JPH083046A - 気管支喘息治療剤 - Google Patents

気管支喘息治療剤

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JPH083046A
JPH083046A JP6159322A JP15932294A JPH083046A JP H083046 A JPH083046 A JP H083046A JP 6159322 A JP6159322 A JP 6159322A JP 15932294 A JP15932294 A JP 15932294A JP H083046 A JPH083046 A JP H083046A
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JP
Japan
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compound
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pyrimidine
dione
asthma
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Application number
JP6159322A
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English (en)
Inventor
Kazuto Furukawa
和人 古河
Taisuke Hasegawa
泰介 長谷川
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Nippon Zoki Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Zoki Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】気管支拡張作用を有する即効的な喘息治療剤を
提供することにある。 【構成】一般式(I)で表される化合物又はその薬学的
に許容される塩を有効成分として含有する気管支喘息治
療剤。 〔式中、R1 及びR2 は水素、アルキル基又はベンジル
基を表し、R3 は水素、ヒドロキシ基、又は−NH−X
を表し、Xは水素、ジアルキルアミノメチル基、アルキ
ル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ベンジル基、アシル基
等を表し、R4 は水素、アルキル基、ハロゲン、ニトロ
基、アミノ基、ヒドロキシ基、ベンジルオキシ基、シア
ノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、(ジア
ルキル)アミノスルホニル基、スルホ基等を表し、R5
は水素、アルキル基又はアミノ基を表す。〕 【効果】優れた気管支拡張作用によって喘息発作時の呼
吸困難症状を緩和することができる即効的な本発明気管
支喘息治療剤は、アレルギー性喘息のみならず、内因性
喘息、外因性喘息、塵埃喘息等の種々の気管支喘息の治
療に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピリド〔2,3−d〕
ピリミジン誘導体又はその薬学的に許容しうる塩を有効
成分として含有する気管支喘息治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現代社会においては、例えば自動車の増
加に伴う粉塵等の影響により気管支喘息患者は増え続け
ている。気管支喘息とは、発作時に気管支平滑筋の攣縮
が起こる疾患であり、発作時は大変苦しい呼吸困難の状
態に陥る。発作を起こす誘因によってアトピー型、感染
型及び混合型に分類されているが、一般には化学伝達物
質やその他の因子に対する気道過敏性の亢進等の体質的
素因に後天的な因子が加わり、いわゆる喘息準備状態が
成立し、これに抗原刺激等の誘因が加わって発症するも
のと考えられている。
【0003】気管支喘息に対する薬剤としては、収縮し
た気管支に対して直接的に作用して弛緩させる気管支拡
張剤の他に抗アレルギー剤、去痰剤、副腎皮質ステロイ
ド剤及び抗不安剤等が用いられている。汎用されている
薬剤の一つである抗アレルギー剤とは、アレルギーに関
与するヒスタミン等の化学伝達物質の遊離又は合成を阻
害し、或いはそれらに拮抗する薬剤である。即ち、この
ような抗アレルギー剤は発作時の収縮した気道を拡張し
て呼吸困難を改善する直接的な治療剤ではなく、化学伝
達物質の関与による喘息症状の発症を予防する薬剤とし
て使用されている。これに対して気管支拡張剤は、喘息
発作時の呼吸困難症状をやわらげる即効的な治療剤とし
て用いられている。
【0004】ピリド〔2,3−d〕ピリミジン誘導体の
薬理作用に関しては、抗アレルギー作用を有することが
知られており(特開昭63−45279号公報)、薬理
試験(PCA試験)の記載からも明らかなように、これ
はヒスタミン等の化学伝達物質の遊離抑制作用や拮抗作
用に基づく抗アレルギー作用であることが示されてい
る。本発明者らは、喘息発作時の即効的な治療に有効な
気管支拡張作用を有する物質に関して研究を続けた結
果、ある種のピリド〔2,3−d〕ピリミジン誘導体が
優れた気管支拡張作用を有することを見出し本発明を完
成した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、気管
支拡張作用によって喘息発作時の呼吸困難症状を緩和す
ることができる即効的な気管支喘息治療剤を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明気管支喘息治療剤
において、有効成分として含有されるピリド〔2,3−
d〕ピリミジン誘導体は、次の一般式(I)で表される
化合物である。
【化2】 〔式中、R1 及びR2 は各々同一若しくは異なった水
素、アルキル基又はベンジル基を表し、R3 は水素、ヒ
ドロキシ基、ジアルキルアミノメチレンアミノ基又は−
NH−Xを表し、Xは水素、アルキル基、アルケニル
基、ヒドロキシ基、アミノ基、ヒドロキシアルキル基、
ベンジル基又はアシル基を表し、R4 は水素、アルキル
基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、ベ
ンジルオキシ基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシ
カルボニル基、アルコキシスルホニル基、アミノスルホ
ニル基、ジアルキルアミノスルホニル基又はスルホ基を
表し、R5 は水素、アルキル基又はアミノ基を表す。〕
【0007】上記一般式(I)中、R1 又はR2 におけ
るアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t
−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t
−ペンチル、ヘキシル、ジメチルブチル等の直鎖又は分
枝状の炭素数1乃至6のアルキル基が挙げられる。
【0008】R3 におけるジアルキルアミノメチレンア
ミノ基中のアルキル基としては、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、t−ブチル等の直鎖又は分枝状の炭素数1乃至4
のアルキル基が挙げられる。またR3 の表す−NH−X
中のXにおけるアルキル基としては、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、t−ブチル等の直鎖又は分枝状の炭素数1乃至4の
アルキル基が挙げられ、アルケニル基としては、エテニ
ル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、
2−ブテニル、3−ブテニル、sec−ブテニル等の直
鎖又は分枝状の炭素数2乃至4のアルケニル基が挙げら
れ、ヒドロキシアルキル基としては、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec
−ブチル、t−ブチル等の直鎖又は分枝状の炭素数1乃
至4のアルキル基にヒドロキシ基が置換したヒドロキシ
アルキル基が挙げられ、アシル基としては、ホルミル、
アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、t
−ブチリル等の直鎖又は分枝状の炭素数1乃至4のアシ
ル基及びベンゾイル基が挙げらる。
【0009】R4 におけるアルキル基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル等の直鎖又は分枝状
の炭素数1乃至4のアルキル基が挙げられ、ハロゲンと
してはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、アル
コキシカルボニル基としては、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、
sec−ブトキシ、t−ブトキシ等の直鎖又は分枝状の
炭素数1乃至4のアルコキシ基が結合したカルボニル基
が挙げられ、アルコキシスルホニル基としては、前記直
鎖又は分枝状の炭素数1乃至4のアルコキシ基が結合し
たスルホニル基が挙げられ、又、ジアルキルアミノスル
ホニル基中のアルキル基としては、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、t−ブチル等の直鎖又は分枝状の炭素数1乃至
4のアルキル基を挙げることができる。
【0010】R5 におけるアルキル基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル等の直鎖又は分枝状
の炭素数1乃至4のアルキル基が挙げらる。
【0011】本発明気管支喘息治療剤の有効成分である
前記一般式(I)で表される本発明ピリド〔2,3−
d〕ピリミジン誘導体の好ましい実施態様を以下に挙げ
る。 (1)一般式(I)のR1 及びR2 が各々同一若しくは
異なったアルキル基である化合物。 (2)上記(1)記載の化合物のうち、R5 が水素であ
る化合物。 (3)上記(1)記載の化合物のうち、R5 がアミノ基
である化合物。 (4)上記(2)記載の化合物のうち、R3 が−NH−
Xである化合物。 (5)上記(4)記載の化合物のうち、Xが水素である
化合物。 (6)上記(5)記載の化合物のうち、R4 が水素であ
る化合物。 (7)上記(6)記載の化合物のうち、R1 及びR2
メチル基である化合物。 (8)上記(6)記載の化合物のうち、R1 及びR2
エチル基である化合物。 (9)上記(5)記載の化合物のうち、R4 がハロゲン
である化合物。
【0012】本発明化合物中、特に好ましい化合物は以
下の通りである。 ・1,3−ジメチルピリド〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4−ジオン(化合物1) ・5−アミノ−1,3−ジメチルピリド〔2,3−d〕
ピリミジン−2,4−ジオン(化合物2) ・5−アミノ−1,3−ジエチルピリド〔2,3−d〕
ピリミジン−2,4−ジオン(化合物3) ・5−アミノ−1−イソブチル−3−メチルピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物
4) ・1,3−ジメチル−5−メチルアミノピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物5) ・1,3−ジエチル−5−メチルアミノピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物6) ・5−アリルアミノ−1,3−ジメチルピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物7) ・1,3−ジメチル−5−イソプロピルアミノピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物
8) ・1,3−ジメチル−5−ヒドロキシアミノピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物
9) ・1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピリド〔2,3−
d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物10)
【0013】・1,3−ジメチル−5−(2−ヒドロキ
シエチル) アミノピリド〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4−ジオン(化合物11) ・1,3−ジメチル−5−ヒドロキシピリド〔2,3−
d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物12) ・7−アミノ−1,3−ジメチルピリド〔2,3−d〕
ピリミジン−2,4−ジオン(化合物13) ・6−アミノ−1,3−ジメチルピリド〔2,3−d〕
ピリミジン−2,4−ジオン(化合物14) ・7−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドロキシピリ
ド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物
15) ・1,3−ジメチル−5−tert−ブチルアミノピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物1
6) ・7−アミノ−1−イソブチル−3−メチルピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物1
7) ・5−アミノ−1,3−ジエチル−6−メチルピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物1
8) ・5−アミノ−1,3−ジエチル−6−フルオロピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物1
9) ・5−アミノ−6−ブロモ−1,3−ジエチルピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物2
0)
【0014】・5−アミノ−1,3−ジエチル−6−ヒ
ドロキシピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジ
オン(化合物21) ・1,3−ジエチル−5−イソプロピルアミノ−6−メ
チルピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン
(化合物22) ・1,3−ジエチル−5−ジメチルアミノメチレンアミ
ノ−6−メチルピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,
4−ジオン(化合物23) ・5−アセチルアミノ−1,3−ジエチル−6−メチル
ピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化
合物24) ・5−ベンジルアミノ−1,3−ジエチルピリド〔2,
3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物25) ・1,3−ジエチル−5−イソプロピルアミノピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物2
6) ・5−アミノ−1,3−ジエチル−7−メチルピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物2
7) ・1,3−ジエチル−5−イソプロピルアミノ−7−メ
チルピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン
(化合物28) ・5−アミノピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4
−ジオン(化合物29) ・5−アミノ−3−メチルピリド〔2,3−d〕ピリミ
ジン−2,4−ジオン(化合物30)
【0015】・5−アミノ−3−エチルピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物31) ・5−アミノ−1−メチルピリド〔2,3−d〕ピリミ
ジン−2,4−ジオン(化合物32) ・5−アミノ−1−エチルピリド〔2,3−d〕ピリミ
ジン−2,4−ジオン(化合物33) ・5−アミノ−3−エチル−1−メチルピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物34) ・5−アミノ−1−エチル−3−メチルピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物35) ・5−アミノ−1−ベンジルピリド〔2,3−d〕ピリ
ミジン−2,4−ジオン(化合物36) ・5−アミノ−1−ベンジル−3−メチルピリド〔2,
3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物37) ・5−アミノ−1−ベンジル−3−エチルピリド〔2,
3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物38) ・5−イソプロピルアミノピリド〔2,3−d〕ピリミ
ジン−2,4−ジオン(化合物39) ・5−イソプロピルアミノ−3−メチルピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物40)
