JPH08303241A - エンジン冷却装置及び建設機械 - Google Patents

エンジン冷却装置及び建設機械

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Publication number
JPH08303241A
JPH08303241A JP10948395A JP10948395A JPH08303241A JP H08303241 A JPH08303241 A JP H08303241A JP 10948395 A JP10948395 A JP 10948395A JP 10948395 A JP10948395 A JP 10948395A JP H08303241 A JPH08303241 A JP H08303241A
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JP
Japan
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engine
fan
cooling device
engine cooling
impeller
Prior art date
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Application number
JP10948395A
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English (en)
Inventor
Shigehisa Funabashi
茂久 船橋
Yoshihiro Takada
芳廣 高田
Sotaro Tanaka
壮太郎 田中
Shinichi Mihara
新一 三原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ファン効率を低下させることなく、かつ騒音を
大きくすることなく、大風量化・高圧力化を図ることが
できるエンジン冷却装置及びこれを用いた建設機械を提
供する。 【構成】エンジン室1外部からの冷却風は、冷却風取入
口7を通ってエンジン室1に入り、インタークーラー6
a・オイルクーラー6b・ラジエーター6cを過ぎた後
に吸い込み管8によって絞られ、遠心ファン4に入る。
その後、遠心ファン4の回転シュラウド4aから外周方
向に吹き出した冷却風は、エンジン5、オイルパン10
の周囲を流れながらそれらを冷却し、冷却風排気口9か
らエンジン室1の外部に排気される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの冷却装置に
係わり、例えば、自動車や建設機械に搭載されるエンジ
ンの冷却装置及びこれを用いた建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のエンジン冷却装置に関する公知
技術として、例えば、以下のものがある。 特開平5-288053号公報 この公知技術は、建設機械のエンジン冷却部において、
エンジンのクランク軸にファンベルトを介し連結された
軸流ファンにより冷却風を熱交換器に供給するものであ
る。
【0003】特開平4-269326号公報 この公知技術は、車両用ディーゼルエンジン冷却部にお
いて、冷却風を供給するファンとして斜軸流ファンを使
用し、また同時に冷却風を導入する固定シュラウドを吸
い込み管形状にすることにより、軸流ファンより高圧・
高風量化を図るものである。
【0004】内燃機関Vol.31, NO.38
8,P.9−27(1992) この公知技術は、建設機械のエンジン冷却部において、
冷却風を供給するファンとして遠心ファンを使用するこ
とにより冷却性能の向上を図るとともに、エンジンルー
ムと冷却装置部とを切り離すことによりエンジン音によ
る騒音を低減するものである。
【0005】特開平5-248239号公報 この公知技術は、トラクタ等作業車のエンジン冷却部に
おいて、冷却風を供給するファンとして遠心ファンを使
用することにより冷却性能の向上を図るものである。
【0006】実開平2-64799号公報 この公知技術は、自動車のエンジン冷却部において、冷
却風を供給するファンとして遠心ファンを使用すること
により、軸流ファン使用時に必要であった排気ダクトを
なくすものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、エンジン冷却用
ファンは、インタークーラーの採用や、騒音低減のため
のエンジン室密閉度向上・コンパクト化等の要求によ
り、大風量・高圧力化の必要が生じている。しかしなが
ら、公知技術及びにおいては、軸流ファンや斜軸流
ファンを使用していることから、ファンの特性上、十分
な大風量化・高圧力化が困難であり、ラジエーター・オ
イルクーラーなどの熱交換器や、その他冷却風の流路が
同一寸法のまま、強いて大風量化・高圧力化を行おうと
すると、回転数が非常に高くなって騒音が大きくなると
いう課題があった。また公知技術においては、軸流フ
ァンを過ぎた流れがエンジンに衝突するような形で流れ
るので圧力損失が大きく、場合によってはエンジン・オ
イルパンの周囲で冷却風の逆流が生じる等、冷却に有効
な流路を構成する上でも課題があった。
【0008】さらに、公知技術〜においては、遠心
ファンに設けられファンと共に回転する回転シュラウド
が備えられていないことから、ファン効率が悪くなり、
また騒音も大きくなるという課題があった。また公知技
術においては、騒音発生の主因となる熱交換器からフ
ァン吸い込み口に至る流路が、本質的に流れの剥離を引
き起こしやすくかつ騒音を高くする形状となっており、
また、遠心ファンの吸い込み口径が熱交換器高さより非
常に小さく、熱交換器からファン吸い込み部での圧力損
失が増加するという課題もあった。
【0009】本発明の目的は、ファン効率を低下させる
ことなく、かつ騒音を大きくすることなく、大風量化・
高圧力化を図ることができるエンジン冷却装置及びこれ
を用いた建設機械を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、エンジンが内設されたエンジン室
内に設けられ;前記エンジンの冷却水を冷却するラジエ
ーターを含む少なくとも1つの熱交換器と、この熱交換
器を冷却する冷却風を導くファンと、このファンの上流
側でかつ前記熱交換器の下流側に設けられ前記冷却風を
前記ファンの吸い込み側へ導入する吸い込み管とを有す
るエンジン冷却装置において、前記ファンは、斜流ファ
