JPH0831249A - 撚線機 - Google Patents

撚線機

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JPH0831249A
JPH0831249A JP18635994A JP18635994A JPH0831249A JP H0831249 A JPH0831249 A JP H0831249A JP 18635994 A JP18635994 A JP 18635994A JP 18635994 A JP18635994 A JP 18635994A JP H0831249 A JPH0831249 A JP H0831249A
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wire
roller
twisting
twisting machine
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紘 福原
Yoshio Koshidaka
嘉生 腰高
Toshio Sasai
敏男 笹井
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MIYAZAKI TEKKO KK
Tatsuta Electric Wire and Cable Co Ltd
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MIYAZAKI TEKKO KK
Tatsuta Electric Wire and Cable Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 断線や引き細りを生じることがなく、しかも
高価な制御装置を用いることなく撚線の製造速度を高速
化しうる撚線機を提供する。 【構成】 撚り返しのための自転機構を有する複数のサ
プライ手段と、前記サプライ手段からダンサーローラを
介して供給される複数の素線を撚り合わせる撚り合わせ
手段等を備えた撚線機において、前記ダンサーローラの
上流側にテンション補助手段を設け、前記テンション補
助手段は素線を巻き付けるテンションローラと該テンシ
ョンローラを駆動する駆動機構とからなり、前記テンシ
ョンローラの素線入口部の素線張力がテンションローラ
上流側の累積張力負荷以上でかつ素線の弾性限界値以下
となるように前記駆動機構により駆動され、テンション
ローラの素線出口部の素線張力が前記入口部の素線張力
より低減されるようにしたことを特徴とする撚線機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信ケーブルの対やカ
ッドのように複数本の線条体(以下「素線」という)を
撚り合わせて撚線を製造するための撚線機に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】撚線機は、一般に素線を供給する複数の
ボビンなどからなるサプライ手段と、供給された素線を
一つにまとめる撚り合わせダイスと、素線を撚り合わせ
る撚り合わせ手段と、撚り合わされた素線(撚線)を巻
き取る巻取手段とを備えており、必要に応じて撚り返し
手段や適宜の案内手段や一定テンション保持手段などを
備えている。素線を撚り合わせるための方法としては、
サプライ手段や巻取手段をそれぞれの回転軸の周りに回
転させるとともに、撚線軸の周りに、サプライ手段を
回転させる方法、巻取手段を回転させる方法、その
どちらも回転させず、素線の集合体を巻取手段に導く部
分に弓形などの案内手段を設け、それを巻取手段の周り
に回転させる方法がある。素線の種類や剛性の大きさな
どにもよるが、一般に高速化のためにはよりも、
よりもの方がすぐれている。
【0003】そこで、従来の撚線機をのタイプを例と
して説明する。図6は、2度撚り型撚線機の一例を示す
図である。図6において、10は複数の素線Wを供給す
るサプライ手段、20は撚り合わされた素線すなわち撚
線を巻き取る巻取手段、30は素線を撚り合わせる撚り
合わせ手段、40は一定テンション保持手段であるダン
サーロ−ラ、43は案内手段であるガイドローラ、50
は撚り合わせダイスである。
【0004】サプライ手段10は、サプライボビン11
と両端に回転軸13を有しサプライボビンを支持するク
レードル12とクレードル12のまわりに回転自在に設
けられた弓形ガイド15とガイドローラR1等からな
り、このサプライ手段10が4台フレーム17に一体に
