JPH08304641A - 光ファイバーおよびその製造方法 - Google Patents
光ファイバーおよびその製造方法Info
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- JPH08304641A JPH08304641A JP7128865A JP12886595A JPH08304641A JP H08304641 A JPH08304641 A JP H08304641A JP 7128865 A JP7128865 A JP 7128865A JP 12886595 A JP12886595 A JP 12886595A JP H08304641 A JPH08304641 A JP H08304641A
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- optical fiber
- resin
- rubber
- meth
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- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱性に優れ、屈曲性・柔軟性にも優れた光
ファイバーを得る。 【構成】 コア材が熱変形温度120℃以上の透明樹脂
からなる光ファイバーをゴム系被覆材で被覆してなるこ
とを特徴とする光ファイバーならびにコア材が熱変形温
度120℃以上の透明樹脂からなる光ファイバーの外側
にゴム質重合体および架橋剤からなる組成物を被覆し、
加熱することを特徴とする光ファイバーの製造方法。
ファイバーを得る。 【構成】 コア材が熱変形温度120℃以上の透明樹脂
からなる光ファイバーをゴム系被覆材で被覆してなるこ
とを特徴とする光ファイバーならびにコア材が熱変形温
度120℃以上の透明樹脂からなる光ファイバーの外側
にゴム質重合体および架橋剤からなる組成物を被覆し、
加熱することを特徴とする光ファイバーの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れ、屈曲性
・柔軟性にも優れた光ファイバーに関するものである。
・柔軟性にも優れた光ファイバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コア部やクラッド部が透明樹脂からなる
光ファイバーは、軽量であり屈曲性・柔軟性に優れ、ま
た加工性にも優れているので、現在では自動車内光伝送
用途、OA機器用途、FA(ファクトリーオートメーシ
ョン)機器用途などに用いられている。このような光フ
ァイバーは通常その周りに樹脂製被覆材を被覆してなる
光ファイバーの形で用いられるが、従来このような形の
光ファイバーには耐熱性や屈曲性・柔軟性の点で問題が
あった。例えば樹脂製光ファイバーを被覆する場合、通
常被覆温度が120〜160℃前後またはそれ以上の高
温で被覆されるため、この高温の樹脂製被覆材により光
ファイバーが加熱されてしまい、結果として光伝送特性
の劣化を引き起こすことが多かった。これは、従来の光
ファイバーが主にポリメチルメタクリレートやポリスチ
レン、ポリカーボネートなどの透明樹脂からなるもので
あり、これらの透明樹脂の熱変形温度が低いために、高
温で樹脂を被覆することにより光ファイバーが熱変形を
起こすことによる。したがって、このような光ファイバ
ーの光伝送特性を損ねないために被覆材の溶融温度を低
くする必要があり、使用できる被覆材もポリエチレンや
ポリ塩化ビニルなどごく限られていた。このような樹脂
は耐熱性に劣るだけでなく屈曲性・柔軟性にもかけたも
のであり、光ファイバーの用途範囲を著しく妨げるもの
であった。
光ファイバーは、軽量であり屈曲性・柔軟性に優れ、ま
た加工性にも優れているので、現在では自動車内光伝送
用途、OA機器用途、FA(ファクトリーオートメーシ
ョン)機器用途などに用いられている。このような光フ
ァイバーは通常その周りに樹脂製被覆材を被覆してなる
光ファイバーの形で用いられるが、従来このような形の
光ファイバーには耐熱性や屈曲性・柔軟性の点で問題が
あった。例えば樹脂製光ファイバーを被覆する場合、通
常被覆温度が120〜160℃前後またはそれ以上の高
温で被覆されるため、この高温の樹脂製被覆材により光
ファイバーが加熱されてしまい、結果として光伝送特性
の劣化を引き起こすことが多かった。これは、従来の光
ファイバーが主にポリメチルメタクリレートやポリスチ
レン、ポリカーボネートなどの透明樹脂からなるもので
あり、これらの透明樹脂の熱変形温度が低いために、高
温で樹脂を被覆することにより光ファイバーが熱変形を
起こすことによる。したがって、このような光ファイバ
ーの光伝送特性を損ねないために被覆材の溶融温度を低
くする必要があり、使用できる被覆材もポリエチレンや
ポリ塩化ビニルなどごく限られていた。このような樹脂
は耐熱性に劣るだけでなく屈曲性・柔軟性にもかけたも
のであり、光ファイバーの用途範囲を著しく妨げるもの
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題に基
づいてなされたものであり、耐熱性および屈曲性・柔軟
性にすぐれた光ファイバーを提供することを目的とする
ものである。
づいてなされたものであり、耐熱性および屈曲性・柔軟
性にすぐれた光ファイバーを提供することを目的とする
ものである。
【課題を解決する手段】本発明は、コア材が熱変形温度
120℃以上の透明樹脂からなる光ファイバーをゴム系
被覆材被覆してなる光ファイバーおよびコア材が熱変形
温度120℃以上の透明樹脂からなる光ファイバーの外
側にゴム質重合体および架橋剤からなる組成物を被覆
し、加熱することを特徴とする光ファイバーの製造方法
を提供するものである。
120℃以上の透明樹脂からなる光ファイバーをゴム系
被覆材被覆してなる光ファイバーおよびコア材が熱変形
温度120℃以上の透明樹脂からなる光ファイバーの外
側にゴム質重合体および架橋剤からなる組成物を被覆
し、加熱することを特徴とする光ファイバーの製造方法
を提供するものである。
【0004】本発明に用いられる光ファイバーのコア材
として使用する透明樹脂は、透明樹脂の熱変形温度が1
20℃以上のものである。このような透明樹脂としては
例えば耐熱性アクリル樹脂、熱硬化シリコーン樹脂、熱
可塑性ノルボルネン系樹脂からなる光ファイバーなどを
用いることができる。本発明に用いられる耐熱性アクリ
ル樹脂は、熱変形温度が120℃以上、好ましくは14
0℃以上のものであり、このようなアクリル樹脂の例と
しては架橋性(メタ)アクリル系単量体もしくは架橋性
(メタ)アクリル系単量体を含有する(メタ)アクリル
系単量体組成物を光または熱をかけることにより架橋硬
化させたものが挙げられる。
として使用する透明樹脂は、透明樹脂の熱変形温度が1
20℃以上のものである。このような透明樹脂としては
例えば耐熱性アクリル樹脂、熱硬化シリコーン樹脂、熱
可塑性ノルボルネン系樹脂からなる光ファイバーなどを
用いることができる。本発明に用いられる耐熱性アクリ
