JPH08311387A - 孔版印刷用エマルションインキ - Google Patents

孔版印刷用エマルションインキ

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JPH08311387A
JPH08311387A JP14675795A JP14675795A JPH08311387A JP H08311387 A JPH08311387 A JP H08311387A JP 14675795 A JP14675795 A JP 14675795A JP 14675795 A JP14675795 A JP 14675795A JP H08311387 A JPH08311387 A JP H08311387A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 油相約10〜90重量%と水相約90〜10
重量%によって構成される油中水型エマルションにおい
て、水相中に水中油型樹脂エマルションをインキ全量に
対し固形分で0.1〜1.8重量%含有してなるものと
する。 【効果】 指触乾燥性に優れ、しかも比較的低コストで
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は孔版印刷用エマルション
インキに関し、詳しくは擦れによる色落ちの少ない(以
後指触乾燥性に優れるとする)孔版印刷用エマルション
インキに関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷方法は、周知のように孔版印刷
原紙を用い、この原紙の穿孔部を介して原紙の一方の側
より他方の側へインキを移動させることにより、紙など
の被印刷物面に印刷を行なうものである。近年、輪転孔
版印刷機にもマイクロコンピューター等による自動化が
進み、操作が簡単になってきており、これに伴って孔版
印刷の利用が増加している。
【0003】ただ、孔版印刷の乾燥は、浸透乾燥と蒸発
乾燥のみであり、また機上でインキが固化しないように
するため反応性の樹脂を添加することができないことか
ら、これまで安定性、定着性及び指触乾燥性を確保する
ために、特開昭61−255967号公報では固形の樹
脂等が添加され、顔料1に対して樹脂を3以上添加し、
油相粘度を高くすることで、インキの安定性及び定着性
を確保していた。また、界面活性剤としてソルビタンセ
スキオレエートやソルビタンモノオレエートなどが好ん
で使用されてきた(特公平5−62628号公報)。更
に、インキの定着性を向上させることを目的に、特開平
5−117564号公報のゲル化剤を含む孔版印刷エマ
ルションインキや、特開平6−128518号公報のよ
うに顔料の分散性を良くする高価な分散剤を使用したエ
マルションインキが提案されている。水相に疎水性樹脂
を添加したものとしては、特開平4−183762号公
報や特開平6−220382号公報があり、後者では定
着性を向上するために多量の樹脂をインキに添加してい
る。
【0004】しかし、これらの従来の技術では、温度依
存性の高い樹脂を添加することにより温度依存性が悪く
なる、高価な添加剤をいれることによりインキのコスト
が高くなる、また水相に疎水性樹脂を添加したものでは
水相の樹脂が多いためにインキが紙に転移した後、イン
キの粘度上昇が著しいことによる浸透性の低下及び油相
中のオイル、界面活性剤のために完全な皮膜が形成され
ずべとべと感がある等の問題があり、指触乾燥性に優れ
た低コストのインキが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、前記従来技術の欠点を除去し、輪転孔版印刷機にお
いて、指触乾燥性に優れた孔版印刷用エマルションイン
キを容易且つ低コストで提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、油相約
10〜90重量%と水相約90〜10重量%によって構
成される油中水型エマルションにおいて、水相中に水中
油型樹脂エマルションをインキ全量に対し固形分で0.