ン及び遠心ファンのうちいずれか一方であり、かつ、複
数枚の羽根を備えた羽根車と、この羽根車に固定され該
羽根車とともに回転する回転シュラウドとを備えている
ことを特徴とするエンジン冷却装置が提供される。
【0011】好ましくは、前記エンジン冷却装置におい
て、前記回転シュラウドの吸い込み口径D1は、前記少
なくとも1つの熱交換器のうち最も下流側にあるものの
短辺をaとしたとき、 D1≧0.6a となっていることを特徴とするエンジン冷却装置が提供
される。
【0012】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記吸い込み管は、下流側端部の口径が前記回
転シュラウドの吸い込み口径より大きく、前記下流側端
部が回転シュラウドの吸い込み側端部近傍を覆うように
配置されており、かつ、前記回転シュラウドは、前記吸
い込み管の下流側端部との隙間を通過する流れを防止す
る隙間流れ防止機構を備えていることを特徴とするエン
ジン冷却装置が提供される。
【0013】さらに好ましくは、前記エンジン冷却装置
において、前記隙間流れ防止機構は、前記回転シュラウ
ド外周部の吸い込み側端部近傍に立設された複数のベー
ンであることを特徴とするエンジン冷却装置が提供され
る。
【0014】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記ファンは、前記羽根車のエンジン側に固定
され該冷却風を略半径方向及び略周方向へ導く心板をさ
らに有し、かつ、前記心板の外径は前記回転シュラウド
の吸い込み口径より小さく、前記羽根車の心板側内径は
前記心板外径より小さくなっていることを特徴とするエ
ンジン冷却装置が提供される。
【0015】さらに好ましくは、前記エンジン冷却装置
において、前記ファンは遠心ファンであり、かつ、前記
羽根車の冷却風流出方向端面の形状は、前記心板側外径
が前記回転シュラウド側外径よりも小さくなっているこ
とを特徴とするエンジン冷却装置が提供される。
【0016】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記ファンの出口部分近傍に設けられ、前記フ
ァンから流出した冷却風を減速し静圧を回復させる少な
くとも1つのスパイラルケースをさらに有することを特
徴とするエンジン冷却装置が提供される。
【0017】さらに好ましくは、前記エンジン冷却装置
において、前記スパイラルケースは、前記ファンの出口
部分近傍に周方向に複数個設けられていることを特徴と
するエンジン冷却装置が提供される。
【0018】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記少なくとも1つのスパイラルケース内面の
少なくとも一部分に、吸音材を設置したことを特徴とす
るエンジン冷却装置が提供される。さらに好ましくは、
前記エンジン冷却装置において、前記少なくとも1つの
熱交換器のうち、少なくとも1つは、前記ファンの回転
軸に対して傾斜して配置されていることを特徴とするエ
ンジン冷却装置が提供される。
【0019】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記少なくとも1つの熱交換器のうち、少なく
とも1つは、側断面形状が曲率を持った弧状となってい
ることを特徴とするエンジン冷却装置が提供される。
【0020】さらに好ましくは、前記エンジン冷却装置
において、前記少なくとも1つの熱交換器は、油を冷却
するオイルクーラー、エンジンへの空気を予冷するイン
タークーラー、及びエアコンコンデンサのうち少なくと
も1つをさらに備えていることを特徴とするエンジン冷
却装置が提供される。
【0021】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、エンジン室内に設けられたエンジンと;このエ
ンジンによって駆動される油圧ポンプと;この油圧ポン
プから吐出される圧油によって駆動されるアクチュエー
タと;前記エンジンの冷却水を冷却するラジエーターを
含む少なくとも1つの熱交換器、前記1つの熱交換器を
冷却する冷却風を導くファン、及びこのファンの上流側
でかつ前記1つの熱交換器の下流側に設けられ前記冷却
風を前記ファンの吸い込み側へ導入する吸い込み管を備
えたエンジン冷却装置と;を有する建設機械において、
前記エンジン冷却装置のファンは、斜流ファン及び遠心
ファンのうちいずれか一方であり、かつ、複数枚の羽根
を備えた羽根車と、この羽根車に固定され前記羽根車と
ともに回転する回転シュラウドとを備えていることを特
徴とする建設機械が提供される。
【0022】
【作用】以上のように構成した本発明においては、ファ
ンとして斜流ファン又は遠心ファンを用いることによ
り、その遠心力作用によって、同一外径・同一抵抗では
従来の軸流ファン・斜軸流ファンに比べて容易に大風量
化・高圧力化を図ることができる。よって、軸流ファン
・斜軸流ファンで大風量化・高圧力化を図る場合のよう
に回転数を増大させる必要がないので、騒音を低下させ
ることができる。またこのとき、羽根車とともに回転す
る回転シュラウドが羽根車に固定されていることによ
り、ファン効率を向上することができ、またその分さら
に騒音を低下させることができる。
【0023】また、回転シュラウドの吸い込み口径D1
は、少なくとも1つの熱交換器のうち最も下流側にある
ものの短辺をaとしたとき、D1≧0.6aとなっている
ことにより、吸い込み管上流側で抵抗体をなす熱交換器
から吸い込み管最小口径までの流路における縮流によっ
て、圧力損失が急激に増加するのを防止でき、風量の低
下を防止することができる。また、縮流で熱交換面積が
過度に限定され熱交換性能が悪化するのを防止すること
ができる。
【0024】さらに、吸い込み管が下流側端部の口径が
回転シュラウドの吸い込み口径より大きく、すなわち回
転シュラウドよりも後に装着される吸い込み管のほうが
口径が大きいことにより、組立時の隙間管理が容易とな
り、組立時に吸い込み管・回転シュラウドの接触事故等
が発生するのを防止できる。またこのような構造とする
と、ファンから出た冷却風の一部が、回転シュラウドの
外周から吸い込み管下流側端部・回転シュラウド吸い込
み側端部間の隙間を介して吸い込み管内に逆流し、これ
によって騒音が増大する恐れがある。そこで、回転シュ
ラウドが、吸い込み管の下流側端部との隙間を通過する
流れを防止する隙間流れ防止機構を備えることにより、
