JPH08311109A - 重合体スケール付着防止剤及びそれを使用する重合体の製造方法 - Google Patents

重合体スケール付着防止剤及びそれを使用する重合体の製造方法

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JPH08311109A
JPH08311109A JP14943495A JP14943495A JPH08311109A JP H08311109 A JPH08311109 A JP H08311109A JP 14943495 A JP14943495 A JP 14943495A JP 14943495 A JP14943495 A JP 14943495A JP H08311109 A JPH08311109 A JP H08311109A
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polymerization
polymer
polymer scale
compound
monomer
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JP14943495A
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Tatsuya Fujimoto
達也 藤本
Masahiro Usu
雅浩 薄
Toshihide Shimizu
敏秀 清水
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/002Scale prevention in a polymerisation reactor or its auxiliary parts
    • C08F2/004Scale prevention in a polymerisation reactor or its auxiliary parts by a prior coating on the reactor walls

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アミノナフタレン化合物とビス(ヒドロキシ
フェニル)アルカン化合物との縮合生成物を含有するエ
チレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合用の重合
体スケール付着防止剤。 【効果】 従来の重合体スケール付着防止剤からなる塗
膜に対する溶解能が著しく大きいスチレン、α−メチル
スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリロ
ニトリル等の単量体を含む重合系においても重合体スケ
ールの付着を確実に防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン性不飽和二重
結合を有する単量体を重合器内で重合し重合体を製造す
る際に、重合器内壁面等への重合体スケールの付着を防
止する防止剤及びそれを使用する重合体の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニルをはじめとするエチレン性不
飽和二重結合を有する単量体を重合器内で重合させる
と、重合体がスケールとして重合器の内壁面等に付着す
ることが知られている。この重合体スケールの付着は、
バッチ数を重ねるに従い顕著になり、重合器の冷却能力
を低下させたり、重合体の収率を低下させるという問題
がある。また、内壁から剥離した重合体スケールが、得
られた重合体に混入して製品の品質が低下するという問
題がある。そして、この重合体スケールを除去するのに
多大の労力と時間を要する。重合体スケールは未反応単
量体も含むため、放置すると、作業者の身体に影響を及
ぼすという問題もある。従来、エチレン性不飽和二重結
合を有する単量体を重合する際の重合体スケールの付着
を防止するため、重合体スケール付着防止剤を重合器の
内壁面等に塗布して塗膜を形成する方法が知られてい
る。この重合体スケール付着防止剤としては、例えば、
特定の極性化合物(特公昭45−30343号公報)、
染料又は顔料(特公昭45−30835号公報、同52
−24953号公報)、芳香族アミン化合物(特開昭5
1−50887号公報)、フェノール性化合物と芳香族
アルデヒドとの反応生成物(特開昭55−54317号
公報)が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの物質を用いた
重合体スケール付着防止方法は、重合に供されるエチレ
