JPH08301867A - ピラゾリン誘導体、その用途およびその製造中間体 - Google Patents

ピラゾリン誘導体、その用途およびその製造中間体

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JPH08301867A
JPH08301867A JP11443895A JP11443895A JPH08301867A JP H08301867 A JPH08301867 A JP H08301867A JP 11443895 A JP11443895 A JP 11443895A JP 11443895 A JP11443895 A JP 11443895A JP H08301867 A JPH08301867 A JP H08301867A
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alkoxy
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JP11443895A
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Junichi Sato
純一 佐藤
Tadashi Osumi
忠司 大住
Norio Kimura
教男 木村
Makoto Fujimura
真 藤村
Jinko Takano
仁孝 高野
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式[I]で示されるゾラゾリン誘導体、当
該化合物を有効成分として含有する植物病害防除剤なら
びにそれら化合物の製造中間体。 〔式中、Arは置換されていてもよい、ピリジン、チア
ゾール、イソオキサゾール、ベンゾチオフェン等の芳香
族複素環基を表わし、R1 およびR2は、同一または相
異なり、C3 〜C17の置換されていてもよい炭化水素基
を表わし、R3 およびR4 は、同一または相異なり、水
素原子またはC1 〜C5 アルキル基を表わすか、あるい
は、R3 とR4 が末端で結合して、C2 〜C5 アルキレ
ン基を表わす。〕 【効果】一般式〔I〕で示されるピラゾリン誘導体は、
植物病害に対し優れた防除効果を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】本発明は、ピラゾリン誘導体、それを有
効成分とする植物病害防除剤およびその製造中間体に関
する。
【発明の構成】本発明者らは、優れた植物病害防除剤を
開発すべく鋭意検討した結果、下記一般式 化3で示さ
れるピラゾリン誘導体が、植物病害に対し優れた防除効
果を有することを見い出し、本発明に至った。即ち、本
発明は、一般式 化3
【化3】 〔式中、Arは置換されていてもよい芳香族複素環基を
表わし、R1 およびR2は、同一または相異なり、C3
〜C17の置換されていてもよい炭化水素基を表わし、R
3 およびR4 は、同一または相異なり、水素原子または
1 〜C5 アルキル基を表わすか、あるいは、R3 とR
4 が末端で結合して、C2 〜C5 アルキレン基を表わ
す。〕で示されるピラゾリン誘導体(以下、本発明化合
物と記す。)およびそれを有効成分として含有すること
を特徴とする植物病害防除剤を提供する。
【0002】さらに、本発明は本発明化合物を製造する
際の中間体として有用な、一般式化4
【化4】 〔式中、Arは置換されていてもよい芳香族複素環基を
表わし、R2 はC3 〜C 17の 置換されていてもよい炭
化水素基を表わす。〕で示されるピラゾリン化合物をも
提供する。
【0003】本発明化合物および一般式 化4で示され
るピラゾリン化合物において、置換されていてもよい芳
香族複素環基の置換基としては、例えばハロゲン原子、
1 〜C5 アルキル基、C1 〜C5 ハロアルキル基、C
1 〜C5 アルコキシ基、C1 〜C3 アルコキシC1 〜C
3 アルコキシ基、C1 〜C5 ハロアルコキシ基、C1
5 アルキルチオ基、C1 〜C5 ハロアルキルチオ基、
シアノ基、ニトロ基およびCH=CH−CH=CHで示
される基から選ばれる1種から3種があげられ、その中
でも好ましいものとしてハロゲン原子、C1 〜C5 アル
キル基およびCH=CH−CH=CHから選ばれる1種
から3種があげられ、芳香族複素環基としては、例えば
窒素原子、酸素原子または/および硫黄原子を1個から
3個含む、芳香族複素5員環基または芳香族複素6員環
基があげられ、より具体的には例えば、2−ピリジル
基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、4−ピリミジニ
ル基、4−ピリダジニル基、3−ピリダジニル基、2−
ピラジニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−
フリル基、3−フリル基、1,3−チアゾール−5−イ
ル基、4−イソチアゾリル基、1,3−オキサゾール−
5−イル基、4−イソキサゾリル基、4−ピラゾリル
基、3−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、5−イミ
ダゾリル基、2−ピロリル基があげられ、R1 および/
またはR2 の態様として、例えば、同一または相異な
り、C3 〜C10のアルキル基、C3 〜C10のアルケニル
基、C3 〜C10のアルキニル基、同一もしくは相異なる
1〜21個のハロゲン原子で置換されたC3 〜C10のア
ルキル基、同一もしくは相異なる1〜19個のハロゲン
原子で置換されたC3 〜C10のアルケニル基、同一もし
くは相異なる1〜17個のハロゲン原子で置換されたC
3 〜C10のアルキニル基、C1 〜C5 アルコキシC2
5 アルキル基、C1〜C5 アルキルチオC2 〜C5
ルキル基、同一もしくは相異なる1〜11個のハロゲン
で置換されたC1 〜C5 アルコキシ基を有する、同一も
しくは相異なる1〜11個のハロゲンで置換されていて
もよいC2 〜C5 のアルキル基、同一もしくは相異なる
1〜11個のハロゲンで置換されたC1 〜C5 のアルキ
ルチオ基を有する、同一もしくは相異なる1〜11個の
ハロゲンで置換されていてもよいC2 〜C5 のアルキル
基、シアノ基で置換されたC2 〜C5 のアルキル基、C
1〜C5 のアルコキシカルボニル基で置換されたC2
5 のアルキル基、C3 〜C8 のシクロアルキル基(該
シクロアルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよ
く、不飽和結合を含んでもよい)、フェニル基(該フェ
ニル基はハロゲン原子、C1 〜C5 のアルキル基、C1