この騒音増大を防止することができる。よってすなわ
ち、騒音を増大させることなく、組立性を向上させるこ
とができる。
【0025】また、隙間流れ防止機構は、回転シュラウ
ド外周部の吸い込み側端部近傍に立設された複数のベー
ンであることにより、回転シュラウドが羽根車とともに
回転すると、各ベーンの内外径差に基づく遠心力によ
り、各ベーン間において、吸い込み管下流側端部・回転
シュラウド吸い込み側端部間の隙間近傍から回転シュラ
ウドの外周側へ向かう圧力障壁が発生する。よって、回
転シュラウドの外周から吸い込み管下流側端部・回転シ
ュラウド吸い込み側端部間の隙間を介して吸い込み管内
に逆流する隙間流れをブロックすることができる。
【0026】さらに、ファンが、羽根車のエンジン側に
固定され冷却風を略半径方向及び略周方向へ導く心板を
さらに有することにより、エンジン側からの逆流を防止
できる。また心板の外径を回転シュラウドの吸い込み口
径より小さくすることにより、空力特性・騒音特性が通
常の斜流・遠心ファンとほぼ同等である羽根車を、心板
・回転シュラウドとともに可塑性材料の一体成形によっ
て製作することができる。すなわち、心板のエンジン側
端面、羽根車のうち心板外径より大きい部分、及び回転
シュラウドのエンジン側端面を、心板側からの抜き型で
押圧成形することができ、心板の熱交換器側端面、羽根
車のうち心板外径より小さい部分、羽根車のうち心板外
径より大きな部分の前縁部、及び回転シュラウドの熱交
換器側端面を、回転シュラウド側からの抜き型で押圧成
形することができる。よって、製作コストを低減すると
もに、軽量化を図れる。また心板外径が比較的小さくな
ることから、エンジンの少なくとも一部に直接冷却風を
当てることができる。さらに羽根車の心板側内径は心板
の外径より小さくなっていることにより、羽根車の強度
を充分に確保することができる。
【0027】また、ファンは遠心ファンであり、かつ、
羽根車の冷却風流出方向端面の形状は、心板側外径が回
転シュラウド側外径よりも小さくなっていることによ
り、ファン出口における冷却風流れが心板側に寄るとと
もに回転シュラウド側の流れが閉塞され有効に活用でき
なくなるのを防止し、回転シュラウド側でのファン圧力
上昇を相対的に強くして回転シュラウド側から心板側ま
で任意に流れを制御できるので、ファン出口幅全体を有
効に活用できる。また、羽根車の心板側外径を同一寸法
とすれば羽根車の回転シュラウド側外径を相対的に大き
くすることができるので、結果として吸い込み管の下流
側端部の口径も大きくすることができ、よって、熱交換
器から吸い込み管までの絞りの程度が緩やかになって流
路圧力損失の低減を図ることができる。
【0028】さらに、ファンの出口部分近傍に設けら
れ、ファンから流出した冷却風を減速し静圧を回復させ
る少なくとも1つのスパイラルケースをさらに有するこ
とにより、ファン出口からの流れに含まれる旋回成分が
すべて圧力損失として無駄になっていたのを、圧力とし
て回復させて高圧流れとすることができ、またその分高
風量化を実現することができる。
【0029】また、スパイラルケースは、ファンの出口
部分近傍に周方向に複数個設けられていることにより、
配置箇所を調整し、エンジン室内の特に冷却を重要とす
る部分に冷却風を導流することができる。
【0030】さらに、少なくとも1つのスパイラルケー
ス内面の少なくとも一部分に、吸音材を設置したことに
より、ファンで発生する騒音を吸音材で吸音できるとと
もに、エンジンで発生する騒音を上流側に伝播するのを
防ぐこともできるので、エンジン室全体の低騒音化を図
ることができる。
【0031】また、少なくとも1つの熱交換器のうち、
少なくとも1つは、ファンの回転軸に対して傾斜して配
置されているか、若しくは、少なくとも1つの熱交換器
のうち、少なくとも1つは、側断面形状が曲率を持った
弧状となっていることにより、エンジン室壁に設けられ
た冷却風の取り入れ口から、熱交換器を介した吸い込み
管入口までの流路を、直角に曲がる流路でなく曲率をも
って緩やかに曲がる流路にすることができるので、この
流路における圧力損失を低減できる。また、冷却風の流
速分布を均一化できるので、冷却のための熱伝達率を向
上させることができる。さらに、各熱交換器の前面実装
面積を大幅に増やすことができるので、その分各熱交換
器の奥行き寸法を小さくすることができ、結果的にこれ
ら熱交換器内における流路損失をさらに低減できる。ま
た、熱交換器の下流側における風速分布を調整し、ファ
ンにとって低騒音・高風量に適したようにすることもで
きる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ
説明する。本発明の第1の実施例を図1〜図4により説
明する。本実施例は、油圧ショベルのエンジン室に設け
られるエンジン冷却装置の実施例である。本実施例が適
用される油圧ショベルのエンジン室の概略構造を表す側
断面図を図1に示す。図1において、本実施例によるエ
ンジン冷却装置は、エンジン5が内設されたエンジン室
1内に設けられており、エンジン5への燃焼用空気を予
冷するインタークーラー6aと、油圧ショベルの作動油
を冷却するオイルクーラー6bと、エンジン5の冷却水
を冷却するラジエーター6cと、エンジン5のクランク
軸2からの動力が伝達されるファンベルト3により駆動
される遠心ファン4と、ラジエーター6cと遠心ファン
4との間に設けられ冷却風を遠心ファン4の吸い込み側
へ導入する吸い込み管8とから構成されている。また遠
心ファン4は、複数枚の羽根を備えた羽根車4cと、こ
の羽根車4cに固定されて回転し冷却風を吸い込む回転
シュラウド4aと、羽根車4cのエンジン5側に固定さ
れ冷却風を略半径方向及び略周方向へ導く心板4bとを
備えている。また吸い込み管8は、遮蔽板11を介して
エンジン室1に支持されている。エンジン室1外部から
の冷却風は、冷却風取入口7を通ってエンジン室1に入
り、インタークーラー6a・オイルクーラー6b・ラジ
エーター6cを過ぎた後に吸い込み管8によって絞ら
れ、遠心ファン4に入る。その後、遠心ファン4の外周
方向に吹き出した冷却風は、エンジン5、オイルパン1
0の周囲を流れながらそれらを冷却し、冷却風排気口9
からエンジン室1の外部に排気される。
【0033】図1から遠心ファン4及び熱交換器(=イ
ンタークーラー6a・オイルクーラー6b・ラジエータ
ー6c)を取り出した図を図2に示す。図2において、
回転シュラウド4aの吸い込み口径D1を、熱交換器の
うち最も下流側にあるラジエーター6cの短辺aの0.