ル樹脂は、熱変形温度が120℃以上、好ましくは14
0℃以上のものであり、このようなアクリル樹脂の例と
しては架橋性(メタ)アクリル系単量体もしくは架橋性
(メタ)アクリル系単量体を含有する(メタ)アクリル
系単量体組成物を光または熱をかけることにより架橋硬
化させたものが挙げられる。
【0005】架橋性単量体の例としては、ジエチレング
リコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、2−ビス[4−アクリロキシ
エトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−メタ
クリロキシエトキシフェニル]プロパンなどの多官能
(メタ)アクリル系単量体;2,2−ビス[4−メタク
リロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル]プロパ
ン、トリメチロールプロパントリ(α−フルオロアクリ
レート)、トリメチロールプロパントリ(α−クロロア
クリレート)、トリメチロールプロパントリ(α−ブロ
モアクリレート)などのハロゲン原子を含有する多官能
(メタ)アクリル系単量体などが挙げられる。また、こ
れら架橋性単量体と共重合することのできる(メタ)ア
クリル系単量体の例としてはメチルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、イソブチルアクリ
レート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアク
リレート、tert−ブチルメタアクリレート、フェニルア
クリレート、フェニルメタアクリレート、ベンジルアク
リレート、ベンジルメタアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリブロモフェニ
ルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレートな
どの単官能性(メタ)アクリル系単量体などが挙げられ
る。このような架橋性(メタ)アクリル系単量体または
その組成物から光ファイバーを得る方法の例としてクラ
ッド材のチューブなどに上記架橋性(メタ)アクリル系
単量体もしくはこれと共重合可能な(メタ)アクリル系
単量体との組成物を注入充填し、熱あるいは紫外線など
の光により硬化させる方法を挙げることができる。
リコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、2−ビス[4−アクリロキシ
エトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−メタ
クリロキシエトキシフェニル]プロパンなどの多官能
(メタ)アクリル系単量体;2,2−ビス[4−メタク
リロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル]プロパ
ン、トリメチロールプロパントリ(α−フルオロアクリ
レート)、トリメチロールプロパントリ(α−クロロア
クリレート)、トリメチロールプロパントリ(α−ブロ
モアクリレート)などのハロゲン原子を含有する多官能
(メタ)アクリル系単量体などが挙げられる。また、こ
れら架橋性単量体と共重合することのできる(メタ)ア
クリル系単量体の例としてはメチルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、イソブチルアクリ
レート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアク
リレート、tert−ブチルメタアクリレート、フェニルア
クリレート、フェニルメタアクリレート、ベンジルアク
リレート、ベンジルメタアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリブロモフェニ
ルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレートな
どの単官能性(メタ)アクリル系単量体などが挙げられ
る。このような架橋性(メタ)アクリル系単量体または
その組成物から光ファイバーを得る方法の例としてクラ
ッド材のチューブなどに上記架橋性(メタ)アクリル系
単量体もしくはこれと共重合可能な(メタ)アクリル系
単量体との組成物を注入充填し、熱あるいは紫外線など
の光により硬化させる方法を挙げることができる。
【0006】本発明に用いられる熱硬化シリコーン樹脂
は、例えば公知のビニルアルキルシロキサンを白金触媒
の存在下にヒドロシリル反応させることによって得られ
るものである。熱硬化シリコーン樹脂から光ファイバー
を得るには、例えば特開昭60−42712号公報、特
開昭60−43613号公報、特開昭61−59303
号公報、特開昭63−121004号公報、特開平2−
111903号公報、特開平4−84108号公報、特
開平4−157402号公報などに開示されている技術
をもちいることができ、具体例としてクラッド材のチュ
ーブなどに上記ビニルアルキルシロキサンと白金触媒の
混合物を圧入し、加熱重合することにより形成される。
上記のアクリル樹脂または熱硬化シリコーンから光ファ
イバーを得るために用いられるクラッド材には公知の樹
脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ポリビニルフ
ルオライド、ポリビニリデンフルオライド共重合体、ポ
リアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、
ポリアルキルシロキサンゴムなどを用いることができ
る。
は、例えば公知のビニルアルキルシロキサンを白金触媒
の存在下にヒドロシリル反応させることによって得られ
るものである。熱硬化シリコーン樹脂から光ファイバー
を得るには、例えば特開昭60−42712号公報、特
開昭60−43613号公報、特開昭61−59303
号公報、特開昭63−121004号公報、特開平2−
111903号公報、特開平4−84108号公報、特
開平4−157402号公報などに開示されている技術
をもちいることができ、具体例としてクラッド材のチュ
ーブなどに上記ビニルアルキルシロキサンと白金触媒の
混合物を圧入し、加熱重合することにより形成される。
上記のアクリル樹脂または熱硬化シリコーンから光ファ
イバーを得るために用いられるクラッド材には公知の樹
脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ポリビニルフ
ルオライド、ポリビニリデンフルオライド共重合体、ポ
リアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、
ポリアルキルシロキサンゴムなどを用いることができ
る。
【0007】本発明に用いられる熱可塑性ノルボルネン
樹脂は、その繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有す
るものである。例えばこの熱可塑性樹脂としては、一般
式(I)〜(IV)で表されるノルボルナン骨格を含む
