JPH08300225A - ワイヤ放電加工機の位置決め方法及びその装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工機の位置決め方法及びその装置

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JPH08300225A
JPH08300225A JP12919095A JP12919095A JPH08300225A JP H08300225 A JPH08300225 A JP H08300225A JP 12919095 A JP12919095 A JP 12919095A JP 12919095 A JP12919095 A JP 12919095A JP H08300225 A JPH08300225 A JP H08300225A
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤ電極の振動中心位置へ相対移動して接
触位置を精度良く検出することができるワイヤ放電加工
機機の位置決め方法を提供する。 【構成】 一対のワイヤガイド24,26間に張架され
たワイヤ電極6と被加工物Wを相対移動して放電加工を
行なうワイヤ放電加工機の位置決め方法において、前記
ワイヤ電極を所定のテンション下で走行させるワイヤ走
行ステップと、前記ワイヤ電極と被加工物を相対移動さ
せる相対移動ステップと、振動中心に移動してサーボす
るステップと、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間に
検出電圧を印加して両者間の電圧を検出する電圧検出ス
テップと、前記検出電圧に基づき前記ワイヤ電極の接触
位置を求める接触位置演算ステップとを備えるように構
成する。これにより、ワイヤ電極を加工時と同じ環境下
に置いて、これを走行させながら位置決めを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤ放電加工機の位
置決め方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、略垂直方向に張架されたワイヤ
電極を更新送りしつつこれと被加工物との間に放電現象
を発生させて、あたかも糸ノコのように被加工物に所望
の場所に所望の輪郭形状で加工を施すようにした装置と
して、ワイヤ放電加工機が知られている。この種のワイ
ヤ放電加工機は、非常に加工精度が高く、精密機械加工
に適している。加工を行なうに際しては、被加工物の決
められた箇所に精度良く加工を行うため、加工の位置に
対する基準となる被加工物の基準面または基準孔とワイ
ヤ電極を接触させて、基準位置を求め、その基準位置を
基準として被加工物上の各位置が相対的に決定される。
従って、加工前のこの基準位置の位置決めは、加工精度
に大きな影響を与え、非常に重要な操作となる。
【0003】ここで、図9に基づいて従来のワイヤ放電
加工機の位置決め方法について説明する。図示するよう
に被加工物Wは、X・Yテーブル2上に設けたワークス
タンド4に固定されており、この被加工物Wに臨ませて
ワイヤ電極6を走行させるためのワイヤ供給移送手段8
は、ワイヤボビン9に巻回されたワイヤ電極6を、最下
流の回収ローラ10とピンチローラ12で挟み込んで一
定の力で引っ張ることにより送り出すようになってお
り、途中にプーリ14や、プーリ16、パウダーブレー
キ18及びピンチローラ20よりなるテンション付与機
構22やプーリ21、23を介している。また、被加工
物Wを挟み込むような形で、この上下にはワイヤ電極6
の走行方向を案内する上ガイド24及び下ガイド26が
配置されている。
【0004】更に、上ガイド24の上方には、ワイヤ電
極6と接触してこれに給電を可能とするための給電子2
8が配置されており、この給電子28とワークスタンド
4との間にパルス状の加工電圧を供給する加工電圧供給
部30及び中心位置を決定する時に用いる接触検出部3
2からの給電ラインが接続される。そして、マイクロコ
ンピュータ等よりなるNC装置33は、これらの動作を
制御するものであり、X・Yテーブル2に設けたエンコ
ーダ34からの座標情報に基づいてドライバ38を介し
て駆動モータ36を制御して、ワイヤ電極6と被加工物
Wとの相対位置を制御している。尚、実際には上ガイド
24或いは下ガイド26も移動させて相対位置を制御す
るが、図示例においては説明の簡単化のために記載を省
