JPH08313477A - 酸素濃度判定装置 - Google Patents

酸素濃度判定装置

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JPH08313477A
JPH08313477A JP7133986A JP13398695A JPH08313477A JP H08313477 A JPH08313477 A JP H08313477A JP 7133986 A JP7133986 A JP 7133986A JP 13398695 A JP13398695 A JP 13398695A JP H08313477 A JPH08313477 A JP H08313477A
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JP
Japan
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voltage
oxygen sensor
temperature
current
limiting current
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Withdrawn
Application number
JP7133986A
Other languages
English (en)
Inventor
Asamichi Mizoguchi
朝道 溝口
Masayuki Takami
雅之 高見
Shigenori Isomura
磯村  重則
Yukihiro Yamashita
山下  幸宏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素センサSの内部抵抗を用いて理論空燃比
近傍での素子温検出が可能で、かつ酸素濃度を判定でき
ない時間を大幅に短縮すること。 【構成】 正の所望の限界電流測定用電圧をバイアス制
御回路50により酸素センサSに供給し、その時のセン
サ電流検出回路50により検出された限界電流によりマ
イクロコンピュータ70で内燃機関の空燃比(酸素濃
度)を所定周期毎に検出し、温度検出タイミングになる
と、酸素センサSの供給電圧を次第に減少させつつ、酸
素センサSの起電力を検出する。この起電力が微少な所
定値以下になると、バイアス制御回路50により酸素セ
ンサSに負の測温電圧を供給して、その時のセンサ電流
検出回路50により検出された電流によりマイクロコン
ピュータ70で酸素センサSの内部抵抗を検出すること
によって素子温を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の排気ガス中の
空燃比、即ち酸素濃度を検出する酸素濃度判定装置に係
り、特に、限界電流式酸素センサを用いて酸素濃度を判
定するのに適した酸素濃度判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のものにおいては、例え
ば、特開昭59−163556号公報に示されるよう
に、限界電流式酸素センサの内部抵抗が素子温度に応じ
て変化すること、及び酸素センサの内部抵抗を特定する
電流−電圧特性が原点を通ることに着目し、図35
(a)、(c)の軌跡1で示すごとく酸素センサを、限
界電流領域の中央付近の正電圧により第1の期間の間、
正バイアスする一方、負電圧により第2の期間、負バイ
アスし、第1、第2の期間にて、酸素センサに流れる電
流を検出し、第1の期間での検出電流に基づき酸素濃度
を検出し、一方、第2の期間での検出電流と電圧とに基
づき酸素センサの内部抵抗を演算して素子温度を検出す
るものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来のものでは、酸素センサを正側から負側にバイアス電
圧を切り換える時、酸素センサに限界電流が流れていた
時に酸素センサ自体に誘起されている起電力が放出され
るため、図35(b)の軌跡1で示すごとく検出電流に
負のピークが発生し、その後、安定状態に収束するとい
う特徴がある。したがって、検出電流が負のピークから
安定状態に収束するまでは、温度を判定するための電流
を検出できず、結果的に第2の期間が長くなって、その
間、酸素濃度が検出できないことになるため、酸素濃度
の検出可能期間が十分にとれないという問題がある。ま
た、酸素濃度検出時のセンサ印加電圧としては、特公平
1−28905号公報に記載されるように、酸素センサ
内部抵抗による限界電流が流れている時の電圧降下分と
特定電圧(0.25V〜0.75V)との和の電圧を設
定するものもあるが、このものでも、基本的には、限界
電流領域の中央付近の正電圧を酸素センサに印加すると
いう技術思想のものであるため、上記と同様の問題があ
る。
【0004】そこで、特公平6−16025号公報に記
載されるごとく、酸素センサに限界電流が流れている時
に、その印加電圧を遮断してその時の酸素センサの起電
力を測定し、この起電力と限界電流が流れている時の素
子印加電圧と限界電流とにより素子内部抵抗を検出して
素子温度を測定することにより、素子温度を検出するた
めの第2の期間を短縮するものが考えられている。とこ
ろが、このものでは、理論空燃比近傍では原理的に限界
電流が発生しないので、限界電流に基づいて素子温度を
検出することができないという問題がある。
【0005】そこで、本発明は、素子内部抵抗に基づい
て理論空燃比近傍での素子温度検出が可能で、かつ酸素
濃度を判定できない時間を大幅に短縮することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決にあた
り、本発明においては、図1に示すごとく、限界電流式
酸素センサと、前記酸素センサに限界電流を測定するた
めの所望値の電圧を供給する限界電流測定用電圧供給手
段と、前記電圧の供給により前記酸素センサに流れる限
界電流を検出する電流検出手段と、前記酸素センサが活
性状態にある時の前記限界電流に基づき酸素濃度を判定
する酸素濃度判定手段と、前記酸素センサに温度を判定
するための測温電圧を短時間供給する測温電圧供給手段
と、前記測温電圧供給手段より前記酸素センサに温度を
判定するための測温電圧が供給されている時に前記電流
検出手段により検出された電流により前記酸素センサの
内部抵抗を検出することにより素子温度を判定する素子
温度判定手段とを備え、前記限界電流測定用電圧供給手
段は、前記酸素センサの限界電流領域内の低電圧側の端
付近に前記所望値の電圧を設定する端付近電圧設定手段
を含む酸素濃度判定装置を提供するものである。
【0007】また、限界電流式酸素センサと、前記酸素
センサに限界電流を測定するための電圧を供給する限界
電流測定用電圧供給手段と、前記電圧の供給により前記
酸素センサに流れる限界電流を検出する電流検出手段
と、前記酸素センサが活性状態にある時の前記限界検出
電流に基づき酸素濃度を判定する酸素濃度判定手段と、
前記限界電流を検出している時に前記限界電流測定用電
圧供給手段より前記酸素センサに供給される電圧を所望
値より徐々に減少させる電圧低減手段と、前記酸素セン
サに前記限界電流が流れている時の前記酸素センサの起
電力を検出する起電力検出手段と、前記電圧低減手段に
より電圧を徐々に減少している時の前記起電力検出手段
により検出された起電力が所定値以下になると前記酸素
センサに温度を判定するための測温電圧を短時間供給す
る測温電圧供給手段と、前記測温電圧供給手段より前記
酸素センサに温度を判定するための測温電圧が供給され
ている時に前記電流検出手段により検出された電流によ
り前記酸素センサの内部抵抗を検出することにより素子
温度を判定する素子温度判定手段とを備える酸素濃度判
定装置を提供するようにしてもよい。
【0008】
【作用】このように本発明の前者の構成したことによ
り、酸素センサの限界電流領域内の低電圧側の端付近に
端付近電圧設定手段によって限界電流測定用電圧供給手
段による所望値の電圧が設定され、この所望値の電圧が
限界電流測定用電圧供給手段により酸素センサに限界電
流を測定するための電圧として供給され、酸素センサが
活性状態にある時に酸素センサに流れる限界電流に基づ
き酸素濃度を酸素濃度判定手段により判定する。そし
て、このように限界電流領域内の低電圧側の端付近の電
圧が酸素センサに印加されていて、酸素センサの起電圧
が所定値以下になっている酸素濃度検出状態において測
温電圧供給手段によって酸素センサに温度を判定するた
めの電圧を短時間供給する。そして、温度判定電圧供給
手段より酸素センサに温度を判定するための電圧が供給
されている時に電流検出手段により検出された電流によ
り酸素センサの内部抵抗を検出することにより素子温度
判定手段によって素子温度を判定する。
【0009】また、本発明の後者の構成したことによ
り、限界電流測定用電圧供給手段により酸素センサに限
界電流を測定するための電圧を供給し、酸素センサが活
性状態にある時に酸素センサに流れる限界電流に基づき
酸素濃度を酸素濃度判定手段により判定する。そして、
限界電流を検出している時に限界電流測定用電圧供給手
段より酸素センサに供給される電圧を、電圧低減手段に
よって所望値より徐々に減少させ、電圧低減手段により
電圧を徐々に減少している時の起電力検出手段により検
出された酸素センサの起電圧が所定値以下になると測温
電圧供給手段によって酸素センサに温度を判定するため
の電圧を短時間供給する。そして、温度判定電圧供給手
段より酸素センサに温度を判定するための電圧が供給さ
れている時に電流検出手段により検出された電流により
酸素センサの内部抵抗を検出することにより素子温度判
定手段によって素子温度を判定する。
【0010】
【実施例】
〔第1実施例〕以下、本発明の第1実施例を図面により
説明すると、図2は、自動車に搭載される内燃機関10
に適用された酸素濃度判定装置の一例を示している。酸
素濃度判定装置は、限界電流式酸素センサSを備えてお
り、この酸素センサSは、内燃機関10の機関本体10
aから延出する排気管11内に取り付けられている。酸
素センサSは、センサ本体20と、断面コ字状のカバー
30とによって構成されており、センサ本体20は、そ
の基端部にて、排気管11の周壁の一部に穿設した取り
付け穴部11a内に嵌着されて、同排気管11の内部に
向け延出している。
【0011】センサ本体20は、断面カップ状の拡散抵
抗層21を有しており、この拡散抵抗層21は、その開
口端部21aにて、排気管11の取り付け穴部11a内
に嵌着されている。拡散抵抗層21は、ZrO2 等のプ
ラズマ溶射法等により形成されている。また、センサ本
体20は、固体電解質層22を有しており、この固体電
解質層22は、酸素イオン伝導性酸化物焼結体により断
