JPH08309912A - ポリカルボジイミド熱圧着シートおよびその製法ならびにそれを用いた熱圧着方法 - Google Patents

ポリカルボジイミド熱圧着シートおよびその製法ならびにそれを用いた熱圧着方法

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JPH08309912A
JPH08309912A JP11885595A JP11885595A JPH08309912A JP H08309912 A JPH08309912 A JP H08309912A JP 11885595 A JP11885595 A JP 11885595A JP 11885595 A JP11885595 A JP 11885595A JP H08309912 A JPH08309912 A JP H08309912A
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polycarbodiimide
sheet
thermocompression
release agent
agent layer
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JP11885595A
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English (en)
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Mitsuru Shimizu
満 清水
Isoji Sakai
五十治 酒井
Shu Mochizuki
周 望月
Kazumi Azuma
一美 東
Masako Maeda
雅子 前田
Yukie Ishii
亨枝 石井
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱圧着シート使用時に被圧着物に対する熱圧着
不良が生じず、半田耐熱性等の耐熱性および加工性に優
れたポリカルボジイミド熱圧着シートを提供する。 【構成】ポリカルボジイミドシート4の片面に離型剤層
2が形成されたポリカルボジイミド熱圧着シート6であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、圧着性および
加工性に優れたポリカルボジイミド熱圧着シートおよび
その製法ならびにそれを用いた熱圧着方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、電子・電気産業の発展に伴い、半
導体素子等の、電子・電気部品に対する高い信頼性が要
求されるようになっている。このような要求に従って、
電子・電気部品に使用される耐熱性フィルムおよびシー
トでは、良好な接着性、半田耐熱性等の耐熱性、およ
び、優れた加工性が必要とされている。
【0003】プラスチックフィルムのような支持基材表
面に粘着剤層を設けた粘着テープ、また、支持基材表面
に接着剤層を設けた粘着テープは貼着作業の容易さから
広く利用されている。上記粘着テープは、このような利
点を有する反面、耐熱性を有するフィルムを支持基材と
して用いた場合、粘着剤を用いることにより耐熱性が低
下し、支持基材であるフィルムの有する耐熱性を充分に
生かすことができないという問題を有している。また、
粘着剤層を用いた場合、粘着テープが不用となった際の
剥離作業が困難になるという問題を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、熱圧着シート
を被圧着物に熱圧着する場合には、熱圧着シートと被圧
着物との熱圧着不良が生じるという問題がしばしば起こ
りうる。また、熱圧着シートの基材の種類によっては、
加熱時に半田耐熱性等の耐熱性に問題が生じ、剥離、変
形、亀裂等が発生する。さらに、基材の有する剪断強
度、剛性によっては熱圧着シートの充分な加工性が得ら
れないという問題を有している。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、熱圧着シート使用時に被圧着物に対する熱圧着
不良が生じず、半田耐熱性等の耐熱性および加工性に優
れたポリカルボジイミド熱圧着シートおよびその製法、
ならびに、ポリカルボジイミド熱圧着シートを用いた熱
圧着方法の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、ポリカルボジイミド樹脂製シート状体の
片面に離型剤層が形成されているポリカルボジイミド熱
圧着シートを第1の要旨とし、ポリカルボジイミド樹脂
含有溶液を調製する工程と、基台表面に離型剤層を形成
する工程と、この基台の離型剤層形成面に、上記ポリカ
ルボジイミド樹脂含有溶液を塗布し乾燥して溶媒を除去
することによりポリカルボジイミド樹脂製シート層を形
成する工程と、上記基台から、離型剤層とともにポリカ
ルボジイミド樹脂製シートを剥離する工程とを備えたポ
リカルボジイミド熱圧着シートの製法を第2の要旨とす
る。また、ポリカルボジイミド樹脂製シートを準備する
工程と、基台表面に離型剤層を形成する工程と、この基
台の離型剤層形成面に、上記ポリカルボジイミド樹脂製
シートを積層し貼着する工程と、上記基台から、離型剤
層とともにポリカルボジイミド樹脂製シートを剥離する
工程とを備えたポリカルボジイミド熱圧着シートの製法
を第3の要旨とする。
【0007】そして、ポリカルボジイミド樹脂含浸シー
ト状体の片面に離型剤層が形成されているポリカルボジ
イミド熱圧着シートを第4の要旨とする。つぎに、ポリ
カルボジイミド樹脂含有溶液を調製する工程と、含浸用
シート状体に上記ポリカルボジイミド樹脂含有溶液を含
浸させる工程と、上記ポリカルボジイミド樹脂含浸溶液
を含浸した含浸用シート状体から溶媒を除去することに
よりポリカルボジイミド樹脂含浸シート状体を作製する
