことがわかった。
(反射層)
本実施例ではL1反射層19にAg98Pd1Cu1膜を用いた。他のL1反射層の材料としては、Ag−Pt,Ag−Au等、Ag合金を主成分とするものが好ましい。Agも使用可能である。Ag合金中のAg以外の元素の含有量を0.5原子%以上4原子%以下の範囲にすると、多数回書き換え時の特性及びビットエラーレートが良好になり、1原子%以上2原子%以下の範囲ではより良好になることがわかった。
また、Zn98Pd2膜、Zn98Pt2膜、Zn98Cu2膜、Zn98Ni2膜、上記以外の組成比のZn−Pd膜、Zn−Pt膜、Zn−Cu膜、Zn−Ni膜は、Ag系材料に比べコストが安いという利点がある。Znも使用可能である。Zn合金中のZn以外の元素の含有量は0.5原子%以上4原子%以下の範囲にすると、多数回書き換え時の特性及びビットエラーレートが良好になり、1原子%以上2原子%以下の範囲ではより良好になることがわかった。
次いで、Au,Al,Cu,Ni,Fe,Co,Cr,Ti,Pd,Pt,W,Ta,Mo,Sb,Bi,Dy,Cd,Mn,Mg,Vの元素単体、又はAu合金、上記以外のAg合金、Cu合金、Pd合金、Pt合金などこれらを主成分とする合金、あるいはこれら同志の合金よりなる層を用いてもよい。このように、反射層は、金属元素、半金属元素、これらの合金、混合物からなる。
この中で、Ag,Al,Al合金、Ag合金、等のように、反射率が大きいものは、コントラスト比が大きくなり書き換え特性が良好である。単体より合金の方が接着力が大きくなる。この場合の主成分となるAl,Ag等以外の元素の含有量はAg合金同様に、0.5原子%以上5原子%以下の範囲にすると、コントラスト比が大きく、また接着力も大きくでき良好であった。1原子%以上2原子%以下の範囲ではより良くなった。波長400nm付近における反射率を比較するとAg又はAg合金は約95%、Al,Al合金は約92%と、Ag系の方が大きいが、材料コストも大きい。これらに次ぐ材料としては、Zn,Zn合金が約89%、Pt,Pt合金が約65%と短波長における反射率が大きく、コントラストを大きく出来た。
上記材料は、L1反射層全原子数の95%以上であることが好ましい。上記材料以外の不純物が5原子%以上になると、書き換え可能回数が1/2以下になる等、書き換え特性の劣化が見られた。
L1反射層膜厚が200nmより厚い場合、それぞれのL1反射層を作製する時間が長くなり、2工程以上に分ける、又はスパッタリング用の真空室を2室以上設ける等、形成時間が倍増した。また、L1反射層の膜厚が5nm以下だと島状に成膜され、ノイズが大きくなった。これより、L1反射層の膜厚はノイズ及びジッター、形成時間より、5nm以上、200nm以下が好ましい。
本実施例ではL0構成膜に反射層は使われていないが、上部保護層とスペーサ層の間に直接又は保護層を介して、上部保護層、反射層、スペーサ層又は上部保護層、反射層、保護層、スペーサ層の順に積層したL0反射層を形成してもよい。この場合、CNRは増加するためL0膜の特性は向上するが、透過率が減少するためL1膜の再生特性及び記録感度は劣化する。L0反射層の材料は、L1反射層と同様の材料を用いることができる。膜厚は透過率が低下しないために20nm以下が好ましい。保護層材料としては、上部保護層又は下部保護層材料と同様の材料が使用可能である。
(基板)
本実施例では、表面に直接、トラッキング用の溝を有するポリカーボネート基板11を用いているが、それに代えてポリオレフィン、エポキシ、アクリル樹脂、紫外線硬化樹脂層を表面に形成した化学強化ガラスなどを用いてもよい。強化ガラスの代わりに石英やCaFを用いてもよい。
また、トラッキング用の溝を有する基板とは、基板表面全て又は一部に、記録・再生波長をλとしたとき、λ/12n′(n′は基板材料の屈折率)以上の深さの溝を持つ基板である。溝は一周で連続的に形成されていても、途中分割されていてもよい。溝深さが約λ/6n′の時、クロストークが小さくなり好ましいことが分かった。さらに溝深さが約λ/3n′より深い時、基板形成時の歩留まりは悪くなるが、クロスイレースが小さくなり好ましいことが分かった。
また、その溝幅は場所により異なっていてもよい。溝部の存在しない、サンプルサーボフォーマットの基板、他のトラッキング方式、その他のフォーマットによる基板等でも良い。溝部とランド部の両方に記録・再生が行えるフォーマットを有する基板でも、どちらか一方に記録を行うフォーマットの基板でも良い。トラックピッチの大きさが小さいと隣のトラックからの信号の漏れが検出されノイズとなるため、トラックピッチはスポット径(光強度が1/e2となる領域)の1/2以上であることが好ましい。
ディスクサイズも直径12cmに限らず、13cm、9cm、8cm、3.5インチ、2.5インチ,1インチ等、他のサイズでも良い。ディスク厚さも0.6mmに限らず、1.2mm、0.8mm、0.4mm、0.1mm等、他の厚さでも良い。
本実施例では、スペーサ層を介して貼り合わせているが、第2のディスク部材の代わりに別の構成のディスク部材、又は保護用の基板などを用いてもよい。また、保護用基板から順番にL1膜を積層し、スペーサー層を形成し、L0膜を積層した後に基板を形成してもよい。さらにこうして作製した2組のディスクを貼り合わせて両面ディスクとすると、ディスクあたりの記録容量が約倍になるため好ましい。紫外線波長領域における透過率が大きい場合、紫外線硬化樹脂によって貼り合わせを行うこともできる。その他の方法で貼り合わせを行ってもよい。
また、第1及び第2のディスク部材を貼り合わせる前に第1及び第2のディスク部材の最表面上に紫外線硬化樹脂を厚さ約10μm塗布し、硬化後に貼り合わせを行うと、エラーレートをより低減できる。
(各層の膜厚、材料)
各層の膜厚、材料についてはそれぞれ単独の好ましい範囲をとるだけでも記録・再生特性等が向上するが、それぞれの好ましい範囲を組み合わせることにより、さらに効果が上がる。
(記録再生方法)
図9は、本発明の一実施例である情報の記録再生装置のブロック図である。なお、説明の都合上、情報の記録再生装置には情報記録媒体100が装着されている様子が示されている。情報記録媒体100の作製方法及び構造については上記の通りである。情報を記録再生する為には情報記録媒体100は必須であるが、情報記録媒体100は必要に応じて記録再生装置から取り外され、或いは取りつけられる。
図9において、筐体108に取りつけられたモーター110の回転軸111にはチャッキング機構112が取りつけられ、チャッキング機構112は情報記録媒体100を保持している。チャッキング機構112は、即ち記録媒体100の保持機構となっている。また、モーター110、回転軸111、及びチャッキング機構112により、情報記録媒体100とエネルギービームを相対的に移動させる移動機構を構成している。
筐体108にはレール115が取りつけられている。ケース117にはレール115にガイドされるレールガイド116が取りつけられている。また、ケース117には直線ギア119が取り付けられており、直線ギア119には回転ギア120が取りつけられている。筐体108に取りつけられた回転モーター118の回転を回転ギア120に伝えることにより、ケース117はレール115に沿って直線運動する。この直線運動の方向は、情報記録媒体100の略半径方向となっている。
ケース117には磁石121が取りつけられている。また、ケース117には、対物レンズ136を情報記録媒体100の記録面の略法線方向と、情報記録媒体100の略半径方向の2つの方向にのみ移動可能とするサスペンション123を介して対物レンズ136が取りつけられている。また、対物レンズ136には磁石121と略対向するようにコイル122が取りつけられている。コイル122に電流を流すことにより、磁力的な効果により、対物レンズ136は情報記録媒体100の記録面の略法線方向と、情報記録媒体100の略半径方向の2つの方向に移動することが出来る。レール115、レールガイド116、ケース117、磁石121、サスペンション123、コイル122、対物レンズ136により、エネルギービームを情報記録媒体100上の所定の位置に位置付ける位置決め機構を構成している。
ケース117には、エネルギービーム発生器である半導体レーザ131が取りつけられる。半導体レーザ131から射出したエネルギービームは、コリメートレンズ132及びビームスプリッタ133を通過し、対物レンズ136を通過する。対物レンズ136から射出した光の一部は情報記録媒体100で反射され、対物レンズ136を通過し、ビームスプリッタ133で反射され、検出レンズ134で集光され、光検出器135で光強度を検出される。光検出器135は、受光エリアが複数に分割されている。
図10に4分割に分かれた光検出器の概略図を示した。情報記録媒体から戻ってきた光ビーム305はそれぞれ検出器301で検出される光量a、検出器302で検出される光量b、検出器303で検出される光量c、検出器304で検出される光量dに分割して検出される。総光量はすべての和、すなわちa+b+c+dとなる。トラッキングはタンジェンシャル方向に分かれて配置された検出器の光量差が小さくなるように行なわれ、トラッキング誤差信号はタンジェンシャル方向に分かれて配置された検出器の光量差(a+b)−(c+d)となる。ここでは4分割の光検出器の例を示したが、分割数の異なる検出器でも同様である。それぞれの受光エリアで検出された光強度はアンプ152で増幅されると共に演算され、対物レンズ136で集光された光スポットと情報記録媒体100との相対的な位置関係の情報(サーボ信号)と情報読み出し信号とが検出される。サーボ信号はサーボコントローラ151に送られる。また、読み出し信号はデコーダ153に送られる。
情報の記録再生装置に情報記録媒体100が取りつけられ、チャッキング機構112が情報記録媒体100を固定すると、検出器140が作動し、その信号をシステムコントローラ150に送る。システムコントローラ150はそれを受けて、モーター110を制御して情報記録媒体100を適切な回転数となるように回転させる。また、システムコントローラ150は、回転モーター118を制御して、ケース117を適切な位置に位置決めする。また、システムコントローラー150は半導体レーザ131を発光させると共に、サーボコントローラ151を動作させて回転モータ118を動作させたりコイル122に電流を流して、対物レンズ136の形成する焦点スポットを情報記録媒体100の上の所定の位置に位置決めする。ついで、サーボコントローラ151は焦点スポットが情報記録媒体100上に形成された由の信号をシステムコントローラ150に送る。システムコントローラ150はデコーダ153に指示を与え、読み出される信号をデコードする。読み出されるトラックがコントロールデータゾーンの情報トラックでない場合、システムコントローラ150はサーボコントローラ151に指示を与え、焦点スポットがコントロールデータゾーンの情報トラックに位置決めされるようにする。上記の動作の結果、システムコントローラー150はコントロールデーターゾーンの情報トラックを読み取り、記録や再生に関する媒体の情報を読み出す。
入力コネクタ159を介して上位コントローラから情報書き込みの指示及び書き込むべき情報が送られてきた場合、システムコントローラ150はサーボコントローラ151に指示を与えて焦点スポットを情報記録媒体100の上の適切な情報面(レイヤー)の適切なトラックに位置決めする。光検出器135で得られた信号はアンプ152により増幅され、ウォブル検出回路171に信号を伝える。トラックは周期的に蛇行ないしは変形が加えられており、ウォブル検出回路171でこの周期を検出する。なお、ウォブル検出回路で検出するのは、記録トラックの蛇行(ウォブリング)であったり、記録トラックの時系列読み出し方向に周期的に設けられた溝の形状の変化であったり、記録トラックの時系列読み出し方向に周期的に設けられたプリピットであったり、それらの組み合わせであったりする。ウォブル検出回路171で検出された周期信号は、周波数変換回路172により周期(周波数)が変換されて記録再生クロック基本波となる。周波数変換回路172の変換倍率は、コントロールデータゾーンの情報トラックに予め記録されている変換倍率指示値を採用する。ウォブル検出回路171、周波数変換回路172の代りに記録再生クロック基本波を別の手段で作ってもよい。
光検出器135で得られた再生信号はスライサ170によって2値化され、PLL回路173によって同期信号を発生して同期が取られ、デコーダ153によってデコードされて出力コネクタ158より出力される。
書き込むべき情報は信号処理回路161を通ってNRZI信号へと変換される。NRZI信号へと変換された信号は、パターン生成回路155に伝えられる。パターン生成回路155は、システムコントローラ150に指示されるセクター内の記録マーク配置の方法に沿って、セクター内に記録すべきユーザーデータエリアのパターン、ユーザーデータ−エリアに先行して付随すべき記録マーク配置(バッファやその他のフィールド)、ユーザーデータエリアに引き続いて付随すべき記録マーク配置(バッファやその他のフィールド)をアレンジし、セクター内での記録マーク配置のパターン列を完成する。パターン生成回路155には、周波数変換回路172で生成された記録再生基本クロックが供給されている。パターン生成回路は、自ら生成した記録パターンの一つ一つを順次に記録再生クロックに同期してレーザドライバ回路154に送る。レーザドライバ回路154は、パターン生成回路155から送られてきた書き込むべき記録マークパターンに応じて、周波数変換回路172で生成された記録再生基本クロックに同期して書き込みパルスを生成し、これを半導体レーザ131に送ってこれを駆動する。これにより、半導体レーザ131が発光し、かつ、書き込むべき情報に即して半導体レーザ131の射出エネルギー量が時間的に変調されている。この射出光は、コリメートレンズ132、対物レンズ136を通して情報記録媒体100に照射され、これにより記録媒体上に記録マークを形成する。
DVD−RAMを初めとする光ディスクでは、記録媒体に照射する光強度変化を用いて記録マークを形成する場合、記録するべき情報は最終的には半導体レーザ131の駆動電流変化となって現れ、この駆動電流変化は記録再生クロック基本波に同期して変化される。
本発明の特徴はサーボコントローラ151にある。原理図を図11に、サーボコントローラの一例を示す詳細図を図12に示した。サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF信号検出回路201で検出されたAF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態のトラッキング(TR)誤差信号振幅をTR誤差信号振幅検出回路208にて測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
