JPH08308260A - 静電アクチュエータ - Google Patents

静電アクチュエータ

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JPH08308260A
JPH08308260A JP11178495A JP11178495A JPH08308260A JP H08308260 A JPH08308260 A JP H08308260A JP 11178495 A JP11178495 A JP 11178495A JP 11178495 A JP11178495 A JP 11178495A JP H08308260 A JPH08308260 A JP H08308260A
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JP
Japan
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layer
electrostatic actuator
stator
substrate
mover
Prior art date
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Withdrawn
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JP11178495A
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Inventor
Maki Katayama
眞樹 片山
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は静電アクチュエータに関し、移動子
の高精度な位置決めが可能な静電アクチュエータの提供
を目的とする。 【構成】 絶縁体1内に配線される複数の帯状電極2を
有する固定子3と、固定子3上に載置され絶縁体層4及
び高抵抗層5を有する移動子6とを備え、帯状電極2に
印加する電圧の切り換えにより移動子6を移動させるよ
うにした静電アクチュエータにおいて、移動子6の固定
子3に対向する面に帯状電極2に対応して複数の溝10
を形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小型の磁気記憶装置に
適した静電アクチュエータに関する。超小型化に適した
新規な磁気記憶装置が提案されており(例えば特開平5
−73850号)、この種の磁気記憶装置における磁気
記憶媒体或いは磁気ヘッドの駆動に適した静電アクチュ
エータの実用化が要望されている。
【0002】
【従来の技術】従来、絶縁体内に配線される複数の帯状
電極を有する固定子と、固定子上に配置され絶縁体層及
び高抵抗層を有する移動子とを備え、帯状電極に印加す
る電圧の切り換えにより移動子を移動させるようにした
静電アクチュエータが知られている(例えば特願平1−
101797号)。
【0003】また、上述した従来の静電アクチュエータ
において、固定子の絶縁体としてはエポキシ樹脂が知ら
れており、移動子としては、ポリエチレンテレフタレー
トのフィルム(絶縁体層)上に帯電防止材(高抵抗層)
を塗布したものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した構成の静電ア
クチュエータにおいては、移動子が絶縁体層及び高抵抗
層を有する必要があることから、移動子として使うこと
ができる材料が限られてしまう。例えば、上述のような
高分子フィルムは一般に柔らかく、磁気記憶装置におけ
る磁気記憶媒体の駆動には適していない。
【0005】また、絶縁体層及び高抵抗層を有する移動
子が一様な形状及び性質を有しているので、固定子の帯
状電極によって誘電される電荷密度の変化が緩やかにな
り、移動子の正確な位置決めが困難であるという問題が
ある。
【0006】よって、本発明の目的は、移動子の高精度
な位置決めが可能な静電アクチュエータを提供すること
にある。本発明の他の目的は、移動子の材料選択の幅を
広げることのできる静電アクチュエータを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によると、絶縁体
