JPH083082B2 - 水性エマルジョン型接着剤組成物 - Google Patents

水性エマルジョン型接着剤組成物

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JPH083082B2
JPH083082B2 JP62225971A JP22597187A JPH083082B2 JP H083082 B2 JPH083082 B2 JP H083082B2 JP 62225971 A JP62225971 A JP 62225971A JP 22597187 A JP22597187 A JP 22597187A JP H083082 B2 JPH083082 B2 JP H083082B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は水性エマルジョン型接着剤組成物に関する。
さらに詳しくは、本発明は発泡ポリウレタン、合成皮
革、プラスチックなどの各種基材に対する接着諸特性、
柔軟性、弾性などに優れた水性エマルジョン型接着剤組
成物に関する。
[従来の技術] 近時、省資源、無公害、安全衛生などの観点から、従
来の有機溶剤系接着剤組成物から水系樹脂に移行しつつ
ある。とりわけ水性エマルジョン型ポリウレタン樹脂
は、その優れた柔軟性、弾性などの点から検討が盛んに
行なわれており、人工皮革や繊維などの処理用として使
用されている。
しかしながら、有機溶剤系ポリウレタン樹脂接着剤と
比較して接着性、オープンタイム(可使時間)の点でい
まだ充分満足しうる性能には達しておらず、そのため接
着剤用としてはほとんど実用化されていないのが現状で
ある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は従来の水性エマルジョン型ポリウレタン樹脂
の欠点を解消せんとするものである。すなわち、柔軟
性、弾性などの要求性能を満足するのは勿論のこと、と
くに水性エマルジョン型ポリウレタン樹脂の欠点とされ
ていた各種被着体に対する剥離強度およびオープンタイ
ムを顕著に改良した水性エマルジョン型接着剤組成物を
提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的を達成するべく粘着性付与樹
脂の種類およびその使用量などに着目して鋭意検討を重
ねた結果、ポリウレタン樹脂エマルジョンに対して特定
の粘着性付与樹脂、すなわちケトン樹脂エマルジョンを
使用することにより意外にも前記問題点がことごとく解
決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は高分子ポリオール、ジイソシアネ
ート化合物および鎖伸長剤を反応させてえられるポリウ
レタン樹脂をベースポリマーとする水性エマルジョン型
接着剤組成物であって、粘着性付与樹脂としてケトン樹
脂エマルジョンを使用したことを特徴とする水性エマル
ジョン型接着剤組成物に関する。
[実施例] 本発明の組成物のベースポリマーはポリウレタン樹脂
であり、このものはポリエステルポリオールまたはポリ
エーテルポリオールからなる高分子ポリオールとジイソ
シアネート化合物とさらに鎖伸長剤を反応させてえられ
るものである。該ポリウレタン樹脂としては、主として
溶剤型接着剤用に使用される各種公知のものをそのまま
採用することができ、さらには該樹脂の変性物をも使用
することができる。該樹脂は後述する適当な手段でエマ
ルジョン化して使用することができる。以下、該ポリウ
レタン樹脂につき具体的に説明する。
高分子ポリオール成分のうち、ポリエステルポリオー
ルとしては、たとえばエチレングリコール、1,2−プロ
パンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジ
オール、1,4−ブチレンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール
などの飽和および不飽和の低分子グリコール類ならびに
アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロ
ン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸などの二塩基酸もしくはこれらに対応
する酸無水物を脱水縮合せしめてえられるポリエステル
ポリオール類;環状エステル化合物を開環重合してえら
れるポリエステルポリオール類;その他ポリカーボネー
トポリオール類、ポリブタジエングリコール類、ビスフ
ェノールAに酸化エチレンもしくは酸化プロピレンを付
加してえられるグリコール類などの一般にポリウレタン
の製造に用いられる各種公知のポリエステルポリオール
が例示される。なお、前記ポリエステルポリオールのな
かでは、グリコール類と二塩基酸からえられる高分子ポ
リオールは、該グリコール類の5モル%までは各種多価