図11に示すように、スポットがある決められた位置及び/又は決められた時間まで移動した間に検出されたトラッキングエラー信号より振幅測定を行う。図中、一番下の信号は同期信号で、これを元に検出時間及び/又は検出タイミングを決める。
このように、TR誤差信号振幅がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、TR誤差信号振幅をTR誤差信号振幅検出回路208により測定し、レイヤー判定することにより、図11に示すようにレイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、TR誤差信号振幅がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、TR誤差信号振幅をTR誤差信号振幅検出回路208により測定し、レイヤー判定することにより、図11に示すようにレイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、TR誤差信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるTR誤差信号振幅は下式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどTR誤差信号振幅が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、信号振幅差はL0の振幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
さらに、アクセス時には一定再生光強度で光照射してTR誤差信号振幅を検出してレイヤー番号を判定するが、正しいレイヤーにジャンプした後には、再生光強度を制御して再生信号の光強度を各レイヤーの最適値に変化させる手段を持つと、S/N(信号波対雑音波比)が大きい状態で情報を記録・再生できるためより好ましい。
(情報記録媒体の特徴)
TR誤差信号振幅がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されている連続又は一部連続の溝からなる凹凸の形状を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、上記凹凸の溝深さを42nm一定として、上記凹凸の溝幅をL0は0.36μm、L1は0.38μmと異ならせると、L0のTR誤差信号振幅が375mV,L1のTR誤差信号振幅が390mVと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、TR誤差信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝幅は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝幅が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝幅の差はL0の溝幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
上記凹凸の溝幅のかわりに溝深さを変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、nが1.62の材料で基板を形成した場合、上記凹凸の溝幅を0.38μm一定で、上記凹凸の溝深さをL0は45nm(λ/5.6/n)、L1は42nm(λ/6.0/n)と変えると、L0のTR誤差信号振幅が375mV,L1のTR誤差信号振幅が390mVと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、TR誤差信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝深さは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝深さが小さい方がより好ましかった。
レイヤー1>レイヤ−2>…レイヤーN−1>レイヤーN
(Nは2以上の整数)
一方、溝深さがλ/8/nより浅くなると、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝深さは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝深さが大きく、λ/8/nに近い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤ−2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝深さの差はL0の溝深さに対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
さらに、上記凹凸の溝幅と溝深さの両方を変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、nが1.62の材料で基板を形成した場合、上記凹凸の溝幅をL0は0.37μm、L1は0.38μm、上記凹凸の溝深さをL0は43nm(λ/5.8/n)、L1は42nm(λ/6.0/n)と変えると、L0のTR誤差信号振幅が375mV,L1のTR誤差信号振幅が390mVと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
また,上記凹凸の溝幅と溝深さを変えることによって、信号振幅差がL0の振幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
上記凹凸の角形状を変えても同様な効果が得られた。各レイヤーで上記凹凸の角形状を変えると、TR誤差信号振幅が異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。角形状とは、図3に示されるようにL0の場合、基板表面の角の形状(S0)、L1の場合、スペーサ層の表面の角の形状(S1)をいう。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、TR誤差信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の角形状は、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の角形状がなだらかになる方がより好ましかった。また、上記凹凸の角形状は上記凹凸の溝幅及び/又は溝深さと組合せて、TR誤差信号振幅を変えてもよい。
この他、上記凹凸の形状を一定にし、各レイヤーの膜の構造を検出器で測定した場合の反射率が異なるように積層しても同様な効果が得られた。各レイヤーで上記反射率を変えると、TR誤差信号振幅が異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、TR誤差信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記反射率は、光入射側から遠いレイヤーほど上記反射率が高いことが好ましかった。上記反射率差がL0の反射率に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。また、上記反射率は上記凹凸の形状と組合せて、TR誤差信号振幅を変えてもよい。
本発明は、上記凹凸が図13に示されるようにグルーブ部311とランド部313がピット312によって不連続に形成されても、ランド部とグルーブ部の切り替え部で不連続に形成されていても、また上記凹凸が図14に示されるようにグルーブ部311とランド部313が連続に形成されても効果があった。
さらに、図15に示されるようにグルーブ部311又はランド部313のいずれか一方にのみマーク315が記録されていても、図16に示されるようにグルーブ部311及びランド部313の両方にマーク315が記録されている方法のどちらでも効果があった。グルーブ部311にのみマーク315が記録されている場合、上記溝幅とはグルーブ部のみの幅を意味し、ランド部のみマーク315が記録されている場合、上記溝幅とはランド部のみの幅を意味する。グルーブ部311及びランド部313の両方にマーク315が記録されている方法では、溝幅の定義は図3に示したとおりである。
〔実施例2〕
図17及び図18に、情報記録媒体における、情報面のセクター配置概略図を示す。このように、情報面はある決まった情報量ごとに記録・再生される。この分割された一塊はセクターと呼ばれる。セクターの概略を図19に示した。セクター31は、アドレス情報や同期情報等を含む少なくとも1つのID部41と少なくとも1つのデータ部34からなる。ID部41はピットによってアドレス情報や同期情報等が記録されたピット部32とピットがないミラー部33からなる。
(記録再生方法)
実施例1に記載の記録・再生装置において、サーボコントローラ151のみを変化させた記録・再生装置を作製した。原理図を図20に、サーボコントローラの詳細図を図21に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態のデータ部再生信号の総光量を総光量検出回路209にて測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、再生信号の総光量がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、再生信号の総光量を再生信号の総光量検出回路209により測定し、レイヤー判定することにより、図20に示すようにレイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、再生信号の総光量がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、再生信号の総光量を再生信号の総光量検出回路209により測定し、レイヤー判定することにより、図20に示すようにレイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
データ部及びピット部、ミラー部における総光量の検出はシステムコントローラ150によって反射率レベル及び/又はタイミングによっていずれであるかを区別され、検出される。データ部及びピット部、ミラー部における信号振幅の検出、信号周波数等の検出も同様にシステムコントローラ150によって区別され、検出される。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるデータ部再生信号の総光量は、下式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどデータ部再生信号の総光量が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、データ部再生信号の総光量差はL0の総光量に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
さらに、アクセス時には一定再生光強度で光照射してデータ部再生信号の総光量を検出してレイヤー番号を判定するが、正しいレイヤーにジャンプした後には、データ部再生信号の強度を各レイヤーの最適値に変化させる手段を持つと、S/N(信号波対雑音波比)が大きい状態で情報を記録・再生できるためより好ましい。
(情報記録媒体の特徴)
データ部再生信号の総光量がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されている連続又は一部連続の溝からなる凹凸の形状を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、上記凹凸の溝深さを42nm一定として、上記凹凸の溝幅をL0は0.36μm、L1は0.38μmと変えると、L0のデータ部再生信号の総光量が97mV、L1のデータ部再生信号の総光量が102mVと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、データ部再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝幅は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝幅が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝幅の差はL0の溝幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
上記凹凸の溝幅のかわりに溝深さを変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、nが1.62の材料で基板を形成した場合、上記凹凸の溝幅を0.38μm一定で、上記凹凸の溝深さをL0は45nm(λ/5.6/n)、L1は42nm(λ/6.0/n)と変えると、L0のデータ部再生信号の総光量が97mV、L1のデータ部再生信号の総光量が102mVと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、データ部再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝深さは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝深さが小さい方がより好ましかった。
レイヤー1>レイヤ−2>…レイヤーN−1>レイヤーN
(Nは2以上の整数)
一方、溝深さがλ/8/nより浅くなると、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝深さは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝深さが大きく、λ/8/nに近い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤ−2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝深さの差はL0の溝深さに対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
