JPH08302421A - ハーフマッフル - Google Patents
ハーフマッフルInfo
- Publication number
- JPH08302421A JPH08302421A JP13118295A JP13118295A JPH08302421A JP H08302421 A JPH08302421 A JP H08302421A JP 13118295 A JP13118295 A JP 13118295A JP 13118295 A JP13118295 A JP 13118295A JP H08302421 A JPH08302421 A JP H08302421A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- muffle
- endless belt
- stainless steel
- bright annealing
- furnace
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- Granted
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- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 中空管状マッフル内で溶接など加工したフレ
キシブル管など被熱処理材を焼鈍する光輝焼鈍炉におい
て、被熱処理部材を載置するエンドレスベルトとマッフ
ルとの摩擦により発生する摩耗粉による、エンドレスベ
ルトとマッフルの早期の消耗や切断を防止できるマッフ
ル構造を提供する。 【構成】 断面角形で全体として中空管状のステンレス
鋼製のマッフル3内に、このマッフル3と長さが等しく
断面コの字形で上方が開き、ステンレス鋼より融点が高
い金属またはその合金製のハーフマッフル14を配置
し、このハーフマッフル14の凹部14aの上面でエン
ドレスベルト10を摺動させる構成である。
キシブル管など被熱処理材を焼鈍する光輝焼鈍炉におい
て、被熱処理部材を載置するエンドレスベルトとマッフ
ルとの摩擦により発生する摩耗粉による、エンドレスベ
ルトとマッフルの早期の消耗や切断を防止できるマッフ
ル構造を提供する。 【構成】 断面角形で全体として中空管状のステンレス
鋼製のマッフル3内に、このマッフル3と長さが等しく
断面コの字形で上方が開き、ステンレス鋼より融点が高
い金属またはその合金製のハーフマッフル14を配置
し、このハーフマッフル14の凹部14aの上面でエン
ドレスベルト10を摺動させる構成である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光輝焼鈍炉のマッフル構
造に関し、さらに詳しくはステンレス鋼などを溶接およ
び/または冷間加工した構造物を非酸化性雰囲気で焼鈍
するための光輝焼鈍炉のマッフル構造の改良に関する。
造に関し、さらに詳しくはステンレス鋼などを溶接およ
び/または冷間加工した構造物を非酸化性雰囲気で焼鈍
するための光輝焼鈍炉のマッフル構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼製のフレキシブル管(コル
ゲート管とも称す)は、帯状のステンレス鋼フープ材が
曲げ加工され、その両側端部同士が溶接により造管さ
れ、さらに、ダイス加工されて軸方向の表面が波形の凹
凸を有し、丸味を持った蛇腹状にまたは螺旋状に成形さ
れた管材である。このように、溶接あるいは冷間加工さ
れたステンレス鋼は、溶接後または加工後の固溶化処理
後に急冷される熱影響によって残留応力を発生する。ま
た、フェライト系またはマルテンサイト系ステンレス鋼
の場合、ミクロ的に一部または全部が焼入れされ、オー
ステナイト系ステンレス鋼の場合は熱影響部の一部にC
r炭化物などCr富化相が形成されることにより、その
周辺ではミクロ的なCr貧化相が生じ(鋭敏化とい
う)、靭性や耐食性が劣化する。また、これらのステン
レス鋼が冷間加工されると、加工硬化して強度は増大す
るが靭性が低下する。特に、オーステナイト系ステンレ
ス鋼は、合金成分量が多く価格が高いが、その耐食性や
靭性が高いため広く使用されているもので、上記のよう
な加工工程により耐食性や靭性が低下した(脆くなっ
た)材料は、その後の組立工程や使用中に、割れたりま
たは腐食したりするなどの問題が生じるため、固溶化熱
処理により上記特性を改善してオーステナイト系ステン