ものである。
樹脂は、その繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有す
るものである。例えばこの熱可塑性樹脂としては、一般
式(I)〜(IV)で表されるノルボルナン骨格を含む
ものである。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】(式中、A、B、CおよびDは、水素原子
または1価の有機基を示す。)
または1価の有機基を示す。)
【0013】本発明において使用することのできるノル
ボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂としては、例えば特
開昭60−168708号公報、特開昭62−2524
06号公報、特開昭62−252407号公報、特開平
2−133413号公報、特開昭63−145324号
公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−2
40517号公報、特公昭57−8815号公報などに
記載されている樹脂などを挙げることができる。
ボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂としては、例えば特
開昭60−168708号公報、特開昭62−2524
06号公報、特開昭62−252407号公報、特開平
2−133413号公報、特開昭63−145324号
公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−2
40517号公報、特公昭57−8815号公報などに
記載されている樹脂などを挙げることができる。
【0014】この熱可塑性樹脂の具体例としては、下記
一般式(V)で表される少なくとも1種のテトラシクロ
ドデセン誘導体または該テトラシクロドデセンと共重合
可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合して得られ
る重合体を水素添加して得られる水添重合体を挙げるこ
とができる。
一般式(V)で表される少なくとも1種のテトラシクロ
ドデセン誘導体または該テトラシクロドデセンと共重合
可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合して得られ
る重合体を水素添加して得られる水添重合体を挙げるこ
とができる。
【0015】
【化5】
【0016】(式中A〜Dは、前記に同じ。)
【0017】前記一般式(V)で表されるテトラシクロ
ドデセン誘導体において、A、B、CおよびDのうちに
極性基を含むことが、耐熱性や被覆材との密着性の点か
ら好ましい。さらに、この極性基が−(CH2 )n CO
OR3 (ここで、R3 は炭素数1〜20の炭化水素基、
nは0〜10の整数を示す)で表される基であること
が、得られる水添重合体が高い熱変形温度を有するもの
となるので好ましい。特に、この−(CH2 )n COO
R3 で表される極性置換基は、一般式(V)のテトラシ
クロドデセン誘導体の1分子あたりに1個含有されるこ
とが好ましい。前記一般式において、R1 は炭素数1〜
20の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど得ら
れる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましい
が、得られる水添重合体のガラス転移温度とのバランス
の点から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素数
5以上の(多)環状アルキル基であることが好ましく、
特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基であること
が好ましい。さらに、カルボン酸エステル基が結合した
炭素原子に、同時に炭素数1〜10の炭化水素基が置換
基として結合されている一般式(V)のテトラシクロド
デセン誘導体は、吸湿性を低下させるので好ましい。特
に、この置換基がメチル基またはエチル基である一般式
(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容
易な点で好ましい。
ドデセン誘導体において、A、B、CおよびDのうちに
極性基を含むことが、耐熱性や被覆材との密着性の点か
ら好ましい。さらに、この極性基が−(CH2 )n CO
OR3 (ここで、R3 は炭素数1〜20の炭化水素基、
nは0〜10の整数を示す)で表される基であること
が、得られる水添重合体が高い熱変形温度を有するもの
となるので好ましい。特に、この−(CH2 )n COO
R3 で表される極性置換基は、一般式(V)のテトラシ
クロドデセン誘導体の1分子あたりに1個含有されるこ
とが好ましい。前記一般式において、R1 は炭素数1〜
20の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど得ら
れる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましい
が、得られる水添重合体のガラス転移温度とのバランス
の点から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素数
5以上の(多)環状アルキル基であることが好ましく、
特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基であること
が好ましい。さらに、カルボン酸エステル基が結合した
炭素原子に、同時に炭素数1〜10の炭化水素基が置換
基として結合されている一般式(V)のテトラシクロド
デセン誘導体は、吸湿性を低下させるので好ましい。特
に、この置換基がメチル基またはエチル基である一般式
(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容
易な点で好ましい。
【0018】具体的には、8−メチル−8−メトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 17,10]ド
デカ−3−エンが好ましい。これらのテトラシクロドデ
セン誘導体、あるいはこれと共重合可能な不飽和環状化
合物の混合物は、例えば特開平4−77520号公報第
4頁右上欄第12行〜第6頁右下欄第6行に記載された
方法によって、メタセシス重合、水素添加され、本発明
に使用される熱可塑性樹脂とすることができる。また、
前記水添重合体のガラス転移温度(Tg)は100℃〜
250℃の範囲であることが好ましく、特に120〜2
00℃の範囲であることが好ましい。100℃未満では
該樹脂からなる光ファイバーの耐熱性が劣る。また、T
gが250℃を超えるものは、成形温度が高くなり樹脂
が焼けて着色するなど良質な光ファイバーを得ることが
難しくなる。
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 17,10]ド
デカ−3−エンが好ましい。これらのテトラシクロドデ
