JPH08307131A - 窓ガラスアンテナ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サブアンテナからのＡＭ帯の受信信号を、Ａ
Ｍ／ＦＭ帯のメインアンテナ側に伝達するローパスフィ
ルタを形成するインダクタを接続した接続端子を備え
た、低コストで、信頼性の高い窓ガラスアンテナ装置を
提供する。 【構成】 アンテナ３（メインアンテナ）と、防曇用ヒ
ータ線５（サブアンテナ）と、アンテナ３の一端に形成
した給電点３ａと、防曇用ヒータ線５に接続されるバス
バー４の一端に形成した給電点４ａと、給電点３ａに接
続されインダクタ８の一端を接続した接続端子６と、給
電点４ａに接続されインダクタ８の他端を接続した接続
端子７を窓ガラス２ａ上に設けたアンテナ付き窓ガラス
２を備えた窓ガラスアンテナ装置１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は自動車の窓ガラス上に
アンテナを形成してラジオやテレビ放送を受信する窓ガ
ラスアンテナ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】本出願人が特開平６―１７７６２６号公
報で開示したように、従来の窓ガラスアンテナ装置は、
自動車の窓ガラス上に形成された防曇用ヒータ線（サブ
アンテナ）を受信用アンテナの一部として利用し、この
サブアンテナとＡＭ／ＦＭ帯のメインアンテナをローパ
スフィルタを介して連結し、サブアンテナが受信したＡ
Ｍ／ＦＭ帯の受信信号の中からＡＭ帯の受信信号を抽出
し、抽出したＡＭ帯の受信信号をＡＭ／ＦＭ帯のメイン
アンテナ側に伝達するよう構成される。

【０００３】ＡＭ／ＦＭ帯のメインアンテナの給電点
と、防曇用ヒータ線（サブアンテナ）に加熱用電源を供
給するバスバーの一端に形成した給電点には、給電ケー
ブルを介して受信機に受信信号を提供する接続端子がそ
れぞれ１つずつ半田付け等で接続され、２本の給電ケー
ブルの心線間にはローパスフィルタを形成するインダク
タが半田付け等で取付けられる。

【０００４】ＡＭ／ＦＭ帯のメインアンテナからの受信
信号は、サブアンテナからのＡＭ帯の受信信号と合成さ
れてＡＭ帯の信号レベルが増加し、接続端子に接続され
た給電ケーブルを介して外部の受信機に伝達される。

【０００５】一方、サブアンテナからのＦＭ帯の受信信
号は、接続端子に接続された給電ケーブル介して外部の
受信機に伝達される。

【０００６】このように、従来の窓ガラスアンテナ装置
は、サブアンテナが受信したＡＭ帯の受信信号をＡＭ／
ＦＭ帯のメインアンテナに伝達するローパスフィルタを
形成するインダクタが、外部の受信機に受信信号を提供
する２本の給電ケーブルの心線間に半田付け等で接続す
るよう構成される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来の窓ガラスアンテ
ナ装置は、インダクタを給電ケーブルの心線間に取付け
る際、インダクタの両端のリード線を損傷しないように
心線に巻きつけ、心線とリード線の接触性を良好に保持
するよう半田付けを行なうので、取付け作業時間が長く
なる課題がある。

【０００８】また、従来の窓ガラスアンテナ装置は、給
電ケーブルとインダクタを予め接続した２つの接続端子
を、窓ガラス上のアンテナの給電点に半田付けで接続す
る際、接続端子の距離が一定に設定されないので、接続
端子の位置決め調整を行なわなければならず、作業が煩
わしい課題がある。

【０００９】この発明はこのような課題を解決するため
なされたもので、その目的はインダクタを簡単に固定で
きる、接続端子を備えた窓ガラスアンテナ装置を提供す
ることにある。

【００１０】また、窓ガラス上のアンテナの給電点に接
続する場合には、位置決めを容易に行なうことのできる
接続端子を備えた窓ガラスアンテナ装置を提供すること
にある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係る窓ガラスアンテナ装置は、接続端子にロ
ーパスフィルタを形成するインダクタを固定するフィル
タ接続部を備えたことを特徴とする。

