JPH08303478A - 軸継手装置 - Google Patents

軸継手装置

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JPH08303478A
JPH08303478A JP7131010A JP13101095A JPH08303478A JP H08303478 A JPH08303478 A JP H08303478A JP 7131010 A JP7131010 A JP 7131010A JP 13101095 A JP13101095 A JP 13101095A JP H08303478 A JPH08303478 A JP H08303478A
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JP
Japan
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greasing
shaft
lubricating oil
spline
plate
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Application number
JP7131010A
Other languages
English (en)
Inventor
Isato Masuda
勇人 益田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1の軸と第2の軸とのスプライン結合部に
向けて潤滑油を供給し、スプライン結合部の摩耗や焼付
きを防止する。 【構成】 ポンプブラケット31の筒部31A内に油圧
ポンプ14の回転軸14Cが挿通する中心穴34Aを有
する給脂板34を設け、給脂板34には、外端面34B
に位置して給脂口32に対応する油溜り溝35と、油溜
り溝35の溝底から半径方向内側に伸長して中心穴34
Aに開口する複数の給脂穴36,36,…とを設ける構
成とした。従って、給脂口32に供給される潤滑油は油
溜り溝35から各給脂穴36を介して雄スプライン14
Dに供給され、雄スプライン14Dを伝って雌スプライ
ン12Dとのスプライン結合部15に給脂される。ま
た、油溜り溝35によって給脂口32と各給脂穴36を
常時連通できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一対の軸を直列に連結
するのに用いて好適な軸継手装置に関し、特に、各軸間
の連結部位に潤滑油を供給するようになった軸継手装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジン等の回転力を油圧ポン
プ等に伝達する動力伝達装置には、例えば従動歯車の軸
と油圧ポンプの回転軸等を連結するために軸継手装置が
用いられ、この軸継手装置としては、各軸に雄スプライ
ンまたは雌スプラインを形成し、該各軸を各スプライン
によって結合(スプライン結合)するものが広く知られ
ている。また、この軸継手装置では、スプライン結合部
の焼付きや摩耗を防止するために給脂口を介して該スプ
ライン結合部に潤滑油を給脂するようになっている。
【0003】そこで、図3ないし図6に従来技術による
軸継手装置を動力伝達装置に用いた場合を例に挙げて説
明する。
【0004】まず、図3ないし図5に第1の従来技術を
示す。
【0005】図中、1は動力伝達装置の外殻をなすケー
シングを示し、該ケーシング1は、後述するケーシング
本体2、蓋体5、ポンプブラケット8から密閉容器とし
て構成され、内部には潤滑油が収容されている。
【0006】2はケーシング1の本体を構成するケーシ
ング本体を示し、該ケーシング本体2は、図4に示すよ
うに、手前側となる一側の壁部2Aと、該壁部2Aの周
縁から延設された周壁部2Bとから他側に向けて開口す
る箱形状に形成されている。また、前記壁部2Aの左側
には後述する駆動軸9の一端側が取付けられる駆動側ボ
ス部3が形成され、右側には後述する従動歯車12の小
径支持軸12Aが取付けられる従動側ボス部4が形成さ
れている。
【0007】5はケーシング本体2の蓋体を示し、該蓋
体5はケーシング本体2の他側を閉塞するように周壁部
2Bにボルト(図示せず)を介して固着されている。ま
た、蓋体5の左側には駆動側ボス部3に対向して駆動軸
9が取付けられる駆動側ボス部6が形成され、右側には
従動側ボス部4に対向して従動歯車12の大径支持軸1
2Bが取付けられる従動側ボス部7が形成されている。
【0008】また、8はケーシング本体2の従動側ボス