支持されている。素線Wは、サプライボビン11から後
に詳述するようにガイドローラR1や弓形ガイドに設け
られたガイドローラ(図示せず)にそって繰り出され、
ガイドローラ16を経てダンサーローラ40に導かれ、
そのホィール41、42に1〜2往復巻かれた後、ガイ
ドローラ43を介して、撚り合わせダイス50に導かれ
る。ダンサーローラ40及びガイドローラー41は図示
しないが、4台のサプライ手段10に対応してそれぞれ
4台が水平方向に並べられ、4本の素線を案内する。
【0005】4本の素線は撚り合わせダイス50によっ
て一体に集合される。集合された素線が撚り合わせ手段
30によって撚り合わされる。
【0006】撚り合わせ手段30は、両端に中空軸3
1、32を有する弓形ガイド33とガイドローラ34、
35と軸受36、37とタイミングプーリー38、39
とからなる。巻取手段20は、中空軸31、32内に設
けられた図示されない軸受機構を介して弓形ガイド33
に対して回転自在に支持されたクレードル21とこのク
レードル21に取り付けられた引取キャプスタン22と
トラバース機構23と巻取ボビン24とからなる。70
は動力源としてのモータであり、巻取手段、撚り合わせ
手段、伝達機構71乃至76を介して動力を伝達する。
【0007】集合された素線は撚り合わせ手段30の中
空軸38からガイドローラ34を経て、弓形ガイド33
に導かれ、ガイドローラ35、中空軸32、引取キャプ
スタン22、トラバース23を経て巻取ボビン24に巻
き取られ、この間弓形ガイド33の回転によってガイド
ローラ34及びガイドローラ35の2点で撚りが与えら
れる。
【0008】一般に、所望のピッチを有する撚線を製造
する場合、撚り合わせの速度を速くするためには、引き
取り速度を速くするとともに回転速度も速くしなければ
ならないが、この2度撚り型撚線機においては、弓形ガ
イドが1回転するごとに2回撚られることになり、しか
も回転体である弓形ガイドの重量が軽いので、それだけ
高速化が容易である。
【0009】ところで、撚線軸の周りに素線を回転させ
るいわゆる公転にともなって、素線に捩じりが加わるた
め、これを解消するための撚り返しが必要となる。たと
えば、素線の剛性が大きい場合や通信ケーブルの対やカ
ッドのように電気的特性に影響する場合などである。撚
り返しは、サプライ手段を捩じりを解消する方向に回転
させることによって行われる。そこで先に述べたように
各サプライ手段10の弓形ガイド15を撚り合わせ手段
の弓形ガイド33と同方向に回転させることによって撚
り返しがおこなわれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、撚線の製造
速度を高速化するほど、撚り合わせ手段である弓形ガイ
ド33の回転速度を速くしなければならず、したがって
撚り返し手段である弓形ガイド15の回転速度も上げな
ければならない。そして、弓形ガイド15の回転速度を
上げると素線に加わる遠心力が大きくなり、その素線軸
方向分力が大きくなるだけでなく、素線が接触する弓形
ガイドやガイドローラとの摩擦抵抗や素線の屈曲抵抗な
どが大きくなるため、それらによって素線の軸方向に累
積される張力負荷(以下「累積張力負荷」という)が増
大し、ダンサーローラの設定張力では素線を引き取るこ
とができず、サプライ手段内素線Wにたるみが発生し、
素線がもつれて断線するという問題があり、また、ダン
サーローラの設定張力を上げてやれば素線Wのたるみの
発生は防げるが、設定張力を上げた分だけ素線にかかる
累積張力も大きくなり、素線の弾性限界値を超えて素線
に引き細りが生じるという問題があった。本発明は、上
記の問題点を解消し、断線や引き細りを生じることがな
く、しかも高価な制御装置を用いることなく撚線の製造
速度を高速化しうる撚線機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1の撚線機は、複数のサプライ手段
と、前記各サプライ手段からダンサーローラを介して供
給される複数の素線を撚り合わせる撚り合わせ手段と、
撚り合わされた素線を巻取る手段巻取手段とを備えた撚
線機において、前記各サプライ手段からダンサーローラ
を介して撚り合わせ手段に供給される各素線の走行経路
の前記ダンサーローラ上流側にテンション補助手段を設
け、前記テンション補助手段は素線を巻き付けるテンシ
ョンローラと該テンションローラを駆動する駆動機構と
からなり、前記テンションローラの素線入口部の素線張