レス鋼本来の性質に戻してユーザーに供給される。
ゲート管とも称す)は、帯状のステンレス鋼フープ材が
曲げ加工され、その両側端部同士が溶接により造管さ
れ、さらに、ダイス加工されて軸方向の表面が波形の凹
凸を有し、丸味を持った蛇腹状にまたは螺旋状に成形さ
れた管材である。このように、溶接あるいは冷間加工さ
れたステンレス鋼は、溶接後または加工後の固溶化処理
後に急冷される熱影響によって残留応力を発生する。ま
た、フェライト系またはマルテンサイト系ステンレス鋼
の場合、ミクロ的に一部または全部が焼入れされ、オー
ステナイト系ステンレス鋼の場合は熱影響部の一部にC
r炭化物などCr富化相が形成されることにより、その
周辺ではミクロ的なCr貧化相が生じ(鋭敏化とい
う)、靭性や耐食性が劣化する。また、これらのステン
レス鋼が冷間加工されると、加工硬化して強度は増大す
るが靭性が低下する。特に、オーステナイト系ステンレ
ス鋼は、合金成分量が多く価格が高いが、その耐食性や
靭性が高いため広く使用されているもので、上記のよう
な加工工程により耐食性や靭性が低下した(脆くなっ
た)材料は、その後の組立工程や使用中に、割れたりま
たは腐食したりするなどの問題が生じるため、固溶化熱
処理により上記特性を改善してオーステナイト系ステン
レス鋼本来の性質に戻してユーザーに供給される。
【0003】このような熱処理の代表例が焼鈍であり、
オーステナイト系ステンレス鋼の場合、組織標準化のた
めの固溶化処理であり、一般的に1100〜1200℃
の範囲の温度に所定の時間加熱後、冷却して、残留応力
を除去すると同時に、拡散によりミクロ組織を改善して
耐食性や靭性を回復する。上記の熱処理に使用する加熱
炉の代表的なものが光輝焼鈍炉で、酸化スケール(酸化
物皮膜)の発生を防止するため、被熱処理材料を装入す
る保護容器(以下マッフルという)内に還元性または不
活性のガスを流入する鋼製のものが多い。マッフルを使
用した光輝焼鈍炉の構成と、加工後のフレキシブル管を
焼鈍する例を図2および図3を参照して以下に説明す
る。図2は、従来技術による光輝焼鈍炉1の主要部を示
す断面側面図であり、図3は、図2のA−A矢視断面図
である。図2の光輝焼鈍炉1は、この例では、図3にも
示すように、断面が長方形で全体が中空管状に築かれた
耐火煉瓦2で覆われ、外部に対して断熱され、その内部
には同じく長方形で中空管状のステンレス鋼製のマッフ
ル3が設けられ、同図の右側が加熱部4、左側は冷却部
5とされ、加熱部4と冷却部5の間には断熱壁6が設け
られる。加熱部4のマッフル3の外周側には発熱体7
が、冷却部4のマッフル3の外周側下部には冷却水が流
れる3本の冷却管8が、それぞれ設けられている。
オーステナイト系ステンレス鋼の場合、組織標準化のた
めの固溶化処理であり、一般的に1100〜1200℃
の範囲の温度に所定の時間加熱後、冷却して、残留応力
を除去すると同時に、拡散によりミクロ組織を改善して
耐食性や靭性を回復する。上記の熱処理に使用する加熱
炉の代表的なものが光輝焼鈍炉で、酸化スケール(酸化
物皮膜)の発生を防止するため、被熱処理材料を装入す
る保護容器(以下マッフルという)内に還元性または不
活性のガスを流入する鋼製のものが多い。マッフルを使
用した光輝焼鈍炉の構成と、加工後のフレキシブル管を
焼鈍する例を図2および図3を参照して以下に説明す
る。図2は、従来技術による光輝焼鈍炉1の主要部を示
す断面側面図であり、図3は、図2のA−A矢視断面図
である。図2の光輝焼鈍炉1は、この例では、図3にも
示すように、断面が長方形で全体が中空管状に築かれた
耐火煉瓦2で覆われ、外部に対して断熱され、その内部
には同じく長方形で中空管状のステンレス鋼製のマッフ
ル3が設けられ、同図の右側が加熱部4、左側は冷却部
5とされ、加熱部4と冷却部5の間には断熱壁6が設け
られる。加熱部4のマッフル3の外周側には発熱体7
が、冷却部4のマッフル3の外周側下部には冷却水が流
れる3本の冷却管8が、それぞれ設けられている。
【0004】さらに、マッフル3の図2でほぼ左右中央
部には還元性ガスまたは不活性ガス、この例では水素ガ
スを、マッフル3内に導入する水素供給管9が連通され
て、マッフル3内は水素雰囲気にされ、この水素はマッ
フル3の両端側から所定の安全対策をしてから排出され
る。符号10は、駆動ローラ11により図2で矢印Bの
ように反時計方向に連続して循環移動するステンレス鋼
製のエンドレスベルトであり、マッフル内では床部3a
の上面を摺動し、被処理材としてのフレキシブル管13