セン誘導体、あるいはこれと共重合可能な不飽和環状化
合物の混合物は、例えば特開平4−77520号公報第
4頁右上欄第12行〜第6頁右下欄第6行に記載された
方法によって、メタセシス重合、水素添加され、本発明
に使用される熱可塑性樹脂とすることができる。また、
前記水添重合体のガラス転移温度(Tg)は100℃〜
250℃の範囲であることが好ましく、特に120〜2
00℃の範囲であることが好ましい。100℃未満では
該樹脂からなる光ファイバーの耐熱性が劣る。また、T
gが250℃を超えるものは、成形温度が高くなり樹脂
が焼けて着色するなど良質な光ファイバーを得ることが
難しくなる。
【0019】また、水添重合体の分子量は、光ファイバ
ーに充分な強度を与えるために、通常5000〜100
万、好ましくは8000〜20万の範囲である。また、
水添重合体の水素添加率は、60MHz、 1H−NMR
で測定した値が90%以上、好ましくは95%以上、さ
らに好ましくは98%以上である。水素添加率が高いほ
ど、熱や光に対する安定性が優れる。なお、本発明にお
いて、ノルボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂として使
用される水添重合体は、該水添重合体中に含まれるゲル
含有量が5重量%以下であることが好ましく、さらに1
重量%であることが好ましい。本発明において、光ファ
イバーの材料として用いる樹脂には、必要に応じ、本発
明の効果を損ねない範囲で公知の酸化防止剤、紫外線吸
収剤、安定剤、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改良用エ
ラストマーなどを添加することができる。また、加工性
を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することも
できる。
ーに充分な強度を与えるために、通常5000〜100
万、好ましくは8000〜20万の範囲である。また、
水添重合体の水素添加率は、60MHz、 1H−NMR
で測定した値が90%以上、好ましくは95%以上、さ
らに好ましくは98%以上である。水素添加率が高いほ
ど、熱や光に対する安定性が優れる。なお、本発明にお
いて、ノルボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂として使
用される水添重合体は、該水添重合体中に含まれるゲル
含有量が5重量%以下であることが好ましく、さらに1
重量%であることが好ましい。本発明において、光ファ
イバーの材料として用いる樹脂には、必要に応じ、本発
明の効果を損ねない範囲で公知の酸化防止剤、紫外線吸
収剤、安定剤、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改良用エ
ラストマーなどを添加することができる。また、加工性
を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することも
できる。
【0020】上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂から光フ
ァイバーを得る方法としては公知の方法を用いることが
でき、たとえば該樹脂を加熱溶融して引っ張りながらフ
ァイバー化しコア材を形成した後クラッド材を付着させ
る方法などを挙げることができる。なお、光ファイバー
の製造において、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の樹脂温
度は210℃〜390℃とすることが好ましい。ここで
クラッド材としては前述の材料を用いることが可能であ
る。上記のような耐熱性アクリル樹脂、熱硬化シリコー
ン樹脂、または熱可塑性ノルボルネン系樹脂をコア材に
用いた光ファイバーはいずれも光伝送特性と耐熱性に優
れたものであるが、成形時間が短くすみ生産性に優れ、
しかも柔軟性に優れコア径を太くしても曲げることが容
易であるという点で、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用
いることが特に好ましい。また本発明において、かかる
コア材の直径は、0.2〜50mm、好ましくは0.5
〜20mm、クラッド材の厚さまで含めた直径は0.1
〜100μm、好ましくは0.5〜60μmである。
ァイバーを得る方法としては公知の方法を用いることが
でき、たとえば該樹脂を加熱溶融して引っ張りながらフ
ァイバー化しコア材を形成した後クラッド材を付着させ
る方法などを挙げることができる。なお、光ファイバー
の製造において、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の樹脂温
度は210℃〜390℃とすることが好ましい。ここで
クラッド材としては前述の材料を用いることが可能であ
る。上記のような耐熱性アクリル樹脂、熱硬化シリコー
ン樹脂、または熱可塑性ノルボルネン系樹脂をコア材に
用いた光ファイバーはいずれも光伝送特性と耐熱性に優
れたものであるが、成形時間が短くすみ生産性に優れ、
しかも柔軟性に優れコア径を太くしても曲げることが容
易であるという点で、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用
いることが特に好ましい。また本発明において、かかる
コア材の直径は、0.2〜50mm、好ましくは0.5
〜20mm、クラッド材の厚さまで含めた直径は0.1
〜100μm、好ましくは0.5〜60μmである。
【0021】本発明の光ファイバーは、上記のコア材お
よびクラッド材からなる光ファイバーの外側がゴム系被
覆材で被覆されてなるものである。本発明において、光
ファイバーを被覆するゴム系被覆材のゴム質重合体とし
ては、フッ素ゴム、エチレン−プロピレン(−ジエン)
共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、ブ
チルゴム、アクリルゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴ
ム、ウレタンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロプ
レンゴム、イソプレンゴムなどをあげることができる。
ゴム系被覆材とするためには、上記ゴム質重合体に架橋
剤、例えばイオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルホ
リンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、
テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカ
ルバミン酸セレンなどのイオウ系化合物;ジクミルペル
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチ
ルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、ジtert−ブチルペルオキシド、ジ(tert−ブチルペ
ルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
tert−ブチルヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物;
グアニジン系化合物、チウラム系化合物、チアゾール系
化合物、アルデヒド−アンモニア系化合物、イミダゾリ
ン系化合物、チオユリア系化合物、ジチオ酸塩系化合
物、サンテート系化合物、トリアジン系化合物などの加
硫促進剤;加硫助剤などをそれぞれ必要に応じてゴム質
重合体に配合したゴム組成物を、光ファイバーに被覆し
た後、硬化する。
よびクラッド材からなる光ファイバーの外側がゴム系被
覆材で被覆されてなるものである。本発明において、光
ファイバーを被覆するゴム系被覆材のゴム質重合体とし
ては、フッ素ゴム、エチレン−プロピレン(−ジエン)
共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、ブ
チルゴム、アクリルゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴ
ム、ウレタンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロプ
レンゴム、イソプレンゴムなどをあげることができる。
ゴム系被覆材とするためには、上記ゴム質重合体に架橋
剤、例えばイオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルホ
リンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、
テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカ
ルバミン酸セレンなどのイオウ系化合物;ジクミルペル
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチ
ルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、ジtert−ブチルペルオキシド、ジ(tert−ブチルペ
ルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
tert−ブチルヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物;
グアニジン系化合物、チウラム系化合物、チアゾール系
化合物、アルデヒド−アンモニア系化合物、イミダゾリ
ン系化合物、チオユリア系化合物、ジチオ酸塩系化合
物、サンテート系化合物、トリアジン系化合物などの加
硫促進剤;加硫助剤などをそれぞれ必要に応じてゴム質
重合体に配合したゴム組成物を、光ファイバーに被覆し
た後、硬化する。
【0022】本発明において、上記ゴム組成物には必要
に応じて一般的に配合される配合剤、例えばカーボンブ
ラック、ホワイトカーボンなどの補強剤、炭酸カルシウ
ムなどの充填剤、フタル酸エステルなどの可塑剤、ナフ
チルアミン系化合物などの老化防止剤などを配合するこ
とができる。本発明において、光ファイバーにゴム組成
物を被覆する方法としては、例えばゴム組成物を押出機
で混合した後、光ファイバー上に押出被覆し、次いで押
出被覆線を加熱して架橋する方法が挙げられる。
に応じて一般的に配合される配合剤、例えばカーボンブ
ラック、ホワイトカーボンなどの補強剤、炭酸カルシウ
ムなどの充填剤、フタル酸エステルなどの可塑剤、ナフ
チルアミン系化合物などの老化防止剤などを配合するこ
とができる。本発明において、光ファイバーにゴム組成
物を被覆する方法としては、例えばゴム組成物を押出機
で混合した後、光ファイバー上に押出被覆し、次いで押
出被覆線を加熱して架橋する方法が挙げられる。
【0023】また、適当な溶剤に溶解してなるゴム組成
物溶液に光ファイバーを浸漬させ、次いで加熱して架橋
被覆を行うこともできる。この場合、ゴム組成物を溶解
する溶剤は、被覆する光ファイバーを溶かさないもので
ある。本発明において、光ファイバーに被覆されたゴム
組成物を加熱架橋するときの架橋温度は被覆される光フ
ァイバーの材質の熱変形温度より5〜50℃、好ましく
は10〜30℃低い温度で行うことが、該光ファイバー
の熱による光特性の劣化を避けるという点で好ましい。
また、本発明において、加熱架橋によって光ファイバー
の外側に被覆されるゴム系被覆材層の厚さは1mm径の
光ファイバーに対し、通常、0.1〜50mm、好まし
くは0.2〜30mmの範囲にあることが強度と柔軟性
とのバランスの上で好ましい。
物溶液に光ファイバーを浸漬させ、次いで加熱して架橋
被覆を行うこともできる。この場合、ゴム組成物を溶解
する溶剤は、被覆する光ファイバーを溶かさないもので
ある。本発明において、光ファイバーに被覆されたゴム
組成物を加熱架橋するときの架橋温度は被覆される光フ
ァイバーの材質の熱変形温度より5〜50℃、好ましく
は10〜30℃低い温度で行うことが、該光ファイバー
の熱による光特性の劣化を避けるという点で好ましい。
また、本発明において、加熱架橋によって光ファイバー
の外側に被覆されるゴム系被覆材層の厚さは1mm径の
光ファイバーに対し、通常、0.1〜50mm、好まし
くは0.2〜30mmの範囲にあることが強度と柔軟性
とのバランスの上で好ましい。
【0024】本発明のにおいてゴム系被覆材によって被
覆される光ファイバーは、一本でも複数本の光ファイバ
ーを束ねたものでもよい。また本発明の光ファイバー
は、光ファイバーと導線を束ねたものをゴム系被覆材で
被覆されたものであってもよい。ここで導線とは通常に
用いられている電線の心線のことであり、その材料は公
知のものを好ましく用いることができる。本発明の光フ
ァイバーは、自動車エンジンルーム内光伝送、OA機
器、FA機器、ローカルエリアネットワーク機器用導線
などの用途に用いることができる。
覆される光ファイバーは、一本でも複数本の光ファイバ
ーを束ねたものでもよい。また本発明の光ファイバー
は、光ファイバーと導線を束ねたものをゴム系被覆材で
被覆されたものであってもよい。ここで導線とは通常に
用いられている電線の心線のことであり、その材料は公
知のものを好ましく用いることができる。本発明の光フ
ァイバーは、自動車エンジンルーム内光伝送、OA機
器、FA機器、ローカルエリアネットワーク機器用導線
などの用途に用いることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれによって限定されるものではない。なお、
実施例中、部および%は、特に断らないかぎり重量基準
である。 参考例1 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン10
0g、1,2−ジメトキシエタン60g、シクロヘキサ
ン240g、1−ヘキセン9g、およびジエチルアルミ
ニウムクロライド0.96モル/lのトルエン溶液3.
4mlを、内容積1リットルのオートクレーブに加え
た。一方、別のフラスコに、六塩化タングステンの0.