〜C5 のアルコキシ基、C1 〜C5 のアルキルチオ基、
1 〜C5 のハロアルキル基、C1 〜C5 のハロアルコ
キシ基、C1〜C5 のハロアルキルチオ基またはシアノ
基で置換されていてもよい)、C7 〜C17のアラルキル
基(該アラルキル基はハロゲン原子、C1 〜C5 のアル
キル基、C1 〜C5 のアルコキシ基、C1 〜C5 のアル
キルチオ基、C1 〜C5 のハロアルキル基、C1 〜C5
のハロアルコキシ基、C1 〜C5 のハロアルキルチオ基
またはシアノ基で置換されていてもよい)があげられ
る。
【0004】本発明化合物は、R3 および/またはR4
が水素原子のとき、下記式 化5で示される種々の互変
異性構造の状態で存在し得るが、本発明には可能な互変
異性体が全て含まれる。
【化5】 〔式中、WはR3 またはR4 を表わす。〕
【0005】本発明化合物および一般式 化4のピラゾ
リン化合物において、Arで示される置換されていても
よい芳香族複素環基の置換基の態様である、ハロゲン原
子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子があげられ、C1 〜C5 のアルキル基としては、例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、tert−ブチル基等があげられ、C1 〜C5 のハ
ロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル
基、テトラフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル
基等があげられ、C1 〜C5 のアルコキシ基としては、
例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ
基、イソプロピルオキシ基等があげられ、C1 〜C3
ルコキシC1 〜C3 アルコキシ基としては、例えば、メ
トキシメトキシ基等があげられ、C1 〜C5 のハロアル
コキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基、
ジフルオロメトキシ基、テトラフルオロエトキシ基等が
あげられ、C1 〜C5 のアルキルチオ基としては、例え
ば、メチルチオ基、エチルチオ基等があげられ、C1
5 のハロアルキルチオ基としては、例えば、トリフル
オロメチルチオ基等があげられる。
【0006】本発明化合物および一般式 化4のピラゾ
リン化合物において、R1 および/またはR2 の態様で
ある、C3 〜C10のアルキル基としては、例えば、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、 s
ec−ブチル基、2−メチルブチル基、2−エチルプロピ
ル基、tert−ブチル基等があげられ、C3 〜C10のアル
ケニル基としては、例えば、1−メチル−2−プロペニ
ル基等があげられ、C3 〜C10のアルキニル基として
は、例えば、1−メチル−2−プロピニル基等があげら
れ、同一もしくは相異なる1〜21個のハロゲン原子で
置換されたC3 〜C10のアルキル基としては、例えば、
2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基があげられ、同一も
しくは相異なる1〜19個のハロゲン原子で置換された
3 〜C10のアルケニル基としては、例えば、2−クロ
ロ−2−プロペニル基があげられ、同一もしくは相異な
る1〜17個のハロゲン原子で置換されたC3 〜C10
アルキニル基としては、例えば、2−クロロ−2−プロ
ピニル基があげられ、C1 〜C5 アルコキシC2 〜C5
アルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、1−
メトキシエチル基等があげられ、C1 〜C5 アルキルチ
オC2 〜C5 アルキル基としては、例えば、メチルチオ
メチル基、1−メチルチオエチル基があげられ、同一も
しくは相異なる1〜11個のハロゲンで置換されたC1
〜C5 アルコキシ基を有する、同一もしくは相異なる1
〜11個のハロゲンで置換されていてもよいC2 〜C5
のアルキル基としては、例えば、(トリフルオロメトキ
シ)メチル基があげられ、同一もしくは相異なる1〜1
1個のハロゲンで置換されたC1 〜C5 のアルキルチオ
基を有する、同一もしくは相異なる1〜11個のハロゲ
ンで置換されていてもよいC2 〜C5 のアルキル基とし
ては、例えば、(トリフルオロメチルチオ)メチル基が
あげられ、シアノ基で置換されたC2 〜C5 のアルキル
基としては、例えば、1−シアノエチル基があげられ、
1 〜C5 アルコキシカルボニル基で置換されたC2
5 のアルキル基としては、例えば、1−(メトキシカ
ルボニル)エチル基等があげられ、ハロゲン原子で置換
されていてもよく、不飽和結合を含んでもよい、C3
8 のシクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキ
シル基、シクロペンチル基があげられ、フェニル基は同
一もしくは相異なってもよい置換基で1〜5個置換され
ていてもよく〔置換基としては、例えば、ハロゲン原子
(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、
1 〜C5 のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基
等)、C1 〜C5 のアルコキシ基(例えば、メトキシ
基、エトキシ基等)、C1〜C5 のアルキルチオ基(例
えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、C1 〜C 5
ハロアルキル基、好ましくはC1 〜C2 のハロアルキル
基(例えばトリフルオロメチル基等)、C1 〜C5 のハ
ロアルコキシ基、好ましくはC1 〜C2 のハロアルコキ
シ基(例えばトリフルオロメトキシ基、ジフルオロメト
キシ基等)、C1 〜C5 のハロアルキルチオ基、好まし
くはC1 〜C2 のハロアルキルチオ基(例えばトリフル
オロメチルチオ基等)、シアノ基等があげられる。〕、
7 〜C17のアラルキル基(例えば、ベンジル基、α−
メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基等)
は、同一もしくは相異なってもよい置換基で1〜5個置
換されていてもよい〔置換基としては、例えば、ハロゲ
ン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
等)、C1 〜C5 のアルキル基(例えば、メチル基、エ