6倍以上となっている。
【0034】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例の比較例として、従来技術によるエンジン冷却装置を
内設したエンジンルームの概略構成を表す側断面図を図
3に示す。本実施例と同等の部材には同一の符号を付
す。図3において、図1に示した第1の実施例のエンジ
ン冷却装置と異なる主要な点は、ファンとして軸流ファ
ン14が採用されていること、これに伴い吸い込み管8
の形状が若干変わっていること、及びインタークーラー
6aが設けられていないことである。
【0035】上記エンジン冷却装置においては、軸流フ
ァン14の性質上、大風量・高圧力化を図るためには回
転数を上げなければならず、この場合結果として騒音が
高くならざるを得なかった。よって、今後の排ガス規制
のために有効であるインタークーラー6aの採用や、シ
ステム全体のコンパクト化によるエンジン室1の密閉度
向上などに対応する形で、大風量・高圧力化の要請が高
まっている今後の建設機械等のエンジン室に適用するの
は難しいという問題があった。また、軸流ファン14を
過ぎた流れは、エンジン5に衝突するような形で流れる
ことから圧力損失が大きく、場合によってはエンジン5
・オイルパン10の周囲で冷却風の逆流が生じる等、冷
却に有効な流路を構成する上でも難点があった。
【0036】これに対して、本実施例によるエンジン冷
却装置においては、ファンとして遠心ファン4を用いる
ことにより、その遠心力作用によって、同一外径・同一
抵抗・同一回転数では軸流ファン14よりも2倍以上の
高圧化が容易に可能であり、かつこのとき高風量化も達
成される。すなわち、軸流ファン14で大風量化・高圧
力化を図る場合のように回転数を増大させる必要がない
ので、騒音を低下させることができる。したがって、イ
ンタークーラー6aが新たに加わった場合等において
も、騒音を増大させることなくその分の風量を確保する
とともにその圧力損失に打ち勝って冷却風を供給するこ
とができ、またエンジン室1の密閉度が増加した場合や
コンパクト化が進んだ場合等においても、上流側抵抗体
・エンジン室流路の圧力損失増大に打ち勝って冷却風を
供給することができる。また、冷却風の吹き出す方向が
遠心ファン4の半径方向及び周方向になって直接エンジ
ン5に衝突することがないので、例えばエンジン5表面
やエンジン下方のオイルパン10表面に沿って流れる良
好な冷却風を得ることができる効果もある。また、羽根
車4cとともに回転する回転シュラウド4aが設けられ
ているので、回転シュラウド4aのない遠心ファンを用
いる場合よりもファン効率を向上することができ、また
その分さらに騒音を低下させることができる。
【0037】さらに、一般に、斜流・遠心ファンの回転
シュラウドの吸い込み口径は、ファン外径よりも小さく
なる。しかし、上流側の熱交換器の寸法に比べて回転シ
ュラウドの吸い込み口径をあまり小さくしすぎると、冷
却風流れを絞りすぎることとなって圧力損失が急激に増
大する。また、流れが絞られると実質熱交換面積を限定
してしまうことになり、熱交換性能が悪化するという問
題もある。これに対し、本実施例のエンジン冷却装置に
おいては、D1≧0.6aとすることにより、圧力損失が
急激に増加するのを防止でき、風量の低下を防止するこ
とができる。また、熱交換性能の悪化を防止することが
できる。
【0038】なお、上記第1の実施例においては、吸い
込み管8の下流側端部8Aの口径が回転シュラウド4a
の吸い込み口径D1より小さく、吸い込み管8が回転シ
ュラウド4aと重なりあう構造であるが、これに限られ
ず、両者が同一口径であったり、重なることがなくとも
よく、この場合も同様の効果を得る。
【0039】また上記第1の実施例では、従来の軸流フ
ァンにかわり遠心ファン4を用いたが、これに限られ
ず、斜流ファンを搭載してもよい。この変形例を図4に
示す。第1の実施例の遠心ファン4が、回転シュラウド
24a・心板24b・羽根車24cを備えた斜流ファン
24に変わっている点以外は、構造はほぼ同様である。
本変形例によれば、第1の実施例と同様の効果の他に、
特にエンジン回りに空気を集中的に当てることができる
という効果がある。
【0040】本発明の第2の実施例を図5により説明す
る。本実施例は、第1の実施例と吸い込み管及び遠心フ
ァンの構造が異なる実施例である。本実施例によるエン
ジン冷却装置に備えられた吸い込み管208及び遠心フ
ァン204の概略構造を図5(a)(b)に示す。図5
(a)は側断面図であり、図5(b)は図5(a)中A
方向からの矢視図である。
【0041】図5(a)(b)において、第1の実施例
の吸い込み管8及び遠心ファン4と異なる点は、吸い込
み管208の下流側端部208Aの口径が遠心ファン2
04の回転シュラウド204aの吸い込み口径より大き
くなっており、下流側端部208Aが回転シュラウド2
04aの吸い込み側端部近傍を覆うように配置されてい
ることと;回転シュラウド204aと吸い込み管208
下流側端部208Aとの隙間を通過する流れを防止する
機構として、回転シュラウド204aにベーン213が
装着されていることである。その他の構成は、第1の実
施例のエンジン冷却装置と同様である。
【0042】上記構成の本実施例によれば、吸い込み管
208の下流側端部208Aの口径が回転シュラウド2
04aの吸い込み口径より大きく、すなわち回転シュラ
ウド204aよりも後に装着される吸い込み管208の
ほうが口径が大きいので、組立時の隙間管理が容易とな
り、組立時に吸い込み管208・回転シュラウド204
aの接触事故等が発生するのを防止できる。またこのよ
うな構造とすると、遠心ファン204から出た冷却風の