05モル/lの1,2−ジメトキシエタン溶液20ml
とパラアルデヒドの0.1モル/lの1,2−ジメトキ
シエタン溶液10mlを混合した。この混合溶液4.9
mlを、前記オートクレーブ中の混合物に添加した。密
栓後、混合物を80℃に加熱して4時間攪拌を行った。
得られた重合体溶液に、1,2−ジメトキシエタンとシ
クロヘキサンの2/8(重量比)の混合溶媒を加えて重
合体/溶媒が1/10(重量比)にしたのち、トリエタ
ノールアミン20gを加えて10分間攪拌した。この重
合溶液に、メタノール500gを加えて30分間攪拌し
て静置した。2層に分離した上層を除き、再びメタノー
ルを加えて攪拌、静置後、上層を除いた。同様の操作を
さらに2回行い、得られた下層をシクロヘキサン、1,
2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体濃度が10
%のシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエタン溶液を
得た。この溶液に20gのパラジウム/シリカマグネシ
ア[日揮化学(株)製、パラジウム量=5%]を加え
て、オートクレーブ中で水素圧40kg/cm2 として
165℃で4時間反応させたのち、水添触媒をろ過によ
って取り除き、水添重合体溶液を得た。また、この水添
重合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエリスリチル−
テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]を、水添重合体に対
して0.1%加えてから、360℃で減圧下に脱溶媒を
行なった。次いで溶融した樹脂を窒素下雰囲気で押出機
によりペレット化し、重量平均分子量7.0×104 、
水添率99.5%、ガラス転移温度168℃の熱可塑性
樹脂Aを得た。
本発明がこれによって限定されるものではない。なお、
実施例中、部および%は、特に断らないかぎり重量基準
である。 参考例1 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン10
0g、1,2−ジメトキシエタン60g、シクロヘキサ
ン240g、1−ヘキセン9g、およびジエチルアルミ
ニウムクロライド0.96モル/lのトルエン溶液3.
4mlを、内容積1リットルのオートクレーブに加え
た。一方、別のフラスコに、六塩化タングステンの0.
05モル/lの1,2−ジメトキシエタン溶液20ml
とパラアルデヒドの0.1モル/lの1,2−ジメトキ
シエタン溶液10mlを混合した。この混合溶液4.9
mlを、前記オートクレーブ中の混合物に添加した。密
栓後、混合物を80℃に加熱して4時間攪拌を行った。
得られた重合体溶液に、1,2−ジメトキシエタンとシ
クロヘキサンの2/8(重量比)の混合溶媒を加えて重
合体/溶媒が1/10(重量比)にしたのち、トリエタ
ノールアミン20gを加えて10分間攪拌した。この重
合溶液に、メタノール500gを加えて30分間攪拌し
て静置した。2層に分離した上層を除き、再びメタノー
ルを加えて攪拌、静置後、上層を除いた。同様の操作を
さらに2回行い、得られた下層をシクロヘキサン、1,
2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体濃度が10
%のシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエタン溶液を
得た。この溶液に20gのパラジウム/シリカマグネシ
ア[日揮化学(株)製、パラジウム量=5%]を加え
て、オートクレーブ中で水素圧40kg/cm2 として
165℃で4時間反応させたのち、水添触媒をろ過によ
って取り除き、水添重合体溶液を得た。また、この水添
重合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエリスリチル−
テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]を、水添重合体に対
して0.1%加えてから、360℃で減圧下に脱溶媒を
行なった。次いで溶融した樹脂を窒素下雰囲気で押出機
によりペレット化し、重量平均分子量7.0×104 、
水添率99.5%、ガラス転移温度168℃の熱可塑性
樹脂Aを得た。
【0026】参考例2 6−エチリデン−2−テトラシクロドデセンを、(a)
−1の時と同様にメタセシス開環重合した後、水添し、
ペレット化して重量平均分子量5.5×104、水添率
99.5%、ガラス転移温度140℃の熱可塑性樹脂B
を得た。 実施例1 コア材として参考例1で得られた熱可塑性樹脂Aとクラ
ッド材としてポリメタクリルパーフルオロ−t−ブチル
を用いてコアの外径1mm、クラッド部の厚さ50μm
の光ファイバーを公知の方法で製造した。この光ファイ
バーについてゴム組成物を被覆する前の光伝送損失を測
定した。また、ゴム組成物として以下に示す組成; エチレン−プロピレンゴム (日本合成ゴム(株)製JSR−EP21) 100.0部 HAFカーボン 5.0部 ミストロンベーパー 120.0部 ナフテン系オイル 6.0部 パラフィンワックス 5.0部 亜鉛華 5.0部 ステアリン酸 1.0部 ジクミルパーオキサイド(40%) 7.0部 P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム 1.5部 からなる組成物を押出機を用いて上記光ファイバーの外