面カップ状に形成されて、断面カップ状の排気ガス側電
極層23を介し抵抗拡散層21の内周壁に一様に嵌着さ
れており、この固体電解質層22の内表面には、大気側
電極層24が断面カップ状に一様に固着されている。か
かる場合、排気側電極層23及び大気側電極層24は、
共に、白金等の触媒活性の高い貴金属を化学メッキ等に
より十分ポーラスに形成されている。また、排気ガス側
電極層23の面積及び厚さは、10〜100mm2及び
0.5〜2.0μ程度となっており、一方、大気側電極
層24の面積及び厚さは、10mm2以上及び0.5〜
2.0μ程度となっている。
【0012】このように構成したセンサ本体20は、理
論空燃比点にて濃淡起電力を発生し、理論空燃比点より
リーン領域の酸素濃度に応じた限界電流を発生する。か
かる場合、酸素濃度に対応する限界電流は、排気ガス側
電極層23の面積、拡散抵抗層21の厚さ、気孔率及び
平均孔径により決まる。また、このセンサ本体20は酸
素濃度を直線的特性にて検出し得るものであるが、この
センサ本体20を活性化するのに約650℃以上の高温
が必要とされるとともに、同センサ本体20の活性温度
範囲が狭いため、内燃機関の排気ガスのみによる加熱で
は活性領域を制御できない。このため、後述するヒータ
26の加熱制御を活用する。なお、理論空燃比よりもリ
ッチ側の領域では、未燃ガスである一酸化炭素(CO)
の濃度が空燃比に対してほぼリニアに変化して、これに
応じた限界電流が発生する。
【0013】ここで、図3(A)、(B)においてセン
サ本体20の温度をパラメータとする同センサ本体20
の電圧ー電流特性について説明すると、この電圧ー電流
特性は、酸素センサSの検出酸素濃度(空燃比)に比例
するセンサ本体20の固体電解質層22への流入電流と
同固体電解質層22への印加電圧との関係が直線的であ
ることを示す。そして、センサ本体20が温度T=T1
にて活性状態にあるとき、図3(B)にて実線により示
すごとき特性グラフL1 でもって安定した状態を示す。
かかる場合、特性グラフL1 の電圧軸Vに平行な直線部
分がセンサ本体20の限界電流を特定する。そして、こ
の限界電流の増減は、空燃比の減増(即ち、リーン・リ
ッチ)に対応する。また、センサ本体20の温度TがT
1よりも低いT2にあるとき、電流ー電圧特性は、図3
(B)の破線により示すごとき特性グラフL2 でもって
特定される。かかる場合、特性グラフL2の電圧軸Vに
平行な直線部分がT=T2におけるセンサ本体20の限
界電流を特定するもので、この限界電流は、特性グラフ
L1 による限界電流とほぼ一致している。
【0014】そして、特性グラフL1 において、センサ
本体20の固体電解質層22に正の所望値の電圧Vpos
を印加すれば、センサ本体20に流れる電流が限界電流
Ipo(図3(B)にて点P1 参照)となる。ここで、正
の所望値の電圧Vposは、限界電流Iposが流れている図
3(B)の直線部分の中央付近の位置に対応する値に設
定するのが好ましい。すなわち、図3(B)に示すごと
く、限界電流Ipos(酸素濃度)とセンサ本体20の温
度(素子温)とに応じて、限界電流Iposが流れている
図3(B)の直線部分の中央付近の位置が変化するた
め、正の所望値の電圧Vposは、限界電流Ipos(酸素濃
度)とセンサ本体20の温度(素子温)とに応じて、限
界電流Iposが流れている図3(B)の直線部分の中央
付近の位置になるように設定するのが好ましい。
【0015】また、センサ本体20の固体電解質層22
に負の印加電圧Vneg を印加すれば、センサ本体20に
流れる電流が、酸素濃度に依存せず温度のみに比例する
点P2で特定される負の温度電流Inegとなる。また、セ
ンサ本体20は、ヒータ26を有しており、このヒータ
26は、大気側電極層24内に収容されて、その発熱エ
ネルギーにより、大気側電極層24、固体電解質層2
2、排気ガス側電極層23及び拡散抵抗層21を加熱す
る。かかる場合、ヒータ26は、センサ本体20を活性
化するに十分な発熱容量を有する。カバー30は、セン
サ本体20を覆蓋して、その開口部にて、排気管11の
周壁の一部に嵌着されており、このカバー30の周壁の
一部には、小孔31が、カバー30の外部を同カバー3
0の内部と連通させるべく、穿設されている。これによ
り、カバー30は、センサ本体20の排気ガスとの直接
接触を防止しつつ、同センサ本体20の保温を確保す
る。
【0016】また、酸素濃度判定装置は、図2にて示す
ごとく、バイアス制御回路40を備えており、このバイ
アス制御回路40は、正バイアス用直流電源41、負バ
イアス用直流電源42及び切り換えスイッチ回路43に
よって構成されている。直流電源41は、その負側電極
にて、導線41aを介し排気ガス側電極層23の一端に
接続されており、一方、直流電源42は、その正側電極
にて、導線41aを介し排気ガス側電極層23の一端に
接続されている。切り換えスイッチ回路43は、その第
1切り換え状態にて、直流電源41の正側電極のみを電
流検出回路50の入力端子51に接続し、一方、その第
2切り換え状態にて、直流電源42の負側電極のみを電
流検出回路50の入力端子51に接続するようになって
おり、入力端子51から電流検出回路50及び半導体ス
イッチ55を介しさらに導線42aを介して大気側電極
層24に接続されている。
【0017】従って、半導体スイッチ55が導通状態で
かつ切り換えスイッチ回路43が第1切り換え状態にあ
るとき、直流電源41が固体電解質層22を正バイアス
し同固体電解質層22に電流を正方向に流す。一方、半
導体スイッチ55が導通状態でかつ切り換えスイッチ回
路43が第2切り換え状態にあるとき、直流電源42が
固体電解質層22を負バイアスし同固体電解質層22に
電流を負方向に流す。かかる場合、各直流電源41、4
2の端子電圧は、上述の印加電圧Vpos及びVegにそれ
ぞれ相当する。ここで、切り換えスイッチ回路43の切
り換え状態はマイクロコンピュータ70からのバイアス
指令Vrに応じて制御できるようにしてあると共に、そ
の正バイアス時の印加電圧はマイクロコンピュータ70
からのバイアス指令Vrに応じて可変制御できるように
してある。
【0018】電流検出回路50は、センサ本体20の大
気側電極層24から切り換えスイッチ回路43へ流れる
電流又はその逆方向へ流れる電流、つまり、固体電解質
層22を流れる電流を、図示せぬ電流検出抵抗により検
出し、A−D変換器60に出力する。このA−D変換器
60は、電流検出回路50からの検出電流、ヒータ26
の印加電圧Vn及びヒータ26に流れる電流Inをディ
ジタル変換してマイクロコンピュータ70に出力する。
マイクロコンピュータ70は、図示せぬCPU、RO
M、RAM等により構成されていて、コンピュータプロ
グラムを、A−D変換器60との協働により実行し、こ
の実行中において、バイアス制御回路40、ヒータ制御
回路80及び燃料噴射制御装置(以下、EFIという)
90を駆動制御するに必要な演算処理を行う。但し、上
述のコンピュータプログラムはマイクロコンピュータ7
0のROMに予め記憶されている。
【0019】半導体スイッチ55は、マイクロコンピュ
ータ70からの信号により通常は導通状態にあって、各
直流電源41、42からセンサ本体20への正負のバイ
アス電圧を供給する。そして、酸素センサSに限界電流
Iposが流れている時に、センサ本体20に発生する起
電力を検出するために、マイクロコンピュータ70から
の瞬断信号により半導体スイッチ55が周期的に瞬断状
態になって、正バイアス用直流電源41からセンサ本体
20へのバイアス電圧の供給を周期的に瞬断する。
【0020】また、ヒータ制御回路80は、マイクロコ
ンピュータ70による制御のもとに、酸素センサSの素
子温やヒータ26の温度に応じて、電源をなすバッテリ
ー81よりヒータ26に供給される電力をオン、オフ並
びに、デューティ制御することによりヒータ26の加熱
制御を行う。また、ヒータ26に流れる電流Inは電流
検出抵抗82により検出されて、A−D変換器60に供
給される。なお、EFI90は、マイクロコンピュータ
70による制御のもとに、内燃機関10の排気ガス量
(空燃比)、回転数、吸入空気流量、吸気管負圧や冷却
水温等の内燃機関情報に応じて燃料噴射制御を行う。
【0021】図4はバイアス制御回路40部分の具体電
気回路構成を示すもので、基準電圧回路44は定電圧V
ccを各分圧抵抗44a、44bにより分圧して一定の
基準電圧Vaを作成する。第1電圧供給回路45は基準
電圧回路44の基準電圧Vaと同じ電圧Vaを酸素セン
サSの一方の端子(大気側電極層24に接続される導線
42a)に供給するためのもので、負側入力端子が各分
圧抵抗44a、44bの分圧点に接続され正側入力端子
が半導体スイッチ55を介して酸素センサSの一方の端
子に接続された演算増幅器45aと、演算増幅器45a
の出力端子に一端が接続された抵抗45bと、この抵抗
45bの他端にそれぞれベースが接続されたNPNトラ
ンジスタ45c及びPNPトランジスタ45dとにより
構成されている。
【0022】そして、NPNトランジスタ45cのコレ
クタは定電圧Vccに接続されエミッタは電流検出回路
50を構成する電流検出抵抗50a及び半導体スイッチ
55を介して酸素センサSの一方の端子に接続され、P
NPトランジスタ45dのエミッタはNPNトランジス
タ45cのエミッタに接続されコレクタはアースされて
いる。
【0023】D−A変換器46はマイクロコンピュータ
70からのバイアス指令信号(ディジタル信号)Vrを
アナログ信号電圧Vcに変換する。第2電圧供給回路4
7はD−A変換器46の出力電圧Vcと同じ電圧Vcを
酸素センサSの他方の端子(排気ガス側電極層23に接
続される導線41a)に供給するためのもので、負側入
力端子がD−A変換器46の出力に接続され正側入力端
子が酸素センサSの他方の端子に接続された演算増幅器
47aと、演算増幅器47aの出力端子に一端が接続さ
れた抵抗47bと、この抵抗47bの他端にそれぞれベ
ースが接続されたNPNトランジスタ47c及びPNP
トランジスタ47dとにより構成されている。
【0024】そして、NPNトランジスタ47cのコレ
クタは定電圧Vccに接続されエミッタは抵抗47eを
介して酸素センサSの他方の端子に接続され、PNPト
ランジスタ47dのエミッタはNPNトランジスタ47
cのエミッタに接続されコレクタはアースされている。
これにより、半導体スイッチ55が導通状態の時には、
酸素センサSの一方の端子には常時一定電圧Vaが供給
され、この一定電圧Vaより低い電圧に相当するバイア
ス指令信号Vrをマイクロコンピュータ70からD−A
変換器46に供給することにより、酸素センサSの他方
の端子には一定電圧Vaより低い電圧Vcが供給され
