JPH083086A - フッ素化アルコールの製造方法 - Google Patents
フッ素化アルコールの製造方法Info
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- JPH083086A JPH083086A JP13279894A JP13279894A JPH083086A JP H083086 A JPH083086 A JP H083086A JP 13279894 A JP13279894 A JP 13279894A JP 13279894 A JP13279894 A JP 13279894A JP H083086 A JPH083086 A JP H083086A
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- fluorinated
- catalyst
- hydrogen
- carboxylic acid
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高価な貴金属触媒を用いず、比較的低温、低
圧で触媒劣化の少ない状態で、フッ素化カルボン酸エス
テルから高い収率でフッ素化アルコールを得ることがで
きる生産性に優れたフッ素化カルボン酸エステルの製造
方法を提供する。 【構成】 銅系複合酸化物触媒の存在下、フッ素化カル
ボン酸エステルを水素添加分解してフッ素化アルコール
を製造する方法において、フッ素化カルボン酸エステル
1モルに対して水素を60〜1500モルの割合で供給
するフッ素化アルコールの製造方法。
圧で触媒劣化の少ない状態で、フッ素化カルボン酸エス
テルから高い収率でフッ素化アルコールを得ることがで
きる生産性に優れたフッ素化カルボン酸エステルの製造
方法を提供する。 【構成】 銅系複合酸化物触媒の存在下、フッ素化カル
ボン酸エステルを水素添加分解してフッ素化アルコール
を製造する方法において、フッ素化カルボン酸エステル
1モルに対して水素を60〜1500モルの割合で供給
するフッ素化アルコールの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素化カルボン酸エス
テルを水素添加分解してフッ素化アルコールを製造する
方法に関する。
テルを水素添加分解してフッ素化アルコールを製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素化カルボン酸エステルを水素添加
分解してフッ素化アルコールを製造しようとする試みは
数多くなされているが、通常のエステルとフッ素化エス
テルとは反応性が大きく異なるために、従来から知られ
ているエステルの水素添加分解方法をフッ素化エステル
の水素添加分解にそのまま適用することはできず、これ
までに、高価な貴金属触媒を用いずに温和な条件で収率
よくフッ素化アルコールを製造する方法は知られていな
かった。
分解してフッ素化アルコールを製造しようとする試みは
数多くなされているが、通常のエステルとフッ素化エス
テルとは反応性が大きく異なるために、従来から知られ
ているエステルの水素添加分解方法をフッ素化エステル
の水素添加分解にそのまま適用することはできず、これ
までに、高価な貴金属触媒を用いずに温和な条件で収率
よくフッ素化アルコールを製造する方法は知られていな
かった。
【0003】例えば、Industrial and Engineering Che
mistry, Product research and development, 4, 101,
1965 には、銅クロマイト触媒を用いた液相でのフッ素
化エステルの水素添加分解法が報告されている。この報
告によると、175℃、210atmという高圧でもヘ
プタフルオロ酪酸ブチルの転化率は32.3%と低く、
フッ素化アルコールの製造方法としては収率の点で不十
分である。また、液相での反応であるので触媒成分の溶
出、劣化が大きいという問題がある。
mistry, Product research and development, 4, 101,
1965 には、銅クロマイト触媒を用いた液相でのフッ素
化エステルの水素添加分解法が報告されている。この報
告によると、175℃、210atmという高圧でもヘ
プタフルオロ酪酸ブチルの転化率は32.3%と低く、
フッ素化アルコールの製造方法としては収率の点で不十
分である。また、液相での反応であるので触媒成分の溶
出、劣化が大きいという問題がある。
【0004】また、米国特許第3356747号明細書
には、銅クロマイト触媒を用いた気相における2,2,
2−トリフルオロ酢酸トリフルオロエチルエステルの水
素添加分解法が記載されている。そこでは上記エステル
に対する水素のモル比は2〜50とは記載されているも