側に厚さ5.0mmに押出被覆し、続いて窒素ガスを熱媒
体とする乾式架橋筒内で加硫温度140℃、加硫時間1
00分で加硫をおこない、ゴム系被覆材に被覆された光
ファイバーを作成した。このゴム系被覆材に被覆された
光ファイバーの光伝送損失と最小曲げ半径を測定し、さ
らに左右90゜の角度で1万回折り曲げた後の光ファイ
バーの光伝送損失を測定した。なお光伝送損失は光源に
ハロゲンランプ(NARVA−G4635)を用い、ス
ペクトルアナライザー((株)アドバンテスト製:TQ
8344A)で光ファイバーからの出力光を特定波長6
60nmで測定することによって求めた。測定結果を表
1に示す。
−1の時と同様にメタセシス開環重合した後、水添し、
ペレット化して重量平均分子量5.5×104、水添率
99.5%、ガラス転移温度140℃の熱可塑性樹脂B
を得た。 実施例1 コア材として参考例1で得られた熱可塑性樹脂Aとクラ
ッド材としてポリメタクリルパーフルオロ−t−ブチル
を用いてコアの外径1mm、クラッド部の厚さ50μm
の光ファイバーを公知の方法で製造した。この光ファイ
バーについてゴム組成物を被覆する前の光伝送損失を測
定した。また、ゴム組成物として以下に示す組成; エチレン−プロピレンゴム (日本合成ゴム(株)製JSR−EP21) 100.0部 HAFカーボン 5.0部 ミストロンベーパー 120.0部 ナフテン系オイル 6.0部 パラフィンワックス 5.0部 亜鉛華 5.0部 ステアリン酸 1.0部 ジクミルパーオキサイド(40%) 7.0部 P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム 1.5部 からなる組成物を押出機を用いて上記光ファイバーの外
側に厚さ5.0mmに押出被覆し、続いて窒素ガスを熱媒
体とする乾式架橋筒内で加硫温度140℃、加硫時間1
00分で加硫をおこない、ゴム系被覆材に被覆された光
ファイバーを作成した。このゴム系被覆材に被覆された
光ファイバーの光伝送損失と最小曲げ半径を測定し、さ
らに左右90゜の角度で1万回折り曲げた後の光ファイ
バーの光伝送損失を測定した。なお光伝送損失は光源に
ハロゲンランプ(NARVA−G4635)を用い、ス
ペクトルアナライザー((株)アドバンテスト製:TQ
8344A)で光ファイバーからの出力光を特定波長6
60nmで測定することによって求めた。測定結果を表
1に示す。
【0027】実施例2 コア材として参考例1の熱可塑性樹脂Aのかわりに、参
考例2の熱可塑性樹脂Bを用いた他は実施例1と同様に
してコアの外径1mm、クラッド部の厚さ50μmの光
ファイバーを作成し、さらに実施例1と同様のゴム組成
物を被覆・加硫して光ファイバーを作成し、実施例1と
同様の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。 実施例3 ポリメタクリルパーフルオロ−t−ブチルを押出機を用
いて内径1mm、外径2mmのクラッド材チューブを成
形した。このチューブ内に、加熱硬化型のジメチルシロ
キサンポリマー液状前駆体をチューブ片端より封入し、
片端を封止したのち、100℃の加熱高温油槽にて加熱
硬化させることにより光ファイバーを作成し、さらに実
施例1と同様のゴム組成物を被覆・加硫して、光ファイ
バーを作成し、実施例1と同様の測定をおこなった。測
定結果を表1に示す。
考例2の熱可塑性樹脂Bを用いた他は実施例1と同様に
してコアの外径1mm、クラッド部の厚さ50μmの光
ファイバーを作成し、さらに実施例1と同様のゴム組成
物を被覆・加硫して光ファイバーを作成し、実施例1と
同様の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。 実施例3 ポリメタクリルパーフルオロ−t−ブチルを押出機を用
いて内径1mm、外径2mmのクラッド材チューブを成
形した。このチューブ内に、加熱硬化型のジメチルシロ
キサンポリマー液状前駆体をチューブ片端より封入し、
片端を封止したのち、100℃の加熱高温油槽にて加熱
硬化させることにより光ファイバーを作成し、さらに実
施例1と同様のゴム組成物を被覆・加硫して、光ファイ
バーを作成し、実施例1と同様の測定をおこなった。測
定結果を表1に示す。
【0028】実施例4 ポリメタクリルパーフルオロ−t−ブチルを押出機を用
いて内径1mm、外径2mmのクラッド材チューブを成
形した。このチューブ内に、メタクリル酸メチル80
g、エチレングリコールジメタクリレート10g、ブチ
ルアクリレート10g、ラウロイルパーオキサイド0.
5gの重合性モノマー組成物を注入しその片端を封止し
たのち、80℃の温浴にて加熱硬化させることにより光
ファイバーを作成し、さらに実施例1と同様のゴム組成
物を被覆・加硫して、光ファイバーを作成し、実施例1
と同様の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。
いて内径1mm、外径2mmのクラッド材チューブを成
形した。このチューブ内に、メタクリル酸メチル80
g、エチレングリコールジメタクリレート10g、ブチ
ルアクリレート10g、ラウロイルパーオキサイド0.