工程と、基台表面に離型剤層を形成する工程と、この基
台の離型剤層形成面に、上記ポリカルボジイミド樹脂含
浸シート状体を積層し貼着する工程と、上記基台から、
離型剤層とともにポリカルボジイミド樹脂含浸シート状
体を剥離する工程とを備えたポリカルボジイミド熱圧着
シートの製法を第5の要旨とする。さらに、上記ポリカ
ルボジイミド熱圧着シートを、被圧着物表面に加熱圧着
した後、上記ポリカルボジイミド熱圧着シートのポリカ
ルボジイミド樹脂を加熱硬化するポリカルボジイミド熱
圧着シートの熱圧着方法を第6の要旨とする。
【0008】
【作用】すなわち、本発明のポリカルボジイミド熱圧着
シートは、ポリカルボジイミド樹脂製シート状体の片面
に離型剤層が形成された熱圧着シート、あるいは、ポリ
カルボジイミド樹脂含浸シート状体の片面に離型剤層が
形成された熱圧着シートである。このため、これら熱圧
着シートを用いて被圧着物に圧着したものは、シートの
剥離、変形および亀裂等の熱圧着不良もなく、良好な熱
圧着がなされる。また、半田耐熱性等の耐熱性にも優れ
ている。さらに、シートの支持基材となるポリカルボジ
イミド樹脂製のシート状体が柔軟であるため、加工性に
も優れている。しかも、離型剤層が形成されているた
め、熱圧着シートの熱圧着後に、粘着テープ等を貼着し
ても容易に剥離することができる。
【0009】このようなポリカルボジイミド熱圧着シー
トは、離型剤層が形成された基台面の離型剤層形成面
に、ポリカルボジイミド樹脂溶液を塗布しポリカルボジ
イミド樹脂製シート層を形成して、上記基台から、離型
剤層とともにポリカルボジイミド樹脂製シートを剥離す
ることにより得られる。また、予め、ポリカルボジイミ
ド樹脂製シートを作製し、離型剤層が形成された基台の
離型剤層形成面に、上記ポリカルボジイミド樹脂製シー
トを積層し貼着した後、上記基台から、離型剤層ととも
にポリカルボジイミド樹脂製シートを剥離することによ
り得られる。さらに、ポリカルボジイミド樹脂含有溶液
を調製し、含浸用シート状体にこのポリカルボジイミド
樹脂含有溶液を含浸させた後、この溶液が含浸した含浸
用シート状体から溶媒を除去することによりポリカルボ
ジイミド樹脂含浸シート状体を作製する。そして、離型
剤層が形成された基台の離型剤層形成面に、上記ポリカ
ルボジイミド樹脂含浸シート状体を積層し貼着した後、
上記基台から、離型剤層とともにポリカルボジイミド樹
脂含浸シート状体を剥離することにより得られる。この
ような製法により、本発明の離型剤層が形成されたポリ
カルボジイミド熱圧着シートを容易に製造することがで
きる。そして、本発明のポリカルボジイミド熱圧着シー
トは、熱硬化性であるため、熱圧着後、さらに加熱する
ことにより硬化させて一層優れた耐熱性を付与すること
が可能となる。
【0010】つぎに、本発明について詳しく説明する。
【0011】本発明のポリカルボジイミド熱圧着シート
としては、その構成形態から2つの態様に大別される。
【0012】まず、第1の態様のポリカルボジイミド熱
圧着シートについて説明する。
【0013】このポリカルボジイミド熱圧着シートは、
ポリカルボジイミド樹脂製シート状体の片面に離型剤層
が形成された熱圧着シートである。
【0014】上記ポリカルボジイミド熱圧着シートは、
つぎのようにして得られる。すなわち、シート状体形成
材料となるポリカルボジイミド樹脂溶液を調製する。一
方、基台表面に離型剤を用いて離型剤層を形成する。つ
いで、図1に示すように、基台3表面に形成された離型
剤層2面に、上記ポリカルボジイミド樹脂溶液1を展開
し、従来公知の方法(キャスティング、スピンコーティ
ング、ロールコーティング等)によりポリカルボジイミ
ド樹脂層を形成する。つぎに、加熱乾燥してポリカルボ
ジイミド樹脂溶液の溶媒を除去することにより、図2に
示すように、ポリカルボジイミドシート4を形成する。
そして、図3に示すように、基台3から、離型剤層2と
ともにポリカルボジイミドシート4を剥離する。このよ
うにして、図4に示すように、ポリカルボジイミドシー
ト4の片面に離型剤層2が積層形成された2層構造のポ
リカルボジイミド熱圧着シート6が得られる。
【0015】また、上記以外に、つぎのような工程に従
ってもポリカルボジイミド熱圧着シートが得られる。す
なわち、予め、ポリカルボジイミドシートを作製する。
一方、上記と同様、基材表面に離型剤を用いて離型剤層
を形成する。ついで、図5に示すように、基台3表面に
形成された離型剤層2面に、上記ポリカルボジイミドシ
ート5を貼着して積層する(図6参照)。そして、図7
に示すように、基台3から、離型剤層2とともにポリカ
ルボジイミドシート5を剥離する。このようにして、図
8に示すように、ポリカルボジイミドシート5の片面に
離型剤層2が積層形成された2層構造のポリカルボジイ
ミド熱圧着シート7が得られる。
【0016】上記ポリカルボジイミドシートは、例え
ば、つぎのようにして得られる。すなわち、ポリカルボ
ジイミド樹脂溶液を所定のフィルム形状に、例えば、ポ
リカルボジイミド樹脂溶液を周知の方法(キャスティン
グ,スピンコーティング,ロールコーティング等)の塗
工方法を用い、乾燥することによりポリカルボジイミド
シートが得られる。上記ポリカルボジイミド樹脂溶液の
塗工乾燥温度は、20〜150℃に設定することが好ま
しく、より好ましくは50〜120℃に、特に好ましく
は70〜100℃に設定される。すなわち、20℃未満
では、溶剤がシート中に残存することがあり、その残留
溶媒等のためにシートの信頼性が乏しくなり好ましくな
い。また、上記乾燥温度が150℃を超え高過ぎると、
ポリカルボジイミド樹脂が架橋して熱硬化が進み、得ら
れるシートの延伸工程において、シートの延伸不良が生
じたり、延伸前の形状に熱回復させることが困難となり
好ましくない。
【0017】なお、上記ポリカルボジイミドシートとし
ては、多孔質化されたものを用いることもできる。この