部4に一体に取付けられたポンプブラケットで、該ポン
プブラケット8は、図5に示す如く、後述の油圧ポンプ
14が取付けられる筒部8Aと、ケーシング本体2にボ
ルトを介して固定されるフランジ部8Bとから構成され
ている。
【0009】9は駆動側ボス部6を介してケーシング本
体2内に進入した駆動軸で、該駆動軸9は、軸受10,
10を介して駆動側ボス部3,6に回転可能に支持され
ている。また、駆動軸9の他端側は図示しない駆動源と
なるエンジンの出力軸に連結されている。
【0010】11は駆動軸9の外周側に設けられた駆動
歯車を示し、該駆動歯車11はエンジンにより駆動軸9
と共に回転駆動され、このときの回転力を従動歯車12
に伝達するものである。
【0011】12は駆動歯車11に噛合するようにケー
シング1内に設けられた従動歯車を示し、該従動歯車1
2には、歯車本体から軸方向一側に突出して設けられた
小径支持軸12Aと、軸方向他側に突出して設けられた
大径支持軸12Bとが設けられ、該支持軸12A,12
Bを介して従動側ボス部4,7にそれぞれ軸受13,1
3を介して支持され、これによってケーシング1内で回
転可能となっている。また、前記小径支持軸12Aに
は、軸線上に位置して一側端に開口する軸穴としての軸
挿嵌穴12Cが設けられ、該軸挿嵌穴12Cの開口側に
は雌スプライン12Dが形成されている。
【0012】14はポンプブラケット8を介してケーシ
ング本体2の壁部2Aに取付けられた油圧ポンプを示
し、該油圧ポンプ14は略円筒状のポンプケーシング1
4Aを有し、該ポンプケーシング14Aの先端側にはポ
ンプブラケット8の筒部8A内周に嵌合する嵌合部14
Bが突出して設けられている。また、油圧ポンプ14に
は第2の軸としての回転軸14Cが設けられ、該回転軸
14Cの突出端側の外周には雄スプライン14Dが形成
されている。そして、回転軸14Cは、その突出端側を
ケーシング1内で従動歯車12の軸挿嵌穴12C内に挿
嵌することにより、雄スプライン14Dを介して雌スプ
ライン12Dにスプライン結合されている(以下、この
結合部を「スプライン結合部15」という)。
【0013】ここで、スプライン結合部15の外周側
は、従動側ボス部4、ポンプブラケット8、軸受13お
よび油圧ポンプ14のポンプケーシング14Aによって
空間部Sが画成され、該空間部Sは、潤滑油を収容した
ケーシング1内とは隔絶された状態にある。
【0014】16はポンプブラケット8の筒部8Aに形
成された給脂口で、該給脂口16は前記筒部8Aを径方
向に貫通して設けられている。また、給脂口16には、
筒部8A外周側に位置して継手17が取付けられ、該継
手17は給油配管を介して潤滑油供給ポンプ(いずれも
図示せず)に接続されている。そして、給脂口16は、
潤滑油供給ポンプから吐出された潤滑油を油圧ポンプ1
4の回転軸14C突出端側に向けて供給することによ
り、空間部S内に位置するためにケーシング1内の潤滑
油による潤滑を得ることができないスプライン結合部1
5を強制潤滑するものである。
【0015】かくして、ケーシング1、従動歯車12の
小径支持軸12A、油圧ポンプ14の回転軸14C、給
脂口16で軸継手装置18を構成している。
【0016】第1の従来技術による軸継手装置18を用
いた動力伝達装置は上述のような構成を有するもので、
エンジンが駆動されると、駆動軸9と共に駆動歯車11
が回転し、その回転は従動歯車12に伝達され、小径支
持軸12Aにスプライン結合部15を介して結合された
油圧ポンプ14の回転軸14Cに伝達される。これによ
り、前記駆動軸9の回転によって油圧ポンプ14を駆動
することができる。
【0017】また、この運転時には、ケーシング1内に
収容された潤滑油を駆動歯車11で掻上げてケーシング
1内に飛散させることにより、各軸受10,13等を潤
滑するようにしている。
【0018】さらに、潤滑油供給ポンプから給油配管、
継手17を介して潤滑油を供給するようになっているか
ら、潤滑油は給脂口16から油圧ポンプ14の回転軸1
4C外周に向けて滴下するように供給され、該回転軸1
4Cに形成された雄スプライン14Dを伝ってスプライ
ン結合部15に供給される。これにより、ケーシング1
内と隔絶された空間部S内に位置するスプライン結合部
15を潤滑油によって常時潤滑するようになっている。
【0019】次に、図6に第2の従来技術を示す。な
お、第1の従来技術と同一の構成要素には同一の符号を
付し、説明を省略する。
【0020】図中、21はポンプブラケットを示し、該
ポンプブラケット21は、第1の従来技術で述べたポン
プブラケット8とほぼ同様に、筒部21Aとフランジ部