のの、実際に実施例に記載されている水素のモル比は3
以下で、しかも水素モル比の影響については記載されて
いない。そして、反応温度が200℃以上という高温で
反応が行なわれているにもかかわらず、2,2,2−ト
リフルオロ酢酸トリフルオロエチルエステルの転化率は
最大で75%と低く、フッ素化アルコールの製造方法と
しては収率の点で不十分である。
には、銅クロマイト触媒を用いた気相における2,2,
2−トリフルオロ酢酸トリフルオロエチルエステルの水
素添加分解法が記載されている。そこでは上記エステル
に対する水素のモル比は2〜50とは記載されているも
のの、実際に実施例に記載されている水素のモル比は3
以下で、しかも水素モル比の影響については記載されて
いない。そして、反応温度が200℃以上という高温で
反応が行なわれているにもかかわらず、2,2,2−ト
リフルオロ酢酸トリフルオロエチルエステルの転化率は
最大で75%と低く、フッ素化アルコールの製造方法と
しては収率の点で不十分である。
【0005】また、特開昭61−221139号公報に
は、銅−亜鉛触媒を用いた2,2,2−トリフルオロ酢
酸トリフルオロエチルエステルの気相水素添加分解によ
る2,2,2−トリフルオロエタノールの製造方法が記
載されているが、フッ素化カルボン酸エステルに対する
水素のモル比は1.5:1〜3.5:1を下回っても上
回ってもならないとされており、また、フッ素化カルボ
ン酸エステルの最大転化率も77%と低いという欠点が
ある。
は、銅−亜鉛触媒を用いた2,2,2−トリフルオロ酢
酸トリフルオロエチルエステルの気相水素添加分解によ
る2,2,2−トリフルオロエタノールの製造方法が記
載されているが、フッ素化カルボン酸エステルに対する
水素のモル比は1.5:1〜3.5:1を下回っても上
回ってもならないとされており、また、フッ素化カルボ
ン酸エステルの最大転化率も77%と低いという欠点が
ある。
【0006】これらの例のように、フッ素化カルボン酸
エステルの転化率が低い場合には、生成アルコールとの
分離のための装置コストが大きくなり、また、未反応エ
ステルをリサイクルしなければならないため生産性が低
いという問題がある。
エステルの転化率が低い場合には、生成アルコールとの
分離のための装置コストが大きくなり、また、未反応エ
ステルをリサイクルしなければならないため生産性が低
いという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高価な貴金
属触媒を用いず、比較的低温、低圧で触媒劣化の少ない
状態で、フッ素化カルボン酸エステルから高い収率でフ
ッ素化アルコールを得ることができる生産性に優れたフ
ッ素化カルボン酸エステルの製造方法を提供することを
目的とする。
属触媒を用いず、比較的低温、低圧で触媒劣化の少ない
状態で、フッ素化カルボン酸エステルから高い収率でフ
ッ素化アルコールを得ることができる生産性に優れたフ
ッ素化カルボン酸エステルの製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意研究を行った結果、反応系にフィー
ドする基質(フッ素化カルボン酸エステル)に対し、こ
れまで知られてきた例の10倍以上の水素(基質に対す
るモル比が60〜1500、好ましくは100〜500
となるような水素)を供給して反応を行なうことによ
り、生成アルコールの収率が飛躍的に向上し、また、触
媒劣化も抑制されることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
達成するために鋭意研究を行った結果、反応系にフィー
ドする基質(フッ素化カルボン酸エステル)に対し、こ
れまで知られてきた例の10倍以上の水素(基質に対す
るモル比が60〜1500、好ましくは100〜500
となるような水素)を供給して反応を行なうことによ
り、生成アルコールの収率が飛躍的に向上し、また、触
媒劣化も抑制されることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は銅系複合酸化物触媒の
存在下、フッ素化カルボン酸エステルを水素添加分解し
てフッ素化アルコールを製造する方法において、フッ素
化カルボン酸エステル1モルに対して水素を60〜15
00モルの割合で供給することを特徴とするフッ素化ア
ルコールの製造方法を提供するするものである。
存在下、フッ素化カルボン酸エステルを水素添加分解し
てフッ素化アルコールを製造する方法において、フッ素
化カルボン酸エステル1モルに対して水素を60〜15
00モルの割合で供給することを特徴とするフッ素化ア
ルコールの製造方法を提供するするものである。
【0010】本発明で用いられるフッ素化カルボン酸エ
ステルとしては、次の一般式(1)で表わされる化合物
が好適に用いられ、水素添加分解によりそれらに対応す