内に配線される複数の帯状電極を有する固定子と、該固
定子上に載置され絶縁体層及び高抵抗層を有する移動子
とを備え、上記帯状電極に印加する電圧の切り換えによ
り上記移動子を移動させるようにした静電アクチュエー
タにおいて、上記絶縁体層及び高抵抗層は上記移動子に
おける上記固定子の側にあり、上記移動子の上記固定子
に対向する面に上記帯状電極に対応して複数の溝を形成
したことを特徴とする静電アクチュエータ(第1の構
成)が提供される。
【0008】本発明の他の側面によると、絶縁体内に配
線される複数の帯状電極を有する固定子と、該固定子上
に載置され絶縁体層及び高抵抗層を有する移動子とを備
え、上記帯状電極に印加する電圧の切り換えにより上記
移動子を移動させるようにした静電アクチュエータにお
いて、上記高抵抗層は基板の表面にイオン注入又は熱拡
散により形成される改質層からなり、該改質層、上記絶
縁体層及び上記固定子はこの順に配置されることを特徴
とする静電アクチュエータ(第2の構成)が提供され
る。
【0009】
【作用】本発明の第1の構成によると、移動子における
固定子に対向する面に帯状電極に対応して複数の溝を形
成しているので、溝においては帯状電極による電荷が誘
電されにくくなり、移動子における固定子に対向する面
に誘電される電荷密度の変化が急峻となり、移動子の高
精度な位置決めが可能になる。
【0010】本発明の第2の構成においては、高抵抗層
は基板の表面にイオン注入して形成される改質層からな
り、改質層、絶縁体層及び固定子はこの順に配置されて
いるので、例えば基板としてSi等の半導体材料を用い
ることができ、移動子の材料選択の幅が拡大される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に従って詳
細に説明する。図1は本発明の実施例を示す静電アクチ
ュエータの断面図である。この静電アクチュエータは、
絶縁体1内に配線される複数の帯状電極2を有する固定
子3と、絶縁体層4及び高抵抗層5を有する移動子6と
を備えている。
【0012】絶縁体層4及び高抵抗層5は基板7の下面
にこの順に積層され、基板7の上面には記録層8及び保
護膜9がこの順に積層されている。この実施例では、帯
状電極2は等間隔に配置されており、基板7には溝10
が帯状電極2のピッチと同じピッチで等間隔に形成され
ている。
【0013】絶縁体層4は基板7が導電性を有するとき
に短絡を防ぐためのものであり、高抵抗層5はこの静電
アクチュエータの動作に際して電荷の動きを抑圧するた
めのものである。
【0014】また、記録層8はデータを磁気により記録
するためのものであり、保護膜9は磁気ヘッドによる記
録層8の摩耗を防止するためのものである。基板7の材
質は例えばSiであり、これに異方性のケミカルエッチ
ングを施すことによって、溝10が形成される。溝10
の深さは例えば0.5μm程度であり、ピッチは数μm
程度である。
【0015】溝10が形成された基板7の下面に例えば
スパッタSiO2 膜からなる絶縁体層4を形成し、絶縁
体層4上に例えばダイヤモンドライクカーボンからなる
高抵抗層5を形成する。
【0016】高抵抗層5としてダイヤモンドライクカー
ボンを用いることによって、移動子6及び固定子3の耐
摩耗性を向上させることができる。記録層8は例えばC
oCrPtからなり、保護膜9は例えばダイヤモンドラ
イクカーボンからなる。
【0017】高抵抗層5の厚みは例えばほぼ均一に約1
μmである。ここで、溝10の幅及び深さ、絶縁体層
4、高抵抗層5、記録層8及び保護膜9の厚みは、移動
子6の反りがほぼ0或いはこの静電アクチュエータを駆
動するのに十分小さな値(1μm程度)以下に抑えられ
るように調整される。
【0018】高抵抗層5に要求される抵抗率は、5.3
×105 〜5.3×106 (Ω・m)であることが知ら
れている。高抵抗層5としてダイヤモンドライクカーボ
ンをCVD法により成膜することによって、この範囲の
抵抗率を得ることができる。
【0019】後に説明する他の実施例におけるのと同じ
ように、各電極2へ順次電圧を印加することによって、
移動子6には電荷が誘発され、これによって移動子6が
移動する。
【0020】この実施例においては、基板7に溝10が