さらに、上記凹凸の溝幅と溝深さの両方を変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、nが1.62の材料で基板を形成した場合、上記凹凸の溝幅をL0は0.37μm、L1は0.38μm、上記凹凸の溝深さをL0は43nm(λ/5.8/n)、L1は42nm(λ/6.0/n)と変えると、L0のデータ部再生信号の総光量が97mV、L1のデータ部再生信号の総光量が102mVと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
また、上記凹凸の溝幅と溝深さを変えることによって、データ部再生信号の総光量差がL0の総光量に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
上記凹凸の角形状を変えても同様な効果が得られた。各レイヤーで上記凹凸の角形状を変えると、データ部再生信号の総光量が異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、データ部再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の角形状は、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の角形状がなだらかになる方がより好ましかった。また、上記凹凸の角形状は上記凹凸の溝幅及び/又は溝深さと組合せて、データ部再生信号の総光量を変えてもよい。
この他、上記凹凸の形状を一定にし、各レイヤーの膜の構造を検出器で測定した場合の反射率が異なるように積層しても同様な効果が得られた。各レイヤーで上記反射率を変えると、データ部再生信号の総光量が異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記反射率は、光入射側から遠いレイヤーほど上記反射率が高いことが好ましかった。上記反射率差がL0の反射率に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。また、上記反射率は上記凹凸の形状と組合せて、データ部再生信号の総光量を変えてもよい。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1と同様である。
〔実施例3〕
(記録再生方法)
実施例1に記載の記録・再生装置において、サーボコントローラ151のみを変化させた記録・再生装置を作製した。原理図を図22に、サーボコントローラの詳細図を図23に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態の再生信号よりセクター数検出回路210にて一定時間内に検出したセクター数を測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、一定時間内に検出するセクター数がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、一定時間内に検出するセクター数をセクター数検出回路210により測定し、レイヤー判定することにより、図22に示すようにレイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、一定時間内に検出するセクター数がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、一定時間内に検出するセクター数をセクター数検出回路210により測定し、レイヤー判定することにより、図22に示すようにレイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、セクター数に比例したID部が必要となるため、光入射側の層ほどセクター数が少ないほうが好ましい。従って、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるセクター数は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどセクター数が多い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、セクター数差はL0のセクター数に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。さらに、アクセス時には一定速度で回転して、セクター数を検出してレイヤー番号を判定するが、正しいレイヤーにジャンプした後には、回転数を変更してもよい。
(情報記録媒体の特徴)
セクター数がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されている連続又は一部連続の溝からなる凹凸の形状を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、上記凹凸の連続部の長さを変え、L1のセクター配置を図17、L0のセクター配置を図18とするとセクター数はL0とL1で変えることができる。この場合、最外周部における半径58mmにおいて、線速度9m/s、セクター数計測時間が40msでは、L1のセクター数が22個、L0のセクター数が11個と異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、セクター数に比例したID部が必要となるため、光入射側の層ほどセクター数が少ないほうが好ましい。従って、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるセクター数は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどセクター数が多い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記セクター数の差はL0のセクター数に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
上記凹凸のセクター数のかわりにセクター長、即ち1つのセクターの先頭から次のセクターの先頭までの経過時間、又は複数セクターの経過時間の平均値を計測しても同様な効果が得られた。この場合、図24に示されるサーボコントローラを使用する。サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態の再生信号よりセクター時間検出回路211にて1つのセクターの先頭から次のセクターの先頭までの経過時間、又は複数セクターの経過時間の平均値を測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、1つのセクターの先頭から次のセクターの先頭までの経過時間、又は複数セクターの経過時間の平均値がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、一定時間内に検出するセクター数をセクター時間検出回路211により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、1つのセクターの先頭から次のセクターの先頭までの経過時間、又は複数セクターの経過時間の平均値がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、一定時間内に検出するセクター数をセクター時間検出回路211により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
この場合、最外周部における半径58mmにおいて、線速度9m/sでは、L1のセクター長は、が33.1mm、L0のセクター長が16.55mm、L1のセクター通過時間は3.6ms、L0のセクター通過時間が1.8msと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、セクター数に比例したID部が必要となるため、光入射側の層ほどセクター長が長いほうが好ましい。従って、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるセクター長は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどセクター長が短い方がより好ましかった。
レイヤー1>レイヤー2>…レイヤーN−1>レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記セクター長の差はL0のセクター長に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり好ましく、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。さらに、セクター数、セクター長の計測は単セクター計測を行なうより、複数セクターの計測を行ない合計及び/又は平均値を求めると、より計測精度が高まり好ましかった。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜2と同様である。
〔実施例4〕
(記録再生方法)
実施例1に記載の記録・再生装置において、サーボコントローラ151のみを変化させた記録・再生装置を作製した。原理図を図25に、サーボコントローラの詳細図を図26に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態のデータ部の再生信号振幅をデータ部の再生信号振幅213にて測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、データ部の再生信号振幅がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、データ部の再生信号振幅213により測定し、レイヤー判定することにより、図25に示すようにレイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、データ部の再生信号振幅がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、データ部の再生信号振幅213により測定し、レイヤー判定することにより、図25に示すようにレイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるデータ部の再生信号振幅は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどデータ部の再生信号振幅が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、データ部の再生信号振幅差はL0の振幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
さらに、アクセス時には一定再生光強度で光照射してデータ部の再生信号振幅を検出してレイヤー番号を判定するが、正しいレイヤーにジャンプした後には、再生信号の強度を各レイヤーの最適値に変化させる手段を持つと、S/N(信号波対雑音波比)が大きい状態で情報を記録・再生できるためより好ましい。
(情報記録媒体の特徴)
データ部の再生信号振幅がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されている連続又は一部連続の溝からなる凹凸の形状を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、上記凹凸の溝深さを42nm一定として、上記凹凸の溝幅をL0は0.36μm、L1は0.38μmと変えると、L0のデータ部の再生信号振幅が41mV、L1のデータ部の再生信号振幅が39mVと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝幅は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝幅が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝幅の差はL0の溝幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
上記凹凸の溝幅のかわりに溝深さを変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、nが1.62の材料で基板を形成した場合、上記凹凸の溝幅を0.38μm一定で、上記凹凸の溝深さをL0は45nm(λ/5.6/n)、L1は42nm(λ/6.0/n)と変えると、L0のデータ部の再生信号振幅が39mV、L1のデータ部の再生信号振幅が41mVと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝深さは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝深さが小さい方がより好ましかった。
レイヤー1>レイヤ−2>…レイヤーN−1>レイヤーN
(Nは2以上の整数)
一方、溝深さがλ/8/nより浅くなると、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝深さは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝深さが大きく、λ/8/nに近い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤ−2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝深さの差はL0の溝深さに対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
さらに、上記凹凸の溝幅と溝深さの両方を変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、nが1.62の材料で基板を形成した場合、上記凹凸の溝幅をL0は0.37μm、L1は0.38μm、上記凹凸の溝深さをL0は43nm(λ/5.8/n)、L1は42nm(λ/6.0/n)と変えると、L0のデータ部の再生信号振幅が39mV、L1のデータ部の再生信号振幅が41mVと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
また、上記凹凸の溝幅と溝深さを変えることによって、データ部の再生信号振幅差がL0の振幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