ポリカルボジイミドシートの多孔質化は、つぎのように
してなされる。例えば、ポリカルボジイミドシートを一
軸方向または二軸方向に延伸する方法、ポリカルボジイ
ミドシートに針で孔を作製する方法、ポリカルボジイミ
ド含有有機溶媒溶液に、炭化カルシウム等の水溶性粒子
を溶解し、これを基板上に流延した後、有機溶媒を蒸発
させてシートを作製し、このシートを水に浸漬して水溶
性粒子を除去する方法等があげられる。このように多孔
質化されたポリカルボジイミドシートを用いたポリカル
ボジイミド熱圧着シートにおいては、被圧着物への熱圧
着後、水を浸透させることによりシートを容易に剥離す
ることが可能となる。
【0018】このようにして得られるポリカルボジイミ
ド熱圧着シート6,7(図4および図8参照)におい
て、ポリカルボジイミドシート4,5の厚みは5μm〜
1mmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましく
は10〜100μmである。また、離型剤層2の厚みは
0.01〜10μmの範囲に設定することが好ましく、
特に好ましくは0.05〜5μmである。そして、ポリ
カルボジイミド熱圧着シート6,7全体の厚みは5μm
〜1mmの範囲に設定することが好ましく、特に好まし
くは10μm〜105μmである。
【0019】つぎに、本発明のポリカルボジイミド熱圧
着シートの他の態様である第2の態様について説明す
る。
【0020】このポリカルボジイミド熱圧着シートは、
ポリカルボジイミド樹脂含浸シート状体の片面に離型剤
層が形成された熱圧着シートである。
【0021】上記ポリカルボジイミド樹脂を含浸させる
含浸用シート状体の、含浸対象となる含浸用シート基材
としては、有機または無機繊維からなる織布、不織布等
があげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の
フッ素系ポリマー等からなる多孔質シートがあげられ
る。
【0022】そして、この含浸用シート基材に含浸させ
るポリカルボジイミド樹脂溶液は、前述のポリカルボジ
イミド樹脂熱圧着シートの作製に用いられるポリカルボ
ジイミド樹脂溶液を用いることができる。
【0023】このポリカルボジイミド熱圧着シートは、
つぎのようにして得られる。すなわち、予め、含浸対象
とする含浸用シート状基材に、ポリカルボジイミド樹脂
溶液を含浸させ、ついで、溶媒を除去することによりポ
リカルボジイミド樹脂含浸シート状体を作製する。一
方、前述と同様、基台表面に離型剤を用いて離型剤層を
形成する。ついで、図9に示すように、基台3表面に形
成された離型剤層2面に、上記ポリカルボジイミド樹脂
含浸シート状体10を貼着し積層する(図10参照)。
そして、図11に示すように、基台3から、離型剤層2
とともにポリカルボジイミド樹脂含浸シート状体10を
剥離する。このようにして、図12に示すように、ポリ
カルボジイミド樹脂含浸シート状体10の片面に離型剤
層2が積層形成された2層構造のポリカルボジイミド熱
圧着シート8が得られる。
【0024】このようにして得られるポリカルボジイミ
ド熱圧着シート8(図12参照)において、ポリカルボ
ジイミド樹脂含浸シート状体10の厚みは5μm〜1m
mの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは1
0〜100μmである。また、離型剤層2の厚みは、前
記第1の態様と同様の範囲に設定することが好ましい。
さらに、ポリカルボジイミド熱圧着シート8全体の厚み
は、5μm〜1mmの範囲に設定することが好ましく、
特に好ましくは10〜105μmである。
【0025】このようなポリカルボジイミド熱圧着シー
トの製造工程に用いられる、離型剤層2を形成する基台
3としては、第1の態様および第2の態様とも特に限定
するものではなく、種々の物質からなる平板状のものが
用いられ、例えば、ステンレス等の金属板があげられ
る。
【0026】そして、上記離型剤層2の形成材料として
は、例えば、ポリカルボジイミド熱圧着シートの熱圧着
時に劣化、離型効果の消失しないものが用いられる。す
なわち、従来、シート状基材(テープ等)に長鎖アルキ
ル系離型剤で離型処理を行った後、この離型処理面を被
貼着基材(シート状基材)に加熱圧着すると、熱による
離型効果が消失して接着効果に移行するものが提案され
ている(特開平4−292164号公報)。しかし、本
発明では、熱圧着シートの熱圧着時に劣化、離型効果の
低減の少ないものが使用される。例えば、シリコーン系
離型剤、パーフルオロアルキル含有ポリマー系離型剤、
ポリアミド系離型剤、ポリイミド系離型剤等があげられ
る。これら離型剤は単独でもしくは2種以上併せた混合
物の系で用いられる。
【0027】上記シリコーン系離型剤としては、グルー
ス・オイルコンパウンド型、エマルジョン型、ワニス
型、無溶剤型等があげられる。
【0028】上記パーフルオロアルキル含有ポリマー系
離型剤としては、パーフルオロアルキル含有ポリマー、
パーフルオロアルキル含有のビニルモノマーのポリマ
ー、パーフルオロアルキル含有のポリアクリレート、パ
ーフルオロアルキル含有のポリメタクリレート、パーフ
ルオロアルキルアルキルカーバイト等があげられる。
【0029】また、上記ポリアミド系離型剤、ポリイミ
ド系離型剤としては、ポリアミド樹脂系、含フッ素ポリ
イミド樹脂系のものがあげられる。
【0030】上記離型剤のなかでも、熱圧着時に劣化、
離型効果の低減が少ないという点から、シリコン系離型
剤、パーフルオロアルキル含有ポリマー系離型剤を用い
ることが好ましい。
【0031】このようにして得られる本発明のポリカル
ボジイミド熱圧着シートに用いられるポリカルボジイミ
ド樹脂は、例えば、従来公知の製法に従って得られる。
すなわち、アルベリノ(L.M.Alberino) らの応用高分子
科学誌〔J.Appl.Polym. Sci., 21,1999(1977) 〕,特開