形成されており、この溝10に対応する部分には電荷が
誘発されにくくなり、従って移動子6の下面における電
荷密度の変化が急峻となり、移動子6の正確な位置決め
が可能になる。また、溝10、絶縁体層4及び高抵抗層
5を設けたことによる基板7の反りと、記録層8及び保
護膜9を設けたことによる基板7の反りとを容易に釣り
合わせることができるので、移動子6の反りをほぼ0に
することができ、移動子6と固定子3間の距離を均一に
して大きな駆動力を得ることができる。
【0021】さらに、上述のように移動子6の強度を決
定する基板7としてSi等の半導体材料を用いることが
でき、この種の材料の表面粗さは極めて小さくすること
ができるので、本実施例における移動子を後述する磁気
記憶装置における記憶媒体とすることができる。
【0022】図1の例では、移動子6における固定子3
に対向する面にのみ溝10を形成しているが、移動子6
の記録層8及び保護膜9の面にも溝を形成することがで
きる。この場合には、溝以外の部分に磁気記憶用のトラ
ックを形成しておく。
【0023】また、絶縁体層4と高抵抗層5の間の密着
性を向上させるために、これらの間にSiC膜等からな
る密着層を介在させてもよい。さらに、上述の実施例で
は、Siからなる基板7上にスパッタリングによりSi
2 膜からなる絶縁体層4を形成しているが、Si基板
を熱酸化させることによりシリコン酸化膜を得、これを
絶縁体層4としてもよい。熱酸化により得られるシリコ
ン酸化膜からなる絶縁体層は、Si基板との良好な密着
性を有する。
【0024】図2は本発明の静電アクチュエータを適用
可能な磁気記憶装置の斜視図、図3及び図4はそれぞれ
図2に示される記憶ユニットの斜視図及び分解斜視図で
ある。
【0025】この磁気記憶装置11は超小型の記憶手段
として使用されるため、例えばケース12により図示し
ないプリント配線板等に装着することができる。ケース
12は例えば合成樹脂製であり、このケース12の上面
には、凹部12a及び12bが溝12cを介して形成さ
れている。凹部12a内には記憶ユニット13が内蔵さ
れ、凹部12b内には、記憶ユニット13を駆動制御す
る制御回路14及び書き込み信号、読み取り信号等の信
号を処理する信号処理回路15が内蔵されている。
【0026】各回路14及び15は溝12c内に挿通さ
れるケーブル16によって接続される。また、ケース1
2の凹部12a、12bの上部開口には磁気シールドの
ための蓋(図示せず)が装着される。
【0027】記憶ユニット13は、セラミック製の薄板
状の基板17と、複数のデータセル18が形成される磁
気記憶媒体19と、磁気ヘッド20を支持するヘッド支
持体21とを有している。
【0028】図4に示されるように、基板17は、上面
17aの中央に平板状の磁気記憶媒体19が嵌合する長
方形状のガイド溝17bを有している。磁気記憶媒体1
9はその両側をガイド溝17bによりガイドされてY方
向に摺動する。
【0029】また、磁気記憶媒体19の基板19a上に
は、図5に示されるような長方形状のデータセル18が
X方向に例えば9列、Y方向に例えば14列形成されて
いる。各データセル18は、基板19a上に磁性膜を被
覆形成してなり、その表面には円弧状の記憶トラック1
1 ,182 …,18N が磁気記録される。
【0030】この記憶ユニットにおいては、磁気記憶媒
体19がY方向に摺動するだけなので、磁気ディスクを
回転させる装置のようにディスク回転用のモータが不要
であり、部品点数を大幅に減少することができる。
【0031】ヘッド支持体21はセラミック又は金属板
により形成されており、基板17の上面17aに固着さ
れる端部21a,21bと、端部21a,21bよりY
方向に延在するアーム21c,21dと、アーム21
c,21d間に横架される横架部21eと、横架部21
eの中央から磁気記憶媒体19へ向けて延在するヘッド
支持アーム21fとを有している。ヘッド支持アーム2
1fの先端の下面21gには、図6によく示されるよう
に磁気ヘッド20が取り付けられている。
【0032】アーム21c,21d及びヘッド支持アー
ム21fには、後述するX方向の揺動を容易にするため
に、Y方向に延在するスリット21h,21i,21j
が形成されている。ヘッド支持アーム21fは、スリッ