て、酸素センサSはVa−Vc(Va>Vc)の電圧に
より正バイアスされ、また、一定電圧Vaより高い電圧
に相当するバイアス指令信号Vrをマイクロコンピュー
タ70からD−A変換器46に供給することにより、酸
素センサSの他方の端子には一定電圧Vaより高い電圧
Vcが供給されて、酸素センサSはVa−Vc(Va>
Vc)の電圧により負バイアスされることになる。この
ようにして、酸素センサSのバイアス電圧はマイクロコ
ンピュータ70からD−A変換器46に供給されるバイ
アス指令Vrに基づいて正負の任意の値に制御すること
が可能となる。
【0025】そして、電流検出抵抗50aの両端の電圧
差(Vb−Va)が電流検出回路50からの検出電流と
してA−D変換器60に入力され、酸素センサSの両端
の電圧差(Va−Vc)が酸素センサSの誘導電圧とし
てA−D変換器60に入力される。このように構成した
本第1実施例において、イグニッションスイッチ(図示
せぬ)がONされることによりマイクロコンピュータ7
0にて実施される酸素濃度(空燃比)判定、素子温度検
出ルーチンに関して、図5〜図9のフローチャートを用
いて説明する。
【0026】図5は4ms毎にマイクロコンピュータ70
にて実行される全体の制御フローを示すもので、ステッ
プ100で温度判定タイミングフラグXTMPTMが0
か否かを判断する。ここで温度判定タイミングフラグX
TMPTMはイグニッションスイッチがONされた直後
に1に初期設定されるものである。そして、ステップ1
00で温度判定タイミングフラグXTMPTMが0と判
断されるとステップ200の空燃比(A/F)検出ルー
チンでセンサ電流検出回路50により検出した酸素セン
サSの限界電流に基づき空燃比を検出した後、ステップ
300に進む。また、ステップ100で温度判定タイミ
ングフラグXTMPTMが0でないと判断されるとステ
ップ200をバイパスしてステップ300に進む。
【0027】ステップ300では、酸素センサSの温度
検出タイミング周期を決定した後、ステップ400に進
み、ステップ300で決定された温度検出タイミング周
期に基づき、酸素センサSに印加される電圧を徐々に変
化させたり、酸素センサSの起電力を検出した後、ステ
ップ500に進んで、酸素センサSの温度を判定する。
【0028】図6は図5のA/F検出ルーチン(ステッ
プ200)の詳細を示すもので、まず、ステップ201
でセンサ電流検出回路50により検出されている酸素セ
ンサSの限界電流Iposを、A−D変換器60を介して
取り込んで検出した後、ステップ202で限界電流Ipo
sに基づき酸素濃度に対応する内燃機関の空燃比(A/
F)をROMに予め記憶された特性により判定した後、
ステップ203に進む。
【0029】ステップ203ではステップ202にて判
定された空燃比またはステップ201にて検出された限
界電流Iposと素子内部抵抗ZDC(ステップ500に
て決定される)とから、図10に示すようなROMに予
め記憶された特性に基づき所望値の正バイアス電圧Vpo
sを算出する(限界電流Iposが大きい程、すなわち空燃
比が薄い程、所望の正バイアス電圧Vposが大きくな
り、素子内部抵抗ZDCが大きい程、すなわち素子温が
低い程、所望値の正バイアス電圧Vposが大きくなるよ
うに、例えば200mV〜900mVの範囲で設定され
ている)。ここで、素子内部抵抗(素子直流インピーダ
ンス)ZDCと素子温との関係は図11に示すように、
素子温が小さくなる程、素子内部抵抗ZDCが飛躍的に
大きくなる関係にある。
【0030】図7は図5の温度検出タイミング判定ルー
チン(ステップ300)の詳細を示すもので、まず、ス
テップ301で温度検出タイミングカウント値CZDC
を1減算する。ここで、温度検出タイミングカウント値
CZDCはイグニッションスイッチがONされた直後に
25、すなわち100msに初期設定されるものである。
次のステップ302では温度検出タイミングカウント値
CZDCが0か否かが判断される。ステップ302で温
度検出タイミングカウント値CZDCが0と判断される
と温度検出タイミングであるためステップ303に進ん
で温度検出期間中フラグXTMPを1にセットした後ス
テップ304に進み、ステップ302で温度検出タイミ
ングカウント値CZDCが0でないと判断されると温度
検出タイミングでないため、以後なにもしないで温度検
出タイミングルーチンを抜ける。
【0031】また、ステップ304では素子内部抵抗Z
DCが第1の所定値ZDC1(例えば、酸素センサSが
十分活性化している温度である700°Cに対応する3
0Ω)より大きいか判断する。ステップ304で素子内
部抵抗ZDCが第1の所定値ZDC1より大きいと判断
されると、ステップ305に進み、ステップ304で素
子内部抵抗ZDCが第1の所定値ZDC1より大きくな
いと判断されると、酸素センサSが十分活性化している
ことになるため、ステップ306に進んで、温度検出タ
イミングカウント値CZDCを250、すなわち1秒の
比較的長い時間に設定した後、温度検出タイミングルー
チンを抜ける。
【0032】そして、ステップ305では素子内部抵抗
ZDCが第1の所定値ZDC1より大きい第2の所定値
ZDC2(例えば、酸素センサSがある程度、活性化し
ている温度である600°Cに対応する90Ω)より大
きいか判断する。ステップ305でで素子内部抵抗ZD
Cが第2の所定値ZDC2より大きいと判断されると、
酸素センサSが活性化していないことになるため、ステ
ップ308に進んで常時正バイアス印加フラグXTMP
TMOを1にセットした後、ステップ310に進む。こ
こで、常時正バイアス印加フラグXTMPTMOはイグ
ニッションスイッチがONされた直後に1に初期設定さ
れるものである。
【0033】また、ステップ305で素子内部抵抗ZD
Cが第2の所定値ZDC2より大きくないと判断される
と、酸素センサSがある程度、活性化していることにな
るため、ステップ309に進んで、常時正バイアス印加
フラグXTMPTMOを0にリセットした後、ステップ
310に進む。ステップ310では温度検出タイミング
カウント値CZDCを25、すなわち100msの比較的
短い時間に設定した後、温度検出タイミングルーチンを
抜ける。
【0034】図8は図5の徐変及び起電力判定ルーチン
(ステップ400)の詳細を示すもので、まず、ステッ
プ401で温度検出期間中フラグXTMPが1か否かを
判断する。ステップ401で温度検出期間中フラグXT
MPが1でないと判断するとステップ402に進んで常
時正バイアス印加フラグXTMPTMOが1か否かを判
断する。ステップ402で常時正バイアス印加フラグX
TMPTMOが1でないと判断するとステップ403に
進み、ステップ402で常時正バイアス印加フラグXT
MPTMOが1であると判断するとなにもしないで徐変
及び起電力判定ルーチンを抜ける。
【0035】ステップ403では酸素センサSに供給さ
れている電圧Vrが正の所望値の電圧Vposと等しいか
判断する。ステップ403で酸素センサSに供給されて
いる電圧Vrが正の所望値の電圧Vposと等しいと判断
された時にはなにもしないで徐変及び起電力判定ルーチ
ンを抜ける。ステップ403で酸素センサSに供給され
ている電圧Vrが正の所望値の電圧Vposと等しくない
と判断された時にはステップ404に進んで電圧Vrと
所望値の電圧Vposとの差に応じた電圧を電圧Vrに加
算して、次回の供給電圧Vrが所望値の電圧Vposとな
るように補正した後、徐変及び起電力判定ルーチンを抜
ける。
【0036】ステップ401で温度検出期間中フラグX
TMPが1であると判断するとステップ418に進んで
温度判定タイミングフラグXTMPTMが1か否かを判
断する。ステップ418で温度判定タイミングフラグX
TMPTMが1であると判断すると温度判定タイミング
であるため何もしないで徐変及び起電力判定ルーチンを
抜け、温度判定タイミングフラグXTMPTMが1でな
いと判断すると温度判定タイミングでないためステップ
405に進んで常時正バイアス印加フラグXTMPTM
Oが1か否かを判断する。ステップ405で常時正バイ
アス印加フラグXTMPTMOが1でないと判断すると
ステップ406に進んで、温度判定後フラグXAFTM
Pが1か否かを判断する。ここで、温度判定後フラグX
AFTMPはイグニッションスイッチがONされた直後
に0に初期設定されるものである。ステップ406で温
度判定後フラグXAFTMPが1でないと判断されると
ステップ407に進んで、酸素センサSに供給されてい
る電圧Vrより微少な所定電圧KVr(例えば、0.0
1V)減算して次回の酸素センサ供給電圧Vrとした
後、ステップ408に進んで電圧瞬断カウント値CPO
ENに1を加算した後、ステップ409に進む。
【0037】ステップ409では電圧瞬断カウント値C
POENが電圧瞬断設定値KCPOEN(例えば、4=
16ms)以上か否かを判断する。ステップ409で電圧
瞬断カウント値CPOENが電圧瞬断設定値KCPOE
N以上でないと判断されると、徐変及び起電力判定ルー
チンを抜ける。ステップ409で電圧瞬断カウント値C
POENが電圧瞬断設定値KCPOEN以上であると判
断されると、ステップ410に進んで電圧瞬断カウント
値CPOENを0にリセットした後、ステップ411の
起電力検出ルーチンに進む。
【0038】ステップ411の起電力検出ルーチンは図
12に示すように、まず、ステップ121で半導体スイ
ッチ55を遮断する指令を出力し、次のステップ122
で半導体スイッチ55の遮断により酸素センサSに発生
する起電力を検出した後、ステップ123に進んで、半
導体スイッチ55を導通する指令を出力する。この起電
力検出ルーチンにより、酸素センサSに限界電流Ipos
が流れている時に、半導体スイッチ55を瞬断して、そ
の時に酸素センサSに図13に示すごとく誘起される起
電力Ve(酸素センサSに限界電流Iposが流れている
時に酸素センサSに誘起されている起電力Veと同じ
値)を検出することになる。
【0039】次のステップ412では起電力Veが微少
設定起電力KVe(例えば、0.02V)以下か否かを
判断する。ステップ412で起電力Veが微少設定起電
力KVe以下であると判断されると、酸素センサSに印
加されいる電圧が限界電流領域内の低電圧側の端付近の
値であるため、ステップ413に進んで温度判定タイミ
ングフラグXTMPTMを1に設定した後、徐変及び起
電力判定ルーチンを抜ける。ここで、温度判定タイミン
グフラグXTMPTMはイグニッションスイッチがON
された直後に1に初期設定されるものである。ステップ
412で起電力Veが微少設定起電力KVe以下でない
と判断されると、徐変及び起電力判定ルーチンを抜け
る。また、ステップ405で常時正バイアス印加フラグ
