JP7439426B2 - 環境制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、環境制御システムに関する。
特許文献1に、人体に適した調和空気を送ることができる空気調和機が記載されている。この空気調和機は、部屋の空間情報をセンサで取得し、センサが取得した空間情報から人体の存在する範囲を判定し、判定した人体の存在する範囲の空間情報を解析することにより、人体の状態を判定する。その後、判定された人体の状態、すなわち人体の頭部または足元の位置もしくは人体の姿勢に適した気流制御もしくは温度調節を行う。
特開2012-42131号公報
上記特許文献1の発明においては、空気調和機による気流制御もしくは温度調節が実行されるが、室内環境をより総合的に改善する上で、未だ改善の余地がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、室内にいる人の快適性、生産性、作業性のうちの少なくとも一つを向上する上で有利になる環境制御システムを提供することを目的とする。
本発明に係る環境制御システムは、室内に空気を吹き出す少なくとも1つの吹出口と、吹出口から空気が吹き出される方向を変更可能な風向変更手段とを有する空気調和装置の動作と、室内を換気する換気装置の動作とを制御可能な環境制御システムであって、室内の物の表面温度を検出可能な表面温度検出手段と、表面温度検出手段により検出された表面温度の情報に基づいて室内の人体の頭部の位置及び人体の頭部の温度を判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて吹出口から人体の頭部に向けて空気が吹き出されるように風向変更手段を制御するとともに換気装置の換気量を判定手段の判定結果に基づいて変化させる効率向上動作を空気調和装置及び換気装置に実行させることが可能な制御手段と、を備え、複数の人体に対して、頭部温度が高い順に、効率向上動作を実行するものである。
本発明によれば、室内にいる人の快適性、生産性、作業性のうちの少なくとも一つを向上する上で有利になる環境制御システムを提供することが可能となる。
実施の形態1の環境制御システムが用いられる作業空間の構成を模式的に示す側面図である。 実施の形態1における空気調和装置の室内機の斜視図である。 実施の形態1における空気調和装置の室内機が備えるルーバーの内部構造を示す図である。 実施の形態1における換気装置本体の断面平面図である。 図4に示す換気装置本体の内部に搭載される熱交換素子の斜視図である。 実施の形態1の環境制御システムの制御系統の構成を示すブロック図である。 実施の形態1の環境制御システムの動作例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、共通する説明を簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1から図6は、実施の形態1に係る環境制御システムの構成を示すものである。図1は、実施の形態1の環境制御システムが用いられる作業空間100の構成を模式的に示す側面図である。図2は、実施の形態1における空気調和装置の室内機1の斜視図である。図3は、実施の形態1における空気調和装置の室内機1が備えるルーバーの内部構造を示す図である。図3は、図2において破線で囲われているA部分の内部構造を示している。図4は、実施の形態1における換気装置本体40の断面平面図である。図5は、図4に示す換気装置本体40の内部に搭載される熱交換素子47の斜視図である。図6は、実施の形態1の環境制御システムの制御系統の構成を示すブロック図である。
本実施の形態に係る環境制御システムは、図1に示すような作業空間100内にいる人である在室者50の快適性、生産性、作業性の低下の抑制または快適性、生産性、作業性の向上を行うものである。作業空間100は、例えば1つの部屋の内部空間である。図1に示すように、作業空間100内には、一例として、複数の在室者50がいる。図1に示す状態では、在室者50は、一例として、机53で仕事をしている。なお、作業空間100は、一人の在室者50のみが存在可能な空間でもよい。また、以下の説明では、作業空間100のことを「室内」と称する場合がある。
本実施の形態に係る環境制御システムは、作業空間100を対象として空気調和を行う空気調和装置の動作と、作業空間100内を換気する換気装置の動作とを制御可能である。空気調和装置は、冷風を吹き出す冷房運転、温風を吹き出す暖房運転及び常温の風を吹き出す送風運転を含む空調運転を実行可能である。換気装置は、作業空間100内の二酸化炭素あるいは汚染空気を屋外に排出し、屋外から新鮮な空気を作業空間100内に供給する換気運転を実行可能である。また、本実施の形態に係る空気調和装置及び換気装置は、効率向上動作を実行可能である。効率向上動作は、在室者50の快適性、生産性及び作業性のうちの少なくとも一つを向上する上で有利になる動作である。作業性とは、在室者50が作業をしている場合の作業の能率に相当する。効率向上動作の詳細な説明は、後述する。
空気調和装置は、室内機1を備えている。本開示では、室内機1を空気調和装置の本体とも称する。図1に示すように、室内機1は、一例として、作業空間100が形成される部屋の天井面54に設置される。なお、空気調和装置の室内機1は、例えば、床面51または壁面52に設置されるように構成されるものであってもよい。
一例として、本実施の形態に係る環境制御システムは、図1に示すように、一つの作業空間100に設置された2台の室内機1の動作を制御可能である。なお、本開示に係る環境制御システムにおいて動作が制御される空気調和装置及び室内機1の台数は、1台だけでもよいし、任意の複数台でもよい。
