JPH08302272A - プライマー組成物 - Google Patents
プライマー組成物Info
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- JPH08302272A JPH08302272A JP7114343A JP11434395A JPH08302272A JP H08302272 A JPH08302272 A JP H08302272A JP 7114343 A JP7114343 A JP 7114343A JP 11434395 A JP11434395 A JP 11434395A JP H08302272 A JPH08302272 A JP H08302272A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、低公害でかつ、塗装ないし接着加
工に適用した場でも優れた耐水接着強度の発現に寄与し
うるプライマー組成物を提供する。 【構成】 本発明のプライマー組成物は、ポリビニルブ
チラール樹脂100重量部、亜リン酸塩化合物30〜3
00重量部、オルトリン酸アルミニウム20〜250重
量部およびシランカップリング剤5〜80重量部を含有
する主剤と、リン酸5〜50重量部を含有する添加剤と
から成ることを特徴とする。
工に適用した場でも優れた耐水接着強度の発現に寄与し
うるプライマー組成物を提供する。 【構成】 本発明のプライマー組成物は、ポリビニルブ
チラール樹脂100重量部、亜リン酸塩化合物30〜3
00重量部、オルトリン酸アルミニウム20〜250重
量部およびシランカップリング剤5〜80重量部を含有
する主剤と、リン酸5〜50重量部を含有する添加剤と
から成ることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプライマー組成物、更に
詳しくは、たとえば各種金属(鉄、非鉄金属、亜鉛処理
鋼板等)に対し一次防錆および接着向上のための、特に
優れた耐水接着強度の発現に寄与しうる金属の防錆プラ
イマーもしくは表面処理剤として有用なプライマー組成
物に関する。
詳しくは、たとえば各種金属(鉄、非鉄金属、亜鉛処理
鋼板等)に対し一次防錆および接着向上のための、特に
優れた耐水接着強度の発現に寄与しうる金属の防錆プラ
イマーもしくは表面処理剤として有用なプライマー組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、船舶や橋梁などの海洋構造物における発錆を防止す
るため、その金属表面に化成処理能と一次防錆能を兼備
した、いわゆるウォッシュプライマーが塗料の下地処理
防錆として施工されている。しかし、ウォッシュプライ
マーとして、たとえばポリビニルブチラール樹脂/ジン
ククロメート顔料/リン酸の三成分を必須組成とするも
のが多用されているが、施工後の曝露中にジンククロメ
ート顔料(防錆顔料)から6価クロムを溶出することか
ら、環境汚染が問題となっている。そこで、各塗料メー
カーから非クロム系の防錆顔料を用いた、低公害型のウ
ォッシュプライマーが多数提案されている。たとえば防
錆顔料としてホウ酸塩化合物を用いたもの(特開昭52
−117930号, 同52−132038号公報参照);
ポリリン酸亜鉛を用いたもの(特開昭53−14493
7号公報参照); リン酸塩系を用いたもの(特開昭54−
26825号公報参照)があり、これらは従来クロム系
ウォッシュプライマーと比べて、防錆プライマーとして
の性能に遜色のないことが認められる。
り、船舶や橋梁などの海洋構造物における発錆を防止す
るため、その金属表面に化成処理能と一次防錆能を兼備
した、いわゆるウォッシュプライマーが塗料の下地処理
防錆として施工されている。しかし、ウォッシュプライ
マーとして、たとえばポリビニルブチラール樹脂/ジン
ククロメート顔料/リン酸の三成分を必須組成とするも
のが多用されているが、施工後の曝露中にジンククロメ
ート顔料(防錆顔料)から6価クロムを溶出することか
ら、環境汚染が問題となっている。そこで、各塗料メー
カーから非クロム系の防錆顔料を用いた、低公害型のウ
ォッシュプライマーが多数提案されている。たとえば防
錆顔料としてホウ酸塩化合物を用いたもの(特開昭52
−117930号, 同52−132038号公報参照);
ポリリン酸亜鉛を用いたもの(特開昭53−14493
7号公報参照); リン酸塩系を用いたもの(特開昭54−
26825号公報参照)があり、これらは従来クロム系
ウォッシュプライマーと比べて、防錆プライマーとして
の性能に遜色のないことが認められる。
【0003】一方、船舶や海洋構造物の金属素材の衝撃
の吸収や、フジツボ、貝殻等の取除きを容易とすること
を目的とした弾性塗料の塗装加工においても、発錆防止
(一次防錆能)の処理が必要で、同時に強固な接着強度の
発現が要求される。しかし、この弾性塗料の塗装加工に
上述の非クロム系ウォッシュプライマーを適用しても、
クロム系ウォッシュプライマーと比較して、特に水浸漬