XTMPTMOが1であると判断されるとステップ41
3に進む。
【0040】また、ステップ406で温度判定後フラグ
XAFTMPが1であると判断されるとステップ414
に進んで、酸素センサSに供給されている電圧Vrに微
少な所定電圧KVr(例えば、0.01V)を加算して
次回の酸素センサ供給電圧Vrとした後、ステップ41
5に進む。ステップ415では酸素センサSに供給され
ている電圧Vrが正の所望値の電圧Vpos以上か否か判
断する。ステップ415で酸素センサSに供給されてい
る電圧Vrが正の所望値の電圧Vposより大きくないと
判断された時には徐変及び起電力判定ルーチンを抜け
る。ステップ415で酸素センサSに供給されている電
圧Vrが正の所望値の電圧Vposより大きいと判断され
た時にはステップ416に進んで温度検出期間中フラグ
XTMPを0にリセットした後、ステップ417に進ん
で温度判定後フラグXAFTMPを0にリセットして徐
変及び起電力判定ルーチンを抜ける。図9は図5の温度
判定ルーチン(ステップ500)の詳細を示すもので、
まず、ステップ501で温度判定タイミングフラグXT
MPTMが1か否かを判断する。ステップ501で温度
判定タイミングフラグXTMPTMが1でないと判断さ
れると何もしないで温度判定ルーチンを抜け、ステップ
501で温度判定タイミングフラグXTMPTMが1で
あると判断されると、ステップ510に進んで温度検出
ルーチンに入ってから初回の演算が終了したことを示す
温度初回演算終了フラグCTMPOが0か否かを判定す
る。ステップ510で温度初回演算終了フラグCTMP
Oが0でないと判定すると温度検出ルーチンに入ってか
ら初回の演算が終了しているためステップ503に進
み、温度初回演算終了フラグCTMPOが0であると判
定すると温度検出ルーチンに入ってから初回の演算が終
了していないためステップ502に進んで現在酸素セン
サSに供給されている電圧Vrを測温直前電圧Vpとし
て記憶した後ステップ511に進んで温度初回演算終了
フラグCTMPOを1にセットした後ステップ503に
進む。ステップ503では、酸素センサSに供給する電
圧を負の測温電圧Vneg (例えば−300mV)に設定
した後、ステップ504に進んで測温カウント値CTM
Pに1を加算した後、ステップ505に進む。
【0041】ステップ505では測温カウント値CTM
Pが測温設定値KCTMP(例えば、1=4ms)以上か
否かを判断するもので、測温カウント値CTMPが測温
設定値KCTMP以上でないと判断するとそのまま温度
判定ルーチンを抜ける。ステップ505で測温カウント
値CTMPが測温設定値KCTMP以上であると判断す
るとステップ506に進んで、センサ電流検出回路50
により検出されている酸素センサSの温度電流I
negを、A−D変換器60を介して取り込んで検出した
後、ステップ507に進んで、図13のセンサ電圧−電
流特性に基づき、温度電流Inegと測温電圧Vnegとを用
いて、酸素センサSの内部抵抗ZDCを、ZDC=Vne
g/Inegにより演算して検出する。
【0042】次のステップ508では酸素センサSに供
給する電圧Vrをステップ502にて記憶されている測
温直前電圧Vpに設定した後、ステップ509に進んで
温度判定タイミングフラグXTMPTMを0にリセット
し、また温度判定後フラグXAFTMPを1にセット
し、さらに測温カウント値CTMPを0にリセットし、
なおかつ温度初回演算終了フラグCTMPOを0にリセ
ットする。
【0043】以上の実施例によると、イグニッションス
イッチがONされると、最初は酸素センサSが活性化さ
れていないため、酸素センサSには常時、負の測温電圧
Vneg が供給されて比較的短い100ms毎の周期にて酸
素センサSの内部抵抗ZDCが検出され、この内部抵抗
ZDCに基づいてヒータ26の電力制御がなされ、酸素
センサSの早期活性化が図られる。
【0044】そして、酸素センサSがある程度、活性化
している素子温度600°Cになると、酸素センサSに
は正の所望値の電圧Vpos が供給され、4ms毎の周期に
て酸素センサSの限界電流Ipos 、すなわち内燃機関の
空燃比(排気ガス中の酸素濃度)が検出され、その間に
比較的短い100ms毎の温度検出周期にて、図14
(a)に示すごとく、酸素センサSの供給電圧が正の所
望値の電圧Vposから4ms毎に0.01Vずつ徐々に低
下し、その間、16ms毎に酸素センサSの供給電圧が瞬
断されて、この瞬断中において酸素センサSに誘起され
る起電力Veが検出される。
【0045】そしてこの起電力が0.02Vの微少設定
電圧以下になると、酸素センサSに負の測温電圧Vneg
が供給されて、その4ms後に酸素センサSの内部抵抗Z
DC、すなわち素子温度が検出された後、測温電圧Vne
gを供給する直前に酸素センサSに供給されている正の
電圧から4ms毎に0.01Vずつ徐々に正の所望の電圧
Vposになるまで酸素センサSに供給される電圧を増大
する。そして、このような酸素センサSに供給される電
圧の制御に伴って、酸素センサSには図14(b)に記
載されるごとき電流が流れ、その間も4ms毎の周期に
て、ほぼ連続的に酸素センサSの限界電流Ipos、すな
わち内燃機関の空燃比が検出され、また、100msの比
較的短い周期毎に素子の内部抵抗ZDC、すなわち素子
温度が検出される(4ms毎の周期にて空燃比が検出でき
ないのは、素子温度検出時の8msの間のみである)。
【0046】また、酸素センサSが十分、活性化してい
る素子温度700°Cになると、素子の温度変化が少な
くなるため、温度検出周期が100ms毎から1秒毎の比
較的長い周期に変更され、前述と同様にして4ms毎の周
期にてほぼ連続的に空燃比が検出される。このように、
温度検出周期を長くすることにより、空燃比の検出機会
をより増やすことができる。
【0047】図15に本第1実施例のヒータ制御のタイ
ムチャートを示す。ヒータ制御はその目的及び制御方法
の違いから〜の部分に分かれており、順にそれぞれ
説明する。は全導通制御と呼ぶこととし、ヒータ26
及びセンサ素子の冷間時に最大電力をヒータ26に供給
して短時間でヒータ26を初期加熱温度まで加熱する制
御である。実際には100%のデューティで電圧を印加
する。
【0048】は電力制御と呼ぶこととする。これはヒ
ータ温が目標の上限温度となる様にヒータ26に電力を
供給する。ここで、定常状態ではヒータ温は供給電力か
ら一義的に決まるため、ヒータ温度抵抗持性にばらつき
があっても、ある電力を供給すればヒータ26は全て一
定の温度となる。しかしながらヒータ26とセンサ素子
間の熱関係が過渡状態にある時、ヒータ温を一定にしよ
うとした場合、センサ素子温に応じて供給電力を変える
必要がある。すなわち、素子温が低い時はヒータ26か
らの放熱量が多くなるため、電力を多く必要とし、逆に
素子温が高くなるとヒータ26からの放熱量が減るた
め、少なめの電力でまかなうことができる。その関係を
図26に示す。これはヒータ温を1200℃に維持する
のに必要な電力を示す。
【0049】従って、は検出された素子直流インピー
ダンスに応じて、ヒータ26に電力を供給する。は素
子温フィードバック制御と呼ぶこととする。これは素子
の活性状態を維持するための制御であり、素子直流イン
ピーダンスが目標値ZDCD:30Ω(素子温700℃
相当)になるように、ヒータ26への供給電力をフィー
ドバック制御する。この素子温フィードバック制御中に
おいて、ヒータ26への供給電力が上限値を越えると、
ヒータ26への供給電力を制限するようにしてある。
【0050】次に各制御の移行タイミングについて説明
する。全導通制御から電力制御へは、ヒータ26へ
の実供給電力積算量が目標積算供給電力(ヒータ26へ
の全導通による通電が開始されてからヒータ26の温度
が、ヒータ26の耐熱限界温度付近の初期加熱温度:1
200℃に達する様に初期ヒータ抵抗値に基づいて目標
積算供給電力が設定されている)に達し、かつヒータ抵
抗がヒータ抵抗学習値(後述する)に達した時にに移
行する。
【0051】ここで、ヒータ26への実供給電力積算量
が目標積算供給電力に達するのと、ヒータ抵抗値がヒー
タ抵抗学習値に達するのとの双方を満足するまで、全導
通制御を持続するのは、内燃機関の初期の運転におい
てヒータ抵抗学習値が学習されていない状態では、ヒー
タ抵抗学習値の初期値を比較的小さな値に初期設定して
おくことによって、供給電力積算量が目標積算供給電力
に達するまでヒータ26に全導通制御により大電力を
供給するようにし、その後、ヒータ抵抗学習値が十分に
学習された後は、このヒータ抵抗学習値にヒータ抵抗値
が達するまでヒータ26に全導通制御により大電力を
供給するように制御するためである。ここで、から
への移行時には、素子直流インピーダンスは、その値を
検出可能な600Ω(図26参照)より十分小さな値に
なっているため、の素子直流インピーダンスに応じた
ヒータ26への供給電力制御が直ちに実行できる。
【0052】からへの移行タイミングは、素子直流
インピーダンスが目標値ZDCDと等しい切換え設定値
ZDCD1:30Ω(素子温700℃相当)に達した時
である。ここで、切換え設定値ZDCD1は目標値ZD
CDより若干高い値、または若干低い値に設定すること
もできる。また、このからへの移行タイミングにお
いて、ヒータ抵抗値を学習する。ここで、このヒータ抵
抗値の学習はからへの移行タイミングに限らず、
の電力制御の間であればヒータ温度が1200℃近辺に
制御されていることからヒータ温度が1200℃近辺に
おけるヒータ抵抗値の学習が可能である。これによっ
て、図25に示すごとく、ヒータ抵抗値とヒータ温度と
の間に製品毎や経時変化によるばらつきが生あっても、
ヒータ温度が1200℃近辺におけるヒータ抵抗値の学
習ができる。
【0053】以上からを順に説明したが、条件によ
ってはいずれかの制御を飛ばして次の制御を実施する場
合もある。次に図16及び図17において本実施例のマ
イクロコンピュータ70により128ms毎に実行され
るヒータ制御フローチャートについて説明する。ステッ
プ801ではイグニッションスイッチがONされている
か否かを判断し、イグニッションスイッチがONされて
いる時にはステップ802に進み、イグニッションスイ
ッチがONされていない時にはステップ806に進む。
ステップ802ではイニシャル終了済フラグXINIT
が0か否かを判断し(このイニシャル終了済フラグXI
NITはイグニッションスイッチ投入時に0にリセット
される)、イニシャル終了済フラグXINITが0の時
にはステップ803に進み、イニシャル終了済フラグX
INITが0でない時にはステップ806に進む。
【0054】ステップ803ではヒータ26に電力を供
給してその時に検出されたヒータ電流IHとヒータ電圧
