JP5308281B2 - ファンユニットおよびそれを用いた車両用冷却システム - Google Patents

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本発明は、車両に搭載されるエンジン用のラジエータおよび/または空調装置用のコンデンサに冷却風を通風するファンユニットおよびそれを用いた車両用冷却システムに関するものである。
車両用冷却システムとして、例えばエンジンルームの前方部に、前方側からコンデンサおよび/またはラジエータ、プロペラファン、ファンモータを順次配設し、これらを一体にモジュール化したもの(CRFMとも称されている。)が従来から知られている。このCRFMでは、コンデンサおよび/またはラジエータの下流側に正対して設けられているプロペラファンに向けて内部流路断面積が漸次小さくされたシュラウドが設けられ、コンデンサおよび/またはラジエータを通して吸込んだ冷却風(外気)をプロペラファンに導風するように構成されている。
上記CRFMには、上流端が吸込み口とされ、下流側にベルマウスと連なる吹出し口が設けられているシュラウドと、吹出し口内で回転されるプロペラファンと、該プロペラファンを駆動するモータとを備えたファンユニットが用いられるが、このファンユニットとしては、送風騒音およびモータ入力を低減するため、できる限り大径のプロペラファンを用い、それを低回転数で運転することが好ましい。そこで、コンデンサおよび/またはラジエータに正対して設けられるファンユニットでは、コンデンサまたはラジエータの正面寸法からプロペラファンの外径がはみ出さない範囲で、ファン径を可及的に大きくできるように様々な工夫を施している。
一方、コンデンサまたはラジエータの寸法に対して、プロペラファンの外径が相対的に大きくなるに連れ、周方向の特定位置でベルマウス外周とシュラウドの周囲壁が互いに接近する箇所が発生する。これにより、羽根に対して空気が求心流入される半開放型のプロペラファンでは、吸込み抵抗の増大により羽根に対して外周からの空気流入が阻害される箇所と、反対に外周からの空気流入が十分確保される箇所とが存在することとなる。このため、プロペラファンに流入する空気流の非軸対称性が増大し、回転中のプロペラファンに対して周期的な負荷変動(圧力変動)や流入角度変動が付加され、耳障りな周期騒音の発生やファン効率の低下を招くという問題があった。
こうした中、コンデンサやラジエータの正面寸法からプロペラファンが半径方向にはみ出したり、プロペラファンの外径とシュラウド周囲壁とが接近したりした場合に発生する上記問題を解決する手段として、プロペラファンの外径がはみ出した部分に対向するシュラウドの対向面に空気流通孔を設けたものや、プロペラファンの外径が接近する部位のシュラウド周囲壁にシュラウドの外部から外気をシュラウド内に導入する開口を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1−3参照)。
特開平5−179950号公報(図1−2参照) 特公平7−42857号公報(図1参照) 特開平6−42498号公報(図1参照)
しかしながら、特許文献1,2のものは、熱交換部に対向していないプロペラファンの外径がはみ出した部分に対向する壁面に設けられている開口から外気を吸い込むことしか考慮していない。従って、プロペラファンの周方向における局部的、周期的な通風抵抗の変動を抑制し、それによって周期騒音を低減できるものの、熱交換部と対向する部分を流通する空気流の増加は全く期待できないものであり、必ずしも送風効率の向上には繋がらないものであった。
また、特許文献3のものは、ベルマウス外周、すなわちプロペラファン外周とシュラウド周囲壁が接近した部位に対応するプロペラファンより上流側のシュラウド周囲壁に、シュラウドの内外を連通する開口を設け、該開口から大気を導入することにより、プロペラファンの上流部での部分的な圧力のアンバランス状態を是正し、周期騒音を低減できるようにしたものである。