上記凹凸の角形状を変えても同様な効果が得られた。各レイヤーで上記凹凸の角形状を変えると、データ部の再生信号振幅が異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の角形状は、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の角形状がなだらかになる方がより好ましかった。また、上記凹凸の角形状は上記凹凸の溝幅及び/又は溝深さと組合せて、データ部の再生信号振幅を変えてもよい。
この他、上記凹凸の形状を一定にし、各レイヤーの膜の構造を検出器で測定した場合の反射率が異なるように積層しても同様な効果が得られた。各レイヤーで上記反射率を変えると、データ部の再生信号振幅が異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記反射率は、光入射側から遠いレイヤーほど上記反射率が高いことが好ましかった。上記反射率差がL0の反射率に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。また、上記反射率は上記凹凸の形状と組合せて、データ部の再生信号振幅を変えてもよい。
〔実施例5〕
(記録再生方法)
実施例4のデータ部の再生信号振幅の代わりにピット部の再生信号振幅を測定してレイヤー判定を行なってもよい。この場合の、サーボコントローラの詳細図を図27に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態のピット部の再生信号振幅をピット部の再生信号振幅214にて測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、ピット部の再生信号振幅がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ピット部の再生信号振幅214により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、ピット部の再生信号振幅がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ピット部の再生信号振幅214により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるピット部の再生信号振幅は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどピット部の再生信号振幅が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、ピット部の再生信号振幅差はL0の振幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
さらに、アクセス時には一定再生光強度で光照射してピット部の再生信号振幅を検出してレイヤー番号を判定するが、正しいレイヤーにジャンプした後には、再生信号の強度を各レイヤーの最適値に変化させる手段を持つと、S/N(信号波対雑音波比)が大きい状態で情報を記録・再生できるためより好ましい。
(情報記録媒体の特徴)
ピット部の再生信号振幅がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されている連続又は一部連続の溝からなる凹凸の形状を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、上記凹凸の溝深さを42nm一定として、上記凹凸の溝幅をL0は0.36μm、L1は0.38μmと変えると、L0のピット部の再生信号振幅が51mV、L1のピット部の再生信号振幅が49mVと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝幅は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝幅が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝幅の差はL0の溝幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
上記凹凸の溝幅のかわりに溝深さを変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、nが1.62の材料で基板を形成した場合、上記凹凸の溝幅を0.38μm一定で、上記凹凸の溝深さをL0は45nm(λ/5.6/n)、L1は42nm(λ/6.0/n)と変えると、L0のピット部の再生信号振幅が49mV、L1のピット部の再生信号振幅が51mVと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝深さは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝深さが小さい方がより好ましかった。
レイヤー1>レイヤ−2>…レイヤーN−1>レイヤーN
(Nは2以上の整数)
一方、溝深さがλ/8/nより浅くなると、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝深さは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝深さが大きく、λ/8/nに近い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤ−2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝深さの差はL0の溝深さに対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
さらに、上記凹凸の溝幅と溝深さの両方を変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、nが1.62の材料で基板を形成した場合、上記凹凸の溝幅をL0は0.37μm、L1は0.38μm、上記凹凸の溝深さをL0は43nm(λ/5.8/n)、L1は42nm(λ/6.0/n)と変えると、L0のピット部の再生信号振幅が49mV、L1のピット部の再生信号振幅が51mVと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
また、上記凹凸の溝幅と溝深さを変えることによって、ピット部の再生信号振幅差がL0の振幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。上記凹凸の角形状を変えても同様な効果が得られた。各レイヤーで上記凹凸の角形状を変えると、ピット部の再生信号振幅が異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の角形状は、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の角形状がなだらかになる方がより好ましかった。また、上記凹凸の角形状は上記凹凸の溝幅及び/又は溝深さと組合せて、ピット部の再生信号振幅を変えてもよい。
この他、上記凹凸の形状を一定にし、各レイヤーの膜の構造を検出器で測定した場合の反射率が異なるように積層しても同様な効果が得られた。各レイヤーで上記反射率を変えると、ピット部の再生信号振幅が異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記反射率は、光入射側から遠いレイヤーほど上記反射率が高いことが好ましかった。上記反射率差がL0の反射率に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
また、上記反射率は上記凹凸の形状と組合せて、ピット部の再生信号振幅を変えてもよい。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜5と同様である。
〔実施例6〕
(記録再生方法)
実施例4のデータ部の再生信号振幅の代わりにデータ部及びピット部の再生信号振幅比を測定してレイヤー判定を行なってもよい。この場合の、サーボコントローラの詳細図を図28に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態のデータ部及びピット部の再生信号振幅を再生信号振幅検出回路215にて測定し、データ部及びピット部の再生信号振幅比(データ部再生信号振幅/ピット部の再生信号振幅)をデータ部及びピット部の振幅比演算回路216にて演算しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、データ部及びピット部の再生信号振幅比(データ部再生信号振幅/ピット部の再生信号振幅)がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、データ部及びピット部の再生信号振幅を再生信号振幅検出回路215にて測定し、その比をデータ部及びピット部の振幅比演算回路216により演算し、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、データ部及びピット部の再生信号振幅比(データ部再生信号振幅/ピット部の再生信号振幅)がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、データ部及びピット部の再生信号振幅を再生信号振幅検出回路215にて測定し、その比をデータ部及びピット部の振幅比演算回路216により演算し、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるデータ部及びピット部の再生信号振幅比は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどデータ部及びピット部の再生信号振幅比が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、データ部及びピット部の再生信号振幅比の差はL0の振幅比に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられ
るためより好ましかった。
一方、振幅比は、各レイヤーの反射率が異なる場合、及びレイヤー内で反射率が異なる場合でも一定である。従って、反射率変動の大きなディスクや反射率変化が生じた場合においても、正確にレイヤー判定して記録・再生が出来、好ましかった。
(情報記録媒体の特徴)
データ部及びピット部の再生信号振幅比がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されている連続又は一部連続の溝からなる凹凸の形状を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、上記凹凸の溝深さを42nm一定として、上記凹凸の溝幅をL0は0.36μm、L1は0.38μmと変えると、L0のデータ部及びピット部の再生信号振幅比が0.80、L1のデータ部及びピット部の再生信号振幅比が0.85と異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝幅は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝幅が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝幅の差はL0の溝幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
上記凹凸の溝幅のかわりに溝深さを変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、nが1.62の材料で基板を形成した場合、上記凹凸の溝幅を0.38μm一定で、上記凹凸の溝深さをL0は45nm(λ/5.6/n)、L1は42nm(λ/6.0/n)と変えると、L0のデータ部及びピット部の再生信号振幅比が0.80、L1のデータ部及びピット部の再生信号振幅比が0.85と異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝深さは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝深さが小さい方がより好ましかった。
レイヤー1>レイヤ−2>…レイヤーN−1>レイヤーN
(Nは2以上の整数)
一方、溝深さがλ/8/nより浅くなると、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝深さは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝深さが大きく、λ/8/nに近い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤ−2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝深さの差はL0の溝深さに対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
さらに、上記凹凸の溝幅と溝深さの両方を変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、nが1.62の材料で基板を形成した場合、上記凹凸の溝幅をL0は0.37μm、L1は0.38μm、上記凹凸の溝深さをL0は43nm(λ/5.8/n)、L1は42nm(λ/6.0/n)と変えると、L0のデータ部及びピット部の再生信号振幅比が0.80、L1のデータ部及びピット部の再生信号振幅比が0.85と異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
また、上記凹凸の溝幅と溝深さを変えることによって、データ部及びピット部の再生信号振幅比の差がL0の振幅比に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。上記凹凸の角形状を変えても同様な効果が得られた。各レイヤーで上記凹凸の角形状を変えると、データ部及びピット部の再生信号振幅比が異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の角形状は、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の角形状がなだらかになる方がより好ましかった。また、上記凹凸の角形状は上記凹凸の溝幅及び/又は溝深さと組合せて、データ部及びピット部の再生信号振幅比を変えてもよい。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜5と同様である。
