JPH0831470A - 導電体の接続構造 - Google Patents
導電体の接続構造Info
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- JPH0831470A JPH0831470A JP18405294A JP18405294A JPH0831470A JP H0831470 A JPH0831470 A JP H0831470A JP 18405294 A JP18405294 A JP 18405294A JP 18405294 A JP18405294 A JP 18405294A JP H0831470 A JPH0831470 A JP H0831470A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、冷熱サイクル等苛酷な条件
下においても、導電体間の正常な電気的接続状態及び機
械的接続状態を何ら損なうことのない導電体の接続構造
を提供することにある。 【構成】 導電体間を有機導電性接着剤によって固着し
てなる導電体の接続構造であって、少なくとも一方が卑
金属で構成された導電体間を、導電因子としてカーボン
粒子を分散させてなるシリコーン系導電性接着剤によっ
て固着してなる導電体の接続構造において、前記シリコ
ーン系導電性接着剤と、前記卑金属導電体との間には、
導電因子として貴金属粉末を分散させてなる有機導電性
接着剤が介在していることを特徴とするものである。
下においても、導電体間の正常な電気的接続状態及び機
械的接続状態を何ら損なうことのない導電体の接続構造
を提供することにある。 【構成】 導電体間を有機導電性接着剤によって固着し
てなる導電体の接続構造であって、少なくとも一方が卑
金属で構成された導電体間を、導電因子としてカーボン
粒子を分散させてなるシリコーン系導電性接着剤によっ
て固着してなる導電体の接続構造において、前記シリコ
ーン系導電性接着剤と、前記卑金属導電体との間には、
導電因子として貴金属粉末を分散させてなる有機導電性
接着剤が介在していることを特徴とするものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電体間を有機導電性
接着剤により固着してなる導電体の接続構造に関する。
更に詳しくは、断続的に熱ストレスを受けるような条件
下においても、導電体間の正常な電気的接続状態及び機
械的接続状態が長期間にわたって良好に維持できるよう
に、その接続構造を改良したものに関する。
接着剤により固着してなる導電体の接続構造に関する。
更に詳しくは、断続的に熱ストレスを受けるような条件
下においても、導電体間の正常な電気的接続状態及び機
械的接続状態が長期間にわたって良好に維持できるよう
に、その接続構造を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の電気機器においては、
半田付けやロー付けが不可能な導電体間の接続には、導
電因子としてカーボン粒子を分散させてなるシリコーン
系導電性接着剤が多用されている。前記の接着剤は銅板
とアルミニウム板、銅板とステンレス板などに代表され
るように、各種純金属と合金との接続及び金属とメタル
グレーズ層との接続においては、その容易さと経済性に
絶大なものがある。
半田付けやロー付けが不可能な導電体間の接続には、導
電因子としてカーボン粒子を分散させてなるシリコーン
系導電性接着剤が多用されている。前記の接着剤は銅板
とアルミニウム板、銅板とステンレス板などに代表され
るように、各種純金属と合金との接続及び金属とメタル
グレーズ層との接続においては、その容易さと経済性に
絶大なものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような接続構造においては、導電体の内の少なくとも一