VHとから求められたヒータ抵抗値RHを初期ヒータ抵
抗値RHINTとして検出する。次のステップ804で
は初期ヒータ抵抗値RHINTに基づき目標積算供給電
力WADTGを予めROMに記憶された図24に示す様
なマップから検索、直線補間して求める。次のステップ
805では、イニシャル終了済フラグXINITを1に
セットしてからステップ806に進む。したがって、イ
グニッションスイッチが投入されてから一度目標積算供
給電力WADTGが求められると、それ以降はステップ
802で「NO」と判断されてステップ806にジャン
プすることになる。
【0055】ステップ806では素子温フィードバック
実施フラグXEFBが1か否かが判断され、素子温フィ
ードバック実施フラグXEFBが1の時にはステップ8
40へ進んで図15のに示す素子温フィードバック制
御を実施し、素子温フィードバック実施フラグXEFB
が1でない時にはステップ807へ進んで、その時に検
出されている酸素センサSの内部抵抗ZDCが素子温フ
ィードバック実施温度に対応する値ZDCD1:30Ω
(素子温700℃相当)以下か否かを判断し、ZDCが
ZDCD1以下の場合はステップ815に進み、ZDC
がZDCD1以下でない場合はステップ808に進む。
ステップ808ではその時に求められている実ヒータ抵
抗値RHがヒータ抵抗学習値RHADP以上か否かを判
断し、実ヒータ抵抗値RHがヒータ抵抗学習値RHAD
P以上の場合にはステップ809へ進み、実ヒータ抵抗
値RHがヒータ抵抗学習値RHADP以上でない場合に
はステップ810に進んで図15ので示す全通電制御
を実行する。
【0056】また、ステップ809ではヒータ26に供
給された実積算電力WADDが目標積算供給電力WAD
TG以上か判断し、実積算電力WADDが目標積算供給
電力WADTG以上でない時にはステップ810に進
み、実積算電力WADDが目標積算供給電力WADTG
以上の時にはステップ820に進んで図15のに示す
電力制御を実行する。また、ステップ815では電力制
御実施フラグXEWATが1か否かを判断し、電力制御
実施フラグXEWATが1でない時にはステップ840
に進み、電力制御実施フラグXEWATが1の時には電
力制御から素子温フィードバック制御への切換わり点で
あるため、ステップ830に進んでヒータ抵抗値をRH
ADPとして学習した後ステップ840に進む。
【0057】次に、ステップ810の全通電制御の詳細
フローを図18に示す。まず、ステップ811で全通電
制御実施フラグXEFPを1にセットした後、ステップ
812に進んでヒータ制御回路80の制御デューティH
DUTYを100%デューティで制御して、ヒータ26
にバッテリー81より全電力を供給する。次いで、ステ
ップ820の電力制御の詳細フローを図19に示す。ま
ず、ステップ821で全通電制御実施フラグXEFPを
0にリセットすると共に電力制御実施フラグXEWAT
を1にセットした後、ステップ822に進んでその時に
検出されている酸素センサSの内部抵抗ZDCを取り込
む。次のステップ823では酸素センサSの内部抵抗値
ZDCに基づいて目標供給電力WHTGを予めROMに
記憶された図26に示す様なマップから検索、直線補間
して求める。次のステップ824では目標供給電力WH
TGと現在の実際のヒータ電力WHとからWHTG/W
H(%)の演算によりヒータ制御回路80の制御デュー
ティHDUTYを設定する。
【0058】次に、ステップ830のヒータ抵抗学習の
詳細フローを図20に示す。まず、ステップ831で現
在のヒータ抵抗値RHが現在のヒータ抵抗学習値RHA
DPに対し±KRHADPの不感帯の範囲内にあるか否
かを判断し、不感帯の範囲内にある場合にはヒータ抵抗
学習値RHADPを更新せずに本ルーチンを抜け、不感
帯の範囲内にない場合にはヒータ抵抗学習値RHADP
が所定値以上ずれているためステップ832に進んで、
現在のヒータ抵抗値RHが現在のヒータ抵抗学習値RH
ADPより大きいか判断し、大きい場合にはステップ8
33に進んでヒータ抵抗学習値RHADPとして現在の
ヒータ抵抗値RH(電力制御実施中におけるヒータ抵抗
値RHの平均値、中央値、積分値等を用いてもよい)を
セットし、大きくない場合にはヒータ抵抗学習値RHA
DPを更新せずに本ルーチンを抜ける。
【0059】次いで、ステップ840の素子温フィード
バック制御の詳細フローを図21に示す。まず、ステッ
プ841で全通電制御実施フラグXEFP及び電力制御
実施フラグXEWATを0にリセットした後、ステップ
842に進んでその時に検出されている素子内部抵抗Z
DCを取り込んで検出する。次のステップ843ではイ
グニッションスイッチをONした後の時間をカウントす
るカウンタのカウント値CAFONが所定値KCAFO
N(例えば、24.5秒)以上か否かを判断し、所定値
KCAFON以上の場合にはステップ844み、所定値
KCAFON以上でない場合にはステップ845に進
む。
【0060】ステップ845ではその時に検出されてい
る内燃機関の空燃比を取り込んだ後、ステップ846に
進む。ステップ846ではステップ845により取り込
まれた空燃比が12以上か否かを判断し、空燃比が12
以上の場合にはステップ847に進み、空燃比が12以
上でない場合にはステップ848に進む。ステップ84
4では比例項GPと積分項GIと微分項GDとを用い
て、GP+GI/16+GDによりヒータ制御回路80
の制御デューティHDUTYを計算した後、ステップ8
49に進む。ステップ847では比例項GPと積分項G
Iとを用いて、GP+GI/16によりヒータ制御回路
80の制御デューティHDUTYを計算した後、ステッ
プ849に進む。ここで、比例項GPは、GP=KP×
(ZDC−ZDCD)により演算され、積分項GIは、
GI=前回のGI+KI×(ZDC−ZDCD)により
演算され、微分項GDは、GD=KD×(今回のZDC
−前回のZDC)により演算される。ここで、KP、K
I、KDは定数である。
【0061】ステップ848では前回の制御デューティ
HDUTYと、定数KPAと目標ヒータ抵抗値RHG
(2.1Ω=1020℃相当)とヒータ抵抗値RHとを
用いて、前回のHDUTY+KPA×(RHG−RH)
によりヒータ制御回路80の制御デューティHDUTY
を計算した後、ステップ849に進む。ここで、空燃比
が12以上でない場合にステップ848において、素子
温フィードバック制御をせずに、ヒータ抵抗フィードバ
ック制御を実行するのは、空燃比が12以上でない場合
には酸素センサSの特性上、ステップ844、847に
よる比例、積分、微分を用いた素子温フィードバック制
御が困難であるためである。
【0062】そして、849では素子温フィードバック
制御中におけるヒータ26の供給電力が上限値以上にな
らないようにガード処理する。次いで、ステップ849
の供給電力ガード処理の詳細フローを図22に示す。ま
ず、ステップ8471で素子温フィードバック制御中の
設定フィードバック電力WHFBをその時のヒータ電力
WHと制御デューティHDUTYとを乗算して求めた
後、ステップ8472に進む。ステップ8472では設
定フィードバック電力WHFBが素子温フィードバック
制御中の上限ガード電力WGD以下か否かを判断し、W
HFBがWGD以下でない場合にはステップ8473に
進み、WHFBがWGD以下の場合にはステップ847
4に進む。ステップ8473では設定フィードバック電
力WHFBを上限ガード電力WGDに設定した後、供給
電力ガード処理を終了する。
【0063】ステップ8474ではヒータ抵抗RHがヒ
ータ抵抗学習値RHADPから定数KRHFBを減算し
た値より大きいか否かを判断し、ヒータ抵抗RHがヒー
タ抵抗学習値RHADPから定数KRHFBを減算した
値より大きい場合にはステップ8475に進み、ヒータ
抵抗RHがヒータ抵抗学習値RHADPから定数KRH
FBを減算した値より大きくない場合には供給電力ガー
ド処理を終了する。ステップ8475では前回の制御デ
ューティHDUTYから定数KHDFBを減算して今回
の制御デューティHDUTYとする。
【0064】次に、ヒータ26の制御周期(128ms)
ごとに実行されるヒータ演算値処理を図23において説
明する。まず、ステップ851で電流検出抵抗82にて
ヒータ電流値IHを検出した後、次のステップ852で
ヒータ電圧VHを検出する。次のステップ853ではヒ
ータ電圧VHをヒータ電流値IHで除算してヒータ抵抗
値RHを求め、次のステップ854でヒータ電圧VHと
ヒータ電流値IHとを乗算して今回のヒータ供給電力W
Hを求めた後、次のステップ855で前回の実ヒータ供
給電力積算値WADDに今回のヒータ供給電力WHを加
算して今回の実ヒータ供給電力積算値WADDを求め
る。そして、これらの求められた値が図16〜図22に
おいて適宜用いられる。
【0065】〔第2実施例〕第1実施例との相違点のみ
説明する。図27は第1実施例における図9の温度判定
ルーチンの代わりに用いられるもので、図9のステップ
502を省略すると共に、ステップ503の代わりにス
テップ503aにて、酸素センサSの供給電圧Vrとし
て、測温電圧供給直前の電圧Vpから所定電圧Vtを減
算して測温電圧を供給するようにし、さらに、素子の内
部抵抗ZDCを検出した後にステップ508の代わりに
ステップ508aにて、測温電圧に一定電圧Vtを加算
して測温電圧供給直前の電圧Vpを酸素センサSに供給
するようにしたものである。
【0066】〔第3実施例〕第1実施例との相違点のみ
説明する。図28は第1実施例における図6の空燃比検
出ルーチンの代わりに用いられるもので、図6のステッ
プ203の空燃比及び素子内部抵抗ZDCから所望値の
電圧VPOSを算出する代わりに、ステップ411の起電
力検出ルーチンにて図12に示す処理により酸素センサ
Sの起電力Veを検出した後、ステップ203aで検出
された起電力Veから特公平6−16025号公報に記
載されるものと同様にして、起電力Veが所定の値とな
るように所望の電圧VPOSを設定するようにしたもので
ある。
【0067】この実施例では、空燃比を検出する4ms毎
の周期で酸素センサSの起電力Veが検出されることに
なるため、第1実施例における図8のステップ408〜
411の16ms毎の周期で酸素センサSの起電力を検出
する処理は不要となる。 〔第4実施例〕第1実施例との相違点のみ説明する。図
29は第1実施例における図8の電圧徐変及び起電力検
出ルーチンの代わりに用いられるもので、図8のステッ
プ414、415の温度判定後に酸素センサSの供給電
圧を徐々に増大させる処理の代わりに、ステップ420
〜423を用いたものである。すなわち、ステップ42
0において酸素センサSの供給電圧を直ちに所望値の電
圧電圧VPOSに設定した後、ステップ421に進む。
