JPH0830234B2 - 高力高導電性銅合金 - Google Patents
高力高導電性銅合金Info
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- JPH0830234B2 JPH0830234B2 JP62184943A JP18494387A JPH0830234B2 JP H0830234 B2 JPH0830234 B2 JP H0830234B2 JP 62184943 A JP62184943 A JP 62184943A JP 18494387 A JP18494387 A JP 18494387A JP H0830234 B2 JPH0830234 B2 JP H0830234B2
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- alloy
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- copper alloy
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は強度、加工性、導電性(熱伝導性)、耐食
性、耐熱性等が優れ、小型化された電子機器用精密部品
の製造に適した高力高導電性銅合金に関するものであ
る。
性、耐熱性等が優れ、小型化された電子機器用精密部品
の製造に適した高力高導電性銅合金に関するものであ
る。
電子機器、特に半導体(IC,トランジスター)のリー
ド、コネクター、スイッチ、接点ばね等には、強度、加
工性、耐食性及び導電性に優れたCu合金が要求されてい
る。このような合金として強度が優れたCu−Be系合金や
Cu−Ti系合金が知られているが、これ等の合金は高価で
あり、Cu−Ni−Sn系スピノーダル合金は導電率が10%IA
CS以下と低く、加工性も乏しく、またCu−Ni−Al系合金
も同様である。このためCu−Sn系合金、即ちリン青銅、
特にSnを6〜8wt%(以下wt%を%と略記)含むばね用
リン青銅が多用されている。
ド、コネクター、スイッチ、接点ばね等には、強度、加
工性、耐食性及び導電性に優れたCu合金が要求されてい
る。このような合金として強度が優れたCu−Be系合金や
Cu−Ti系合金が知られているが、これ等の合金は高価で
あり、Cu−Ni−Sn系スピノーダル合金は導電率が10%IA
CS以下と低く、加工性も乏しく、またCu−Ni−Al系合金
も同様である。このためCu−Sn系合金、即ちリン青銅、
特にSnを6〜8wt%(以下wt%を%と略記)含むばね用
リン青銅が多用されている。
上記ばね用リン青銅は60〜80kg/mm2程度の強度を有す
るも、比較的高価なSnを多量に含むばかりか、導電率が
10〜15%IACSと低く、更に半田接合強度の経時劣化や腐
食割れ感受性の面から実用上大きな欠陥となっている。
このためCu−Fe系合金、例えばC194合金やC195合金が1
部で利用されているが、強度が45〜65kg/mm2程度で加工
性が劣るため、用途が限定されている。
るも、比較的高価なSnを多量に含むばかりか、導電率が
10〜15%IACSと低く、更に半田接合強度の経時劣化や腐
食割れ感受性の面から実用上大きな欠陥となっている。
このためCu−Fe系合金、例えばC194合金やC195合金が1
部で利用されているが、強度が45〜65kg/mm2程度で加工
性が劣るため、用途が限定されている。
近年電子機器は小型化、高集積化の傾向にあり、これ
等に使用するCu合金として強度と導電性の向上が強く望
まれている。また多量に使用するためには安価であり、
半導体等の面実装化の動向に答えるためには半田接合強
度やSnやSn−Pb合金メッキの密着信頼性も要求される。
このような要求に応えて従来合金に替るにはより高性能
で、低コストなパフォーマンスの合金が必要である。即
ち、 (1)強度と導電率のより高度なバランスの取れた合
金、例えば強度70〜100kg/mm2、導電率10〜15%IACSの
特性を有すること。
等に使用するCu合金として強度と導電性の向上が強く望