方が卑金属で構成されていて、かつ断続的に熱ストレス
を受けるようなことがあると、導電因子としてカーボン
粒子を分散させてなるシリコーン系導電性接着剤の抵抗
が増大し正常な電気的接続状態が損なわれるという欠点
があった。この問題は特に、熱ストレスの影響が大きい
発熱体の電極部分の接続構造において顕著であった。
ような接続構造においては、導電体の内の少なくとも一
方が卑金属で構成されていて、かつ断続的に熱ストレス
を受けるようなことがあると、導電因子としてカーボン
粒子を分散させてなるシリコーン系導電性接着剤の抵抗
が増大し正常な電気的接続状態が損なわれるという欠点
があった。この問題は特に、熱ストレスの影響が大きい
発熱体の電極部分の接続構造において顕著であった。
【0004】以下、発熱体として、正特性サーミスタ
(以下、「PTC」という)発熱体を例示して、上記問
題について更に詳しく説明する。PTC発熱体は、例え
ば図2に示すような構成になっている。まず、チタン酸
バリウム系セラミック素子からなるPTC発熱素子11
があり、その上下両面には、銀ペーストからなる電極層
11aが設けられている。電極層11aには、導電因子
としてカーボン粒子が分散されてなるシリコーン系導電
性接着剤12によって、銅板、スズメッキ真鍮板、ニッ
ケル板、ステンレス板等の卑金属板や、銀メッキ真鍮板
等の貴金属板で構成された電極板14が固着されてい
る。
(以下、「PTC」という)発熱体を例示して、上記問
題について更に詳しく説明する。PTC発熱体は、例え
ば図2に示すような構成になっている。まず、チタン酸
バリウム系セラミック素子からなるPTC発熱素子11
があり、その上下両面には、銀ペーストからなる電極層
11aが設けられている。電極層11aには、導電因子
としてカーボン粒子が分散されてなるシリコーン系導電
性接着剤12によって、銅板、スズメッキ真鍮板、ニッ
ケル板、ステンレス板等の卑金属板や、銀メッキ真鍮板
等の貴金属板で構成された電極板14が固着されてい
る。
【0005】ここで、上記構成のPTC発熱体の電極板
14間の抵抗値を冷熱サイクル(AC12Vの電圧を3
0分間印加、30分間休止)を加えた状態で測定してみ
た。PTC発熱素子11としては、キュリー温度120
℃、常温抵抗17Ωのものを使用し、電極板14として
は、スズメッキ真鍮板(卑金属板)を使用した。その結
果、100サイクル経過時に21Ω程度であったもの
が、500サイクル経過時には30Ω程度となり、サイ
クル数の増加に伴って抵抗値が著しく増大した。しか
し、PTC発熱素子11の常温抵抗は500サイクル経
過時においても16.8Ωであり、初期値とほとんど変
化していなかった。また、電極板14と電極層11a間
において微弱電流から中電流域までの電圧−電流特性を
測定したところ、オーミック性であり電気的ポテンシャ
ルの生成を示すものは無かった。尚、このとき、電極板
14と電極層11aとの間の接着強度についても測定し
てみたが、冷熱サイクルを加える前と後でほとんど変化
していなかった。一方、電極板として、銀メッキ真鍮板
(貴金属板)を使用したPTC発熱体についても上記と
同様に電極板間の抵抗値を測定してみたが、抵抗値の増
大は認められなかった。
14間の抵抗値を冷熱サイクル(AC12Vの電圧を3
0分間印加、30分間休止)を加えた状態で測定してみ
た。PTC発熱素子11としては、キュリー温度120
℃、常温抵抗17Ωのものを使用し、電極板14として
は、スズメッキ真鍮板(卑金属板)を使用した。その結
果、100サイクル経過時に21Ω程度であったもの
が、500サイクル経過時には30Ω程度となり、サイ
クル数の増加に伴って抵抗値が著しく増大した。しか