アルコールに置換しうる。かかる各種多価アルコールの
具体例としては、たとえばグリセリン、トリメチロール
プロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサント
リオール、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリ
トール、ソルビトールなどがあげられる。
また、高分子ポリオールのうち、ポリエーテルポリオ
ールとしては、たとえば酸化エチレン、酸化プロピレ
ン、テトラヒドロフランなどの重合体もしくは共重合体
などのポリエーテルポリオール類が例示される。
前記高分子ポリオールの分子量は、えられるポリウレ
タン樹脂の可撓性、樹脂製造時の作業性などを考慮して
適宜決定され、通常は500〜5000の範囲内とするのがよ
い。該分子量が500未満であれば、ポリウレタン樹脂中
のジイソシアネート含有量が大となり、えられる樹脂皮
膜の可撓性が低下する傾向にあり、他方5000をこえると
樹脂製造時の使用する溶剤に対する溶解性が低下するた
めいずれも好ましくない。
本発明のポリウレタン樹脂の他の構成成分であるジイ
ソシアネート化合物は、芳香族、脂肪族および脂環族の
ジイソシアネート類である。
かかるジイソシアネート類としては、たとえば、1,5
−ナフチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタン
ジイソシアネート、4,4−ジベンジルイソシアネート、
ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラ
アルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フ
ェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−
ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシア
ネートなどがその代表例としてあげられる。
また鎖伸長剤としては、たとえばエチレンジアミン、
プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロン
ジアミン、ジシクロヘキシルメタン、−4,4−ジアミン
などがあげられる。また分子内に水酸基を有するジアミ
ン類、たとえば2−ヒドロキシエチルエチレンジアミ
ン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、ジ−2−
ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキ
シエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピル
エチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレ
ンジアミンなども同様に使用することができ、さらには
ピペラジンなどの水溶性脂環族ポリアミンも同様に使用
することができる。また、えられるポリウレタン樹脂に
自己乳化性を付与するばあいには鎖伸長剤としてN−ア
ルキルジアルカノールアミンの使用が好適であるほか、
ペンダントカルボキシル基を導入するために、たとえば
2,2−ジメチロールプロピオン、2,2−ジメチロール酪
酸、2,2−ジメチロール吉草酸などのペンダントカルボ
キシル基含有鎖伸長剤を使用することが好ましい。自己
乳化性を付与するために使用するこれらの鎖伸長剤の使
用量は、通常はポリウレタン樹脂固形分中0.5〜5.0重量
%とするのがよい。0.5重量%に満たないばあいには充
分な自己乳化性がえられず、また5.0重量%をこえるば
あいには樹脂の耐水性、可撓性が低下するためいずれも
好ましくない。なお、必要に応じて、重合停止剤として
ジアルキルアミン、たとえばジ−n−ブチルアミンを使
用してもよい。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂の製造法として
は、まずポリオール成分とジイソシアネート化合物と
を、イソシアネート基過剰の条件で反応させ、高分子ポ
リオールの両末端にイソシアネート基を有するプレポリ
マーを調製し、ついでこれを適当な溶媒中で鎖伸長剤お
よび/または重合停止剤と反応させる二段法ならびに高
分子ポリオール成分、ジイソシアネート化合物、鎖伸長
剤および/または重合停止剤を、適当な溶媒中で一度に
反応させる一段法のいずれの方法をも採用しうるが、均
一なポリマー溶液をうる目的に対しては前記二段法を採
用するのが好ましい。これら製造方法において、使用さ
れる溶剤としては、たとえば通常、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶
剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどのケトン系溶剤などの単独またはこれらの混
合物があげられる。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂を二段法で製造
するばあい、鎖伸長剤および/または重合停止剤をプレ
ポリマーに対して以下の基準で配合するのがよい。すな
わち、プレポリマーがその両末端に有する遊離のイソシ
アネート基1当量に対して鎖伸長剤および/または重合
停止剤中のアミノ基の合計当量は0.9〜1.30当量の範囲
内とされる。アミノ基が1.30当量よりも過剰になったば
あいには、鎖伸長剤および/または重合停止剤で未反応
のまま残存し、臭気の点で好ましくない。
前記でえられたポリウレタン樹脂をエマルジョン化す
るにはとくに制限はなく、各種公知の方法を採用するこ
とができる。たとえば前記有機溶媒で稀釈したポリウレ
タン樹脂に、各種イオン性の乳化剤および水を添加して
強制的に分散させるかまたは有機溶媒で稀釈することな
くポリウレタン樹脂、乳化剤および少量の水の存在下に
攪拌してあらかじめ油中水型エマルジョンをえたのちさ
らに所定量の水を追加して強攪拌することにより相反転
させてエマルジョンをうることができる。乳化剤として
は、たとえばアルキル硫酸ソーダ、アルキルベンゼンス
ルホン酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテルスルホコハク酸塩、ロジン石鹸などの陰イオン
性乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオ
ン性乳化剤;第4級アンモニウム塩などの陽イオン性乳
化剤などがあげられ、これらの乳化剤は単独でまたは組
合せて用いられる。乳化剤量は耐水性、分散安定性、粒
子径などを考慮して決定され、通常ポリウレタン樹脂固
形分に対して1〜30重量%、好ましくは3〜12重量%と
される。
前記ポリエーテルポリオール系ウレタン樹脂におい
て、ポリオキシエチレングリコールなどの水溶性オリゴ
マーを樹脂構成成分として使用したばあいには、自己乳
化性が付与されるためエマルジョン化に際しては必ずし
も乳化剤を使用する必要はない。これと同様に、鎖伸長
剤としてN−アルキルジアルカノールアミンを使用した
ばあいや、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメ
チロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸などのペンダ
ントカルボキシル基を導入したばあいにも、えられたポ
リウレタン樹脂は自己乳化性を有するため乳化に際して
は通常は乳化剤を使用する必要がない。N−アルキルジ
アルカノールアミンを用いてえられるポリウレタン樹脂
は通常ヨウ化メチル、臭化メチル、塩化ベンジルなどの
4級化剤により4級化して使用される。また、ペンダン
トカルボキシル基を導入してえられるポリウレタン樹脂
は、通常はアンモニア、有機アミンなどにより中和して
用いられる。なお、ポリウレタン樹脂の乳化は、前記の
ようにポリウレタン樹脂を製造した後、適当な方法でエ
マルジョン化されるのが一般的であるが、該樹脂を製造
する際にあらかじめ乳化剤を添加しておき、樹脂製造と
エマルジョン化を同時に進行させることも可能である。
上記のようにしてえられる本発明に用いられるポリウ
レタン樹脂の分子量は、通常20000〜90000の範囲内とす
るのが好適である。分子量が20000に満たないばあいに
はえられる接着剤の凝集力および耐熱性が劣り、一方90
000をこえるばあいにはポリウレタン樹脂溶液の粘度が
高くなり取扱作業性が低下するほか、該樹脂エマルジョ
ンの安定性が悪くなるため好ましくない。かくしてえら
れたポリウレタン樹脂エマルジョンの固形分濃度はとく
に制限はされず、接着時の作業性などを考慮して適宜決
定され、通常は5〜50重量%とされ、また粘度は数十〜
数千cP(25℃)とするのが実用上好適である。
本発明で使用しうるケトン樹脂としてはとくに制限は
されず各種公知のものを採用しうる。すなわち、該ケト
ン樹脂としては、たとえば各種ケトン類とホルムアルデ
ヒドとをアルカリ性触媒存在下に公知の方法を反応させ
てえられる樹脂があげられる。前記ケトン類としては、
たとえばシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルエ
チルケトン、メチルシクロヘキサノンなどを例示しうる
が、反応性、原料入手性、価格などを考慮すれば、シク
ロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどが好ましい。た、アルカリ性触媒としては、
たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが例示
され、これらの使用量はケトン類1モルに対して通常0.