1〜1.8重量%含有してなることを特徴とする孔版印
刷用エマルションインキが提供される。
【0007】本発明者らは、前記目的を達成するため鋭
意研究を重ねた結果、油中水型エマルションの水相中に
水中油型樹脂エマルションを固形分で0.1〜0.18
重量%添加することによって、指触乾燥性に優れた孔版
印刷用エマルションインキが低コストで得られることを
見いだした。
【0008】その理由は、次のように推測される。水中
油型樹脂エマルションは、通常水性塗料や接着剤に使用
される材料であり、皮膜形成能、接着能を有する材料で
ある。水中油型樹脂エマルションを水相に添加し、イン
キが乾燥するときに皮膜を形成させる場合、樹脂が多い
と紙にインキが付着後、浸透する前に水中油型樹脂エマ
ルション中の樹脂が顔料同士を接着し、顔料の凝集を招
き、結果としてインキの浸透が阻害されるという欠点が
あり、また油相中にはインキが機械のなかで固まらない
ように不揮発性のオイルや界面活性剤が添加されている
が、この不揮発性オイルのために、水中油型樹脂エマル
ション中の樹脂が乾いた皮膜を形成しないで、べとべと
感のある皮膜を形成してしまう。この皮膜は消しゴムな
どの強い擦れに対しては弱く、定着性を悪くすることも
ある。また、固形分が多すぎると、機械のなかでインキ
が固まることもある、などの欠点がある。しかし、水中
油型樹脂エマルションは接着能があるため、その添加量
を制限することにより、インキの紙への浸透を阻害する
ことなく顔料同士を接着することができ、その結果指触
乾燥性が向上すると推測される。また、水中油型樹脂エ
マルションを多量に添加することは、コストの安い水と
置換することになるので、コストが高くなるという問題
があるが、添加量が少ないことでコストへの影響も小さ
くなることが期待できる。本発明の孔版印刷用油中水型
エマルションインキに添加される水中油型樹脂エマルシ
ョンは、インキ全量に対して固形分で0.1重量%以上
1.8重量%以下である。
【0009】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の孔版印刷用エマルションインキは、油相約10〜9
0重量%と水相約90〜10重量%によって構成される
油中水型エマルションからなるが、前記油相は、油成
分、着色剤分散剤、着色剤、樹脂、乳化剤等から構成さ
れ、また前記水相は、水、電解質、防腐・防かび剤、酸
化防止剤、水蒸発防止剤、水溶性高分子、水中油型樹脂
エマルション(疎水性高分子)等から構成される。これ
らの構成成分には、エマルションの形成を阻害しない公
知のものが使用される。
【0010】本発明で用いられる着色剤(染顔料)とし
ては、カーボンブラック;アゾ系顔料、フタロシアニン
系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、建染染料系顔
料、媒染染料系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔
料及び天然染料系顔料;ジアゾ染料、アントラキノン系
染料等の油容性染料などが挙げられる。これらの染顔料
類は、単独で添加しても2種以上混合して添加しても良
い。
【0011】本発明で用いられる油成分としては、従来
公知のものが適用でき、例えば、石油系溶剤、流動パラ
フィン、スピンドル油、軽油、灯油、マシン油、潤滑油
等の鉱物油;あまに油、トール油、とうもろこし油、オ
リーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、大豆油等の植物油等が
使用される。また、本発明においては合成油も使用でき
る。合成油を使用する場合、種々の化合物が利用でき
る。代表的な合成ビヒクルには、ポリイソブチレン類、
水素化ポリデセン類、トリメチロールプロパンエステル
類、ネオペンチルエステル及びペンタエリスリトールエ
ステル、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ(2
−エチルヘキシル)アジペート、ジブチルフタレート、
フルオロカーボン類、珪素エステル類、シラン類、リン
含有酸類のエステル類、液体尿素、フェロセン誘導体
類、水素化合成油類、鎖状ポリフェニル類、シロキサン
類及びシリコン類(ポリシロキサン類)、ブチル置換ビ
ス(p−フェノキシフェニル)エーテル類に代表される
アルキル置換ジフェニルエーテル類、フェノキシフェニ
ルエーテル類などが挙げられる。なお、石油系溶剤とし
ては、エクソン社のアイソパーや日本石油社の日石ソル
ベント等の混合溶剤を使用しても良い。そして、これら
の油は単独で使用しても2種類以上混合して使用しても
良い。
【0012】本発明で用いられる乳化剤は、好ましくは
非イオン系界面活性剤であり、例えば、ソルビタン高級
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂
肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセ
リド及び高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸
等の酸化エチレン付加物が挙げられ、単独あるいはこれ
らのHLB(親水性親油性バランス)の異なるものを2
種以上組み合わせて安定性の高いエマルションを調製す
る。添加量はインキ重量の1〜8重量%、好ましくは2
〜5.5重量%とすれば良い。
【0013】以上のほか、油相にはエマルションの形成
を妨害しない範囲で樹脂、着色剤の分散剤、ゲル化剤及
び酸化防止剤等を添加することができる。なお、前記の
着色剤や乳化剤も油相に含まれる。また、水相にはエマ
ルションの形成を妨害しない範囲で水溶性高分子、防腐
・防かび剤、水の蒸発抑制剤、凍結防止剤、pH調整
剤、電解質、水中油型樹脂エマルション(疎水性高分
子)等を添加できる。油相に添加される樹脂は、着色剤
と被印刷物との固着、着色剤の分散及びインキの経時安
定性向上等のために従来から添加されているバインダー
樹脂である。従って、従来から添加されている樹脂を添
加すれば良く、具体的にはロジン;重合ロジン、水素化
ロジン、リジンエステル、水素化ロジンエステル等のロ
ジン系樹脂;ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性
樹脂;フェノール樹脂、石油樹脂;アルキッド樹脂;ゴ
ム誘導体;重合ひまし油;等を1種又は2種混合して添
加すれば良い。また、添加量はインキ重量の10%重量
以下、好ましくは1〜7重量%とすれば良い。
【0014】本発明で用いられる着色剤の分散剤として
は、エマルションの形成を阻害しないものが使用され、
前記の乳化剤用非イオン性界面活性剤を使用することが
できる。このほか、例えばアルキルアミン系高分子化合
物、アルミニウムキレート系化合物、スチレン/無水マ
レイン酸系共重合高分子化合物、ポリカルボン酸エステ
ル型高分子化合物、脂肪族系多価カルボン酸、高分子ポ
リエステルのアミン塩類、エステル型アニオン界面活性
剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩類、長鎖ポ
リアミノアミドと高分子酸ポリエステルの塩、ポリアミ
ド系化合物、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスル
ホカルボン酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、ジ
オクチルスルホコハク酸塩類、及びアルキド樹脂など顔
料分散能を有する樹脂なども挙げられる。これらの分散
剤は単独又は2種類以上混合して添加すれば良く、その
添加量は着色剤重量の40重量%以下、好ましくは2〜
35重量%とすれば良い。
【0015】ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化
してインキの保存安定性、定着性、流動性を向上させる
役割を持ち、本発明のインキに添加されるゲル化剤とし
ては、油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。
このような化合物を例示すると、Li,Na,K,A
l,Ca,Co,Fe,Mn,Mg,Pb,Zn,Zr
等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石
鹸オリゴマー等であり、具体的にはオクチル酸アルミニ
ウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナ
フテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸
塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセト
アセテート等の有機キレート化合物等が挙げられる。こ
れらのゲル化剤は、1種又は2種以上を油相に添加すれ
ば良く、その添加量は油相中の樹脂の15重量%以下、
好ましくは5〜10重量%である。
【0016】油相に添加される酸化防止剤は、ジブチル
ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロ
キシアニソール等であり、これらの添加によって油相中
のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインキ
粘度の上昇等が防止される。また、その添加量はインキ
中の油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重量
%である。なお、酸化防止剤は単独で使用しても2種類
以上を混合して使用しても良い。
【0017】エマルションインキの水相に添加される水
溶性高分子は、補湿や増粘のために添加されるものであ