〔実施例7〕
(記録再生方法)
実施例1に記載の記録・再生装置において、サーボコントローラ151のみを変化させた記録・再生装置を作製した。サーボコントローラの詳細図を図29に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態の再生信号よりピット部再生信号周波数検出回路217にてピット部における再生信号周波数を測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、ピット部における再生信号周波数がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ピット部における再生信号周波数をピット部再生信号周波数検出回路217により測定し、レイヤー判定することにより、図29に示すようにレイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、ピット部における再生信号周波数がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ピット部における再生信号周波数をピット部再生信号周波数検出回路217により測定し、レイヤー判定することにより、図29に示すようにレイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号の低周波のノイズが大きくなる。従って、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるピット部における再生信号周波数は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどピット部における再生信号周波数が高い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、ピット部における再生信号周波数差はL0の周波数に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
(情報記録媒体の特徴)
ピット部における再生信号周波数がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されているピットの周期を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、上記ピットの周期を変え、L1のピット周期を0.69μm、L0のピット周期を0.87μmとした場合、線速度9m/sで再生すると、L1のピット部における再生信号周波数が13.0MHz、L0のピット部における再生信号周波数が10.4MHz、と異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、セクター数に比例したID部が必要となるため、光入射側の層ほどセクター数が少ないほうが好ましい。従って、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるピット部における再生信号周波数は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどピット部における再生信号周波数が高い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記ピット部における再生信号周波数の差はL0の周波数に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜6と同様である。
〔実施例8〕
(記録再生方法)
実施例7のピットの周波数の代わりに数を変えても同様な効果が得られた。
サーボコントローラの詳細図を図30に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態の再生信号よりピット部再生信号ピット数検出回路218にて一定時間内に検出したピット数を測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、一定時間内に検出するピット数がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、一定時間内に検出するピット数をピット部再生信号ピット数検出回路218により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、一定時間内に検出するピット数がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、一定時間内に検出するピット数をピット部再生信号ピット数検出回路218により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ピット数に比例してID部領域が広くなるため、光入射側の層ほどピット数が少ないほうが好ましい。従って、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるピット数は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどピット数が多い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、ピット数差はL0のピット数に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。さらに、アクセス時には一定速度で回転して、ピット数を検出してレイヤー番号を判定するが、正しいレイヤーにジャンプした後には、回転数を変更してもよい。
(情報記録媒体の特徴)
ピット数がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されているピット数を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、上記ピット数はL0とL1で変えればよい。この場合、同一周波数で、L1のピット数が50個、L0のピット数が40個と異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ピット数に比例したID部が必要となるため、光入射側の層ほどピット数が少ないほうが好ましい。従って、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるピット数は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどピット数が多い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記ピット数の差はL0のピット数に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。一定周波数にせずに、周波数変化とピット数変化を組合せると、より精度があがるため好ましかった。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜7と同様である。
〔実施例9〕
実施例8の上記凹凸のピット数のかわりにピット全長、即ち先頭のピットから最終のピットまでの長さ、又はその通過時間を計測しても同様な効果が得られた。サーボコントローラの詳細図を図31に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態の再生信号よりピット部再生信号ピット長検出回路219にてピット全長を測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、ピット全長がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ピット全長をピット部再生信号ピット長検出回路219により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、ピット全長がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ピット全長をピット部再生信号ピット長検出回路219により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ピット数に比例してID部領域が広くなるため、光入射側の層ほどピット数が少ないほうが好ましい。従って、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるピット全長は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどピット全長が長い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、ピット全長差はL0のピット全長に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
さらに、アクセス時には一定速度で回転して、ピット全長を検出してレイヤー番号を判定するが、正しいレイヤーにジャンプした後には、回転数を変更してもよい。
(情報記録媒体の特徴)
ピット全長がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されているピット数及び/又はピット長を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、L0は0.33μmのピットを0.66μm周期で50個、L1は0.33μmのピットを0.66μm周期で25個とピット数を変えれば、線速度9m/sでは、L1のピット全長が33μm,L0のピット全長が16.5μm、L1のピット通過時間は3.6μs,L0のピット通過時間が1.8μsと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。また、L0は0.66μmのピットを1.32μm周期で25個、L1は0.33μmのピットを0.66μm周期で25個とピット長を変えれば、線速度9m/sでは、L1のピット全長が33μm,L0のピット全長が16.5μm、L1のピット通過時間は3.6μs,L0のピット通過時間が1.8μsと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があるため、光入射側の層ほどピット全長が長いほうが好ましい。従って、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるピット全長は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどピット全長が長い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記ピット全長の差はL0のピット全長に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり好ましく、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。さらに、ピット周波数、ピット数、ピット全長の計測は単独で計測を行なうより、複数のピットの計測を組合せると、より計測精度が高まり好ましかった。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜8と同様である。
〔実施例10〕
(記録再生方法)
実施例9の上記ピット部全長だけでなくミラー部の長さを変えても同様な効果が得られた。サーボコントローラの詳細図を図32に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態のミラー部再生信号よりミラー部再生信号ミラー長検出回路220にてミラー長を測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、ミラー長がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ミラー長をミラー部再生信号ミラー長検出回路220により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、ミラー長がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ミラー長をミラー部再生信号ミラー長検出回路220により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ピット数に比例してID部領域が広くなるため、光入射側の層ほどピット数が少ないほうが好ましい。従って、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるミラー長は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどミラー長が長い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、ミラー長差はL0のミラー長に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
さらに、アクセス時には一定速度で回転して、ミラー長を検出してレイヤー番号を判定するが、正しいレイヤーにジャンプした後には、回転数を変更してもよい。
(情報記録媒体の特徴)
ミラー長がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されているミラー長を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、最外周部において、線速度9m/sでは、L1のミラー長が33μm,L0のミラー長が16.5μm、とミラー長を変えることにより、L1のミラー通過時間は3.6μs,L0のミラー通過時間が1.8μsと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があるため、光入射側の層ほどミラー長が長いほうが好ましい。従って、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるミラー長は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどミラー長が長い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記ミラー長の差はL0のミラー長に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり好ましく、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。さらに、ミラー部長さの計測は単独で計測を行なうより、ピットの長さ等他の計測を組合せると、より計測精度が高まり好ましかった。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜9と同様である。