一部が、回転シュラウド204aの外周から吸い込み管
208の下流側端部208A・回転シュラウド204a
吸い込み側端部間の隙間201を介して吸い込み管20
8内に逆流し、これによって騒音が増大する恐れがある
が、回転シュラウド204aにベーン13を備えるの
で、この騒音増大を防止することができる。すなわち、
遠心ファン204が回転すると、ベーン213も回転
し、ベーン213の内外径差による遠心力によって、各
ベーン213間において下流側端部208A・回転シュ
ラウド204a間の隙間201近傍から回転シュラウド
204aの外周側へ向かう圧力障壁が発生する。よっ
て、回転シュラウド204aの外周から隙間201を介
して吸い込み管208内に逆流する隙間流れをブロック
し、騒音の発生を防止することができる。よって、騒音
を増大させることなく、組立性を向上させることができ
る。
【0043】なお、上記第2の実施例においては、ベー
ン213の吸い込み側端面213aの形状が単一曲線と
なっているが、吸い込み管208の口径より大きい部分
においては、吸い込み側(図示左側)により張り出した
形状とし、漏れを一層少なくすることも可能である。
【0044】本発明の第3の実施例を図6により説明す
る。本実施例も、第1の実施例と吸い込み管及び遠心フ
ァンの構造が異なる実施例である。本実施例によるエン
ジン冷却装置に備えられた吸い込み管308及び遠心フ
ァン304の概略構造を表す側断面図を図6に示す。
【0045】図6において、第1の実施例の吸い込み管
8及び遠心ファン4と異なる点は、吸い込み管308の
下流側端部308Aの口径が遠心ファン304の回転シ
ュラウド304aの吸い込み口径より大きくなってお
り、下流側端部308Aが回転シュラウド304aの吸
い込み側端部近傍を覆うように配置されていること;心
板304bの外径D1hが回転シュラウド304aの吸
い込み口径D1iよりも小さくなっていること;羽根車
304cの心板側内径D1jは心板304bの外径D1h
より小さくなっていることとである。その他の構成は、
第1の実施例のエンジン冷却装置と同様である。
【0046】上記構成の本実施例によれば、心板304
bの外径D1hが回転シュラウド304aの吸い込み口
径D1iより小さいので、空力特性・騒音特性が通常の
斜流・遠心ファンとほぼ同等である羽根車304cを、
心板304b・回転シュラウド304aとともに可塑性
材料の一体成形によって製作することができる。すなわ
ち、心板304bのエンジン側端面304bR、羽根車
304cのうち心板外径D1hより大きい部分、及び回
転シュラウド304aのエンジン側端面304aRを、
心板側(図示右側)からの抜き型で押圧成形することが
でき、心板304bの熱交換器側(図示左側)端面30
4bL、羽根車304cのうち心板外径D1hより小さい
部分、羽根車304cのうち心板外径D1hより大きな
部分の前縁部、及び回転シュラウド304aの熱交換器
側端面304aLを、回転シュラウド側(図示左側)か
らの抜き型で押圧成形することができる。よって、従来
一般に製造法が難しくコストが高いとされていた回転シ
ュラウドつきの斜流・遠心ファンの製作コストを低減す
るともに、軽量化・燃費向上を図ることができる。また
心板外径D1hが比較的小さくなることから、エンジン
(図示せず)の少なくとも一部に直接冷却風を当てるこ
とができる。さらに軸流ファン・斜軸流ファンではボス
部からの逆流があるのに対し、心板304bによって逆
流を防止できる効果もある。また、羽根車304cの心
板側内径D1jは心板304bの外径D1hより小さくな
っているので、羽根車304cの強度を充分に確保する
ことができる。
【0047】なお、上記第2及び第3の実施例において
も、第1の実施例の変形例同様、斜流ポンプを適用する
ことができ、これらの場合も、同様の効果を得ることが
できる。
【0048】本発明の第4の実施例を図7により説明す
る。本実施例は、第3の実施例と遠心ファンの構造が異
なる実施例である。本実施例によるエンジン冷却装置に
備えられた吸い込み管308及び遠心ファン404の概
略構造を表す側断面図を図7に示す。第3の実施例と同
等の部材には同一の符号を付す。図7において、本実施
例の遠心ファン404が第3の実施例の遠心ファン30
4と異なる点は、羽根車404cの冷却空気流出方向端
面の形状が、心板404b側外径D2hが回転シュラウ
ド404a側外径D2sよりも小さくなっていることで
ある。
【0049】その他の構成は、第3の実施例のエンジン
冷却装置と同様である。
【0050】上記構成において、一般的な遠心ファンで
は、ファン内部の流れが心板側に寄り回転シュラウド側
の流れはこの流れに閉塞されてエンジン室内で単に旋回
するのみなのに対し、本実施例によれば心板404b側
外径D2hがシュラウド404a側外径D2sよりも小さ
くなっており、回転シュラウド404a側でのファン圧
力上昇を相対的に強くして回転シュラウド側404aか
ら心板404b側まで任意に流れを制御できるので、遠
心ファン404出口幅全体を有効に活用できる。また、
羽根車404cの心板404b側外径D2hを同一寸法
とすれば回転シュラウド404a側外径D2sを相対的
に大きくすることができるので、結果として吸い込み管
308の下流側端部308Aの口径も大きくすることが
でき、よって、熱交換器から吸い込み管308までの絞
りの程度が緩やかになって流路圧力損失の低減を図るこ
とができる。
【0051】本発明の第5の実施例を図8により説明す
る。本実施例は、図4に示した第1の実施例の変形例に
スパイラルケースを設けた実施例である。本実施例によ
るエンジン冷却装置を内設したエンジン室1の概略構造
を表す側断面図を図8に示す。図4と同等の部材には同