室内機1には、冷媒が流れる配管を介して、室外機が接続されている。この配管及び室外機の図示を、本開示では省略している。また、空気調和装置が空調運転を実行するために必要な冷凍サイクルを構成する各機器及び作業空間100内に空気を吹き出すための送風ファン等の図示も、本開示では省略している。冷凍サイクルを構成する各機器には、例えば、熱交換器及び圧縮機等が含まれる。
図2に示すように、室内機1は、筐体30を備えている。室内機1の筐体30は、略直方体形を呈する箱状に形成されている。室内機1の筐体30の下部には、矩形状または正方形状の下面パネル31が設けられている。下面パネル31には、吸込口5が形成されている。吸込口5は、外部から筐体30の内部に空気を取り込むための開口である。一例として、吸込口5は、図2に示すように、下面パネル31の中央に配置されている。
また、下面パネル31には、吹出口20が形成されている。吹出口20は、筐体30の内部から外部へと空気を排出するための開口である。本実施の形態において、下面パネル31には、一例として、4つの吹出口20が形成されている。4つの吹出口20は、図2に示すように、吸込口5の周囲に配置されている。4つの吹出口20は、それぞれ、下面パネル31の各辺に沿って設けられている。このように、本開示に係る空気調和装置は、吹出口20が形成された本体を備えている。
図1、図2及び図3に示すように、室内機1は、上下ルーバー2及び左右ルーバー4を備えている。上下ルーバー2及び左右ルーバー4は、吹出口20のそれぞれに設けられている。上下ルーバー2は、吹出口20から吹き出される空気の上下方向の吹き出し角度を調整するためのものである。左右ルーバー4は、吹出口20から吹き出される空気の左右方向の吹き出し角度を調整するためのものである。
上下ルーバー2は、矩形の板状を呈する部材である。上下ルーバー2の一端は、吹出口20の縁部のうちの、下面パネル31の中央側の部分に、回動可能に取り付けられている。この一端を軸にして上下ルーバー2が回動することで、吹出口20から吹き出される空気の上下方向の吹き出し角度が変更される。
左右ルーバー4は、矩形の板状を呈する複数枚の部材によって構成されている。この矩形の板状を呈する複数枚の部材は、吹出口20の長手方向に垂直な方向に沿うように配置されている。左右ルーバー4の一端は、吹出口20の縁部の奥側部分に、回動可能に取り付けられている。この一端を軸にして左右ルーバー4が回動することで、吹出口20から吹き出される空気の左右方向の吹き出し角度が変更される。
以上のように構成された上下ルーバー2及び左右ルーバー4は、吹出口20から空気が吹き出される方向を変更可能な風向変更手段の一例である。本実施の形態における空気調和装置は、上下ルーバー2の向きと左右ルーバー4の向きとの組み合わせを変更することで、様々な方向への送風が可能である。
また、上下ルーバー2の向きが最も上向きにされることで、吹出口20は当該上下ルーバー2によって閉塞される。本実施の形態における空気調和装置は、複数の吹出口20のうちの一部の吹出口20を上下ルーバー2によって閉塞することで、当該一部の吹出口からの送風を停止することが可能である。
筐体30の内部には、吸込口5から吹出口20へと通じる風路が形成されている。吸込口5から吹出口20へと通じる風路内には、図示しない熱交換器及び送風ファンが設置されている。熱交換器は、風路を流れる空気と冷媒との間での熱交換によって、当該空気を加熱または冷却する。熱交換器によって空気が加熱されるか冷却されるかは、空気調和装置が実行する空調運転の種類に依る。熱交換器は、空気を加熱または冷却することで、当該空気の温度及び湿度等を調整し、調和空気を生成する。具体的には、暖房運転時には、熱交換器は、空気を加熱する。冷房運転時には、熱交換器は、空気を冷却する。また、送風運転時には、熱交換器を通過した空気は、常温の調和空気として生成される。
送風ファンは、吸込口5から吹出口20へと向かう空気流を筐体30の内部の風路中に生成するためのものである。送風ファンが動作すると、吸込口5から空気が吸い込まれ、吹出口20から空気が吹き出される。
吸込口5から吸い込まれた空気は、室内機1の筐体30の内部の風路を、熱交換器、送風ファンの順に通過する。送風ファンを通過した空気、すなわち調和空気は、吹出口20から吹き出される。暖房運転時には、吹出口20から温風が吹き出される。冷房運転時には、吹出口20から冷風が吹き出される。送風運転時には、吹出口20から常温の風が吹き出される。この際、吹出口20から空気が吹き出される方向は、送風ファンの風下側に配置された上下ルーバー2及び左右ルーバー4により、調整される。空気調和装置は、様々な温度の空気を様々な方向へ送風することができる。
図2に示すように、下面パネル31には、表面温度センサ3が取り付けられている。表面温度センサ3は、例えば、一方向に並べられた複数のサーモパイルを有している。複数のサーモパイルのそれぞれは、赤外線の受光及び温度の検出を個別に実行可能な素子を有している。そして、表面温度センサ3は、複数のサーモパイルの上記の一方向に直交する方向を変えるように動作することができる。表面温度センサ3は、一方向に並んだ複数のサーモパイルのそれぞれを走査させることによって、予め設定された対象範囲内の物の表面温度を検出することができる。なお、この対象範囲は、作業空間100全体をカバーしていることが望ましい。