老化などの耐水接着強度の発現に劣る結果となる。
の吸収や、フジツボ、貝殻等の取除きを容易とすること
を目的とした弾性塗料の塗装加工においても、発錆防止
(一次防錆能)の処理が必要で、同時に強固な接着強度の
発現が要求される。しかし、この弾性塗料の塗装加工に
上述の非クロム系ウォッシュプライマーを適用しても、
クロム系ウォッシュプライマーと比較して、特に水浸漬
老化などの耐水接着強度の発現に劣る結果となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低公害型
でかつ弾性塗料の塗装加工に適用した場合でも優れた耐
水接着強度の発現に寄与しうるプライマー組成物を提供
するための鋭意研究を進めたところ、従来のクロム系お
よび上記非クロム系のウォッシュプライマー組成とし
て、ポリビニルブチラール樹脂および防錆顔料として亜
リン酸塩化合物を含有する主剤と、リン酸を含有する添
加剤との二液型において、亜リン酸塩化合物とリン酸を
混合することにより形成される錯体が、主剤中のポリビ
ニルブチラール樹脂のOH基と反応して別の錯体を形成
し、該錯体が金属表面の金属イオンと反応することによ
り、初期の接着性を有するようになるが、かかる主剤に
防錆顔料成分としてのオルトリン酸アルミニウムと、シ
ランカップリング剤を特定量配合すれば、所期目的のプ
ライマー組成物が得られ、さらに主剤に適量のエポキシ
樹脂を添加すれば、より一層優れたプライマー組成物が
得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
でかつ弾性塗料の塗装加工に適用した場合でも優れた耐
水接着強度の発現に寄与しうるプライマー組成物を提供
するための鋭意研究を進めたところ、従来のクロム系お
よび上記非クロム系のウォッシュプライマー組成とし
て、ポリビニルブチラール樹脂および防錆顔料として亜
リン酸塩化合物を含有する主剤と、リン酸を含有する添
加剤との二液型において、亜リン酸塩化合物とリン酸を
混合することにより形成される錯体が、主剤中のポリビ
ニルブチラール樹脂のOH基と反応して別の錯体を形成
し、該錯体が金属表面の金属イオンと反応することによ
り、初期の接着性を有するようになるが、かかる主剤に
防錆顔料成分としてのオルトリン酸アルミニウムと、シ
ランカップリング剤を特定量配合すれば、所期目的のプ
ライマー組成物が得られ、さらに主剤に適量のエポキシ
樹脂を添加すれば、より一層優れたプライマー組成物が
得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち、本発明は、ポリビニルブチラー
ル樹脂100部(重量部、以下同様)、亜リン酸塩化合物
30〜300部、オルトリン酸アルミニウム20〜25
0部およびシランカップリング剤5〜80部を含有する
主剤と、リン酸5〜50部を含有する添加剤とから成る
ことを特徴とするプライマー組成物を提供するものであ
る。
ル樹脂100部(重量部、以下同様)、亜リン酸塩化合物
30〜300部、オルトリン酸アルミニウム20〜25
0部およびシランカップリング剤5〜80部を含有する
主剤と、リン酸5〜50部を含有する添加剤とから成る
ことを特徴とするプライマー組成物を提供するものであ
る。
【0006】本発明で用いるポリビニルブチラール樹脂
としては、通常重合度300〜1500のものを使用す
ればよい。本発明で用いる亜リン酸塩化合物としては、
たとえば亜リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛、亜リン
酸カルシウム、亜リン酸バリウム、亜リン酸マンガン、
亜リン酸カリウム、亜リン酸鉄等が挙げられ、これらか
ら選ばれる少なくとも1種を使用する。特に亜リン酸亜
鉛が好ましい。使用量は、ポリビニルブチラール樹脂1
00部に対して30〜300部、好ましくは50〜25
0部の範囲で選定する。30部未満では、前述の亜リン
酸塩化合物とリン酸を混合することにより形成される錯
体の量が少なくなり、接着強度が低下する傾向にある。
また300部を越えると、いわゆる樹脂に対する粉体量
が多くなるため、プライマー塗膜の凝集力が低下し、プ
ライマー塗膜内での凝集破壊となり、目的とする強度が
得られなくなる。
としては、通常重合度300〜1500のものを使用す
ればよい。本発明で用いる亜リン酸塩化合物としては、
たとえば亜リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛、亜リン
酸カルシウム、亜リン酸バリウム、亜リン酸マンガン、
亜リン酸カリウム、亜リン酸鉄等が挙げられ、これらか
ら選ばれる少なくとも1種を使用する。特に亜リン酸亜
鉛が好ましい。使用量は、ポリビニルブチラール樹脂1
00部に対して30〜300部、好ましくは50〜25
0部の範囲で選定する。30部未満では、前述の亜リン
酸塩化合物とリン酸を混合することにより形成される錯
体の量が少なくなり、接着強度が低下する傾向にある。
また300部を越えると、いわゆる樹脂に対する粉体量