しかし、上記開口は、長さ方向に幅が一定とされている故、該開口から導入される大気により圧力のアンバランス状態を周方向に十分均一化できるものではなく、プロペラファンに流入される空気流の非軸対称性を低減するという観点から、まだまだ改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、プロペラファンに流入する空気流の非軸対称性を確実に低減し、周期騒音を効果的に抑制するとともに、ファン効率を向上できるファンユニットおよびそれを用いた車両用冷却システムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明のファンユニットおよびそれを用いた車両用冷却システムは、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるファンユニットは、上流端が吸込み口とされ、下流側にベルマウスに連なる吹出し口が設けられているシュラウドと、前記吹出し口内で回転されるプロペラファンと、該プロペラファンを駆動するモータと、を備え、前記ベルマウスの外周が前記シュラウドの周囲壁と接近されている接近部位が少なくとも1箇所に形成されているファンユニットにおいて、前記接近部位と対応する前記プロペラファンよりも上流側の前記シュラウド周囲壁に、該シュラウドの内外を連通する開口が設けられ、該開口は、前記ベルマウス外周と前記シュラウド周囲壁とが接近するに従い開口面積が大きくなるように、周方向に面積分布をもって形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ベルマウス外周がシュラウド周囲壁と接近されている接近部位と対応するプロペラファンよりも上流側のシュラウド周囲壁に、シュラウドの内外を連通する開口が設けられ、該開口がベルマウス外周とシュラウドの周囲壁とが接近するに従い開口面積が大きくなるように、周方向に面積分布をもって形成されているため、ベルマウス外周とシュラウド周囲壁とが接近する部位では吸込み抵抗が増大し、風量が低下するが、該接近部位と対応してシュラウド周囲壁に設けられている開口から吸込まれる空気流によりプロペラファン外周部での処理風量を増大することができ、しかも該開口が周方向に面積分布をもっていることから、プロペラファンの外周部での処理風量を周方向において均一化することができる。これによって、プロペラファンに流入する空気流の非軸対称性を確実に低減することができ、回転中のプロペラファンに対する周期的な気流変動を抑制し、耳障りな周期騒音を効果的に低減することができるとともに、ファン効率を向上することができる。
さらに、本発明のファンユニットは、上記のファンユニットにおいて、前記開口は、複数個の小穴に分割して設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、開口が複数個の小穴に分割して設けられているため、シュラウドの周囲壁に開口が設けられることによる強度や剛性の低下を最小限に抑えることができ、シュラウドの強度、剛性の低下による変形や振動を防止することができる。
さらに、本発明のファンユニットは、上述のいずれかのファンユニットにおいて、前記開口には、流入空気をガイドするガイドベーンが設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、開口に流入空気をガイドするガイドベーンが設けられているため、吸込み口側から吸込まれた空気流と開口から吸込まれた空気流との干渉を防止し、開口からシュラウド内に導入された空気流をガイドベーンによりスムーズにプロペラファンの外周部へと導くことができる。従って、シュラウド内での空気流の乱れや乱流騒音の発生を防止することができる。
さらに、本発明のファンユニットは、上記のファンユニットにおいて、前記ガイドベーンは、前記開口の上流側端縁から前記シュラウドの内側に向けて下流側に傾斜ないし湾曲するように設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ガイドベーンが開口の上流側端縁からシュラウドの内側に向けて下流側に傾斜ないし湾曲するように設けられているため、開口から吸込まれる空気流をガイドベーンに沿わせてプロペラファン外周部へと導入し、その流れの向きを吸込み口からの空気流と速やかに一致させることができる。従って、シュラウド内での空気流の乱れや乱流騒音の発生を防止しつつ、プロペラファンに流入される空気流の非軸対称性を低減し、耳障りな周期騒音を抑えることができる。また、ガイドベーンがシュラウドの内側に設けられているため、ガイドベーンの設置によりシュラウドが大型化される心配もない。