21Bとから形成されているものの、該ポンプブラケッ
ト21の筒部21Aは、後述のノズル23を取付けるた
めに軸方向に長尺に形成されている。
【0021】22はポンプブラケット21の筒部21A
に形成された給脂口、23は筒部21Aの内周側に位置
して該給脂口22に取付けられたノズルをそれぞれ示
し、該ノズル23内には絞り部23Aが形成されてい
る。そして、ノズル23は、潤滑油供給ポンプから給油
配管を介して潤滑油が供給されると、この潤滑油の流量
を絞り部23Aで絞ることにより、潤滑油をスプライン
結合部15に向けて噴出供給するものである。
【0022】なお、第2の従来技術では、ケーシング1
(ポンプブラケット21)、従動歯車12の小径支持軸
12A、油圧ポンプ14の回転軸14C、給脂口22、
ノズル23で軸継手装置24を構成している。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した第
1の従来技術による軸継手装置18では、給脂口16か
ら潤滑油を滴下するだけであるため、潤滑油供給ポンプ
によって潤滑油を供給する潤滑部位が多い場合、または
ポンプの吐出容量が小さい場合のように、潤滑油供給ポ
ンプから給脂口16に供給される潤滑油の量が少なくな
ると、給脂口16からスプライン結合部15に向けて供
給される潤滑油がポンプブラケット8の筒部8A内面を
伝って流れ落ちてしまい、潤滑油をスプライン結合部1
5に供給することができず、スプライン結合部15に焼
付きや摩耗を生じてしまい、寿命や信頼性が大幅に低下
するという問題がある。
【0024】そこで、第2の従来技術による軸継手装置
24のように、給脂口22に絞り部23Aを有するノズ
ル23を取付けることにより、該ノズル23からスプラ
イン結合部15に潤滑油を噴出供給することが考えられ
るが、この場合には、ノズル23を取付けるためのスペ
ースを確保するためにポンプブラケット21等を大型化
する必要があり、動力伝達装置全体が大型化するという
問題がある。
【0025】また、一台の潤滑油供給ポンプで複数の給
脂部位に給脂している場合、一か所の給脂部位だけにノ
ズル23(絞り部23A)を設けると、絞り部23Aの
圧力損失によって潤滑油が他の給脂部位に流れてしま
い、絞り部23Aを設けた給脂部位には潤滑油が供給さ
れなくなるから、全ての給脂部位にノズルを取付ける必
要がある。
【0026】この結果、組立作業性の低下、製造コスト
の増大、動力伝達装置の大型化等を招くという問題があ
る。しかも、全ての給脂部位にノズル23を取付けた場
合には、絞り部23Aの圧力損失に負けないように大き
な吐出容量を有する潤滑油供給ポンプが必要になるか
ら、ポンプが大型化してしまうという問題がある。
【0027】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、第1の軸と第2の軸とのスプライン結合
部に向けて潤滑油を効果的に供給でき、該スプライン結
合部に摩耗や焼付き等が発生するのを確実に防止できる
ようにした軸継手装置を提供することを目的としてい
る。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明による軸継手装置
の構成は、ケーシングと、該ケーシングに回転可能に設
けられ軸線上に軸穴を有する第1の軸と、該第1の軸の
軸穴にスプライン結合された第2の軸と、第1の軸と第
2の軸とのスプライン結合部に潤滑油を供給するために
前記ケーシングに設けられた給脂口とからなる。
【0029】そして、上述した課題を解決するために、
請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記第1の軸
と第2の軸とのスプライン結合部近傍には内周側に第2
の軸が挿通される中心穴を有する給脂用板状体を設け、
該板状体には、該板状体の外端面の少なくとも一部に前
記給脂口からの潤滑油を受承する油溜り溝を設けると共
に、該油溜り溝の溝底から半径方向内側に伸長して前記
中心穴に開口する給脂穴を設けたことにある。
【0030】また、請求項2に発明のように、前記油溜
り溝を前記板状体の全周に亘って形成してもよい。
【0031】また、請求項3の発明のように、前記給脂
穴を前記板状体の周方向に複数本設けてもよい。
【0032】さらに、請求項4の発明のように、前記板
状体は円板状体によって形成し、該円板状体の外周は前
記給脂口の近傍に達する半径をもって形成してもよい。
【0033】
【作用】請求項1の発明の構成により、給脂口から供給
される潤滑油は、該給脂口から給脂用板状体に形成され