なお、表面温度センサ3は、SOIダイオード方式の非冷却赤外線イメージセンサを有するものであってもよい。「SOI」とは、「Silicon On Insulator」の略称である。表面温度センサ3がSOIダイオード方式の場合には、センサ部にシリコンダイオードが用いられる。このため、SOIダイオード方式の表面温度センサ3は、半導体製造ラインで製造可能であり、生産コストが安いというメリットを有している。SOIダイオード方式の表面温度センサ3も、複数のサーモパイルを有する表面温度センサ3と同様、予め設定された対象範囲内の物の表面温度を検出することができる。このように、表面温度センサ3には、任意の方式のセンサが用いられる。
表面温度センサ3は、物の表面温度の情報を非接触で取得する。表面温度センサ3は、上記のような構成により、対象範囲内を走査して、当該対象範囲内の表面温度分布データを取得する。表面温度分布データは、熱画像データとも称されるものである。表面温度センサ3の検出結果、すなわち対象範囲内の表面温度分布データは、後述するコントローラ部6等で処理される。これにより、作業空間100が形成される部屋の床面51及び壁面52の位置、作業空間100内の机53等の障害物の有無、在室者50を含む熱源の有無等が検出される。
表面温度センサ3は、図1に示すように、下面パネル31ではなく、天井面54に別体のセンサとして取り付けられてもよい。この場合、室内機1が複数台設置されているときは、それぞれの室内機1の中間距離に設置されるのが望ましい。
次に、換気装置に関して説明する。換気装置は、換気装置本体40と、室内の空気を換気装置本体40に導く排気用ダクト42と、換気装置本体40から室内の空気を屋外に排出する屋外排気ダクト43と、屋外から新鮮空気を換気装置本体40に導く屋外給気ダクト44と、換気装置本体40から室内に新鮮空気を供給する給気用ダクト41とを備えている。図1に示すように、換気装置は、一例として、作業空間100が形成される部屋の天井面54の上に設置される。なお、換気装置本体40は、例えば、床面51の下部または壁面52内に設置されるように構成されるものであってもよい。
一例として、本実施の形態に係る環境制御システムは、図1に示すように、1台の換気装置の動作を制御可能である。なお、本開示に係る環境制御システムにおいて動作が制御される換気装置及び換気装置本体40の台数は、1台でもよいし任意の複数台でもよい。また、1台の換気装置本体40に対して、複数の給気用ダクト41あるいは複数の排気用ダクト42が接続されていてもよい。
換気装置本体40の内部には、図4に示すように、給気ファン45と、排気ファン46と、熱交換素子47とが設置されている。熱交換素子47は、図5に示すように、平板状の熱交換紙47aと、コルゲート構造を有する支持紙47bとが交互に積層されて構成される。熱交換紙47aは、給気の流路と排気の流路との間を仕切る。熱交換紙47aは、給気と排気との間での熱交換に寄与する。支持紙47bは、熱交換紙47aを支える。複数の支持紙47bは、コルゲート構造における溝状の凹部の長手方向が、熱交換紙47aを挟んで隣り合う二つの支持紙47bの間で、互いに垂直になるように配置されている。熱交換紙47aとその一方の面側にある支持紙47bとの間に、給気の流路が複数並行して形成される。当該熱交換紙47aとその他方の面側にある支持紙47bとの間に、複数の排気の流路が複数並行して形成される。熱交換紙47aの面に垂直な方向から見たときに、給気の流路と排気の流路とは互いに直交する。これらの流路に空気が流れるときに、熱交換紙47aの一方の面に接する給気と、当該熱交換紙47aの他方の面に接する排気とが、互いに混じることなく、当該熱交換紙47aを介して熱を交換する。すなわち、給気及び排気のうちでいずれか温度の高い方の空気の熱が、熱交換紙47aを通じて、熱交換紙47aの逆面の空気へ移動する。このようにして、熱交換素子47を通過する給気と排気の空気の間で熱が交換される。
室内の空気は、排気ファン46により、天井面54に設置された室内空気吸い込み口48から排気用ダクト42に吸い込まれ、換気装置本体40の内部に導かれる。その後、室内の空気は、熱交換素子47を通過する。同時に、屋外の新鮮空気は、給気ファン45により、屋外給気ダクト44を通り、換気装置本体40の内部に導かれる。その後、屋外の新鮮空気は、熱交換素子47を通過する。このとき、室内の空気と屋外の新鮮空気は、熱交換素子47を介して、交差するように流通し、熱交換素子47を通し、熱のみが交換される。その後、室内の空気は、排気ファン46を通り、屋外排気ダクト43から屋外に排出される。屋外の新鮮空気は、給気ファン45及び給気用ダクト41を通り、天井面54に設置された給気口49から室内に供給される。本実施の形態であれば、熱交換素子47を有する換気装置を用いることで、室内の冷房時の冷気あるいは暖房時の暖気と、屋外の新鮮空気との間で熱を交換することができる。その結果、冷房あるいは暖房の負荷を確実に軽減することが可能となる。
次に、図6を参照し、本実施の形態の環境制御システムの制御系統の構成について説明する。図6に示すように、本実施の形態の環境制御システムは、コントローラ部6を備えている。コントローラ部6は、一例として、空気調和機の室内機1に備えられている。
コントローラ部6は、表面温度センサ3の動作を制御する。また、上記したように、コントローラ部6は、表面温度センサ3から出力された表面温度分布データの処理を行う。コントローラ部6は、例えば、情報取得部7、位置判定部8、部位判定部9、温度判定部10、及び活動量判定部11を備えている。
情報取得部7は、表面温度センサ3から出力された表面温度分布データを取得する。位置判定部8は、情報取得部7が取得した表面温度分布データに基づいて、対象範囲内の物の位置を判定する。位置判定部8が位置を判定する物には、例えば、在室者50、床面51、壁面52及び机53等が含まれる。位置判定部8は、表面温度の違い及び表面温度の分布形状等から、これらの物の位置を判定する。