略している。このような構成において、ワイヤ電極6と
被加工物Wが、最初に接触した位置を接触検出部32で
検出し、ここを基準位置、或いは基準座標として各部の
座標を決定するようになっている。
【0005】ところで、ワイヤ電極のテンションはワイ
ヤ供給側とワイヤ電極巻取り側の間に設けたテンション
付与機構22により与えられるが、ワイヤ電極の供給移
送手段8で送られるワイヤ電極が一対の上下のガイド2
4、26間で僅かに振動することは避けられない。この
振動の原因は、テンションが加えられることによるワイ
ヤ電極の伸びや、給電子28とワイヤ間の摩擦抵抗や、
テンション制御によるテンションの変動等に起因して発
生するが、この振動をできる限り少なくするよう設計し
ても無振動状態にできない。ワイヤの振動周波数は複数
の周波数が混在した状態であるが、約1KHz〜2KH
z程度の振動が位置決め精度に大きく影響する。
【0006】そこで、このようなワイヤ電極の振動を考
慮して、一例として以下のような種々の位置決め方法が
提案されている。特開昭63−93524号公報では、
上下の各接触検出電極を有する治具を用いて、検出しよ
うとする上下の溝幅を対称に設けてあり、そこにワイヤ
電極の走行を止めた状態の接触検出位置と、ワイヤ電極
を走行させた状態で接触検出位置と、ワイヤ電極と走行
させた状態で接触検出位置の差から振動幅を求め、真の
垂直座標を得るようになっている。また、特開平2−1
60423号公報では、ワイヤ電極を走行させながら位
置決めを行うと、走行によってワイヤ電極に微少振動が
発生し、精度及び再現性を低下させてしまうので、ワイ
ヤ電極の走行を停止させて所定の張力を与えた状態にし
つつ位置決めを行なうようにしている構成が提案されて
いる。
【0007】更に、特開平1−306132号公報で
は、ワイヤ電極と検出点が上下に2つ有している垂直出
し用治具とを利用し、ワイヤ電極の垂直出しを行うもの
であって、ワイヤ電極が検出点に接触する回数を例えば
上部のみ、下部のみ、上下両方のみ、上下共に接触無し
の各々がカウントされるようになっており、そして各々
のカウントにより上部ワイヤガイドを前進或いは後退駆
動させてワイヤ電極を垂直に補正するようにした構成が
開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各従来装置には、次のような問題点があった。まず、
第1の特開昭63−93524号公報に示す技術にあっ
ては、ワイヤの走行状態と停止状態で接触させ、これら
の差を持ってワイヤ電極の振動幅と見なし差分を補正し
ようとしている。しかしながら、ワイヤ電極を停止して
位置決めすると、ワイヤ電極を停止させた位置が常に同
じ位置で停止せず振動幅のどこかで止まるので停止位置
が安定しない。この理由は、ガイドの孔径とワイヤ電極
の径に差があること及び、給電子はワイヤ電極軸線上に
張り出しているためにワイヤ電極は常に給電子によりし
ごかれている状態下におかれることにある。また、ゴミ
等の付着物に起因する場合も少なくない。従って、ワイ
ヤ電極が被加工物と接触したときの位置が振動幅のどの
位置で接触したのか確定することができない。すなわち
ワイヤ電極が振動していない場合にあるべき位置までワ
イヤ電極と被加工物をサーボにて相対移動させ位置決め
するものであるが、振動しているワイヤ電極のどの振動
位置で接触したのか不明である。
【0009】また、加工は所定のワイヤ電極送り速度と
所定のテンション下で行われるので、加工を行うときの
走行状態で位置検出しないと加工中の真の中心位置とし
て位置決めできない。 また、第2の特開平2−160
423号公報では、ワイヤ電極を停止させて振動のない
状態で位置決めしているが、この場合にも上記第1の公
報にて説明したように、ワイヤ電極は振動幅のどの位置
で停止するか判らないので停止位置が安定せず、第1の
公報の場合と同様な問題点を有する。また、第3の特開
平1−306132号公報では、垂直出し操作は、ワイ
ヤ電極を停止させた状態でなされており、この場合にも
前述したと同様な問題点が生ずる。
【0010】本発明は、以上のような問題点を解決すべ
く創案されたものである。本発明の目的は接触位置決め
の際、ワイヤ電極を加工時と同じ環境下に置きワイヤ電
極を走行させながらワイヤ電極の接触位置を検出するこ
とにより、ワイヤ電極の振動による検出誤差をなくすこ
とのできるワイヤ放電加工機の位置決め方法とその装置