力がテンションローラ上流側の累積張力以上でかつ素線
の弾性限界値以下となるように前記駆動機構により駆動
され、テンションローラの素線出口部の素線張力が前記
入口部の素線張力より低減されるようにしたことを特徴
とするものである。
【0012】そして、請求項2の撚線機は、請求項1に
記載の撚線機において、テンション補助手段の駆動機構
が、モータと可変トルククラッチとからなり、該可変ト
ルククラッチの駆動側に前記モータを、従動側に前記テ
ンションローラをそれぞれ取り付けたことを特徴とする
ものである。
【0013】請求項3の撚線機は、請求項2に記載の撚
線機において、テンション補助手段の駆動機構が、可変
速モータと可変トルククラッチとからなることを特徴と
するものである。
【0014】また、請求項4の撚線機は、請求項1に記
載の撚線機において、テンション補助手段の駆動機構が
可変速モータと制御手段とからなり、該制御手段はテン
ションローラーの周速が素線の走行速度より少し速くな
るように前記可変速モータの回転速度を制御することを
特徴とするものである。
【0015】さらに、請求項5の撚線機は、請求項1乃
至4に記載の撚線機において、サプライ手段が、非自転
型サプライボビンを装着するクレードルと、該クレード
ルの回転軸を揺動自在に支持する軸受けと、該軸受に取
り付けられ前記クレードルの周りを自転可能に設けられ
た弓型ガイドとを備えた2度撚り型撚り返し機構を有す
ることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】請求項1の撚線機は、テンションローラの素線
入口部の素線張力がテンションローラ上流側の累積張力
負荷以上でかつ素線の弾性限界値以下となるように駆動
機構により駆動されるので、テンションローラ上流側で
素線のたるみや引き細り及びそれにともなう断線を防止
する。また、テンションローラの素線出口部の素線張力
がテンションローラによって前記入口部の素線張力より
低減されるので、ダンサーローラの設定張力を小さくす
ることができる。したがって、テンションローラ下流側
の素線張力のレベルを低くすることができ、引取キャプ
スタン入口部の素線にかかる最高累積張力を素線の弾性
限界値以下に押さえることができるので、引き細りや断
線を生じるおそれもない。
【0017】そして、請求項2の撚線機は、テンション
補助手段の駆動機構が、モータと可変トルククラッチと
からなり、モータでテンションローラの周速やトルク
を、可変トルククラッチで素線にかかる最高張力を自在
に設定できるので断線、引き細りなどを生じないよう容
易に調整できる。
【0018】請求項3の撚線機は、モータが可変速モー
タであるため、テンションローラの周速を調整するのが
容易である。
【0019】また、請求項4の撚線機は、制御手段によ
りテンションローラの周速が素線の走行速度より少し速
くなるように可変速モータの回転速度が自動的に制御さ
れる。
【0020】さらに、請求項5の撚線機は、サプライ手
段が2度撚り型であるので、撚り返しのための回転速度
が2分の1ですみ、高速化に適している。
【0021】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の撚線機の側面図
である。図1において、図6の従来の撚線機と異なる点
は、複数のサプライ手段10にそれぞれテンション補助
装置1を設けたところにある。図6の従来の撚線機と同
一の手段は同一の符号で示す。図2は、図1の撚線機の
複数のサプライ手段10とダンサーローラ40を示す平
面図であり、図3は、サプライ手段10の背面図、図4
は、テンション補助装置1の一例を示す平面図である。
【0022】図1および図2において、テンション補助
装置1は各サプライ手段10ごとにそれを支持するフレ
ーム17上に設けられている。サプライ手段10は、図
3に示すようにサプライボビン11とそれを装着するク
レードル12と、クレードル12の回転軸13を揺動自
在に支持する軸受け14と、軸受14に取り付けられ前
記クレードル12の周りを自転可能に設けられた弓型ガ
イド15とを備えている。サプライボビン11は、それ
自身の回転軸の周りに回転するが、それを装着したクレ
ードルは軸受け14に揺動自在に支持されているだけ
で、回転軸13の周りに自転しない。
【0023】図4において、テンション補助装置1はテ
ンションローラ2とこれを駆動する駆動機構3とからな
り、駆動機構3は、モータ4と可変トルククラッチ(ヒ
ステリシスクラッチ)5とで構成されるものである。可