た油溜り溝に流入し、該油溜り溝から給脂穴側に流入す
る。そして、該給脂穴に流入した潤滑油は、該給脂穴内
を中心穴に形成された開口に向けて流通して第2の軸に
供給され、第2の軸を伝って第1の軸とのスプライン結
合部を潤滑する。また、この給脂時には、給脂口と給脂
穴との間に油溜り溝を設けているから、給脂口からの潤
滑油を該油溜り溝で受承でき、給脂穴側に確実に供給で
きる上に、給脂口と給脂穴との位置ずれを許容できる。
【0034】また、請求項2の発明の構成により、油溜
り溝を介して給脂口と給脂穴とを常時連通させることが
でき、位置ずれによる給脂不良を防止できる。しかも、
板状体を取付けるときの位置決め作業を省略できる。
【0035】また、請求項3の発明の構成により、給脂
口の近くにいずれかの給脂穴を配置できるから、給脂
口、油溜り溝および給脂穴による潤滑油の流路長さを短
くできる。
【0036】さらに、請求項4の発明の構成により、板
状体の取付けが容易になる上に、給脂口からの潤滑油を
板状体の外端面に形成された油溜り溝で確実に受承で
き、スプライン結合部を潤滑油によって潤滑できる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1および図2に基
づいて説明する。なお、実施例では前述した図3ないし
図5に示す第1の従来技術と同一の構成要素に同一の符
号を付し、その説明を省略するものとする。
【0038】図中、31はケーシング本体2の従動側ボ
ス部4に一体に取付けられ、ケーシング1の一部をなす
本実施例によるポンプブラケットを示し、該ポンプブラ
ケット31は、第1の従来技術で述べたポンプブラケッ
ト8とほぼ同様に、油圧ポンプ14が取付けられる筒部
31Aと、ケーシング本体2にボルト(図示せず)を介
して固定されるフランジ部31Bとから構成されてい
る。しかし、本実施例によるポンプブラケット31に
は、前記筒部31A内周側に位置して後述の給脂板34
を軸方向に位置決めするための位置決め段部31Cが径
方向内向きに突設されている。
【0039】また、32はポンプブラケット31の筒部
31Aに形成された給脂口で、該給脂口32は、第1の
従来技術による給脂口16と同様に、筒部31Aを径方
向に貫通して設けられ、該給脂口32には筒部31Aの
外周側に位置して継手33が取付けられている。
【0040】34はポンプブラケット31の筒部31A
内に挿嵌された給脂用板状体としての給脂板を示し、該
給脂板34は、図2に示すように、ポンプブラケット3
1の筒部31Aの内径寸法にほぼ対応し、給脂口32の
近傍に達する外径寸法をもった円板状に形成され、その
中心部には油圧ポンプ14の回転軸14Cが挿通される
中心穴34Aが形成されている。また、給脂板34に
は、その外端面34Bに位置して油溜り溝35が全周に
亘って形成され、該油溜り溝35は給脂板34をポンプ
ブラケット31の位置決め段部31Cに当接させた状態
で給脂口32に対応するように配設されている。さら
に、給脂板34には半径方向に伸長する複数本、例えば
4本の給脂穴36が90度間隔で形成され、該各給脂穴
36の一側開口36Aは前記油溜り溝35の溝底に開口
し、他側開口36Bは中心穴34Aの内面に開口するこ
とにより、回転軸14Cの雄スプライン14D外周側近
傍に開口している。
【0041】また、給脂板34は、該給脂板34をポン
プブラケット31の筒部31A内に挿嵌し、該筒部31
Aに油圧ポンプ14を取付けることにより、ポンプブラ
ケット31の位置決め段部31Cと油圧ポンプ14の嵌
合部14Bとの間に軸方向に位置決めされた状態で固定
されている。
【0042】ここで、ケーシング1(ポンプブラケット
31)、従動歯車12の小径支持軸12A、油圧ポンプ
14の回転軸14C、給脂口32、給脂板34、油溜り
溝35、給脂穴36で本実施例による軸継手装置37を
構成している。
【0043】そして、このように構成された軸継手装置
37は、潤滑油供給ポンプから給油配管を介して給脂口
32に潤滑油が供給されると、給脂板34に形成した油
溜り溝35でこの潤滑油を流通させつつ、一側開口36
Aから各給脂穴36内に流入させ、該各給脂穴36の他
側開口36Bから油圧ポンプ14の回転軸14Cに形成
された雄スプライン14Dに供給するようになってい
る。また、軸継手装置37では、給脂板34の外端面3
4Bに位置して給脂口32と各給脂穴36との間に油溜
り溝35を設けることにより、給脂板34がポンプブラ
ケット31内で回転して位置ずれを生じても、給脂口3
2と各給脂穴36とを油溜り溝35を介して常時連通さ
せている。
【0044】本実施例による軸継手装置37を用いた動