【0016】・3−エチル−5−イソプロピルアミノピ
リド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合
物41) ・5−イソプロピルアミノ−1−メチルピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物42) ・1−エチル−5−イソプロピルアミノピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物43) ・3−エチル−5−イソプロピルアミノ−1−メチルピ
リド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合
物44) ・1−エチル−5−イソプロピルアミノ−3−メチルピ
リド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合
物45) ・1−ベンジル−5−イソプロピルアミノピリド〔2,
3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物46) ・1−ベンジル−5−イソプロピルアミノ−3−メチル
ピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化
合物47) ・1−ベンジル−3−エチル−5−イソプロピルアミノ
ピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化
合物48) ・5−ベンジルアミノピリド〔2,3−d〕ピリミジン
−2,4−ジオン(化合物49) ・1−ベンジル−5−ベンジルアミノピリド〔2,3−
d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物50)
【0017】・5−アセチルアミノ−1,3−ジメチル
ピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化
合物51) ・5−ベンゾイルアミノ−1,3−ジメチルピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物5
2) ・1,3−ジメチル−5−ジメチルアミノメチレンアミ
ノピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン
(化合物53) ・5−アセチルアミノ−1,3−ジエチルピリド〔2,
3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物54) ・5−ベンゾイルアミノ−1,3−ジエチルピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物5
5) ・1,3−ジエチル−5−ジメチルアミノメチレンアミ
ノピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン
(化合物56) ・5−アミノ−6−ベンジルオキシ−1,3−ジエチル
ピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化
合物57) ・5−アミノ−6−シアノ−1,3−ジエチルピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物5
8) ・5−アミノ−1,3−ジエチル−6−エトキシカルボ
ニルピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン
(化合物59) ・5−アミノ−6−カルボキシ−1,3−ジエチルピリ
ド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物
60)
【0018】・5−アミノ−1,3−ジエチル−6−メ
トキシスルホニルピリド〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4−ジオン(化合物61) ・5−アミノ−6−アミノスルホニル−1,3−ジエチ
ルピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン
(化合物62) ・5−アミノ−1,3−ジエチル−6−ジエチルアミノ
スルホニルピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−
ジオン(化合物63) ・5−アミノ−1,3−ジエチル−6−スルホピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物6
4) ・5−アミノ−1,3−ジエチル−6−ニトロピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物6
5) ・5,6−ジアミノ−1,3−ジエチルピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合物66) ・7−アミノ−1,3−ジエチルピリド〔2,3−d〕
ピリミジン−2,4−ジオン(化合物67) ・7−アミノ−1,3−ジエチル−6−エトキシカルボ
ニルピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン
(化合物68) ・1,3−ジエチル−5−ホルムアミドピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−2,3−d〕ピリミジン−2,4−
ジオン(化合物69) ・1,3−ジエチル−5−ホルムアミド−6−メチルピ
リド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオン(化合
物70)
【0019】本発明ピリド〔2,3−d〕ピリミジン誘
導体は、前記一般式(I)で表される化合物の薬学的に
許容される塩を包含し、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭
化水素酸、リン酸、過塩素酸、チオシアン酸、ホウ酸、
ギ酸、酢酸、ハロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、
クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、マロ
ン酸、フマール酸、アントラニル酸、安息香酸、ケイ皮
酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、
スルファニル酸等との酸付加塩、或いはナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等
のアルカリ土類金属又はアルミニウム等の金属との塩を
挙げることができる。
【0020】本発明ピリド〔2,3−d〕ピリミジン誘
導体は、その金属錯化合物を包含し、例えば、亜鉛、ニ
ッケル、コバルト、銅、鉄等との錯化合物が挙げられ
る。これらの塩若しくは金属錯化合物は公知の方法によ
り、遊離の本発明ピリド〔2,3−d〕ピリミジン誘導
体より製造でき或いは相互に変換できる。また本発明化
合物においてシス−トランス異性体、光学異性体、配座
異性体等の立体異性体が存在する場合、或いは水和物の
状態で存在する場合においても、本発明はそのいずれの
立体異性体及び水和物をも包含する。
【0021】本発明化合物の製造方法に関しては、特開
昭63−45279号公報記載の方法に従って、或いは
それに準じて製造することができる。尚、本発明を実施
するための参考として、前記公開特許公報に開示されて
いない化合物については、以下の実施例において、それ
らの製造方法及び物性を示した。
【0022】
【実施例】
実施例1. (1)3gの1−ベンジル−5−クロロピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−2,4−ジオンと1gのアジ化ナト
リウムをジメチルホルムアミド(DMF)30mlに溶
解し、室温で10時間攪拌した。反応液を400mlの
水に加え、析出した結晶を濾取して、乾燥後、150m
lのメタノールに溶解し、0.5gの10%パラジウム
−炭素を加え、水素雰囲気下、室温で15時間攪拌し
た。触媒を除去し、濾液を濃縮後、残渣を1N塩酸に溶
解し、クロロホルムで洗浄後水層を20%水酸化ナトリ
ウムで中和した。析出した結晶をクロロホルムにて抽出
し、有機層を濃縮後、得られた結晶をエチルアセテート
から再結晶して1.5gの化合物36を得た。 融点: 291.5-292 ℃ NMR(DMSO-d6): 5.30(s,2H), 6.40(d,1H), 7.16-7.32(m,
5H), 7.62(bs,1H), 7.90(d,1H), 8.19(bs,1H), 11.45(b
s,1H).