05〜0.5モル程度とされる。ケトン類とホルムアルデヒ
ドとの仕込比率は、えられる樹脂の分子量、軟化点など
を考慮して決定され、通常はホルムアルデヒドがケトン
類の1.0〜4.0倍モル量、好ましくは1.0〜2.0モルとされ
る。反応温度は通常は60〜90℃であり、反応時間は10分
〜3時間程度とされる。なお、該反応はメチロール化反
応とこれに引続いてまたは競争して生じる縮合反応から
なる。縮合反応のばあいは、60℃に満たないばあいは望
ましい反応速度に達せず、また90℃をこえるばあいには
反応温度の制御が困難となるためいずれも好ましくな
い。なお、メチロール化反応は10℃程度で進行するた
め、あらかじめこの程度の温度でメチロール化したのち
縮合反応温度まで昇温させてもよい。反応終了後は、反
応液を酢酸などにより中和し水洗した後、樹脂状物を液
相により分離し、ついで減圧濃縮および脱溶媒してケト
ン樹脂を収得しうる。上記方法でえられたケトン樹脂
は、通常軟化点は40〜120℃、分子量は300〜800程度と
なる。本発明では使用するケトン樹脂の軟化点について
はとくに制限はないが、80〜120℃の比較的高軟化点の
ものを使用するとえられる接着性組成物に耐熱性を付与
することができ、また40〜80℃の比較的低軟化点のもの
を使用すると、初期接着性が優れる傾向にある。ケトン
樹脂のエマルジョン化は公知の方法を採用することがで
きる。具体的には、前記したポリウレタン樹脂の乳化に
際し使用したものと同様の乳化剤を使用することがで
き、該乳化剤を用いて強制乳化し、または転相乳化する
ことにより容易に収得することができる。乳化剤の使用
量はケトン樹脂固形分に対して通常1〜10重量%、好ま
しくは3〜5重量%とするのがよい。該ケトン樹脂エマ
ルジョンの固形分濃度についてはとくに制限はされず、
接着時の作業性などを考慮して適宜決定され、通常は30
〜60重量%程度とされ、また粘度は数十〜数百cP(25
℃)とするのが実用上好適である。
本発明の水性エマルジョン型接着剤組成物は前記ポリ
ウレタン樹脂および前記ケトン樹脂のエマルジョンから
なり、前記ポリウレタン樹脂が固形分換算で10〜60重量
%、前記ケトン樹脂が40〜90重量%の割合となるように
調製される。ポリウレタン樹脂の配合割合が10重量%未
満のときには耐熱性および凝集力が著しく低下し、また
該樹脂の配合割合が60重量%をこえるばあいは初期接着
力が低下し、オープンタイムが短かくなるためいずれも
好ましくない。なお、本発明において前記ケトン樹脂エ
マルジョンをポリウレタン樹脂エマルジョンに対して特
定割合で配向して初めて本発明の目的を達成しうる接着
剤組成物がえられるが、本発明の効果を損なわない範囲
内であれば、公知の粘着性付与樹脂エマルジョン、たと
えばロジンエステルエマルジョン、ポリテルペンエマル
ジョンなどと併用しうることはもとよりである。
以下、製造例、実施例および比較例をあげて本発明の
水性エマルジョン型接着剤組成物を詳細に説明するが、
本発明はこれら各例のみに限定されるものではない。な
お、各例中、部および%は特記しないかぎりすべて重量
基準である。
製造例1 攪拌機、温度計およびチッ素ガス導入管を備えたフラ
スコに、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業(株)
製、商品名「プラクセル220」)36部、ジメチロールプ
ロピオン酸2.7部、イソホロンジイソアネート10.2部、
メチルエチルケトン15.6部およびトルエン6.7部を仕込
み、チッ素気流下に80〜85℃にて4.5時間反応させた
後、37〜50℃にてトリエチルアミン2部および所定量の
軟水を滴下し、中和と分散を行なった。さらに60〜70℃
に昇温し、2時間鎖伸長反応を行ない、60〜70℃にて溶