力伝達装置は上述の如き構成を有するもので、基本的な
作動については従来技術によるものと格別差異はない。
【0045】然るに、本実施例では、継手33から給脂
口32に潤滑油が供給されると、この潤滑油は給脂口3
2から滴下し、給脂板34の油溜り溝35で受承され
る。そして、油溜り溝35内の潤滑油は、該油溜り溝3
5の溝底に沿って落下し、ケーシング1内に貯えられ
る。この際、潤滑油は油溜り溝35の溝底に開口した一
側開口36Aから各給脂穴36内に導かれ、該各給脂穴
36内を径方向内側に向けて流通し、中心穴34Aに開
口した他側開口36Bから油圧ポンプ14の雄スプライ
ン14Dに滴下するように供給されるから、雄スプライ
ン14Dに滴下された潤滑油を該雄スプライン14Dを
伝わせて雌スプライン12Dとのスプライン結合部15
に確実に給脂することができる。
【0046】かくして、本実施例によれば、給脂板34
の各給脂穴36を介して油圧ポンプ14の雄スプライン
14Dに潤滑油を供給することにより、第1の従来技術
のように潤滑油の供給量が少ない場合でも、潤滑油をス
プライン結合部15に確実に給脂することができるか
ら、該スプライン結合部15が給脂不良によって焼付き
や摩耗を生じるのを防止でき、油圧ポンプ14の回転軸
14Cや従動歯車12の寿命を延ばして、信頼性を向上
することができる。しかも、潤滑油の供給量が少ない場
合でも、スプライン結合部15に確実に潤滑油を供給す
ることができるから、潤滑油供給ポンプを小型化するこ
とができる。
【0047】また、本実施例では、給脂板34を円板状
に形成し、ポンプブラケット31の筒部31A内に位置
して位置決め段部31Cと油圧ポンプ14の嵌合部14
Bとの間に固定することにより、第2の従来技術のよう
に給脂口22にノズル23を取付けたものに比較して、
軸方向寸法を小さく抑えることができるから、ポンプブ
ラケット31の軸方向寸法を第1の従来技術によるポン
プブラケット8の軸方向寸法を同一寸法とすることがで
き、軸継手装置37によって動力伝達装置が大型化する
のを抑制することができる。
【0048】また、給脂板34の外周を給脂口32の近
傍に達する半径をもって形成しているから、給脂口32
からの潤滑油を確実に油溜り溝35内に流入させること
ができ、潤滑油を有効的にスプライン結合部15に給脂
することができる。
【0049】一方、油溜り溝35を介して給脂口32と
各給脂穴36とを連通させることにより、給脂板34が
ポンプブラケット31内で回転した場合でも常時給脂口
32と各給脂穴36とを連通させることができる上に、
組立時の位置決め作業を省略することができ、組立作業
性を向上することができる。しかも、複数本の給脂穴3
6を設けることにより、給脂口32の近傍にいずれかの
給脂穴36を配置させることができるから、潤滑油の流
路長さを短く抑えて流路抵抗を小さくでき、給脂効率を
高めることができる。
【0050】また、潤滑油を各給脂穴36内を流通させ
て油圧ポンプ14の雄スプライン14Dに供給すること
により、絞り部を設けたときのように圧力損失が生じる
のを防止できるから、他の給脂部位へのノズルの取付け
を省略することができ、組立作業性の低下や製造コスト
の上昇を抑えることができる。
【0051】さらに、図1に示すように、各給脂穴36
を給脂口32の軸線からずれた位置に配設することがで
きるから、設計時の自由度を高めることができる上に、
油圧ポンプ14の雄スプライン14D(回転軸14C)
の最も好ましい位置に潤滑油を供給することができ、潤
滑効率を向上することができる。
【0052】なお、前記実施例では、給脂板34の外端
面34Bに全周に亘って油溜り溝35を設けた場合を例
に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば油
溜り溝35を給脂板34の外端面34Bに部分的に設け
るようにしてもよい。
【0053】また、前記実施例では、給脂板34に4本
の給脂穴36,36,…を設けた場合を例示したが、給
脂板34に給脂穴を1,2,3本または5本以上設ける
ようにしてもよい。
【0054】また、前記実施例では、給脂板34の外周
を給脂口32の近傍に達する半径をもって形成したが、
例えば油溜り溝35の溝形状を大きくして給脂口32か
ら吐出される潤滑油を受承できるようにすれば、給脂板
34の外周を給脂口32から離間させてもよい。
【0055】さらに、前記実施例では、動力伝達装置に
設けられた軸継手装置37を例に挙げて説明したが、動
力伝達装置に限ることなく、軸継手装置を他の装置に適
用してもよい。
