JPH08303849A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JPH08303849A
JPH08303849A JP7110825A JP11082595A JPH08303849A JP H08303849 A JPH08303849 A JP H08303849A JP 7110825 A JP7110825 A JP 7110825A JP 11082595 A JP11082595 A JP 11082595A JP H08303849 A JPH08303849 A JP H08303849A
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air
wind direction
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air conditioner
wind
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Kunio Hijikata
邦夫 土方
Taisei Kema
大成 毛馬
Kunihiko Miyake
邦彦 三宅
Masanori Kawazoe
政宣 川添
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 同一室内の複数のユーザの各々の相互に異な
る快適性要求に対応した快適性を実現できるようにす
る。 【構成】 吹出流として空間渦を利用することにより、
暖房時には床面の冷気を効率的に天井近くの空調機まで
集め、寒さを感じている人間の足元に加熱された温風が
至るように供給する。このとき特に頭部、顔部の暖気は
不快感の要因となるので、床面までの暖気の押し込みを
行う。また冷房時には逆に足元だけの冷え感に代表され
る冷房時の不快感を解消する。しかも、空調機起動後、
ごく速い時間で、快適感を得ることが可能となるように
する。このような空間渦流の利用により、従来機の送風
量でも、限定した空間に、容易に温冷風を回収、供給で
きる。また、家具、事務機器等に代表される、空調機の
気流の障害物があるときでも、同渦流を利用することに
よって、これを避けて、従来方法ではできないような、
指定空間場へ、高い自由度で空調制御が行えるようにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、室内空間の特定部位
に快適空間を形成し得るようにした空気調和機に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】最近の冷暖房用空気調和装置では、単な
る冷暖房機能を越えて、室内における快適環境形成装置
としての機能が要求されるようになってきている。
【0003】このような背景の下で従来一般の空気調和
装置の構成を検討した場合、あくまでも自然対流を利用
して冷暖房を行うことを前提としているので、例えば室
内の上方部の空気温度が高くなり足元の暖かさが不足す
る問題、また温風が直接頭に当り不快な頭熱感を伴う問
題、同一室内の複数ユーザの快適性の相違に対応できな
い問題等、いくつかの解決すべき問題がある。
【0004】従来、このような諸問題を解決する手段の
ひとつとして、例えば特公昭63−13096号公報に
示されているように、床置型の空気調和装置において加
熱用および冷却用の2つの熱交換器とそれら熱交換器に
対応した2つの送風機とを例えば上下2段に組合せて設
け、暖房時には加熱用熱交換器側の送風機の方を高速で
運転することにより暖房作用を実現する一方、冷却用熱
交換器側の送風機を低速で運転することにより、室温風
を循環させることによって結局暖房用の温風が部屋全体
を循環するようにし、それによって室内空気の上下方向
分布を均一にするとともに頭熱感を解消するようにした
第1の従来技術が提案されている。
【0005】また、同様の目的をもつ第2の従来技術と
して、例えば特開昭59−153040号公報に示され
ているように、同じく床置型の空気調和装置において第
1および第2の2組の送風機を設け、先ず第1の送風機
からの室内風を部屋の天井方向に向けて吹出させる一
方、第2の送風機からの温風を同部屋の床面方向に向け
て吹出させ、上記天井面側からの吹出風によって該床面
側からの温風の上昇を押さえることにより室内温度分布