剤を除去し、不揮発分35%、粘度100cP、pH8のポリウレ
タン樹脂エマルジョンをえた。
製造例2 製造例1と同様の反応装置に、テレフタル酸664部、
イソフタル酸631部、1,4−ブタンジオール472部、ネオ
ペンチルグリコール447部およびジブチル鉛オキシド0.5
部を仕込み、180〜230℃で5時間エステル化した後、酸
価が1以下となるようにさらに230℃で6時間重縮合反
応させた。ついで120℃まで冷却し、アジピン酸321部、
ジメチロールプロピオン酸268部を加え、70℃に昇温し
て20時間反応させ、ポリエステルポリオールをえた。
このポリエステルポリオール2360部にメチルエチルケ
トン1704部を加えて溶解し、さらにヘキサメチレンジア
ミンジイソシアネート200部を加え、70℃で12時間反応
させた。反応終了後、40℃まで冷却し、10%アンモニア
水332部および所定量の軟水を添加して中和と分散を行
ない、不揮発分35%、粘度80cP、pH8のポリウレタン樹
脂エマルジョンをえた。
製造例3 製造例1と同様の反応装置に、ポリエチレンアジペー
トグリコール400部およびトリレンジイソシアネート76.
6部を仕込み、チッ素気流下に60〜80℃にて1時間反応
させた後、反応系内を冷却し、アトン353部を添加して
溶解させた。ついでN−メチルジエタノールアミン25.6
部を加えてアセトン還流下で遊離ジイソシアネートが消
失するまで反応させた。50℃に冷却し、ジメチル硫酸3
0.2部を添加し、60℃にて1時間反応させた。これに軟
水989部を加えた後、アセトンを減圧下に留去して、不
揮発分35%、粘度55cP、pH6.0のポリウレタン樹脂エマ
ルジョンをえた。
製造例4 製造例1と同様の反応装置に、ポリエチレンブチレン
アジペート700部、ポリオキシプロピレングリコール100
部および4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート200部
を仕込み、チッ素気流下に80〜85℃にて4.5時間反応さ
せた後、末端遊離イソシアネート基を3.5%含有したウ
レタンプレポリマーをえた。該プレポリマー100部に陰
イオン性乳化剤(ノニルフェノールのエチレンオキシド
6モル付加物硫酸エステル塩)2部および非イオン性乳
化剤(ポリオキシプロピレングリコールのエチレンオキ
シド10モル付加物)8部を加えて攪拌し、さらに軟水10
0部を加えて分散させ、さらにピペラジンの13%水溶液1
4部を加えて攪拌して、不揮発分50%、粘度30cP、pH6の
ポリウレタン樹脂エマルジョをえた。
製造例5 製造例1と同様の反応装置に、シクロヘキサノン100
部および37%ホルマリン122部(モル比1:1.7)を仕込
み、チッ素気流下に55〜60℃にて攪拌混合した後、10%
水酸化ナトリウム水溶液22部を徐々に滴下して昇温さ
せ、75〜80℃にて2時間反応させた。該生成物を20%酢
酸水溶液により中和した後、樹脂分をキシレンに溶解
し、水と分離した。ついで減圧濃縮してキシレンを留去
し、軟化点約80℃の樹脂をえた。
該ケトン樹脂100部をトルエン60部で溶解し、ついで
陰イオン性乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダ)3部および軟水160部を加え、75℃にて1時間攪拌
して予備乳化物をえた。これをマントンガウリン社製の
高圧乳化機により300kg/cm2で乳化した後、減圧濃縮し
てトルエンを除去し、不揮発分50%のケトン樹脂エマル
ジョンをえた。
製造例6 製造例5において、ホルマリンの使用量を107部(モ
ル比1:1.3)にかえたほかは同様にして反応、乳化など
を行ない、軟化点65℃、不揮発分50%のケトン樹脂エマ
ルジョンをえた。
製造例7 製造例5において、ホルマリンの使用量を132部(モ