ト21jの両側に平行に延在する一対のアーム21
1 ,21f2 を有し、その上面には、ピエゾセラミッ
クス又はZnO2 等の薄膜状のピエゾ素子22,23が
例えばスパッタリングにより形成されている。
【0033】このピエゾ素子22,23は交流電圧を印
加されて伸縮し、圧縮、伸長を交互に繰り返す。そのた
め、平行に配された一対のピエゾ素子22,23に逆位
相の交流電圧をそれぞれ印加すると、一方のピエゾ素子
22が圧縮応力を発生したとき他方のピエゾ素子23が
引張応力を発生することになる。また、逆に一方のピエ
ゾ素子22が引張応力を発生したとき、他方のピエゾ素
子23が圧縮応力を発生することになる。
【0034】これにより、ヘッド支持アーム21fはA
方向に揺動する。そして、ピエゾ素子22,23に印加
される交流電圧の大きさ、周波数がヘッド支持アーム2
1fの機械共振周波数に合わせて制御されるため、ヘッ
ド支持アーム21fの先端は小電力で一定の振幅(本実
施例ではデータセル18のX方向の幅寸法LX 以上)で
単振動する。
【0035】従って、磁気ヘッド20はデータセル18
の表面のトラック181 〜18N をトレースするように
単振動する。そして、ヘッド支持アーム21fの振動に
電気的に同期を取ることにより、磁気ヘッド20はデー
タセル18に書き込みデータを磁気記録し或いはデータ
セル18に記録されたデータを読み取ることができる。
【0036】磁気ヘッド20がデータセル18の他のト
ラックへ移動する際には、磁気記録媒体19自体がY方
向に移動することになる。即ち、磁気記録媒体19と基
板17のガイド溝17bとの間には、本発明が適用され
る平板型の静電アクチュエータ24が設けられており、
この静電アクチュエータ24の駆動力によって磁気記憶
媒体19はY方向に駆動される。
【0037】この静電アクチュエータ24は、基板17
のガイド溝17bに設けられた固定子24a(例えば図
1の固定子3に対応)と、磁気記憶媒体19側の移動子
24b(例えば図1の移動子6に対応)とを有してい
る。固定子24aが有する帯状電極はこの実施例ではX
方向に細長くY方向に複数配列される。そして、静電ア
クチュエータ24が駆動されると、磁気記憶媒体はY方
向に移動する。そのため、磁気ヘッド20は相対的にデ
ータセル18上をY方向に摺動し、各トラック181
18N をトレースすることができる。
【0038】また、静電アクチュエータ24の駆動力に
より、磁気記憶媒体19が両側をガイド溝17bにガイ
ドされながらY方向の縁部に当接するまで摺動すること
ができるので、磁気ヘッド20は磁気記憶媒体19のY
方向各データセル18に対して磁気記録/再生を行うこ
とができる。
【0039】25はX方向用の平板型静電アクチュエー
タであり、基板17の上面17a側の固定子25aとヘ
ッド支持体21側の移動子25bとを有している。この
固定子25aにおける帯状電極の長手方向はY方向に一
致し、各帯状電極の配列方向はX方向に一致する。
【0040】従って、静電アクチュエータ25によって
ヘッド支持体21を駆動することによって、磁気ヘッド
20はX方向に移動することができる。このように2つ
の静電アクチュエータ24,25を用いることによっ
て、X,Y方向に整列する全てのデータセル18に対し
て磁気記録/再生を用いることができる。
【0041】尚、静電アクチュエータ24の固定子24
aが有する帯状電極のピッチは、例えば、データセル1
8のトラック181 〜18N のピッチと同一またはそれ
よりも小さく設定される。このように本発明の静電アク
チュエータを磁気記録装置に適用した場合、移動子に形
成される特徴的な溝によって移動子の位置決め精度が向
上するので、データセル18のトラック181 〜18N
を高密度に形成することができ、記録密度の高い磁気記
憶装置の提供が可能になる。
【0042】図7は本発明の静電アクチュエータの他の
例を示す側面図である。この静電アクチュエータは、図
1の実施例と対比して、移動子6の構成に特徴を有して
いる。
【0043】即ち、この実施例では基板25の表面にイ
オン注入又は熱拡散により改質層26を形成し、この改
質層26を高抵抗層としている。そして、改質層26上
に絶縁体層27が形成される。従って、改質層26、絶