ン性不飽和二重結合を有する単量体が、塩化ビニル単量
体の場合には有効である。しかし、当該単量体がスチレ
ン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステル、アクリ
ロニトリル、酢酸ビニル等である場合には、これらの単
量体が前述の重合体スケール付着防止剤の塗膜に対して
大きな溶解能を有するため、重合体スケールの付着を効
果的に防止することが困難である。そこで、本発明の目
的は、塩化ビニルをはじめとして、α−メチルスチレン
等の大きな溶解能を有するその他のエチレン性不飽和二
重結合を有する単量体の重合においても、重合体スケー
ルの付着を効果的の防止することができる新規な重合体
スケール付着防止剤及びそれを利用する重合体の製造方
法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、アミノナフ
タレン化合物とビス(ヒドロキシフェニル)アルカン化
合物との縮合生成物が優れた重合体スケール付着防止作
用を有することを見いだした。すなわち、本発明は、ア
ミノナフタレン化合物とビス(ヒドロキシフェニル)ア
ルカン化合物との縮合生成物を有効成分として含有す
る、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合用
の重合体スケール付着防止剤を提供するものである。ま
た、本発明は、エチレン性不飽和二重結合を有する単量
体を内壁面に重合体スケール付着防止性塗膜を有する重
合器内において重合する工程を有する重合体の製造方法
において、前記の塗膜が上記の重合体スケール付着防止
剤からなることを特徴とする重合体の製造方法を提供す
る。
【0005】アミノナフタレン化合物とビス(ヒドロキ
シフェニル)アルカン化合物との縮合生成物 本発明の重合体スケール付着防止剤はアミノナフタレン
化合物とビス(ヒドロキシフェニル)アルカン化合物と
の縮合生成物を有効成分として含有する。該縮合生成物
の原料であるアミノナフタレン化合物としては、例え
ば、一般式(1) :
【0006】
【化1】
【0007】〔ここで、R1は水素原子、カルボキシル
基、ヒドロキシル基、アミノ基及びメチル基から選ばれ
る一価の原子又は基であり、R 2 はアミノ基、カルボキ
シル基及び水素原子からなる群から選ばれる一価の原子
又は基であり、mは1〜2の整数であり、nは1〜4の
整数である〕で表されるものが挙げられる。一般式(1)
の化合物の例としては、β-ナフチルアミン、3-アミノ-
2-ナフトエ酸、3-アミノ-2-ナフトール、5-アミノ-1-ナ
フトール、1-アミノ-2-ナフトール、1,5-ジアミノナフ
タレン、1,8-ジアミノナフタレン、2,3-ジアミノナフタ
レン、4-アミノ-2- メチル-1- ナフトール等が挙げら
れ、好ましくは1,5-ジアミノナフタレン、1,8-ジアミノ
ナフタレン及び 5- アミノ-1-ナフトールである。これ
らのアミノナフタレン化合物は1種単独でも2種以上の
組合せでも用いることができる。また、前記縮合生成物
のもう一つの原料であるビス( ヒドロキシフェニル) ア
ルカン化合物は、例えば、下記の一般式(2) :
【0008】
【化2】
【0009】〔ここで、R3及びR4は水素原子、メチル
基、エチル基等のアルキル基であり、p及びqは1〜3
の整数である〕で表されるものが挙げられる。一般式
(2) の例として、ビス(4 -ヒドロキシフェニル) メタ
ン、2,2-ビス(4'- ヒドロキシフェニル) プロパン、2,2
-ビス(4' - ヒドロキシフェニル) ブタン、ビス(2,3,4
-トリヒドロキシフェニル) メタン、2,2-ビス(2',3',4
' - トリヒドロキシフェニル) プロパン、2,2-ビス(2',
3',4 ' -トリヒドロキシフェニル)ブタン等が挙げら
れ、中でも好ましいものは下記の化学式(3) :
【0010】
【化3】
【0011】で示される 2,2- ビス(2',3',4 ' -トリヒ
ドロキシフェニル) プロパンである。アミノナフタレン
化合物とビス(ヒドロキシフェニル)アルカン化合物と
の縮合生成物は、両化合物を酸性触媒の存在下で反応さ
せることにより得られる。
【0012】上記の反応に用いられる酸性触媒として
は、具体的には、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸、無水塩化
アルミニウム、過酸化水素等が例示され、中でも塩酸が
最適である。酸性触媒の量は、アミノナフタレン化合物
1モル当たり、0 .005〜0.25モルの範囲が好ましく、0.