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決するために、一対のワイヤガイド間に張架されたワイ
ヤ電極と被加工物を相対移動して放電加工を行なうワイ
ヤ放電加工機の位置決め方法において、前記ワイヤ電極
を所定のテンション下で走行させるワイヤ走行ステップ
と、前記ワイヤ電極と被加工物を相対移動させる相対移
動ステップと、振動中心移動してサーボするステップ
と、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間に検出電圧を
印加して両者間の電圧を検出する電圧検出ステップと、
前記検出電圧に基づき前記ワイヤ電極の接触位置を求め
る接触位置演算ステップとを備えるように構成したもの
である。
【0012】
【作用】以上のように構成することにより、位置決め時
には、ワイヤ電極を所定のテンション下で走行させつつ
ワイヤ電極と被加工物とを相対移動させる。この相対移
動時には、ワイヤ電極と被加工物との接触・離反の繰り
返し動作をするサーボで両者の移動を制御する。そし
て、この接触・離反時の各位置座標を記憶しておき、所
定の回数の位置座標を検出したならば、不定振幅による
中心位置への移動制御のばらつきを平均化する演算をす
ることにより、接触位置を求めることが可能となる。こ
の場合、接触・離反操作中において、相対移動量が許容
量を逸脱した場合にはエラーとし、基準位置となる初期
座標を設定し直して再実行する。これにより、ワイヤ電
極を加工時と同じ環境下に置き、ワイヤ電極を走行させ
ながらこの接触位置を求めることが可能となる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明に係るワイヤ放電加工機の位
置決め方法及びその装置の一実施例を添付図面を参照し
つつ説明する。図1は本発明の係るワイヤ放電加工機の
位置決め装置を示す概略構成図、図2は図1に示す位置
決め装置の制御ユニットを示すブロック構成図である。
尚、図9にて示した部分と同一部分については同一符号
を付して説明する。
【0014】図示するようにこのワイヤ放電加工機は、
基台40上に設置したX・Yテーブル2を有しており、
この上にワークスタンド4を介して被加工物Wを固定し
ている。このX・Yテーブル2は、テーブルを動かすボ
ールネジ42とこれを回転駆動するステップモータの如
き駆動モータ36を有し、X方向及びこれに直交するY
方向の任意の位置に移動し得るようになっている。被加
工物Wの位置(座標)は、それぞれの駆動モータ36に
設けたエンコーダ34(図中においては一方のみ示す)
により検出される。尚、図示例の移動機構では、X・Y
テーブル2のみ移動できるようになっているが、実際
は、上ガイド24或いは下ガイド26も移動できるよう
になっており、これらの相対移動によって位置制御され
るが、図示例では、説明の容易化のためにガイドの移動
機構を省略している。
【0015】一方、被加工物Wに臨ませて、ワイヤ電極
Wを走行させるためのワイヤ供給移送手段8は、ワイヤ
ボビン9に巻回されたワイヤ電極6を、最下流の回収ロ
ーラ10とピンチローラ12で挟み込んで一定の力で引
っ張ることにより送り出すようになっており、途中にプ
ーリ14や、プーリ16、パウダーケーキ18及びピン
チローラ20よりなるテンション付与機構22やプーリ
21、23を介設している。また、被加工物Wを挟み込
むような形で、この上下にはワイヤ電極6の走行方向を
案内する上ガイド24及び下ガイド26が配置される。
更に、上ガイド24の上方には、ワイヤ電極6と接触し
てこれに給電を可能とするための給電子28が配置され
ており、この給電子28とワークスタンドとの間にパル
ス状の加工電圧を供給するための加工電圧供給部30及
び中心位置を決定する時に用いる、位置決め装置42の
一部を構成する接触検出部32からの給電ラインが接続
される。
【0016】そして、マイクロコンピュータ等よりなる
NC装置33は、これらの動作を制御するものであり、
X・Yテーブル2に設けたエンコーダ34からの座標情
報を基にドライバ38を介して駆動モータ36を制御し
て、ワイヤ電極6と被加工物との相対位置を制御する。
また、NC装置33は、本発明の一部を構成する移動機
構制御部41を内蔵する。この移動機構制御部41は、
上記接触検出部32からの信号を受けてワイヤ電極6と
被加工物Wとの接触状態の時間をカウントする接触状態
カウント部44とこれらの非接触状態の時間をカウント
