JPH08308740A - しわ付き箔容器 - Google Patents

しわ付き箔容器

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JPH08308740A
JPH08308740A JP14673395A JP14673395A JPH08308740A JP H08308740 A JPH08308740 A JP H08308740A JP 14673395 A JP14673395 A JP 14673395A JP 14673395 A JP14673395 A JP 14673395A JP H08308740 A JPH08308740 A JP H08308740A
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foil
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建 当摩
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐すきま腐食性に優れたしわ付き箔容器を提
供する。 【構成】 Mn:0.3〜1.5%を含有し、さらに必
要に応じてMg:0.1〜1.3%またはMg:0.1
〜1.3%およびCu:0.05〜0.25%を含有
し、残りがAlおよび不可避不純物からなるAl合金芯
材の両面に、純AlまたはZn:0.1〜1.3%およ
びMg:0.1〜1.5%の内の1種または2種を含有
し、残りがAlおよび不可避不純物からなるAl合金皮
材を被覆してなる複合アルミニウム箔で構成されている
しわ付き箔容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐すきま腐食性に優
れた食品用しわ付き箔容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウム箔容器は、携帯用容
器だけでなく、食品を盛るために広く使用されている。
このアルミニウム箔容器の1つに側壁にしわの付いたし
わ付き箔容器があり、このしわ付き箔容器はしわによっ
て強度が確保されるために容器強度が優れ、そのため大
量の特に流動性食品(例えば、カレー、シチュー、ラー
メン、グラタン、煮物、スープなど)や薄肉食品(例え
ば、ピザパイ、プロセスチーズなど)を入れる容器とし
て使用されることも知られている。
【0003】このしわ付き箔容器は、アルミニウム箔を
打抜きしたのち、絞り加工して所定のしわ付き容器を形
成し、ついで、できるかぎり材料のしわを伸ばさずにダ
イに押し込んで均一なしわを発生させたのち、縁巻きを
行って成形する。
【0004】この時使用されるアルミニウム箔は、しわ
付き箔容器の強度を確保するためにMnを含むAl合金
(例えば、3000番系のAl合金)が使用されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、しわ付
き箔容器に液汁を含む流動食品または薄肉食品を入れた
ままこれを加熱して殺菌し、冷凍して長期間保存したの
ち、再び直接オーブンで加熱して食するなど、しわ付き
箔容器が塩分を含んだ液汁と長期間接触状態に保持され
ることが多い。この時、塩分を含んだ流動食品または薄
肉食品の液汁は、しわの隙間に入り込んだまま長期間保
持され、その隙間に腐食が発生し(以下、これを「すき
ま腐食」という)、冷凍食品を加熱又は解凍した時にす
きま腐食により発生した腐食穴から食品の液汁の洩れる
ことがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
しわ付き箔容器のしわ部分に発生するすきま腐食の発生
を防止する研究を行った。
【0007】その結果、純Al、Al−Zn合金、Al
−Mg合金、Al−Mg−Zn合金は、Mnを含む30
00番系のAl合金に比べてすきま腐食が起こりにくい
が、強度は低いところから、純Al、Al−Zn合金、
Al−Mg合金、Al−Zn−Mg合金を皮材とし、M
nを含む3000番系のAl合金を芯材とした複合アル
ミニウム箔で作製したしわ付き箔容器は、従来の300
0番系Al合金製しわ付き箔容器と比べて強度がほぼ同
等であり、さらにすきま腐食が起こりにくい、という研
究結果が得られたのである。
【0008】この発明は、かかる研究結果に基づいてな
されたものであって、重量%で(以下、%は重量%を示
す)、(1) Mn:0.3〜1.5%を含有し、残り
がAlおよび不可避不純物からなるAl合金芯材の両面
に、Alおよび不可避不純物からなる純Alを皮材とし
て被覆した複合アルミニウム箔で構成してなるしわ付き
箔容器、(2) Mn:0.3〜1.5%、Mg:0.
1〜1.3%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物
からなるAl合金芯材の両面に、Alおよび不可避不純
物からなる純Alを皮材として被覆した複合アルミニウ
ム箔で構成してなるしわ付き箔容器、(3) Mn:
0.3〜1.5%、Mg:0.1〜1.3%、Cu:
0.05〜0.25%を含有し、残りがAlおよび不可
避不純物からなるAl合金芯材の両面に、Alおよび不
可避不純物からなる純Alを皮材として被覆した複合ア
ルミニウム箔で構成してなるしわ付き箔容器、(4)
Mn:0.3〜1.5%を含有し、残りがAlおよび不
可避不純物からなるAl合金芯材の両面に、Zn:0.