まれている。また多量に使用するためには安価であり、
半導体等の面実装化の動向に答えるためには半田接合強
度やSnやSn−Pb合金メッキの密着信頼性も要求される。
このような要求に応えて従来合金に替るにはより高性能
で、低コストなパフォーマンスの合金が必要である。即
ち、 (1)強度と導電率のより高度なバランスの取れた合
金、例えば強度70〜100kg/mm2、導電率10〜15%IACSの
特性を有すること。
(2)コスト的に安いこと、例えば合金成分が安価であ
ると同時に、製造プロセスが単純化されていること。
ると同時に、製造プロセスが単純化されていること。
(3)加工性、耐食性、耐応力腐食割れ性に優れている
こと。
こと。
(4)半田接合強度やSn,Sn−Pb合金メッキの密着性が
長期にわたり安定していること。
長期にわたり安定していること。
(5)電子機器用途ではSnやSn合金の外にAu,Ag,Ni等の
メッキが多用されており、これ等のメッキ性にも優れて
いること。
メッキが多用されており、これ等のメッキ性にも優れて
いること。
本発明はこれに鑑み種々検討の結果、特に強度、加工
性、導電性(熱伝導性)、耐食性、耐熱性が優れ、小型
化された電子機器用精密部品、例えば半導体のリードフ
レーム、コネクタ、ソケット等に適した高力高導電性銅
合金を開発したものである。
性、導電性(熱伝導性)、耐食性、耐熱性が優れ、小型
化された電子機器用精密部品、例えば半導体のリードフ
レーム、コネクタ、ソケット等に適した高力高導電性銅
合金を開発したものである。
即ち本発明銅合金は4.0%を越えて10%以下のNiと、
0.6〜5.0%のSiと、Zn0.05〜0.5%、Mn0.01〜5.0%,Mg
0.005〜0.8%,Ca0.005〜0.8%,Cd0.05〜1.0%,Ag0.001
〜0.5%の範囲内で何れか1種又は2種以上を合計0.01
〜5.0%と、Cr0.01〜0.4%,V0.005〜0.4%,Ti0.005〜0.
4%,Y0.005〜0.2%,Zr0.005〜0.2%,Co0.01〜0.4%,Fe
−P化合物(FeXPY)0.01〜0.4%,Cr−P化合物(Cr
XPY)0.01〜0.4%,Co−P化合物(CoXPY)0.01〜0.4%
の範囲内で何れか1種又は2種以上を合計0.005〜0.5%
とを含み、更にAl0.05〜2.0%,Pb0.001〜0.1%,In0.001
〜0.05%,Ga0.001〜0.05%,Ge0.001〜0.05%,As0.0005
〜0.02%,Sb0.001〜0.05%,Bi0.0005〜0.02%,Te0.001
〜0.05%,Be0.005〜0.2%,B0.001〜0.5%,希土類元素
0.001〜0.2%の範囲内で何れか1種又は2種以上を合計
0.001〜2.0%含み、残部Cuと不可避的不純物からなるこ
とを特徴とするものである。
0.6〜5.0%のSiと、Zn0.05〜0.5%、Mn0.01〜5.0%,Mg
0.005〜0.8%,Ca0.005〜0.8%,Cd0.05〜1.0%,Ag0.001
〜0.5%の範囲内で何れか1種又は2種以上を合計0.01
〜5.0%と、Cr0.01〜0.4%,V0.005〜0.4%,Ti0.005〜0.
4%,Y0.005〜0.2%,Zr0.005〜0.2%,Co0.01〜0.4%,Fe
−P化合物(FeXPY)0.01〜0.4%,Cr−P化合物(Cr
XPY)0.01〜0.4%,Co−P化合物(CoXPY)0.01〜0.4%
の範囲内で何れか1種又は2種以上を合計0.005〜0.5%
とを含み、更にAl0.05〜2.0%,Pb0.001〜0.1%,In0.001
〜0.05%,Ga0.001〜0.05%,Ge0.001〜0.05%,As0.0005
〜0.02%,Sb0.001〜0.05%,Bi0.0005〜0.02%,Te0.001
〜0.05%,Be0.005〜0.2%,B0.001〜0.5%,希土類元素
0.001〜0.2%の範囲内で何れか1種又は2種以上を合計
0.001〜2.0%含み、残部Cuと不可避的不純物からなるこ
とを特徴とするものである。