005 〜0.1 モルの範囲がより好ましい。反応は、180 〜
350 ℃で、好ましくは180 〜250 ℃で行われ、反応時間
は通常2〜10時間程度でよい。反応に供されるアミノナ
フタレン化合物とビス(ヒドロキシフェニル)アルカン
化合物とのモル比は、反応条件によって最適比が異なる
ので、設定された条件に応じてあらかじめ決定すればよ
い。一般には、アミノナフタレン化合物1モル当たり、
ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン化合物1.0 〜5.0
モルの範囲から選べばよく、好ましくは1.5 〜3.0 モル
の範囲である。アミノナフタレン化合物の量に対しビス
(ヒドロキシフェニル)アルカン化合物の量が少なすぎ
ると、得られた縮合物の分子量分布が大きくなり、スケ
ール防止効果が低下する。また、多すぎるとやはりスケ
ール防止効果が低下する。
【0013】縮合生成物の分子量は500 〜5万、好まし
くは1,000 〜1万、特に好ましくは3,000 〜1万の範囲
である。分子量が小さすぎると重合体スケール付着防止
効果が低下する。逆に分子量が大き過ぎると、後述する
塗布液を調製した際に塗布液中で沈殿を形成する恐れが
あり、塗布液が不安定である結果、重合器壁面等に良好
な塗膜を形成することが困難となる。
【0014】無機コロイド 本発明の重合体スケール付着防止剤には、好ましくは無
機コロイドが添加される。この添加により重合体スケー
ル防止効果が一層向上する。無機コロイドとしては、例
えば、金、銀、水酸化第二鉄、すず酸、イオウ、水酸化
アルミニウム、硫酸バリウム、ケイ酸、酸化チタン、酸
化アンチモン、硫化アンチモン、フェリシアン化鉄、フ
ェロシアン化鉄、リチウムシリケート等の無機コロイド
が挙げられる。好ましいのは水酸化第二鉄及びケイ酸の
コロイドである。無機コロイドの粒径は1〜500 nm
(ナノメートル)の範囲が望ましく、より好ましくは、
4〜200 nm(ナノメートル)である。無機コロイド
は、縮合生成物/無機コロイドの重量比が、100 /1〜
1/100 の範囲となる量が好ましく、さらに10/1〜1/10
の範囲となる量が好ましい。無機コロイドが少な過ぎる
と、併用する利点が得られない場合がある。
【0015】塗布液の調製 本発明の重合体スケール付着防止剤は、主として重合器
の内壁面やその他重合中に単量体が接触する部位に塗膜
をを形成するのに使用される。したがって、塗布液の形
で使用される。該塗布液は前記した縮合生成物及び場合
によっては無機コロイドをそれぞれ適当とされる濃度で
溶媒に溶解又は分散させ、混合することより調製する。
塗布液における縮合生成物の濃度は、後述の乾燥後の塗
布量が得られる限り制約はないが、通常0.001 重量%以
上であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5重量
%である。縮合生成物の濃度が低すぎると、重合器内壁
面に所望の塗布量を得ることが困難となる。一方、濃度
の上限については特に制限はないが、必要以上に高濃度
にすると経済的に不利となるほか、極端な場合には均一
な塗膜を形成することに支障を来すようになる。無機コ
ロイドを添加する場合、その濃度は0.01重量%以上であ
ることが好ましく、より好ましくは0.05〜5重量%であ
る。塗布液の調製に用いられる溶媒としては、水と相溶
性の高い有機溶媒、例えばメチルアルコール、エチルア
ルコール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、アセトン等が挙げられる。これら
は1種単独でも2種以上を混合して用いてもよい。好ま
しい溶媒は、メチルアルコール、エチルアルコール、ア
セトン及びジメチルホルムアミドである。
【0016】また、上記の塗布液には、被塗布面とのぬ
れ性を向上させる添加剤を配合することは望ましい。塗
布液に対する被塗布面のぬれ性が高まると、壁面に対し
て均一な塗膜を形成することができ、スケール付着防止
効果をさらに向上させることができる。この添加剤とし
ては炭素原子数3〜6の一価アルコール(以下、一価ア
ルコールという)が好ましく、例えば、n-プロピルアル
コール、iso-プロピルアルコール、n-ブチルアルコー
ル、iso-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール,t-
ブチルアルコール,n-アミルアルコール,t-アミルアル
コール,iso-アミルアルコール、sec-アミルアルコー
ル,sec-ヘキシルアルコールが挙げられる。これらは1