り、具体的には下記の天然又は合成高分子が添加され
る。例えば、デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、
ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、ブルラ
ン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチ
ン、コラーゲン、カゼイン等の天然高分子;キルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデン
プン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプ
ン等の半合成高分子;アクリル酸樹脂及びポリアクリル
酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミンな
どのアクリル酸樹脂誘導体、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリビニルメチルエーテルなどの合成高
分子等が挙げられる。これらの水溶性高分子は単独でも
2種類以上混合しても良く、インキに含まれる水の25
重量%以下、好ましくは0.5〜15重量%が添加され
る。
【0018】水相に添加される防腐・防かび剤は、エマ
ルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加
され、エマルションを長期保存する場合は防腐・防かび
剤の添加が普通である。その添加量は、インキ中に含ま
れる水の3重量%以下、好ましくは0.1〜1.2重量
%とするのがよい。また、防腐・防かび剤としては、サ
リチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、
p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物
及びその塩素化合物のほか、ソルビン酸やデヒドロ酢酸
等が使用され、これらは単独で使用しても2種類以上混
合して使用しても良い。
【0019】水の蒸発防止剤と凍結防止剤は兼用可能で
あり、これらの目的で添加される薬品は、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール
等のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一化
アルコール;グリセリンやソルビトール等の多価アルコ
ール;等である。これらの薬品は1種又は2種以上を添
加すれば良く、その添加量はインキ中の水重量の15重
量%以下、好ましくは4〜12重量%である。
【0020】水相に添加される水中油型樹脂エマルショ
ンは、pH値によって安定性が変化することがあるの
で、pH3以下の強酸性領域及びpH14以上の強アル
カリ性領域では、水中油型樹脂エマルションの安定性を
阻害しないように、必要に応じてpH値の調整を行って
も良い。水中油型樹脂エマルションとしては、酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、塩化
ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/
アクリル酸エステル共重合体、スチレン/アクリル酸エ
ステル共重合体、塩化ビニリデン/アクリル酸エステル
共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ウレタン
等が挙げられる。これらの水中油型樹脂エマルション
は、油中水型エマルションインキの安定性を阻害しない
範囲であれば、分散剤、保護コロイド、界面活性剤を添
加していても良く、またソープフリー乳化重合によって
合成したものでも良い。特に好ましいのは、アクリル酸
エステル系の樹脂エマルションであり、乳化特性に優れ
ている。また、これらの樹脂の造膜温度(M.F.T)
は、40℃以下のものを用いるのが好ましい。M.F.
Tを低下するために、造膜助剤としてエチレングリコー
ルモノブチルエーテル等のグリコール系、フタレート系
可塑剤等のエステル系の化合物を適宜使用することがで
きる。水中油型樹脂エマルションは溶液乳化法、溶融乳
化法等により乳化重合又はソープフリー乳化重合により
製造することができる。また、市販品としては、ボンコ
ート5450(スチレン/アクリル酸エステル共重合
体)[大日本インキ化学工業(株)]、ボンロンS−4
85(アクリル酸エステル)[三井東圧工業(株)]等
を用いることができる。
【0021】水相に添加されるpH調整剤は、トリエタ
ノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等で
あり、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相の
pHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前期範
囲からはずれると、増粘剤用水溶性高分子が添加されて
いる場合にはその効果が損なわれる等の問題がある。
【0022】水相に添加される電解質は、エマルション
の安定性を高めるために添加されるものである。従っ
て、該電解質には、エマルションの安定度向上に有効な
離液順列が高いイオンで構成された電解質を添加するの
がよい。離液順列の高い陰イオンは、クエン酸イオン、
酒石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等であり、離液
順列が高い陽イオンはアルカリ金属イオンやアルカリ土
類金属イオンであることから、ここで添加される電解質
としては、少なくとも陰イオンか陽イオンの一方が前記
イオンからなる塩が好ましい。従って、ここで添加され
る電解質としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ
酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が好ましく、その添加
量は水相の0.1から2重量%、好ましくは0.5〜
1.5重量%である。
【0023】上記のほか、本発明の孔版印刷用油中水型
エマルションインキには、印刷時に印刷用紙と印刷ドラ
ムとの分離を良くするため、あるいは印刷用紙の巻き上
がり防止のために、油相にワックスを添加することがで
きる。また、水相にはトリエタノールアミンや水酸化ナ
トリウム等を添加して、水溶性高分子添加による高粘度
化を更に増進させることができる。更に、水相に防錆剤
や消泡剤を添加して、印刷の際に印刷機がインキによっ
て錆びたり、インキが泡立つことを防止することができ
る。これらの添加剤は、孔版印刷用インキに添加されて
いる公知品を必要に応じて添加すれば良く、その添加量
は従来品の場合と同程度でよい。
【0024】本発明のエマルションインキは、従来のエ
マルションインキ製造時と同様にして油相及び水相液を
調整し、この両方を公知の乳化機内で乳化させてインキ
とすれば良い。即ち、着色剤、乳化剤及び必要に応じて
添加される樹脂等の添加物を良く分散させた油を常温で
調整し、これに防腐・防かび剤や水溶性高分子等が必要
に応じて添加されている水溶液を徐々に添加して乳化す
ればよい。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下に示す部はいずれも重量基準である。
【0026】実施例1 以下に示される処方の原料を使用した。 (着色剤) カーボンブラック 4.0部 (溶剤) スピンドル油 21.0部 (顔料分散剤) アルミニウムキレート 0.3部 (乳化剤) ソルビタンセスキオレート 4.7部 (水) イオン交換水 58.0部 (凍結防止剤) エチレングリコール 10.0部 (電解質) 硫酸マグネシウム 1.0部 スチレン/アクリル酸エステル水中油型樹脂エマルション(固形物) 1.0部
【0027】顔料分散体の調整はカーボンブラック、ス
ピンドル油及び顔料分散剤を3本ロールで練肉すること
で行い、この顔料分散体に乳化用界面活性剤とオイル
を、更に必要に応じてロジン変性フェノール樹脂等のワ
ニスを加え油相とし、これに水中油型樹脂エマルション
を含有する水相を加え乳化することによって、孔版印刷
用エマルションインキを得た。
【0028】実施例2 下記処方の原料を使用したこと以外は、実施例1と同様
にして孔版印刷用エマルションインキを得た。 (着色剤) カーボンブラック 4.0部 (溶剤) スピンドル油 8.0部 石油系溶剤 7.0部 (樹脂) ロジン変性フェノール樹脂 6.0部 (乳化剤) ソルビタンセスキオレート 5.0部 (水) イオン交換水 58.0部 (凍結防止剤) エチレングリコール 10.0部 (電解質) 硫酸マグネシウム 1.0部 アクリル酸エステル水中油型樹脂エマルション(固形分) 1.0部
【0029】実施例3 下記処方の原料を使用したこと以外は、実施例1と同様
にして孔版印刷用エマルションインキを得た。 (着色剤) カーボンブラック 4.0部 (溶剤) スピンドル油 21.0部 (顔料分散剤) アルミニウムキレート 0.3部 (乳化剤) ソルビタンセスキオレート 4.7部 (水) イオン交換水 57.2部 (凍結防止剤) エチレングリコール 10.0部 (電解質) 硫酸マグネシウム 1.0部 アクリル酸エステル水中油型樹脂エマルション(固形分) 1.8部
【0030】実施例4 下記処方の原料を使用したこと以外は、実施例1と同様
にして孔版印刷用エマルションインキを得た。 (着色剤) カーボンブラック 4.0部 (溶剤) スピンドル油 21.0部 (顔料分散剤) アルミニウムキレート 0.3部 (乳化剤) ソルビタンセスキオレート 4.7部 (水) イオン交換水 58.8部 (凍結防止剤) エチレングリコール 10.0部 (電解質) 硫酸マグネシウム 1.0部 スチレン/アクリル酸エステル水中油型樹脂エマルション(固形分) 0.2部