し、PTC発熱素子11の常温抵抗は500サイクル経
過時においても16.8Ωであり、初期値とほとんど変
化していなかった。また、電極板14と電極層11a間
において微弱電流から中電流域までの電圧−電流特性を
測定したところ、オーミック性であり電気的ポテンシャ
ルの生成を示すものは無かった。尚、このとき、電極板
14と電極層11aとの間の接着強度についても測定し
てみたが、冷熱サイクルを加える前と後でほとんど変化
していなかった。一方、電極板として、銀メッキ真鍮板
(貴金属板)を使用したPTC発熱体についても上記と
同様に電極板間の抵抗値を測定してみたが、抵抗値の増
大は認められなかった。
【0006】従ってこれらの結果より、上記PTC発熱
体における抵抗値の増大は、上記シリコーン系導電性接
着剤12自身であり、その原因は、接着強度の差異によ
るものではなく、電極板の種類によって抵抗増大の様子
がかなり異なることから、PTC発熱体の銀ペースト電
極層11aの問題でもなく、シリコーン系導電性接着剤
12と卑金属板で構成された電極板14との接触によっ
て、前記シリコーン系導電性接着剤12が部分的に何ら
かの化学的変成を受け、熱ストレスに対して弱くなった
ものと考えられる。
体における抵抗値の増大は、上記シリコーン系導電性接
着剤12自身であり、その原因は、接着強度の差異によ
るものではなく、電極板の種類によって抵抗増大の様子
がかなり異なることから、PTC発熱体の銀ペースト電
極層11aの問題でもなく、シリコーン系導電性接着剤
12と卑金属板で構成された電極板14との接触によっ
て、前記シリコーン系導電性接着剤12が部分的に何ら
かの化学的変成を受け、熱ストレスに対して弱くなった
ものと考えられる。
【0007】本発明はこのような点に基づいてなされた
もので、その目的とするところは、冷熱サイクル等苛酷
な条件下においても、導電体間の正常な電気的接続状態
及び機械的接続状態を何ら損なうことのない導電体の接
続構造を提供することにある。
もので、その目的とするところは、冷熱サイクル等苛酷
な条件下においても、導電体間の正常な電気的接続状態
及び機械的接続状態を何ら損なうことのない導電体の接
続構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するべ
く本発明による導電体の接続構造は、導電体間を有機導
電性接着剤によって固着してなる導電体の接続構造であ
って、少なくとも一方が卑金属で構成された導電体間
を、導電因子としてカーボン粒子を分散させてなるシリ
コーン系導電性接着剤によって固着してなる導電体の接
続構造において、前記シリコーン系導電性接着剤と、前
記卑金属導電体との間には、導電因子として貴金属粉末
を分散させてなる有機導電性接着剤が介在していること
を特徴とするものである。
く本発明による導電体の接続構造は、導電体間を有機導
電性接着剤によって固着してなる導電体の接続構造であ
って、少なくとも一方が卑金属で構成された導電体間
を、導電因子としてカーボン粒子を分散させてなるシリ
コーン系導電性接着剤によって固着してなる導電体の接
続構造において、前記シリコーン系導電性接着剤と、前
記卑金属導電体との間には、導電因子として貴金属粉末
を分散させてなる有機導電性接着剤が介在していること
を特徴とするものである。
【0009】本発明において、導電因子としてカーボン
粒子を分散させてなるシリコーン系導電性接着剤と卑金
属導電体との間に介在させる有機導電性接着剤とは、シ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミ
ド樹脂等の有機高分子中に、導電因子として、金、銀、
銀−パラジウム等の貴金属の粉末が分散されたものであ
り、これらは各種市販されている。樹脂と貴金属の組み