の均一化を図るようにしたものも存在する。
【0006】さらに、上記と同様の目的をもつ第3の従
来技術として、例えば特開昭62−178836号公報
に示されるように、壁掛型の空気調和装置において、空
気吹出口を上下2段に隣接して2組設け、上方側第1の
空気吹出口からは熱交換器を介さない室温風を吹出させ
るとともに下方側第2の空気吹出口からは熱交換器を介
した温風を吹出させ、該下方側第2の空気吹出口側から
吹出される温風の上方への浮上りを上記上方側第1の吹
出口から吹出される室温風によって押さえることによっ
て室内温度分布の均一化を図るようにしたものも考えら
れている。
【0007】以上のように、従来は一般的に吹出し気流
の温度、吹出し方向、吹出し速度等の制御により室内の
多数の人間が共通に満足する、平均的で、かつ一様な空
調空間を形成することを快適性の指標とした製品開発が
行われてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の第1〜
第3の従来技術の構成の空気調和装置では、その何れに
あっても一方側室温(低温)風吹出用の送風機は室温風の
吹出専用のものとなっており、高コストな2台の送風機
を組込んだ本来のメリットが十分に生かされていない。
【0009】また、上記各構成では、空調空間内の異な
る場所に複数の人間が居て、しかも各人の快適感に差が
あるような場合に個々人の高い満足感を実現することが
困難であり、また、一様な目標空調温度空間を実現する
までに多くのエネルギーと時間を要する。
【0010】さらに、実際に室内居住者が要求する暖房
特性は上述の従来型のもののように単に温度分布が均一
であれば良いというような一義的なものではなく、本来
室内環境の変化に応じても変動するファジーなものであ
る。例えば冷間状態下での暖房開始時においては室内下
方に向けて高い温度の温風を多量に吹出して室内を速や
かに暖めることが要求される一方、室内が十分に暖まっ
た後においては、気流によって生じる室内居住者のドラ
フト感を軽減する意味から上記温風の吹出風速設定値を
低く抑える必要があり、しかも、その場合において温風
の自然対流浮力により吹出気流が上方に浮き上り居住者
の足元付近の温度が低くなる恐れがあるので、上述のよ
うに冷風を温風と同方向に吹出して温風の浮き上りを抑
制する必要も生じる。
【0011】ところが、従来の構成で室内環境に応じた
真の快適暖房特性を得るためには、上述の2台の送風機
による温風及び冷風の吹出し方向、風速及び風量を運転
状態毎の要求に応じて高精度に変化させることが必要と
なり、きわめて制御が複雑になる問題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1〜4各項
記載の発明は、それぞれ上述の如き従来の問題を解決す
ることを目的としてなされたものであって、各々次のよ
うな課題解決手段を備えて構成されている。
【0013】(1) 請求項1記載の発明の構成 請求項1記載の発明の空気調和機は、例えば図1〜図3
に示すように、複数の空気吹出部14a〜14hと、該
複数の空気吹出部14a〜14hの各々に設けられた風
向変更手段12a〜12hと、該複数の風向変更手段1
2a〜12hをそれぞれ独立に作動させる風向制御手段
23とを備え、上記風向制御手段23により上記複数の
風向変更手段12a〜12hの各々を全体として旋回流
が形成されるように作動させて風向制御するように構成
されている。
【0014】(2) 請求項2記載の発明の構成 請求項2記載の発明の空気調和機は、例えば図1〜図3
に示すように、複数の空気吹出部14a〜14hと、該
複数の空気吹出部14a〜14hの各々に設けられた風
量調節手段11a〜11hと、該複数の風量調節手段1
1a〜11hをそれぞれ独立に作動させる風量制御手段
22とを備え、上記風量制御手段22により上記複数の
風量調節手段11a〜11hの各々を全体として旋回流
が形成されるように作動させて風量制御するように構成
されている。
【0015】(3) 請求項3記載の発明の構成 請求項3記載の発明の空気調和機は、例えば図1〜図3
に示すように、複数の空気吹出部14a〜14hと、該
複数の空気吹出部14a〜14hの各々に設けられた風
速調節手段11a〜11hと、該複数の風速調節手段1
1a〜11hをそれぞれ独立に作動させる風速制御手段