平4−275359号公報に開示された製法があげられ
る。これは、有機イソシアネートをカルボジイミド化触
媒の存在下、有機溶媒中で反応させることによりポリカ
ルボジイミド樹脂を製造する方法である。
【0032】上記有機イソシアネートとしては、無変性
イソシアネート、変性イソシアネートのいずれであって
もよい。また、モノ、ジ、トリ、テトライソシアネート
等のすべてのものを用いることができる。さらに、有機
イソシアネートの一部をポリエチレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコー
ルと共重合させてもよい。
【0033】上記無変性イソシアネートとしては、脂肪
族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソ
シアネート、ナフタリンイソシアネート、ビフェニルイ
ソシアネート、ジフェニルイソシアネート、トリフェニ
ルイソシアネート、トリイソシアネート、テトライソシ
アネート、有機リンイソシアネート、フッ化イソシアネ
ート等があげられる。
【0034】具体的には、上記脂肪族イソシアネートと
しては、エタンジイソシアネート、プロパンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の直鎖脂肪
族イソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシ
アネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシア
ネート等の分岐脂肪族イソシアネート、ω,ω′−ジプ
ロピルエーテルジイソシアネート、チオジプロピルジイ
ソシアネート、1,4−ブチレングリコールジプロピル
エーテル−ω,ω′−ジイソシアネート等の複素直鎖ア
ルキルイソシアネート等があげられる。
【0035】上記脂環族イソシアネートとしては、イソ
ホロンイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート、トランス−1,4−ジシクロヘ
キシルジイソシアネート、1,2−ジメチルシクロヘキ
サン−ω,ω′−ジイソシアネート等があげられる。
【0036】上記芳香族イソシアネートとしては、パラ
フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソ
シアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−
メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、ジフェ
ニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート等があげら
れる。
【0037】上記ナフタレンイソシアネートとしては、
ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、1,1′−ジ
ネフチル−2,2′−ジイソシアネート等があげられ
る。
【0038】上記ビフェニルイソシアネートとしては、
ビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−
ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート等が
あげられる。
【0039】上記ジフェニルメタンイソシアネートとし
ては、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート等があげられる。
【0040】上記トリイソシアネートとしては、1−メ
チルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、ジフ
ェニルメタン−2,4,4′−トリイソシアネート、ト
リフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネー
ト等があげられる。
【0041】上記テトライソシアネートとしては、ジメ
チルトリフェニルメタンテトライソシアネート等があげ
られる。
【0042】上記有機リンイソシアネートとしては、エ
チルホスホリルビスイソシアネート等があげられる。
【0043】一方、上記変性イソシアネートとしては、
ウレタン変性イソシアネート、アロファネート変性イソ
シアネート、ビューレット変性イソシアネート、カルボ
ジイミド変性イソシアネート、ウレトミン変性イソシア
ネート等があげられる。
【0044】具体的には、上記ウレタン変性イソシアネ
ートとしては、下記に示す化学式(1)のもの等があげ
られる。
【0045】
【化1】
【0046】上記アロファネート変性イソシアネートと
しては、下記に示す化学式(2)のもの等があげられ
る。
【0047】
【化2】
【0048】上記ビューレット変性イソシアネートとし
ては、下記に示す化学式(3)のもの等があげられる。
【0049】
【化3】
【0050】上記カルボジイミド変性イソシアネートと
しては、下記に示す化学式(4)のもの等があげられ
る。
【0051】
【化4】
【0052】上記ウレトミン変性イソシアネートとして
は、下記に示す化学式(5)のもの等があげられる。
【0053】
【化5】
【0054】これら有機イソシアネートは、単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。
【0055】上記有機イソシアネートを反応させるカル
ボジイミド化触媒としては、1−フェニル−2−ホスホ
レン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1
−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシ
ド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−
メチル−1−フェニルホスホレン−1−オキシド、ある
いはこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキ
シドを使用することができる。特に、3−メチル−1−
フェニルホスホレン−1−オキシドを用いることが好ま
しい。
【0056】上記有機イソシアネートを反応させる際の
有機溶媒としては、従来公知のものを使用することがで
きる。具体的には、テトラクロロエチレン、1,2−ジ
クロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系
溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル系溶媒があ
げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用い
られる。
【0057】上記各成分を用いて合成されるポリカルボ
ジイミド樹脂の数平均分子量〔ゲルパーミェーションク
ロマトグラフィー(GPC)法、ポリスチレン換算〕と
しては、3000〜30000の範囲が好ましく、特に
好ましくは5000〜15000の範囲である。
【0058】さらに、上記主成分となるポリカルボジイ
ミド樹脂以外に、このポリカルボジイミド樹脂の耐熱性
等の特性を低減しない範囲であれば他の樹脂を混合して
もよく、さらに架橋剤を配合してもよい。
【0059】上記他の樹脂としては、ポリイミド樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレン
サルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリ
ルエーテル、ポリエステル、フッ素樹脂等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いること
ができる。そして、これら樹脂は、溶液系、分散系、ポ
リマーブレンド等の方法で混合される。
【0060】上記架橋剤としては、トリアリルシアヌレ
ート、ペンタエリスリトール、アクリレート系モノマー
等の従来公知の架橋剤があげられる。
【0061】さらに、ポリカルボジイミド樹脂合成の際
または合成後には、必要に応じて、炭酸カルシウム等の
充填剤、帯電防止剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、安
定剤、潤滑剤、着色剤等の公知の添加剤を適宜に配合す
ることができる。
【0062】このようにして得られた本発明のポリカル
ボジイミド熱圧着シートにおいて、離型剤層形成による
表面処理をしない面での室温(25℃)における純水の
接触角は92°で、シリコーン樹脂離型剤を用いて離型
剤層を形成した面での室温(25℃)における純水の接
触角は100°である。このように、シリコーン樹脂離
型剤を用いて離型剤層を形成することによる付着エネル
ギー低下に起因する離型性の向上効果がみられる。
【0063】そして、本発明のポリカルボジイミド熱圧
着シートの熱圧着は、つぎのようにして行われる。すな
わち、被圧着物の圧着表面に、その表面とポリカルボジ
イミド熱圧着シートの離型剤層が形成されていない面と
を対接させて被圧着物表面に加熱圧着することにより行
われる。このときの加熱圧着条件としては、圧力1〜1
00kg/cm2 、温度150〜360℃に設定するこ
とが好ましく、特に好ましくは圧力5〜50kg/cm
2 、温度180〜260℃である。
【0064】さらに、本発明のポリカルボジイミド熱圧
着シートを熱圧着した被圧着物を加熱して、このポリカ
ルボジイミド熱圧着シートを加熱硬化してもよい。この
ように熱圧着シートを加熱することにより、ポリカルボ
ジイミド樹脂が架橋して硬化し耐熱性の一層の向上が図
れる。この加熱硬化温度は、100〜360℃の範囲に
設定することが好ましく、特に好ましくは110〜25
0℃である。
【0065】上記熱圧着および硬化の際の加熱方法とし
ては、例えば、被圧着物に熱圧着された熱圧着シート
を、加熱炉、ドライヤー、アイロン、プレス、バーナ
ー、熱収縮性チューブ収縮用加熱装置、半導体素子の半
田実装加熱装置等の従来公知の手段を用いた加熱方法が
あげられる。
【0066】このようにポリカルボジイミド熱圧着シー
トが熱圧着された被圧着物では、被圧着物表面での離型
性が付与される。例えば、この被圧着物表面に粘着テー
プ等を貼着した後、ポリカルボジイミド熱圧着テープに
は離型剤層が形成されているため、この粘着テープを剥
離する際に容易に剥離することができる。
【0067】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0068】下記に述べる実施例および比較例におい
て、各熱圧着シートを用いての、被圧着物であるステン
レス板への熱圧着工程はつぎのようにして行った。ま
ず、図13に示すように、被圧着物であるステンレス板
23上に、熱圧着シート24(離型剤層21とシート状
体22からなる2層構造)の離型剤層21形成面と反対
の面が対接するよう、熱圧着シート24を載置した。つ
ぎに、図14に示すように、ステンレス板24上の熱圧
着シート22上に、加熱成形機26を載置し所定の条件
で矢印方向に加熱加圧した。このようにして、図15に
示すように、熱圧着シート24をステンレス板23に熱
圧着した。
【0069】まず、第1の態様のポリカルボジイミド熱
圧着シートについて述べる。
【0070】
【実施例1】4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(以下「MDI」と略す)5.0gをテトラヒドロ
フラン50ml中でカルボジイミド化触媒(1−フェニ
ル−3−メチルホスホレンオキサイド)30mgととも
に60℃で15時間反応させ、ポリカルボジイミド樹脂