合わせは特に限定されないが、好ましくはシリコーン樹
脂に銀粉末を分散させたものを使用する。
粒子を分散させてなるシリコーン系導電性接着剤と卑金
属導電体との間に介在させる有機導電性接着剤とは、シ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミ
ド樹脂等の有機高分子中に、導電因子として、金、銀、
銀−パラジウム等の貴金属の粉末が分散されたものであ
り、これらは各種市販されている。樹脂と貴金属の組み
合わせは特に限定されないが、好ましくはシリコーン樹
脂に銀粉末を分散させたものを使用する。
【0010】上記の有機導電性接着剤を、シリコーン系
導電性接着剤と卑金属電極との間に介在させる手段とし
ては、スクリーン印刷法が挙げられる。その際、接着剤
の厚さは5μm〜15μm程度とすることが好ましい。
厚さが5μmに満たない場合は、所望の効果を得ること
が困難となり、一方、15μmを越えるとコストの上昇
となる他、接着剤層が剥離してしまう恐れがある。
導電性接着剤と卑金属電極との間に介在させる手段とし
ては、スクリーン印刷法が挙げられる。その際、接着剤
の厚さは5μm〜15μm程度とすることが好ましい。
厚さが5μmに満たない場合は、所望の効果を得ること
が困難となり、一方、15μmを越えるとコストの上昇
となる他、接着剤層が剥離してしまう恐れがある。
【0011】本発明による導電体の接続構造は、例え
ば、PTC発熱体等の発熱体における金属電極間の接続
構造に好適に適用することができる。具体的には、チタ
ン酸バリウム系セラミック素子からなるPTC発熱素子
の両面に形成される金属電極層に、電圧印加用の金属電
極板を有機導電性接着剤によって固着するような接続構
造の場合である。
ば、PTC発熱体等の発熱体における金属電極間の接続
構造に好適に適用することができる。具体的には、チタ
ン酸バリウム系セラミック素子からなるPTC発熱素子
の両面に形成される金属電極層に、電圧印加用の金属電
極板を有機導電性接着剤によって固着するような接続構
造の場合である。
【0012】PTC発熱体は、通常、発熱素子の両面に
形成される電極層が銀ペースト(貴金属)で構成される
とともに、電圧印加用の電極板は、低コストであるスズ
メッキ真鍮板等の卑金属板で構成されている。また、有
機導電性接着剤としては、耐熱性に優れたシリコーン系
導電性接着剤、中でもシリコーン樹脂中に導電因子とし
てカーボン粒子が分散されたものが、十分な接着強度を
有することから好ましく使用されている。したがって、
このPTC発熱体に本発明を適用する場合は、カーボン
粒子が分散されたシリコーン系導電性接着剤と、卑金属
で構成された電極板との間に、金、銀、銀−パラジウム
等の貴金属の粉末を有機高分子中に分散させてなる導電
性接着剤を介在させれば良い。勿論、PTC発熱素子の
両面に形成される電極層が、銀ペースト(貴金属)以外
の卑金属で構成されている場合は、この電極層と、カー
ボン粒子が分散されたシリコーン系導電性接着剤との間
にも、貴金属の粉末を有機高分子中に分散させてなる有
機導電性接着剤を介在させることになる。
形成される電極層が銀ペースト(貴金属)で構成される
とともに、電圧印加用の電極板は、低コストであるスズ
メッキ真鍮板等の卑金属板で構成されている。また、有
機導電性接着剤としては、耐熱性に優れたシリコーン系
導電性接着剤、中でもシリコーン樹脂中に導電因子とし
てカーボン粒子が分散されたものが、十分な接着強度を
有することから好ましく使用されている。したがって、
このPTC発熱体に本発明を適用する場合は、カーボン
粒子が分散されたシリコーン系導電性接着剤と、卑金属
で構成された電極板との間に、金、銀、銀−パラジウム
等の貴金属の粉末を有機高分子中に分散させてなる導電