【0056】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、給脂口から供給される潤滑油を該給脂口から給脂
用板状体に形成された油溜り溝に流入させ、該油溜り溝
から給脂穴側に流入させることにより、該給脂穴に流入
した潤滑油を中心穴の開口から第2の軸に確実に供給で
き、第2の軸を伝わせて第1の軸とのスプライン結合部
に潤滑油を供給することができるから、潤滑油によって
スプライン結合部を確実に潤滑でき、スプライン結合部
の焼付きや摩耗を防止して、信頼性や寿命を向上するこ
とができる。また、給脂口と給脂穴との間に油溜り溝を
設けているから、給脂口と給脂穴との間が位置ずれによ
って遮断されるのを防止でき、給脂不良を防止して信頼
性を向上できる。しかも、油溜り溝、給脂穴を給脂用板
状体に形成しているから、空きスペースを利用して給脂
用板状体を配設でき、当該軸継手装置を小型化できる。
【0057】また、請求項2の発明によれば、油溜り溝
を介して給脂口と給脂穴とを常時連通させることができ
るから、位置ずれによる給脂不良を防止できる上に、給
脂用板状体を取付けるときの位置決め作業を省略するこ
とができるから、生産性の向上や製造コストの低減を図
ることができる。
【0058】また、請求項3の発明によれば、給脂口の
近くにいずれかの給脂穴を配置できるから、給脂口、油
溜り溝および給脂穴による潤滑油の流路長さを短くで
き、潤滑油が流通するときの抵抗を小さくして、スプラ
イン結合部への給脂効率を向上することができる。
【0059】さらに、請求項4の発明によれば、円板状
体とすることにより容易に取付けることができ、組立作
業性を向上できる上に、給脂口からの潤滑油を外端面に
形成された油溜り溝で確実に受承できるから、潤滑油を
スプライン結合部に積極的に供給でき、該スプライン結
合部を効率よく潤滑することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による軸継手装置を示す動力伝
達装置の要部拡大断面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた給脂板の断面
図である。
【図3】第1の従来技術による動力伝達装置を示す断面
図である。
【図4】図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図であ
る。
【図5】図3中の矢示V−V方向からみた動力伝達装置
の要部拡大断面図である。
【図6】第2の従来技術による軸継手装置を示す図5と
同様位置からみた動力伝達装置の要部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ケーシング 12 従動歯車 12A 小径支持軸(第1の軸) 12C 軸挿嵌穴(軸穴) 12D 雌スプライン 14 油圧ポンプ 14C 回転軸(第2の軸) 14D 雄スプライン 15 スプライン結合部 31 ポンプブラケット 32 給脂口 34 給脂板(給脂用板状体) 34A 中心穴 34B 外端面 35 油溜り溝 36 給脂穴 37 軸継手装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシングに回転可能
    に設けられ軸線上に軸穴を有する第1の軸と、該第1の
    軸の軸穴にスプライン結合された第2の軸と、第1の軸
    と第2の軸とのスプライン結合部に潤滑油を供給するた
    めに前記ケーシングに設けられた給脂口とからなる軸継
    手装置において、前記第1の軸と第2の軸とのスプライ
    ン結合部近傍には内周側に第2の軸が挿通される中心穴
    を有する給脂用板状体を設け、該板状体には、該板状体
    の外端面の少なくとも一部に前記給脂口からの潤滑油を
    受承する油溜り溝を設けると共に、該油溜り溝の溝底か
    ら半径方向内側に伸長して前記中心穴に開口する給脂穴
    を設けたことを特徴とする軸継手装置。
  2. 【請求項2】 前記油溜り溝を前記板状体の全周に亘っ
    て形成してなる請求項1に記載の軸継手装置。
  3. 【請求項3】 前記給脂穴を前記板状体の周方向に複数
    本設けてなる請求項1または2に記載の軸継手装置。
  4. 【請求項4】 前記板状体は円板状体によって形成し、
    該円板状体の外周は前記給脂口の近傍に達する半径をも
    って形成してなる請求項1,2または3に記載の軸継手
    装置。
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