一の符号を付す。図8において、本実施例が図4と異な
る点は、斜流ファン24を覆うようにスパイラルケース
514が装着されていることである。スパイラルケース
514部分の詳細構造を表す斜視図を図9に示す。
【0052】図8及び図9において、斜流ファン24上
流のインタークーラー6a・オイルクーラー6b・ラジ
エーター6c等の抵抗体を通過した空気は、斜流ファン
24で昇圧された後、スパイラルケース514で風速を
減速されることによって圧力回復されエンジン5の回り
を流れて行く。その他の構造は図4とほぼ同様である。
【0053】一般に、斜流・遠心ファンにおける圧力上
昇は、軸流・斜軸流ファンに比べると圧倒的に高いもの
の、スパイラルケースがないときには、ファン出口の高
速の旋回成分速度がほとんどすべて損失となっている。
しかしながら本実施例においては、スパイラルケース5
14が装着されることにより、ファン出口の旋回成分が
圧力に回復されてより高圧となるので、その分さらなる
高風量化が実現できる。また高風量化を必要とせず低騒
音化が必要な時には、ファン回転数またはファン外径を
下げて騒音低減を図ることができる。
【0054】なお、上記第5の実施例は、斜流ファン2
4にスパイラルケース514を装着した場合について説
明したが、ファンとして遠心ファンを用いてもよい。ま
た、ファン出口を覆うようにケースが装着されている
が、ファン出口を覆う代わりに静圧回復のための複数の
部材を設けてもよい。これらの場合も、同様の効果を得
る。また、スパイラルケース514は一方向への吹き出
しであるが、出口部分を複数方向に分割するか、ケース
自体を周方向に複数個分割して設けてもよい。これらの
場合、吹き出し方向・配置箇所を調整し、エンジン室内
の特に冷却を重要とする部分に冷却空気を導流すること
ができる。
【0055】本発明の第6の実施例を図10により説明
する。本実施例は、第5の実施例に吸音材を設けた実施
例である。本実施例によるエンジン冷却装置を内設した
エンジン室1の概略構造を表す側断面図を図10に示
す。第5の実施例と同等の部材には同一の符号を付す。
【0056】図10において、本実施例によるエンジン
冷却装置が第5の実施例と異なる点は、スパイラルケー
ス514の内面に吸音材615が装着されていることで
ある。その他の構造は第5の実施例とほぼ同様である。
【0057】本実施例によれば、斜流ファン24の発生
する騒音を吸音材615で吸音できるとともに、エンジ
ン5で発生する騒音をも上流側に伝えることを防ぐの
で、エンジン室1全体の低騒音化を図ることができる。
【0058】なお、上記第6の実施例では、斜流ファン
24を用いたが、遠心ファンを用いてもよく、この場合
も同様の効果を得る。
【0059】本発明の第7の実施例を図11により説明
する。本実施例は、第1の実施例と熱交換器の配置が異
なる実施例である。本実施例によるエンジン冷却装置を
内設したエンジン室1の概略構造を表す側断面図を図1
1に示す。第1の実施例と同等の部材には同一の符号を
付す。
【0060】図11において、本実施例によるエンジン
冷却装置が第1の実施例と異なる点は、抵抗体であるイ
ンタークーラー706a・オイルクーラー706b・ラ
ジエーター706cが遠心ファン4の回転軸(図中左右
方向)に対して傾いて装着されており、結果として冷却
風取り入れ口7に対しても傾いていることである。その
他の構造は第1の実施例とほぼ同様である。
【0061】本実施例によれば、インタークーラ706
a、オイルクーラ706b、ラジエーター706cをフ
ァン回転軸に対して傾けるので、これら抵抗体と下流に
ある吸い込み管8との距離が広く取れ、かつ空気取り入
れ口7からの流れがスムースにインタークーラー706
a等に流入する。したがって、空気取り入れ口7から吸
い込み管8までの流路損失を低減することができ、高風
量化または低騒音化が可能となる。また、冷却風の流速
分布を均一化できるので、冷却のための熱伝達率を向上
させることができる。さらに、回転軸に対してインター
クーラー706a等を傾けることでインタークーラー7
06a等の前面実装面積を大幅に増やせる効果もあり、
その分インタークーラー706a等の奥行き寸法を小さ
くすることができ、結果的にこれらインタークーラー7
06a等の抵抗体の流路損失を低減することができる。
また、インタークーラー706a等の下流側における風
速分布を調整し、遠心ファン4にとって低騒音・高風量
に適したようにすることもできる。
【0062】本発明の第8の実施例を図12により説明
する。本実施例は、第1の実施例と熱交換器の配置が異
なる実施例である。本実施例によるエンジン冷却装置を
内設したエンジン室1の概略構造を表す側断面図を図1
2に示す。第1の実施例と同等の部材には同一の符号を
付す。
【0063】図12において、本実施例によるエンジン
冷却装置が第1の実施例と異なる点は、抵抗体であるイ
ンタークーラー806a・オイルクーラー806b・ラ
ジエーター806cの側断面形状が直線でなく、曲率を
持った弧状となっていることである。その他の構造は第
1の実施例とほぼ同様である。
【0064】本実施例によっても、第7の実施例と同様
の効果を得る。
【0065】なお、以上第1〜第8の実施例は、建設機
械に備えられたエンジンの冷却装置を例に取って説明し
たが、これに限られず、自動車・農機その他の機械に搭
載されるエンジンの冷却装置にも適用することができ
る。これらの場合も同様の効果を得る。本発明の第9の
実施例を図13により説明する。本実施例は、自動車の
エンジンの冷却に適用した場合の実施例である。本実施
例が適用される自動車のエンジン室部分の概略構造を表
す側断面図を図13に示す。第1の実施例と同等の部材