縁体層27及び固定子3はこの順に位置することとな
る。
【0044】図8は図7の静電アクチュエータの斜視図
である。固定子3における各帯状電極2は、3つの端子
28,29及び30に順次接続されており、端子28,
29及び30に3相の駆動電圧を与えることによって、
移動子6は図8における矢印B方向に移動する。尚、各
帯状電極2の接続形態及び印加電圧の制御に関しては、
前述した先願等によりよく知られているので、その説明
は省略する。
【0045】図9は図7及び図8に示される移動子の製
造工程の一例を説明するための図である。この例では、
(A)に示されるように、板状のSiからなる基板25
を用いる。この基板25に対して(B)に示されるよう
にイオン注入又は熱拡散を施してその表面を改質し、高
抵抗層26を形成する。
【0046】高抵抗層26の望ましい抵抗率の範囲は、
前述した通りである。そして、(C)に示されるように
高抵抗層26上に絶縁体層27を形成して、移動子が得
られる。
【0047】イオン注入技術は、加速したイオンを基板
にその表面から例えば深さ1μmまで打ち込み、その部
分の抵抗率を変えるもので、注入される不純物の濃度に
よって抵抗率を調整することができる。
【0048】図10はSiについて300Kの温度でイ
オン注入を行ったときの抵抗率と不純物濃度との関係を
示すグラフである。イオン注入される不純物に応じてS
iはn型或いはpの高抵抗層となるが、いずれの場合に
おいても抵抗率と不純物濃度は1:1で対応する。
【0049】従って、イオン注入された不純物濃度に応
じて所望の抵抗率を得ることができる。例えば、前述し
た望ましい範囲の抵抗率を得るためには、不純物が10
7 〜108 (cm-3)であればよいことが推察される。
【0050】イオン注入技術に代えて、熱拡散法によっ
て不純物を基板内に導き、基板表面近傍の抵抗率を調整
してもよい。絶縁体層27は例えばAl2 3 からな
り、その比誘電率は約7.8である。この絶縁体層27
はスパッタリングにより形成することができ、その膜厚
は0.5μm程度である。
【0051】絶縁体層27は基板と別体のものを高抵抗
層26上に固着することにより形成してもよいが、次の
ようにして基板と一体に形成することもできる。即ち、
前述したようなイオン注入や熱拡散法により基板表面に
高抵抗層(改質層)を形成したのち、この基板を900
°C程度の高温に加熱して、0.5μm程度の熱酸化膜
或いは熱窒化膜を形成してこれを絶縁体層とするもので
ある。
【0052】或いは、Siからなる基板を熱酸化してそ
の表面にSiO2 からなる絶縁体層を形成し、イオン注
入によってSiO2 等に接するSi層の抵抗率を制御す
ることによって、高抵抗層を形成してもよい。SiO2
の比誘電率は約4であり、この値は絶縁体層に要求され
る条件を満足している。
【0053】また、イオン注入後に基板を熱することは
アニーリングの効果があり、基板の欠陥等をなくすこと
ができる。基板の材質としてはGaAs等の化合物半導
体を用いることもできる。バンドギャップの大きい化合
物半導体においては、一般に、イオン注入による欠陥の
導入により高抵抗層を形成することができるし、アニー
リングにより欠陥を改善して結晶性を向上することがで
きる。
【0054】図11は本発明の静電アクチュエータのさ
らに他の例を示す斜視図である。この実施例は、図7及
び図8の実施例と対比して、絶縁体層が符号27′で示
されるように各帯状電極2に対向するように複数の部分
に分割されている点で特徴付けられる。各帯状電極2は
前実施例におけるのと同様に等間隔に配置されている。
【0055】この構成においては、帯状電極2に3相の
パルス電圧をかけて移動子6が1ステップ移動したとき
に、移動先の帯状電極2に吸引されるのは帯状の絶縁体
層27′のみである。なぜならば、電荷が誘発されるの
は絶縁体層に限られるからである。
【0056】従って、移動子6が1ステップ移動したと
きに、絶縁体層27′と帯状電極2の位置が合う範囲
で、より正確な移動子6の位置決めが可能になる。以上
説明した実施例では、平面矩形状の移動子を想定した
が、円板状の移動子にも本発明を適用可能である。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の構
