JPH08310863A - 誘電体磁器の製造方法及び積層型誘電体部品の製造方法 - Google Patents

誘電体磁器の製造方法及び積層型誘電体部品の製造方法

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JPH08310863A
JPH08310863A JP7114247A JP11424795A JPH08310863A JP H08310863 A JPH08310863 A JP H08310863A JP 7114247 A JP7114247 A JP 7114247A JP 11424795 A JP11424795 A JP 11424795A JP H08310863 A JPH08310863 A JP H08310863A
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JP
Japan
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dielectric
compound
calcium
small
dielectric porcelain
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JP7114247A
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English (en)
Inventor
Yuichi Yamada
裕一 山田
Hidekazu Koga
英一 古賀
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比誘電率と無負荷Q値が共に高く、共振周波
数の温度係数が小さく、その上緻密に低温焼成可能なマ
イクロ波領域で使用される誘電体磁器と積層型誘電体部
品とを提供することを目的とする。 【構成】 Bi23、CaNa26、CaCO3、Nb2
5、CuOを混合し、誘電体シートを成形し、次に誘
電体シートと内部導体層2,3,4とを交互に積層体を
形成し、焼成後、外部電極5を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロ波やミリ波等の
高周波領域で使用される誘電体磁器の製造方法及び積層
型誘電体部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車電話、携帯電話、衛星放送
等、マイクロ波領域の電磁波を利用する通信の増加に伴
い、機器や機器を構成する例えばフィルタ素子や共振器
等の誘電体部品の小型化が求められている。このような
誘電体部品を小型化するには、比誘電率が高く、マイク
ロ波領域で低損失であること、すなわち無負荷Q値が高
いこと、及び共振周波数の温度変化が小さいこと、すな
わち誘電率の温度変化が小さいことが重要となる。
【0003】一方、導体と誘電体磁器組成物を積層構造
にすることによって、共振器等の部品を小型化、高機能
化しようとする試みが行われている。しかし、マイクロ
波のような高周波領域で使用する場合、高い導電率を持
つ導体が必要で、Cu、Au、Agあるいはそれらの合
金を使用する必要がある。しかも、積層構造にする場合
には、誘電体材料と導体の金属とを同時に焼成する必要
があるため、導体金属が融解せず、かつ酸化しない焼成
条件、すなわち1050℃以下の低温で緻密に焼結する
誘電体磁器組成物が必要となる。
【0004】このような条件を満足する誘電体材料とし
て、BiO3/2−CaO−NbO5/2系が特開平5−22
5826号公報に開示されている。この誘電体材料は比
誘電率と無負荷Q値が共に高く、共振周波数の温度係数
が小さく、その上低温焼結が可能な誘電体磁器組成物と
して提供されたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの従来
の誘電体磁器組成物は、出発原料として酸化ビスマス、
炭酸カルシウム及び酸化ニオブを用いて製造しており、
出発原料のうち炭酸カルシウムの分解が速やかに進ま
ず、焼成時に残留した炭酸カルシウムが誘電体磁器の合
成あるいは焼結を阻害するため、誘電体磁器の焼結密度
が十分高くならないという問題点を有していた。
【0006】本発明はこのような問題点を解決するもの
で、比誘電率と無負荷Q値が共に高く共振周波数の温度
係数が小さく緻密に低温焼結できる誘電体磁器を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の誘電体磁器の製造方法は、少なくともビスマ
ス化合物とカルシウム化合物とニオブ化合物とを混合し
て成形し、その後焼成する誘電体磁器の製造方法におい
て、前記カルシウム化合物として少なくともニオブ酸カ
ルシウムを有するものである。
【0008】
【作用】このような構成によって、誘電体磁器の合成や
焼結を阻害する出発原料中の炭酸成分を減らすことがで
きるので、比誘電率と無負荷Q値が共に高く、共振周波