上記したように、表面温度センサ3は、対象範囲内を走査して、表面温度分布データを取得する。表面温度センサ3が走査を一回実施したことで得られた表面温度分布データは、例えば、位置判定部8に記録される。その後、表面温度センサ3は、対象範囲内を再度走査して、表面温度分布データを再度取得する。再度取得された表面温度分布データは、位置判定部8に記録される。表面温度センサ3が取得した複数の表面温度分布データは、時系列的に記録される。位置判定部8は、それら複数の表面温度分布データを比較することで、対象範囲内にある物が動いたかどうかを判定する。
作業空間100がオフィス等である場合、当該作業空間100内で動いた物は、在室者50の人体であると考えられる。位置判定部8は、時系列的に記録された複数の表面温度分布データを比較することで、対象範囲内において動いた物を人体として判定する。
また、作業空間100内の机53等の障害物、床面51及び壁面52は、一定期間は移動せずに固定位置に存在すると考えられる。位置判定部8には、机53等の障害物、床面51及び壁面52等の一定期間移動しない物の位置情報が予め記録されていてもよい。位置判定部8は、予め記録された一定期間移動しない物の位置情報と表面温度センサ3が取得した表面温度分布データとに基づいて、在室者50の人体の位置を判定してもよい。
また、部位判定部9は、情報取得部7が取得した表面温度分布データに基づいて、在室者50の身体の部位を判定する。具体的には、部位判定部9は、まず、位置判定部8が判定した在室者50の位置の情報に基づいて、在室者50の表面温度の温度分布を示す部分の形状を特定する。
一般的に、作業空間100内において、在室者50は、立っているまたは座っていると考えられる。そこで、部位判定部9は、在室者50の表面温度の温度分布を示す部分のうち、上部の円形部位を頭部として判定し、下部を体部として判定する。本実施の形態において「体部」とは、在室者50の身体のうちで頭部以外の部分を指す。なお、部位判定部9は、形状だけでなく、部位毎の表面温度の差異等から頭部と体部とを判定してもよいし、予め蓄積されたデータに基づいて頭部と体部とを判定してもよい。このようにして、部位判定部9は、在室者50の表面温度の温度分布を示す部分を、頭部と体部との2つに分割する。
また、部位判定部9は、在室者50の表面温度の温度分布を示す部分のうちの上半分の範囲を在室者50の上半身の位置として判定する。本実施の形態において「上半身」には、上述した頭部と、体部のうちの上側の部分とが含まれる。
温度判定部10は、在室者50の頭部の温度を示す頭部温度を、情報取得部7が取得した表面温度分布データ及び部位判定部9の判定結果等に基づいて判定する。一例として、温度判定部10は、部位判定部9により頭部として判定された範囲全体の平均温度または最大温度を、頭部温度として判定する。
さらに、本実施の形態において、温度判定部10は、在室者50の体部の温度を示す体部温度を、情報取得部7が取得した表面温度分布データ及び部位判定部9の判定結果等に基づいて判定する。一例として、温度判定部10は、部位判定部9により体部として判定された範囲全体の平均温度または最大温度を、体部温度として判定する。また、温度判定部10は、部位判定部9により上半身として判定された範囲全体の平均温度または最大温度を、在室者50の上半身の温度を示す上半身温度として判定する。なお、体部温度及び上半身温度の判定には、例えば着衣物等を考慮したアルゴリズム等が用いられてもよい。
活動量判定部11は、温度判定部10により判定される在室者50の人体の温度情報と、位置判定部8により判定される在室者50の位置の移動に関する情報とのいずれか一方または両方に基づいて、在室者50の活動量を判定する。活動量判定部11は、例えば、METs(メッツ)、EX(エクササイズ)=METs(メッツ)×時間、歩数、歩行速度、消費カロリー、時間当たりの消費カロリーのうちの少なくとも一つを計算または推定することで、在室者50の活動量を判定してもよい。
活動量が多いほど、在室者50の人体の温度が高くなる。このことを利用して、活動量判定部11は、在室者50の人体の温度が高いほど、活動量が多いと判定してもよい。一例として、活動量判定部11は、在室者50の上半身温度が高いほど、活動量が多いと判定してもよい。上半身温度は、活動量をより正確に反映する。このため、上半身温度を用いることで、活動量をより高い精度で判定できる。ただし、活動量判定部11は、頭部温度あるいは上半身以外の体部温度を用いて活動量を判定してもよいし、在室者50の全身の温度を用いて活動量を判定してもよい。
在室者50の位置の移動が多いほど、在室者50の歩行距離が長く、在室者50の活動量が多いと考えられる。このことを利用して、活動量判定部11は、在室者50の位置の移動が多いほど、活動量が多いと判定してもよい。
前述したように構成された表面温度センサ3は、対象範囲内の物の表面温度を検出可能な表面温度検出手段の一例である。また、情報取得部7、位置判定部8、部位判定部9、温度判定部10及び活動量判定部11を備えるコントローラ部6は、表面温度検出手段により検出された表面温度の情報に基づいて対象範囲内の人体の頭部及び上半身の位置並びに頭部及び上半身の温度を判定する判定手段の一例である。なお、本開示に係る判定手段の構成は、本実施の形態におけるコントローラ部6の構成に限られるものではない。本開示に係る判定手段は、任意の手法によって対象範囲内の人体の頭部及び上半身の位置並びに頭部及び上半身の温度を判定するものでもよい。
位置判定部8、部位判定部9、温度判定部10及び活動量判定部11による判定結果は、情報処理部12及び制御部13を経て、空気調和装置の上下ルーバー制御部14及び左右ルーバー制御部15と、換気装置の換気ダンパ制御部16及び換気ファン制御部17とに伝えられる。