変トルククラッチ5の駆動側にはモータ4がベルト6に
よって結合され、従動側にはテンションローラ2が直結
されている。
【0024】可変トルククラッチの一例であるヒステリ
シスクラッチについて以下に説明する。ヒステリシスク
ラッチ5は、図5に示すようにステータ5a、駆動側の
第1回転子5b、従動側の第2回転子5cの3つの部分
から構成されている。ステータ5aは励磁コイル5ar
をもち、第1回転子5bは内外2つの磁極5bo,5b
iをもち、それらの磁極5bo,5bi間に第2回転子
5cのカップ状の永久磁石5cmが入っている。第1回
転子を回転して励磁コイルを励磁すると、第1回転子の
内外の磁極5bo,5bi間に形成される空隙5bgに
回転する磁場が発生し、その空隙におかれた第2回転子
5cの永久磁石5cmはは磁化されるが、永久磁石5c
mにはヒステリシス特性があり、永久磁石の極性の変化
は磁極のそれよりも遅れ、その結果、第1回転子と第2
回転子が磁気的に連結することにより、第1回転子の回
転が第2回転子に伝達される。すなわち、駆動軸5dの
回転が従動軸5eに伝達される。そして、ステータ5a
の磁気コイル5arの励磁電流を一定にしてやると、ス
リップ回転数に関係なく一定のトルクが得られる。
【0025】モータ4の回転数は、可変トルククラッチ
5がスリップなしの状態で、テンションローラの周速を
素線の走行速度以上(好ましくは走行線速よりも数%程
度速い速度)となるように設定する。モータ4はテンシ
ョンローラ2の周速の設定を容易にするため、可変速モ
ータであることが好ましい。可変トルククラッチ5の設
定トルク(励磁電流)はテンションローラ2の素線入口
部の素線張力が素線を引き取るのに必要な張力であって
かつ素線の弾性限界値以下となるように設定する。
【0026】可変トルククラッチ5では、素線の張力に
よりテンションローラ2にかかるトルク(素線入口部張
力によるトルクと出口部張力によるトルクが合算された
トルク)が前記設定トルク以上になると、駆動側5dと
従動側5eとの間でスリップが生じるので、素線に過大
な張力がかかるおそれはない。可変トルククラッチ5と
しては、ヒステリシスクラッチ、パウダークラッチなど
があるが、連続運転、メンテナンスなどから考えてヒス
テリシスクラッチの方が望ましい。ヒステリシスクラッ
チを用いると上述のとおりスリップ回転数に関係なく所
望の張力が得られるので、張力制御や速度制御が容易で
ある。
【0027】また、可変トルククラッチ5を用いず、走
行線速を検出して、前記可変速モータの回転数を制御す
る制御手段を設け、テンションローラの周速を走行線速
よりも少し速くなるように制御することもできる。な
お、可変トルククラッチ5を用いる方が、速度制御が簡
単であること、素線の線径が替わったときの周速((テ
ンションローラの直径+素線径)×π×テンションロー
ラの回転数)の変化を無視できることなどの利点があ
る。
【0028】次に上記撚線機の作動について説明する。
サプライボビン11から繰り出される素線Wはガイドロ
ーラR1を介し、弓形ガイド15に設けられたガイドg
によって導かれ、ガイドローラR2,R3,R4,R
5,R16を経由し、テンション補助手段1のテンショ
ンローラ2を介してダンサーローラ40に導かれる。そ
して、そのホィール41、42に1〜2往復巻かれた
後、ガイドローラ43を介して、撚り合わせダイス50
に導かれる。ダンサーローラ40及びガイドローラー4
3は、4台のサプライ手段10に対応してそれぞれ4台
が水平方向に並べられ、4本の素線を撚り合わせダイス
50に案内する。そして、以下従来の撚線機と同様の手
段により、撚り合わされ、巻き取られる。
【0029】一方、サプライ手段による撚り返しは弓型
ガイド15の自転によって与えられる。したがって、撚
線の製造速度を上げるためには、撚り合わせ手段の弓形
ガイド33の回転速度の増大に合わせて、サプライ手段
の弓型ガイド15の回転も速くしなければならない。そ
のため素線に加わる遠心力が大きくなり、素線Wと弓形
ガイド15やガイドローラR1,ガイドg・・・,ガイ
ドローラR2・・・R5,16等との摩擦抵抗や素線の
屈曲抵抗などが大きくなり、したがって、素線に加わる
張力が増大する。高速化に伴う遠心力の増加による摩擦
抵抗等の増加は、サプライ手段における上記のような接
触部だけでなく、引取キャプスタン22に引き取られる
までのすべての接触部において生ずるので、素線Wに加
わる張力Tは、一般にサプライボビン11から引取キャ