する非接触状態カウント部46と、それぞれのカウント
値が所定時間に達する毎に、前進パルス或いは後退パル
スを出力する移動制御部48とにより主に構成されてお
り、両者が接触しない時は前進パルスを出力し、接触し
た時には後退パルスを出力して両者が付かず離れずの関
係を維持するように制御している。
【0017】上記した制御系は、機械部の制御系である
が、次に、接触位置を求める本発明の特徴とする演算ユ
ニット50の構成について図2を参照して説明する。図
2は演算ユニット50を示すブロック構成図である。こ
の演算の概要について説明すると、まず、ワイヤ電極と
被加工物とが接近して最初に接触するとその座標値が記
憶され、その後、連続的に入力されてくる座標値を所定
の数だけ記憶する。この間は、前述のようにワイヤ電極
と被加工物は付かず離れずの相対移動制御が行われてお
り、そして、所定の数の座標値を記憶したならば、この
平均値を求めて、目的とする接触位置座標を求める。た
だし、所定の数の座標値を求めるに当たり、各種のエラ
ー要素が侵入する恐れがあるので、複数のチェック工程
を設けておく。例えば基準座標として第1と第2の初期
座標を設けて、これらの座標値を中心とした所定の許容
範囲以外に座標値が逸脱した場合や、付かず離れずの動
作途中において前進方向或いは後退方向に所定の数だけ
連続的に移動パルスが発生した場合等をエラーとし、こ
の場合には再度、座標値の検出動作を行なうようになっ
ている。
【0018】まず、図中、第1の初期座標記憶部52
は、ワイヤ電極と被加工物が最初に接触して接触信号が
きた時の座標値を記憶するメモリであり、ここで記憶さ
れた第1の初期座標を基に、最大許容範囲が決められ
る。この座標値は、後述するようにエラーが発生しても
更新されることはなく、固定値となる。第2の初期座標
記憶部54は、基準となる第2の初期座標を記憶するメ
モリであり、この座標値は、第1の初期座標とは異な
り、エラー信号が入力される毎にその座標値が更新され
て新しい座標値となる。
【0019】広域許容範囲記憶部56は、上記第1の初
期座標を中心として現在の座標値が取り得る最大の許容
範囲を記憶するメモリであり、本実施例ではこの広域許
容範囲を記憶するメモリであり、本実施例ではこの広域
許容範囲は例えば±9μmの範囲に設定される。狭域許
容範囲記憶部58は、上記第2の初期座標を中心として
現在の座標値が取り得る許容範囲を記憶するメモリであ
り、この許容範囲は上記広域許容範囲よりも狭く設定さ
れており、本実施例ではこの狭域許容範囲は例えば±4
μmの範囲に設定されている。
【0020】第1の初期座標比較部60は、現在の座標
値が、上記第1の初期座標を基準として定まる上記広域
許容範囲内に納まっているか否かを比較判断するもので
あり、この許容範囲を逸脱した時には、エラー信号を出
力する。第2の初期座標比較部62は、現在の座標値
が、上記第2の初期座標を基準として定まる上記狭域許
容範囲内に納まっているか否かを比較判断するものであ
り、この許容範囲を逸脱した時には、エラー信号を出力
する。
【0021】連続値カウンタ部64は、座標値が上記広
域及び狭域許容範囲内に入った状態で所定の回数だけ連
続的に増加或いは減少した時の数をカウントするもので
あり、従って、このカウンタ部64は、連続増加数をカ
ウントする連続増加カウンタ64Aと、連続減少数をカ
ウントする連続減少カウンタ64Bを内蔵している。連
続値比較部66は、上記カウンタ部64のカウント値が
所定値になった時にエラー信号を出力するものであり、
この比較部66は、上記2つのカウンタ64A,64B
に対応させて連続増加比較器66Aと、連続減少比較器
66Bとを内蔵している。本実施例では、設定値は、例
えば[3]に設定されている。
【0022】座標検出回数記憶部68は、ワイヤ電極と
被加工物とが最初に接触した後の、サンプリングによる
座標の検出回数を記憶するメモリであり、このメモリ内
容は、エラー信号が検出される毎にリセットされる。座
標記憶部70は、上記ワイヤ電極と被加工物が最初に接
触した後において、検出された座標値を記憶するメモリ
であり、このメモリ内容はエラー信号が検出される毎に
リセットされる。リセット部72は、各部からエラー信
号が入力される毎に上記記憶部68、70の内容をリセ
ットするものである。
【0023】検出回数比較部74は、座標検出回数記憶
部の値が所定値に達したか否かを比較判断するものであ
り、本実施例では例えば所定値として[100]が設定