数の温度係数が小さく、その上緻密に低温焼結する誘電
体磁器が安定に得られることとなる。さらに、この誘電
体磁器の製造方法を用いることにより、小型で高性能な
積層型誘電体部品が提供できることとなる。
【0009】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例について詳細
に説明する。
【0010】出発原料として高純度のBi23、CaN
26、CaCO3、Nb25及び添加物としてCuO
を用い、(表1)に示した組成になるように秤量した。
【0011】
【表1】
【0012】また出発原料にCaNb26を加えずに、
Bi23、CaCO3、Nb25及びCuOを用いたも
のを比較例として同様に秤量した。
【0013】次にこれらの粉末をポリエチレン製のボー
ルミルに入れ、安定化ジルコニア製の玉石及び純水を加
え5〜20時間湿式混合した。得られた混合粉をアルミ
ナ製の容器に入れ700〜850℃で1〜3時間仮焼し
た。仮焼粉を前記ボールミルに入れ安定化ジルコニア製
の玉石及び純水を加え、5〜20時間湿式で粉砕し原料
粉体とした。
【0014】この原料粉体にバインダとしてポリビニル
アルコールの5%水溶液を5〜10wt%加えて造粒
し、30メッシュのふるいを通して整粒した後、100
MPaで直径13mm、厚み5〜7mmの円柱状に成形し
た。得られた成形体をマグネシア製の容器に入れ、60
0〜650℃で1〜3時間加熱してバインダを焼却した
後、850〜1050℃で1〜4時間焼成して焼結体を
得た。
【0015】得られた焼結体の密度はアルキメデス法に
よって測定した。そして、得られた焼結体のうち密度が
最高になる温度で焼成した焼結体について両面を研磨
し、マイクロ波での誘電特性を測定した。測定は誘電体
共振法によって行い、比誘電率(以下εrと記す)、無
負荷Q値(以下Q値と記す)、共振周波数の温度係数
(以下τfと記す)を算出した。εr及びQ値の測定にお
いて、共振周波数は3〜5GHzであった。τfは−25
〜85℃の範囲で測定した。測定試料は各々10個作製
して特性評価した。結果を(表1)に示す。
【0016】(表1)において、*印を付したものは出
発原料としてCaCO3のみを用いたもので本発明の請
求の範囲外の比較例である。
【0017】この(表1)から明らかなように、同一組
成で比較したとき、本発明によれば、焼結密度は6.9
5g/cm3以上に高くなり、εrも高くなっている。Q値
はあまり変化がなく安定した特性の焼結体が得られてい
る。
【0018】このようにCaCO3のみを出発原料とし
て用いて製造するよりも、一部にCaNb26を用いる
方がより焼結密度は高くなり、εrもさらに高くなる。
これは出発原料中に含まれる炭酸成分を少なくすること
により、誘電体磁器の焼結を阻害する効果を減少させ、
十分な焼結密度を達成することができ、均質な焼結体が
得られ、εrも向上するものと思われる。
【0019】なお、Cuを添加することにより、本発明
の効果を損ねることなくさらに焼成温度を低下させるこ
とができた。
【0020】以上のことから明らかなように、本実施例
による誘電体磁器の製造方法によれば、含有されるカル
シウムの出発原料のすべて、または一部に、あらかじめ
合成されたニオブ酸カルシウムを用いることにより、誘
電体磁器の合成や焼結を阻害する出発原料中の炭酸成分
を減らすことができるので、比誘電率と無負荷Q値が共
に高く、共振周波数の温度係数が小さく、その上緻密に
低温焼結する誘電体磁器が安定に得られることとなるも
のである。
【0021】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】図1は本実施例の積層型誘電体共振器の正
面断面図、図2は本実施例の積層型誘電体共振器の側面
断面図、図3は本実施例の積層型誘電体共振器の斜視図
である。図中の1は誘電体層、2,3,4は内部導体
層、5は外部電極である。
【0023】出発原料として高純度のBi23、CaN
26、CaCO3、Nb25及びCuOを用い、(表
1)中の試料番号11及び13に示した組成になるよう
に秤量した。原料粉体の作製は実施例1と同様の方法に
より行った。得られた原料粉体に、有機バインダ、溶剤
及び可塑剤を加えて混合し、ドクターブレード法により
誘電体シートに成形した。導体電極としては、(表2)
に示した金属を選びビヒクルと混練してペースト化し
た。
【0024】
【表2】
【0025】ただし、導体電極としてCuを用いる場合
はCuOペーストを用いた。図4は本実施例における積
層型誘電体部品の分解平面図である。まず、成形した誘
電体シート複数枚からなる誘電体層1の上に、内部導体
層2をスクリーン印刷した。その上に誘電体層1を設
け、その上に内部導体層3をスクリーン印刷した。スト
リップラインとなる内部導体層3の長さは13mmとし
た。さらにその上に誘電体層1を設け、内部導体層4を
スクリーン印刷した。最後に、誘電体層1を設け、プレ
スで圧着し空気中で熱処理してバインダを焼却した。そ