種単独でも使用することができ2種以上を併用すること
もできる。該一価アルコールは、一価アルコール/塗布
液溶媒の重量比が1/99〜20/80、好ましくは5/95〜
10/90で添加される。
【0017】塗膜の形成 上記のようにして調製される塗布液を用いて重合器内壁
面に塗膜を形成するには、まず、塗布液を重合器内壁面
に塗布し、次いで、例えば室温から 100℃までの温度範
囲で充分に乾燥させた後、さらに必要に応じて水洗す
る。
【0018】また、前記塗布液は、重合器内壁面だけで
なく、重合中に単量体が接触する他の部位にも塗布する
ことが好ましい。例えば、攪拌翼、攪拌軸、バッフル、
コンデンサ、ヘッダ、サーチコイル、ボルト、ナット等
が挙げられる。さらに好ましくは、前記塗布液は重合中
に単量体が接触する部位以外であっても、重合体スケー
ルが付着する恐れのある部位、例えば、未反応単量体の
回収系統の機器及び配管の内面等には前記塗膜を形成し
たほうがよい。具体的には、モノマー蒸留塔、コンデン
サ、モノマー貯蔵タンク、バルブ等の内面が挙げられ
る。
【0019】このようにして、重合中に単量体が接触す
る部位及びそれ以外の重合体スケールが付着する恐れの
ある部位に塗膜を形成すると、それらの部位への重合体
スケールの付着が防止される。なお、塗布液を重合器内
壁面に塗布する方法は、特に限定されず、例えばハケ塗
り、スプレー塗布、塗布液で重合器を満たした後に抜き
出す方法等をはじめとして、そのほか特開昭57−61001
号、同55−36288 号、特公昭56−501116号、同56−5011
17号、特開昭59−11303 号等に記載の自動塗布方法を用
いることもできる。
【0020】また、塗布液が塗布されたことにより、濡
れた状態の表面を乾燥する方法も限定されることはな
く、例えば次のような方法を使用することができる。す
なわち、塗布液の塗布後、適当に昇温した温風を塗布面
に当てる方法又は塗布液を塗布すべき重合器内壁面及び
その他の表面を予め、例えば30〜80℃に加熱しておき、
その加熱した表面に塗布液を直接塗布する方法等を使用
することができる。そして塗布面の乾燥後は、その塗布
面を必要に応じて水洗する。
【0021】このようにして得られた塗膜は、乾燥後の
塗布量が、通常、0.001 〜3g/m2であることが好まし
い。以上の塗布作業は、1〜10数バッチの重合ごとに行
えばよい。形成された塗膜は高い耐久性を有し、重合体
スケールの付着防止作用が持続する。必ずしも1バッチ
の重合ごとに塗布作業を行う必要がないので、生産性が
向上する。
【0022】重合 本発明の方法は、エチレン性不飽和二重結合を有する単
量体の重合に適用され、この単量体の例としては、塩化
ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル
酸及びこれらのエステル又は塩;マレイン酸、フマル酸
及びこれらのエステル又は無水物;ブタジエン、クロロ
プレン、イソプレン等のジエン系単量体;スチレン、ア
クリロニトリル、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテ
ル等が挙げられる。本発明の方法が特に好適に実施され
る例としては、塩化ビニル等ののハロゲン化ビニルもし
くはハロゲン化ビニリデン又はそれらを主体とする単量
体の水性媒体中における懸濁重合もしくは乳化重合によ
るそれら重合体の製造である。また、本発明の方法で形
成される塗膜はα−メチルスチレン、アクリル酸エステ
ル、アクリロルニトリル、酢酸ビニル等の従来の塗膜に
対して大きな溶解能を有する単量体に対しても高い耐久
性を示すので、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポ
リアクリロニトリル等の重合体ビーズ、ラテックスの製
造、SBR,NBR,CR,IR,IIR等の合成ゴム
の製造(これら合成ゴムは通常乳化重合によって製造さ
れる。)、ABS樹脂の製造にも好適に実施することが
できる。
【0023】これら単量体の1種又は2種以上の重合に
あたり、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合等の
重合形式にかかわらず、また、乳化剤、安定剤、滑剤、
可塑剤、pH調整剤、連鎖移動剤等のいずれの添加剤の存
在下であっても、スケール防止の目的が有効に達成され
る。例えば、ビニル系単量体の懸濁重合及び乳化重合の
場合に重合系に加えられる添加剤が部分けん化ポリビニ
ルアルコール、メチルセルロース等の懸濁剤;ラウリル
硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のアニオン