1〜1.3%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物
からなるAl合金を皮材として被覆した複合アルミニウ
ム箔で構成してなるしわ付き箔容器、(5) Mn:
0.3〜1.5%、Mg:0.1〜1.3%を含有し、
残りがAlおよび不可避不純物からなるAl合金芯材の
両面に、Zn:0.1〜1.3%を含有し、残りがAl
および不可避不純物からなるAl合金を皮材として被覆
した複合アルミニウム箔で構成してなるしわ付き箔容
器、(6) Mn:0.3〜1.5%、Mg:0.1〜
1.3%、Cu:0.05〜0.25%を含有し、残り
がAlおよび不可避不純物からなるAl合金芯材の両面
に、Zn:0.1〜1.3%を含有し、残りがAlおよ
び不可避不純物からなるAl合金を皮材として被覆した
複合アルミニウム箔で構成してなるしわ付き箔容器、
(7) Mn:0.3〜1.5%を含有し、残りがAl
および不可避不純物からなるAl合金芯材の両面に、M
g:0.1〜1.5%を含有し、残りがAlおよび不可
避不純物からなるAl合金を皮材として被覆した複合ア
ルミニウム箔で構成してなるしわ付き箔容器、(8)
Mn:0.3〜1.5%、Mg:0.1〜1.3%を含
有し、残りがAlおよび不可避不純物からなるAl合金
芯材の両面に、Mg:0.1〜1.5%を含有し、残り
がAlおよび不可避不純物からなるAl合金を皮材とし
て被覆した複合アルミニウム箔で構成されているしわ付
き箔容器、(9) Mn:0.3〜1.5%、Mg:
0.1〜1.3%、Cu:0.05〜0.25%を含有
し、残りがAlおよび不可避不純物からなるAl合金芯
材の両面に、Mg:0.1〜1.5%を含有し、残りが
Alおよび不可避不純物からなるAl合金を皮材として
被覆した複合アルミニウム箔で構成されているしわ付き
箔容器、(10) Mn:0.3〜1.5%を含有し、
残りがAlおよび不可避不純物からなるAl合金芯材の
両面に、Zn:0.1〜1.3%、Mg:0.1〜1.
5%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる
Al合金を皮材として被覆した複合アルミニウム箔で構
成されているしわ付き箔容器、(11) Mn:0.3
〜1.5%、Mg:0.1〜1.3%を含有し、残りが
Alおよび不可避不純物からなるAl合金芯材の両面
に、Zn:0.1〜1.3%、Mg:0.1〜1.5%
を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなるAl
合金を皮材として被覆した複合アルミニウム箔で構成さ
れているしわ付き箔容器、(12) Mn:0.3〜
1.5%、Mg:0.1〜1.3%、Cu:0.05〜
0.25%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物か
らなるAl合金芯材の両面に、Zn:0.1〜1.3
%、Mg:0.1〜1.5%を含有し、残りがAlおよ
び不可避不純物からなるAl合金を皮材として被覆した
複合アルミニウム箔で構成されているしわ付き箔容器、
に特徴を有するものである。この発明のしわ付き箔容器
を構成する複合アルミニウム箔の芯材として使用するA
l合金のMn、MgおよびCuの一層好ましい組成範囲
は、Mn:0.8〜1.3%、Mg:0.8〜1.2
%、Cu:0.1〜0.2%である。
【0009】また、この発明のしわ付き箔容器を構成す
る皮材に必要に応じて含まれるZnおよび/またはMg
の一層好ましい組成範囲はZn:0.3〜1.0%、M
g:0.8〜1.2%である。この発明のしわ付き箔容
器を構成する複合アルミニウム箔の厚さは150μm以
下であることが好ましく、60〜120μmの範囲内に
あることが一層好ましい。
【0010】この発明のしわ付き箔容器を構成する複合
アルミニウム箔の芯材にはMnを必須とし、Mgを必要
に応じて添加するがこれら成分はいずれも強度を向上さ
せるために添加するものである。しかしその含有量がM
n:0.3%未満、Mg:0.1%未満では芯材として
十分な強度が得られず、一方、Mn:1.5%超、M
g:1.3%超となるように含有せしめると加工性(圧
延性)が低下するので好ましくない。したがってMn:
0.3〜1.5%、Mg:0.1〜1.3%に定めた。
さらに芯材の耐すきま摩耗性を向上させるために、Cu
を必要に応じて添加してもよいが、その含有量は0.0
5%未満では十分な効果が得られず、一方、0.25%
を越えて含有すると焼鈍処理時に皮材へCuが拡散し、
皮材の耐すきま腐食性を害するので好ましくない。した
がって、Cuの含有量は0.05〜0.25%に定め
た。
【0011】さらに、この発明のしわ付き箔容器を構成
する複合アルミニウム箔の皮材の耐すきま腐食性を向上
させるために、必要に応じてZn:0.1〜1.3%、
Mg:0.1〜1.5%を含有させるが、Zn:0.1