【0068】そして、ステップ421において温度判定
後カウント値CAFTMPに1を加算した後、ステップ
422にて温度判定後カウント値CAFTMPが所定値
KCAFTMP(例えば4=16ms)以上か否かを判断
し、ステップ422にて温度判定後カウント値CAFT
MPが所定値KCAFTMP以上でないと判断した場合
にはそのまま電圧徐変及び起電力検出ルーチンを抜け、
ステップ422にて温度判定後カウント値CAFTMP
が所定値KCAFTMP以上であると判断した場合には
ステップ423に進んで温度判定後カウント値CAFT
MPを0にリセットした後、ステップ416に進む。
【0069】この実施例では、温度判定後に酸素センサ
Sの供給電圧が直ちに所望値の電圧VPOSに設定される
ため、その時に酸素センサSに生じる起電力により、所
望の電圧電圧VPOSを酸素センサSに供給してから、酸
素センサSに流れる限界電流IPOSが安定するまで、時
間遅れが生じるため、第1実施例に対し所定値KCAF
TMPに対応する例えば16msの間、内燃機関の空燃比
の検出機会が減少することになる。
【0070】〔第5実施例〕第1実施例との相違点のみ
説明する。図30は第1実施例における図8の電圧徐変
及び起電力検出ルーチンの代わりに用いられるもので、
図8のステップ408〜412の起電力Veを検出し
て、この起電力Veが所定値KVe以下になるのを検出
する処理の代わりに、ステップ430、431を用いた
ものである。すなわち、ステップ430において空燃比
または限界電流IPOSと素子内部抵抗ZDCとから起電
力Veが発生すると予測される最小所望電圧VPOSL(酸
素センサSの限界電流領域内の低電圧側の端付近の電
圧)を、予めROMに記憶されたマップから読出て算出
した後、ステップ431に進んで、酸素センサSの供給
電圧Vrが最小所望電圧VPOSLより小さいか否かを判断
する。ステップ431で酸素センサSの供給電圧Vrが
最小所望電圧VPOSLより小さくないと判断された場合に
は本ルーチンを抜け、ステップ431で酸素センサSの
供給電圧Vrが最小所望電圧VPOSLより小さいと判断さ
れた場合にはステップ413に進む。
【0071】すなわち、本実施例では、第1実施例に対
し、起電力Veを検出して所望値の電圧VPOSを起電力
Veが所定値以下になるまで徐々に低下させる代わり
に、起電力Veを検出することなく、所望値の電圧V
POS を、限界電流の発生限界近傍で起電力Veが所定値
以下になると予測される最小所望電圧VPOSLまで徐々に
低下させるようにしたものである。この実施例では、起
電力Veが所定値以下になるのを検出せずに予測して測
温電圧に切り換えるものであるので、酸素センサSのば
らつきや経時変化などを見込んで、最小所望電圧VPOSL
供給時の起電力Veは第1実施例より大きめになること
から、図9のステップ505の設定値KCTMPは例え
ば2(=8ms)というように第1実施例より大きめの値
に設定する必要がある。
【0072】〔第6実施例〕第1実施例との相違点のみ
説明する。図31は第1実施例における図5に相当す
る。このうちステップ100、300、500は図5と
全く同じなので説明を省略する。図31のステップ20
0のA/F検出ルーチンは図6と動作は同じであるが、
第32図に示すごとく、そのステップ203bにおける
所望値の電圧Vposの計算方法のみが違っている。こ
のVposの算出方法を図33のセンサ電流−電圧特性
中に示す。図33に示された式 Vpos=ZDC×Ipos+Vo でVposを決定すれば、センサ温度(ZDC)やA/
F(Ipos)が変化してもそれに追従してVposも
変化してくれる。ここで式中の定数Voの値であるが、
特公平1−28905号公報に記載される従来方法だと
Vposを限界電流領域の中心に狙うため、例えば0.
5V(0.25〜0.75V)とするが、この実施例で
は素子温度検出時の誤差を小さくするため、限界電流領
域内の低電圧側の端になるべく近づきたい。そこで、マ
イクロコンピュータのサンプル間隔とZDCやIpos
の変化速度を考慮して例えばVo=0.1とする(酸素
センサSの起電力Veを小さくするためにはVoは小さ
い方がよいが、Voを小さくし過ぎると限界電流の誤差
が大きくなる。従って、0V≦Vo<0.25Vの範囲
であればよいが、0.05≦Vo≦0.12Vが好まし
い。
【0073】図31のステップ400の電圧印加ルーチ
ンを図34に示す。図34は第1実施例の図8に相当す
るので、それと違い部分のみ説明する。この実施例で
は、電圧を徐変させないので、図33で図8のうち徐変
に関わるステップ407〜412,414,415を省
略した形となっている。図35は第6実施例の動作時の
センサ印加電圧(図35(a))とセンサ電流(図35
(b))とセンサ電圧−電流特性(図35(c))の挙
動を示す。従来の印加電圧での挙動は軌跡1、第6実施
例での挙動は軌跡2となる。印加電圧をVposからV
negへまたはVnegからVposへ切り替えた瞬間
の電流の軌跡は図35(c)中の直線ABまたは直線C
Dとなる。この直線の傾きはセンサの内部抵抗ZDCの
逆数とほぼ等しい。従って図35(c)より、従来の印
加電圧Vpos1よりも限界電流流域の負電圧側に近い
Vpos2の方が素子温度検出時に測定する電流値Cが
Inegにより近くなる。よって本実施例では従来方法
よりも内部抵抗ZDCの検出精度(即ち素子温度選出精
度)が向上する。また、D点も従来方法よりIposに
近づくため、素子温度検出後から正確なA/Fを検出で
きるまでの時間も図35(b)のt1からt2へ短縮で
きる。
【0074】また、センサ温度が十分上昇し、センサが
活性してからA/Fを検出すればよければ、図32のス
テップ203bにおいてVposを決定する式 Vpos=ZDC×Ipos+Vo のZDCを固定値としてもよいが、ZDCは温度判定ル
ーチンで検出したZDCを用いることにより、より正確
にVposを、限界電流流域内の低圧側の端に設定する
ことができる。
【0075】〔第7実施例〕第1実施例と相違する部分
のみ記述する。図36は第1実施例の図6のA/F検出
ルーチンに代わり用いられるもので、ステップ201と
ステップ202との間にステップ204、205追加し
ている。ステップ204では第1実施例の図8中のステ
ップ411で検出した起電力から図37の関係(起電力
が0.25V以下になると、起電力が小さくなるのに従
ってΔIpが指数関係的に増加する)を用い、補正量Δ
Ipを決定する。なお、図37の関係は予めROMに記
憶されている。ステップ205ではステップ201で検
出したIposの値をΔIpで加算補正する。
【0076】図37のΔIpと起電力の関係を図38の
センサ電圧−電流特性によって説明する。センサ静特性
は限界電流を示す限界電流領域と抵抗の特性を示す抵抗
支配領域とに分けられるが、その境界(以下、静特性の
境界)は厳密にはなめらかな曲線で結ばれている。その
ためA/F(限界電流値)を検出するとき印加電圧Vp
osを限界電流領域内の低電圧側の境界に近づけると、
Vposが曲線の領域に入ってしまうため、限界電流値
Iposを実際の値より小さめに検出してしまう。ここ
で、Iposの検出誤差は境界とVposとの距離即
ち、起電力に関係する。
【0077】また図37では起電力が同じであればIp
osが変わっても補正量ΔIpを一定としたが、図37
にIposの軸も加えて3次元のマップでΔIpを決定
するようにすればもっと厳密に補正できる。また図37
では起電力の小さいところ即ち静特性の境界付近のみを
ΔIp補正するマップとなっているが、図39のように
限界電流領域内の低電圧側の端(左側の端)に加えて、
限界電流領域の中心付近のフラット性や、限界電流領域
内の高電圧側の端(右側の端)の立ち上がり部をも補正
するようにしてもよい。
【0078】〔第8実施例〕第7実施例と相違する部分
のみ記述する。図40は図36のA/F検出ルーチンに
代わり用いられるもので、ステップ201の後にステッ
プ430と207とを追加して、ステップ204の代わ
りにステップ204aを用いている。ステップ430は
第1実施例の図30中のステップ430と同じ方法で限
界電流領域内の低電圧側の端の電圧VposLを求めて
いる。ステップ207では現在センサに印加している電
圧VrからVposLを引いてΔVを求めている。この
ΔVは第7実施例における起電力に相当する。ステップ
204aでは図41のようなΔIpとΔVの関係(ΔV
が0.25V以下になると、ΔVが小さくなるのに従っ
てΔIpが指数関係的に増加する)を用い補正量ΔIp
を決定する。この実施例では第5、第6実施例のように
センサ供給電圧を瞬断して起電力を検出する手段を有し
ない構成のものでも実現できる。
【0079】〔第9実施例〕第6実施例と相違する部分
のみ説明する。図42は第6実施例における図32のス
テップ203bの代わりに用いられる印加電圧設定ルー
チン203cの詳細を示すもので、図43のセンサ電圧
−電流特性中のL1、L2は従来と本実施例とにおける
設定印加電圧VPOS の軌跡を示すものである。この図4
2、図43において、空燃比、すなわち酸素濃度が所定
の値であることを示すIp0は理論空燃比近辺の0mA
でよいがその付近の値でもよい。Voは理論空燃比近辺
における限界電流領域の低電圧側の端付近の値、例えば
0.1Vとする。α、α’は直線L2の傾きのZDCか
らの偏差を示し、A/F検出範囲の上限位置、下限位置
において、軌跡L1に対応する内部抵抗ZDCとほぼ一
致する値、例えば30Ωとする。
【0080】図42において、先ずステップ2004に
おいて、限界電流IPOS がIp0より小さいか否かを判
断し、限界電流IPOS がIp0より小さくないと判断し
た時にはステップ2005に進み、限界電流IPOS がI
p0より小さいと判断した時にはステップ2006に進
む。ステップ2005では、VPOS =(ZDC+α)×
POS +Voにより、センサ印加電圧VPOS を設定し、
ステップ2006では、VPOS =(ZDC−α’)×I
POS +Voにより、センサ印加電圧VPOS を設定する。
これによって、図43の軌跡L2に示すごとく、理論空
燃比付近で限界電流領域内の低電圧の端付近の値とな
り、A/F検出範囲の上限位置、下限位置において、軌
跡L1とほぼ一致するようなセンサ印加電圧VPOS を設
定することができる。ここで、ステップ2005、20
06においては演算式によりセンサ印加電圧VPOS を設
定するようにしたが、ZDCとIPOS とに応じてあらか
じめRAMなどに記憶されいてるマップによりセンサ印
加電圧VPOS を設定するようにしてもよい。
【0081】そして、この実施例における温度検出ルー