には同一の符号を付す。
【0066】図13において、エンジン室1外部からの
冷却風は、冷却風取入口7を通ってエンジン室1に入
り、インタークーラー6a・ラジエーター6cを過ぎた
後に吸い込み管8によって絞られ、遠心ファン4に入
る。その後、遠心ファン4の外周方向に吹き出した冷却
風は、エンジン5、オイルパン10の周囲を流れながら
それらを冷却し、図示しない冷却風排気口から外部に排
気される。
【0067】本実施例によっても、第1の実施例と同
様、エンジン室1の密閉度が増加した場合やコンパクト
化が進んだ場合等においても、上流側抵抗体・エンジン
室流路の圧力損失増大に打ち勝って冷却風を供給するこ
とができる。また、羽根車4cに固定される回転シュラ
ウド4aが設けられているので、ファン効率を向上する
ことができ、その分さらに騒音を低下させることができ
る。
【0068】なお、上記第1〜第9の実施例において
は、熱交換器として、インタークーラー・オイルクーラ
ー・ラジエーターを例にとって示したが、これに限られ
ず、エアコンのコンデンサー等、他の熱交換器が設けら
れていてもよく、これらの場合も同様の効果を得る。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、ファンとして斜流ファ
ン又は遠心ファンを用いるので、その遠心力作用によっ
て容易に大風量化・高圧力化を図ることができ、軸流フ
ァン・斜軸流ファンで大風量化・高圧力化を図る場合の
ように回転数を増大させる必要がないので、騒音を低下
させることができる。したがって、冷却対象である熱交
換器として例えばインタークーラーが新たに加わった場
合等においても、騒音を増大させることなくその分の風
量を確保するとともにその圧力損失に打ち勝って冷却風
を供給することができ、またエンジン室の密閉度が増加
した場合やコンパクト化が進んだ場合等においても、上
流側抵抗体・エンジン室流路の圧力損失増大に打ち勝っ
て冷却風を供給することができる。また、従来の軸流フ
ァン・斜軸流ファンのように、ファンを過ぎた流れが直
接エンジンに衝突することがないので、例えばエンジン
表面やエンジン下方のオイルパン表面に沿って流れる良
好な冷却風を得ることができる効果もある。また、羽根
車とともに回転する回転シュラウドが羽根車に固定され
ているので、ファン効率を向上することができ、またそ
の分さらに騒音を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例が適用される油圧ショベ
ルのエンジン室の概略構造を表す側断面図である。
【図2】図1に示された遠心ファン及び熱交換器の詳細
構造を示す側断面図である。
【図3】従来技術によるエンジン冷却装置を内設したエ
ンジンルームの概略構成を表す側断面図である。
【図4】第1の実施例の変形例によるエンジン冷却装置
を内設したエンジンルームの概略構成を表す側断面図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施例によるエンジン冷却装置
に備えられた吸い込み管及び遠心ファンの概略構造を表
す側断面図及び矢視図である。
【図6】本発明の第3の実施例によるエンジン冷却装置
に備えられた吸い込み管及び遠心ファンの概略構造を表
す側断面図である。
【図7】本発明の第4の実施例によるエンジン冷却装置
に備えられた吸い込み管及び遠心ファンの概略構造を表
す側断面図である。
【図8】本発明の第5の実施例によるエンジン冷却装置
を内設したエンジン室の概略構造を表す側断面図であ
る。
【図9】図8に示されたスパイラルケースの詳細構造を
表す斜視図である。
【図10】本発明の第6の実施例によるエンジン冷却装
置を内設したエンジン室の概略構造を表す側断面図であ
る。
【図11】本発明の第7の実施例によるエンジン冷却装
置を内設したエンジン室の概略構造を表す側断面図であ
る。
【図12】本発明の第8の実施例によるエンジン冷却装
置を内設したエンジン室の概略構造を表す側断面図であ
る。
【図13】本発明の第9の実施例が適用される自動車の
エンジン室部分の概略構造を表す側断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン室 4 遠心ファン 4a 回転シュラウド 4b 心板 4c 羽根車 5 エンジン 6a インタークーラー 6b オイルクーラー 6c ラジエーター 7 冷却風取入口 8 吸い込み管 8A 下流側端部 9 冷却風排気口 10 オイルパン 24 斜流ファン 24a 回転シュラウド 24b 心板 24c 羽根車 204 遠心ファン 204a 回転シュラウド 204b 心板 204c 羽根車 208 吸い込み管 208A 下流側端部 213 ベーン 213a 吸い込み側端面 304 遠心ファン 304a 回転シュラウド 304aL 熱交換器側端面 304aR エンジン側端面 304b 心板 304bL 熱交換器側端面 304bR エンジン側端面 304c 羽根車 308 吸い込み管 308A 下流側端部 404 遠心ファン 404a 回転シュラウド 404b 心板 404c 羽根車 514 スパイラルケース 615 吸音材 706a インタークーラー 706b オイルクーラー 706c ラジエーター 806a インタークーラー 806b オイルクーラー 806c ラジエーター a 熱交換器の短辺 D1 回転シュラウドの吸い込み口径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三原 新一 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンが内設されたエンジン室内に設