(外形の波形を省略して示す)は、マッフル3内を移動
する前記のエンドレスベルト10に載置されて、光輝焼
鈍炉1のマッフル3内を図2で右側から左側に向けて所
定の速度で移動して、加熱部4内で1100〜1200
℃に加熱された後、冷却部5内で冷却され、大気中に出
されても酸化の恐れがない温度まで冷却されるように焼
鈍され、オーステナイト系ステンレス鋼としての本来の
性質を有するフレキシブル管にされる。上記のエンドレ
スベルト10は、駆動ローラ11の駆動力により光輝焼
鈍炉1内の高温の加熱部、中間温度の冷却部および常温
の炉外の順序で反復して循環するため、1100℃を超
える高温から室温までの多数回の熱サイクルを受けるこ
とによる消耗が激しく、高融点金属材料など高価な材料
を使用するコスト高の割に寿命が短い。一方、マッフル
3は、特に高温部で水素が拡散放出されないような安全
上の必要性と、さらに構造的に必要な強度を得るため、
この温度環境では5mm以上の肉厚が必要になり、高融点
の高価な材料は使用できない。これらの理由により、材
料としては主としてオーステナイト系ステンレス鋼が選
択されていた。
部には還元性ガスまたは不活性ガス、この例では水素ガ
スを、マッフル3内に導入する水素供給管9が連通され
て、マッフル3内は水素雰囲気にされ、この水素はマッ
フル3の両端側から所定の安全対策をしてから排出され
る。符号10は、駆動ローラ11により図2で矢印Bの
ように反時計方向に連続して循環移動するステンレス鋼
製のエンドレスベルトであり、マッフル内では床部3a
の上面を摺動し、被処理材としてのフレキシブル管13
(外形の波形を省略して示す)は、マッフル3内を移動
する前記のエンドレスベルト10に載置されて、光輝焼
鈍炉1のマッフル3内を図2で右側から左側に向けて所
定の速度で移動して、加熱部4内で1100〜1200
℃に加熱された後、冷却部5内で冷却され、大気中に出
されても酸化の恐れがない温度まで冷却されるように焼
鈍され、オーステナイト系ステンレス鋼としての本来の
性質を有するフレキシブル管にされる。上記のエンドレ
スベルト10は、駆動ローラ11の駆動力により光輝焼
鈍炉1内の高温の加熱部、中間温度の冷却部および常温
の炉外の順序で反復して循環するため、1100℃を超
える高温から室温までの多数回の熱サイクルを受けるこ
とによる消耗が激しく、高融点金属材料など高価な材料
を使用するコスト高の割に寿命が短い。一方、マッフル
3は、特に高温部で水素が拡散放出されないような安全
上の必要性と、さらに構造的に必要な強度を得るため、
この温度環境では5mm以上の肉厚が必要になり、高融点
の高価な材料は使用できない。これらの理由により、材
料としては主としてオーステナイト系ステンレス鋼が選
択されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エンドレスベルトはマ
ッフル内でその床部上を摺動して移動し、フレキシブル
管はエンドレスベルト上で多少滑りながら摩擦移動する
ため、それぞれ相互に摩耗してステンレス鋼の摩耗粉を
発生している。発生した粉末の殆どの量はマッフル内に
留まり、長時間高温に曝されて溶融・凝固し、マッフル
内に突起物を形成する。この溶融機構は明らかではない
が、摩耗によって発生するステンレス鋼の粉末は微細な
ものであり、表面活性が高く、また、エンドレスベルト
の荷重およびエンドレスベルトとマッフル間での摩擦力
を受けるために、大気圧での融点より低い温度にも拘わ
らず表面が溶融し、同じ材質のステンレス鋼製のマッフ
ルに融着するものと考えられる。形成された突起物はさ
らにエンドレスベルトを大きく摩耗させる要因となり、
一方、摩耗されたエンドレスベルトは、その表面が粗く
なりマッフルをより激しく摩耗させる要因になるので、
相乗的に摩耗が加速される。また、マッフル内でエンド
レスベルトが上記の突起物に引っかかり、駆動ローラの
力により引っ張られるためエンドレスベルトが切断する
ことも生じている。このような要因により、エンドレス
ベルトの寿命は2週間程度、マッフルの寿命は3〜4ヶ
月と短く、これらを交換する都度、光輝焼鈍炉の温度を
下げ、復帰後にまた昇温するという付随的な作業による
時間的ロスを生じている。本発明は、上記のような問題
がないマッフル構造の光輝焼鈍炉を提供することを課題
とする。
ッフル内でその床部上を摺動して移動し、フレキシブル
管はエンドレスベルト上で多少滑りながら摩擦移動する
ため、それぞれ相互に摩耗してステンレス鋼の摩耗粉を