溶液を得た。このポリカルボジイミド樹脂溶液を、ステ
ンレス箔製の支持体上に貼着したシリコーン樹脂剥離紙
上に塗布し、100℃で15分間乾燥してポリカルボジ
イミドシート(厚み50μm)を作製した。ついで、上
記支持体から、シリコーン樹脂剥離紙よりポリカルボジ
イミドシートを剥離することにより、総厚みが51μm
のポリカルボジイミド熱圧着シートを得た。このポリカ
ルボジイミド熱圧着シートのシリコーン樹脂剥離紙積層
面と反対の面とステンレス板とを対峙させて重ね合わ
せ、加熱成形機を用いて、温度150℃、圧力40kg
/cm2 で10秒間加熱加圧することによりステンレス
板に熱圧着した。
【0071】
【実施例2】ポリカルボジイミドとして、MDI2.5
gとトルイレンジイソシアネート2.5gとを用い、テ
トラヒドロフラン50ml中でカルボジイミド化触媒
(1−フェニル−3−メチルホスホレンオキサイド)6
0mgとともに60℃で15時間反応させ、ポリカルボ
ジイミド樹脂溶液を得た。このポリカルボジイミド樹脂
溶液を用い、上記実施例1と同様にしてポリカルボジイ
ミド熱圧着シート(厚み50μm)を得た。そして、こ
のポリカルボジイミド熱圧着シートのシリコーン樹脂剥
離紙積層面と反対の面とステンレス板とを対峙させて重
ね合わせ、加熱成形機を用いて、温度150℃、圧力4
0kg/cm2 で10秒間加熱加圧することによりステ
ンレス板に熱圧着した。
【0072】
【実施例3】実施例1と同様にして調製したポリカルボ
ジイミド樹脂溶液を、ステンレス箔製の支持体上に塗布
し、100℃で15分間加熱を行いシート状体を作製し
た。そして、上記支持体からシート状体を剥離すること
により厚み50μmのポリカルボジイミドシートを得
た。このポリカルボジイミドシートを、シリコーン樹脂
離型剤を塗布し離型剤層(厚み1μm)を形成した離型
紙に貼着した後、上記離型剤層とともにポリカルボジイ
ミドシートを剥離することによりポリカルボジイミド熱
圧着シートを得た。このポリカルボジイミド熱圧着シー
トの剥離層形成面と反対の面とステンレス板とを対峙さ
せて重ね合わせ、加熱成形機を用いて、温度150℃、
圧力40kg/cm2 で10秒間加熱加圧することによ
りステンレス板に熱圧着した。
【0073】
【実施例4】ポリカルボジイミドとして、MDI2.5
gとトルイレンジイソシアネート2.5gとを用い、テ
トラヒドロフラン50ml中でカルボジイミド化触媒
(1−フェニル−3−メチルホスホレンオキサイド)6
0mgとともに60℃で15時間反応させ、ポリカルボ
ジイミド樹脂溶液を得た。このポリカルボジイミド樹脂
溶液を用い、実施例3と同様にしてポリカルボジイミド
熱圧着シート(厚み50μm)を得た。そして、このポ
リカルボジイミド熱圧着シートのシリコーン樹脂剥離紙
積層面と反対の面とステンレス板とを対峙させて重ね合
わせ、加熱成形機を用いて、温度150℃、圧力40k
g/cm2 で10秒間加熱加圧することによりステンレ
ス板に熱圧着した。
【0074】
【実施例5】シリコーン樹脂剥離紙に代えて、離型剤と
してパーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミ
ドエマルジョン溶液を用い、これを実施例3と同様の方
法により作製したポリカルボジイミドシート(厚み50
μm)の片面に塗布して離型剤層を形成することにより
ポリカルボジイミド熱圧着シート(厚み51μm)を得
た。そして、このポリカルボジイミド熱圧着シートの離
型剤層形成面と反対の面とステンレス板とを対峙させて
重ね合わせ、加熱成形機を用いて、温度200℃、圧力
40kg/cm2 で10秒間加熱加圧することによりス
テンレス板に熱圧着した。
【0075】つぎに、本発明のポリカルボジイミド熱圧
着シートの第2の態様について述べる。
【0076】
【実施例6】実施例1と同様にしてポリカルボジイミド
樹脂溶液を調製した。ついで、この溶液中に含浸用シー
ト基材である上記ポリカルボジイミド樹脂溶液(有機溶
媒:テトラヒドロフラン)を浸漬し含浸させた。そし
て、この含浸済みのシート基材を乾燥する(温度条件1
00℃×15分間)ことにより溶媒を除去して厚み50
μmのポリカルボジイミド含浸シートを得た。つぎに、
ステンレス箔製の支持体上に貼着したシリコーン樹脂剥
離紙上に、このポリカルボジイミド含浸シートを重ね合
わせた後、シリコーン樹脂剥離紙よりポリカルボジイミ
ド含浸シートを剥離することによりポリカルボジイミド
熱圧着シート(厚み51μm)を得た。このポリカルボ
ジイミド熱圧着シートのシリコーン樹脂剥離紙層形成面
と反対の面とステンレス板とを対峙させて重ね合わせ、
加熱成形機を用いて、温度150℃、圧力40kg/c
2 で10秒間加熱加圧することによりステンレス板に
熱圧着した。
【0077】
【実施例7】ポリカルボジイミドとして、MDI1.5
gとトルイレンジイソシアネート3.5gとを用い、テ
トラヒドロフラン50ml中でカルボジイミド化触媒
(1−フェニル−3−メチルホスホレンオキサイド)6
0mgとともに60℃で15時間反応させ、ポリカルボ
ジイミド樹脂溶液を得た。このポリカルボジイミド樹脂
溶液を用い、実施例6と同様にしてポリカルボジイミド
熱圧着シート(厚み51μm)を得た。このポリカルボ
ジイミド熱圧着シートのシリコーン樹脂剥離紙層形成面
と反対の面とステンレス板とを対峙させて重ね合わせ、
加熱成形機を用いて、温度150℃、圧力40kg/c
2 で10秒間加熱加圧することによりステンレス板に
熱圧着した。
【0078】
【実施例8】実施例1と同様にして作製したポリカルボ
ジイミド熱圧着シートの被圧着物(ステンレス板)を2
50℃で1時間加熱してシートを加熱硬化させた。
【0079】
【実施例9】実施例2と同様にして作製したポリカルボ
ジイミド熱圧着シートの被圧着物(ステンレス板)を2
50℃で1時間加熱してシートを加熱硬化させた。
【0080】