チル基等)、C1 〜C5 のアルコキシ基(例えば、メト
キシ基、エトキシ基等)、C1 〜C5 のアルキルチオ基
(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、C1 〜C
5 のハロアルキル基、好ましくはC1 〜C2 のハロアル
キル基(例えばトリフルオロメチル基等)、C1 〜C5
のハロアルコキシ基、好ましくはC1 〜C2 のハロアル
コキシ基(例えばトリフルオロメトキシ基、ジフルオロ
メトキシ基等)、C1 〜C5 のハロアルキルチオ基、好
ましくはC1 〜C2 のハロアルキルチオ基(例えばトリ
フルオロメチルチオ基等)、シアノ基等があげられ
る。〕。
【0007】本発明化合物において、R3 およびR4
示される、C1 〜C5 のアルキル基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、イソブチル基、 sec−ブチル基等があげられ、
3 とR4 が末端で結合して形成するC2 〜C5 のアル
キレン基としては、例えば、テトラメチレン基、ペンタ
メチレン基、エチレン基等があげられる。本発明化合物
において、植物病害防除効力の点から、R1 、R2 の好
ましい1態様として、直鎖状もしくは分枝鎖状のC3
10のアルキル基、中でも2級の(ここで2級とはN原
子のα−位に分枝が1個あるものを言う)C3 〜C10
アルキル基または3級の(ここで3級とはN原子のα−
位に分枝が2個あるものを言う)C4 〜C10のアルキル
基があげられ、R1 、R2 の他の好ましい態様として、
2級のC4 〜C10のアルキニル基または3級のC5 〜C
10のアルキニル基があげられ、R1 、R2 の特に好まし
い1態様として、tert−ブチル基、イソプロピル基、1
−メチルブチル基、 sec−ブチル基、1−エチル−2−
プロピニル基があげられ、R3 、R4 の好ましい1態様
としてR3 およびR4 が共に水素原子またはC1 〜C5
アルキル基(例えば、メチル基、エチル基)であるも
の、特に共に水素原子であるものがあげられる。
【0008】次に、本発明化合物の製造法を示す。本発
明化合物のうち、R1 およびR2 がC4 〜C17の置換さ
れていてもよい3級アルキル基であり、R3 およびR4
が共に水素原子であるものは、一般式 化6
【化6】Ar−CH2 −C≡N 〔式中、Arは前記と同じ意味を表わす。〕で示される
アセトニトリル誘導体と、それに対し、通常、 1.0〜1.
5 当量の一般式 化7
【化7】 〔式中、R11およびR12は、同一または相異なり、C4
〜C17の置換されていてもよい3級アルキル基を表わ
す。〕で示されるジアジリジノン誘導体とを、通常溶媒
中、通常、 1.0〜2.0 当量の塩基の存在下、通常−78
℃〜50℃で、通常 0.5時間〜24時間反応させること
によって製造することができる。溶媒としては、例えば
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル類、アセトニトリル、イソブチロ
ニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド等の酸アミド類、ジ
メチルスルホキシド等の硫黄化合物、あるいはそれらの
混合物が挙げられる。塩基としては、例えば水素化ナト
リウム等の無機塩基、リチウムジイソプロピルアミドな
どの有機塩基等が挙げられる。反応終了後は、必要に応
じ、希塩酸等の希酸による中和の後、有機溶媒抽出及び
濃縮等の通常処理を行い、必要ならばクロマトグラフィ
ー、再結晶等によってさらに精製することにより、本発
明化合物を単離することができる。一般式 化6で表わ
されるアセトニトリル誘導体は、市販のものを用いる
か、またはバイルシュタイン9,441 や新実験化学講座
(丸善株式会社)14巻 [III]1434ページ(1985年)等
に記載の方法に準じて製造することができる。一般式
化7で表わされるジアジリジノン誘導体は、The Journa
l of OrganicChemistry 34, 2254 (1969)に記載の方法
等に準じて製造することができる。
【0009】本発明化合物のうち、R3 およびR4 が水
素原子であるものは、前記一般式化4で示されるピラゾ
リン化合物と、それに対し、通常 1.0〜5.0 当量の一般
式化8
【化8】 R1 X、R12OSO2 CH3 またはR12 2 SO4 〔式中、R1 は前記と同じ意味を表わし、R12は1級ま
たは2級のアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子(塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)を表わす。〕で示さ
れる化合物とを、通常溶媒中、通常、 1.0〜10.0当量の
脱酸剤の存在下、通常30℃〜120℃で、通常、1時
間〜30時間反応させることによって製造することがで
きる。溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノー
ル、ジエチレングリコール等のアルコール類、アセトニ
トリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド等の酸アミド類、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物、ある
いはそれらの混合物が挙げられる。脱酸剤としては、例
えばピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩
基等が挙げられる。反応終了後は、有機溶媒抽出及び濃
縮等の通常の後処理を行い、必要ならばクロマトグラフ
ィー、再結晶等によってさらに精製することにより、本
発明化合物を単離することができる。本発明化合物は特
開平1-160968号公報に記載の方法に準じて製造すること
もできる。
【0010】本発明化合物の内、R3 とR4 が共に水素
原子である化合物以外の化合物は、本発明化合物の内、
3 とR4 が共に水素原子である化合物と、それに対し
て、通常 1.0〜4.0 当量の一般式〔I〕、〔II〕または
〔III 〕 R31−X 〔I〕 R31 2 SO4 〔II〕 X−R32−X 〔III 〕 〔式中、R31はC1 〜C5 アルキル基を表わし、R32
2 〜C5 アルキレン基を表わし、Xは前記と同じ意味
を表わす。〕で示される化合物とを、通常溶媒中、通常
3〜5当量の塩基および、通常 0.1〜1.0 当量の相間移
動触媒の存在下、通常20℃〜100℃で、通常1〜7
2時間反応させる事によって製造する事ができる。用い