チン500としては、理論空燃比近傍では上述したよう
な素子内部抵抗検出方法を用い、それ以外の空燃比領域
では特公平6−16025号公報に記載されるごとく、
素子内部抵抗ZDCを、ZDC=(VPOS −Ve)/I
POS により求める。すなわち、図9の代わりに図44が
用いられる。この図44は図9のステップ501のYE
Sの後に、ステップ521を追加し、このステップ52
1で限界電流IPOS が理論空燃比近傍の上下限値Ip
1、Ip2範囲内にあるか否かを判断し、限界電流I
POS が理論空燃比近傍の上下限値Ip1、Ip2範囲内
にあると判断したときにはステップ510に進み、限界
電流IPOS が理論空燃比近傍の上下限値Ip1、Ip2
範囲内にないと判断したときにはステップ411の起電
力検出ルーチンに進んで、図12に示す処理により酸素
センサSの起電力Veを検出した後、ステップ522で
素子内部抵抗ZDCを、ZDC=(VPOS −Ve)/I
POS により求めた後、ステップ509に進む。
【0082】〔第10実施例〕第9実施例と相違する部
分のみ説明する。図45は第9実施例における図42の
代わりに用いられる印加電圧設定ルーチン203dの詳
細を示すもので、図46のセンサ電圧−電流特性中のL
1、L2は従来と本実施例とにおける設定印加電圧V
POS の軌跡を示すものである。この図45、図46にお
いて、Vo1は従来の設定印加電圧VPOS の軌跡L1の
電圧軸切片で、例えば、0.5Vとする。Vo2は本実
施例における設定印加電圧VPOS の軌跡L2の電圧軸切
片で、例えば、0.1Vとする。Ip1、Ip2は限界
電流IPOS の理論空燃比近傍の上下限値で図44のステ
ップ521と同じ値に設定してある。
【0083】図45において、先ずステップ2001に
おいて、限界電流IPOS が理論空燃比近傍の上下限値I
p1、Ip2範囲内にあるか否かを判断し、限界電流I
POSが理論空燃比近傍の上下限値Ip1、Ip2範囲内
にないと判断したときにはステップ2002に進み、限
界電流IPOS が理論空燃比近傍の上下限値Ip1、Ip
2範囲内にあると判断したときにはステップ2003に
進む。ステップ2002では、VPOS =ZDC×IPOS
+Vo1により、センサ印加電圧VPOS を設定し、ステ
ップ2003では、VPOS =ZDC×IPOS +Vo2に
より、センサ印加電圧VPOS を設定する。これによっ
て、図46の軌跡L2に示すごとく、理論空燃比付近の
上下限値Ip1、Ip2範囲内で限界電流領域内の低電
圧の端付近の値となり、理論空燃比付近の上下限値Ip
1、Ip2範囲外において、軌跡L1とほぼ一致するよ
うなセンサ印加電圧VPOS を設定することができる。こ
こで、ステップ2002、2003においては演算式に
よりセンサ印加電圧VPOS を設定するようにしたが、Z
DCとIPOS とに応じてあらかじめRAMなどに記憶さ
れいてるマップによりセンサ印加電圧VPOS を設定する
ようにしてもよい。
【0084】〔その他の実施例〕なお、上述した実施例
においては、ヒータ26の加熱制御として、図15の
の全導通制御との電力制御との素子温フィードバッ
ク制御との3つの組合せを用いることにより、酸素セン
サSの早期活性化が最も良好に可能であるが、これら
〜の全てを用いる必要はなく、の全導通制御との
電力制御との2つの組合せ、の全導通制御との素子
温フィードバック制御との2つの組合せ、の電力制御
のみ、の素子温フィードバック制御のみによりヒータ
26の発熱制御をするようにしてもよい。また、ヒータ
26による加熱制御を用いることなく、内燃機関の排気
ガス温度により酸素センサSを活性化するものにも、活
性化判定のために素子温度を検出する必要があることか
ら本発明を適用することもできる。
【0085】また、上述したすべての実施例において、
図44の温度判定ルーチンを用い、理論空燃比近傍では
上述したような素子内部抵抗検出手法を用い、それ以外
の空燃比領域では特公平6−16025号公報に記載さ
れるごとく、素子内部抵抗ZDCを、ZDC=(VPOS
−Ve)/IPOS により求めるようにしてもよい。ま
た、所望値の電圧VPOSは、上記各実施例以外に、内燃
機関の運転状態に応じて設定したり、一定の値を設定し
たりするようにしてもよい。
【0086】さらに、第7、第8実施例の限界電流値の
補正は、第1実施例以外の第2〜第6実施例にも用いる
ことができることは勿論である。 〔実施例と発明との対応〕なお、バイアス制御回路4
0、ステップ403、404が本発明の限界電流測定用
電圧供給手段に相当し、センサ電流検出回路50及びス
テップ201が本発明の電流検出手段に相当し、ステッ
プ202が本発明の酸素濃度判定手段に相当し、ステッ
プ203b、203c、407〜412、430、43
1、2003が本発明の端付近電圧設定手段に相当し、
ステップ407、412、430、431が本発明の電
圧低減手段に相当し、ステップ411が本発明の起電力
検出手段に相当し、バイアス制御回路40、ステップ5
03、503aが本発明の測温電圧供給手段に相当し、
ステップ506、507が本発明の素子温度判定手段に
相当し、ステップ121、123が本発明の供給電圧瞬
断手段に相当する。
【0087】また、ステップ203c、203dが本発
明の端電圧補正手段に相当し、ステップ204、204
a、205、207が本発明の限界電流補正手段に相当
し、ステップ305が本発明の素子活性判別手段に相当
し、ステップ414、415、420、422が本発明
の電圧増大手段に相当し、ステップ301、302、3
06、310が本発明の測温周期決定手段に相当し、ス
テップ203、203aが本発明の電圧可変設定手段に
相当し、ステップ522が本発明の範囲外素子温度判定
手段に相当し、ヒータ制御回路80、図16〜図23の
制御フローが本発明のヒータ制御手段に相当し、図5の
制御周期が本発明の測酸周期決定手段に相当する。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、酸素センサの限界電流
を検出するために限界電流領域内の低圧側の端付近の電
圧を酸素センサに供給していて、酸素センサに誘導され
る起電力が所定値以下の状態から、酸素センサに素子温
度検出のための測温電圧を供給するから、酸素センサに
測温電圧を供給した直後の酸素センサに発生する起電力
によるピーク電流の発生を極力小さくすることができる
ため、素子温度測定のために酸素センサに測温電圧を供
給する時間を最小限に少なくすることができて、酸素濃
度を検出できない時間を大幅に短縮することができるの
みならず、限界電流を検出するための電圧から測温電圧
へと切り換えて素子温度を検出するため素子の内部抵抗
を用いての理論空燃比近傍における素子温の検出も可能
であるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】特許請求の範囲の記載に対する対応図である。
【図2】本発明の第1実施例を示すブロック回路図であ
る。
【図3】(A)は図2の酸素センサのセンサ本体の拡大
断面図であり、(B)は当該酸素センサの電圧−電流特
性を温度をパラメータとして示す特性図である。
【図4】上記第1実施例におけるバイアス制御回路の具
体電気回路図である。
【図5】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートである。
【図6】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートである。
【図7】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートである。
【図8】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートである。
【図9】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートである。
【図10】素子直流インピーダンス、限界電流と所望電
圧との関係を示す特性図である。
【図11】素子温と素子直流インピーダンスとの関係を
示す特性図である。
【図12】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフ
ローチャートである。
【図13】本発明の第1実施例の作用説明に供する酸素
センサの電圧−電流特性を示す特性図である。
【図14】上記第1実施例の作動説明に供するタイムチ
ャートである。
【図15】上記第1実施例の作動説明に供するタイムチ
ャートである。
【図16】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフ
ローチャートである。
【図17】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフ
ローチャートである。
【図18】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフ
ローチャートである。
【図19】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフ
ローチャートである。
【図20】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフ
ローチャートである。
【図21】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフ
ローチャートである。
【図22】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフ
ローチャートである。
【図23】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフ
ローチャートである。
【図24】ヒータ抵抗初期値と目標積算供給電力との関
係を示す特性図である。
【図25】ヒータ温度とヒータ抵抗との関係を示す特性
図である。
【図26】素子直流インピーダンスとヒータ電力との関
係を示す特性図である。
【図27】本発明の第2実施例の作用を示すフローチャ
ートである。
【図28】本発明の第3実施例の作用を示すフローチャ
ートである。
【図29】本発明の第4実施例の作用を示すフローチャ
ートである。
【図30】本発明の第5実施例の作用を示すフローチャ
ートである。
【図31】本発明の第6実施例の作用を示すフローチャ
ートである。
【図32】本発明の第6実施例の作用を示すフローチャ
ートである。
【図33】本発明の第6実施例の作用説明に供する酸素
センサの電流−電圧特性を示す特性図である。
【図34】本発明の第6実施例の作用を示すフローチャ
ートである。