が多くなるため、プライマー塗膜の凝集力が低下し、プ
ライマー塗膜内での凝集破壊となり、目的とする強度が
得られなくなる。
【0007】本発明においてオルトリン酸アルミニウム
の使用量は、ポリビニルブチラール樹脂100部に対し
て20〜250部、好ましくは50〜150部の範囲で
選定する。20部未満では、耐水接着において、プライ
マー塗膜/被着体間に水が浸入し、同材料間の界面破壊
となり、耐水接着強度が低下する傾向にあり、また25
0部を越えると、いわゆる樹脂に対する粉体量が多くな
るため、プライマー塗膜の凝集力が低下し、プライマー
塗膜内での凝集破壊となり、目的とする強度が得られな
くなる。
の使用量は、ポリビニルブチラール樹脂100部に対し
て20〜250部、好ましくは50〜150部の範囲で
選定する。20部未満では、耐水接着において、プライ
マー塗膜/被着体間に水が浸入し、同材料間の界面破壊
となり、耐水接着強度が低下する傾向にあり、また25
0部を越えると、いわゆる樹脂に対する粉体量が多くな
るため、プライマー塗膜の凝集力が低下し、プライマー
塗膜内での凝集破壊となり、目的とする強度が得られな
くなる。
【0008】本発明で用いるシランカップリング剤とし
ては、一般に式:
ては、一般に式:
【化1】 (式中、Yはメルカプト基、アミノ基、アミノアルキル
基またはフェニルアミノ基、好ましくはメルカプト基ま
たはアミノ基; RおよびR'"はC1〜4のアルキレン基;
R'はC1〜4のアルキル基; R"はC1〜4のアルキル基;
mは0〜2; およびnは0または1である)で示され、具
体的には、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、アミノメチルトリエトキシシラン、N−(2−ア
ミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、アミノ
メチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミ
ノメチルトリブトキシシラン、3−アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、3−アミノイソブチルトリメトキ
シシラン等が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも
1種を使用する。かかるシランカップリング剤はそれ自
体、接着性を付与する機能を有するが、それ以外に、分
子中のアルコキシ基(OR")が前述の亜リン酸塩化合物
とリン酸を混合することにより形成する錯体と、ポリビ
ニルブチラール樹脂中のOH基との反応による別の錯体
形成に寄与しなかった残りのOH基と反応することによ
り、親水性を低下することで耐水性の向上に寄与する。
シランカップリング剤の使用量は、ポリビニルブチラー
ル樹脂100部に対して5〜80部、好ましくは10〜
70部の範囲で選定する。5部未満では、前述の耐水性
向上の効果が得られないため、耐水接着強度が低下する
傾向にあり、また80部を越えると、シランカップリン
グ剤自体の架橋により塗膜がもろくなり、耐水または耐
熱後の接着試験において、プライマー塗膜内での凝集破
壊が発生し、接着強度も低下する傾向にある。
基またはフェニルアミノ基、好ましくはメルカプト基ま
たはアミノ基; RおよびR'"はC1〜4のアルキレン基;
R'はC1〜4のアルキル基; R"はC1〜4のアルキル基;
mは0〜2; およびnは0または1である)で示され、具
体的には、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、アミノメチルトリエトキシシラン、N−(2−ア
ミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、アミノ
メチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミ
ノメチルトリブトキシシラン、3−アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、3−アミノイソブチルトリメトキ
シシラン等が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも
1種を使用する。かかるシランカップリング剤はそれ自
体、接着性を付与する機能を有するが、それ以外に、分
子中のアルコキシ基(OR")が前述の亜リン酸塩化合物
とリン酸を混合することにより形成する錯体と、ポリビ
ニルブチラール樹脂中のOH基との反応による別の錯体
形成に寄与しなかった残りのOH基と反応することによ
り、親水性を低下することで耐水性の向上に寄与する。
シランカップリング剤の使用量は、ポリビニルブチラー
ル樹脂100部に対して5〜80部、好ましくは10〜
70部の範囲で選定する。5部未満では、前述の耐水性
向上の効果が得られないため、耐水接着強度が低下する
傾向にあり、また80部を越えると、シランカップリン