本発明合金は上記組成に配合して溶解鋳造した鋳塊に
熱間加工と冷間加工を施して造られる。例えば700〜100
0℃に加熱して熱間圧延又は熱間押出を行ない、600℃以
上で加工を終了し、直ちに水冷し、望ましくは10℃/秒
以上の速度で400℃以下まで冷却する。これをミーリン
グ、シェービング又は酸洗により表面を清浄化してから
冷間圧延や引抜等の加工を施し、しかる後時効熱処理と
冷間加工又は溶体化処理と時効熱処理と冷間加工を組み
合せて造られる。また最終の冷間加工後に200〜600℃の
調質焼鈍、テンションレベラー、テンションアニーリン
グ等と組合せることにより、より高い特性を得ることが
可能である。また本発明合金の鋳塊を直接冷間加工して
から熱処理することも可能である。
熱間加工と冷間加工を施して造られる。例えば700〜100
0℃に加熱して熱間圧延又は熱間押出を行ない、600℃以
上で加工を終了し、直ちに水冷し、望ましくは10℃/秒
以上の速度で400℃以下まで冷却する。これをミーリン
グ、シェービング又は酸洗により表面を清浄化してから
冷間圧延や引抜等の加工を施し、しかる後時効熱処理と
冷間加工又は溶体化処理と時効熱処理と冷間加工を組み
合せて造られる。また最終の冷間加工後に200〜600℃の
調質焼鈍、テンションレベラー、テンションアニーリン
グ等と組合せることにより、より高い特性を得ることが
可能である。また本発明合金の鋳塊を直接冷間加工して
から熱処理することも可能である。
本発明合金は上記製造方法により造られ、合金組成に
もよるが強度60〜120kg/mm2、伸び3〜20%、導電率10
〜40%IACSの特性を示す。このような本発明合金は銅マ
トリックスにNiとSiの化合物、即ちNiXSiYを有効に分散
析出させ、強度の向上と導電率及び耐熱性の向上を可能
にする。更にNiとSiは化学量論比で化合析出するので、
両者の比(重量)は約2〜6:1程度の範囲とすることが
望ましく、この範囲内において高い強度と優れた導電性
が同時に得られるためである。しかして4.0%を越えて1
0以下のNiと、0.6〜5.0%のSiと限定したのは、Ni含有
量とSi含有量の何れかが下限未満では十分な強度が得ら
れず、上限を越えると半田付け性を悪化させると共に加
工性、特に熱間加工性を悪くし、製造性を害するためで
ある。
もよるが強度60〜120kg/mm2、伸び3〜20%、導電率10
〜40%IACSの特性を示す。このような本発明合金は銅マ
トリックスにNiとSiの化合物、即ちNiXSiYを有効に分散
析出させ、強度の向上と導電率及び耐熱性の向上を可能
にする。更にNiとSiは化学量論比で化合析出するので、
両者の比(重量)は約2〜6:1程度の範囲とすることが
望ましく、この範囲内において高い強度と優れた導電性
が同時に得られるためである。しかして4.0%を越えて1
0以下のNiと、0.6〜5.0%のSiと限定したのは、Ni含有
量とSi含有量の何れかが下限未満では十分な強度が得ら
れず、上限を越えると半田付け性を悪化させると共に加
工性、特に熱間加工性を悪くし、製造性を害するためで
ある。
Zn,Mn,Mg,Ca,Cd,Ag(以下A元素群)からなる群は半
田付け後の信頼性の劣化を抑制すると共に、脱酸・脱硫
効果を示し、合金の鋳造性や熱間加工時の欠陥発生を抑
制する。しかしてZn0.05〜5.0%,Mn0.01〜5.0%,Mg0.00
5〜0.8%,Ca0.005〜0.8%,Cd0.05〜1.0%,Ag0.001〜0.5
%の範囲内で何れか1種又は2種以上の合計を0.01〜5.
0%と限定したのは、何れも下限未満では十分な効果が
得られず、上限を越えると導電性を低下するばかりか、
鋳塊の健全性を損ねるためである。
田付け後の信頼性の劣化を抑制すると共に、脱酸・脱硫
効果を示し、合金の鋳造性や熱間加工時の欠陥発生を抑
制する。しかしてZn0.05〜5.0%,Mn0.01〜5.0%,Mg0.00
5〜0.8%,Ca0.005〜0.8%,Cd0.05〜1.0%,Ag0.001〜0.5
%の範囲内で何れか1種又は2種以上の合計を0.01〜5.