さらに、本発明のファンユニットは、上記のファンユニットにおいて、前記ガイドベーンは、可撓性を有する材料により構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ガイドベーンが可撓性を有する材料により構成されているため、開口が設けられているプロペラファンよりも上流部位でのシュラウド内の圧力と、シュラウド外部の圧力(大気圧)との圧力差によりガイドベーンが適宜変形され、ファンユニットの運転状態(例えば、ラム圧の有無等)に応じた適切量の空気流を開口から吸込ませることができるとともに、ガイドベーンによる送風抵抗を可及的に小さくすることができる。従って、ガイドベーンによりファン負荷を不必要に増大させることなく、耳障りな周期騒音を確実に低減することができる。
さらに、本発明のファンユニットは、上記のファンユニットにおいて、前記ガイドベーンは、前記開口の下流側端縁から前記シュラウドの外側に向けて上流側に傾斜ないし湾曲するように設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ガイドベーンが開口の下流側端縁からシュラウドの外側に向けて上流側に傾斜ないし湾曲するように設けられているため、ガイドベーンによって導かれ、開口からプロペラファンの外周部へと吸込まれる空気流によりシュラウド内の開口位置付近での圧力低下をより大きくし、そのエジェクタ効果によって吸込み口側から吸込まれる空気流を増加することができる。従って、ファン効率を一段と向上することができる。
さらに、本発明にかかる車両用冷却システムは、上流側に空調装置用のコンデンサおよび/またはエンジン用のラジエータが設置され、その下流側にシュラウド、プロペラファンおよび該プロペラファンを駆動するモータを備えたファンユニットが設けられている車両用冷却システムにおいて、上記ファンユニットとして、上述のいずれかの記載のファンユニットが用いられていることを特徴とする。
本発明によれば、上流側に空調装置用のコンデンサおよび/またはエンジン用のラジエータが設置され、その下流側にシュラウド、プロペラファンおよび該プロペラファンを駆動するモータを備えたファンユニットが設けられている車両用冷却システムのファンユニットが、上述のいずれかのファンユニットとされているため、一般に矩形とされるコンデンサおよび/またはラジエータの下流側に正対して設けられるファンユニットを、コンデンサおよび/またはラジエータの正面寸法に対して、外径がはみ出さない範囲でファン径を可及的に大きくしたプロペラファンを用いたファンユニットとすることができる。従って、プロペラファンをできる限り低回転数で運転し、送風騒音およびモータ入力の増大を抑制することができる。しかも、その際に、ベルマウスの外周、すなわちプロペラファンの外周とシュラウド周囲壁とが接近し、その部位での吸込み抵抗が増大することによる風量の低下やそれに起因してプロペラファンに流入する空気流の非軸対称性が増大することにより発生する耳障りな周期騒音を効果的に抑制することができ、ファン効率を向上することができる。
本発明のファンユニットによると、ベルマウス外周とシュラウド周囲壁とが接近する部位では吸込み抵抗が増大し、風量が低下するが、該接近部位と対応してシュラウド周囲壁に設けられている開口から吸込まれる空気流によりプロペラファン外周部での処理風量を増大することができ、しかも該開口が周方向に面積分布をもっていることから、プロペラファンの外周部での処理風量を周方向において均一化することができる。このため、プロペラファンに流入する空気流の非軸対称性を確実に低減することができ、回転中のプロペラファンに対する周期的な気流変動を抑制し、耳障りな周期騒音を効果的に低減することができるとともに、ファン効率を向上することができる。
また、本発明の車両用冷却システムによると、一般に矩形とされるコンデンサおよび/またはラジエータの下流側に正対して設けられるファンユニットを、コンデンサおよび/またはラジエータの正面寸法に対して、外径がはみ出さない範囲でファン径を可及的に大きくしたプロペラファンを用いたファンユニットとすることができるため、プロペラファンをできる限り低回転数で運転し、送風騒音およびモータ入力の増大を抑制することができる。しかも、その際に、ベルマウスの外周、すなわちプロペラファンの外周とシュラウド周囲壁とが接近し、その部位での吸込み抵抗が増大することによる風量低下やそれに起因してプロペラファンに流入する空気流の非軸対称性が増大することにより発生する耳障りな周期騒音を効果的に抑制することができ、ファン効率を向上することができる。