【００１２】また、この発明に係る窓ガラスアンテナ装
置は、インダクタの一端に接続した一方の接続端子とイ
ンダクタの他端に接続した他方の接続端子に、これらの
接続端子を所定の距離で固定する固定ガイドを設けたこ
とを特徴とする。

【００１３】

【作用】この発明に係る窓ガラスアンテナ装置は、接続
端子にローパスフィルタを形成するインダクタを固定す
るフィルタ接続部を備えたので、接続端子とインダクタ
の接続作業を短時間で行なうことができる。

【００１４】また、この発明に係る窓ガラスアンテナ装
置は、インダクタの一端に接続した一方の接続端子とイ
ンダクタの他端に接続した他方の接続端子に、これらの
接続端子を所定の距離で固定する固定ガイドを設けたの
で、インダクタ付きの接続端子の運搬および作業時にイ
ンダクタの変形または損傷を防止するとともに、アンテ
ナの給電点との接続の場合には、給電点との位置決めを
速やかに行なうことができる。

【００１５】

【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図１はこの発明に係る窓ガラスアンテナ装
置の構成図である。図１において、窓ガラスアンテナ装
置１は、窓ガラス２ａ上にメインアンテナとしてのアン
テナ３、バスバー４、サブアンテナとしての防曇用ヒー
タ線５を形成したアンテナ付き窓ガラス２を備える。

【００１６】アンテナ３の一端には給電点３ａ、バスバ
ー４の一端には給電点４ａを形成し、給電点３ａと給電
点４ａ間に、例えばアキシャル形状のインダクタ８のそ
れぞれの一端を接続した接続端子６と７を、例えば半田
付けで固定する。

【００１７】接続端子６は給電ケーブル９に、接続端子
７は給電ケーブル１０に接続され、給電ケーブル９と１
０はそれぞれ図示しない受信機に接続される。なお、給
電ケーブル９は接続端子６に、給電ケーブル１０は接続
端子７に予め接続しておいてもよい。

【００１８】アンテナ３、給電点３ａ、４ａの導体パタ
ーンは、例えば銀の微細な粒子、低融点ガラス粉末等を
有機溶媒でペースト状にした導電ペーストを窓ガラス２
ａ上にスクリーン印刷し、さらに焼成して形成する導電
性線条、導電性金属細線、または導電性金属箔等の導電
性部材を用いて形成する。

【００１９】防曇用ヒータ線５は、例えば細いニクロム
線、または銀の導電ペーストを窓ガラス２ａ上にスクリ
ーン印刷し、さらに焼成して形成したヒーター線であ
り、ヒータ線を加熱する電源は、図示しないバッテリか
らチョークコイルを介してバスバー４より供給される。

【００２０】アンテナ３はメインアンテナとしてＡＭ帯
／ＦＭ帯の周波数の受信を行ない、ＡＭ帯／ＦＭ帯の受
信信号を給電点３ａに接続した接続端子６に伝達する。

【００２１】防曇用ヒータ線（サブアンテナ）５はサブ
アンテナとしてＡＭ帯／ＦＭ帯の周波数の受信を行な
い、受信信号をバスバー４に伝達し、伝達された受信信
号は、給電点４ａを介して接続端子７に伝達される。

【００２２】接続端子６のフィルタ接続部６ｅと接続端
子７のフィルタ接続部７ｅ間に、かしめ、または嵌合に
よって接続されたインダクタ８は、給電端子３ａと接地
間の略５０Ωの抵抗とでローパスフィルタを形成し、例
えばＡＭ帯の周波数を通過させるインダクタンス、例え
ば３．９μＨに設定し、サブアンテナ５から接続端子７
に伝達されたＡＭ帯／ＦＭ帯の受信信号の中から、ＡＭ
帯の受信信号のみ抽出し、抽出したＡＭ帯の受信信号を
接続端子６に提供する。