発生している。発生した粉末の殆どの量はマッフル内に
留まり、長時間高温に曝されて溶融・凝固し、マッフル
内に突起物を形成する。この溶融機構は明らかではない
が、摩耗によって発生するステンレス鋼の粉末は微細な
ものであり、表面活性が高く、また、エンドレスベルト
の荷重およびエンドレスベルトとマッフル間での摩擦力
を受けるために、大気圧での融点より低い温度にも拘わ
らず表面が溶融し、同じ材質のステンレス鋼製のマッフ
ルに融着するものと考えられる。形成された突起物はさ
らにエンドレスベルトを大きく摩耗させる要因となり、
一方、摩耗されたエンドレスベルトは、その表面が粗く
なりマッフルをより激しく摩耗させる要因になるので、
相乗的に摩耗が加速される。また、マッフル内でエンド
レスベルトが上記の突起物に引っかかり、駆動ローラの
力により引っ張られるためエンドレスベルトが切断する
ことも生じている。このような要因により、エンドレス
ベルトの寿命は2週間程度、マッフルの寿命は3〜4ヶ
月と短く、これらを交換する都度、光輝焼鈍炉の温度を
下げ、復帰後にまた昇温するという付随的な作業による
時間的ロスを生じている。本発明は、上記のような問題
がないマッフル構造の光輝焼鈍炉を提供することを課題
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、断面が角形
で全体として中空管状のステンレス鋼製のマッフル内
に、このマッフルと長さが等しく断面がコの字形で上方
が開き、前記のステンレス鋼より融点が高い金属または
合金製の、特に好適にはモリブデン製のハーフマッフル
を配置し、このハーフマッフルの凹部上面にエンドレス
ベルトを摺動させるようにして上記の課題を解決した。
で全体として中空管状のステンレス鋼製のマッフル内
に、このマッフルと長さが等しく断面がコの字形で上方
が開き、前記のステンレス鋼より融点が高い金属または
合金製の、特に好適にはモリブデン製のハーフマッフル
を配置し、このハーフマッフルの凹部上面にエンドレス
ベルトを摺動させるようにして上記の課題を解決した。
【0007】
【作用】本発明では、上記のように構成したことによ
り、ステンレス鋼製のエンドレスベルトは、例えば、モ
リブデン製のハーフマッフルの凹部上を摺動し、ステン
レス鋼の摩耗粉とモリブデンの摩耗粉を生じるが、ステ
ンレス鋼の摩耗粉の表面が溶融してもモリブデンは融点
が高いためこれらは融着せず、また、モリブデンの摩耗
粉は融点が炉内温度の1100〜1200℃よりかなり
高いため部分的にも溶融することがなくなり、突起物の
形成が抑制された。
り、ステンレス鋼製のエンドレスベルトは、例えば、モ
リブデン製のハーフマッフルの凹部上を摺動し、ステン
レス鋼の摩耗粉とモリブデンの摩耗粉を生じるが、ステ
ンレス鋼の摩耗粉の表面が溶融してもモリブデンは融点
が高いためこれらは融着せず、また、モリブデンの摩耗
粉は融点が炉内温度の1100〜1200℃よりかなり
高いため部分的にも溶融することがなくなり、突起物の
形成が抑制された。
【0008】
【実施例】図1は、本発明によるハーフマッフル14を
配置した光輝焼鈍炉のマッフル3内を、マッフル3の長
手方向に対して直角に切断した断面正面図である。な
お、光輝焼鈍炉のマッフル3の外部の構成は、従来技術
によるものと同一であるので説明は省略する。図1の3
はマッフル、10はエンドレスベルト、13はフレキシ
ブル管で、14はマッフル3内に開口部を上方に向けて
配置された断面コの字形のハーフマッフルであり、その
凹部14a内をエンドレスベルト10が移動する。上記
のマッフル3およびエンドレスベルト10は、共に従来
技術と同様にステンレス鋼製のものであるが、ハーフマ
ッフル14は、ステンレス鋼より融点が高い金属または
合金製のものである。ハーフマッフル14の材質として
は、モリブデン(融点2622±10℃、理化学辞典第
3版による、以下同じ)、タングステン(融点3382
℃)、タンタル(2850℃)およびそれらの合金など
が使用できるが、融点が高くても軟らかいもの、特に高
価なもの等は適しない。また、ハーフマッフル14は、
マッフル3中に配置されるため、水素などの還元性また
は不活性ガス中で使用されるため、高温で酸化しやすい
材料でも使用でき、特に入手容易性や価格の点でモリブ
デンが最も好適である。
配置した光輝焼鈍炉のマッフル3内を、マッフル3の長
手方向に対して直角に切断した断面正面図である。な
お、光輝焼鈍炉のマッフル3の外部の構成は、従来技術