プスタン22に近づくにしたがって素線Wに加わる張力
Tは累積され大きくなる。
【0030】そこで、一例として0.4mm軟銅線にポ
リエチレン樹脂を被覆した心線4本を上記従来例および
実施例の撚線機でカッド撚りした場合の張力分布につい
て説明する。図7(a)は、従来の撚線機で上記心線を
カッド撚りするときの心線1本あたりの長さ方向の張力
変化を示す図である。実線は、最高張力TM1が弾性限
界値TMAX 以下となるようにダンサーローラを設定した
場合の各部における張力値を示し、点線はダンサーロ
ーラの設定張力をそれ以上に上げた場合の張力分布を示
す。実線の場合はサプライボビンからダンサーローラ
までの負荷がダンサーローラ40の設定張力以上となる
ため引取キャプスタン22による巻取張力TM1が摩擦抵
抗等の分布に応じて全体に分配され、サプライボビンに
おける張力TS にサプライボビンからダンサーローラま
での摩擦抵抗等による負荷が加わり、ダンサーローラに
おける張力値はTD1となる。そして、この場合はダンサ
ーローラは張力変動に対応できないため、サプライ手段
内を通過する素線Wにたるみが発生し、素線がもつれて
断線しやすい。点線の場合はダンサーローラの設定張
力をTD2まで上げたことによってその上流側の張力勾配
が大きくなり、最高張力もその分(TD2−TD1=ΔT)
だけ増加し、TM2となる。この場合は、最高張力TM2
弾性限界値TMAX を超えるので素線に引き細りを生じ
る。
【0031】図7(b)は、実施例の撚線機でカッド撚
りした場合の張力変化を示す図である。この場合、テン
ション補助装置の駆動機構により、テンションローラの
素線入口部の素線張力がテンションローラ上流側の累積
張力負荷以上でかつ素線の弾性限界値以下となり、テン
ションローラの周速が素線の走行速度より少し速くなる
ように前記駆動機構により駆動されるので、サプライボ
ビンからテンションローラまでの素線Wには図7(a)
の実線の場合より大きい張力が加わり、その張力分布
を示す線TS −TH1の張力勾配はTS −TD1のそれより
も大きくなる。一方、テンションローラの出力側からダ
ンサーローラまでの素線には、ほぼダンサーローラの設
定張力値に等しい張力TH2(TD3)が加わり、ダンサー
ローラから下流側での張力変化TD3−TM3の勾配は、図
7(a)実線の場合のTD1−TM1の勾配とほぼ等しく
なる。そして、ダンサーローラの設定張力値TD3を実線
の場合と等しくしておけば、TM3もTM1と等しくな
り、弾性限界値TMAX を超えることはない。
【0032】なお、一般に図8に示すようにテンション
ローラ2の入力側の張力TH1と出力側の張力TH2のの関
係は式によって求められる。 TH1/TH2=exp(μθ) ただし、 μ:素線とテンションローラとの摩擦係数 θ:素線のテンションローラに対する接触角(1回巻き
の場合は2π) したがって、たとえば素線Wがテンションローラ2に1
回巻き付けられ、その摩擦係数μ=0.15とすると、 TH1/TH2=exp(0.15×2π)=2.566 となる。したがって、ダンサーローラの設定張力TD3
H2を錘43によって350gに設定すると、TH1=8
98gとなり、テンションローラ2がない場合に比べて
898g−350g=548gの張力を下げることがで
きる。さらに、テンションローラ2の上流側の張力負荷
がこれ以上になるときはダンサーローラの設定張力をさ
らに上げるか、テンションローラー2への素線に巻付け
回数を増やす必要がある。
【0033】上記実施例では、撚り合わせ手段30も撚
り返し手段15も弓形ガイドを用いたものとしたが、こ
のような2度撚り型が高速化に適するからであって、本
発明はこれに限定されるものではなく、高速化のために
張力負荷が大きくなり、断線や引き細りを生じる危険性
のあるすべての撚線機に適用できる。また、テンション
補助装置の駆動機構も可変トルククラッチを用いたもの
が安全上好ましいがこれに限定されるものではなく、前
述のように走行線速を検出して可変速モータの回転数を
制御する制御手段を設け、この制御手段によりテンショ
ンローラの周速を走行線速に同調させる機構とすること
もできる。
【0034】
【発明の効果】本発明の撚線機によれば、テンション補
助装置の駆動機構により、テンションローラの素線入口
部の素線張力がテンションローラ上流側の累積張力負荷
以上でかつ素線の弾性限界値以下となるように駆動機構
により駆動されるので、テンションローラの上流側で素
線にたるみを生じたり、引き細りを生ずることがなく、