22とを備え、上記風速制御手段22により上記複数の
風速調節手段11a〜11hの各々を全体として旋回流
が形成されるように作動させて風速制御するように構成
されている。
【0016】(4) 請求項4記載の発明の構成 請求項4記載の発明の空気調和機は、例えば図1〜図3
に示すように、複数の空気吹出部14a〜14hと、該
複数の空気吹出部14a〜14hの各々に設けられた風
量調節手段11a〜11hおよび風向変更手段12a〜
12hと、該複数の風量調節手段11a〜11hおよび
風向変更手段12a〜12hをそれぞれ独立に作動させ
る風量制御手段22および風向制御手段23とを備え、
上記風量制御手段22および風向制御手段23の各々に
より上記複数の風量調節手段11a〜11hおよび風向
変更手段12a〜12hの各々を全体として旋回流が形
成されるように作動させて風量および風向制御するよう
に構成されている。
【0017】
【作用】本願の請求項1〜4の各項に記載の発明は、各
々以上のように構成されている結果、当該各構成に対応
して各々次のような作用を奏する。
【0018】(1) 請求項1記載の発明の作用 請求項1記載の発明の空気調和機の構成では、上述の如
く、複数の空気吹出部14a〜14hと、該複数の空気
吹出部14a〜14hの各々に設けられた風向変更手段
12a〜12hと、該複数の風向変更手段12a〜12
hをそれぞれ独立に作動させる風向制御手段23とを備
え、上記風向制御手段23により上記複数の風向変更手
段12a〜12hの各々を全体として旋回気流が形成さ
れるように作動させて風向制御するようになっている。
【0019】このように、空気調和機に複数の空気吹出
部14a〜14hを設けて、それぞれの空気吹出部14
a〜14hからの吹出風の風向を全体として旋回気流が
形成されるように制御すると、当該空気調和機からの熱
交換された吹出風が遠心力を伴って到達距離が延びると
ともに中央部が負圧領域となって吸引力の高い渦流状態
となって空調対象空間内に吹き出されるようになる。ま
た、その結果、吹出風および吸気流の指向性も高くな
る。
【0020】したがって、以上のように空気調和用の空
気吹出流として空間渦流を利用するようにすると、暖房
時には床面の冷気を効率的に天井近くの空調機まで集め
る一方、寒さを感じているユーザの足元に効率的に加熱
された温風が届くように供給することができる。このと
き特に頭部、顔部の暖気は不快感(頭熱感)の要因とな
るので、床面までの暖気の押し込みを行うようにするこ
とができる。また冷房時には逆に足元だけの冷え感に代
表される冷房時の不快感を解消することができる。しか
も風速が高くなるので、空調機起動後、ごく速い時間
で、快適感を得ることが可能となる。
【0021】そして、このような空間渦流の利用によ
り、空気吹出風の指向性が高くなる結果、従来機の送風
量のままでも、所定の限定された空間に、容易に温冷風
を回収、供給できるようになる。また、家具、事務機器
等に代表されるような、空調対象空間内の空調機の気流
に対する障害物があるときでも、これを避けて、従来方
法ではできないような特定の指定空間場へ高い自由度で
の空調制御が行えるようになる。
【0022】(2) 請求項2記載の発明の作用 請求項2記載の発明の空気調和機の構成では、上述の如
く、複数の空気吹出部14a〜14hと、該複数の空気
吹出部14a〜14hの各々に設けられた風量調節手段
11a〜11hと、該複数の風量調節手段11a〜11
hをそれぞれ独立に作動させる風量制御手段22とを備
え、上記風量制御手段22により上記複数の風量調節手
段11a〜11hの各々を全体として旋回気流が形成さ
れるように作動させて風量制御するようになっている。
【0023】このように、空気調和機に複数の空気吹出
部14a〜14hを設けて、それぞれの空気吹出部14
a〜14hからの吹出風の風量を全体として旋回気流が
形成されるように制御すると、当該空気調和機からの熱
交換された吹出風が遠心力を伴って到達距離が延びると
ともに中央部が負圧領域となって吸引力の高い渦流状態
となって空調対象空間内に吹き出されるようになる。ま
た、その結果、吹出風および吸気流の指向性も高くな
る。
【0024】したがって、以上のように空気調和用の空
気吹出流として空間渦流を利用するようにすると、暖房
時には床面の冷気を効率的に天井近くの空調機まで集め
る一方、寒さを感じているユーザの足元に効率的に加熱