0%と限定したのは、何れも下限未満では十分な効果が
得られず、上限を越えると導電性を低下するばかりか、
鋳塊の健全性を損ねるためである。
次にCr,V,Ti,Y,Co,FeXPY,CrXPY,CoXPY(以下B元素
群)からなる群は溶体化処理時の結晶粒の成長を抑制
し、微細組織として良好な延性を獲得し、曲げ成型性を
良好にするのに大きく寄与する。更に熱間加工性の向上
効果も示し、製造性の向上に大きく寄与する。しかして
Cr0.01〜0.4%,V0.005〜0.4%,Ti0.005〜0.4%,Y0.005
〜0.2%,FeXPY0.01〜0.4%,CrXPY0.01〜0.4%,CoXPY
0.01〜0.4%の範囲内で何れか1種又は2種以上を合計
0.005〜0.5%と限定したのは何れも上記範囲をはずれる
と鋳造性を低下したり、加工性を悪化するためである。
群)からなる群は溶体化処理時の結晶粒の成長を抑制
し、微細組織として良好な延性を獲得し、曲げ成型性を
良好にするのに大きく寄与する。更に熱間加工性の向上
効果も示し、製造性の向上に大きく寄与する。しかして
Cr0.01〜0.4%,V0.005〜0.4%,Ti0.005〜0.4%,Y0.005
〜0.2%,FeXPY0.01〜0.4%,CrXPY0.01〜0.4%,CoXPY
0.01〜0.4%の範囲内で何れか1種又は2種以上を合計
0.005〜0.5%と限定したのは何れも上記範囲をはずれる
と鋳造性を低下したり、加工性を悪化するためである。
またAl,Pb,In,Ga,Ge,As,Sb,Bi,Te,Be,Y,希土類元素
(以下C元素群)からなる群は、快削性を良くすると共
に、プレス金型の摩耗を著しく抑制する働きを示すもの
で、何れも下限未満では効果がなく、上限を越えると鋳
造性や熱間圧延性を大きく低下せしめると共に導電率や
繰り返し曲げ性を低下する。
(以下C元素群)からなる群は、快削性を良くすると共
に、プレス金型の摩耗を著しく抑制する働きを示すもの
で、何れも下限未満では効果がなく、上限を越えると鋳
造性や熱間圧延性を大きく低下せしめると共に導電率や
繰り返し曲げ性を低下する。
本発明銅合金は上記組成からなるも、更にO2含有量を
50ppm以下とすることにより、前記Ni−Si化合物の微細
かつ均一な析出並びに半田付け性及びメッキ性の向上に
効果がある。しかして上限を越えると上記効果が見られ
なくなるばかりか、逆に低下するようになる。またS含
有量を10ppm以下とすることにより、O2と同様にNi−Si
化合物の微細かつ均一な析出並びに熱間加工性の向上に
効果がある。しかして上限を越えると熱間加工性を大き
く低下し、製造性を悪くする。尚化合物を形成しないP
量としても0.03wt%以下とすることが望ましい。又、本
発明銅合金中の析出物は、メッキ性や曲げ加工性や強度
等の劣化を抑制する意味で10μm以下が望ましい。
50ppm以下とすることにより、前記Ni−Si化合物の微細
かつ均一な析出並びに半田付け性及びメッキ性の向上に
効果がある。しかして上限を越えると上記効果が見られ
なくなるばかりか、逆に低下するようになる。またS含
有量を10ppm以下とすることにより、O2と同様にNi−Si
化合物の微細かつ均一な析出並びに熱間加工性の向上に
効果がある。しかして上限を越えると熱間加工性を大き
く低下し、製造性を悪くする。尚化合物を形成しないP
量としても0.03wt%以下とすることが望ましい。又、本
発明銅合金中の析出物は、メッキ性や曲げ加工性や強度
等の劣化を抑制する意味で10μm以下が望ましい。
第1表に示す組成の銅合金を溶解・鋳造し、厚さ50m
m、巾120mm、長さ200mmの鋳塊を得た。これを面削し、8
50℃で3時間均質化処理した後、830℃で熱間圧延し、
これを水冷して厚さ10mmの板とした。
m、巾120mm、長さ200mmの鋳塊を得た。これを面削し、8
50℃で3時間均質化処理した後、830℃で熱間圧延し、
これを水冷して厚さ10mmの板とした。
これ等の板について冷間圧延と中間焼鈍(620℃で1
時間)を繰返し、0.4mmの板厚で溶体化処理(870℃に5
分間保持後水冷)を施し、最終加工率40%で厚さ0.25mm
の板に仕上げ、360℃で30分間の調質焼鈍を施した後、
試験片を切り出して析出物粒径、引張強さ、導電率、曲
げ成型性、メッキ密着性、半田接合強度、応力腐食割れ