本発明の第1実施形態に係るファンユニットを備えた車両用冷却システムをファンユニット側から見た概略正面図(A)と、そのa−a子午面断面図(B)、b−b子午面断面図(C)および平面視図(D)である。 本発明の第2実施形態に係るファンユニットを備えた車両用冷却システムの平面視図である。 本発明の第3実施形態に係るファンユニットを備えた車両用冷却システムの平面視図(A)とそのc−c断面相当図(B)である。 本発明の第4実施形態に係るファンユニットを備えた車両用冷却システムのプロペラファン上流部と外部間の圧力差が大きい状態での縦断面図(A)と、圧力差が小さい状態での縦断面図(B)である。 本発明の第5実施形態に係るファンユニットを備えた車両用冷却システムの縦断面図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1を用いて説明する。
本実施形態に係るファンユニットを備えた車両用冷却システム(CRFM;Condenser Radiator Fan Module)1は、空調装置用のコンデンサ2と、走行エンジン用のラジエータ3と、ファンユニット4とを図示省略のブラケット等を介して一体に組み立てることにより、モジュール化されたものである。
コンデンサ2は、空調装置の冷凍サイクルを構成する機器であり、例えば矩形状をなすパラレルフロータイプの熱交換器が用いられている。コンデンサ2は、圧縮機から循環されてくる高温高圧の冷媒ガスを外気と熱交換させて冷却することにより凝縮液化し、その冷媒を、冷凍サイクルを構成する下流側機器に供給する機能を担っている。
ラジエータ3は、車両走行エンジンの冷却水を冷却する機器であり、例えば矩形状をなすパラレルフロータイプの熱交換器が用いられている。ラジエータ3は、エンジンの燃焼室周りを冷却して温度上昇された冷却水が、冷却水ポンプを介して循環されるようになっており、その冷却水を外気と熱交換させて冷却した後、再びエンジンへと循環することによって、エンジンを冷却する機能を担っている。
ファンユニット4は、上流側に設置されているコンデンサ2およびラジエータ3を通して吸込んだ空気(外気)をプロペラファン8側に導風するシュラウド5と、このシュラウド5に設けられているモータ支持ステー6と、該モータ支持ステー6を介して支持されているモータ7と、このモータ7の回転軸(図示省略)に取り付けられることにより回転駆動されるプロペラファン8とを備えている。
シュラウド5は、コンデンサ2およびラジエータ3の正面寸法と略同寸法とされた矩形形状とされており、上流端が吸込み口9とされ、そこから下流側に設けられているベルマウス10に連なる円形の吹出し口11に向けて漸次内部の流路断面積が小さくなるように構成されている。ベルマウス10を有する吹出し口11は、シュラウド5の中心から一方向(図1(A)の左方向)に偏心された位置に設けられており、図1(A)に示されるように、上下の2箇所において、ベルマウス10の外周、すなわち吹出し口11の外周とシュラウド5の周囲壁とが極端に接近された構成とされている。このシュラウド5は、樹脂材製であり、モータ支持ステー6と共に射出成形によって一体成形されている。
モータ支持ステー6は、シュラウド5の下流端に一体成形されており、吹出し口11の中心位置に向って放射状に複数本、例えば6本設けられ、中央部にモータ7を取り付け支持するためのモータ支持部を備えている。モータ7には、モータ支持ステー6のモータ支持部にボルト等を介して固定設置されるモータケースを備えた薄型のモータが用いられている。該モータ7は、上流側に回転軸(図示省略)が突出された構成とされており、この回転軸にプロペラファン8が固着されるようになっている。
プロペラファン8は、ハブ8Aの周りに複数枚の羽根8Bが設けられ、該羽根8Bに対して空気が求心流入される半開放型のものであり、ハブ8Aと羽根8Bとを一体に射出成形した樹脂材製のプロペラファン8を用いることができる。該プロペラファン8は、モータ7の回転軸に固着され、吹出し口11内で回転駆動されることにより、コンデンサ2およびラジエータ3を通して吸込んだ外気を吹出し口11から下流側へと吹出すように構成されている。
プロペラファン8として、できる限り大径のプロペラファン8を用いるためには、吹出し口11の径をできるだけ大きくする必要がある。そうすると、図1(A)に示されるように、ベルマウス10の外周とシュラウド5の周囲壁とが接近され、当該部分ではプロペラファン8に対する外周からの空気吸込み流路が極端に狭くなるため、吸込み抵抗が増大する。これによって、プロペラファン8に流入する空気流の非軸対称性が増大し、回転中のプロペラファン8において、周期的な負荷変動や流入角度変動が発生し、周期騒音の要因となる。