〔実施例11〕
(記録再生方法)
実施例10の上記ミラー部の長さ以外にミラー部の光量を変えても同様な効果が得られた。サーボコントローラの詳細図を図33に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態の再生信号よりミラー部再生信号光量検出回路221にてミラー部の光量を測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、ミラー部の光量がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ミラー部の光量をミラー部再生信号光量検出回路221により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、ミラー部の光量がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ミラー部の光量をミラー部再生信号光量検出回路221により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ピット数に比例してID部領域が広くなるため、光入射側の層ほどピット数が少ないほうが好ましい。従って、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるミラー部の光量は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどミラー部の光量が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、ミラー部の光量差はL0のミラー光量に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。さらに、アクセス時には一定再生光強度で光照射してミラー部信号光量を検出してレイヤー番号を判定するが、正しいレイヤーにジャンプした後には、再生信号の強度を各レイヤーの最適値に変化させる手段を持つと、S/N(信号波対雑音波比)が大きい状態で情報を記録・再生できるためより好ましい。
(情報記録媒体の特徴)
ミラー部の光量がレイヤーごとに異なる媒体は、各レイヤーの膜の構造を検出器で測定した場合の反射率が異なるように積層して作製することが出来る。一例としては、記録膜膜厚を1割薄くすることによって反射率を約5%低くすることができる。記録膜以外の層の膜厚を変えることによっても反射率変化を生じることができる。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記反射率は、光入射側から遠いレイヤーほど上記反射率が高いことが好ましかった。上記反射率差がL0の反射率に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜10と同様である。
〔実施例12〕
(記録再生方法)
実施例11のミラー部の再生信号光量の代わりに溝部とミラー部の再生信号光量比を測定してレイヤー判定を行なってもよい。この場合の、サーボコントローラの詳細図を図34に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態のデータ部及びミラー部の再生信号光量を再生信号光量検出回路222にて測定し、データ部及びミラー部の再生信号光量比(データ部再生信号光量/ミラー部の再生信号光量)をデータ部及びミラー部の光量比演算回路223にて演算しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場
合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、データ部及びミラー部の再生信号光量比(データ部再生信号光量/ミラー部の再生信号光量)がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、データ部及びミラー部の再生信号光量を再生信号光量検出回路222にて測定し、その比をデータ部及びミラー部の光量比演算回路223により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、データ部及びミラー部の再生信号光量比(データ部再生信号光量/ミラー部の再生信号光量)がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、データ部及びミラー部の再生信号光量を再生信号光量検出回路222にて測定し、その比をデータ部及びミラー部の光量比演算回路223により測定し、レイヤー判定することにより、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるデータ部及びミラー部の再生信号光量比は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほどデータ部及びミラー部の再生信号光量比が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、データ部及びミラー部の再生信号光量比の差はL0の光量比に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
一方、光量比は、各レイヤーの反射率が異なる場合、及びレイヤー内で反射率が異なる場合でも一定である。従って、反射率変動の大きなディスクや反射率変化が生じた場合においても、正確にレイヤー判定して記録・再生が出来、好ましかった。
(情報記録媒体の特徴)
データ部及びミラー部の再生信号光量比がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されている連続又は一部連続の溝からなる凹凸の形状を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、上記凹凸の溝深さを42nm一定として、上記凹凸の溝幅をL0は0.36μm、L1は0.38μmと変えると、L0のデータ部及びミラー部の再生信号光量比が0.65、L1のデータ部及びミラー部の再生信号光量比が0.70と異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝幅は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝幅が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝幅の差はL0の溝幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
上記凹凸の溝幅のかわりに溝深さを変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、nが1.62の材料で基板を形成した場合、上記凹凸の溝幅を0.38μm一定で、上記凹凸の溝深さをL0は45nm(λ/5.6/n)、L1は42nm(λ/6.0/n)と変えると、L0のデータ部及びミラー部の再生信号光量比が0.65、L1のデータ部及びミラー部の再生信号光量比が0.70と異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝深さは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝深さが小さい方がより好ましかった。
レイヤー1>レイヤ−2>…レイヤーN−1>レイヤーN
(Nは2以上の整数)
一方、溝深さがλ/8/nより浅くなると、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝深さは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝深さが大きく、λ/8/nに近い方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤ−2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝深さの差はL0の溝深さに対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
さらに、上記凹凸の溝幅と溝深さの両方を変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、nが1.62の材料で基板を形成した場合、上記凹凸の溝幅をL0は0.37μm、L1は0.38μm、上記凹凸の溝深さをL0は43nm(λ/5.8/n)、L1は42nm(λ/6.0/n)と変えると、L0のデータ部及びミラー部の再生信号光量比が0.65、L1のデータ部及びミラー部の再生信号光量比が0.70と異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
また、上記凹凸の溝幅と溝深さを変えることによって、データ部及びミラー部の再生信号光量比の差がL0の光量比に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。上記凹凸の角形状を変えても同様な効果が得られた。各レイヤーで上記凹凸の角形状を変えると、データ部及びミラー部の再生信号光量比が異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、再生信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の角形状は、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の角形状がなだらかになる方がより好ましかった。また、上記凹凸の角形状は上記凹凸の溝幅及び/又は溝深さと組合せて、データ部及びミラー部の再生信号光量比を変えてもよい。
〔実施例13〕
実施例1に記載の記録・再生装置において、サーボコントローラ151のみを変化させた記録・再生装置を作製した。原理図を図35に、サーボコントローラの詳細図を図36に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態のウォブル信号振幅をウォブル振幅検出回路251にて測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、レイヤー番号、つまりどの情報面にフォーカスされているかを判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくない情報面にいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、ウォブル信号振幅がレイヤーごとに異なる媒体では、ウォブル信号振幅をウォブル振幅検出回路251により測定し、レイヤー判定することにより、図35に示すようにレイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、ウォブル信号振幅がレイヤーごとに異なる媒体では、ウォブル信号振幅をウォブル振幅検出回路251により測定し、レイヤー判定することにより、図35に示すようにレイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
ウォブル信号振幅がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックが連続又は一部連続の溝からなる凹凸の形状を変えることによって作製できる。前記凹凸が予め決められた振幅で蛇行ないし変形しており、前記蛇行ないし変形のウォブルうねり幅が情報面1から情報面Nにおいて異なる特徴を持つ。
ウォブルとは、図37に概略図を示したように前記凹凸が予め決められた振幅で蛇行ないし変形していることをいう。図38には平面図を示したが、ウォブル周期202は前記ウォブルの変動の1周期を意味し、ウォブルうねり幅203は前記ウォブルの変動幅の長さを指す。例えば、2層媒体の場合、L0の揺れ幅がトラックピッチの20分の1、L1の揺れ幅がトラックピッチの19分の1に変えると、L1とL0のウォブル信号振幅が異なるため、振幅の違いによりレイヤーの判定ができる。
L1つまり光入射側から遠いレイヤーほど光入射側の層の影響があり、ウォブル信号のノイズが大きいため、光入射側から遠いレイヤーほどウォブル信号振幅が大きい方がより好ましかった。また信号振幅差はL0の振幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜12と同様である。
〔実施例14〕
(記録再生方法)