上下ルーバー制御部14は、上下ルーバー2の動作を制御して、吹出口20から空気が吹き出される方向を変更する。具体的には、上下ルーバー制御部14は、上下ルーバー2を動かすための図示しないモーター等の機器を電気的に制御する。左右ルーバー制御部15は、左右ルーバー4の動作を制御して、吹出口20から空気が吹き出される方向を変更する。具体的には、左右ルーバー制御部15は、左右ルーバー4を動かすための図示しないモーター等の機器を電気的に制御する。
換気装置が屋外からの新鮮空気を室内へ吹き出す給気口49内には、図示しない給気ダンパが設けられている。換気ダンパ制御部16は、この給気ダンパの開度を制御する。換気ダンパ制御部16は、給気ダンパを動かすための図示しないモーター等の機器を電気的に制御する。これにより、屋外からの新鮮空気が室内へ流入する量を変更する。換気ファン制御部17は、換気装置の給気ファン45の回転数及び排気ファン46の回転数を制御する。具体的には、換気ファン制御部17は、給気ファン45及び排気ファン46のそれぞれを駆動する図示しないモーター等の機器を電気的に制御する。
情報処理部12は、表面温度センサ3及びコントローラ部6により検出された対象範囲内の人体の位置の情報と当該人体の部位の情報と当該人体の温度分布の情報とに基づいて、空気調和装置と換気装置の制御内容を決定する。制御部13は、情報処理部12が決定した制御内容に従って、上下ルーバー制御部14、左右ルーバー制御部15、換気ダンパ制御部16、換気ファン制御部17のそれぞれに具体的な制御指令を出力する。上下ルーバー制御部14は、制御部13からの制御指令に従って、上下ルーバー2の動作を制御する。左右ルーバー制御部15は、制御部13からの制御指令に従って、左右ルーバー4の動作を制御する。換気ダンパ制御部16は、制御部13からの制御指令に従って、給気口49の給気ダンパの開度を制御する。換気ファン制御部17は、制御部13からの制御指令に従って、給気ファン45及び排気ファン46のそれぞれの回転数を制御する。
以上のように構成された、情報処理部12、制御部13、上下ルーバー制御部14、左右ルーバー制御部15、換気ダンパ制御部16、換気ファン制御部17は、制御手段の一例である。
上記したように、本実施の形態に係る環境制御システムは、在室者50の快適性、生産性、作業性を向上することが可能である。生産性及び作業性の効率向上動作は、作業空間100内の在室者50の生産性及び作業性の効率の低下を抑制または在室者50の生産性及び作業性の効率を向上させるための動作である。生産性及び作業性の効率向上動作は、空気調和装置の室内機1により、在室者50の頭部に向けて空気を吹き出すことによって当該頭部の温度を低下させる動作とともに、在室者50の人数及び活動量に応じて、換気装置により室内に新鮮空気を供給する動作である。生産性及び作業性の効率向上動作の実行時には、空気調和装置は、冷房運転または送風運転を行う。すなわち、本実施の形態において、空気調和装置は、生産性及び作業性の効率向上動作の実行時には、冷風または常温の風を吹出口20から吹き出す。このような効率向上動作により、在室者50の快適性も同時に向上する。
生産性及び作業性の効率向上動作を実行する空気調和装置と換気装置について、図1を参照しながら説明する。図1に示す構成例において、天井面54には2台の室内機1と、換気装置の室内空気吸い込み口48と、給気口49とが設置されている。この2台の室内機1のうち、左側の室内機1を、室内機1aとも称することとする。また、この2台の室内機1のうち、右側の室内機1を、室内機1bとも称することとする。
また、室内機1aの複数の吹出口20のうち、図1における左側の吹出口20を、吹出口20aとも称することとする。室内機1aの複数の吹出口20のうち、図1における右側の吹出口20を、吹出口20bとも称することとする。室内機1bの複数の吹出口20のうち、図1における左側の吹出口20を、吹出口20cとも称することとする。室内機1bの複数の吹出口20のうち、図1における右側の吹出口20を、吹出口20dとも称することとする。
また、図1においては、4つの上下ルーバー2が図示されている。この4つの上下ルーバー2を、それぞれ、左側から順に、上下ルーバー2a、上下ルーバー2b、上下ルーバー2c及び上下ルーバー2dとも称することとする。上下ルーバー2aは、吹出口20aから空気が吹き出される方向を変更する。上下ルーバー2bは、吹出口20bから空気が吹き出される方向を変更する。上下ルーバー2cは、吹出口20cから空気が吹き出される方向を変更する。上下ルーバー2dは、吹出口20dから空気が吹き出される方向を変更する。
図1に示す構成例において、作業空間100内には、3人の在室者50が図示されている。この3人の在室者50を、それぞれ、左側から順に、在室者50a、在室者50b、在室者50cとも称することとする。生産性及び作業性の効率向上動作のとき、上下ルーバー制御部14及び左右ルーバー制御部15は、吹出口20から、在室者50aの頭部と、在室者50bの頭部と、在室者50cの頭部とに向けて空気が吹き出されるように、風向変更手段の一例である上下ルーバー2及び左右ルーバー4を制御する。
在室者50aに最も近い上下ルーバー2aは、在室者50aに最も近い吹出口20aから在室者50aの頭部に風が当たるように、上下風向を変更する。在室者50bに近い上下ルーバー2bと上下ルーバー2cは、吹出口20bと吹出口20cから在室者50bの頭部に風が当たるように、上下風向を変更する。在室者50cに最も近い上下ルーバー2dは、在室者50cに最も近い吹出口20dから在室者50cの頭部に風が当たるように、上下風向を変更する。