またそれらにともなって断線を生ずることもない。ま
た、テンションローラの素線出口部の素線張力がテンシ
ョンローラによって前記入口部の素線張力より低減され
るので、ダンサーローラの設定張力を小さくすることが
でき、テンションローラ下流側の素線張力のレベルを低
くすることができる。したがって、引取キャプスタン入
口部の素線にかかる最高累積張力を素線の弾性限界値以
下に押さえることができ、引き細りや断線を生じるおそ
れもないので、高価な制御装置を用いることなく撚線の
製造速度を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の側面図である。
【図2】本発明の実施例のサプライ手段とダンサーロー
ラの平面図である。
【図3】本発明の実施例のサプライ手段の背面図であ
る。
【図4】本発明の実施例のテンション補助装置の平面図
である。
【図5】本発明の実施例の可変トルククラッチの説明図
である。
【図6】従来の撚線機の側面図である。
【図7】サプライボビンから引取キャプスタンに至るま
での素線にかかる張力の分布の説明図である。
【図8】本発明の実施例の撚線機におけるテンション補
助装置の作動説明図である。
【符号の説明】
1 テンション補助手段 2 テンションローラ 3 駆動機構 4 モータ 5 可変トルククラッチ 10 サプライ手段 11 サプライボビン 12 クレードル 15 弓形ガイド(撚り返し手段) 20 巻取手段 22 引取キャプスタン 30 撚り合わせ手段 40 ダンサーローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹井 敏男 大阪府東大阪市岩田町2丁目3番1号 タ ツタ電線株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のサプライ手段と、前記各サプライ
    手段からダンサーローラを介して供給される複数の素線
    を撚り合わせる撚り合わせ手段と、撚り合わされた素線
    を巻取る巻取手段とを備えた撚線機において、前記各サ
    プライ手段からダンサーローラを介して撚り合わせ手段
    に供給される各素線の走行経路の前記ダンサーローラ上
    流側にテンション補助手段を設け、前記テンション補助
    手段は素線を巻き付けるテンションローラと該テンショ
    ンローラを駆動する駆動機構とからなり、前記テンショ
    ンローラの素線入口部の素線張力がテンションローラ上
    流側の累積張力負荷以上でかつ素線の弾性限界値以下と
    なるように前記駆動機構により駆動され、テンションロ
    ーラの素線出口部の素線張力が前記入口部の素線張力よ
    り低減されるようにしたことを特徴とする撚線機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の撚線機において、テン
    ション補助手段の駆動機構は、モータと可変トルククラ
    ッチとからなり、前記可変トルククラッチの駆動側に前
    記モータを、従動側に前記テンションローラをそれぞれ
    取り付けてなることを特徴とする撚線機。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の撚線機において、テン
    ション補助手段の駆動機構は、可変速モータと可変トル
    ククラッチとからなることを特徴とする撚線機。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の撚線機において、テン
    ション補助手段の駆動機構は、可変速モータと制御手段
    とからなり、前記制御手段はテンションローラーの周速
    が素線の走行速度より少し速くなるように前記可変速モ
    ータの回転速度を制御することを特徴とする撚線機。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4に記載の撚線機におい
    て、サプライ手段は、非自転型サプライボビンを装着す
    るクレードルと、該クレードルの回転軸を揺動自在に支
    持する軸受けと、該軸受に取り付けられ前記クレードル
    の周りを自転可能に設けられた弓型ガイドとを備えた2
    度撚り型撚り返し機構を有することを特徴とする撚線
    機。
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