られる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン等
のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチ
レングリコールジメチルエーテル等のエーテル、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン、アセトニトリル、イソブチロニトリル等のニト
リル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミドなどの酸アミド、水等あるいはそれらの
混合物があげられる。用いられる塩基としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム
などの無機塩基があげられる。用いられる相間移動触媒
としては、例えば、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウ
ム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化ベンジ
ルトリエチルアンモニウムなどの四級アンモニウム塩等
があげられる。反応終了後は、有機溶媒抽出及び濃縮等
の通常の後処理を行ない、必要ならば、クロマトグラフ
ィー、再結晶等によってさらに精製する事により、本発
明化合物を単離する事ができる。
【0011】次に、本発明化合物の具体例を化9〜化1
1に示す。(化9から化11に記載の各々の化合物にお
いて、Arは化12から化15に記載のものを表わし、
化9から化15においてtBuはtert−ブチル基を表わ
し、sBuは sec−ブチル基を表わし、iPrはイソプ
ロピル基を表わし、1EtPrは1−エチルプロピル基
を表わし、1MeBuは1−メチルブチル基を表わし、
Phはフェニル基を表わし、Meはメチル基を表わし、
Etはエチル基を表わし、化12から化15において、
各々の基は・部分でピラゾリン環と結合している。)
【化9】
【0012】
【化10】
【0013】
【化11】
【0014】
【化12】
【0015】
【化13】
【0016】
【化14】
【0017】
【化15】
【0018】本発明化合物を製造する際の中間体化合物
である一般式 化4で示されるピラゾリン化合物は、一
般式 化16
【化16】 〔式中、Arは前記と同じ意味を表わし、Rはアルキル
基(例えば、メチル基、エチル基等のC1 〜C4 アルキ
ル基等)を表わす。〕で示されるシアノ酢酸エステル化
合物と、それに対し、通常、 1.0〜1.2 当量の一般式
化17
【化17】R2 NHNH2 〔式中、R2 は前記と同じ意味を表わす。〕で示される
ヒドラジン化合物とを、通常、40〜100℃で通常、
1時間〜10時間反応させることによって製造すること
ができる。該反応において、溶媒は必ずしも必要ではな
いが、溶媒中で行うこともでき、使用しうる溶媒として
は、メタノール、エタノールなどのアルコール類等が挙
げられる。反応終了後は、有機溶媒抽出、濃縮等の通常
の後処理を行い、必要ならばクロマトグラフィー、再結
晶等によってさらに精製することにより、目的の化合物
を単離することができる。一般式 化16示されるシア
ノ酢酸エステル化合物は、例えば、Chem Lett. p.193
(1983) 、J. Org. Chem. 58, 7606 (1993) 、J. Chem,
Soc, Chem. Commun.,1756, 1993、特開平1-160968号公
報に記載の方法に準じて製造することができる。
【0019】次に、一般式 化4のピラゾリン化合物の
具体例を化18に示す。
【化18】 〔化18に記載の各々の化合物において、Arは前記化
12〜化15に記載のものを表わす。〕
【0020】本発明化合物が効力を有する植物病害とし
ては、例えば、イネのいもち病(Pyricularia oryza
e)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病
(Rhizoctonia solani)、ムギ類のうどんこ病(Erysip
he graminis f. sp. hordei, f.sp. tritici)、赤かび
病(Gibberella zeae)、さび病(Puccinia striiformi
s,P. graminis, P. recondita, P. hordei) 、雪腐病
(Typhula sp., Micronectriella nivalis) 、裸黒穂病
(Ustilago tritici, U. nuda)、アイスポット(Pseudo
cercosporella herpotrichoides)、雲形病(Rhynchospo
rium secalis) 、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病
(Leptosphaeria nodorum)、網斑葉病(Pyrenophora te
res)、カンキツの黒点病(Diaporthe citri)、そうか病
(Elsinoe fawcetti) 、果実腐敗病 (Penicillium digi
tatum, P. italicum) 、リンゴのモニリア病 (Scleroti
nia mali 、Monilinia mali) 、腐らん病 (Valsa mal
i) 、うどんこ病(Podpsphaera leucotricha)、斑点落
葉病(Alternaria mali)、黒星病(Venturia inaequali
s)、ナシの黒星病(Venturia nashicola) 、黒斑病(Al
ternaria kikuchiana)、赤星病(Gymnosporangium hara
eanum)、菌核病(Sclerotinia fructigena) 、モニリア
病(Monilinia fructigena) 、モモの灰星病(Scleroti
nia cinerea 、Monilinia fructicola) 、黒星病(Clad
osporium carpophilum) 、フォモプシス腐敗病(Phomop
sis sp.)、ブドウの黒とう病(Elsinoe ampelina) 、晩
腐病(Glomerella cingulate) 、うどんこ病(Uncinula
necator) 、さび病 (Phakopsora ampelopsidis)、カキ
の炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病(Cercospora ka
ki, Mycosphaerella nawae)、ウリ類の炭そ病(Colleto
trichumlagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fulig
inea) 、つる枯病 (Mycosphaerella melonis) 、トマト
の輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病 (Cladospori
um fulvum)、ナスの褐紋病(Phomopsis vexans) 、うど
んこ病(Erysiphe cichoracearum) 、アブラナ科野菜の
黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporell
a brassicae)、ネギのさび病(Puccinia allii) 、ダイ
ズの紫斑病(Cercospore kikuchii)、黒とう病(Elsino
e glycines) 、黒点病 (Diaporthe phaseolorum var. s
ojae) 、インゲンの炭そ病(Colletotrichum lindemuth
ianum)、ラッカセイの黒渋病(Mycosphaerella personn
atum) 、褐紋病(Cercospora arachidicola)、エンドウ
のうどんこ病(Erysiphe pisi)、ジャガイモの夏疫病
(Alternaria solani)、イチゴのうどんこ病(Sphaeroth
eca humuli)、チャの網もち病(Exobasidium reticulatu
m)、白星病 (Elsinoe leucospila) 、タバコの赤星病(A
lternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichorac
earum) 、炭そ病 (Colletotrichum tabacum) 、テンサ
イの褐紋病(Cercospora beticola)、バラの黒点病 (Di
plocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannos
a) 、キクの褐班病 (Septoria chrysanthemi-indici)
、白さび病(Puccinia horiana) 、種々の作物の灰色
かび病(Botrytis cinerea) 、種々の作物のボトリチス
病害(Botrytis spp.)、種々の作物の菌核病(Scleroti
nia sclerotiorum) 等が挙げられる。
【0021】本発明化合物を植物病害防除剤の有効成分
として用いる場合は、他の何らの成分も加えずそのまま
で用いてもよいが、通常は固体担体、液体担体、界面活
性剤その他の製剤用補助剤と混合して、乳剤、水和剤、
懸濁剤、粒剤、粉剤、液剤等に製剤して使用する。これ
らの製剤には有効成分として本発明化合物を、重量比
で、通常 0.1〜99%、好ましくは1〜80%含有す
る。固体担体としては、カオリンクレー、アッタパルジ
ャイトクレー、ベントナイト、酸性白土、パイロフィラ
イト、タルク、珪藻土、方解石、クルミ粉、尿素、硫酸
アンモニウム、合成含水酸化珪素等の微粉末あるいは粒
状物等が挙げられ、液体担体としては、キシレン、メチ
ルナフタレン等の芳香族炭化水素、イソプロパノール、
エチレングリコール、セロソルブ等のアルコール、アセ
トン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン、大豆
油、綿実油等の植物油、ジメチルスルホキシド、アセト
ニトリル、水等が挙げられ、乳化、分散、湿展等のため
に用いられる界面活性剤としては、アルキル硫酸エステ
ル塩、アルキル(アリール)スルホン酸塩、ジアルキル
スルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリー
ルエーテルリン酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。製剤用
補助剤としては、リグニンスルホン酸塩、アルギン酸
塩、ポリビニルアルコール、アラビアガム、CMC(カ
ルボキシメチルセルロース)、PAP(酸性リン酸イソ
プロピル)等が挙げられる。これらの製剤は、そのまま
であるいは水で希釈して茎葉散布したり、種子処理した
りするか、または、土壌に散粉、散粒して混和するかあ
るいは土壌施用する等の種々の形態で使用することがで
きる。また、他の植物病害防除剤と混合して用いること
により、防除効力の増強を期待できる。さらに、殺虫
剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤、肥
料、土壌改良剤と混合して用いることもできる。混合し
得る他の植物防除剤としては、たとえば、プロピコナゾ
ール、トリアジメノール、プロクロラズ、ペンコナゾー
ル、テブコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾー
ル、ブロムコナゾール、エポキシコナゾール、ジフェノ
コナゾール、シプロコナゾール、メトコナゾール、トリ
フルミゾール、テトラコナゾール、マイクロブタニル、
フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、フルキンコナ
ゾール、RPA400727、ビテルタノール、イマザリル、
フルトリアホール等のアゾール系殺菌化合物、フェンプ
ロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン等の環状
アミン系殺菌化合物、カルベンダジム、ベノミル、チア
ベンダゾール、チオファネートメチル等のベンズイミダ
ゾール系殺菌化合物、プロシミドン、シプロディニル、
ピリメタニル、ジエトフェンカルブ、チウラム、フルア
ジナム、マンコゼブ、イプロジオン、ビンクロゾリン、
クロロタロニル、キャプタン、メパニピリム、フェンピ
クロニル、フルジオキソニル、ジクロフルアニド、フォ
ルペット、メチル メトキシイミノ−α−(o−トリル
オキシ)−o−トリルアセテート(BAS490F)、
メチル (E)−{2−〔6−(2−シアノフェノキ
シ)ピリミジン−4−イルオキシ〕フェニル}−3−メ
トキシアクリレート(ICIA5504)、N−メチル
−α−メトキシイミノ−2−〔(2,5−ジメチルフェ
ノキシ)メチル〕フェニルアセトアミド等があげられ
る。なお、本発明化合物は、水田、畑地、果樹園、茶
園、牧草地、芝生地等の植物病害防除剤の有効成分とし
て用いることができる。本発明化合物を植物病害防除剤
の有効成分として用いる場合、その施用量は、1アール
あたり、通常0.01g〜100g、好ましくは 0.1g〜5