されている。接触位置演算処理部76は、上記検出回数
比較部74にて検出回数が設定値に達したと判断した時
に、上記座標記憶部70に記憶されている座標値の平均
を求めて目的とする接触位置を求める演算処理を行な
う。この演算結果は、ディスプレイ等の表示部78に表
示され、オペレータに知らせる。また、エラー回数記憶
部80は、各部から出力されたエラー回数を記憶するメ
モリである。
【0024】エラー回数比較部82は、上記エラー回数
記憶部80の値が所定値に達したか否かを比較判断する
ものであり、所定値に達したならば、その旨を装置全体
の動作を制御する図示しないホストコンピュータ等に知
らせてこの動作全体を停止させる。この実施例では、所
定値は例えば[5]に設定される。
【0025】次に、以上のように構成された装置により
行われる本発明の位置決め方法において説明する。この
装置は、ワイヤ電極と被加工物が接触した後は、これら
が付かず離れずの相対移動を行なうように機械部の振動
中心移動制御と、接触時における接触位置の演算処理と
を同時に行なう。図3はこの時のフローを示しており、
CPUのマルチタスク処理により、上記制御及び処理が
並列に行われている。まず、初めに処理プログラムのS
T−FLG(接触フラグ)及びEND−FLG(終了フ
ラグ)を共に[0]にすることにより、初期設定する。
すると、両者の振動中心移動制御(S200)及び接触
位置演算処理(S500)は、上記END−FLGが
[1]でない限りは繰り返し行なわれる。そして、EN
D−FLGに[1]が立つと、S300及びS600の
判断がNOとなり、動作が終了することになる。
【0026】次に、図4乃至図6に基づいて、上記S2
00にて行われる振動中心移動制御について詳しく説明
する。図4はこの振動中心移動制御を示すフロー、図5
はワイヤ電極の振動と接触検出信号との関係を示す図、
図6はワイヤ電極の振動と各カウンタ部のカウント値と
の関係を示すグラフである。前述のようにここではワイ
ヤ電極6と被加工物Wとが最初に接触すると、それ以後
は、両者が付かず離れずの状態となるように制御され
る。
【0027】まず、S201では、内部カウンタとして
図1に示す接触状態カウント部44(以下、CNT−B
Kと称す)と非接触状態カウント部46(以下、CNT
−GOと称す)とを[0]として初期設定する。また、
F値を例えば100に設定する。ここで、F値は、サー
ボモータの送り速度を意味しており、1分間にモータへ
の出力パルスをどれだけの周期で出力するかが決定され
る。この場合、F値を100に設定すると、2mm/m
inの速度となるような間隔でパルスが出力される。
【0028】S202ではEND−FLGが[0]か否
か判断され、この場合[0]とする処理がなされていな
いので[Y]の方に実行される。S203では接触検出
部(極間)32での接触信号があるか否かの判断処理す
るところである。ここで、接触信号でない場合(NO)
には、S204ではCNT−GOカウンタ46に1をカ
ウントする処理がなされる。
【0029】S205では、前記カウンタ46のカウン
ト値と設定値とを移動制御部50にて比較判断処理する
ところである。この場合、設定値Fとして、上述のよう
に例えば100が入力されているとすると、設定値10
0になるまでS202〜S205の処理を繰り返す。
尚、設定値100とは前述のようにサーボのF値(送り
速度)を意味しており、1分間にモータへの出力パルス
をどれだけの周期で出力すれば所定のF値とすることが
できるか決定するための値である。この場合は設定値1
00にすると2mm/minの値で前進サーボが実行さ
れることになる。また、本実施例ではS202〜S20
5までの1ループに要する時間は、300μsである。
【0030】S206では、CNT−GOが100にな
った時点(Y)でモータへ前進パルスを1パルス発信さ
せる処理であり、この処理が実行されるまでは同じ位置
を維持しつづけることになる。つまり、モータの前進パ
ルスを出力するまではS202〜S205の処理を実行
しており、その処理のループ回数が、前記F値が2mm
/minとなるようにタイミングを図っていることを意
味している。ここでは、移動制御50からドライバ38
を介してモータ36に実際に前進パルスが1つ出力され
る。S207では、CNT−GOカウンタ46をクリア
する処理を行っている。尚、ここで、CNT−BKカウ
ンタ44もクリアするようにしてもよい。
【0031】S208では、前記接触検出部32からの