実施例13のウォブル信号振幅の代わりにウォブル信号振幅とピット部の再生信号振幅の比を測定してレイヤー判定を行なってもよい。この場合の、サーボコントローラの詳細図を図39に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態のウォブル信号振幅をウォブル信号振幅検出回路252にて測定し、ピット部の再生信号振幅をピット信号振幅検出回路253にて測定し、ウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比(ウォブル信号振幅/ピット部の再生信号振幅)をウォブル信号及びピット信号の振幅比演算回路254にて演算しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、ウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比(ウォブル信号振幅/ピット部の再生信号振幅)がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ウォブル信号振幅をウォブル信号振幅検出回路252にて測定し、ピット部の再生信号振幅をピット信号振幅検出回路253にて測定し、ウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比(ウォブル信号振幅/ピット部の再生信号振幅)をウォブル信号及びピット信号の振幅比演算回路254により演算し、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、ウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比(ウォブル信号振幅/ピット部の再生信号振幅)がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ウォブル信号振幅をウォブル信号振幅検出回路252にて測定し、ピット部の再生信号振幅をピット信号振幅検出回路253にて測定し、ウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比(ウォブル信号振幅/ピット部の再生信号振幅)をウォブル信号及びピット信号の振幅比演算回路254により演算し、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ウォブル信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど振幅比が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、ウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比の差はL0の振幅比に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
(情報記録媒体の特徴)
ウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されている連続又は一部連続の溝からなる凹凸の形状を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、上記ピット形状を一定として、上記凹凸の溝のウォブルうねり幅をL0は0.020μm、L1は0.024μmと変えると、L0のウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比が0.05、L1のウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比が0.06と異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ウォブル信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝のウォブルうねり幅は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝のウォブルうねり幅が大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝のウォブルうねり幅の差はL0ののウォブルうねり幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
上記凹凸の溝のウォブルうねり幅のかわりにピット形状を変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、上記凹凸の溝幅を0.38μm一定で、上記凹凸の溝のウォブルうねり幅を0.024μm一定とし、ピットの形状を変えた。ピット幅をL0は0.28μm、L1は0.26μm、とすると、L0のウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比が0.05、L1のウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比が0.06と異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ウォブル信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記ピット幅は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記ピット幅が小さい方がより好ましかった。
レイヤー1>レイヤー2>…>レイヤーN−1>レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記ピット幅の差はL0のピット幅に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
また、上記凹凸の溝ウォブルうねり幅とピット幅を変えることによって、ウォブル信号及びピット部の再生信号の振幅比を変えてもよい。上記振幅比の差がL0の振幅比に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
一方、振幅比は、各レイヤーの反射率が異なる場合、及びレイヤー内で反射率が異なる場合でも一定である。従って、反射率変動の大きなディスクや反射率変化が生じた場合においても、正確にレイヤー判定して記録・再生が出来、好ましかった。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜13と同様である。
〔実施例15〕
実施例1に記載の記録・再生装置において、サーボコントローラ151のみを変化させた記録・再生装置を作製した。原理図を図40に、サーボコントローラの詳細図を図41に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態のウォブル信号周波数をウォブル周波数検出回路255にて測定しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、レイヤー番号、つまりどの情報面にフォーカスされているかを判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくない情報面にいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、ウォブル信号周波数がレイヤーごとに異なる媒体では、ウォブル信号周波数をウオブル周波数検出回路255により測定し、レイヤー判定することにより、図40に示すようにレイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、ウォブル信号周波数がレイヤーごとに異なる媒体では、ウォブル信号周波数をウオブル周波数検出回路255により測定し、レイヤー判定することにより、図40に示すようにレイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
ウォブル信号周波数がレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックが連続又は一部連続の溝からなる凹凸の形状を変えることによって作製できる。前記凹凸が予め決められた振幅で蛇行ないし変形しており、前記蛇行ないし変形のウォブル周期が情報面1から情報面Nにおいて異なる特徴を持つ。例えば、2層媒体の場合、L0のウォブル周期が32.76μm、L1のウォブル周期が32.24μmに変えると、L1のウォブル信号周波数の違いによりレイヤーの判定ができる。
L1つまり光入射側から遠いレイヤーほど光入射側の層の影響があり、ウォブル信号のノイズが大きいため、光入射側から遠いレイヤーほどウォブル信号周波数が大きい方がより好ましかった。また信号周波数差はL0の周波数差に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
検出器のゲインは図42に示されるように周波数に依存する。検出器の利得(ゲイン)が0となる周波数をカットオフ周波数(Fc)と呼ぶ。最短マーク長の周波数をF2、最長マーク長の周波数をF1とした場合、上記ウォブル周波数はF1より1割以上低いことが好ましい。そうするとウォブル信号の検出感度が大きくなり、好ましい。一方上記ウォブル周波数はF1より1割以上高く、カットオフ周波数Fcより低い範囲でも可能だが、この場合はウォブル信号の検出感度は低くなる。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜14と同様である。
〔実施例16〕
(記録再生方法)
実施例15のウォブル信号周波数の代わりにウォブル信号周波数とピット部の再生信号周波数の差を測定してレイヤー判定を行なってもよい。この場合の、サーボコントローラの詳細図を図43に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態のウォブル信号周波数(Fw)をウォブル信号周波数検出回路256にて測定し、ピット部の再生信号周波数をピット信号周波数(Fp)検出回路257にて測定し、ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差F(F=Fwxz−Fp、zは1以上の整数)をウォブル信号及びピット信号の周波数差演算回路258にて演算しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差Fがレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ウォブル信号周波数(Fw)をウォブル信号周波数検出回路256にて測定し、ピット部の再生信号周波数をピット信号周波数(Fp)検出回路257にて測定し、ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差F(F=Fw×z−Fp、zは1以上の整数)をウォブル信号及びピット信号の周波数差演算回路258にて演算し、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差Fがレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ウォブル信号周波数(Fw)をウォブル信号周波数検出回路256にて測定し、ピット部の再生信号周波数をピット信号周波数(Fp)検出回路257にて測定し、ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差F(F=Fw×z−Fp、zは1以上の整数)をウォブル信号及びピット信号の周波数差演算回路258にて演算し、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ウォブル信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるウォブル信号及びピット部の再生信号のの周波数差Fは、式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど周波数差Fが大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、ウォブル信号及びピット部の再生信号のの周波数差Fの差はL0の周波数差に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。上記zは50以上200以下であると、演算された周波数差Fの判定が容易になるため好ましかった。
(情報記録媒体の特徴)
ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差Fがレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されている連続又は一部連続の溝からなる凹凸の形状を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、上記ピット周期を一定として、上記凹凸のウォブル周期をL0は10μm、L1は11μmと変えると、Zが100でピット周波数が15MHzの場合、L0のウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差F0は5MHz、L1のウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差Fは4.1MHzと異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ウォブル信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸の溝ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差Fは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸の溝ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差Fが大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差Fの差はL0の周波数差に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
上記凹凸の溝のウォブル周期のかわりにピット形状を変えても同様な効果が得られた。例えば、2層媒体の場合、上記凹凸の溝幅を0.38μm一定で、上記凹凸の溝のウォブル周期を10μm一定とし、ピットの形状を変えた。ピット周期をL0は0.60μm、L1は0.52μm、とすると、Zが100ではL0のウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差Fが5.0MHz、L1のウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差Fが7.3MHz、と異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。ピット周期とは1つめのピットの先端から次のピットの先端までの長さをいう。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ウォブル信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記ピット周期は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記ピット周期が小さい方がより好ましかった。