グ剤自体の架橋により塗膜がもろくなり、耐水または耐
熱後の接着試験において、プライマー塗膜内での凝集破
壊が発生し、接着強度も低下する傾向にある。
【0009】なお、かかるシランカップリング剤に、エ
ポキシアルコキシシラン[たとえば3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメ
トキシシランなど]やビニルアルコキシシラン[たとえば
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−2−メ
トキシエトキシシランなど]を適量にて加えてもよい。
ポキシアルコキシシラン[たとえば3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメ
トキシシランなど]やビニルアルコキシシラン[たとえば
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−2−メ
トキシエトキシシランなど]を適量にて加えてもよい。
【0010】本発明に係るプライマー組成物は、上記所
定割合のポリビニルブチラール樹脂、亜リン酸塩化合
物、オルトリン酸アルミニウムおよびシランカップリン
グ剤を適当な溶剤[たとえばエチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチル
アルコールなどのアルコール類、トルエンなどの芳香族
炭化水素類、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、
酢酸エチルなどのエステル類]に溶解した主剤と、リン
酸を上記例示の溶剤に溶解した添加剤との二液型で構成
される。ここで、リン酸の使用量は、ポリビニルブチラ
ール樹脂100部に対して5〜50部、好ましくは15
〜50部の範囲で選定する。5部未満であると、酸性度
が低く前述の亜リン酸塩化合物との錯体を形成し得なく
なるため、接着性が低下する傾向にあり、また50部を
越えると、酸性度が強くなりすぎるため、形成した錯体
が分解され、接着性が低下する傾向にある。
定割合のポリビニルブチラール樹脂、亜リン酸塩化合
物、オルトリン酸アルミニウムおよびシランカップリン
グ剤を適当な溶剤[たとえばエチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチル
アルコールなどのアルコール類、トルエンなどの芳香族
炭化水素類、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、
酢酸エチルなどのエステル類]に溶解した主剤と、リン
酸を上記例示の溶剤に溶解した添加剤との二液型で構成
される。ここで、リン酸の使用量は、ポリビニルブチラ
ール樹脂100部に対して5〜50部、好ましくは15
〜50部の範囲で選定する。5部未満であると、酸性度
が低く前述の亜リン酸塩化合物との錯体を形成し得なく
なるため、接着性が低下する傾向にあり、また50部を
越えると、酸性度が強くなりすぎるため、形成した錯体
が分解され、接着性が低下する傾向にある。
【0011】また、主剤中に配合できるエポキシ樹脂と
しては、公知のものが使用できるが、たとえばエピクロ
ルヒドリンと多価アルコールもしくは多価フェノール
(殊にビスフェノールA)との縮合生成物、シクロヘキサ
ンオキシド系エポキシ樹脂、シクロペンタンオキシド系
エポキシ樹脂、ジオレフィンもしくはポリオレフィンま
たはそのコポリマーより誘導されるエポキシ樹脂、グリ
シジルメタアクリレートとビニル化合物との共重合で得
られるエポキシ樹脂、高級不飽和脂肪酸のグリセライド
より選ばれるエポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹
脂の配合量は、主剤中のシランカップリング剤の含有量
により決定される。すなわち、主剤中にエポキシ樹脂を
配合すると、エポキシ基はシランカップリング剤のメル
カプト基、アミノ基等の官能基と反応し、添加剤である
リン酸を混合しても安定な状態で存在することができる
が、エポキシ樹脂のエポキシ基が過剰になると、添加剤
を混合した際にリン酸と徐々に反応しゲル化するため、
エポキシ樹脂中のエポキシ基の配合当量は、シランカッ
プリング剤のエポキシ基と反応しうる官能基の配合当量
と同一もしくは少なくする必要がある。かかるエポキシ
樹脂の配合により、耐水接着性がより向上する傾向にあ
る。また、前述のエポキシアルコキシシランを主剤に適
量配合する場合も、上記同様の理由により配合量を決定
する必要がある。なお、主剤において、さらに必要に応
じて触媒[トリエチルアミンなどの三級アミン; ジブチ
ル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエ
ート)、オレイン酸第一錫、ナフテン酸錫などの有機錫
化合物); 塩化第一錫、塩化第二錫等]、その他通常の体
質顔料(ヒュームドシリカ、タルク、酸化チタン、酸化
亜鉛など)、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ
樹脂等の添加樹脂を適量配合してもよい。
しては、公知のものが使用できるが、たとえばエピクロ
ルヒドリンと多価アルコールもしくは多価フェノール
(殊にビスフェノールA)との縮合生成物、シクロヘキサ
ンオキシド系エポキシ樹脂、シクロペンタンオキシド系
エポキシ樹脂、ジオレフィンもしくはポリオレフィンま
たはそのコポリマーより誘導されるエポキシ樹脂、グリ
シジルメタアクリレートとビニル化合物との共重合で得
られるエポキシ樹脂、高級不飽和脂肪酸のグリセライド
より選ばれるエポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹
脂の配合量は、主剤中のシランカップリング剤の含有量
により決定される。すなわち、主剤中にエポキシ樹脂を
配合すると、エポキシ基はシランカップリング剤のメル
カプト基、アミノ基等の官能基と反応し、添加剤である
リン酸を混合しても安定な状態で存在することができる
が、エポキシ樹脂のエポキシ基が過剰になると、添加剤
を混合した際にリン酸と徐々に反応しゲル化するため、
エポキシ樹脂中のエポキシ基の配合当量は、シランカッ
プリング剤のエポキシ基と反応しうる官能基の配合当量
と同一もしくは少なくする必要がある。かかるエポキシ
樹脂の配合により、耐水接着性がより向上する傾向にあ
る。また、前述のエポキシアルコキシシランを主剤に適
量配合する場合も、上記同様の理由により配合量を決定
する必要がある。なお、主剤において、さらに必要に応
じて触媒[トリエチルアミンなどの三級アミン; ジブチ
ル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエ
ート)、オレイン酸第一錫、ナフテン酸錫などの有機錫
化合物); 塩化第一錫、塩化第二錫等]、その他通常の体
質顔料(ヒュームドシリカ、タルク、酸化チタン、酸化
亜鉛など)、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ
樹脂等の添加樹脂を適量配合してもよい。
【0012】次に実施例および比較例を挙げて、本発明
をより具体的に説明する。 実施例1〜5および比較例1〜6 (1)主剤 下記表1および2に示す部数の各成分を配合して主剤と
する。なお、シランカップリング剤として、3−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)
製、KBM−803)と3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン(同社製、KBM−903)を用い、エポキシ樹
脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シエル
エポキシ(株)製、エピコート828)とビスフェノール
A型エポキシ樹脂(同社製、エピコート1001)を用い
た。なお、エピコート1001は、常温固形であるた
め、酢酸エチルと1:1にて混合溶解し、50%溶液と
して用いた。
をより具体的に説明する。 実施例1〜5および比較例1〜6 (1)主剤 下記表1および2に示す部数の各成分を配合して主剤と
する。なお、シランカップリング剤として、3−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)
製、KBM−803)と3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン(同社製、KBM−903)を用い、エポキシ樹
脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シエル
エポキシ(株)製、エピコート828)とビスフェノール
A型エポキシ樹脂(同社製、エピコート1001)を用い
た。なお、エピコート1001は、常温固形であるた
め、酢酸エチルと1:1にて混合溶解し、50%溶液と
して用いた。
【0013】
【表1】
【表2】
【0014】(2)プライマー組成物 上記主剤に、リン酸5部をn−ブチルアルコール70部
およびイソプロピルアルコール25部に溶解した添加剤
を混合して、プライマー組成物を得る。 (3)接着性試験 i) ゴバン目試験 各プライマー組成物を船舶用アルミニウム合金(A50
83)に40μ厚で塗布し、20℃×1時間で乾燥した
後、常温で1週間養生せしめてから、塗膜にナイフで縦
横1mm間隔のゴバン目100個を形成し、粘着テープで
瞬時に引き剥がしたときの、ゴバン目の残存数を調べ
る。結果を下記表3に示す。
およびイソプロピルアルコール25部に溶解した添加剤
を混合して、プライマー組成物を得る。 (3)接着性試験 i) ゴバン目試験 各プライマー組成物を船舶用アルミニウム合金(A50
83)に40μ厚で塗布し、20℃×1時間で乾燥した
後、常温で1週間養生せしめてから、塗膜にナイフで縦
横1mm間隔のゴバン目100個を形成し、粘着テープで
瞬時に引き剥がしたときの、ゴバン目の残存数を調べ
る。結果を下記表3に示す。