このように、複数の上下ルーバー2のうち在室者50に最も近い上下ルーバー2が、吹出口20から当該在室者の頭部に向けて空気が吹き出されるように上下風向を変更する。上下ルーバー2は、複数の吹出口20のうち在室者50に最も近い吹出口20から当該在室者50の頭部に向けて空気が吹き出されるように上下風向を変更する。また、図1では図示していないが、左右ルーバー4も、上下ルーバー2と同様、複数の吹出口20のうち在室者50に最も近い吹出口20から当該在室者50の頭部に向けて空気が吹き出されるように左右風向を変更する。風向変更手段の一例である上下ルーバー2及び左右ルーバー4は、複数の吹出口20のうち在室者50に最も近い吹出口20から当該在室者50の頭部に向けて空気が吹き出されるように制御される。
生産性及び作業性の効率向上動作のときには、空気調和装置と共に換気装置が制御される。すなわち、換気装置は、在室者50の人数及び活動量に応じて、給気口49から室内に新鮮空気を供給し、室内空気吸い込み口48から吸い込まれた室内空気を屋外に排出するように制御される。このとき、表面温度センサ3により検知された情報を元に、在室者50の位置、在室者50の人数、在室者50の身体の部位、在室者50の活動量などが判定され、その判定結果に基づいて、空気調和装置の室内機1及び換気装置が制御される。
次に、図7を参照し、本実施の形態に係る環境制御システムの動作の流れの具体例を説明する。図7は、実施の形態1の環境制御システムの動作例を示すフローチャートである。
まず、表面温度センサ3が対象範囲内を走査することによって、作業空間100内の在室者50の検出、換言すると作業空間100内の人体が検出される(ステップS101)。上記したように、人体の位置は、表面温度センサ3が取得した表面温度分布データに基づいて、位置判定部8によって判定される。
次に、ステップS101によって検出された人体の位置の判定結果をもとに、作業空間100内の在室者50の人数が判定される(ステップS102)。これと同時に、ステップS101によって検出された人体の部位の判定が、部位判定部9によって行われる(ステップS103)。上記したように、部位判定部9は、検出された人体を頭部と体部との2つに分割する。そして、部位判定部9の判定結果に基づいて、検出された人体の頭部温度と体部温度とが、温度判定部10によって判定される(ステップS104)。
上記のステップS104の処理の後、温度判定部10は、頭部温度が一定温度以上であるか判定する(ステップS105)。頭部温度が一定温度以上でない場合には、表面温度センサ3による走査が再び行われる。頭部温度が一定温度以上である場合、上記した効率向上動作が空気調和装置と換気装置によって実行される(ステップS106)。換言すると、頭部温度が一定温度以上である場合、室内機1の吹出口20から人体の頭部に向けて空気が吹き出されるように、風向変更手段の一例である上下ルーバー2及び左右ルーバー4を制御するとともに、給気口49から室内に新鮮空気を供給する量と、室内空気を室内空気吸い込み口48から屋外に排出する量とを増加させる。このとき、給気口49から室内に新鮮空気を供給する量と、室内空気を室内空気吸い込み口48から屋外に排出する量は、ステップS102の人数判定結果も踏まえて設定される。
効率向上動作が空気調和装置と換気装置によって実行されることで、冷風または常温の風が在室者50の頭部に当たるとともに、換気量が増加する。これにより、当該頭部の温度が変化する。本実施の形態では、効率向上動作が行われている間、冷風または常温の風が当たっている在室者50の頭部温度と体部温度とが継続して判定される。
効率向上動作が開始すると、頭部温度が体部温度よりも規定温度だけ低くなったかどうかが、温度判定部10によって判定される(ステップS107)。この規定温度は、例えば、0.5℃から2.0℃までの範囲内の温度として設定される。頭部温度が体部温度よりも規定温度だけ低くない場合には、効率向上動作が継続される。頭部温度が体部温度よりも規定温度だけ低くなった場合には、効率向上動作が終了する。まとめると、本実施の形態において、制御手段は、対象範囲内の人体の頭部の温度が当該人体の体部の温度よりも規定温度だけ低くなるまで、効率向上動作を空気調和装置と換気装置に実行させる。
本実施の形態に係る環境制御システムは、上記のように動作することで、在室者50の頭部温度を低下させつつ、在室者の体感温度を中立に保つことが可能である。本実施の形態に係る環境制御システムは、在室者50を、頭部温度が体部温度よりも規定温度だけ低い状態、いわゆる「頭寒足熱」の状態にすることができる。「頭寒足熱」の状態とは、生産性及び作業性の効率が良好になる状態である。本実施の形態に係る環境制御システムは、このようにして、在室者50の生産性及び作業性の効率の低下の抑制及び在室者50の生産性及び作業性の効率の向上を支援する。
なお、対象範囲内の人体の頭部の温度が初期の頭部温度から規定温度だけ低くなるまで効率向上動作を実行させてもよい。初期の頭部温度は、例えば、上記ステップS101において人体が検知された時点での当該人体の頭部温度または効率向上動作が開始した時点での頭部温度として設定される。本例においても、在室者50の頭部温度が規定温度だけ低下することで、当該在室者50の生産性及び作業性の効率の低下が抑制される。または、在室者50の生産性及び作業性の効率が向上する。
図1に示した構成例においては、作業空間100において、1つの上下ルーバー2に対して複数の在室者50が存在する場合もありえる。この場合は、空気調和装置は、複数の在室者50に対して順番に効率向上動作を実行するとよい。1つの上下ルーバー2は、複数の在室者50に対して順番に向く。例えば、空気調和装置は、第1の在室者50の頭部温度が体部温度よりも規定温度だけ低くなるまで効率向上動作を実行した後、第2の在室者50に対して効率向上動作を実行する。複数の在室者50の頭部には、順番に風が当てられる。