【0023】1−置換−、3−置換−又は1,3−ジ置
換−5−クロロピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,
4−ジオンを同様に処理して、以下の化合物を得た。 (化合物32) 融点: >300℃ NMR(DMSO-d6): 3.38(s,3H), 6.39(d,1H), 7.58(bs,1H),
7.94(d,1H), 8.16(bs,1H), 11.33(bs,2H). (化合物33) 融点: >300℃ NMR(DMSO-d6): 1.13(t,3H), 4.12(q,2H), 6.39(d,1H),
7.57(bs,1H), 7.95(d,1H), 8.17(bs,1H), 11.32(bs,1
H). (化合物34) 融点: 211-212 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.14(t,3H), 3.46(s,3H), 3.91(q,2H),
6.42(d,1H), 7.62(bs,1H), 7.95(d,1H), 8.26(bs,1H). (化合物35) 融点: 246-247 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.16(t,3H), 3.24(s,3H), 4.20(q,2H),
6.42(d,1H), 7.60(bs,1H), 7.96(d,1H), 8.25(bs,1H). (化合物37) 融点: 187-188 ℃ NMR(DMSO-d6): 3.26(s,3H), 5.37(s,2H), 6.44(d,1H),
7.16-7.33(m,5H), 7.66(bs,1H), 7.92(d,1H), 8.23(bs,
1H). (化合物38) 融点: 187-188 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.15(t,3H), 3.93(q,2H), 5.37(s,2H),
6.45(d,1H), 7.16-7.3(m,5H), 7.68(bs,1H), 7.90(d,1
H), 8.29(bs,1H).
【0024】(2)5gの5−クロロ−1,3−ジエチ
ルピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオンと
3.5gのイソプロピルアミンをDMF70mlに溶解
し、室温で12時間攪拌した。反応液を氷水に加え、析
出した結晶を濾取して、乾燥後、シリカゲルカラムで精
製して4.9gの化合物26を得た。 融点: 118-119 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.12(t,3H), 1.18 (t,3H), 1.22(d,6H),
3.75-3.88(m,1H), 3.85(q,2H), 4.21(q,2H), 6.41(d,1
H), 7.96(d,1H), 8.91(d,1H), 11.47(bs,1H).
【0025】1−置換−、3−置換−又は1,3−ジ置
換−5−クロロピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,
4−ジオンと種々の置換アミン類を反応させ、同様の方
法で以下の化合物を得た。 (化合物25) 融点: 111-112 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.15(t,3H), 1.17(t,3H), 3.93(q,2H),
4.21(q,2H), 4.56(d,2H), 6.45(d,1H), 7.2-7.4(m,5H),
8.05(d,1H), 9.57(t,1H). (化合物42) 融点: 215.8-216.6 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.22(d,6H), 3.39(s,3H), 3.81(dq,1H),
6.48(d,1H), 8.06(d,1H), 8.99(d,1H), 11.45(bs,1H). (化合物43) 融点: 227-228 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.14(t,3H), 1.21(d,6H), 3.82(dq,1H),
4.13(q,2H), 6.48(d,1H), 8.07(d,1H), 9.00(d,1H), 1
1.43(bs,1H). (化合物44) 融点: 141.0-141.5 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.14(t,3H), 1.23(d,6H), 3.47(s,3H),
3.84(dq,1H), 3.92(q,2H), 6.52(d,1H), 8.08(d,1H),
9.10(d,1H). (化合物45) 融点: 95-96.5 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.16(t,3H), 1.23(d,6H), 3.24(s,3H),
3.84(dq,1H), 4.21(q,2H), 6.51(d,1H), 8.08(d,1H),
9.10(d,1H).