乳化剤;ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル等のノニオン性乳化剤;三塩基性硫
酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ジブチルすずジラウレ
ート、ジオクチルすずメルカプチド等の安定剤;ライフ
ワックス、ステアリン酸等の滑剤;DOP,DBP等の
可塑剤、トリクロロエチレン、メルカプタン類等の連鎖
移動剤;pH調整剤等が存在する重合系においても効果
的にスケールの付着が防止される。
【0024】また、本発明の特徴は重合触媒の種類に影
響されることなく、いずれの触媒を使用した場合でも顕
著な重合体スケール付着防止効果が発揮される。具体的
には、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカー
ボネート、 3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサ
イド、α−クミルパーオキシネオデカノエート、シクロ
ヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバ
レート、ビス(2−エトキシエチル)パーオキシジカー
ボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、 2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイ
ド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、α,
α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,α′−アゾビ
ス− 2,4−ジメチルバレロニトリル、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、p−メンタンハイドロパーオキサ
イド等の重合開始剤が例示される。以下、懸濁重合、乳
化重合及び塊状重合の場合を例に挙げて、一般的な重合
方法を具体的に説明する。まず、水及び分散剤を重合器
に仕込み、その後、重合開始剤を仕込む。次に、重合器
内を排気して0.1 〜760 mmHgに減圧した後、単量体
を仕込み(この時、重合器の内圧は、通常0.5 〜30kg
f/cm2 ・Gになる)、その後、30〜150 ℃の反応温
度で重合する。重合中には、必要に応じて、水、分散剤
及び重合開始剤の1種又は2種以上を添加する。また、
重合時の反応温度は、重合される単量体の種類によって
異なり、例えば、塩化ビニルの重合の場合には30〜80℃
で行い、スチレンの重合の場合には50〜150 ℃で重合を
行う。重合は重合器の内圧が0〜7kgf/cm2 ・G
に低下した時に、あるいは重合器外周に装備されたジャ
ケット内に流入、流出させる冷却水の入口温度と出口温
度との差がほぼなくなった時( すなわち重合反応による
発熱がなくなった時) に、完了したと判断される。重合
の際に仕込まれる水、分散剤及び開始剤は、通常、単量
体100 重量部に対して、水20〜500 重量部、分散剤0.01
〜30重量部、重合開始剤0.01〜5 重量部である。また、
溶液重合の場合には、重合媒体として水のかわりに、例
えばトルエン、キシレン、ピリジン等の有機溶媒を使用
する。分散剤は必要に応じて用いられる。その他の重合
条件は、一般に懸濁重合及び乳化重合についての重合条
件と同様である。また、塊状重合の場合には、重合器内
を約0.01〜760 mmHgの圧力に排気した後、その重合
器内に単量体及び重合開始剤を仕込み、−10〜250 ℃の
反応温度で重合する。例えば、塩化ビニルの重合の場合
には、30〜80℃で行い、スチレンの重合の場合には50〜
150 ℃で重合を行う。
【0025】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明する。なお、実験No. に*印を付したもの
は、本発明の条件を満たさない比較例である。
【0026】[調製例1] (縮合生成物の調製)反応器に1,5-ジアミノナフタレ
ン15.8g(0.1 モル)、 2,2- ビス(2',3',4 '-トリヒ
ドロキシフェニル) プロパン58.4g(0.2 モル)及び35
%塩酸1g(0.0096モル)を仕込み、これらの混合物を
200℃に加熱し、そのまま同温度で2時間攪拌して反応
させた。反応終了後、得られた溶融状物をジメチルホル