された温風が届くように供給することができる。このと
き特に頭部、顔部の暖気は不快感(頭熱感)の要因とな
るので、床面までの暖気の押し込みを行うようにするこ
とができる。また冷房時には逆に足元だけの冷え感に代
表される冷房時の不快感を解消することができる。しか
も風速が高くなるので、空調機起動後、ごく速い時間
で、快適感を得ることが可能となる。
【0025】そして、このような空間渦流の利用によ
り、空気吹出風の指向性が高くなる結果、従来機の送風
量のままでも、所定の限定された空間に、容易に温冷風
を回収、供給できるようになる。また、家具、事務機器
等に代表されるような、空調対象空間内の空調機の気流
に対する障害物があるときでも、これを避けて、従来方
法ではできないような特定の指定空間場へ高い自由度で
の空調制御が行えるようになる。
【0026】(3) 請求項3記載の発明の作用 請求項3記載の発明の空気調和機の構成では、複数の空
気吹出部14a〜14hと、該複数の空気吹出部14a
〜14hの各々に設けられた風速調節手段11a〜11
hと、該複数の風速調節手段11a〜11hをそれぞれ
独立に作動させる風速制御手段22とを備え、上記風速
制御手段22により上記複数の風速調節手段11a〜1
1hの各々を全体として旋回気流が形成されるように作
動させて風速制御するようになっている。
【0027】このように、空気調和機に複数の空気吹出
部14a〜14hを設けて、それぞれの空気吹出部14
a〜14hからの吹出風の風速を全体として旋回気流が
形成されるように制御すると、当該空気調和機からの熱
交換された吹出風が遠心力を伴って到達距離が延びると
ともに中央部が負圧領域となって吸引力の高い渦流状態
となって空調対象空間内に吹き出されるようになる。ま
た、その結果、吹出風および吸気流の指向性も高くな
る。
【0028】したがって、以上のように空気調和用の空
気吹出流として空間渦流を利用するようにすると、暖房
時には床面の冷気を効率的に天井近くの空調機まで集め
る一方、寒さを感じているユーザの足元に効率的に加熱
された温風が届くように供給することができる。このと
き特に頭部、顔部の暖気は不快感(頭熱感)の要因とな
るので、床面までの暖気の押し込みを行うようにするこ
とができる。また冷房時には逆に足元だけの冷え感に代
表される冷房時の不快感を解消することができる。しか
も風速が高くなるので、空調機起動後、ごく速い時間
で、快適感を得ることが可能となる。
【0029】そして、このような空間渦流の利用によ
り、空気吹出風の指向性が高くなる結果、従来機の送風
量のままでも、所定の限定された空間に、容易に温冷風
を回収、供給できるようになる。また、家具、事務機器
等に代表されるような、空調対象空間内の空調機の気流
に対する障害物があるときでも、これを避けて、従来方
法ではできないような特定の指定空間場へ高い自由度で
の空調制御が行えるようになる。
【0030】(4) 請求項4記載の発明の作用 請求項4記載の発明の空気調和機の構成では、複数の空
気吹出部14a〜14hと、該複数の空気吹出部14a
〜14hの各々に設けられた風量調節手段11a〜11
hおよび風向変更手段12a〜12hと、該複数の風量
調節手段11a〜11hおよび風向変更手段12a〜1
2hをそれぞれ独立に作動させる風量制御手段22およ
び風向制御手段23とを備え、上記風量制御手段22お
よび風向制御手段23の各々により上記複数の風量調節
手段11a〜11hおよび風向変更手段12a〜12h
の各々を全体として旋回気流が形成されるように作動さ
せて風量および風向制御するようになっている。
【0031】このように、空気調和機に複数の空気吹出
部14a〜14hを設けて、それぞれの空気吹出部14
a〜14hからの吹出風の風量および風向を全体として
旋回気流が形成されるように制御すると、当該空気調和
機からの熱交換された吹出風が特に効果的に遠心力を伴
ってその到達距離がより有効に延びるようになるととも
に中央部が高い負圧領域となって吸引力の高い渦流状態
となって空調対象空間内に吹き出されるようになる。ま
た、その結果、吹出風および吸気流の指向性も特に高く
なる。
【0032】したがって、以上のように空気調和用の空
気吹出流として空間渦流を利用するようにすると、暖房
時には床面の冷気を効率的に効率良く天井近くの空調機
まで集める一方、寒さを感じているユーザの足元に効率