そこで、図1(D)に示されるように、ベルマウス10の外周とシュラウド5の周囲壁とが接近する上下2箇所の接近部位に対応して、プロペラファン8よりも上流側のシュラウド5の周囲壁にシュラウド5の内外を連通する開口12を設けた構成としている。この開口12は、ベルマウス10の外周とシュラウド5の周囲壁とが接近するにつれて開口面積が大きくなるように、周方向(回転方向)に面積分布をもって形成されている。
つまり、本実施形態では、開口12が複数個の小穴12Aに分割されて設けられ、ベルマウス10の外周とシュラウド5の周囲壁とが最も接近された位置に設けられる小穴12Aが最も開口面積が大きくされ、周方向に離れて行くに従って小穴12Aの開口面積が漸次小さくなるように面積分布された構成とされている。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果が奏される。
ファンモータ7が駆動され、プロペラファン8が回転されると、これによって、コンデンサ2の前面からコンデンサ2およびラジエータ3を通して外気が吸い込まれる。この外気は、コンデンサ2およびラジエータ3を流通後、ファンユニット4のシュラウド5によりベルマウス10に連なる吹出し口11内で回転するプロペラファン8へと導かれ、プロペラファン8により吹出し口11を経て下流側へと吹き出される。この際、コンデンサ2およびラジエータ3では、冷媒およびエンジン冷却水が外気と熱交換されることによって冷却される。
ここで、上記ファンユニット4に用いられている羽根8Aに対して空気が求心流入される半開放型のプロペラファン8では、ベルマウス10の外周とシュラウド5の周囲壁とが接近している部位で吸込み抵抗が増大し、局所的に処理風量が低下することにより、プロペラファン8に流入される空気流の非軸対称性が増すこととなる。しかるに、本実施形態では、ベルマウス10の外周とシュラウド5の周囲壁とが接近する部位に対応して、プロペラファン8よりも上流側のシュラウド5の周囲壁に、シュラウド5の内外を連通する開口12を設け、該開口12から外気を吸込むことによってプロペラファン8に流入する空気流の非軸対称性が低減されるようにしている。
しかも、開口12をベルマウス10の外周とシュラウド5の周囲壁とが接近するにつれて開口面積が大きくなるように、周方向に面積分布をもって設けることにより、プロペラファン8の外周部での処理風量が周方向において均一化されるようにしている。
このため、プロペラファン8に流入される空気流の非軸対称性を確実に低減することができ、回転中のプロペラファン8に対する周期的な気流変動(負荷変動または圧力変動)を抑制し、耳障りな周期騒音を効果的に低減することができるとともに、ファン効率を向上することができる。
また、開口12が複数個の小穴12Aに分割して設けられているため、シュラウド5の周囲壁に開口12が設けられることによるシュラウド5自体の強度や剛性の低下を最小限に抑えることができ、従って、シュラウド5の強度、剛性の低下による変形や振動を防止することができる。
さらに、上流側に空調装置用のコンデンサ2および/またはエンジン用のラジエータ3が設置され、その下流側にシュラウド5、プロペラファン8および該プロペラファン8を駆動するモータ7を備えたファンユニット4が設けられている車両用冷却システム(CRFM)1において、ファンユニット4が上記構成を有するファンユニット4とされているため、一般に矩形とされるコンデンサ2および/またはラジエータ3の下流側に正対して設けられるファンユニット4を、コンデンサ2および/またはラジエータ3の正面寸法に対して、外径がはみ出さない範囲でファン径を可及的に大きくしたプロペラファン8を用いたファンユニット4とすることができる。
これによって、プロペラファン8をできる限り低回転数で運転し、送風騒音およびモータ7の入力増大を抑制することができる。しかも、ベルマウス10の外周、すなわちプロペラファン8の外周とシュラウド5の周囲壁とが接近し、その部位での吸込み抵抗が増大することによる風量低下やそれに起因してプロペラファン8に流入する空気流の非軸対称性が増大することにより発生する耳障りな周期騒音を効果的に抑制することができ、ファン効率を向上することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図2を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、開口22の構成が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、ベルマウス10の外周、すなわちプロペラファン8の外周とシュラウド5の周囲壁とが接近する接近部位に対応して、プロペラファン8よりも上流側のシュラウド5の周囲壁に設けられる開口22が、図2に示されるように、ベルマウス10の外周とシュラウド5の周囲壁とが最も接近された位置から周方向に離れて行くに従って開口面積が漸次小さくなるようにされた細長い菱形形状の開口22とされている。