0gであり、乳剤、水和剤、懸濁剤、液剤等を水で希釈
して施用する場合、その施用濃度は、通常 0.001%〜1
%、好ましくは0.01%〜 0.2%であり、粒剤、粉剤等は
なんら希釈することなくそのまま施用する。種子処理し
て用いる場合、その施用量は種子1kgあたり、有効成分
量として、通常0.01g〜100g、好ましくは 0.1g〜
50g使用することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を製造例、製剤例および試験例
にてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限
定されない。まず、本発明化合物の製造例を示す。尚、
本発明化合物は後記表1または表2に記載の化合物番号
で示す。 製造例1 水素化ナトリウム(60%オイルディスパージョン)5
60mgをテトラヒドロフラン10ml中に懸濁させた液
に、氷冷下、2−ピリジルアセトニトリル 1.2gをテト
ラヒドロフラン10mlに溶解させた溶液を滴下した。氷
冷下で1時間攪拌した後、これにN,N′−ジ−tert−
ブチルジアジリジノン 1.7gをテトラヒドロフラン10
ml中に溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、室温に
て5時間攪拌した。その後、氷冷下で1N塩酸14mlを
加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸
マグネシウムで乾燥したのち、溶媒を減圧下に留去し、
残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、化合物2 3
00mgを得た。 製造例2 1−tert−ブチル−4−(3−チエニル)−5−アミノ
−ピラゾリン−3−オン(後記、中間体の製造例1にて
製造) 1.5g、2−ヨードブタン 2.5g、炭酸カリウム
2.7gおよびエタノール20mlの混合物を10時間加熱
還流させた。溶媒を減圧下に留去した後、水を加え、酢
酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥したのち、溶媒を減圧下に留去し、残渣をカラムク
ロマトグラフィーに付し、化合物8 300mgを得た。 製造例3 1,2−ジ(tert−ブチル)−4−(2−ピリジル)−
5−アミノ−ピラゾリン−3−オン(化合物2:前記製
造例1にて製造)270mg、臭化テトラ−n−ブチルア
ンモニウム75mg、ジメチル硫酸190mg、45% 水
酸化ナトリウム水溶液0.45mlおよびジクロロメタン 1.5
mlの混合物を25℃で40時間攪拌した。反応終了後、
水およびジクロロメタン各10mlを加えて分液し、有機
層を無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、溶媒を減圧
下に留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、
化合物13 70mgを得た。
【0023】本発明化合物の例を化合物番号および物性
値(融点または 1H−NMRデータ)と共に表1および
表2に示す。(一般式 化3で示されるピラゾリン誘導
体の置換基の定義で示す。)
【表1】
【表2】 1H−NMRデータ(CDCl3 /TMS)δ(pp
m) ※1:8.15(m,2H)、4.3(s,2H) 、3.4(m,1H) 、2.62(s,3
H)、1.8(m,2H) 、1.36(s,9H)、1.23(d,3H)、0.85(t,3H) ※2:9.75(s,1H)、8.5(d,1H) 、8.35(d,1H)、7.62(m,1
H)、6.97(m,1H)、3.14(d,3H)、1.33(s,9H)、1.27(s,9H) ※3:8.7(s,1H) 、8.2(s,1H) 、7.8 〜7.5(m,4H) 、4.
9(s,2H) 、3.4(m,1H) 、1.9(m,2H) 、1.4(s,9H) 、1.24
(d,3H)、0.96(t,3H) ※4:7.8(m,1H) 、7.7(m,1H) 、7.3(m,3H) 、4.37(s,2
H)、3.4(m,1H) 、1.9(m,2H) 、1.45(s,9H)、1.37(d,3
H)、0.95(t,3H)
【0024】次に、一般式 化4で示されるピラゾリン
化合物の製造例を示す。 中間体の製造例1 tert−ブチルヒドラジン塩酸塩 3.1gに、28%ナトリ
ウムメチラートメタノール溶液 4.8gを加え、室温で3
0分間攪拌した。析出した塩を吸引ろ過でろ別した後、
ろ液に3−チエニルシアノ酢酸エチル4gを加え、2時
間加熱還流させた。溶媒を留去した後、残渣をジエチル
エーテルで洗い、1−tert−ブチル−4−(3−チエニ
ル)−5−アミノ−ピラゾリン−3−オン 1.7gを得
た。
【0025】一般式 化4で示されるピラゾリン化合物
の例のいくつかを 1H−NMRデータ(TMS内部標
準)と共に表3に示す。(一般式 化4で示されるピラ
ゾリン化合物の置換基の定義で示す。)
【表3】 tBuはtert−ブチル基を表わし、sBuは sec−ブチ
ル基を表わす。
【0026】次に製剤例を示す。なお、本発明化合物は
表1および表2の化合物番号で示す。また、部は重量部
を表わす。 製剤例1 化合物1〜15 50部、リグニンスルホン酸カルシウ
ム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部および合成含水酸
化珪素45部をよく粉砕混合して各々の水和剤を得る。 製剤例2 化合物1〜15 10部、ポリオキシエチレンスチリル
フェニルエーテル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸
カルシウム6部およびキシレン70部をよく混合して各
々の乳剤を得る。 製剤例3 化合物1〜15 2部、合成含水酸化珪素1部、リグニ
ンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およ
びカオリンクレー65部をよく粉砕混合し、水を加えて
よく練り合せた後、造粒乾燥して各々の粒剤を得る。 製剤例4 化合物1〜15 25部、ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノオレエート3部、CMC3部および水69部を混
合し、有効成分の粒度が5ミクロン以下になるまで湿式
粉砕して各々の懸濁剤を得る。 製剤例5 化合物1〜15 10部、ポリオキシエチレンスチリル
フェニルエーテル1部および水89部を混合して各々の
液剤を得る。
【0027】次に、本発明化合物が植物病害防除剤の有