接触信号があった場合、すなわちS203にてYESの
場合、STフラグが[0]であるか否かを判断する。S
208でYESの場合には、S209に行き、S209
では、STフラグを[1]とする処理をしている。これ
により、ワイヤ電極と被加工物とが初めて接触した事を
示す。S210ではCNT−BKカウンタに1をカウン
トする。S211では前記S205での処理と同様に実
行するが、この処理では後退用の処理をするものであ
る。すなわち、カウンタ44のカウント値が所定値10
0に達したか否を判断する。
【0032】S212では前記S206と同様な処理を
実行するが、ここでは後退の処理をするものである。す
なわち、カウント値が100に達すると、後退パルスを
1つ出してモータを後退させ、両者を離す方向へ移動す
る。S213では前記S207と同様な処理を実行し、
CNT−BKカウンタをクリアする。尚、ここでCNT
−GOカウンタもクリアするようにしてもよい。すなわ
ち、上記の一連の処理における動作をまとめて説明する
と、S203の接触検出の判断により、前進側ループ回
数頻度が高い場合は、モータへの前進出力用パルス数が
増加し,接触検出しようとするものに対して接近し、逆
に後退側ループ回数頻度が高い場合は、モータへの後退
出力用パルス数が増加し、接触検出しようとするものに
対して離れるような動作となる。このような動作を繰り
返すことによって、ワイヤ電極と被加工物とは、一旦接
触した後は、付かず離れずの状態となるようにそれらの
相対移動が制御されることになる。つまり、ワイヤ電極
の振動による接触回数がサーボバックまたは前進を左右
し、結果として、ワイヤ電極の振動中心位置でワイヤ電
極と被加工物はとどまるように動作する。
【0033】図5にこの時のワイヤ電極6の振動状態と
接触検出信号の状態との関係を示す。図示するように、
図中右側よりワイヤ電極6に対して被加工物Wが次第に
接近していくと、A地点などのように接触初期の段階で
は、ほとんど無負荷状態であり、たまに両者が接触して
ショート状態となる。更に、被加工物Wの移動が進んで
例えばB地点に達すると、無負荷状態とショート状態が
時間的に略同じとなる。そして、更に被加工物Wの位置
が進んで例えばC地点に達すると、A地点の場合と逆に
なり、ショート状態の時間が非常に長くなる。
【0034】さて、このような接触状態の時の各カウン
タ部のカウンタ値の変化について図6を参照して説明す
る。ここでは、ワイヤー電極の振動周波数を2KHz、
サーボ動作周波数を100Hz、接触検出周波数(サン
プリング周波数)を100KHzとした時の各地点のタ
イミングチャートを表している。尚、タイミングチャー
ト中、略右半分のエリアは、時間を圧縮して記載してい
る。また、Fの設定値は100ではなく、1000と
し、カウント値が1000に達する毎に前進或いは後退
パルスを1つ出力するようになっている。図から明らか
なように両カウンタ部44、46のカウント値は、相補
的に増加し、相互に一方のカウント値が増加する時は他
方のカウント値は停止する関係にある。A地点に示す場
合には、前述の図5で説明したように両者は僅かな時点
でしか接触しないので、CNT−GOカウンタ部(非接
触状態カウント部)46のカウンタ値は急激に増加する
のに対して、CNT−BKカウンタ部(接触状態カウン
ト部)44のカウンタ値の増加は遅い。そして、早く設
定値1000に到達した方のカウンタ部、この場合は、
CNT−GOカウンタ部46に対応したパルス、すなわ
ちここでは前進パルスが1発出力される。
【0035】また、B地点に示す場合には、ワイヤ電極
と被加工物との接触・非接触の時間は略同等なので、両
カウンタ部44、46の値は略同じ速度で増加してい
る。すなわち、このB地点では、被加工物Wの先端はワ
イヤ電極の略振動中心位置なので、両者が接触状態とな
る時間と非接触状態となる時間が略同じとなる。換言す
れば接触状態の時間の増加量と非接触状態の時間が略同
じとなる。すなわち、このB地点の座標が、加工に先立
って求めるべき接触位置(基準位置)である。更に、C
地点に示す場合には、先のA地点の場合と、逆のカウン
ト状態を示し、CNT−BKのカウント値が急激に増加
することになる。このような動作を行うことにより、ワ
イヤー電極と被加工物とが付かず離れずの状態となるよ
うにその相対移動が制御される。
【0036】次に、上記したような振動中心移動制御と
並列的に処理される接触位置を求めるための演算処理の