上記のように、開口22を周方向に離れて行くに従って開口面積が漸次小さくなるようにされた細長い菱形形状の開口22とすることにより、開口面積を周方向に連続的に漸減することができ、プロペラファン8の外周部での処理風量を周方向において、より均一化することができる。従って、本実施形態によっても、プロペラファン8に流入する空気流の非軸対称性が増大することにより発生する耳障りな周期騒音を効果的に抑制することができ、ファン効率を向上することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図3を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1および第2実施形態に対して、開口12,22にガイドベーン30を設けた構成としている点が異なっている。その他の点については、第1および第2実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図3に示されるように、開口22(12)の上流側端縁からシュラウド5の内側に向けて下流側に傾斜ないし湾曲するように流入空気をガイドするガイドベーン30を設けた構成とされている。
上記のように、開口22(12)の上流側端縁からシュラウド5の内側に向けて下流側に傾斜ないし湾曲されたガイドベーン30を設け、開口22(12)から吸込まれる空気流をガイドベーン30に沿わせてプロペラファン8の外周部へと導入し、その流れの向きを吸込み口9からの空気流と速やかに一致させ、互いの干渉を防止することにより、開口22(12)からの空気流を、ガイドベーン30を介してスムーズにシュラウド5内に導入することができる。従って、シュラウド5内での空気流の乱れや乱流騒音の発生を防止しつつ、プロペラファン8に流入される空気流の非軸対称性を低減し、耳障りな周期騒音を抑えることができる。また、ガイドベーン30がシュラウド5の内側に設けられているため、ガイドベーン30の設置によってシュラウド5が大型化される心配もない。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第3実施形態に対して、開口12,22に設けるガイドベーン30Aを可撓性材料により構成している点が異なる。その他の点については、第1ないし第3実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図4(A),(B)に示されるように、開口22(12)の上流側端縁からシュラウド5の内側に向けて下流側に傾斜ないし湾曲されるように設けられたガイドベーン30Aをゴム、軟質樹脂等の可撓性を有する材料によって構成している。
上記のように、ガイドベーン30Aを可撓性材料で構成することにより、開口22(12)が設けられているプロペラファン8の上流部位でのシュラウド5内の圧力と、シュラウド5外部の圧力(大気圧)との圧力差によってガイドベーン30Aが変形され、ファンユニット4の運転状態(例えば、ラム圧の有無等)に応じた適切な量の空気流を開口22(12)から吸込ませることができる。つまり、ラム圧無しの状態でプロペラファン8の上流部位の圧力と大気圧との差が大きい場合、ガイドベーン30Aは、図4(A)に示されるように、開口22(12)を最大とするように変形し、開口22(12)からの吸込み空気流を最大量とすることができる。