ル比1:1.6)にかえたほかは同様にして反応、乳化など
を行ない、軟化点90℃、不揮発分50%のケトン樹脂エマ
ルジョンをえた。
製造例8 製造例5において、シクロヘキサノンにかえてメチル
エチルケトン72部を用い、かつ37%ホルマリンの使用量
を162部(モル比1:2)に、10%水酸化ナトリウム水溶液
の使用量を15.8部にかえたほかは同様にして反応、乳化
などを行ない、軟化点約80℃、不揮発分50%のケトン樹
脂エマルジョンをえた。
製造例9 製造例5において、ホルマリンの使用量を86.6部(モ
ル比1:1.1)にかえたほかは同様にして反応、乳化など
を行ない、軟化点45℃、不揮発分50%のケトン樹脂エマ
ルジョンをえた。
製造例10 製造例5において、ホルマリンの使用量を140.3部
(モル比1:1.7)にかえたほかは、同様にして反応、乳
化などを行ない、軟化点100℃、不揮発成分50%のケト
ン樹脂エマルジョンをえた。
実施例1 製造例1でえられたポリウレタン樹脂エマルジョン/
製造例5でえられたケトン樹脂エマルジョン(固形分比
率)=45/55となるように配合し、本発明の接着剤組成
物を調製した。
実施例2 製造例1でえられたポリウレタン樹脂エマルジョン/
製造例5でえられたケトン樹脂エマルジョン(固形分比
率)=30/70となるように配合し、本発明の接着剤組成
物を調製した。
実施例3 製造例1でえられたポリウレタン樹脂エマルジョン/
製造例5でえられたケトン樹脂エマルジョン(固形分比
率)=20/80となるように配合し、本発明の接着剤組成
物を調製した。
実施例4 製造例2でえられたポリウレタン樹脂エマルジョン/
製造例5でえられたケトン樹脂エマルジョン(固形分比
率)=45/55となるように配合し、本発明の接着剤組成
物を調製した。
実施例5 製造例3でえられたポリウレタン樹脂エマルジョン/
製造例5でえられたケトン樹脂エマルジョン(固形分比
率)=45/55となるように配合し、本発明の接着剤組成
物を調製した。
実施例6 製造例4でえられたポリウレタン樹脂エマルジョン/
製造例5でえられたケトン樹脂エマルジョン(固形分比
率)=45/55となるように配合し、本発明の接着剤組成
物を調製した。
実施例7 製造例1でえられたポリウレタン樹脂エマルジョン/
製造例6でえられたケトン樹脂エマルジョン(固形分比
率)=30/70となるように配合し、本発明の接着剤組成
物を調製した。
実施例8 製造例1でえられたポリウレタン樹脂エマルジョン/
製造例7でえられたケトン樹脂エマルジョン(固形分比
率)=50/50となるように配合し、本発明の接着剤組成
物を調製した。
実施例9 製造例1でえられたポリウレタン樹脂エマルジョン/
製造例8でえられたケトン樹脂エマルジョン(固形分比
率)=45/55となるように配合し、本発明の接着剤組成
物を調製した。
実施例10 製造例1でえられたポリウレタン樹脂エマルジョン/
製造例9でえられたケトン樹脂エマルジョン(固形分比
率)=15/85となるように配合し、本発明の接着剤組成
物を調製した。
実施例11 製造例1でえられたポリウレタン樹脂エマルジョン/
製造例10でえられたケトン樹脂エマルジョン(固形分比
率)=55/45となるように配合し、本発明の接着剤組成
物を調製した。
比較例1 実施例1において、ケトン樹脂エマルジョンにかえて
ポリテルペン樹脂エマルジョン(安原油脂工業(株)製
のポリテルペン樹脂(軟化点80℃、商品名「YXレジンPx
#800」)の乳化物であり、不揮発分50%のもの)を使
用したほかは実施例1と同様に配合して比較用の接着剤
組成物を調製した。
比較例2 実施例1において、ケトン樹脂エマルジョンにかえて
フェノール樹脂エマルジョン(荒川化学工業(株)製の