【0026】(化合物46) 融点: 205-206 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.22(d,6H), 3.82(m,1H), 5.31(s,2H),
6.49(d,1H), 7.16-7.33(m,5H), 8.02(d,1H), 9.01(d,1
H), 11.56(bs,1H). (化合物47) 融点: 128-129 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.23(d,6H), 3.26(s,3H), 3.84(dq,1H),
5.39(s,2H), 6.52(d,1H), 7.15-7.33(m,5H), 8.04(d,1
H), 9.12(d,1H). (化合物48) 融点: 136-137 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.15(t,3H), 1.23(d,6H), 3.84(dq,1H),
3.94(q,2H), 5.39(s,2H), 6.52(d,1H), 7.15-7.3(m,5
H), 8.03(d,1H), 9.13(d,1H). (化合物50) 融点: 223.4-224.6 ℃ NMR(DMSO-d6): 4.57(d,2H), 5.31(s,2H), 6.44(d,1H),
7.16-7.42(m,10H), 7.99(d,1H), 9.49(t,1H), 11.59(b
s,1H).
【0027】(化合物51) 融点: 196-197 ℃. (化合物52) 融点: 243-244 ℃. (化合物53) 融点: 149-150 ℃. (化合物54) 融点: 141-142 ℃. (化合物55) 融点: 191-192 ℃. (化合物56) 融点: 100-101 ℃. (化合物69) 融点: 163-164 ℃.
【0028】実施例2.7.5gの化合物46と1gの
10%パラジウム−炭素を600mlの酢酸に加え、5
0℃で15時間攪拌した。反応液に活性炭を加え、30
分間加熱還流後、不溶物を濾過し、濾液を濃縮した。残
渣にエタノールを加え、結晶を濾取し乾燥して5gの化
合物39を得た。 融点: >300℃ NMR(DMSO-d6): 1.21(d,6H), 3.78(dq,1H), 6.39(d,1H),
7.94(d,1H), 8.79(d,1H), 11.18(bs,2H).
【0029】化合物36、37、38、47、48及び
50を同様に処理して、以下の化合物を得た。 (化合物29) 融点: >300℃ NMR(DMSO-d6): 6.30(d,1H), 7.50(bs,1H), 7.84(d,1H),
8.01(bs,1H), 11.69(bs,2H). (化合物30) 融点: >300℃ NMR(DMSO-d6): 3.17(s,3H), 6.34(d,1H), 7.55(bs,1H),
7.83(d,1H), 8.09(bs,1H). (化合物31) 融点 :>300℃ NMR(DMSO-d6): 1.11(t,3H), 3.85(q,2H), 6.33(d,1H),
7.55(bs,1H), 7.83(d,1H), 8.10(bs,1H), 11.38(bs,1
H). (化合物40) 融点: 240.5-241 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.22(d,6H), 3.17(s,3H), 3.81(dq,1H),
6.41(d,1H), 7.96(d,1H), 8.90(d,1H), 11.48(bs,1H). (化合物41) 融点: 249.5-250 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.16(t,3H), 1.22(d,6H), 3.8(dq,1H),
3.85(q,2H), 6.41(d,1H), 7.96(d,1H), 8.9(d,1H). (化合物49) 融点: >300℃ NMR(DMSO-d6): 4.54(d,2H), 6.34(d,1H), 7.22-7.42(m,
5H), 7.92(d,1H), 9.27(t,1H), 11.21(bs,1H), 11.25(b
s,1H).
【0030】実施例3. (1)前記の実施例1(1)における1−ベンジル−5
−クロロピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジ
オンの代わりに、5−クロロ−1,3−ジエチル−6−
メチルピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオ
ンを用いて、実施例1(1)と同様の反応を行って化合
物18を得た。 融点: 178-180 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.14(t,3H), 1.15(t,3H), 2.03(s,3H),
3.93(q,2H), 4.19(q,2H), 7.0(bs,1H), 7.91(s,1H), 8.
67(bs,1H).
【0031】(2)前記の実施例1(2)における5−
クロロ−1,3−ジエチルピリド〔2,3−d〕ピリミ
ジン−2,4−ジオンの代わりに、5−クロロ−1,3
−ジエチル−6−メチルピリド〔2,3−d〕ピリミジ
ン−2,4−ジオンを用いて、実施例1(2)と同様の
反応を行って化合物22を得た。 融点: 119.5-120.0 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.14(t,3H), 1.16(t,3H), 1.20(d,6H),
2.29(s,3H), 3.93(q,2H), 4.19(q,2H), 4.2(dq,1H), 7.
94(s,1H), 9.71(d,1H).
【0032】実施例4.2.3gの化合物3を60ml
のテトラクロロメタンに溶解し、0.76mlのピリジ
ンと1.6gの臭素を加え、1.5時間加熱還流した。
反応液を濃縮後、残渣に水を加え結晶を濾取した。水洗
した後、エタノールから再結晶して3.0gの化合物2
0を得た。 融点: 154-155 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.15(t,3H), 1.18(t,3H), 3.93(q,2H),
4.17(q,2H), 7.18(bs,1H), 8.31(s,1H), 8.94(bs,1H).