効成分として有用であることを試験例で示す。なお、本
発明化合物は表1および表2の化合物番号で示す。ま
た、防除効力は、調査時の供試植物の発病状態すなわち
葉、茎等の菌叢、病斑の程度を肉眼観察し、病斑面積歩
合により発病度を求めた。 試験例1 キュウリ灰色かび病防除試験(予防効果) 90ml容プラスチックポットに砂壌土を詰め、キュウリ
(相模半白)を播種し、温室内で10日間栽培した。製
剤例1に準じて水和剤に製剤した化合物3、4、5、
7、8、9、13、14、15の各々の1000ppm 水懸濁液
を、子葉が展開したそのキュウリ幼苗の葉面に充分付着
するように茎葉散布した。薬液風乾後、灰色かび病菌
(Botrytis cinerea)の菌糸含有PDA培地を、そのキ
ュウリ幼苗の子葉表面に接種し、12℃暗黒多湿下で4
日間保ち、発病程度を調査した。その結果、無処理区で
は100%の発病度であったが、上記化合物を処理した
区においてはいずれも10%未満の発病度であった。 試験例2 インゲン菌核病防除試験(予防効果) 130ml容プラスチックポットに砂壌土を詰め、インゲ
ン(長うずら菜豆)を播種し、温室内で14日間栽培し
た。製剤例1に準じて水和剤に製剤した化合物3、5、
9、13の各々の1000ppm 水懸濁液を、初生葉が展開
したそのインゲン幼苗の葉面に充分付着するように茎葉
散布した。薬液風乾後、PDA培地上で培養した菌核病
菌(Sclerotinia sclerotiorum)の菌そうディスクを葉
上に置床接種し、24℃多湿下で4日間保った後、発病
程度を調査した。その結果、無処理区では80%の発病
度であったが、上記化合物を処理した区においてはいず
れも10%未満の発病度であった。
【0028】
【発明の効果】一般式 化3で示されるピラゾリン誘導
体は、植物病害に対して優れた防除効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 43/80 102 A01N 43/80 102 C07D 231/52 C07D 231/52 403/04 207 403/04 207 231 231 405/04 231 405/04 231 409/04 231 409/04 231 413/04 231 413/04 231 417/04 231 417/04 231 (72)発明者 藤村 真 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 高野 仁孝 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 化1 【化1】 〔式中、Arは置換されていてもよい芳香族複素環基を
    表わし、R1 およびR2は、同一または相異なり、C3
    〜C17の置換されていてもよい炭化水素基を表わし、R
    3 およびR4 は、同一または相異なり、水素原子または
    1 〜C5 アルキル基を表わすか、あるいは、R3 とR
    4 が末端で結合して、C2 〜C5 アルキレン基を表わ
    す。〕で示されるピラゾリン誘導体。
  2. 【請求項2】置換されていてもよい芳香族複素環基の置
    換基が、ハロゲン原子、C1 〜C5アルキル基、C1
    5 ハロアルキル基、C1 〜C5 アルコキシ基、C1
    3アルコキシC1 〜C3 アルコキシ基、C1 〜C5
    ロアルコキシ基、C1 〜C5アルキルチオ基、C1 〜C
    5 ハロアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基およびCH
    =CH−CH=CHで示される基から選ばれる1種から
    3種である、請求項1記載のピラゾリン誘導体。
  3. 【請求項3】置換されていてもよい芳香族複素環基の置
    換基が、ハロゲン原子、C1 〜C5アルキル基およびC
    H=CH−CH=CHから選ばれる1種から3種であ
    る、請求項1記載のピラゾリン誘導体。
  4. 【請求項4】芳香族複素環基が、窒素原子、酸素原子ま
    たは/および硫黄原子を1個から3個含む、芳香族複素
    5員環基または芳香族複素6員環基である、請求項1記
    載のピラゾリン誘導体。
  5. 【請求項5】芳香族複素環基が、2−ピリジル基、3−
    ピリジル基、4−ピリジル基、4−ピリミジニル基、4
    −ピリダジニル基、3−ピリダジニル基、2−ピラジニ
    ル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フリル
    基、3−フリル基、1,3−チアゾール−5−イル基、
    4−イソチアゾリル基、1,3−オキサゾール−5−イ
    ル基、4−イソキサゾリル基、4−ピラゾリル基、3−
    ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、5−イミダゾリル
    基または2−ピロリル基である、請求項1記載のピラゾ
    リン誘導体。
  6. 【請求項6】R1 およびR2 が、同一または相異なり、
    3 〜C10のアルキル基、C3 〜C 10のアルケニル基、
    3 〜C10のアルキニル基、同一もしくは相異なる1〜
    21個のハロゲン原子で置換されたC3 〜C10のアルキ
    ル基、同一もしくは相異なる1〜19個のハロゲン原子
    で置換されたC3 〜C10のアルケニル基、同一もしくは
    相異なる1〜17個のハロゲン原子で置換されたC3
    10のアルキニル基、C1 〜C5 アルコキシC2 〜C5
    アルキル基、C1 〜C5 アルキルチオC2 〜C 5 アルキ
    ル基、同一もしくは相異なる1〜11個のハロゲンで置
    換されたC1 〜C5 アルコキシ基を有する、同一もしく
    は相異なる1〜11個のハロゲンで置換されていてもよ
    いC2 〜C5 のアルキル基、同一もしくは相異なる1〜
    11個のハロゲンで置換されたC1 〜C5 のアルキルチ
    オ基を有する、同一もしくは相異なる1〜11個のハロ
    ゲンで置換されていてもよいC2 〜C5 のアルキル基、
    シアノ基で置換されたC2 〜C5 のアルキル基、C1
    5 のアルコキシカルボニル基で置換されたC2 〜C5
    のアルキル基、C3 〜C8 のシクロアルキル基(該シク
    ロアルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、
    不飽和結合を含んでもよい)、フェニル基(該フェニル
    基はハロゲン原子、C1 〜C5 のアルキル基、C1 〜C