性及び金型摩耗度を調べた。これ等の結果を第2表に示
す 尚No.15の合金は本発明合金No.3と同組成であるが、
溶体化処理時に水冷せずに炉冷を行なったものである。
時間)を繰返し、0.4mmの板厚で溶体化処理(870℃に5
分間保持後水冷)を施し、最終加工率40%で厚さ0.25mm
の板に仕上げ、360℃で30分間の調質焼鈍を施した後、
試験片を切り出して析出物粒径、引張強さ、導電率、曲
げ成型性、メッキ密着性、半田接合強度、応力腐食割れ
性及び金型摩耗度を調べた。これ等の結果を第2表に示
す 尚No.15の合金は本発明合金No.3と同組成であるが、
溶体化処理時に水冷せずに炉冷を行なったものである。
引張強さはJIS Z2241に基づき、導電率はJIS−H0505
に基づき測定した。曲げ成型性(R/t)はJIS−Z2248の
ブロック法に基づいて試験を行ない、試験片の表面に割
れを生じさせる最少曲げ半径(R)を試験片の厚さ
(t)で割った値で示した。メッキ密着性は30×30mmの
試験片について、表面清浄後Agメッキを行ない、これを
大気中で加熱してその後のメッキ表面の脹れを観察し、
550℃で5分の加熱により脹れの見られないものを○
印、脹れの見られるものを×印で示した。半田接合強度
については20×25mmの試験片に直径9mmの無酸素銅のリ
ード線を60/40共晶半田により接合し、150℃で500時間
の加熱加速試験後に、引張試験を行ない、その強度が加
速試験前の80%以上を○印、50〜80%のものを△印、そ
れ以下のものを×印で表わした。応力腐食割れ性はJIS
−C8306に基づき、アンモニア3Vol%の雰囲気中で30kg/
mm2の引張荷重をかけた定荷重試験を行ない、割れが発
するまでの時間を測定した。
に基づき測定した。曲げ成型性(R/t)はJIS−Z2248の
ブロック法に基づいて試験を行ない、試験片の表面に割
れを生じさせる最少曲げ半径(R)を試験片の厚さ
(t)で割った値で示した。メッキ密着性は30×30mmの
試験片について、表面清浄後Agメッキを行ない、これを
大気中で加熱してその後のメッキ表面の脹れを観察し、
550℃で5分の加熱により脹れの見られないものを○
印、脹れの見られるものを×印で示した。半田接合強度
については20×25mmの試験片に直径9mmの無酸素銅のリ
ード線を60/40共晶半田により接合し、150℃で500時間
の加熱加速試験後に、引張試験を行ない、その強度が加
速試験前の80%以上を○印、50〜80%のものを△印、そ
れ以下のものを×印で表わした。応力腐食割れ性はJIS
−C8306に基づき、アンモニア3Vol%の雰囲気中で30kg/
mm2の引張荷重をかけた定荷重試験を行ない、割れが発
するまでの時間を測定した。
金型摩耗度はプレス金型について、新たに厚さ0.2m
m、幅45mmのコイルを製造し、100万回パンチ打抜きを行
なた後の金型表面を走査電顕で観察し、摩耗の程度を調
査した。尚本実験は本発明合金No.1,3,5,8,9、比較合金
No.10,15及び従来合金No.16について行った。
m、幅45mmのコイルを製造し、100万回パンチ打抜きを行
なた後の金型表面を走査電顕で観察し、摩耗の程度を調
査した。尚本実験は本発明合金No.1,3,5,8,9、比較合金
No.10,15及び従来合金No.16について行った。
第1表及び第2表から明らかなように、本発明合金N
o.1〜9は何れも従来合金(8%リン青銅)No.16と比較
し、強度、導電性、半田接合強度、応力腐食割れ性に優
れていることが判る。
o.1〜9は何れも従来合金(8%リン青銅)No.16と比較
し、強度、導電性、半田接合強度、応力腐食割れ性に優
れていることが判る。
これに対しNiやSi含有量が少なく、かつAB元素群を含
まない比較合金No.10では強度が不十分であり、逆にNi
やSi含有量の多い比較合金No.11及びABC元素群の含有量
が多い比較合金No.12では健全な鋳塊が得られず、かつ
熱間圧延時に割れを生じてしまい供試材が得られなかっ
た。
まない比較合金No.10では強度が不十分であり、逆にNi
やSi含有量の多い比較合金No.11及びABC元素群の含有量
が多い比較合金No.12では健全な鋳塊が得られず、かつ
熱間圧延時に割れを生じてしまい供試材が得られなかっ
た。