【0015】ii) 接着強度試験 2枚の2.5cm×75cmの試験片(アルミニウム合金、
A5083)を接着面長さ1cmで接着するに当り、片方
の試験片に当該プライマー組成物(膜厚40μ)、ウレタ
ンプライマー(膜厚10μ)および二液型ウレタン接着剤
(膜厚5mm)を順次塗布して両試験片を接着した後、20
℃にて3日間養生後(初期)と、前記養生後40℃温水中
に1週間または2週間浸漬後、50mm/分の引張り速度
条件にて剪断引張り試験機に付し、接着状態と強度(kg
・f/cm2)の試験結果を表3に示す(なお、CFは100
%凝集破壊、CFoは0%凝集破壊、CFmはm%凝集破
壊を表す。また、本試験に用いた二液型ウレタン接着剤
(サンスター技研(株)製、スプラッシュ2010)は、3
0kg・f/cm2以上で接着剤層の凝集破壊となるため、プ
ライマー組成物と試験片の接着強度は30kg・f/cm2以
上であることを示す)。
A5083)を接着面長さ1cmで接着するに当り、片方
の試験片に当該プライマー組成物(膜厚40μ)、ウレタ
ンプライマー(膜厚10μ)および二液型ウレタン接着剤
(膜厚5mm)を順次塗布して両試験片を接着した後、20
℃にて3日間養生後(初期)と、前記養生後40℃温水中
に1週間または2週間浸漬後、50mm/分の引張り速度
条件にて剪断引張り試験機に付し、接着状態と強度(kg
・f/cm2)の試験結果を表3に示す(なお、CFは100
%凝集破壊、CFoは0%凝集破壊、CFmはm%凝集破
壊を表す。また、本試験に用いた二液型ウレタン接着剤
(サンスター技研(株)製、スプラッシュ2010)は、3
0kg・f/cm2以上で接着剤層の凝集破壊となるため、プ
ライマー組成物と試験片の接着強度は30kg・f/cm2以
上であることを示す)。
【表3】
【0016】
【発明の効果】以上の構成から成る本発明プライマー組
成物は、非クロム系の低公害型で環境汚染の問題がな
く、しかも、塗装ないし接着加工に適用した場合でも、
従来の低公害型プライマーに比べて優れた耐水接着強度
の発現に寄与しうることが認められる。また用途にあっ
ても、船舶や海洋構造物のいわゆる一次防錆プライマー
(塗料用または接着剤用防錆プライマー)に限らず、広く
金属の防錆等を目的とした表面処理剤への利用が挙げら
れる。
成物は、非クロム系の低公害型で環境汚染の問題がな
く、しかも、塗装ないし接着加工に適用した場合でも、
従来の低公害型プライマーに比べて優れた耐水接着強度
の発現に寄与しうることが認められる。また用途にあっ
ても、船舶や海洋構造物のいわゆる一次防錆プライマー
(塗料用または接着剤用防錆プライマー)に限らず、広く
金属の防錆等を目的とした表面処理剤への利用が挙げら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 7/12 PSJ C09D 7/12 PSJ // C09D 163/00 PKK 163/00 PKK
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリビニルブチラール樹脂100重量
部、亜リン酸塩化合物30〜300重量部、オルトリン
酸アルミニウム20〜250重量部およびシランカップ
リング剤5〜80重量部を含有する主剤と、リン酸5〜
50重量部を含有する添加剤とから成ることを特徴とす
るプライマー組成物。 - 【請求項2】 主剤中のシランカップリング剤が、メル
カプト基、アミノ基、アミノアルキル基またはフェニル
アルキル基の官能基を有し、該官能基の配合当量よりも
少ないエポキシ基の配合当量になる量のエポキシ樹脂を
配合した請求項1に記載のプライマー組成物。 - 【請求項3】 亜リン酸塩化合物が、亜リン酸アルミニ
ウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム、亜リン酸カ
リウムおよび亜リン酸鉄から選ばれる請求項1または2
に記載のプライマー組成物。 - 【請求項4】 シランカップリング剤が、N−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、 N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、 N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、 3−アミノプロピルトリエトキシシラン、 3−アミノプロピルトリメトキシシラン、 3−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよび3−
メルカプトプロピルトリエトキシシランから選ばれる請
求項1乃至3のいずれか1つに記載のプライマー組成
物。 - 【請求項5】 金属の防錆プライマーとして用いる請求