【００２３】アンテナ３からのＡＭ帯の受信信号とサブ
アンテナ５からのＡＭ帯の受信信号は、合成されて信号
レベルが増加し、アンテナ３からのメインのＦＭ帯の受
信信号とともに、接続端子６より給電ケーブル９を介し
て外部の受信機に伝達される。

【００２４】一方、サブアンテナ５からのサブのＦＭ帯
の受信信号は、接続端子７より給電ケーブル１０を介し
て外部の受信機に伝達される。

【００２５】このように、窓ガラスアンテナ装置１は、
アンテナ３がメインアンテナとしてＡＭ／ＦＭ帯の周波
数を受信し、サブアンテナ５はサブアンテナとしてＡＭ
／ＦＭ帯の周波数を受信する。サブアンテナ５が受信し
たＡＭ帯の受信信号は、接続端子７および６に接続され
たインダクタ８により抽出されてアンテナ３側に伝達さ
れ、メインのＡＭ帯の受信信号と合成されて信号レベル
が増加する。

【００２６】合成されたＡＭ帯の受信信号とメインのＦ
Ｍ帯の受信信号は、接続端子６から出力され、サブのＦ
Ｍ帯の受信信号は接続端子７から出力され、それぞれの
受信信号は外部の受信機に提供される。

【００２７】図２はこの発明に係る窓ガラスアンテナ装
置の接続端子の構成図である。図２において、接続端子
６、７は導電性の材料、例えば黄銅で形成してそれぞれ
の脚部６ａ、７ａの近傍にフィルタ接続部６ｅ、７ｅを
備える。

【００２８】フィルタ接続部６ｅ、７ｅは、所定の板厚
で中心軸方向に所定の隙間を設けた円筒形に形成し、ア
キシャル形状のインダクタ８の両端を挿入して治工具等
でかしめて固定する。

【００２９】接続端子６、７の脚部、６ａと６ｂ、７ａ
と７ｂはそれぞれ給電点３ａ、４ａに半田付けで接続を
行ない、接続端子６、７のそれぞれの穴６ｃ、７ｃには
外部の受信機に受信信号を伝達する図１に示す給電ケー
ブル９、１０を接続する。

【００３０】なお、接続端子６、７は、フィルタ接続部
６ｅ、７ｅをそれぞれの脚部６ｂ、７ｂ近傍にも設け、
接続端子６、７を同一形状にしてもよい。

【００３１】給電ケーブル９、１０は、予め接続端子
６、７のそれぞれの穴６ｃ、７ｃに接続しておき、イン
ダクタ８と給電ケーブル９、１０を取付けた接続端子
６、７を給電点３ａ、４ａに接続固定してもよい。

【００３２】図３にこの発明に係る窓ガラスアンテナ装
置の接続端子の別実施例１の構成図を示す。図３におい
て、接続端子１１、１２はそれぞれの脚部１１ａ、１２
ａの近傍にフィルタ接続部１１ｅ、１２ｅを備える。

【００３３】フィルタ接続部１１ｅ、１２ｅは、垂直に
起立させた所定の板厚の嵌合部を設け、この嵌合部の中
央にインダクタ８を嵌合して接続する所定の隙間を形成
した点が、図２に示す接続端子６、７と異なる。

【００３４】フィルタ接続部１１ｅ、１２ｅ、インダク
タ８の接続は、嵌合部の隙間の上方から、インダクタ８
の両端をそれぞれ挿入して加圧することにより行ない、
特に専用の治工具を必要としない。

【００３５】図４にこの発明に係る窓ガラスアンテナ装
置の接続端子の別実施例２の構成図を示す。図４におい
て、接続端子６、７はそれぞれの起立部６ｄ、７ｄに、
例えば絶縁性の硬化樹脂によって両端をそれぞれ二股に
して形成した固定ガイド１３を設けた点が、図２に示す
接続端子６、７と異なる。

【００３６】接続端子６、７の起立部６ｄ、７ｄを固定
ガイド１３の先端の二股部で差込み固定することによ
り、運搬および作業時に接続端子６、７とインダクタ８
が接続部近傍で曲ったり、損傷することを防止すること
ができる。