的に加熱された温風が届くように供給することができ
る。このとき特に頭部、顔部の暖気は不快感(頭熱感)
の要因となるので、床面までの暖気の押し込みを効果的
に行うようにすることができる。また冷房時には逆に足
元だけの冷え感に代表される冷房時の不快感を解消する
ことができる。しかも風速が高くなるので、空調機起動
後、ごく速い時間で、快適感を得ることが可能となる。
【0033】そして、このような空間渦流の利用によ
り、空気吹出風の指向性が高くなる結果、従来機の送風
量のままでも、所定の限定された空間に、容易に温冷風
を回収、供給できるようになる。また、家具、事務機器
等に代表されるような、空調対象空間内の空調機の気流
に対する障害物があるときでも、これを避けて、従来方
法ではできないような特定の指定空間場へ高い自由度で
の空調制御が行えるようになる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本願の請求項1〜4各項
記載の空気調和機によると、空調用の空気吹出流として
空間渦流を利用することにより、暖房時には床面の冷気
を効率的に天井近くの空調機まで集め、寒さを感じてい
る人間の足元に加熱された温風が至るように供給するこ
とができ、このとき特に頭部、顔部の暖気は不快感の要
因となるので、床面までの暖気の押し込みを行うことも
可能となる。また冷房時には逆に足元だけの冷え感に代
表される冷房時の不快感を解消することもできる。しか
もそれらが空調機の起動後ごく短時間で実現され、速か
な快適感を得ることが可能となる。
【0035】また、これらの作用が空間渦流の利用によ
り、従来機程度の小さな送風量で容易に実現される。
【0036】また、例えば家具や事務機器等の空調気流
に対する障害物があるようなときでも、それを避けて、
目的とする局所場へ高い自由度で空調制御を行うことが
できる。
【0037】また、快適性向上の要求に対して、空調機
設置空間全体の温度の一様性、均一性を目指すのではな
く、所定の場所にいる個々人の要求に対応してその要求
を実現することができるようになるので、エネルギーコ
ストの節減になる(快適性に無関係な空間の温度管理は
せずとも良くなる)。
【0038】さらに、又別の適用効果として、上記吹出
渦流使用の空調機により、空調機起動後に床面をいち速
く加熱し、また冷却する事や、側壁面を冷却、加熱する
事にも使用することができる。更に冷暖房以外の快適性
の向上、あるいは日常生活以外の作業環境、医療環境の
改善等さまざまな分野にも有用となる。
【0039】
【実施例】図1〜図10は、本願発明の実施例に係る例
えば天井埋込形空気調和機の構成および動作を示してい
る。
【0040】先ず図1および図2は、同空気調和機本体
の機械的な構造を、また図3はその制御回路を示してお
り、図中符号1は天井埋込形の空気調和機本体40の外
部ケーシングである。該外部ケーシング1は、図2に示
すように天井3の内側に埋め込んだ状態で係止されてい
る。
【0041】該外部ケーシング1は、全体として箱形の
カセット構造をなし、その下部には左右方向中央部に位
置して前後方向に長い空気吸込用グリル4が、また、そ
の左右両側端位置には第1〜第4および第5〜第8の各
々前後方向に4組に分割された左右2つのグループの空
気吹出口14a〜14d,14e〜14hを備えた空気
吹出グリル30A,30Bが各々形成されている。また
一方、その内部には、上記空気吸込用グリル4から上記
第1〜第4の空気吹出口14a〜14dおよび第5〜第
8の空気吹出口14e〜14h方向に左右に分れて相互
に連通する第1〜第4の4組の通風路6a〜6dが隔壁
によって画成されて設けられている。そして、それらの
左右方向各中央部には第1〜第4のファン(シロッコフ
ァン)8a〜8dが設けらているとともに、その左右両
方向各々の上流側から下流側にかけては順次熱交換器5
a,5b、第1〜第4および第5〜第8の風量(風速)
制御羽根11a〜11d、11e〜11h、風向調整フ
ラップ12a〜12d、12e〜12hがそれぞれ設け
られている。風向調整フラップ12a〜12d、12e
〜12hは、それぞれ左右および前後両方向に風向を調
整する上下2枚の風向変更板121,122よりなって
いる。そして、該風向変更板121,122の各々は、
例えばDCモータ等の小型モータにより独立して姿勢角
が可変制御されるようになっており、後述するように上