る次の一般式(2)で表わされるフッ素化アルコールが
得られる。 CnF2n+2-m(COOR)m (1) CnF2n+2-m(CH2OH)m (2) (式中、n及びmは1〜12の整数であり、Rは炭素数
1〜6のアルキル基又はハロゲノアルキル基である。) フッ素化カルボン酸エステルとしては、例えば、ペルフ
ルオロ化酸のメチルエステル、エチルエステル、n−又
はiso−プロピルエステル、n−、iso−、sec
−又はtert−ブチルエステル等が用いられる。ペル
フルオロ化酸としては、具体的には、ペルフルオロ酢
酸、ペルフルオロプロピオン酸、ペルフルオロブタン
酸、ペルフルオロペンタン酸、ペルフルオロヘキサン
酸、ペルフルオロヘプタン酸、ペルフルオロオクタン
酸、ペルフルオロノナン酸、ペルフルオロデカン酸、ペ
ルフルオロウンデカン酸、ペルフルオロドデカン酸、ペ
ルフルオロトリデカン酸等が挙げられる。また、これら
のモノカルボン酸のフッ素がカルボキシル基で置換され
たジカルボン酸のエステルも用いることができる。
ステルとしては、次の一般式(1)で表わされる化合物
が好適に用いられ、水素添加分解によりそれらに対応す
る次の一般式(2)で表わされるフッ素化アルコールが
得られる。 CnF2n+2-m(COOR)m (1) CnF2n+2-m(CH2OH)m (2) (式中、n及びmは1〜12の整数であり、Rは炭素数
1〜6のアルキル基又はハロゲノアルキル基である。) フッ素化カルボン酸エステルとしては、例えば、ペルフ
ルオロ化酸のメチルエステル、エチルエステル、n−又
はiso−プロピルエステル、n−、iso−、sec
−又はtert−ブチルエステル等が用いられる。ペル
フルオロ化酸としては、具体的には、ペルフルオロ酢
酸、ペルフルオロプロピオン酸、ペルフルオロブタン
酸、ペルフルオロペンタン酸、ペルフルオロヘキサン
酸、ペルフルオロヘプタン酸、ペルフルオロオクタン
酸、ペルフルオロノナン酸、ペルフルオロデカン酸、ペ
ルフルオロウンデカン酸、ペルフルオロドデカン酸、ペ
ルフルオロトリデカン酸等が挙げられる。また、これら
のモノカルボン酸のフッ素がカルボキシル基で置換され
たジカルボン酸のエステルも用いることができる。
【0011】特に好ましく用いられるフッ素化カルボン
酸エステルは、ペルフルオロデカン酸イソプロピル及び
ペルフルオロデカン酸ブチルであり、これらからは1,
1−ジヒドロペルフルオロデカノールが得られる。
酸エステルは、ペルフルオロデカン酸イソプロピル及び
ペルフルオロデカン酸ブチルであり、これらからは1,
1−ジヒドロペルフルオロデカノールが得られる。
【0012】本発明において、触媒としては、水素添加
分解に一般的に用いられる銅を含有する銅系複合酸化物
触媒が使用される。例えば、Adkins型銅クロマイ
ト触媒(Cu−Cr)、メタノール合成用触媒(Cu−
Cr−Zn)、クロムを含まない銅系触媒(Cu−Fe
−Al、Cu−Zn)などが挙げられる。これらは市販
されており、例えば、日揮化学製N201、N211、
N211B;日産ガードラー製G−66、89、99;
ハーショウ社製Cu−1132、1154、1164、
1186、1808、1984等が挙げられる。
分解に一般的に用いられる銅を含有する銅系複合酸化物
触媒が使用される。例えば、Adkins型銅クロマイ
ト触媒(Cu−Cr)、メタノール合成用触媒(Cu−
Cr−Zn)、クロムを含まない銅系触媒(Cu−Fe
−Al、Cu−Zn)などが挙げられる。これらは市販
されており、例えば、日揮化学製N201、N211、
N211B;日産ガードラー製G−66、89、99;
ハーショウ社製Cu−1132、1154、1164、
1186、1808、1984等が挙げられる。
【0013】水素としては、通常の分子状水素が用いら
れる。反応を阻害しない程度の炭化水素、水分等を含ん
でいてもよい。
れる。反応を阻害しない程度の炭化水素、水分等を含ん
でいてもよい。
【0014】本発明の製造方法においては、水素をフッ
素化カルボン酸エステル1モルに対して60〜1500
モルの割合で供給することが肝要である。この水素の供
給量はこれまで知られていた量と比べてはるかに大量で
あり、このように大量の水素を供給することにより、フ
ッ素化アルコールの収率が飛躍的に向上し、また触媒劣
化も抑制される。好ましい水素の供給量はフッ素化カル
ボン酸エステル1モルに対して100〜1500モル、
更に好ましくは300〜1500モルである。
素化カルボン酸エステル1モルに対して60〜1500
モルの割合で供給することが肝要である。この水素の供
給量はこれまで知られていた量と比べてはるかに大量で
あり、このように大量の水素を供給することにより、フ
ッ素化アルコールの収率が飛躍的に向上し、また触媒劣
化も抑制される。好ましい水素の供給量はフッ素化カル