    けられ;前記エンジンの冷却水を冷却するラジエーター
    を含む少なくとも1つの熱交換器と、この熱交換器を冷
    却する冷却風を導くファンと、このファンの上流側でか
    つ前記熱交換器の下流側に設けられ前記冷却風を前記フ
    ァンの吸い込み側へ導入する吸い込み管とを有するエン
    ジン冷却装置において、 前記ファンは、斜流ファン及び遠心ファンのうちいずれ
    か一方であり、かつ、複数枚の羽根を備えた羽根車と、
    この羽根車に固定され該羽根車とともに回転する回転シ
    ュラウドとを備えていることを特徴とするエンジン冷却
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記回転シュラウドの吸い込み口径D1は、前記少
    なくとも1つの熱交換器のうち最も下流側にあるものの
    短辺をaとしたとき、 D1≧0.6a となっていることを特徴とするエンジン冷却装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記吸い込み管は、下流側端部の口径が前記回転シ
    ュラウドの吸い込み口径より大きく、前記下流側端部が
    回転シュラウドの吸い込み側端部近傍を覆うように配置
    されており、かつ、前記回転シュラウドは、前記吸い込
    み管の下流側端部との隙間を通過する流れを防止する隙
    間流れ防止機構を備えていることを特徴とするエンジン
    冷却装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記隙間流れ防止機構は、前記回転シュラウド外周
    部の吸い込み側端部近傍に立設された複数のベーンであ
    ることを特徴とするエンジン冷却装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記ファンは、前記羽根車のエンジン側に固定され
    該冷却風を略半径方向及び略周方向へ導く心板をさらに
    有し、かつ、前記心板の外径は前記回転シュラウドの吸
    い込み口径より小さく、前記羽根車の心板側内径は前記
    心板外径より小さくなっていることを特徴とするエンジ
    ン冷却装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記ファンは遠心ファンであり、かつ、前記羽根車
    の冷却風流出方向端面の形状は、前記心板側外径が前記
    回転シュラウド側外径よりも小さくなっていることを特
    徴とするエンジン冷却装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記ファンの出口部分近傍に設けられ、前記ファン
    から流出した冷却風を減速し静圧を回復させる少なくと
    も1つのスパイラルケースをさらに有することを特徴と
    するエンジン冷却装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記スパイラルケースは、前記ファンの出口部分近
    傍に周方向に複数個設けられていることを特徴とするエ
    ンジン冷却装置。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記少なくとも1つのスパイラルケース内面の少な
    くとも一部分に、吸音材を設置したことを特徴とするエ
    ンジン冷却装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のエンジン冷却装置にお
    いて、前記少なくとも1つの熱交換器のうち、少なくと
    も1つは、前記ファンの回転軸に対して傾斜して配置さ
    れていることを特徴とするエンジン冷却装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のエンジン冷却装置にお
    いて、前記少なくとも1つの熱交換器のうち、少なくと
    も1つは、側断面形状が曲率を持った弧状となっている
    ことを特徴とするエンジン冷却装置。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のエンジン冷却装置にお
    いて、前記少なくとも1つの熱交換器は、油を冷却する
    オイルクーラー、エンジンへの空気を予冷するインター
    クーラー、及びエアコンコンデンサのうち少なくとも1
    つをさらに備えていることを特徴とするエンジン冷却装
    置。
  13. 【請求項13】 エンジン室内に設けられたエンジン
    と;このエンジンによって駆動される油圧ポンプと;こ
    の油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動されるア
    クチュエータと;前記エンジンの冷却水を冷却するラジ
    エーターを含む少なくとも1つの熱交換器、前記1つの
    熱交換器を冷却する冷却風を導くファン、及びこのファ
    ンの上流側でかつ前記1つの熱交換器の下流側に設けら
    れ前記冷却風を前記ファンの吸い込み側へ導入する吸い
    込み管を備えたエンジン冷却装置と;を有する建設機械
    において、 前記エンジン冷却装置のファンは、斜流ファン及び遠心
    ファンのうちいずれか一方であり、かつ、複数枚の羽根
    を備えた羽根車と、この羽根車に固定され前記羽根車と
    ともに回転する回転シュラウドとを備えていることを特
    徴とする建設機械。
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