成によると、移動子の高精度な位置決めが可能な静電ア
クチュエータの提供が可能になるという効果が生じる。
【0058】また、本発明の第2の構成によると、材料
選択の幅を広げることができる静電アクチュエータの提
供が可能になるという効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す静電アクチュエータの断
面図である。
【図2】本発明の静電アクチュエータを適用可能な磁気
記憶装置の斜視図である。
【図3】図2に示される記憶ユニットの斜視図である。
【図4】同記憶ユニットの分解斜視図である。
【図5】データセルを拡大して示す平面図である。
【図6】磁気ヘッドを示す斜視図である。
【図7】本発明の静電アクチュエータの他の例を示す側
面図である。
【図8】図7の静電アクチュエータの斜視図である。
【図9】移動子の製造工程を示す図である。
【図10】抵抗率と不純物濃度の関係の例を示す図であ
る。
【図11】本発明の静電アクチュエータのさらに他の例
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 絶縁体 2 帯状電極 3 固定子 4 絶縁体層 5 高抵抗層 6 移動子 10 溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体内に配線される複数の帯状電極を
    有する固定子と、 該固定子上に載置され絶縁体層及び高抵抗層を有する移
    動子とを備え、 上記帯状電極に印加する電圧の切り換えにより上記移動
    子を移動させるようにした静電アクチュエータにおい
    て、 上記絶縁体層及び高抵抗層は上記移動子における上記固
    定子の側にあり、 上記移動子の上記固定子に対向する面に上記帯状電極に
    対応して複数の溝を形成したことを特徴とする静電アク
    チュエータ。
  2. 【請求項2】 上記帯状電極は等間隔に配置され、上記
    溝は上記帯状電極のピッチと同じピッチで等間隔に配置
    される請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 上記絶縁体層及び高抵抗層は複数の溝が
    形成された基板上にほぼ均一の厚みで積層される請求項
    1記載の静電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 絶縁体内に配線される複数の帯状電極を
    有する固定子と、 該固定子上に載置され絶縁体層及び高抵抗層を有する移
    動子とを備え、 上記帯状電極に印加する電圧の切り換えにより上記移動
    子を移動させるようにした静電アクチュエータにおい
    て、 上記高抵抗層は基板の表面にイオン注入又は熱拡散によ
    り形成される改質層からなり、 該改質層、上記絶縁体層及び上記固定子はこの順に配置
    されることを特徴とする静電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 上記帯状電極は等間隔に配置され、上記
    絶縁体層は上記各帯状電極に対向するように複数の部分
    に分割されている請求項4記載の静電アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 上記基板はSi基板であり、 上記絶縁体層は上記改質層の表層を酸化又は窒化するこ
    とにより形成される請求項4記載の静電アクチュエー
    タ。
JP11178495A 1995-05-10 1995-05-10 静電アクチュエータ Withdrawn JPH08308260A (ja)

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JP11178495A Withdrawn JPH08308260A (ja) 1995-05-10 1995-05-10 静電アクチュエータ

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JP (1) JPH08308260A (ja)

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