    5 のアルコキシ基、C1 〜C5 のアルキルチオ基、C1
    〜C5 のハロアルキル基、C1 〜C5 のハロアルコキシ
    基、C1 〜C5 のハロアルキルチオ基またはシアノ基で
    置換されていてもよい)、またはC7 〜C17のアラルキ
    ル基(該アラルキル基はハロゲン原子、C1 〜C5 のア
    ルキル基、C1 〜C5 のアルコキシ基、C1 〜C5 のア
    ルキルチオ基、C1 〜C5 のハロアルキル基、C1 〜C
    5 のハロアルコキシ基、C1 〜C5 のハロアルキルチオ
    基またはシアノ基で置換されていてもよい)であり、R
    3 およびR4 が、同一または相異なり、水素原子または
    1 〜C5 のアルキル基であるか、あるいは、R3 とR
    4 が末端で結合して、テトラメチレン基、ペンタメチレ
    ン基またはエチレン基である、請求項1記載のピラゾリ
    ン誘導体。
  7. 【請求項7】R1 およびR2 が、同一または相異なり、
    3 〜C10の2級または3級アルキル基である請求項1
    記載のピラゾリン誘導体。
  8. 【請求項8】R1 およびR2 が、同一または相異なり、
    tert−ブチル基、イソプロピル基、1−メチルブチル基
    または sec−ブチル基である、請求項1記載のピラゾリ
    ン誘導体。
  9. 【請求項9】請求項1記載のピラゾリン誘導体を有効成
    分として含有することを特徴とする植物病害防除剤。
  10. 【請求項10】一般式 化2 【化2】 〔式中、Arは置換されていてもよい芳香族複素環基を
    表わし、R2 はC3 〜C 17の置換されていてもよい炭化
    水素基を表わす。〕で示されるピラゾリン化合物。
  11. 【請求項11】置換されていてもよい芳香族複素環基の
    置換基が、ハロゲン原子、C1 〜C5アルキル基、C1
    〜C5 ハロアルキル基、C1 〜C5 アルコキシ基、C1
    〜C3アルコキシC1 〜C3 アルコキシ基、C1 〜C5
    ハロアルコキシ基、C1 〜C5アルキルチオ基、C1
    5 ハロアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基およびC
    H=CH−CH=CHで示される基から選ばれる1種か
    ら3種である、請求項10記載のピラゾリン化合物。
  12. 【請求項12】置換されていてもよい芳香族複素環基の
    置換基が、ハロゲン原子、C1 〜C5アルキル基および
    CH=CH−CH=CHから選ばれる1種から3種であ
    る、請求項10記載のピラゾリン化合物。
  13. 【請求項13】芳香族複素環基が、窒素原子、酸素原子
    または/および硫黄原子を1個から3個含む、芳香族複
    素5員環基または芳香族複素6員環基である、請求項1
    0記載のピラゾリン化合物。
  14. 【請求項14】芳香族複素環基が、2−ピリジル基、3
    −ピリジル基、4−ピリジル基、4−ピリミジニル基、
    4−ピリダジニル基、3−ピリダジニル基、2−ピラジ
    ニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フリル
    基、3−フリル基、1,3−チアゾール−5−イル基、
    4−イソチアゾリル基、1,3−オキサゾール−5−イ
    ル基、4−イソキサゾリル基、4−ピラゾリル基、3−
    ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、5−イミダゾリル
    基または2−ピロリル基である、請求項10記載のピラ
    ゾリン化合物。
  15. 【請求項15】R2 が、C3 〜C10のアルキル基、C3
    〜C10のアルケニル基、C3 〜C10のアルキニル基、同
    一もしくは相異なる1〜21個のハロゲン原子で置換さ
    れたC 3 〜C10のアルキル基、同一もしくは相異なる1
    〜19個のハロゲン原子で置換されたC3 〜C10のアル
    ケニル基、同一もしくは相異なる1〜17個のハロゲン
    原子で置換されたC3 〜C10のアルキニル基、C1 〜C
    5 アルコキシC2 〜C5アルキル基、C1 〜C5 アルキ
    ルチオC2 〜C5 アルキル基、同一もしくは相異なる1
    〜11個のハロゲンで置換されたC1 〜C5 アルコキシ
    基を有する、同一もしくは相異なる1〜11個のハロゲ
    ンで置換されていてもよいC2 〜C5 のアルキル基、同
    一もしくは相異なる1〜11個のハロゲンで置換された
    1 〜C5のアルキルチオ基を有する、同一もしくは相
    異なる1〜11個のハロゲンで置換されていてもよいC
    2 〜C5 のアルキル基、シアノ基で置換されたC2 〜C
    5 のアルキル基、C1 〜C5 のアルコキシカルボニル基
    で置換されたC2 〜C5 のアルキル基、C3 〜C8 のシ
    クロアルキル基(該シクロアルキル基はハロゲン原子で
    置換されていてもよく、不飽和結合を含んでもよい)、
    フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、C1 〜C5
    のアルキル基、C1 〜C5 のアルコキシ基、C 1 〜C5
    のアルキルチオ基、C1 〜C5 のハロアルキル基、C1
    〜C5 のハロアルコキシ基、C1 〜C5 のハロアルキル
    チオ基またはシアノ基で置換されていてもよい)、また
    はC7 〜C17のアラルキル基(該アラルキル基はハロゲ
    ン原子、C1 〜C5 のアルキル基、C1 〜C5 のアルコ
    キシ基、C1 〜C5 のアルキルチオ基、C1 〜C5 のハ
    ロアルキル基、C1 〜C5 のハロアルコキシ基、C1
    5 のハロアルキルチオ基またはシアノ基で置換されて
    いてもよい)である、請求項10記載のピラゾリン化合
    物。
  16. 【請求項16】R2 がC3 〜C10の2級または3級アル
    キル基である請求項10記載のピラゾリン化合物。
  17. 【請求項17】R2 が、tert−ブチル基、イソプロピル
    基、1−メチルブチル基、または sec−ブチル基であ
    る、請求項10記載のピラゾリン化合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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