性接着剤を介在させれば良い。勿論、PTC発熱素子の
両面に形成される電極層が、銀ペースト(貴金属)以外
の卑金属で構成されている場合は、この電極層と、カー
ボン粒子が分散されたシリコーン系導電性接着剤との間
にも、貴金属の粉末を有機高分子中に分散させてなる有
機導電性接着剤を介在させることになる。
【0013】
【作用】上記構成によれば、一方が卑金属、他方が貴金
属または両方が卑金属で構成されているような導電体間
を、導電因子としてカーボン粒子が分散されてなるシリ
コーン系導電性接着剤によって固着接続する際、該シリ
コーン系導電性接着剤と卑金属で構成された導電体との
間に、更に、導電因子として貴金属の粉末が分散されて
なる有機導電性接着剤を介在させるようにしたので、例
えば、冷熱サイクル等の影響によって導電体間の電気抵
抗値が増大したり、また導電体間が剥離してしまうよう
なことがなくなる。そのため、正常な電気的接続状態及
び機械的接続状態を維持することが可能になる。従っ
て、例えば本接続構造をPTC発熱体等の発熱体におけ
る電極間の接続に適用した場合には、所望の発熱量を確
実に得ることの可能な信頼性の高い発熱体を安価に提供
することができる。
属または両方が卑金属で構成されているような導電体間
を、導電因子としてカーボン粒子が分散されてなるシリ
コーン系導電性接着剤によって固着接続する際、該シリ
コーン系導電性接着剤と卑金属で構成された導電体との
間に、更に、導電因子として貴金属の粉末が分散されて
なる有機導電性接着剤を介在させるようにしたので、例
えば、冷熱サイクル等の影響によって導電体間の電気抵
抗値が増大したり、また導電体間が剥離してしまうよう
なことがなくなる。そのため、正常な電気的接続状態及
び機械的接続状態を維持することが可能になる。従っ
て、例えば本接続構造をPTC発熱体等の発熱体におけ
る電極間の接続に適用した場合には、所望の発熱量を確
実に得ることの可能な信頼性の高い発熱体を安価に提供
することができる。
【0014】
【実施例】以下、図1を参照して本発明の一実施例を説
明する。尚、この実施例は、本発明の接続構造をPTC
発熱体における電極層と電極板の接続に適用した例を示
すものである。
明する。尚、この実施例は、本発明の接続構造をPTC
発熱体における電極層と電極板の接続に適用した例を示
すものである。
【0015】図1において、両面に銀ペーストによる電
極層1aを有するPTC発熱素子1があり、このPTC
発熱素子1は縦13mm、横21mm及び厚さ2mmの
板状に形成されたチタン酸バリウム系セラミック素子
(キュリー温度120℃、常温抵抗17.7Ω)からな
っている。PTC発熱素子1の両電極層1a上には、第
一の有機導電性接着層2及び第二の有機導電性接着層3
を介して、縦11mm、横27mm及び厚さ0.5mm
の薄板形状に形成されたスズメッキ真鍮板からなる電極
板4が固着されている。
極層1aを有するPTC発熱素子1があり、このPTC
発熱素子1は縦13mm、横21mm及び厚さ2mmの
板状に形成されたチタン酸バリウム系セラミック素子
(キュリー温度120℃、常温抵抗17.7Ω)からな
っている。PTC発熱素子1の両電極層1a上には、第
一の有機導電性接着層2及び第二の有機導電性接着層3
を介して、縦11mm、横27mm及び厚さ0.5mm
の薄板形状に形成されたスズメッキ真鍮板からなる電極
板4が固着されている。
【0016】ここで、第一の有機導電性接着層2は、導
電因子としてカーボン粒子が分散されたシリコーン系導
電性接着剤からなり、PTC発熱素子1の電極層1a表
面に100μm程度の厚さに塗布されている。第二の有
機導電性接着層3は、導電因子として銀粉末が分散され
たシリコーン系導電性接着剤からなるもので、電極板4
の表面に10μm程度の厚さになるように印刷により塗