【図35】(a)はセンサ印加電圧を示す波形図であ
り、(b)はセンサ電流を示す波形図であり、(c)は
本発明の第6実施例の作用説明に供する酸素センサの電
圧−電流特性を示す特性図である。
【図36】本発明の第7実施例の作用を示すフローチャ
ートである。
【図37】本発明の第7実施例の作用説明に供する起電
力−限界電流補正量特性図である。
【図38】本発明の第7実施例の作用説明に供するセン
サ電圧−電流特性図である。
【図39】本発明の第7実施例に対する変形例の作用説
明に供する起電力−限界電流補正量特性図である。
【図40】本発明の第8実施例の作用を示すフローチャ
ートである。
【図41】本発明の第8実施例の作用説明に供する端電
圧差−限界電流補正量特性図である。
【図42】本発明の第9実施例の作用を示すフローチャ
ートである。
【図43】本発明の第9実施例の作用説明に供するセン
サ電圧−電流特性図である。
【図44】本発明の第9実施例の作用を示すフローチャ
ートである。
【図45】本発明の第10実施例の作用を示すフローチ
ャートである。
【図46】本発明の第10実施例の作用説明に供するセ
ンサ電圧−電流特性図である。
【符号の説明】
S 酸素センサ 20 センサ本体 26 ヒータ 40 バイアス制御回路 50 センサ電流検出回路 55 半導体スイッチ 70 マイクロコンピュータ 80 ヒータ制御回路 81 バッテリー 82 電流検出抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 幸宏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 限界電流式酸素センサと、 前記酸素センサに限界電流を測定するための所望値の電
    圧を供給する限界電流測定用電圧供給手段と、 前記電圧の供給により前記酸素センサに流れる限界電流
    を検出する電流検出手段と、 前記酸素センサが活性状態にある時の前記限界電流に基
    づき酸素濃度を判定する酸素濃度判定手段と、 前記酸素センサに温度を判定するための測温電圧を短時
    間供給する測温電圧供給手段と、 前記測温電圧供給手段より前記酸素センサに温度を判定
    するための測温電圧が供給されている時に前記電流検出
    手段により検出された電流により前記酸素センサの内部
    抵抗を検出することにより素子温度を判定する素子温度
    判定手段とを備え、 前記限界電流測定用電圧供給手段は、前記酸素センサの
    限界電流領域内の低電圧側の端付近に前記所望値の電圧
    を設定する端付近電圧設定手段を含む酸素濃度判定装
    置。
  2. 【請求項2】 限界電流式酸素センサと、 前記酸素センサに限界電流を測定するための電圧を供給
    する限界電流測定用電圧供給手段と、 前記電圧の供給により前記酸素センサに流れる限界電流
    を検出する電流検出手段と、 前記酸素センサが活性状態にある時の前記限界電流に基
    づき酸素濃度を判定する酸素濃度判定手段と、 前記限界電流を検出している時に前記限界電流測定用電
    圧供給手段より前記酸素センサに供給される電圧を所望
    値より徐々に減少させる電圧低減手段と、 前記酸素センサに前記限界電流が流れている時の前記酸
    素センサの起電力を検出する起電力検出手段と、 前記電圧低減手段により電圧を徐々に減少している時の
    前記起電力検出手段により検出された起電力が所定値以
    下になると前記酸素センサに温度を判定するための測温
    電圧を短時間供給する測温電圧供給手段と、 前記測温電圧供給手段より前記酸素センサに温度を判定
    するための測温電圧が供給されている時に前記電流検出
    手段により検出された電流により前記酸素センサの内部
    抵抗を検出することにより素子温度を判定する素子温度
    判定手段とを備える酸素濃度判定装置。
  3. 【請求項3】 前記電圧低減手段により前記酸素センサ
    に供給される電圧を徐々に減少させている時に前記限界
    電流測定用電圧供給手段より前記酸素センサに供給され
    る電圧を周期的に瞬断する供給電圧瞬断手段を備え、 前記起電力検出手段は前記供給電圧瞬断手段により前記
    酸素センサに供給される電圧を瞬断した時に前記酸素セ
    ンサに誘導される電圧を検出するものである請求項2記
    載の酸素濃度判定装置。
  4. 【請求項4】 前記素子温度判定手段により素子温度を
    判定した後に、前記酸素センサに供給される電圧を、前
    記所望値まで増大させる電圧増大手段を備える請求項2
    または3記載の酸素濃度判定装置。
  5. 【請求項5】 前記電圧低減手段を所定の温度測定周期
    で周期的に作動させる測温周期決定手段を備える請求項
    2〜4のうちいずれか1つに記載の酸素濃度判定装置。
  6. 【請求項6】 限界電流式酸素センサと、 前記酸素センサに限界電流を測定するための電圧を供給
    する限界電流測定用電圧供給手段と、 前記電圧の供給により前記酸素センサに流れる限界電流
    を検出する電流検出手段と、 前記酸素センサが活性状態にある時の前記限界電流に基
    づき酸素濃度を判定する酸素濃度判定手段と、 前記限界電流を検出している時に前記限界電流測定用電
    圧供給手段より前記酸素センサに供給される電圧を、所
    望値より、前記限界電流の発生限界近傍で前記酸素セン
    サに発生する起電力が所定値以下となる所定値まで徐々
    に減少させる電圧低減手段と、 前記限界電流発生限界近傍の所定値まで前記酸素センサ
    に供給される電圧が減少すると前記酸素センサに温度を
    判定するための測温電圧を短時間供給する測温電圧供給
    手段と、 前記測温電圧供給手段より前記酸素センサに温度を判定
    するための測温電圧が供給されている時に前記電流検出
    手段により検出された電流により前記酸素センサの内部
    抵抗を検出することにより素子温度を判定する素子温度
    判定手段と、 前記素子温度判定手段により素子温度を判定した後に、
    前記酸素センサに供給される電圧を前記所望値まで増大
    させる電圧増大手段と、 前記電圧低減手段を所定の温度測定周期で周期的に作動
    させる測温周期決定手段とを備える酸素濃度判定装置。
  7. 【請求項7】 前記増大手段は、前記起電力が所定値以
    下になった時の前記酸素センサに供給されていた電圧よ
    り前記所望値まで電圧を徐々に増大するものである請求
    項4〜6のいずれか1つに記載の酸素濃度判定装置。
  8. 【請求項8】 前記電流検出手段による限界電流の検出
    及び前記酸素濃度判定手段による酸素濃度の判定を、前
    記測温周期決定手段による温度測定周期より短い周期で
    繰り返して実行させる測酸周期決定手段を備える請求項
    5〜7のいずれか1つに記載の酸素濃度判定装置。
  9. 【請求項9】 前記酸素濃度が所定の範囲内のときの前
    記所望の電圧を前記所望の範囲外のときよりも前記限界
    電流領域の低電圧側の端へ近づける端電圧変更手段を備
    える請求項1に記載の酸素濃度判定装置。
  10. 【請求項10】 前記酸素濃度が所定の範囲外のときに
    は、前記酸素センサに発生する起電力を前記所望の電圧
    より減算した値を前記限界電流値により除算して前記酸
    素センサの内部抵抗を検出することにより素子温度を判
    定する範囲外素子温度判定手段をさらに備える請求項1
    〜9のいずれか1つに記載の酸素濃度判定装置。
  11. 【請求項11】 前記所定の範囲は理論空燃比近傍に設
    定されている請求項9または10記載の酸素濃度判定装
    置。
  12. 【請求項12】 前記酸素センサに発生する起電力に応
    じて前記限界電流を補正する限界電流補正手段を含む請
    求項1〜11のいずれか1つに記載の酸素濃度判定装
    置。
  13. 【請求項13】 前記素子温度判定手段により判定した
    素子温度に応じて前記酸素センサの活性状態を判別する
    素子活性判別手段を備える請求項1〜13のうちいずれ
    か1つに記載の酸素濃度判定装置。
  14. 【請求項14】 前記酸素センサを加熱するヒータと、 前記素子温度判定手段により判定した素子温度に応じて
    前記ヒータへの通電を制御するヒータ制御手段とを備え
    る請求項1〜13のうちいずれか1つに記載の酸素濃度
    判定装置。
  15. 【請求項15】 前記素子温度判定手段により判定した
    素子温度に応じて、前記限界電流測定用電圧供給手段よ
    り前記酸素センサに供給される所望値の電圧を可変設定
    する電圧可変設定手段を備える請求項1〜14のうちい
    ずれか1つに記載の酸素濃度判定装置。
  16. 【請求項16】 前記酸素濃度判定手段により判定した
    酸素濃度に応じて、前記限界電流測定用電圧供給手段よ
    り前記酸素センサに供給される所望値の電圧を可変設定
    する電圧可変設定手段を備える請求項1〜15のうちい
    ずれか1つに記載の酸素濃度判定装置。
  17. 【請求項17】 前記測温電圧供給手段は予め定められ
    た負電圧を前記酸素センサに供給するものである請求項
    1〜16のうちいずれか1つに記載の酸素濃度判定装
    置。
  18. 【請求項18】 前記測温電圧供給手段は、前記限界電
    流測定用電圧供給手段によって前記酸素センサに供給さ
    れる所望値の電圧より所定値低い電圧を前記酸素センサ
    に供給するものである請求項1〜16のうちいずれか1
    つに記載の酸素濃度判定装置。
JP7133986A 1995-03-15 1995-05-31 酸素濃度判定装置 Withdrawn JPH08313477A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6649041B2 (en) 2000-11-22 2003-11-18 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Deterioration detector for exhaust gas sensor and method of detecting deterioration
JP2006214885A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Toyota Motor Corp ヒータ付きセンサの温度制御装置

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