【0033】実施例5. (1)3gの化合物18を10mlのDMFに溶解し、
8.3mlのジメチルホルムアミドジメチルアセタール
を加え、110℃で一晩加熱攪拌した。反応液を濃縮
後、残渣にヘキサンを加え、結晶を濾別し、ヘキサンか
ら再結晶して2.8gの化合物23を得た。又、化合物
23をシリカゲルカラムで処理した後、石油エーテルと
ベンゼンの混合溶媒から再結晶して、化合物70を得
た。 (化合物23) 融点: 174-175 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.10(t,3H), 1.18(t,3H), 2.05(s,3H),
3.01(s,6H), 3.89(q,2H), 4.25(q,2H), 7.40(s,1H), 8.
19(s,1H). (化合物70) 融点: 142-143 ℃.
【0034】(2)2gの化合物18を20mlの無水
酢酸に加え、一晩加熱還流した。充分放冷した後、析出
した結晶をエーテルを加えて濾別し、エタノールから再
結晶して1.6gの化合物24を得た。 融点: 157-158 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.12(t,3H), 1.25(t,3H), 2.14(s,3H),
2.20(s,3H), 3.91(q,2H), 4.30(q,2H), 8.79(s,1H).
【0035】実施例6. (1)前記の実施例1(1)における1−ベンジル−5
−クロロピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジ
オンの代わりに、1,3−ジエチル−7−メチル−5−
(p−トルエンスルホニルオキシ)ピリド〔2,3−
d〕ピリミジン−2,4−ジオンを用いて、実施例1
(1)と同様の反応を行って化合物27を得た。 融点: 198.5-199.0 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.13(t,3H), 1.16(t,3H), 2.27(s,3H),
3.91(q,2H), 4.19(q,2H), 6.28(s,1H), 7.48(bs,1H),
8.16(bs,1H).
【0036】(2)前記の実施例1(2)において、5
−クロロ−1,3−ジエチルピリド〔2,3−d〕ピリ
ミジン−2,4−ジオンの代わりに、1,3−ジエチル
−7−メチル−5−(p−トルエンスルホニルオキシ)
ピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオンを用
いて、実施例1(2)と同様の反応を行って化合物28
を得た。 (化合物28) 融点: 92-93 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.13(t,3H), 1.16(t,3H), 1.22(d,6H),
2.34(s,3H), 3.82(dq,1H), 3.91(q,2H), 4.20(q,2H),
6.40(s,1H), 8.99(d,1H).
【0037】実施例7.6.2gの5−クロロ−1,3
−ジエチル−6−フルオロピリド〔2,3−d〕ピリミ
ジン−2,4−ジオンと50mlの28%水酸化アンモ
ニウムを簡易重合装置中において150℃で2時間加熱
した。冷却後、クロロホルムで抽出し、硫酸ナトリウム
で乾燥後溶媒を留去した。得られた結晶をエタノールか
ら再結晶して4.5gの化合物19を得た。 融点: 201-202 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.15(t,3H), 1.16(t,3H), 3.92(q,2H),
4.18(q,2H), 7.69(bs,1H), 8.17(d,1H), 8.31(bs,1H). 5−クロロ−1,3−ジエチル−6−ベンジルオキシピ
リド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4−ジオンを上記
製法と同様に処理して、化合物57を得た。 融点: 213-215 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.14(t,3H), 1.15(t,3H), 3.92(q,2H),
4.16(q,2H), 5.19(s,1H), 6.9-7.0(bs,1H), 7.3-7.6(m,
5H), 7.94(s,1H), 8.3-8.4(bs,1H).
【0038】実施例8.5gの化合物57を300ml
のメタノールに懸濁し、500mgの10%パラジウム
−炭素の存在下、室温で接触還元を行った。約1時間
後、ベンジルオキシ体(化合物57)の結晶が消失した
ら触媒を除去し、溶媒を留去した。残渣の結晶をエタノ
ールから再結晶して1.4gの化合物21を得た。 融点: 213-215 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.14(t,3H), 1.15(t,3H), 3.92(q,2H),
4.16(q,2H), 6.5-7.0(bs,1H), 7.71(bs,1H), 7.9-8.3(b
s,1H), 9.63(s,1H).
【0039】実施例9.4.2gのシアン化カリウムと
0.7gの二酢酸パラジウム及び3.3gのトルフェニ
ルホスフィンに30mlのDMFを加え、アルゴン雰囲
気下室温で30分攪拌した後、10gのブロモ体(化合
物20)のDMF溶液20mlを加えた。反応液を90
℃で24時間攪拌後、氷水中に注ぎ酢酸エチルで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を留去し残渣をシリカゲルカラムで精製し
た後、ベンゼンから再結晶して3.5gの化合物58を
得た。 融点: 193-195 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.15(t,3H), 1.17 (t,3H), 3.92(q,2H),
4.20(q,2H), 8.04(bs,1H), 8.54(s,1H), 9.06(bs,1H).
【0040】実施例10. (1)1gの5−アミノ−1,3ジエチル−6−エトキ
シカルボニル−7−メチルチオピリド〔2,3−d〕ピ
リミジン−2,4−ジオンのエタノール溶液にラネーニ
ッケルを加え、5時間加熱還流した。セライトを用いて
触媒を除いた濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムで
精製して得た結晶をエタノールから再結晶して6.0g
の化合物59を得た。 融点: 144-145 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.16(t,3H), 1.18(t,3H), 1.32(t,3H),
3.93(q,2H), 4.23(q,2H), 4.30(q,2H), 8.49(d,1H), 7.