ボン酸エステル1モルに対して100〜1500モル、
更に好ましくは300〜1500モルである。
【0015】本発明の水素添加分解反応は通常、150
〜250℃、好ましくは170〜200℃の温度範囲
で、通常、1〜100気圧、好ましくは10〜50気圧
の圧力範囲で行なわれる。
〜250℃、好ましくは170〜200℃の温度範囲
で、通常、1〜100気圧、好ましくは10〜50気圧
の圧力範囲で行なわれる。
【0016】本発明の方法は、好ましくは連続方法で行
なわれるが、半連続、バッチ操作でも可能である。
なわれるが、半連続、バッチ操作でも可能である。
【0017】好ましい方法の例として、まず所定量の触
媒をスチール製の管型固定床流通式リアクターに充填
し、銅系水添触媒の一般的な活性化法で活性化する。
媒をスチール製の管型固定床流通式リアクターに充填
し、銅系水添触媒の一般的な活性化法で活性化する。
【0018】反応基質は無溶媒で、又は水素化に不活性
な溶剤(例えば、メタノール、ブタノール、アルカン
等)に溶かした状態で気化器にフィードし、気化器で気
化した基質又は基質と溶媒を水素と共にリアクターに導
入する。
な溶剤(例えば、メタノール、ブタノール、アルカン
等)に溶かした状態で気化器にフィードし、気化器で気
化した基質又は基質と溶媒を水素と共にリアクターに導
入する。
【0019】水素添加分解されたリアクター出口液を冷
却し、液体成分と気体成分とを分離すると目的とするフ
ッ素化アルコールが液体成分として得られる。気体成分
は大部分水素であるのでそのままリサイクルする。
却し、液体成分と気体成分とを分離すると目的とするフ
ッ素化アルコールが液体成分として得られる。気体成分
は大部分水素であるのでそのままリサイクルする。
【0020】本発明により得られたフッ素化アルコール
は撥水性撥油剤や界面活性剤等の中間体として広く利用
される。
は撥水性撥油剤や界面活性剤等の中間体として広く利用
される。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】実施例1 外径10mm、内径8mm、長さ30cmのステンレス
製のリアクターに銅系複合酸化物触媒(日揮化学製、N
211B)を8〜16meshに粉砕したもの5cc
(6.5g)を充填した。触媒床長さは約10cmと
し、触媒床の上下にはα−アルミナ粉砕品を充填した。
製のリアクターに銅系複合酸化物触媒(日揮化学製、N
211B)を8〜16meshに粉砕したもの5cc
(6.5g)を充填した。触媒床長さは約10cmと
し、触媒床の上下にはα−アルミナ粉砕品を充填した。
【0023】リアクターを170℃に加熱し、1〜5容
量%のH2を含んだN2ガスを10Nl/hで流通し、1
昼夜還元活性化を行なった。その後、徐々にガス気流を
100%H2ガスに置換した。
量%のH2を含んだN2ガスを10Nl/hで流通し、1
昼夜還元活性化を行なった。その後、徐々にガス気流を
100%H2ガスに置換した。
【0024】リアクターの前にはα−アルミナ粉砕品を
充填した内径10mm、長さ2mのステンレス製カラム
を用意し、外部から加熱できるようにした。このカラム
を反応温度付近に加熱し、カラムの中間部分にポンプに
より原料液をフィードする。原料液はカラムを通ってき
た加熱された水素により気化し、水素と共にリアクター
にフィードされる。リアクターの出口は冷却され、気体
と液体生成物を分離した後、液体生成物は背圧調節弁を
通して抜き出される。
充填した内径10mm、長さ2mのステンレス製カラム
を用意し、外部から加熱できるようにした。このカラム
を反応温度付近に加熱し、カラムの中間部分にポンプに
より原料液をフィードする。原料液はカラムを通ってき
た加熱された水素により気化し、水素と共にリアクター
にフィードされる。リアクターの出口は冷却され、気体
と液体生成物を分離した後、液体生成物は背圧調節弁を
通して抜き出される。
【0025】気体は大部分が水素ガスであり、また圧力
低下もわずかであるため、コンプレサーによりリアクタ
ー入口圧以上まで昇圧し、メイクアップH2流と共に再
び気化器入口に循環される。
低下もわずかであるため、コンプレサーによりリアクタ
ー入口圧以上まで昇圧し、メイクアップH2流と共に再
び気化器入口に循環される。
【0026】このようなリアクターに水素を10Nl/
h流通し、温度を185℃、圧力を4MPaとした。原
料液としてペルフルオロデカン酸ブチルエステル(CF
3(CF2)8COOC4H5)をn−ブタノールに8.5
wt%溶解させたものを7.4g/h(約9cc/h)
でフィードした(エステルに対する水素モル比約40
0)。生成液を分析したところ、ペルフルオロデカン酸
ブチルエステルの転化率は100%であり、1,1−ジ
ヒドロペルフルオロデカノールの収率は99.2%であ
った。反応開始後96時間、触媒の活性劣化はほとんど