記第1〜第4および第5〜第8の各空気吹出口14a〜
14d、14e〜14hから吹き出される吹出風の風向
を所定の相関関係をもって設定可変する。
【0042】また上記第1〜第4および第5〜第8の各
風量(風速)制御羽根11a〜11d,11e〜11h
も、その水平方向の傾斜角を所定の並列リンク機構を介
してDCモータ等の小型モータの駆動によって可変制御
され、その並立間隔を図1に示すように各空気吹出口の
位置に応じて変えることによって当該対応する空気吹出
口からの吹出風量および吹出風速(吹出風のエネルギ
ー)を他の位置の空気吹出口の吹出風量および吹出風速
と所定の相関関係をもって可変することによって空気調
和機40全体としての吹出風が図4および図5に示すよ
うに所定の空間位置方向への指向性を有した旋回気流と
なるように制御する。
【0043】次に、当該空気調和機40の上記旋回気流
形成動作について、図3の制御回路を参照して詳細に説
明する。
【0044】すなわち、該構成の空気調和機40では、
図3に示すように、上記第1〜第4のファン8a〜8d
の各々の回転数を個別に制御するファン制御手段21
と、上記風量(風速)制御羽根11a〜11d,11e
〜11hの傾斜角を各々可変することによって上記第1
〜第4および第5〜第8の各空気吹出口14a〜14
d,14e〜14hからの吹出風量(吹出風速)を制御
する風量(風速)制御手段22と、上記風向調整フラッ
プ12a〜12d,12e〜12hの各風向変更板12
1,122の姿勢角を可変することによって上記各空気
吹出口14a〜14dおよび14e〜14hから吹出さ
れる吹出風の風向を調整する風向制御手段23と、これ
らの各制御手段21〜23の各々に制御情報を与える中
央情報処理手段24と、該中央情報処理手段24に対し
て当該空調対象空間の温度、湿度、空気清浄度などの外
部センサにより検出された環境条件パラメータを入力す
る環境条件入力手段25と、当該空調機使用者の外部操
作に対応して設定された空調対象位置、設定温度、風量
等の快適感(暖冷感)調整条件パラメータを入力する設
定条件入力手段26とからなる空調機制御回路を備えて
構成されている。
【0045】そして、上記中央情報処理手段24は、上
記環境条件入力手段25からの入力パラメータと設定条
件入力手段26からの入力パラメータとを比較して環境
条件に対応した所定対象位置における使用者の快適感の
評価を行ない使用者が設定した所望快適感を満足させる
空調状態を実現するように上記各制御手段21〜23に
制御情報を提供して例えば図5〜図9に示すような空調
制御を実行する。
【0046】すなわち、該構成では、上記のようにして
中央情報処理手段24からの制御情報によってファン制
御手段21、風量(風速)制御手段22、風向制御手段
23の各々が作動され、その結果、上記各ファンの絶対
送風量、各空気吹出口14a〜14d、14e〜14h
からの吹出風の風量(風速)、左右又は前後方向への風
向が所望の状態に相互に所定の相関関係をもって制御さ
れるようになる。
【0047】したがって、例えば上記各空気吹出口14
a〜14d、14e〜14hそれぞれからの吹出風の風
量(風速)および風向を全体として旋回気流が形成され
るような相関パターン(図4参照)で制御するようにす
ると、図5、図7に示すように、当該空気調和機からの
熱交換された吹出風が遠心力を伴って到達距離が大きく
延びるようになるとともに中央部が負圧領域となって吸
引力の高い旋回気流状態となって空調対象空間内に吹き
出されるようになる。図7は、図6の空調空間ARを対
象して行った解析データを示している。また、その結
果、吹出風および吸気流の指向性も高くなり、制御パタ
ーンの設定次第で、例えば図8〜図10に示すように任
意の態様での空調状態を実現できるようになる。
【0048】すなわち、以上のように空気調和用の空気
吹出流として図4、図7のような空間渦流を形成するよ
うにすると、例えば図8の(B)に示すように暖房時に
は床面の冷気を効率的に天井近くの空調機まで集める一
方、寒さを感じているユーザM2の足元に効率的に加熱
された温風が届くようにすることができる。また、この
とき特に頭部、顔部の暖気は不快感(頭熱感)の要因と
なるので、床面までの暖気の押し込みを行うようにする
ことができる。従って、図8の(A)に示す従来の、ユ
ーザ位置に関係なく頭部に暖気域が停滞して頭熱感を伴