布された後、所定の熱処理(80℃で30分間乾燥させ
た後、180℃で30分間焼成)が施されている。尚、
電極層1aと電極板4との接続は、電極板4をPTC発
熱素子1の上下両面の電極層1aに当接した後、上下両
側より5kgの力で押圧し、そのままの状態で150℃
で60分間熱処理を施すことにより行ったものである。
電因子としてカーボン粒子が分散されたシリコーン系導
電性接着剤からなり、PTC発熱素子1の電極層1a表
面に100μm程度の厚さに塗布されている。第二の有
機導電性接着層3は、導電因子として銀粉末が分散され
たシリコーン系導電性接着剤からなるもので、電極板4
の表面に10μm程度の厚さになるように印刷により塗
布された後、所定の熱処理(80℃で30分間乾燥させ
た後、180℃で30分間焼成)が施されている。尚、
電極層1aと電極板4との接続は、電極板4をPTC発
熱素子1の上下両面の電極層1aに当接した後、上下両
側より5kgの力で押圧し、そのままの状態で150℃
で60分間熱処理を施すことにより行ったものである。
【0017】ここで、上記のPTC発熱体の電気特性を
調べるべく、常態時及び冷熱サイクルを加えた後の電極
板間の抵抗値を測定してみた。冷熱サイクルは、電極板
間にAC12Vの電圧を30分間印加、30分間休止を
1サイクルとし、これを500サイクル繰り返した。抵
抗値の測定は、100サイクル経過時、250サイクル
経過時及び500サイクル経過時の常温(25℃)にお
ける抵抗値を測定した。尚、試料数は5個とし、それら
の測定値の平均値と標準偏差をそれぞれ表1に示した。
調べるべく、常態時及び冷熱サイクルを加えた後の電極
板間の抵抗値を測定してみた。冷熱サイクルは、電極板
間にAC12Vの電圧を30分間印加、30分間休止を
1サイクルとし、これを500サイクル繰り返した。抵
抗値の測定は、100サイクル経過時、250サイクル
経過時及び500サイクル経過時の常温(25℃)にお
ける抵抗値を測定した。尚、試料数は5個とし、それら
の測定値の平均値と標準偏差をそれぞれ表1に示した。
【0018】また、第二の有機導電性接着層(導電因子
として銀粉末が分散されたシリコーン系導電性接着剤)
を省略した他は本実施例と同様構造のPTC発熱体(従
来例)も用意し、上記と同様に電極板間の抵抗値を測定
した。結果は表1に併記した。
として銀粉末が分散されたシリコーン系導電性接着剤)
を省略した他は本実施例と同様構造のPTC発熱体(従
来例)も用意し、上記と同様に電極板間の抵抗値を測定
した。結果は表1に併記した。
【0019】
【表1】
【0020】表1の測定結果によれば、従来例はサイク
ル数の増加に伴って抵抗値が大きく変化し、バラツキも
大きくなっているのに対し、本実施例によるPTC発熱
体は、サイクル数の増加にかかわらず抵抗値の増大や、
そのバラツキが認められていない。
ル数の増加に伴って抵抗値が大きく変化し、バラツキも
大きくなっているのに対し、本実施例によるPTC発熱
体は、サイクル数の増加にかかわらず抵抗値の増大や、
そのバラツキが認められていない。
【0021】本実施例では更に、上記の冷熱サイクル試
験を終了した試料の電極板と電極層間の接着強度も確認
してみた。接着強度は、試料を適当な手段を用いて固定
した後、電極板の一端を垂直方向に引っ張り、電極板が
電極層の表面から剥離する時の強度を測定した。結果
は、本実施例によるものが3.5kgf、従来例が3.
6kgfで剥離し、ほとんど差が見られなかった。
験を終了した試料の電極板と電極層間の接着強度も確認
してみた。接着強度は、試料を適当な手段を用いて固定
した後、電極板の一端を垂直方向に引っ張り、電極板が
電極層の表面から剥離する時の強度を測定した。結果
は、本実施例によるものが3.5kgf、従来例が3.