項1乃至4のいずれか1つに記載のプライマー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7114343A JP3071665B2 (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | プライマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7114343A JP3071665B2 (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | プライマー組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08302272A true JPH08302272A (ja) | 1996-11-19 |
JP3071665B2 JP3071665B2 (ja) | 2000-07-31 |
Family
ID=14635400
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7114343A Expired - Lifetime JP3071665B2 (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | プライマー組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3071665B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1520887A2 (en) * | 2003-10-02 | 2005-04-06 | National Starch and Chemical Investment Holding Corporation | Primer composition for bonding polymer composites with urethane adhesives and sealants |
JP2007070629A (ja) * | 2005-09-02 | 2007-03-22 | Sika Technology Ag | 水性二成分有機アルコキシシラン組成物 |
CN100338159C (zh) * | 2003-07-21 | 2007-09-19 | 深圳市海川实业股份有限公司 | 高附着力金属涂覆用磷化底漆 |
JP2007530725A (ja) * | 2004-03-23 | 2007-11-01 | シーカ・テクノロジー・アーゲー | 2成分接着促進剤組成物および2つの区画を備えたパッケージの使用 |
US7438881B2 (en) * | 2006-05-24 | 2008-10-21 | Bk Giulini Gmbh | Anticorrosive pigments |
US8372937B2 (en) | 2004-03-23 | 2013-02-12 | Sika Technology Ag | Two-component adhesion promoter composition and use of packaging comprising two compartments |
JP2015229739A (ja) * | 2014-06-06 | 2015-12-21 | 信越化学工業株式会社 | プライマー組成物及び接着結合又はシーリング方法 |
-
1995
- 1995-05-12 JP JP7114343A patent/JP3071665B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP1520887A3 (en) * | 2003-10-02 | 2005-06-15 | National Starch and Chemical Investment Holding Corporation | Primer composition for bonding polymer composites with urethane adhesives and sealants |
JP2007530725A (ja) * | 2004-03-23 | 2007-11-01 | シーカ・テクノロジー・アーゲー | 2成分接着促進剤組成物および2つの区画を備えたパッケージの使用 |
JP2012188665A (ja) * | 2004-03-23 | 2012-10-04 | Sika Technology Ag | 2成分接着促進剤組成物および2つの区画を備えたパッケージの使用 |
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JP2007070629A (ja) * | 2005-09-02 | 2007-03-22 | Sika Technology Ag | 水性二成分有機アルコキシシラン組成物 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3071665B2 (ja) | 2000-07-31 |
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