更にO2含有量の多い比較合金No.13では曲げ成型性や
メッキ密着性が大きく劣り、半田接合性も劣化してい
る。S含有量の多い比較合金No.14では熱間圧延で甚し
い割れを生じてしまい、供試材が得られなかった。ま
た、析出粒径の大きいNo.15では、諸特性においてこれ
と同一組成の本発明合金No.3に対して劣っている。
メッキ密着性が大きく劣り、半田接合性も劣化してい
る。S含有量の多い比較合金No.14では熱間圧延で甚し
い割れを生じてしまい、供試材が得られなかった。ま
た、析出粒径の大きいNo.15では、諸特性においてこれ
と同一組成の本発明合金No.3に対して劣っている。
このように本発明によれば、強度、導電性(熱伝導
性)、成型加工性及び耐食性が優れ、半田付け性及びメ
ッキの信頼性が大巾に改善され、電子・電気機器として
例えば半導体リードフレーム、コネクター、スイッチ等
のばね材、端子、熱交換器、各種導体として有用であ
り、電子・電気機器の小型化、高集積化を可能にする
等、工業上顕著な効果を奏するものである。
性)、成型加工性及び耐食性が優れ、半田付け性及びメ
ッキの信頼性が大巾に改善され、電子・電気機器として
例えば半導体リードフレーム、コネクター、スイッチ等
のばね材、端子、熱交換器、各種導体として有用であ
り、電子・電気機器の小型化、高集積化を可能にする
等、工業上顕著な効果を奏するものである。
フロントページの続き (72)発明者 寺下 道明 栃木県日光市清滝町500番地 古河電気工 業株式会社日光電気精銅所内 (56)参考文献 特公 昭60−45698(JP,B2) 特公 昭58−53059(JP,B2)
Claims (3)
- 【請求項1】4.0wt%を越えて10wt%以下のNiと、0.6〜
5.0wt%のSiと、Zn0.05〜5.0wt%,Mn0.01〜5.0wt%,Mg
0.005〜0.8wt%,Ca0.005〜0.8wt%,Cd0.05〜1.0wt%,Ag
0.001〜0.5wt%の範囲内で何れか1種又は2種以上を合
計0.01〜5.0wt%と、Cr0.01〜0.4wt%,V0.005〜0.4wt
%,Ti0.005〜0.4wt%,Y0.005〜0.2wt%,Zr0.005〜0.2wt
%,Co0.01〜0.4wt%,Fe−P化合物(FeXPY)0.01〜0.4w
t%,Cr−P化合物(CrXPY)0.01〜0.4wt%,Co−P化合
物(CoXPY)0.01〜0.4wt%の範囲内で何れか1種又は2
種以上を合計0.005〜0.5wt%とを含み、更にAl0.05〜2.
0wt%,Pb0.001〜0.1wt%,In0.001〜0.05wt%,Ga0.001〜
0.05wt%,Ge0.001〜0.05wt%,As0.0005〜0.02wt%,Sb0.
001〜0.05wt%,Bi0.0005〜0.02wt%,Te0.001〜0.05wt
%,Be0.005〜0.2wt%,B0.001〜0.5wt%,希土類元素0.0
01〜0.2wt%の範囲内で何れか1種又は2種以上を合計
0.001〜2.0wt%含み、残部Cuと不可避的不純物からなる
高力高導電性銅合金。 - 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の銅合金におい
て、O2含有量を50ppm以下、S含有量を10ppm以下とする
高力高導電性銅合金。 - 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は第2項記載の銅
合金において、析出物の粒径を10μm以下とする高力高
導電性銅合金。
Priority Applications (1)
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JP62184943A JPH0830234B2 (ja) | 1987-07-24 | 1987-07-24 | 高力高導電性銅合金 |
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JP62184943A JPH0830234B2 (ja) | 1987-07-24 | 1987-07-24 | 高力高導電性銅合金 |
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