【実施例10】実施例1と同様にして作製したポリカル
ボジイミド熱圧着シートを用い、これを熱圧着温度30
0℃、圧力40kg/cm2 で10秒間加熱加圧するこ
とによりステンレス板上に熱圧着した。
【0081】
【実施例11】実施例1と同様にして作製したポリカル
ボジイミド熱圧着シートを用い、これを熱圧着温度15
0℃、圧力100kg/cm2 で10秒間加熱加圧する
ことによりステンレス板上に熱圧着した。
【0082】
【実施例12】実施例1と同様にして作製したポリカル
ボジイミド熱圧着シートを用い、これを熱圧着温度15
0℃、圧力40kg/cm2 で1分間加熱加圧すること
によりステンレス板上に熱圧着した。
【0083】
【実施例13】実施例6と同様にして作製したポリカル
ボジイミド熱圧着シートの被圧着物(ステンレス板)を
200℃で2時間加熱してシートを加熱硬化させた。
【0084】
【実施例14】実施例7と同様にして作製したポリカル
ボジイミド熱圧着シートの被圧着物(ステンレス板)を
200℃で2時間加熱してシートを加熱硬化させた。
【0085】
【比較例1】3,3′−ジアミノジフェニルスルホン酸
および3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物をポリイミド化して得られたポリイミド樹脂
の、N−メチル−2−ピロリドン溶液をステンレス箔製
の支持体上に塗布した。そして、100℃、150℃、
250℃、300℃の各温度でそれぞれ1時間ずつ順
次、昇温加熱し、ポリイミド化して厚み50μmのポリ
イミドシートを得た。このポリイミドシートを、シリコ
ーン樹脂剥離剤を塗布して剥離剤層を形成した離型紙に
貼着した後、上記剥離剤層とともにポリイミドシートを
剥離してポリイミド熱圧着シート(厚み51μm)を得
た。
【0086】つぎに、このポリイミド熱圧着シートのシ
リコーン樹脂剥離剤層形成面と反対面をステンレス板上
に重ね合わせ、加熱成形機を用いて温度380℃、圧力
45kg/cm2 で10分間加熱加圧することによりス
テンレス板に熱圧着した。
【0087】
【比較例2】シリコーンジアミンおよび4,4′−オキ
シジフタル酸二無水物をポリイミドシロキサン化して得
られたポリイミドシロキサン樹脂のジエチレングリコー
ルジメチルエーテル溶液を調製した。そして、この溶液
をステンレス箔製の支持体上に塗布し、120℃で5時
間加熱し、厚み50μmのポリイミドシロキサンシート
を得た。このポリイミドシロキサンシートの片面に、パ
ーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミドエマ
ルジョン溶液を塗布して離型剤層(厚み1μm)を形成
して、ポリイミドシロキサン熱圧着シート(厚み51μ
m)を得た。
【0088】つぎに、このポリイミド熱圧着シートの離
型剤層形成面と反対面をステンレス板上に重ね合わせ、
加熱成形機を用いて温度250℃、圧力10kg/cm
2 で10分間加熱加圧することによりステンレス板に熱
圧着した。
【0089】上記実施例および比較例で得られた各熱圧
着シートの、被圧着物であるステンレス板への圧着状
態、半田浸漬後の状態、また熱硬化状態等の各状態を目
視により観察した。さらに、熱圧着シートを熱圧着した
被圧着物を、360℃の半田浴に1分間浸漬して耐半田
試験を行った後、被圧着物に対する貼着状態を目視によ
り観察した。また、熱圧着シートを熱圧着した被圧着物
表面にポリエステル粘着テープを貼着した後、これを剥
離し剥離状態を目視により観察した。これらの結果を下
記の表1に併せて示す。
【0090】
【表1】
【0091】上記表1の結果から、全ての実施例品は圧
着状態は良好であり、ボイドの発生も無く、半田浸漬後
の圧着状態も良好であった。しかも、ポリエステル粘着
テープの剥離も良好になされた。これに対して、比較例
1品は圧着状態、半田浸漬後の圧着状態は良好であった
が、粘着テープの剥離が困難であり剥離不良が発生し
た。また、比較例2品は圧着状態は良好であったが、半
田浸漬後の圧着状態が不良で粘着テープの剥離が困難で
あり剥離不良が発生した。
【0092】
【発明の効果】以上のように、本発明は、ポリカルボジ
イミド樹脂製シート状体の片面に離型剤層が形成された
熱圧着シート、あるいは、ポリカルボジイミド樹脂含浸
シート状体の片面に離型剤層が形成されたポリカルボジ
イミド熱圧着シートである。このため、これら熱圧着シ
ートを用いて被圧着物に圧着したものは、シートの剥
離、変形および亀裂等の不良が生じず、良好な熱圧着が
なされる。また、半田耐熱性等の耐熱性にも優れてい
る。さらに、シートの支持基材となるポリカルボジイミ
ド樹脂製のシート状体が柔軟であるため、加工性にも優
れている。しかも、離型剤層が形成されているため、熱
圧着シートの熱圧着後に、粘着テープ等を貼着しても容
易に剥離することができる。
【0093】そして、本発明のポリカルボジイミド熱圧
着シートは、離型剤層が形成された基台面の離型剤層形
成面に、ポリカルボジイミド樹脂溶液を塗布しポリカル
ボジイミド樹脂製シート層を形成して、上記基台から、
離型剤層とともにポリカルボジイミド樹脂製シートを剥
離することにより得られる。また、予め、ポリカルボジ
イミド樹脂製シートを作製し、離型剤層が形成された基
台の離型剤層形成面に、上記ポリカルボジイミド樹脂製
シートを積層し貼着した後、上記基台から、離型剤層と
ともにポリカルボジイミド樹脂製シートを剥離すること
により得られる。さらに、ポリカルボジイミド樹脂含有
溶液を調製し、多孔質シート状体にこのポリカルボジイ
ミド樹脂含有溶液を含浸させた後、この含浸多孔質シー
ト状体から溶媒を除去することによりポリカルボジイミ
ド樹脂含浸シート状体を作製する。そして、離型剤層が
形成された基台の離型剤層形成面に、上記ポリカルボジ
イミド樹脂含浸シート状体を積層し貼着した後、上記基
台から、離型剤層とともにポリカルボジイミド樹脂含浸