6kgfで剥離し、ほとんど差が見られなかった。
【0022】尚、本発明は前記実施例に示したような発
熱体における電極間の接続以外にも、同様に適用可能で
ある。要は、少なくとも一方が卑金属で構成された導電
体間を、導電因子としてカーボン粒子を分散させてなる
シリコーン系導電性接着剤によって固着接続するような
構造であれば、導電体の種類にかかわらず任意に適用で
きる。
熱体における電極間の接続以外にも、同様に適用可能で
ある。要は、少なくとも一方が卑金属で構成された導電
体間を、導電因子としてカーボン粒子を分散させてなる
シリコーン系導電性接着剤によって固着接続するような
構造であれば、導電体の種類にかかわらず任意に適用で
きる。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように本発明による導電体
の接続構造によれば、少なくとも一方が卑金属で構成さ
れた導電体間を、導電因子としてカーボン粒子を分散さ
せてなるシリコーン系導電性接着剤によって固着接続す
る場合に、シリコーン系導電性接着剤と卑金属導電体と
の間に導電因子として貴金属粉末を分散させた有機導電
性接着剤を介在させることにより、冷熱サイクル等苛酷
な条件下においても、導電体間の電気的接続状態及び機
械的接続状態が何ら損なわれることのない確実で信頼性
の高い接続構造を得ることができる。この接続構造は、
例えば、PTC発熱体に代表されるような、両面に金属
電極層を有する発熱素子に有機導電性接着剤を介して金
属電極板を固着してなる構成の発熱体における、金属電
極層と金属電極板の接続構造に好適に適用することがで
きる。
の接続構造によれば、少なくとも一方が卑金属で構成さ
れた導電体間を、導電因子としてカーボン粒子を分散さ
せてなるシリコーン系導電性接着剤によって固着接続す
る場合に、シリコーン系導電性接着剤と卑金属導電体と
の間に導電因子として貴金属粉末を分散させた有機導電
性接着剤を介在させることにより、冷熱サイクル等苛酷
な条件下においても、導電体間の電気的接続状態及び機
械的接続状態が何ら損なわれることのない確実で信頼性
の高い接続構造を得ることができる。この接続構造は、
例えば、PTC発熱体に代表されるような、両面に金属
電極層を有する発熱素子に有機導電性接着剤を介して金
属電極板を固着してなる構成の発熱体における、金属電
極層と金属電極板の接続構造に好適に適用することがで
きる。
【図1】本発明の一実施例を示す図で、(a)はPTC
発熱体の斜視図、(b)は(a)のI−I断面図である。
発熱体の斜視図、(b)は(a)のI−I断面図である。
【図2】従来例を示す図で、PTC発熱体の断面図であ
る。
る。
1 PTC発熱素子 1a 電極層(銀ペースト) 2 第一の有機導電性接着層 3 第二の有機導電性接着層 4 電極板(スズメッキ真鍮板)
Claims (1)
- 【請求項1】 導電体間を有機導電性接着剤によって固
着してなる導電体の接続構造であって、少なくとも一方
が卑金属で構成された導電体間を、導電因子としてカー
ボン粒子を分散させてなるシリコーン系導電性接着剤に
よって固着してなる導電体の接続構造において、前記シ
リコーン系導電性接着剤と、前記卑金属導電体との間に
は、導電因子として貴金属粉末を分散させてなる有機導
電性接着剤が介在していることを特徴とする導電体の接
続構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18405294A JPH0831470A (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 導電体の接続構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18405294A JPH0831470A (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 導電体の接続構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0831470A true JPH0831470A (ja) | 1996-02-02 |
Family
ID=16146540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18405294A Pending JPH0831470A (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 導電体の接続構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0831470A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006128277A (ja) * | 2004-10-27 | 2006-05-18 | Tyco Electronics Raychem Kk | Ptc素子 |
JP2007095368A (ja) * | 2005-09-27 | 2007-04-12 | Tokai Rika Co Ltd | 電子部品付きコネクタ |
-
1994
- 1994-07-12 JP JP18405294A patent/JPH0831470A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006128277A (ja) * | 2004-10-27 | 2006-05-18 | Tyco Electronics Raychem Kk | Ptc素子 |
JP4623415B2 (ja) * | 2004-10-27 | 2011-02-02 | タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 | Ptc素子 |
JP2007095368A (ja) * | 2005-09-27 | 2007-04-12 | Tokai Rika Co Ltd | 電子部品付きコネクタ |
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