フェノール樹脂(軟化点90℃、商品名「タマノル58
4」)の乳化物であり、不揮発分50%のもの)を使用し
たほかは実施例1と同様に配合して比較用の接着剤組成
物を調製した。
比較例3 実施例1において、ケトン樹脂エマルジョンにかえて
C5−C9石油樹脂エマルジョン(日本ゼオン(株)製のC5
−C9石油樹脂(軟化点85℃、商品名「クイントンU−18
5」)の乳化物であり、不揮発分50%のもの)を使用し
たほかは実施例1と同様に配合して比較用の接着剤組成
物を調製した。
比較例4 実施例1において、ケトン樹脂エマルジョンにかえて
水添ロジングリセリンエステルのエマルジョン(荒川化
学工業(株)製の水添ロジングリセリンエステル(軟化
点70℃、商品名「エステルガムH」)の乳化物であり、
不揮発分50%のもの)を使用したほかは実施例1と同様
に配合して比較用の接着剤組成物を調製した。
比較例5 実施例1において、ケトン樹脂エマルジョンを使用せ
ずにポリウレタン樹脂エマルジョンのみを使用した(ブ
ランク)。
(接着試験方法) 各実施例および各比較例でえられた接着剤組成物の性
能は下記試験方法にしたがい評価した。
試験片の作製および接着力の測定(JIS K 6829−11に
準ず) ABS樹脂にアプリケータにより接着剤組成物を塗布
し、70℃で3分間乾燥させ、膜厚70μmの接着剤層をえ
た。ついで、室温で5分間放置し、発泡ポリウレタンフ
ァブリック片(15mm×100mm)を圧着した。圧着から10
分経過後、20℃、300mm/分の条件で180度剥離を行ない
接着力を測定するとともに、剥離時の試験片の表面状態
をも観察した。また、高温時の接着力の測定は、前記圧
着の後の放置時間および測定温度をそれぞれ20分、60℃
としたほかは上記と同様に行なった。
オープンタイムの測定 前記の測定において接着剤層の室温放置時間を1、
3、5、8、10分に変化させ、ついでそれぞれに発泡ポ
リウレタンファブリック片を圧着した。圧着から、10分
経過後、20℃、300mm/分の条件で180度剥離を行ない、
剥離時の各試料片の表面状態を観察した。試料片のうち
材質破壊に至らなくなった試料片の前記室温放置時間を
もってオープンタイムとした。
前記測定結果を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明の水性エマルジョン型接着剤組成物は、従来
の水性エマルジョン型ポリウレタン樹脂組成物と同様に
人工皮革、繊維などの表面処理に使用することができ、
従来の溶解型接着剤組成物と同様に塩化ビニル、ガラ
ス、各種プラスチック基材に対する接着剤として広範囲
に使用することができ、しかもABS樹脂、発泡ウレタ
ンなどの基材に対する接着強度、初期接着力の点で不充
分であった従来の水性エマルジョン型接着剤組成物の欠
点を解消しうるとともにオープンタイムの点でも良好な
ものである。したがって、各種被着体に対する制限がな
く、適用範囲を大幅に拡大することができるなどの顕著
な効果を奏するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子ポリオール、ジイソシアネート化合
    物および鎖伸長剤を反応させてえられるポリウレタン樹
    脂をベースポリマーとする水性エマルジョン型接着剤組
    成物であって、 粘着性付与樹脂としてケトン樹脂エマルジョンを使用し
    たことを特徴とする水性エマルジョン型接着剤組成物。
  2. 【請求項2】ポリウレタン樹脂10〜60重量%(固形分換
    算)とケトン樹脂40〜90重量%(固形分換算)とからな
    る特許請求の範囲第1項記載の水性エマルジョン型接着
    剤組成物。
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