ムアミド100 mLに溶解し、得られた溶液を希塩酸中に
投入して縮合生成物を析出させた。縮合生成物をろ過し
た後、縮合生成物から塩酸及び未反応反応成分を取り除
くために水で3回水洗した。その後、乾燥して縮合生成
物を得た。得られた縮合生成物をゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィ(以下、GPCという)により分
析したところ、平均分子量は3,400 であった。GPCの
測定条件は次のとおりであった。 カラム :GPC−802D島津製作所製スチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体球状多孔性ゲル キャリア:LiBr/DMF=10mmol/L,流量:
1.0mL/min 検出器 :紫外線吸収スペクトル 290 nm 分子量の決定: ポリスチレンの検量線による。
【0027】[調製例2〜5] (縮合生成物〜)表1に示すアミノナフタレン化合
物と 2,2- ビス(2',3',4 ' -トリヒドロキシフェニル)
プロパンとを反応させた以外は、調製例1の場合と同様
の条件で縮合生成物〜を得た。なお、 2,2- ビス
(2',3',4 ' -トリヒドロキシフェニル)プロパン1モル
との反応に供したアミノナフタレン化合物のモル量を表
1に示す。各縮合生成物の平均分子量を調製例1と同様
にして測定した。調製例1〜5の条件及び平均分子量の
測定結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】[実施例1] (塩化ビニルの重合例)調製例1〜5で調製した縮合生
成物〜の一つと無機コロイドとを表2に示す割合で
塗布液溶媒に対し合計濃度0.01重量%となるように加
え、さらに、一価アルコール/塗布液溶媒の重量比が5
/95となるように、表2に示す一価アルコールを添加し
て、各実験の塗布液を作成した。こうして調製した塗布
液を内容積1000Lの攪拌機付ステンレス製重合器の内
壁、攪拌機及び単量体が接触するその他の部分に塗布
し、同表に示す温度で加熱、乾燥後水洗して塗膜を形成
した。しかし、比較例である実験No.101*では塗膜をの
形成する処理を行わなかった。このようにして塗膜を形
成した重合器内に塩化ビニル単量体200 kg、水400k
g、部分けん化ポリビニルアルコール250 g、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース25g及びジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート75gを仕込み、攪拌しながら内
温57℃で6時間重合を行った。この重合においては、1
バッチ終了後塗布剤を塗布することなく、上記重合を3
回繰り返した。ただし、比較例については1バッチのみ
である。重合終了後、下記の測定方法によりスケール付
着量(g/m2 )を測定した。その結果を表2に示す。重合体スケールの測定法 :10cm四方の面積に付着したス
ケールを肉眼で確認することができる限りすべてステン
レス製のへらで掻き落として計量した後、該計量値を 1
00倍して1m2 当たりのスケール付着量を求めた。
【0030】
【表2】
【0031】[実施例2] (スチレンの重合例)調製例1〜5で調製した縮合生成
物〜の一つと無機コロイドとを表3に示す割合で塗
布液溶媒に対し合計濃度0.5 重量%となるように加え、
さらに、一価アルコール/塗布液溶媒の重量比が8/92
となるように、表3に示す一価アルコールを添加して、
各実験の塗布液を作成した。こうして調製した塗布液を
内容積1000Lの攪拌機付ステンレス製重合器の内壁、攪
拌機及び単量体が接触するその他の部分に塗布し、同表
に示す温度で加熱、乾燥後水洗して塗膜を形成した。し
かし、比較例である実験No.201*では塗膜を形成する処
理を行わなかった。このようにして塗膜を形成した重合
器内に水400 kg、スチレン200 kg、リン酸カルシウ
ム2kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム20
g、及びビス-3- メトキシブチルパーオキシジカーボー
ネート40gを仕込み、攪拌しながら内温60℃で5時間重
合を行った。重合終了後、実施例1と同様にしてスケー
ル付着量(g/m2 )を測定した。その結果を表3に示
す。
【0032】
【表3】
【0033】[実施例3] (ABS樹脂の重合例)調製例1〜5で調製した縮合生
成物〜の一つと無機コロイドとを表4に示す割合で
塗布液溶媒に対し合計濃度1.0 重量%となるように加