5gの重合性モノマー組成物を注入しその片端を封止し
たのち、80℃の温浴にて加熱硬化させることにより光
ファイバーを作成し、さらに実施例1と同様のゴム組成
物を被覆・加硫して、光ファイバーを作成し、実施例1
と同様の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。
【0029】比較例1 市販のポリメチルメタクリレート製光ファイバー(三菱
レイヨン(株)製「エスカ」、径1mm)を光ファイバ
ーとして用い、実施例1と同様のゴム組成物を被覆・加
硫して、光ファイバーを作成し、実施例1と同様の測定
をおこなった。測定結果を表1に示す。 比較例2 ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製「パンライ
ト」)をコア材として用いた他は実施例1と同様にして
コアの外径1mm、クラッド部の厚さ50μmの光ファ
イバーを作成し、さらに実施例1と同様のゴム組成物を
被覆・加硫して光ファイバーを作成し、実施例1と同様
の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。
レイヨン(株)製「エスカ」、径1mm)を光ファイバ
ーとして用い、実施例1と同様のゴム組成物を被覆・加
硫して、光ファイバーを作成し、実施例1と同様の測定
をおこなった。測定結果を表1に示す。 比較例2 ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製「パンライ
ト」)をコア材として用いた他は実施例1と同様にして
コアの外径1mm、クラッド部の厚さ50μmの光ファ
イバーを作成し、さらに実施例1と同様のゴム組成物を
被覆・加硫して光ファイバーを作成し、実施例1と同様
の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。
【0030】比較例3 実施例1と同様の光ファイバーの外側にポリ塩化ビニル
樹脂(信越化学工業(株)製「信越PVC」)を用いて
押出温度150℃で押出被覆させることにより光ファイ
バーとした。この光ファイバーについて、実施例1と同
様の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。 比較例4 実施例1と同様の光ファイバーの外側にポリプロピレン
樹脂(住友化学工業(株)製「住友ノーブレン」)を用
いて押出温度150℃で押出被覆させることにより光フ
ァイバーとした。この光ファイバーについて、実施例1
と同様の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。
樹脂(信越化学工業(株)製「信越PVC」)を用いて
押出温度150℃で押出被覆させることにより光ファイ
バーとした。この光ファイバーについて、実施例1と同
様の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。 比較例4 実施例1と同様の光ファイバーの外側にポリプロピレン
樹脂(住友化学工業(株)製「住友ノーブレン」)を用
いて押出温度150℃で押出被覆させることにより光フ
ァイバーとした。この光ファイバーについて、実施例1
と同様の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、本発明の光ファ
イバーは耐熱性に優れたものであり、ゴム系被覆材のよ
うな高い被覆温度を必要とする被覆材を用いても被覆時
の熱による光伝送特性の劣化が起こらないため、耐熱性
に優れ、特にゴム系被覆材を用いることにより屈曲性・
柔軟性に優れた光ファイバーとすることができる。これ
に対し、従来の材料からなる光ファイバーを用いたもの
(比較例1、比較例2)は、被覆される光ファイバーの
熱変形温度が低いため、ゴム系被覆材を被覆すると被覆
時の高温の熱により光ファイバーが熱変形を起こし光伝
送特性が著しく劣化するものであり、特に比較例1は光
ファイバーそのものが溶けてしまうため被覆後の各測定
が不可能となったものである。また、被覆材としてポリ
塩化ビニル樹脂やポリプロピレン樹脂を用いたもの(比
較例3、比較例4)は屈曲性・柔軟性に欠けるため折り
曲げたときにひび割れたり折れたりするのでその用途範
囲がごく限られるものである。
イバーは耐熱性に優れたものであり、ゴム系被覆材のよ
うな高い被覆温度を必要とする被覆材を用いても被覆時
の熱による光伝送特性の劣化が起こらないため、耐熱性
に優れ、特にゴム系被覆材を用いることにより屈曲性・
柔軟性に優れた光ファイバーとすることができる。これ
に対し、従来の材料からなる光ファイバーを用いたもの
(比較例1、比較例2)は、被覆される光ファイバーの
熱変形温度が低いため、ゴム系被覆材を被覆すると被覆
時の高温の熱により光ファイバーが熱変形を起こし光伝
送特性が著しく劣化するものであり、特に比較例1は光
ファイバーそのものが溶けてしまうため被覆後の各測定
が不可能となったものである。また、被覆材としてポリ
塩化ビニル樹脂やポリプロピレン樹脂を用いたもの(比
較例3、比較例4)は屈曲性・柔軟性に欠けるため折り
曲げたときにひび割れたり折れたりするのでその用途範
囲がごく限られるものである。
【0033】
【発明の効果】本発明の光ファイバーはコア材に熱変形
温度が120℃以上であり光学特性にも優れた透明樹脂
を用いるので、優れた耐熱性と屈曲性・柔軟性を有しな
がら、被覆温度が高くなるため従来の光ファイバーの被
覆材として用いることができなかったゴム製被覆材のよ
うな後架橋性組成物を被覆材として用いることができる
ので、他の透明材料では得ることの極めて難しかった高
い耐熱性と屈曲性・柔軟性を満たす光ファイバーを得る
ことが可能である。特にコア材として熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂を用いると光ファイバーの成形が容易である
ため生産性・加工性に特に優れたものを得ることができ
る。
温度が120℃以上であり光学特性にも優れた透明樹脂
を用いるので、優れた耐熱性と屈曲性・柔軟性を有しな
がら、被覆温度が高くなるため従来の光ファイバーの被
覆材として用いることができなかったゴム製被覆材のよ
うな後架橋性組成物を被覆材として用いることができる
ので、他の透明材料では得ることの極めて難しかった高
い耐熱性と屈曲性・柔軟性を満たす光ファイバーを得る
ことが可能である。特にコア材として熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂を用いると光ファイバーの成形が容易である
ため生産性・加工性に特に優れたものを得ることができ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 コア材が熱変形温度120℃以上の透明
樹脂からなる光ファイバーをゴム系被覆材で被覆してな
ることを特徴とする光ファイバー。 - 【請求項2】 コア材が熱変形温度120℃以上の透明
樹脂からなる光ファイバーの外側にゴム質重合体および
架橋剤からなる組成物を被覆し、加熱することを特徴と
する光ファイバーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7128865A JPH08304641A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 光ファイバーおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7128865A JPH08304641A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 光ファイバーおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08304641A true JPH08304641A (ja) | 1996-11-22 |
Family
ID=14995283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7128865A Pending JPH08304641A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 光ファイバーおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08304641A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004097487A1 (en) * | 2003-04-25 | 2004-11-11 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Optical member with protective layer, method and apparatus of producing optical member with protective layer |
-
1995
- 1995-04-28 JP JP7128865A patent/JPH08304641A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004097487A1 (en) * | 2003-04-25 | 2004-11-11 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Optical member with protective layer, method and apparatus of producing optical member with protective layer |
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