レイヤー1>レイヤー2>…>レイヤーN−1>レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸の溝ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差Fの差はL0の周波数差に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
また、上記凹凸溝のウォブル信号周波数とピット部信号周波数の両方をを変えることによって、ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差Fを変えてもよい。上記周波数差Fの差がL0の周波数差に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
この他、ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差F以外に、ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差演算回路258をウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数和演算回路に変えてレイヤー判断を行なってもよい。ウォブル信号周波数とピット部の再生信号の周波数のうち少なくとも一方と複数周波数としてこれらの和や差の組合せを用いてもよい。
一方、ウォブル信号及びピット部の再生信号の周波数差F及び和は、各レイヤーの反射率が異なる場合、及びレイヤー内で反射率が異なる場合でも一定である。従って、反射率変動の大きなディスクや反射率変化が生じた場合においても、正確にレイヤー判定して記録・再生が出来、好ましかった。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜15と同様である。
〔実施例17〕
(記録再生方法)
実施例15のウォブル信号周波数の代わりに複数のウォブル信号周波数の差を
測定してレイヤー判定を行なってもよい。この場合の、サーボコントローラの詳
細図を図44に示した。
サーボコントローラ151にはオートフォーカス(AF)信号検出回路201があり、ここで検出されたAF誤差信号がAFサーボ回路202に送られ、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に信号を伝える。一方、AF誤差信号はAFサーボ系コントローラ205へ信号を伝えレイヤー(情報面)にフォーカスした状態であることを伝える。フォーカスした状態のウォブル信号周波数(Fw1)及びウォブル信号周波数(Fw2)をウォブル信号周波数検出回路259にて測定し、ウォブル信号の周波数差G(G=Gp−Gs)をウォブル信号周波数差演算回路260にて演算しその値をレイヤー番号判定回路207へ伝え、フォーカスされたレイヤーのレイヤー番号を判定し、AFサーボ系コントローラ205へ伝える。ここで正しいレイヤーにいる場合は、レイヤージャンプが不要である。正しくないレイヤーにいる場合は正しいレイヤーへジャンプするための信号が、レイヤージャンプ信号発生回路206より発生し、スイッチ203を介してAFアクチュエータドライバ204に伝えられ、レイヤージャンプする。これらは、正しいレイヤーへフォーカスするまで繰り返される。
このように、各レイヤーにおいて複数の周波数のウォブル信号を持ち、ウォブル信号の周波数差G(G=Gp−Gs)がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ウォブル信号周波数(Gp)及びウォブル信号周波数(Gs)をウォブル信号周波数検出回路259にて測定し、ウォブル信号の周波数差G(G=Gp−Gs)をウォブル信号周波数差演算回路260にて演算し、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして記録できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても記録時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
また、各レイヤーにおいて複数の周波数のウォブル信号を持ち、ウォブル信号の周波数差G(G=Gp−Gs)がレイヤーごとに異なる媒体を用いて、ウォブル信号周波数(Gp)及びウォブル信号周波数(Gs)をウォブル信号周波数検出回路259にて測定し、ウォブル信号の周波数差G(G=Gp−Gs)をウォブル信号周波数差演算回路260にて演算し、レイヤー判定することにより、レイヤー番号が判定でき、確実に正しいレイヤーにアクセスして再生できることがわかる。さらに、トラッキングした後に、基板のピット部の情報を読み取ることによりレイヤー判定する方法に比べても再生時のアクセスタイムが非常に早いという利点がある。
複数の周波数のウォブル信号を持つ媒体におけるウォブルの一例を図45に示した。グルーブ部311は周期の短いウォブル314とより周期の長いウォブル316からなる。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ウォブル信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)におけるウォブル信号の周波数差Gは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど周波数差Gが大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、ウォブル信号の周波数差Gの差はL0の周波数差に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
この他、ウォブル信号の周波数差G以外に、ウォブル信号の周波数和G′(G′=Gp+Gs)、また、3種類以上のウォブル信号周波数の和や差の組合せを用いてもよい。この時、Gp又はGsのいずれか1つを各レイヤーで一定にすると、ウォブル信号を同期信号として利用することもできるためより好ましかった。
(情報記録媒体の特徴)
ウォブル信号の周波数差Gがレイヤーごとに異なる媒体は、情報面の記録トラックに形成されている連続又は一部連続の溝からなる凹凸の形状を変えることによって作製できる。例えば、2層媒体の場合、L0のウォブル周期が32.76μmと32.24μm、L1のウォブル周期が32.76μmと31.20μmとすると、ウォブル信号の周波数差GがL1とL0で異なるため、この違いによりレイヤーの判定が可能である。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ウォブル信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記ウォブル信号の周波数差Gは、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記ウォブル信号の周波数差Gが大きい方がより好ましかった。
レイヤー1<レイヤー2<…レイヤーN−1<レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸におけるウォブル信号の周波数差Gの差はL0の周波数差に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
この他、ウォブル信号の周波数差G以外に、ウォブル信号周波数差演算回路260をウォブル信号周波数和演算回路に変え、ウォブル信号の周波数和G′(G′=Gp+Gs)を測定してレイヤー判断を行なってもよい。3種類以上のウォブル信号周波数の和や差の組合せを用いてもよい。
光入射側から遠いレイヤーほどより光入射側の層の影響があり、ウォブル信号のノイズが大きいため、1〜N層のレイヤー(情報面)における上記凹凸のウォブル信号の周波数和G′は、次式に示されるように、光入射側から遠いレイヤーほど上記凹凸のウォブル信号の周波数和G′が小さい方がより好ましかった。
レイヤー1>レイヤー2>…レイヤーN−1>レイヤーN
(Nは2以上の整数)
また、上記凹凸のウォブル信号の周波数和G′の差はL0の周波数差に対して5%以上あると判別のエラーがなくなり、10%以上あると環境変動にも耐えられるためより好ましかった。
一方、ウォブル信号の周波数差G及び和G′は、各レイヤーの反射率が異なる場合、及びレイヤー内で反射率が異なる場合でも一定である。従って、反射率変動の大きなディスクや反射率変化が生じた場合においても、正確にレイヤー判定して記録・再生が出来、好ましかった。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜16と同様である。
〔実施例18〕
(本発明の情報記録媒体の構成、製法2)
図46は、本発明の多層ディスク状情報記録媒体の他の例の断面構造を示す模式図である。2層以上の媒体はこのようにして製作した。一例として3層媒体を示す。
まず、直径12cm、厚さ0.6mmで表面にトラッキング用の溝を有するポリカーボネイト保護基板64上に、膜厚約80nmのAg98Pd1Cu1膜からなるL2反射層63上に膜厚約80nmの(ZnS)80(SiO2)20膜と膜厚約5nmのCr2O3からなるL2上部保護層62、膜厚約18nmのGe5Sb2Te8からなるL2記録膜61、膜厚約5nmのCr40O57N3膜と膜厚約80nmの(ZnS)80(SiO2)20膜からなるL2下部保護層60を順次形成したものである。
その後、紫外線硬化樹脂を用いてトラッキング用の溝をスタンパから転写するフォトポリメリゼーション法(2P法)によって表面にトラッキング用の溝を有するL1−L2スペーサ層59を形成した。この上に、L1を形成した。L1−L2間スペーサ層59上に、膜厚約100nmの(ZnS)80(SiO2)20膜と膜厚約5nmのCr2O3膜からなるL1上部保護層58、膜厚約5nmのGe5Sb2Te8からなるL1記録膜57、膜厚約5nmのCr40O57N3膜と膜厚約95nmの(ZnS)80(SiO2)20膜からなるL1下部保護層56を順次形成した。
次に、先ほどと同様の2P法によりL0−L1スペーサ層59を形成した。L0−L1スペーサ層55上に膜厚約100nmの(ZnS)80(SiO2)20膜と膜厚約5nmのCr2O3膜からなるL0上部保護層54、膜厚約4nmのGe5Sb2Te8からなるL0記録膜53、膜厚約5nmのCr40O57N3膜と膜厚約95nmの(ZnS)80(SiO2)20膜からなるL0下部保護層52を順次形成した。最後に、基板51を貼り併せた。積層膜の形成はマグネトロン・スパッタリング装置により行った。こうして多層ディスク部材を得た。
初期化及び、記録・再生方法は2層媒体と同様である。このように、片側3層以上にして記録・再生することが可能である。記録再生特性及び構成材料等については、光入射側から1番遠い層、即ち3層媒体ではL2、n層媒体ではLn−1が2層媒体におけるL1と同様であった。それ以外の層、即ち3層媒体ではL0からL1、n層媒体ではL0からLn−2が2層媒体におけるL0と同様であった。
本実施例に記載されていない事項については、実施例1〜16と同様である。
実施例1〜18に記載の情報の記録・再生方法は単独で用いても効果があるが、組み合わせて用いると信頼性が向上するため好ましい。また、上記実施例に記載した以外の材料や膜厚、積層順である、相変化記録膜を有する多層情報記録媒体、色素を記録膜に持つ多層情報記録媒体、ROM情報を有する多層情報記録媒体、これらの組み合わせなど、多層の情報面を持つ光ディスクにおいて情報面検出の信頼性及び/又は検出速度があがり、記録・再生が早く確実に出来るため好ましかった。
1:基板、2:レイヤー0、3:レイヤー0とレイヤー1間のスペーサ層、4:レイヤー1、5:レイヤー1とレイヤー2間のスペーサ層、6:レイヤー2、7:レイヤー2とレイヤー3間のスペーサ層、8:レイヤーn−1、9:保護基板、11:基板、12:L0下部保護層、13:L0記録膜、14:L0上部保護層、15:スペーサ−層、16:L1下部保護層、17:L1記録膜、18:L1上部保護層、19…L1反射層、20…保護基板、21:基板、22:レイヤー0、23:レイヤー0とレイヤー1間のスペーサ層、24:レイヤー1、25:保護基板、31:セクタ、32:ピット部、33:ミラー部、34:データ部、41:ID部、100:情報記録媒体、108:筐体、110:モーター、111:回転軸、112:チャッキング機構、115:レール、116:レールガイド、117:ケース、118:回転モータ、119:直線ギア、120:回転ギア、121:磁石、122:コイル、123:サスペンション、131:半導体レーザ、132:コリメートレンズ、133:ビームスプリッタ、134:検出レンズ、135:光検出器、136:対物レンズ、140:検出器、150:システムコントローラ、151:サーボコントローラ、152:アンプ、153:デコーダ、154:レーザドライバ回路、155:パターン生成回路、158:出力コネクタ、159:入力コネクタ、161:信号処理回路、170:スライサ、171:ウォブル検出回路、172:周波数変換回路、173:PLL回路、201:AF信号検出回路、202:AFサーボ回路、203:スイッチ、204:AFアクチュエータドライバ、205:AFサーボ系コントローラ、206:レイヤージャンプ信号発生回路、207:レイヤー番号判定回路、208:TR誤差信号振幅検出回路、209:総光量検出回路、210:セクター数検出回路、211:セクター時間検出回路、213:データ部再生信号振幅検出回路、214:ピット部再生信号振幅検出回路、215:再生信号振幅検出回路、216:ピット部再生信号周波数検出回路、217:ピット部再生信号ピット数検出回路、218:ピット部再生信号ピット長検出回路、220:ミラー部再生信号ミラー長検出回路、221:ミラー部再生信号光量検出回路、222:再生信号光量検出回路、223:データ部及びミラー部の光量比演算回路、224:試書部再生信号振幅検出回路、225:再生信号振幅検出回路、226:試書部及びピット部の振幅比演算回路、227:再生信号振幅検出回路、228:試書部及びミラー部の振幅比演算回路、251:ウォブル信号振幅検出回路、252:ウォブル信号振幅検出回路、253:ピット信号振幅検出回路、254:ウォブル信号及びピット信号の振幅比演算回路、255:ウォブル周波数検出回路、256:ウォブル信号周波数検出回路、257:ピット信号周波数検出回路、258:ウォブル信号及びピット信号の周波数差演算回路、W0:L0の溝幅、W1:L1の溝幅、D0:L0の溝深さ、D1:L1の溝深さ、S0:L0の溝の角、S1:L1の溝の角