見られなかった。
h流通し、温度を185℃、圧力を4MPaとした。原
料液としてペルフルオロデカン酸ブチルエステル(CF
3(CF2)8COOC4H5)をn−ブタノールに8.5
wt%溶解させたものを7.4g/h(約9cc/h)
でフィードした(エステルに対する水素モル比約40
0)。生成液を分析したところ、ペルフルオロデカン酸
ブチルエステルの転化率は100%であり、1,1−ジ
ヒドロペルフルオロデカノールの収率は99.2%であ
った。反応開始後96時間、触媒の活性劣化はほとんど
見られなかった。
【0027】実施例2 実施例1で使用後の触媒を用い、基質を変えて反応を行
なった。リアクターに水素を10Nl/h流通し、温度
を175℃、圧力を4MPaとした。原料液としてペル
フルオロデカン酸イソプロピルエステル(CF3(C
F2)8COOCH(CH3)2)をイソプロパノールに1
5.2wt%溶解させたものを4.2g/h(約5cc
/h)でフィードした(エステルに対する水素モル比約
390)。生成液を分析したところ、ペルフルオロデカ
ン酸イソプロピルエステルの転化率は99.2%であ
り、1,1−ジヒドロペルフルオロデカノールの収率は
98.7%であった。反応開始後360時間、ほとんど
触媒の活性劣化は見られなかった。
なった。リアクターに水素を10Nl/h流通し、温度
を175℃、圧力を4MPaとした。原料液としてペル
フルオロデカン酸イソプロピルエステル(CF3(C
F2)8COOCH(CH3)2)をイソプロパノールに1
5.2wt%溶解させたものを4.2g/h(約5cc
/h)でフィードした(エステルに対する水素モル比約
390)。生成液を分析したところ、ペルフルオロデカ
ン酸イソプロピルエステルの転化率は99.2%であ
り、1,1−ジヒドロペルフルオロデカノールの収率は
98.7%であった。反応開始後360時間、ほとんど
触媒の活性劣化は見られなかった。
【0028】上記の2つの実施例(実施例1及び実施例
2)を通して、合計0.552モルのペルフルオロデカ
ン酸エステルを水素添加分解することができ、0.54
2モルのアルコールを得ることができた(40g−アル
コール/g−触媒)。
2)を通して、合計0.552モルのペルフルオロデカ
ン酸エステルを水素添加分解することができ、0.54
2モルのアルコールを得ることができた(40g−アル
コール/g−触媒)。
【0029】比較例 実施例1と同様な方法で活性化した触媒及び同様の反応
方法を用い、水素フィード量を0.2Nl/h、反応温
度を175℃、圧力を4MPaとしてペルフルオロデカ
ン酸イソプロピルエステル(CF3(CF2)8COOC
H(CH3)2)をイソプロパノールに15.2wt%溶
解させたものを4.2g/h(約5cc/h)でフィー
ドした(エステルに対する水素モル比約7.8)。生成
液を分析したところ、ペルフルオロデカン酸イソプロピ
ルエステルの転化率はわずかに5.1%であり、1,1
−ジヒドロペルフルオロデカノールの収率は5.0%で
あった。
方法を用い、水素フィード量を0.2Nl/h、反応温
度を175℃、圧力を4MPaとしてペルフルオロデカ
ン酸イソプロピルエステル(CF3(CF2)8COOC
H(CH3)2)をイソプロパノールに15.2wt%溶
解させたものを4.2g/h(約5cc/h)でフィー
ドした(エステルに対する水素モル比約7.8)。生成
液を分析したところ、ペルフルオロデカン酸イソプロピ
ルエステルの転化率はわずかに5.1%であり、1,1
−ジヒドロペルフルオロデカノールの収率は5.0%で
あった。
【0030】実施例3 実施例1と同様な方法で活性化した触媒及び同様の反応
方法を用い、水素フィード量を10Nl/h流通し、反
応温度を175℃、圧力を3MPaとしてペルフルオロ
デカン酸イソプロピルエステル(CF3(CF2)8CO
OCH(CH3)2)を無溶媒で0.663g/h(約4
cc/h)フィードした(エステルに対する水素モル比
約390)。生成液を分析したところ、ペルフルオロデ
カン酸イソプロピルエステルの転化率は99.2%であ
り、1,1−ジヒドロペルフルオロデカノールの収率は
98.7%であった。生成液は室温では1,1−ジヒド
ロキシペルフルオロデカノールの結晶を析出した。
方法を用い、水素フィード量を10Nl/h流通し、反
応温度を175℃、圧力を3MPaとしてペルフルオロ
デカン酸イソプロピルエステル(CF3(CF2)8CO
OCH(CH3)2)を無溶媒で0.663g/h(約4
cc/h)フィードした(エステルに対する水素モル比
約390)。生成液を分析したところ、ペルフルオロデ
カン酸イソプロピルエステルの転化率は99.2%であ
り、1,1−ジヒドロペルフルオロデカノールの収率は
98.7%であった。生成液は室温では1,1−ジヒド