一方、車両走行時でラム圧が利用できる場合、ラム圧により吸込み口9側からの吸込み風量が増加し、プロペラファン8の上流部位の圧力も上昇されるため、上記圧力差が小さくなり、ガイドベーン30Aが、図4(B)に示されるように、開口22(12)を絞る方向に変形される。これによって、開口22(12)から吸込まれる空気流が減少されるとともに、ガイドベーン30Aによる送風抵抗が可及的に小さくされる。従って、ガイドベーン30Aによるファン負荷を不必要に増大させることなく、ファンユニット4の運転状態に応じて開口22(12)から吸込まれる空気流を適切量に調整しつつ、耳障りな周期騒音を確実に低減することができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第3実施形態に対して、開口12,22に設けるガイドベーン30Bをシュラウド5の外側に設けている点が異なる。その他の点については、第3実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、開口12,22の下流側端縁からシュラウド5の外側に向けて上流側に傾斜ないし湾曲するように流入空気をガイドするガイドベーン30Bを設けた構成とされている。
上記のように、開口12,22の下流側端縁からシュラウド5の外側に向けて上流側に傾斜ないし湾曲するようにガイドベーン30Bを設けた構成とすることにより、ガイドベーン30Bで導風され、開口12,22からプロペラファン8の外周部へと吸込まれる空気流によってシュラウド5内部の開口12,22位置付近での圧力低下を大きくし、そのエジェクタ効果により吸込み口9側から吸込まれる空気流を増加することができる。これによって、ファン効率を一段と向上することができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、コンデンサ2およびラジエータ3の双方を備えたCRFM1について説明したが、コンデンサ2またはラジエータ3のいずれか一方を備えた車両用冷却システム、あるいは車両用以外の一般的な空調装置、冷凍装置、その他のファンユニットにも広く適用することができるものである。
また、シュラウド5およびプロペラファン8について、樹脂製した場合の例について説明したが、それに限定されるものでないことはもちろんである。さらに、開口12,22が設けられるベルマウス10の外周とシュラウド5の周囲壁との接近部位は、図1(A)に示される上下位置に限らず、上部または下部の1箇所であってもよく、左側部を含む2箇所または3箇所であってもよい。
1 車両用冷却システム(CRFM)
2 コンデンサ
3 ラジエータ
4 ファンユニット
5 シュラウド
7 モータ
8 プロペラファン
9 吸込み口
10 ベルマウス
11 吹出し口
12,22 開口
12A 小穴
30,30A,30B ガイドベーン

Claims (7)

  1. 上流端が吸込み口とされ、下流側にベルマウスに連なる吹出し口が設けられているシュラウドと、前記吹出し口内で回転されるプロペラファンと、該プロペラファンを駆動するモータと、を備え、前記ベルマウスの外周が前記シュラウドの周囲壁と接近されている接近部位が少なくとも1箇所に形成されているファンユニットにおいて、
    前記接近部位と対応する前記プロペラファンよりも上流側の前記シュラウド周囲壁に、該シュラウドの内外を連通する開口が設けられ、
    該開口は、前記ベルマウス外周と前記シュラウド周囲壁とが接近するに従い開口面積が大きくなるように、周方向に面積分布をもって形成されていることを特徴とするファンユニット。
  2. 前記開口は、複数個の小穴に分割して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のファンユニット。
  3. 前記開口には、流入空気をガイドするガイドベーンが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のファンユニット。
  4. 前記ガイドベーンは、前記開口の上流側端縁から前記シュラウドの内側に向けて下流側に傾斜ないし湾曲するように設けられていることを特徴とする請求項3に記載のファンユニット。
  5. 前記ガイドベーンは、可撓性を有する材料により構成されていることを特徴とする請求項4に記載のファンユニット。
  6. 前記ガイドベーンは、前記開口の下流側端縁から前記シュラウドの外側に向けて上流側に傾斜ないし湾曲するように設けられていることを特徴とする請求項3に記載のファンユニット。
  7. 上流側に空調装置用のコンデンサおよび/またはエンジン用のラジエータが設置され、その下流側にシュラウド、プロペラファンおよび該プロペラファンを駆動するモータを備えたファンユニットが設けられている車両用冷却システムにおいて、
    上記ファンユニットとして、請求項1ないし請求項6のいずれかの記載のファンユニットが用いられていることを特徴とする車両用冷却システム。
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