の後、CuOペーストを用いた場合は、水素中で熱処理
して導体電極をCuに還元した後、導体電極が酸化しな
いように窒素中で、その他の導体電極の場合は空気中
で、それぞれ900℃で焼成した。最後に、外部電極5
としてCu電極を窒素雰囲気中で焼き付けて積層型誘電
体共振器を得た。焼成後のストリップラインとなる内部
導体層3の長さは11.4から11.5mmであった。測
定試料は各々10個作製して特性評価した。結果を(表
2)に示す。
【0026】(表2)において、*印を付したものは出
発原料としてCaCO3のみを用いたもので本発明の請
求の範囲外の比較例である。
【0027】この(表2)から明らかなように、本実施
例により、共振周波数がいずれも850MHz前後、Q値
は200以上と高くしかもばらつきが小さい優れた積層
型誘電体共振器が得られる。従来の低温焼成基板材料の
比誘電率は8程度であるため、本実施例の共振器と同一
の構造で同一の共振周波数を得るためには31.5mmの
ストリップライン長が必要となる。しかし本発明の誘電
体磁器組成物の比誘電率は約60と高いため、ストリッ
プライン長は11.5mmと短くすることができ、850
MHzの誘電体共振器としては非常に小型で優れた特性の
ものが安定して得られる。
【0028】なお、ストリップラインを曲線状や、積層
状にすることでより小型の共振器を得ることも可能であ
る。また、これらとキャパシタとを組み合わせることに
よりバンドパスフィルタ等を構成することも可能であ
る。
【0029】また、カルシウム化合物としてCaCO3
の代わりに少しでもCaNb26を用いることにより効
果があるが、カルシウム化合物のうち10mol%以上
をCaNb26とすることにより、より顕著な効果が見
られる。
【0030】もちろんカルシウム化合物としてCaNb
26のみを用いたとしても同様である。
【0031】また、ビスマス、カルシウム、ニオブは、
xBiO3/2−yCaO−zNbO5 /2と表した時、x+
y+z=1で、xは0.43〜0.55、yは0.17
〜0.22、zは0.28〜0.37の割合になること
が好ましい。
【0032】さらに本実施例においてはCaNb26
外の原料として、Bi23、CaCO3、Nb25、C
uOを用いたが、この原料に限らず、酸化物、水酸化
物、硝酸塩、炭酸塩などを用いても構わない。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、酸化ビス
マス、酸化カルシウム及び酸化ニオブを主成分として含
有する誘電体磁器の製造において、含有されるカルシウ
ムの出発原料のすべて、または一部を、あらかじめ合成
されたニオブ酸カルシウムとすることにより、誘電体磁
器の合成や焼結を阻害する出発原料中の炭酸成分を減ら
すことができるので、比誘電率と無負荷Q値が共に高
く、共振周波数の温度係数が小さく、その上緻密に低温
焼結する誘電体磁器が安定に得られることとなる。
【0034】また、この誘電体磁器の製造方法を用いる
ことにより、高導電率の導体を用いた高周波領域で使用
できる小型で高性能な積層型誘電体部品が安定に提供で
きることとなる。特に、小型の共振器系を構成すること
ができるので、自動車電話、携帯電話等のマイクロ波領
域の電磁波を利用する通信機器の小型化に寄与するとこ
ろが大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における積層型誘電体共振器
の正面断面図
【図2】本発明の一実施例における積層型誘電体共振器
の側面断面図
【図3】本発明の一実施例における積層型誘電体共振器
の斜視図
【図4】本発明の一実施例における積層型誘電体共振器
の分解平面図
【符号の説明】
1 誘電体層 2 内部導体層 3 内部導体層 4 内部導体層 5 外部電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともビスマス化合物とカルシウム
    化合物とニオブ化合物とを混合して成形し、その後焼成
    する誘電体磁器の製造方法において、前記カルシウム化
    合物として少なくともニオブ酸カルシウムを有する誘電
    体磁器の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくともビスマス化合物とカルシウム
    化合物とニオブ化合物とを混合して、シート状に成形
    し、次に複数のこのシートと複数の内部導体とを交互に
    積層して積層体を形成し、その後焼成して、この積層体
    に入出力電極を形成する積層型誘電体部品の製造方法に
    おいて、前記カルシウム化合物として少なくともニオブ
    酸カルシウムを有する積層型誘電体部品の製造方法。
JP7114247A 1995-05-12 1995-05-12 誘電体磁器の製造方法及び積層型誘電体部品の製造方法 Pending JPH08310863A (ja)

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