ロキシペルフルオロデカノールの結晶を析出した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、高価な貴金属触媒を用
いず、比較的低温、低圧で触媒劣化の少ない状態で、フ
ッ素化カルボン酸エステルから高い収率でフッ素化アル
コールを得ることができる。
いず、比較的低温、低圧で触媒劣化の少ない状態で、フ
ッ素化カルボン酸エステルから高い収率でフッ素化アル
コールを得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 銅系複合酸化物触媒の存在下、フッ素化
カルボン酸エステルを水素添加分解してフッ素化アルコ
ールを製造する方法において、フッ素化カルボン酸エス
テル1モルに対して水素を60〜1500モルの割合で
供給することを特徴とするフッ素化アルコールの製造方
法。 - 【請求項2】 フッ素化カルボン酸エステル1モルに対
して水素を100〜1500モルの割合で供給する請求
項1記載のフッ素化アルコールの製造方法。 - 【請求項3】 フッ素化カルボン酸エステル1モルに対
して水素を300〜1500モルの割合で供給する請求
項1記載のフッ素化アルコールの製造方法。 - 【請求項4】 水素添加分解の反応温度が150〜25
0℃であり、反応圧力が0.1〜10MPaである請求
項1、2又は3記載のフッ素化アルコールの製造方法。 - 【請求項5】 フッ素化カルボン酸エステルがペルフル
オロデカン酸イソプロピル又はペルフルオロデカン酸ブ
チルである請求項1〜4何れか記載のフッ素化アルコー
ルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13279894A JPH083086A (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | フッ素化アルコールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13279894A JPH083086A (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | フッ素化アルコールの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH083086A true JPH083086A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15089820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13279894A Pending JPH083086A (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | フッ素化アルコールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083086A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002026679A1 (fr) * | 2000-09-27 | 2002-04-04 | Asahi Glass Company, Limited | Procede de production d'alcool fluore |
WO2012105431A1 (ja) * | 2011-02-03 | 2012-08-09 | セントラル硝子株式会社 | β-フルオロアルコール類の製造方法 |
-
1994
- 1994-06-15 JP JP13279894A patent/JPH083086A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002026679A1 (fr) * | 2000-09-27 | 2002-04-04 | Asahi Glass Company, Limited | Procede de production d'alcool fluore |
JPWO2002026679A1 (ja) * | 2000-09-27 | 2004-02-05 | 旭硝子株式会社 | フッ素化アルコールの製造方法 |
WO2012105431A1 (ja) * | 2011-02-03 | 2012-08-09 | セントラル硝子株式会社 | β-フルオロアルコール類の製造方法 |
US8658840B2 (en) | 2011-02-03 | 2014-02-25 | Central Glass Company, Limited | Method for producing β-fluoroalcohol |
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