【００３７】また、接続端子６、７を固定ガイド１３で
固定することで、接続端子６、７の位置決めを同時に行
なうことができ、インダクタ８付きの接続端子６、７を
給電端子３ａ、４ａの位置に合せて速やかに接続するこ
とができる。

【００３８】なお、固定ガイド１３は接続端子６、７を
給電端子３ａ、４ａに接続した後は取外してもよい。ま
た、固定ガイド１３は図３に示す接続端子１１、１２間
に設けてもよい。

【００３９】このように、この発明に係る窓ガラスアン
テナ装置は、接続端子とインダクタを予め接続し、２つ
の接続端子を互いに固定ガイドで固定することにより、
運搬および作業時にその位置関係を保持できるので、ア
ンテナの給電点との位置決めを速やかに行なって接続を
行なうことができる

【００４０】

【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る窓
ガラスアンテナ装置は、接続端子にローパスフィルタを
形成するインダクタを固定するフィルタ接続部を備え、
接続端子とインダクタの接続作業を短時間で行なうこと
ができるので、製造コストの低減を図ることができる。

【００４１】また、この発明に係る窓ガラスアンテナ装
置は、インダクタの一端に接続した一方の接続端子とイ
ンダクタの他端に接続した他方の接続端子に、これらの
接続端子を所定の距離で固定する固定ガイドを設け、イ
ンダクタ付きの接続端子の運搬および作業時にインダク
タの変形または損傷を防止するとともに、アンテナの給
電点との接続の場合には、給電点との位置決めを速やか
に行なうことができるので、歩留りを改善するととも
に、接続作業を短時間で行なうことができる。

【００４２】よって、サブアンテナからのＡＭ帯の受信
信号を、ＡＭ／ＦＭ帯のメインアンテナ側に伝達するイ
ンダクタを接続した接続端子を備えた、低コストで、信
頼性の高い窓ガラスアンテナ装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る窓ガラスアンテナ装置の構成図

【図２】この発明に係る窓ガラスアンテナ装置の接続端
子の構成図

【図３】この発明に係る窓ガラスアンテナ装置の接続端
子の別実施例１の構成図

【図４】この発明に係る窓ガラスアンテナ装置の接続端
子の別実施例２の構成図

【符号の説明】

１…窓ガラスアンテナ装置、２…アンテナ付き窓ガラ
ス、３…アンテナ、４…バスバー、５…防曇用ヒータ線
（サブアンテナ）、６，７，１１，１２…接続端子、８
…インダクタ、９，１０…給電ケーブル、１３…固定ガ
イド、２ａ…窓ガラス、３ａ，４ａ…給電点、６ａ，６
ｂ，７ａ，７ｂ，１１ａ，１１ｂ，１２ａ，１２ｂ…脚
部、６ｃ，７ｃ，１１ｃ，１２ｃ…穴、６ｄ，７ｄ…起
立部、６ｅ，７ｅ，１１ｅ，１２ｅ…フィルタ接続部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 秀俊 大阪府大阪市中央区道修町３丁目５番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 松岡 慶憲 大阪府大阪市中央区道修町３丁目５番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 土居 亮吉 大阪府大阪市中央区道修町３丁目５番11号 日本板硝子株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車の窓ガラス上に導体パターンで形
   成したメインのアンテナと、防曇用ヒータ線で形成した
   サブのアンテナと、これらのアンテナからの受信信号を
   外部の受信機に伝達する給電ケーブルを接続する複数の
   接続端子と、前記サブのアンテナからの前記受信信号を
   周波数選択して前記メインのアンテナ側に伝達するロー
   パスフィルタとを備えた窓ガラスアンテナ装置におい
   て、 前記接続端子は、前記ローパスフィルタを形成するイン
   ダクタを固定するフィルタ接続部を備えたことを特徴と
   する窓ガラスアンテナ装置。
2. 【請求項２】 前記インダクタの一端に接続した前記一
   方の接続端子と前記インダクタの他端に接続した前記他
   方の接続端子に、これらの接続端子を所定の距離で固定
   する固定ガイドを設けたことを特徴とする請求項１記載
   の窓ガラスアンテナ装置。