%未満、Mg:0.1%未満では十分な効果が得られ
ず、一方、Zn:1.3%超、Mg:1.5%超となる
ように含有するとかえって耐すきま腐食性が劣化するの
で好ましくない理由によるものである。
【0012】
【実施例】Mnを必須成分とした表1に示される成分組
成および厚さ:8mmを有するAl合金板A〜Kを芯材と
して用意し、さらに表2に示される成分組成を有し、厚
さ:1mmのMnを含まない純Al板およびAl合金板を
皮材a〜lとして用意した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】これら表1に示される芯材A〜Kの両面に
表2に示される皮材a〜lを表3に示される組合せで重
ね合せ、熱間圧延を行って厚さ:1mmの複合板を作製し
たのち、この複合板をさらに冷間圧延し、厚さ:0.0
8mmの複合アルミニウム箔を作製し、この複合アルミニ
ウム箔を350℃加熱の焼鈍処理を行ったのち、この焼
鈍処理した複合アルミニウム箔を通常のブランキング→
ドローイング→ワイプダウン→カーリングの成形工程に
より鍔の付いた本発明しわ付き箔容器1〜33を作製し
た。
【0016】さらに比較のために、芯材A,DおよびG
に熱間圧延、冷間圧延および焼鈍処理を施して厚さ:
0.08mmの単層アルミニウム箔を作製し、この単層ア
ルミニウム箔から同様にして鍔の付いた従来しわ付き箔
容器1〜3を作製した。
【0017】このようにして作製した本発明しわ付き箔
容器1〜33および従来しわ付き箔容器1〜3に、しょ
う油濃度:10%の水溶液を入れ、40℃で10日間保
持し、容器のすきま腐食状態を調査し、その結果を表3
に示した。
【0018】
【表3】
【0019】表3に示される結果から、しょう油水溶液
に対して単層のアルミニウム箔からなる従来しわ付き箔
容器はいずれもすきま腐食が見られたが、複合アルミニ
ウム箔からなる本発明しわ付き箔容器1〜33にはすき
間腐食が全く見られないことがわかる。
【0020】
【発明の効果】上述のように、この発明のしわ付き箔容
器は、従来のしわ付き箔容器に比べて耐すきま腐食性に
優れ、しかも芯材にMn含有Al合金を使用しているた
めに従来のしわ付き箔容器に比べて強度が劣ることはな
く、さらにこの発明のしわ付き箔容器は表裏両面が耐す
きま腐食性に優れた純AlまたはAl合金で被覆されて
いるので、仮に塩分を含んだ食品の液汁が零れて裏側に
廻っても、しわ付き容器裏側からのすきま腐食の心配も
なく、食品産業上すぐれた効果を奏するものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Mn:0.3〜1.5%を含
    有し、残りがAlおよび不可避不純物からなるAl合金
    芯材の両面に、Alおよび不可避不純物からなる純Al
    を皮材として被覆した複合アルミニウム箔で構成されて
    いることを特徴とするしわ付き箔容器。
  2. 【請求項2】 重量%で、Mn:0.3〜1.5%、M
    g:0.1〜1.3%を含有し、残りがAlおよび不可
    避不純物からなるAl合金芯材の両面に、Alおよび不
    可避不純物からなる純Alを皮材として被覆した複合ア
    ルミニウム箔で構成されていることを特徴とするしわ付
    き箔容器。
  3. 【請求項3】 重量%で、Mn:0.3〜1.5%、M
    g:0.1〜1.3%、Cu:0.05〜0.25%を
    含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなるAl合
    金芯材の両面に、Alおよび不可避不純物からなる純A
    lを皮材として被覆した複合アルミニウム箔で構成され
    ていることを特徴とするしわ付き箔容器。
  4. 【請求項4】 前記皮材は、重量%で、Zn:0.1〜
    1.3%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物から
    なるAl合金であることを特徴とする請求項1,2また
    は3記載のしわ付き箔容器。
  5. 【請求項5】 前記皮材は、重量%で、Mg:0.1〜
    1.5%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物から
    なるAl合金であることを特徴とする請求項1,2また
    は3記載のしわ付き箔容器。
  6. 【請求項6】 前記皮材は、重量%で、Zn:0.1〜
    1.3%、Mg:0.1〜1.5%を含有し、残りがA
    lおよび不可避不純物からなるAl合金であることを特
    徴とする請求項1,2または3記載のしわ付き箔容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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