シート状体を剥離することにより得られる。このような
製法により、容易にポリカルボジイミド熱圧着シートを
製造することができる。そして、本発明のポリカルボジ
イミド熱圧着シートが熱硬化性であることから、被圧着
物への熱圧着後、さらに加熱して熱圧着シートを硬化さ
せることにより一層優れた耐熱性が得られる。したがっ
て、本発明のポリカルボジイミド熱圧着シートは、種々
の電子・電気部品に対する被覆圧着用に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリカルボジイミド熱圧着シートの製
造工程を示す説明図である。
【図2】本発明のポリカルボジイミド熱圧着シートの製
造工程を示す説明図である。
【図3】本発明のポリカルボジイミド熱圧着シートの製
造工程を示す説明図である。
【図4】本発明のポリカルボジイミド熱圧着シートを示
す断面図である。
【図5】本発明のポリカルボジイミド熱圧着シートの他
の製造工程を示す説明図である。
【図6】本発明のポリカルボジイミド熱圧着シートの他
の製造工程を示す説明図である。
【図7】本発明のポリカルボジイミド熱圧着シートの他
の製造工程を示す説明図である。
【図8】上記他の製造工程により得られた本発明のポリ
カルボジイミド熱圧着シートの他の例を示す断面図であ
る。
【図9】本発明のポリカルボジイミド熱圧着シートのさ
らに他の製造工程を示す説明図である。
【図10】本発明のポリカルボジイミド熱圧着シートの
さらに他の製造工程を示す説明図である。
【図11】本発明のポリカルボジイミド熱圧着シートの
さらに他の製造工程を示す説明図である。
【図12】上記さらに他の製造工程により得られた本発
明のポリカルボジイミド熱圧着シートのさらに他の例を
示す断面図である。
【図13】熱圧着シートを被圧着物上に載置する状態を
示す説明図である。
【図14】上記状態の熱圧着シート上に、加熱成形機を
載置し加熱加圧した状態を示す説明図である。
【図15】上記方法により、被圧着物に熱圧着シートが
熱圧着された状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2 離型剤層 4 ポリカルボジイミドシート 6 ポリカルボジイミド熱圧着シート
フロントページの続き (72)発明者 東 一美 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 前田 雅子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 石井 亨枝 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカルボジイミド樹脂製シート状体の
    片面に離型剤層が形成されていることを特徴とするポリ
    カルボジイミド熱圧着シート。
  2. 【請求項2】 ポリカルボジイミド樹脂含有溶液を調製
    する工程と、基台表面に離型剤層を形成する工程と、こ
    の基台の離型剤層形成面に、上記ポリカルボジイミド樹
    脂含有溶液を塗布し乾燥して溶媒を除去することにより
    ポリカルボジイミド樹脂製シート層を形成する工程と、
    上記基台から、離型剤層とともにポリカルボジイミド樹
    脂製シートを剥離する工程とを備えたことを特徴とする
    ポリカルボジイミド熱圧着シートの製法。
  3. 【請求項3】 ポリカルボジイミド樹脂製シートを準備
    する工程と、基台表面に離型剤層を形成する工程と、こ
    の基台の離型剤層形成面に、上記ポリカルボジイミド樹
    脂製シートを積層し貼着する工程と、上記基台から、離
    型剤層とともにポリカルボジイミド樹脂製シートを剥離
    する工程とを備えたことを特徴とするポリカルボジイミ
    ド熱圧着シートの製法。
  4. 【請求項4】 ポリカルボジイミド樹脂含浸シート状体
    の片面に離型剤層が形成されていることを特徴とするポ
    リカルボジイミド熱圧着シート。
  5. 【請求項5】 ポリカルボジイミド樹脂含有溶液を調製
    する工程と、含浸用シート状体に上記ポリカルボジイミ
    ド樹脂含有溶液を含浸させる工程と、上記ポリカルボジ
    イミド樹脂含浸溶液を含浸した含浸用シート状体から溶
    媒を除去することによりポリカルボジイミド樹脂含浸シ
    ート状体を作製する工程と、基台表面に離型剤層を形成
    する工程と、この基台の離型剤層形成面に、上記ポリカ
    ルボジイミド樹脂含浸シート状体を積層し貼着する工程
    と、上記基台から、離型剤層とともにポリカルボジイミ
    ド樹脂含浸シート状体を剥離する工程とを備えたことを
    特徴とするポリカルボジイミド熱圧着シートの製法。
  6. 【請求項6】 請求項1または4記載のポリカルボジイ
    ミド熱圧着シートを、被圧着物表面に加熱圧着した後、
    上記ポリカルボジイミド熱圧着シートのポリカルボジイ
    ミド樹脂を加熱硬化することを特徴とするポリカルボジ
    イミド熱圧着シートの熱圧着方法。
JP11885595A 1995-05-18 1995-05-18 ポリカルボジイミド熱圧着シートおよびその製法ならびにそれを用いた熱圧着方法 Pending JPH08309912A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110003806A (zh) * 2017-11-20 2019-07-12 日东电工株式会社 加强膜

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110003806A (zh) * 2017-11-20 2019-07-12 日东电工株式会社 加强膜

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