このとき、風が当てられる順番、すなわち効率向上動作の対象となる人体の優先順位は、表面温度センサ3が取得した表面温度分布データに基づいて決定されるとよい。例えば、空気調和装置は、頭部温度が高い順に、複数の人体に対して効率向上動作を実行するとよい。これにより、頭部温度が高くなってしまっている在室者50の頭部が優先的に冷却される。また、作業空間100がオフィス等である場合には、複数の在室者50によって島が形成される場合がある。この場合には、一例として、空気調和装置は、各島における在室者50の頭部温度の平均温度が高い順に、各島に対して効率向上動作を実行するとよい。
また、効率向上動作の際に吹出口20から吹き出される風の風速及び風量は、一定でもよいし不規則に揺らいでもよい。また、効率向上動作の際に吹出口20から吹き出される風の風向も、一定でもよいし不規則に揺らいでもよい。すなわち、効率向上動作の際に、上下ルーバー2及び左右ルーバー4は揺動してもよい。効率向上動作の際に吹出口20から吹き出される風が揺らぐことで、在室者50の風当たり感が抑制され、当該在室者50によっての快適性が増す。
なお、本開示に係る表面温度検出手段は、上記の表面温度センサ3に限定されるものではない。表面温度検出手段は、例えば、在室者50が身体に装着するウェアラブル型の接触式のセンサ等であってもよい。
また、判定手段の一例であるコントローラ部6は、例えば、空気調和装置及び換気装置の外部に設けられていてもよい。また、判定手段及び制御手段の機能は、例えば、クラウド上のサーバ等によって実現されてもよい。環境制御システムの動作は、クラウド上のサーバ等によって制御されてもよい。これより、空気調和装置及び換気装置自体における制御負荷が抑制される。また、複数台の空気調和装置及び複数台の換気装置の連動がより容易になる。
また、本開示に係る空気調和装置の吹出口20の数、並びに換気装置の室内空気吸い込み口48及び給気口49の数は、本実施の形態で示した例に限られず、任意の数でよい。
以上に示した実施の形態に係る環境制御システムにおいて、風向変更手段の一例である上下ルーバー2及び左右ルーバー4の角度及び動作及び換気装置の風量は、表面温度検出手段の一例である表面温度センサ3により検出された表面温度の情報に基づいて制御される。上下ルーバー2及び左右ルーバー4は、在室者50の頭部に向けて空気が吹き出されるように制御される。このようにすることで、上記の実施の形態に係る環境制御システムは、より確実に、在室者50の作業を支援する環境を構築し、在室者50の生産性及び作業性の効率を向上させることができる。
なお、上記では、効率向上動作のときに、在室者50の頭部に向けて空気が吹き出されるように風向変更手段が制御される例について説明したが、この例に代えて、在室者50の上半身に向けて空気が吹き出されるように風向変更手段が制御されるようにしてもよい。その際、複数の吹出口20のうちで在室者50の上半身に最も近い吹出口20から当該上半身に向けて空気が吹き出されるように風向変更手段を制御してもよい。これらのようにすることで、前述した効果に類似した効果が得られる。
本実施の形態であれば、効率向上動作のときに、コントローラ部6により判定された在室者50の上半身の位置及び上半身の温度のうちのいずれか一方または両方の情報に基づいて換気装置の換気量を変化させることができる。当該情報によれば、在室者50からの二酸化炭素排出量が多いか少ないかを判定することが可能である。このため、当該情報に基づいて換気装置の換気量を変化させることで、室内の二酸化炭素濃度の上昇を確実に防止できる。その結果、在室者50の快適性、生産性、作業性を改善する上で有利になる。換気装置の換気量を変化させる方法は、換気ファン制御部17が給気ファン45及び排気ファン46の少なくとも一方の動作速度または動作頻度を変化させる方法でもよいし、換気ダンパ制御部16が給気ダンパの開度を変化させる方法でもよいし、両方の方法を併用してもよい。
効率向上動作のときに、コントローラ部6により判定された在室者50の人数が多いほど、換気装置の換気量が多くなるように制御してもよい。これにより、室内の二酸化炭素濃度の上昇をより確実に防止できるので、在室者50の快適性、生産性、作業性を改善する上でより有利になる。
効率向上動作のときに、コントローラ部6により判定された在室者50の上半身温度、体部温度、あるいは頭部温度が高いほど、換気装置の換気量が多くなるように制御してもよい。在室者50の体温が高いほど、在室者50の活動量が多いと判断できるので、在室者50からの二酸化炭素排出量が多いと考えられる。よって、上半身温度、体部温度、あるいは頭部温度が高いほど換気装置の換気量を多くすることで、室内の二酸化炭素濃度の上昇をより確実に防止できる。その結果、在室者50の快適性、生産性、作業性を改善する上でより有利になる。なお、複数の在室者50がいる場合には、複数の在室者50の上半身温度、体部温度、あるいは頭部温度を統計的に処理した値(例えば平均値)に基づいて、上記の制御を実行してもよい。
効率向上動作のとき、コントローラ部6により判定された在室者50の位置の移動が多いほど、換気装置の換気量が多くなるように制御してもよい。在室者50の位置の移動が多いほど、在室者50の歩行距離が長く、在室者50の活動量が多いと判断できるので、在室者50からの二酸化炭素排出量が多いと考えられる。よって、在室者50の位置の移動が多いほど換気装置の換気量を多くすることで、室内の二酸化炭素濃度の上昇をより確実に防止できる。その結果、在室者50の快適性、生産性、作業性を改善する上でより有利になる。なお、複数の在室者50がいる場合には、複数の在室者50の位置の移動量を統計的に処理した値(例えば平均値)に基づいて、上記の制御を実行してもよい。