【0031】比較例1 下記処方の原料を使用したこと以外は、実施例1と同様
にして孔版印刷用エマルションインキを得た。 (着色剤) カーボンブラック 4.0部 (溶剤) スピンドル油 21.0部 (顔料分散剤) アルミニウムキレート 0.3部 (乳化剤) ソルビタンセスキオレート 4.7部 (水) イオン交換水 59.0部 (凍結防止剤) エチレングリコール 10.0部 (電解質) 硫酸マグネシウム 1.0部
【0032】比較例2 下記処方の原料を使用したこと以外は、実施例1と同様
にして孔版印刷用エマルションインキを得た。 (着色剤) カーボンブラック 4.0部 (溶剤) スピンドル油 21.0部 (顔料分散剤) アルミニウムキレート 0.3部 (乳化剤) ソルビタンセスキオレート 4.7部 (水) イオン交換水 56.0部 (凍結防止剤) エチレングリコール 10.0部 (電解質) 硫酸マグネシウム 1.0部 アクリル酸エステル水中油型樹脂エマルション(固形分) 3.0部
【0033】比較例3 下記処方の原料を使用したこと以外は、実施例1と同様
にして孔版印刷用エマルションインキを得た。 (着色剤) カーボンブラック 4.0部 (溶剤) スピンドル油 21.0部 (顔料分散剤) アルミニウムキレート 0.3部 (乳化剤) ソルビタンセスキオレート 4.7部 (水) イオン交換水 58.95部 (凍結防止剤) エチレングリコール 10.0部 (電解質) 硫酸マグネシウム 1.0部 アクリル酸エステル水中油型樹脂エマルション(固形分) 0.05部
【0034】比較例4 下記処方の原料を使用してこと以外は、実施例1と同様
にして孔版印刷用エマルションインキを得た。 (着色剤) カーボンブラック 4.0部 (溶剤) スピンドル油 21.0部 (顔料分散剤) アルミニウムキレート 0.3部 (乳化剤) ソルビタンセスキオレート 4.7部 (水) イオン交換水 29.5部 (凍結防止剤) エチレングリコール 10.0部 (電解質) 硫酸マグネシウム 1.0部 アクリル酸エステル水中油型樹脂エマルション(固形分) 29.5部
【0035】(エマルションインキの評価)これらのイ
ンキを用い、市販のリコー社製孔版印刷機(VT350
0)で十分印刷を行ってインキを印刷機内にいきわたら
せた後、印刷した。この際の印刷物の印刷濃度は、反射
式光学濃度計(マクベス社製RD914)によって測定
した。温度依存性は上記の印刷を10℃と30℃で行
い、その濃度差から評価した。0.3以下を◎、0.3
1〜0.35を○、0.35以上を×とした。また、印
刷物の定着性、指触乾燥性、べたつき感及びインキの乾
燥性を評価した。それら評価、測定方法は次の通りであ
る。なお、それらの結果を表1にまとめて示す。
【0036】 定着性 印刷濃度を測定した部分を、消しゴムを取り付けたクロ
ックメーターで10往復/10秒で消去した後の濃度も
測定して、(消去後の濃度)/(印刷濃度)からインキ
の定着率を求めた。比較例1と同レベルのものを○、明
らかに劣るものを×とした。 指触乾燥性 印刷部分を布をとりつけたクロックメーターで10往復
/10秒で擦り布の汚れ具合を比較して求めた。布の汚
れ具合の少ないものを指触乾燥性○、布の汚れが多いも
のを指触乾燥性×とした。 べたつき感 印刷物を手で触り評価した。 乾燥性 インキを大気中に放置したときの皮膜形成状態を評価
し、皮膜を形成しないものを○、形成するものを×とし
た。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】請求項1の孔版印刷用エマルションイン
キは、水相中に水中油型樹脂エマルションをインキ全量
に対し固形分で0.1〜1.8重量%含有してなるもの
としたことから、指触乾燥性に優れたものであり、しか
も比較的低コストで得られる。
【0039】請求項2の孔版印刷用エマルションインキ
は、前記水中油型樹脂エマルションとしてアクリル酸エ
ステル系の樹脂エマルションを用いたことから、乳化特
性が向上するという効果が加わる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油相約10〜90重量%と水相約90〜
    10重量%によって構成される油中水型エマルションに
    おいて、水相中に水中油型樹脂エマルションをインキ全
    量に対し固形分で0.1〜1.8重量%含有してなるこ
    とを特徴とする孔版印刷用エマルションインキ。
  2. 【請求項2】 前記水中油型樹脂エマルションがアクリ
    ル酸エステル系の樹脂エマルションである請求項1記載
    の孔版印刷用エマルションインキ。
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