によるものと同一であるので説明は省略する。図1の3
はマッフル、10はエンドレスベルト、13はフレキシ
ブル管で、14はマッフル3内に開口部を上方に向けて
配置された断面コの字形のハーフマッフルであり、その
凹部14a内をエンドレスベルト10が移動する。上記
のマッフル3およびエンドレスベルト10は、共に従来
技術と同様にステンレス鋼製のものであるが、ハーフマ
ッフル14は、ステンレス鋼より融点が高い金属または
合金製のものである。ハーフマッフル14の材質として
は、モリブデン(融点2622±10℃、理化学辞典第
3版による、以下同じ)、タングステン(融点3382
℃)、タンタル(2850℃)およびそれらの合金など
が使用できるが、融点が高くても軟らかいもの、特に高
価なもの等は適しない。また、ハーフマッフル14は、
マッフル3中に配置されるため、水素などの還元性また
は不活性ガス中で使用されるため、高温で酸化しやすい
材料でも使用でき、特に入手容易性や価格の点でモリブ
デンが最も好適である。
【0009】なお、ハーフマッフル14の凹部14aに
エンドレスベルト10を配置して移動させるため、ハー
フマッフル14の位置がマッフル3に対して長手方向に
ずれないようにする図示しない固定手段を設けることは
勿論である。このように、本発明では、ハーフマッフル
14をマッフル3内に配置して、ハーフマッフル14の
凹部14a上をエンドレスベルト10が摺動するため、
ハーフマッフル14上でエンドレスベルト10の摩耗粉
が生じ、微細な摩耗粉の表面が溶融しても、ハーフマッ
フル14自体は融点が高く溶融しないため、摩耗粉はハ
ーフマッフル14と相互に融着せずに突起物を形成する
ことなく炉外に放出される。また、ハーフマッフル14
自体が摩耗しても、その融点が高いため融着することは
なくなった。この結果、エンドレスベルトの寿命は4週
間程度に、マッフルとハーフマッフルの寿命は1年以上
にそれぞれ延ばされ、これらの部材の更新のための光輝
焼鈍炉の非稼働時間(アイドルタイム)が大幅に減少さ
れた。
エンドレスベルト10を配置して移動させるため、ハー
フマッフル14の位置がマッフル3に対して長手方向に
ずれないようにする図示しない固定手段を設けることは
勿論である。このように、本発明では、ハーフマッフル
14をマッフル3内に配置して、ハーフマッフル14の
凹部14a上をエンドレスベルト10が摺動するため、
ハーフマッフル14上でエンドレスベルト10の摩耗粉
が生じ、微細な摩耗粉の表面が溶融しても、ハーフマッ
フル14自体は融点が高く溶融しないため、摩耗粉はハ
ーフマッフル14と相互に融着せずに突起物を形成する
ことなく炉外に放出される。また、ハーフマッフル14
自体が摩耗しても、その融点が高いため融着することは
なくなった。この結果、エンドレスベルトの寿命は4週
間程度に、マッフルとハーフマッフルの寿命は1年以上
にそれぞれ延ばされ、これらの部材の更新のための光輝
焼鈍炉の非稼働時間(アイドルタイム)が大幅に減少さ
れた。
【0010】
【発明の効果】本発明では、マッフルと長さが等しく断
面がコの字形で、コの字の開口を上として配置され、ス
テンレス鋼より融点が高い金属またはその合金、例えば
モリブデン製のハーフマッフルをマッフル内に配置し、
このハーフマッフルの凹部上面にエンドレスベルトを摺
動させる構成により、ステンレス鋼またはモリブデンの
摩耗粉が生じても突起物の形成を抑制し、エンドレスベ
ルトの寿命は2倍の4週間程度に、また、マッフルとハ
ーフマッフルの寿命は4倍の1年以上に延長され、光輝
焼鈍炉の休止時間も著しく低減され、フレキシブル管な
どステンレス鋼の溶接および/または冷間加工構造物の
製作コストが大幅に低減されるという優れた効果を有す
る。
面がコの字形で、コの字の開口を上として配置され、ス
テンレス鋼より融点が高い金属またはその合金、例えば
モリブデン製のハーフマッフルをマッフル内に配置し、
このハーフマッフルの凹部上面にエンドレスベルトを摺
動させる構成により、ステンレス鋼またはモリブデンの
摩耗粉が生じても突起物の形成を抑制し、エンドレスベ
ルトの寿命は2倍の4週間程度に、また、マッフルとハ
ーフマッフルの寿命は4倍の1年以上に延長され、光輝
焼鈍炉の休止時間も著しく低減され、フレキシブル管な
どステンレス鋼の溶接および/または冷間加工構造物の
製作コストが大幅に低減されるという優れた効果を有す
る。
【図1】本発明によるハーフマッフルを配置した光輝焼