本実施の形態において説明した換気装置は、給気と排気の双方にファンを用いる第1種換気装置に相当する。本開示において、換気装置は、第1種換気装置に限定されるものではなく、例えば、給気にファンを用い、排気にはファンを用いない第2種換気装置でもよいし、排気にファンを用い、給気にはファンを用いない第3種換気装置でもよい。第3種換気装置の場合、部屋構造体の隙間などから、外気が室内に流入可能である。
本実施の形態では、環境制御システムが空気調和装置と換気装置の双方に対して効率向上動作を実行させる例について説明したが、本開示による環境制御システムは、上述した効率向上動作を少なくとも換気装置に対して実行させるものであればよく、空気調和装置に対する制御を実施しないものでもよい。この場合、環境制御システムは、表面温度センサ3及びコントローラ部6により判定された在室者50の人体の温度の情報に基づいて換気装置の換気量を変化させる効率向上動作を換気装置に実行させる。在室者50の人体の温度の情報によれば、在室者50からの二酸化炭素排出量が多いか少ないかを精度良く判定することが可能である。このため、当該情報に基づいて換気装置の換気量を変化させることで、室内の二酸化炭素濃度の上昇を確実に防止できる。その結果、在室者50の快適性、生産性、作業性を改善する上で有利になる。
1 室内機、 1a 室内機、 1b 室内機、 2 上下ルーバー、 2a 上下ルーバー、 2b 上下ルーバー、 2c 上下ルーバー、 2d 上下ルーバー、 3 表面温度センサ、 4 左右ルーバー、 5 吸込口、 6 コントローラ部、 7 情報取得部、 8 位置判定部、 9 部位判定部、 10 温度判定部、 11 活動量判定部、 12 情報処理部、 13 制御部、 14 上下ルーバー制御部、 15 左右ルーバー制御部、 16 換気ダンパ制御部、 17 換気ファン制御部、 20 吹出口、 20a 吹出口、 20b 吹出口、 20c 吹出口、 20d 吹出口、 30 筐体、 31 下面パネル、 40 換気装置本体、 41 給気用ダクト、 42 排気用ダクト、 43 屋外排気ダクト、 44 屋外給気ダクト、 45 給気ファン、 46 排気ファン、 47 熱交換素子、 47a 熱交換紙、 47b 支持紙、 48 室内空気吸い込み口、 49 給気口、 50 在室者、 50a 在室者、 50b 在室者、 50c 在室者、 51 床面、 52 壁面、 53 机、 54 天井面、 100 作業空間

Claims (7)

  1. 室内に空気を吹き出す少なくとも1つの吹出口と、前記吹出口から空気が吹き出される方向を変更可能な風向変更手段とを有する空気調和装置の動作と、前記室内を換気する換気装置の動作とを制御可能な環境制御システムであって、
    前記室内の物の表面温度を検出可能な表面温度検出手段と、
    前記表面温度検出手段により検出された表面温度の情報に基づいて前記室内の人体の頭部の位置及び前記人体の頭部の温度を判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて前記吹出口から前記人体の頭部に向けて空気が吹き出されるように前記風向変更手段を制御するとともに前記換気装置の換気量を前記判定手段の判定結果に基づいて変化させる効率向上動作を前記空気調和装置及び前記換気装置に実行させることが可能な制御手段と、
    を備え
    複数の前記人体に対して、頭部温度が高い順に、前記効率向上動作を実行する環境制御システム。
  2. 前記制御手段は、前記人体の頭部の温度が規定温度だけ低下するまで前記効率向上動作を実行させる請求項1に記載の環境制御システム。
  3. 前記制御手段は、前記人体の頭部の温度が当該人体の体部の温度よりも規定温度だけ低くなるまで前記効率向上動作を実行させる請求項1に記載の環境制御システム。
  4. 前記空気調和装置は、複数の前記吹出口を有し、
    前記効率向上動作のとき、前記制御手段は、複数の前記吹出口のうちで前記人体の上半身に最も近い前記吹出口から当該上半身に向けて空気が吹き出されるように前記風向変更手段を制御する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の環境制御システム。
  5. 前記判定手段は、前記表面温度検出手段により検出された表面温度の情報に基づいて前記室内にいる人の数を判定可能であり、
    前記効率向上動作のとき、前記制御手段は、前記室内にいる人の数が多いほど、前記換気装置の換気量を多くする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の環境制御システム。
  6. 前記効率向上動作のとき、前記制御手段は、前記人体の温度が高いほど、前記換気装置の換気量を多くする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の環境制御システム。
  7. 前記判定手段は、前記表面温度検出手段により検出された表面温度の情報に基づいて前記人体の位置の移動を判定可能であり、
    前記効率向上動作のとき、前記制御手段は、前記人体の位置の移動が多いほど、前記換気装置の換気量を多くする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の環境制御システム。
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