え、さらに、一価アルコール/塗布液溶媒の重量比が表
4に示す値となるように一価アルコールを添加して、各
実験の塗布液を作成した。この塗布液を内容積100 Lの
攪拌機付ステンレス製重合器の内壁、攪拌機及び単量体
の接触するその他の部分に塗布し、同表に示す条件で加
熱乾燥後水洗し、塗膜を形成した。しかし、実験 No. 3
01*では塗膜を形成する処理を行わなかった。このよう
にして塗膜を形成した重合器内に、ポリブタジエンラテ
ックス(固形分濃度:45重量%)14.3kg、水44kg、
オレイン酸ソーダ550 g、スチレン9kg、アクリロニ
トリル5.5 kg、t-ドデシルメルカプタン45g及びクメ
ンハイドロパーオキサイド154 gを仕込み、攪拌しなが
ら内温65℃に昇温させた後、ブドウ糖220 g、硫酸第一
鉄2.2 g及びピロリン酸ソーダ110 gを仕込み65℃で5
時間反応させ、重合体を製造した。重合終了後、スケー
ル付着量(g/m2 )を実施例1と同様にして測定し
た。その結果を表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】[実施例4] (SBR樹脂の重合例)調製例1〜5で調製した縮合生
成物〜の一つと無機コロイドとを表5に示す割合で
塗布液溶媒に対し合計濃度1.0 重量%となるように加
え、さらに、一価アルコール/塗布液溶媒の重量比が10
/90となるように、表5に示す一価アルコールを添加し
て、各実験の塗布液を作成した。この塗布液を内容積 2
0 Lの攪拌機付ステンレス製重合器の内壁、攪拌機及び
単量体の接触するその他の部分に塗布し、同表に示す条
件で加熱乾燥後水洗し、塗膜を形成した。しかし、実験
No. 401*では塗膜を形成する処理を行わなかった。こ
のようにして塗膜を形成した重合器内に、水9kg、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 225g、t−ドデ
シルメルカプタン 12 g及び過硫酸カリウム13gを仕込
み、窒素ガスで置換した後、スチレン 1.3 kg及びブ
タジエン3.8kgを仕込み50℃で20時間反応させ、重合
体を製造した。重合終了後、スケール付着量(g/
2 )を実施例1と同様にして測定した。その結果を表
5に示す。
【0036】
【表5】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、重合器の内壁、攪拌機
等のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体が接触す
る部分における重合体スケールの付着を効果的に防止す
ることができる。この効果は、懸濁重合、乳化重合、塊
状重合、溶液重合等の重合方式において、単量体の種
類、重合系の組成、重合触媒の種類等に関係なく発揮さ
れる。特に、従来重合体スケールの付着の防止が困難で
あったα−メチルスチレン等の溶解能が大きい単量体の
重合でもスケールの付着を効果的に防止することができ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノナフタレン化合物とビス(ヒドロ
    キシフェニル)アルカン化合物との縮合生成物を有効成
    分として含有する、エチレン性不飽和二重結合を有する
    単量体の重合用の重合体スケール付着防止剤。
  2. 【請求項2】 さらに無機コロイドを含有する請求項1
    記載の重合体スケール付着防止剤。
  3. 【請求項3】 前記の縮合生成物が、アミノナフタレン
    化合物と2,2-ビス(2',3',4'- トリヒドロキシフェニ
    ル)プロパンとを、酸性触媒の存在下、180〜350 ℃で
    反応させることにより得られた、分子量500 〜50,000の
    ものである請求項1記載の重合体スケール付着防止剤。
  4. 【請求項4】 エチレン性不飽和二重結合を有する単量
    体を内壁面に重合体スケール付着防止性塗膜を有する重
    合器内において重合する工程を有する重合体の製造方法
    において、前記の塗膜が請求項1に記載の重合体スケー
    ル付着防止剤からなることを特徴とする重合体の製造方
    法。
JP14943495A 1995-05-24 1995-05-24 重合体スケール付着防止剤及びそれを使用する重合体の製造方法 Pending JPH08311109A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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