鈍炉のマッフル内を、マッフルの長手方向に対して直角
に切断した断面正面図である。
鈍炉のマッフル内を、マッフルの長手方向に対して直角
に切断した断面正面図である。
【図2】従来技術による光輝焼鈍炉の主要部を示す断面
側面図である。
側面図である。
【図3】図2のA−A矢視断面図である。
1 光輝焼鈍炉 3 マッフル 10 エンドレスベルト 14 ハーフマッフル 14a 凹部
Claims (2)
- 【請求項1】 加工硬化された被処理材料を光輝焼鈍す
るためのマッフル炉として、耐火材料製の炉壁と、この
炉壁内に収容され断面が中空管状のステンレス鋼製マッ
フルと、このマッフルの床面上を摺動して移動するステ
ンレス鋼製エンドレスベルトとを有し、このエンドレス
ベルト上に載置された前記被熱処理材料を前記マッフル
内に導入した水素などの還元性または窒素などの不活性
ガス雰囲気中で焼鈍する光輝焼鈍炉において、 前記光輝焼鈍炉は、さらに前記マッフルの底面上に前記
ステンレス鋼より融点が高い金属または合金で製作さ
れ、断面がコの字形で、コの字形の開口部を上にして固
定して配置されたハーフマッフルを有し、前記エンドレ
スベルトを前記ハーフマッフルの凹部の上面で摺動させ
ることを特徴とする光輝焼鈍用マッフル炉のハーフマッ
フル。 - 【請求項2】 前記ハーフマッフルがモリブデンで製作
された請求項1記載の光輝焼鈍用マッフル炉のハーフマ
ッフル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13118295A JP3327050B2 (ja) | 1995-05-02 | 1995-05-02 | ハーフマッフル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13118295A JP3327050B2 (ja) | 1995-05-02 | 1995-05-02 | ハーフマッフル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08302421A true JPH08302421A (ja) | 1996-11-19 |
JP3327050B2 JP3327050B2 (ja) | 2002-09-24 |
Family
ID=15051939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13118295A Expired - Fee Related JP3327050B2 (ja) | 1995-05-02 | 1995-05-02 | ハーフマッフル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3327050B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2324361A (en) * | 1997-04-18 | 1998-10-21 | Graser Pietro & Figli Spa | A heat treatment muffle |
JP2007212097A (ja) * | 2006-02-13 | 2007-08-23 | Ngk Insulators Ltd | 腐食性ガスを発生する製品の焼成炉 |
-
1995
- 1995-05-02 JP JP13118295A patent/JP3327050B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2324361A (en) * | 1997-04-18 | 1998-10-21 | Graser Pietro & Figli Spa | A heat treatment muffle |
GB2324361B (en) * | 1997-04-18 | 2000-08-30 | Graser Pietro & Figli Spa | A heat treatment muffle |
JP2007212097A (ja) * | 2006-02-13 | 2007-08-23 | Ngk Insulators Ltd | 腐食性ガスを発生する製品の焼成炉 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3327050B2 (ja) | 2002-09-24 |
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