86(s,1H), 9.36(d,1H).
【0041】(2)0.56gの化合物59を10ml
のエタノール、1gの水酸化カリウム及び10mlの水
の混合物に加え10分間加熱還流した。反応液を酢酸で
酸性とし、析出した結晶を濾取後、水洗して0.46g
の化合物60を得た。 融点: 264-266 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.16(t,3H), 1.18(t,3H), 1.32(t,3H),
3.93(q,2H), 4.23(q,2H), 8.70(d,1H), 8.72(s,1H), 9.
28(d,1H).
【0042】実施例11. (1)1gの化合物3を3mlのクロロ硫酸に加え10
0℃で2時間攪拌した。反応液を氷水に加え、析出した
結晶を濾取後、水洗して1.1gの5−アミノ−6−ク
ロロスルホニル−1,3−ジエチルピリド〔2,3−
d〕ピリミジン−2,4−ジオンを得た。 (2)3gの上記生成物を30mlのテトラヒドロフラ
ン及び20mlのメタノールに溶解し、300mgのナ
トリウム及び10mlのメタノールから調製したナトリ
ウムメトキシド溶液を加え、30分間攪拌した。反応液
に酢酸を加え酸性とした後、溶媒を留去した。残渣に水
を加えクロロホルムで抽出し、有機層を硫酸ナトリウム
で乾燥した後溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラム
で精製後、メタノールから再結晶して2.1gの化合物
61を得た。 融点: 156-157 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.16(t,3H), 1.20(t,3H), 3.77(s,3H),
3.93(q,2H), 4.24(q,2H), 7.28(bs,1H), 8.55(s,1H),
9.51(bs,1H).
【0043】(3)同様に上記(1)の生成物をアンモ
ニア、ジエチルアンモニウム、水酸化ナトリウムで処理
して、化合物62、63及び64を各々得た。 (化合物62) 融点: 236-238 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.16(t,3H), 1.18(t,3H), 3.94(q,2H),
4.22(q,2H), 7.19(bs,1H), 7.61(bs,2H), 8.50(s,1H),
9.41(bs,1H). (化合物63) 融点: 168-169 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.07(tx2,3Hx2), 1.15(t,3H), 1.19(t,3
H), 3.25(qx2,2Hx2), 3.92(q,2H), 4.23(q,2H), 7.34(b
s,1H), 8.49(s,1H), 9.39(bs,1H). (化合物64) 融点: >320℃ NMR(DMSO-d6): 1.13(t,3H), 1.15(t,3H), 3.92(q,2H),
4.19(q,2H), 7.46(d,1H), 8.30(s,1H), 8.87(d,1H).
【0044】実施例12. (1)40mlの硝酸と40mlの濃硫酸の混合液を氷
浴で冷却し、10gの化合物3を加えた。反応液を室温
に戻して1時間攪拌し、さらに50℃で1時間攪拌した
後、氷水に加えクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸
ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して得た結晶をメタノ
ールから再結晶して9.1gの1,3−ジエチル−5−
ニトロアミノピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2,4
−ジオンを得た。 (2)5.3gの上記生成物を20mlの硫酸に溶解
し、50℃で3時間攪拌した。反応液を氷水に加え28
%アンモニア水で中和した後、クロロホルムで抽出し
た。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去し、得
られた粗結晶をメタノールから再結晶して3.3gの化
合物65を得た。 融点: 169-170 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.17(t,3H), 1.20(t,3H), 3.94(q,2H),
4.26(q,2H), 8.81(bs,1H), 9.15(s,1H), 9.94(bs,1H).
【0045】(3)2.9gの化合物65を60mlの
酢酸エチルに溶かし0.5gの10%パラジウム−炭素
を加え、水素雰囲気下室温で1時間攪拌した。セライト
を用いて触媒を除去した濾液を濃縮し、析出した結晶を
メタノールから再結晶して1.6gの化合物66を得
た。 融点: 198-199 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.14(tx2,3Hx2), 3.92(q,2H), 4.15(q,2
H), 4.62(bs,1H), 7.64(s,1H), 6.5-8.5(bs,2H).
【0046】実施例13.6−アミノ−5−ホルミル−
1,3−ジエチルウラシルを特開昭63−45279号
公報における実施例5と同様に処理して、化合物67を
得た。 融点: 203-204 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.13(t,3H), 1.19(t,3H), 3.91(q,2H),
4.18(q,2H), 6.32(b,1H), 7.20(bs,2H), 7.88(d,1H).
【0047】実施例14.3.0gの6−アミノ−1,
3−ジエチルウラシルと3.4gのエチル2−エトキシ
メチレン−2−シアノアセテートを、アルゴン雰囲気下
170℃で1時間攪拌した。冷却後メタノールを加え結
晶を濾取し、乾燥して得られた混合物をフラシュカラム
で精製した後エタノールから再結晶して化合物68を得
た。 融点: 203-204.5 ℃ NMR(DMSO-d6): 1.13(t,3H), 1.20(t,3H), 1.34(t,3H),
3.89(q,2H), 4.16(q,2H), 4.29(q,2H), 7.98(bs,1H),
8.12(bs,1H), 8.52(s,1H).