う問題点およびユーザM1,M2の快適要求性の相違に対
応できなかった問題点が共に解決される。また図9の
(B)に示すように、図9の(A)のような冷房時には
逆に足元だけの冷え感に代表される冷房時の不快感を解
消することができる。しかも風速が高くなるので、空調
機の起動後ごく速い時間で、快適感を得ることが可能と
なる。
【0049】そして、このような空間渦流の利用によ
り、指向性が高くなる結果、従来機の送風量のままで
も、所定の限定された空間に、容易に温冷風を回収、供
給できるようになる。
【0050】さらに、また図10に示すように家具、事
務機器等に代表されるような、空調対象空間AR内の空
調機の気流に対する障害物があるようなときでも、これ
を避けて、従来の空調システムでは実現できないような
特定の指定空間場(ユーザ位置)へ高い自由度での空調
制御が行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本願発明の実施例に係る空気調和機の構成を示
す一部切欠底面図である。
【図2】図2は、同図1のA−A断面図である。
【図3】図3は、同空気調和機の制御回路図である。
【図4】図4は、同空気調和機の風速イメージを示す概
略図である。
【図5】図5は、同空気調和機の天井部からの吹出しパ
ターン例を示す図である。
【図6】図6は、同空気調和機の機能を解析するための
吹出し、吸込み条件の設定例を示す図である。
【図7】図7は、図6の条件で行った空気吹出風の解析
例である。
【図8】図8は、同空気調和機の暖房状態における空調
例を従来例と対比して示す図である。
【図9】図9は、同空気調和機の冷房状態における空調
例を従来例と対比して示す図である。
【図10】図10は、同空気調和機の空調対象空間内に
障害物がある場合の空調例を示す図である。
【符号の説明】
1は外部ケーシング、3は天井、4は空気吸込グリル、
5a,5bは熱交換器、6a〜6dは第1〜第4の通風
路、8a〜8dはファン、11a〜11hは風速制御羽
根、12a〜12hは風向調整フラップ、21はファン
制御手段、22は風量(風速)制御手段、23は風向制
御手段、24は中央情報処理手段である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川添 政宣 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の空気吹出部と、該複数の空気吹出
    部の各々に設けられた風向変更手段と、該複数の風向変
    更手段をそれぞれ独立に作動させる風向制御手段とを備
    え、上記風向制御手段により上記複数の風向変更手段の
    各々を全体として旋回流が形成されるように作動させて
    風向制御するようにしたことを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】 複数の空気吹出部と、該複数の空気吹出
    部の各々に設けられた風量調節手段と、該複数の風量調
    節手段をそれぞれ独立に作動させる風量制御手段とを備
    え、上記風量制御手段により上記複数の風量調節手段の
    各々を全体として旋回流が形成されるように作動させて
    風量制御するようにしたことを特徴とする空気調和機。
  3. 【請求項3】 複数の空気吹出部と、該複数の空気吹出
    部の各々に設けられた風速調節手段と、該複数の風速調
    節手段をそれぞれ独立に作動させる風速制御手段とを備
    え、上記風速制御手段により上記複数の風速調節手段の
    各々を全体として旋回流が形成されるように作動させて
    風速制御するようにしたことを特徴とする空気調和機。
  4. 【請求項4】 複数の空気吹出部と、該複数の空気吹出
    部の各々に設けられた風量調節手段および風向変更手段
    と、該複数の風量調節手段および風向変更手段をそれぞ
    れ独立に作動させる風量制御手段および風向制御手段と
    を備え、上記風量制御手段および風向制御手段の各々に
    より上記複数の風量調節手段および風向変更手段の各々
    を全体として旋回流が形成されるように作動させて風量
    および風向制御するようにしたことを特徴とする空気調
    和機。
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