【0048】
【作用】次に本発明ピリド〔2,3−d〕ピリミジン誘
導体の気管支拡張作用について詳細に説明する。モルモ
ットを放血致死させ、気管を摘出し、気管軟骨に沿って
切開した幅約1mmの気管切片の4つを絹糸にて連結し
たものを気管平滑筋標本とした。標本はタイロード液を
満たし、酸素95%と二酸化炭素5%の混合ガスを通気
した5mlのマグヌス槽内(31℃)に約0.5gの張力
を負荷して懸垂した。0.5〜1時間放置してベースラ
インが安定となった後、ヒスタミン二塩酸塩を作用さ
せ、その等張性収縮をアイソトニック・トランスデュー
サーを介して記録した。
【0049】被験薬の気管支拡張作用の検討は、収縮剤
による持続的収縮反応に対する弛緩作用を指標にした。
すなわち、10-4Mのヒスタミン二塩酸塩による平滑筋
の持続的収縮反応が一定に達した後、被験薬を10-5
濃度で作用させ、持続的収縮高に対する弛緩率を求め、
この弛緩率の強さで活性を評価した。ヒスタミン二塩酸
塩を作用させたときの収縮気管支平滑筋の長さで、被験
薬を作用させ弛緩した長さを除した値を弛緩率とした。
【0050】以下の表1に実験結果の一例を示す。
【表1】
【0051】
【効果】以上の薬理実験の結果から明らかなように、本
発明ピリド〔2,3−d〕ピリミジン誘導体は優れた気
管支拡張作用を有する。ピリド〔2,3−d〕ピリミジ
ン誘導体については前述したとおり抗アレルギー作用を
有することが知られているが、この作用はヒスタミン等
の化学伝達物質の関与による喘息症状の発症を抑え予防
できるが、収縮した気管支を拡張して喘息の呼吸困難を
治療することはできない。即ち、本発明は、収縮した気
管平滑筋に直接的に作用して弛緩させ、喘息発作時の呼
吸困難症状をやわらげる即効的な治療剤を提供するもの
であり、アレルギー性喘息のみならず、内因性喘息、外
因性喘息、塵埃喘息等の種々の気管支喘息の治療に用い
ることができる気管支拡張剤として有用性が高いもので
ある。
【0052】
【実施例】本発明化合物は、適当な医薬用の担体若しく
は希釈剤と組み合わせて医薬とすることができ、通常の
如何なる方法によっても製剤化でき、経口又は非経口投
与するための固体、半固体、液体又は気体の剤形に処方
することができる。処方にあたっては、本発明化合物を
その薬学的に許容しうる塩の形で用いてもよく、本発明
化合物を単独で若しくは適宜組み合わせて用いることが
でき、又、他の医薬活性成分との配合剤としてもよい。
【0053】経口投与製剤としては、そのまま或いは適
当な添加剤、例えば乳糖、マンニット、トウモロコシデ
ンプン、バレイショデンプン等の慣用の賦形剤と共に、
結晶セルロース、セルロース誘導体、アラビアゴム、ト
ウモロコシデンプン、ゼラチン等の結合剤、トウモロコ
シデンプン、バレイショデンプン、カルボキシメチルセ
ルロースカリウム等の崩壊剤、タルク、ステアリン酸マ
グネシウム等の滑沢剤、その他増量剤、湿潤化剤、緩衝
剤、保存剤、香料等を適宜組み合わせて錠剤、散剤、顆
粒剤或いはカプセル剤とすることができる。
【0054】注射剤としては、水性溶剤又は非水性溶
剤、例えば注射用蒸溜水、生理食塩水、リンゲル液、植
物油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸エステル、プ
ロピレングリコール等の溶液若しくは懸濁液とすること
ができる。また患者の状態や疾患の種類に応じて、その
治療に最適な上記以外の剤形、例えば吸入剤、エアゾー
ル剤、坐剤、軟膏、パップ剤、点眼剤等に適宜製剤化す
ることが可能である。
【0055】本発明化合物の望ましい投与量は、投与対
象、剤形、投与方法、投与期間等によって変わるが、所
望の効果を得るには、一般の成人に対して通常1日に1
乃至1000mg、好ましくは5乃至500mgを1回
乃至数回に分けて経口投与することができる。また注射
剤等の非経口投与の場合、吸収等の影響により、前記経
口投与量の3乃至10分の1の用量レベルの投与量が好
ましい。
【0056】以下に本発明化合物を有効成分として含有
する医薬組成物の処方例を示すが、本発明はこれによっ
て限定されるものではない。
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されるピリド〔2,3
    −d〕ピリミジン誘導体又はその薬学的に許容される塩
    の少なくとも一種を有効成分として含有する気管支喘息
    治療剤。 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は各々同一若しくは異なった水
    素、アルキル基又はベンジル基を表し、R3 は水素、ヒ
    ドロキシ基、ジアルキルアミノメチレンアミノ基又は−
    NH−Xを表し、Xは水素、アルキル基、アルケニル
    基、ヒドロキシ基、アミノ基、ヒドロキシアルキル基、
    ベンジル基又はアシル基を表し、R4 は水素、アルキル
    基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、ベ
    ンジルオキシ基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシ
    カルボニル基、アルコキシスルホニル基、アミノスルホ
    ニル基、ジアルキルアミノスルホニル基又はスルホ基を
    表し、R5 は水素、アルキル基又はアミノ基を表す。〕
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