フローについて、図7を参照して説明する。まず、S5
01にて、n、E、ΣB、C、Dの各変数値を[0]に
初期設定し、各記憶部68、80、70及び各カウンタ
64A、64Bの値をクリアする。ここで、nはワイヤ
−被加工物間の最初の接触後の座標検出回数であり座標
検出回路記憶部68に記憶されている値、Eは出力され
たトータルのエラー回数であり、エラー回数記憶部80
に記憶される値、ΣBは座標記憶部70に記憶される座
標値、Cは座標値が連続的に増加した時のサンプリング
数(パスP1を連続的に通った回数)であり、Dは座標
値が連続的に減少した時のサンプリング数(パスP3を
連続的に通った回数)であり、連続減少カウンタ66B
に記憶されている値である。S502は,ST−FLG
の状態が判断され、前述の振動中心移動制御(図4)に
おいて最初の接触信号が検出されるとST−FLG=1
になることから、最初の接触信号がくるまでの待機処理
である。そして、ST−FLG=1になると、次の処理
であるS503へ移行する。
【0037】S503では極間での最初の接触信号が入
力されたと同時に、第1の初期座標記憶部52にそのと
きの接触位置の座標値が取り込まれて格納される。尚、
この値は、処理が完全に終了するまでは固定となってい
る。S504では上記S503と同様な処理が行われ、
第2の初期座標記憶部54にその時の座標値が格納され
る。尚、この値は、エラーが生ずる毎に更新される。こ
こで初期座標値として第1及び第2の2つの初期座標値
を設ける理由は、先ず第1の初期座標値は、次々と取り
込まれる座標値に対して、ある程度の精度をもたせて、
後述する比較判断処理ルートS508、S509で判断
する際に、仮の基準ラインを設けておく必要があるから
である。すなわち、基準ラインが仮に第1の初期座標値
だけであると、エラーが発生する度に基準ラインが変化
してしまい、これでは座標値の計算上ばらつきが大きく
なり、結果として信頼性に欠けるからである。
【0038】S505ではエラー回路比較部82にてエ
ラー発生回数Eを設定値と比較判断する。ここで、5回
以上エラーが発生していれば、操作は完全にストップす
る。S506では検出回数比較部74にてループの回
数、すなわち座標検出回数nを設定値[100]と比較
判断する。S507では極間で検出された座標値(n)
を取り込み座標記憶部70へ格納する。S508では第
1の初期座標比較部60にて次々と取り込まれる座標値
(n)が一番最初の第1の初期座標値である仮の基準ラ
イン(固定で不変のものである)より限度幅±9μm以
内に入っているかどうかを比較判断する。この限度幅
は、広域許容範囲記憶部56に記憶されている。
【0039】S509では、第2の初期座標比較部62
にて処理動作としてエラールートに入ってきたときだけ
更新される第2の初期座標値と、S507の処理で次々
と座標を取り込み入力される座標値(n)とが比較され
る。尚、この初期座標値は、エラー回数5回までは更新
される。そして更に、S508で取り込んだ座標値
(n)が、更に小さい第2の初期座標値用の限度幅±4
μm以内に入っているかどうかを比較判断する。この限
度幅は、狭域許容範囲記憶部58に記憶されている。こ
のようにS508、S509の比較判断処理を経ること
で、まず第1の初期座標で大枠の仮の基準幅を設定し、
この枠内で第2の初期座標がさらに小さい枠の基準幅を
設定する。これにより第2の初期座標はエラー毎に前記
大枠の範囲内で小さい枠の基準幅をエラー5回迄の間で
変位させ、良好な座標値を得るよう集束させて、ふるい
にかける作用を促している。すなわち、次々と入力した
座標値がある程度の精度をもって計算上ばらつきが無い
ようにする。
【0040】S510では座標値比較部63にて座標値
(n)とその直前の座標値(n−1)との比較判断の処
理を行う。ここで比較結果は、3つのパターンに分類さ
れる。すなわち、座標値(n)>座標値(n−1)の場
合(パスP1)、座標値(n)=座標値(n−1)の場
合(パスP2)、座標値n<座標値(n−1)の場合
(パスP3)である。S512では、連続値カウンタ部
64にて上記パスP1を通った連続回数Cをカウント
し、この値Cは連続増加カウンタ64Aに格納され同時
に、他方のカウンタ64Bの値Dをクリアする。S55
1では上記パスP3を通った連続回数Dをカウントし、
この値Dは連続減少カウンタ64Bに格納され、同時
に、他方のカウンタ64Aの値Cをクリアする。
【0041】S513、S514では、連続値比較部6
6にて上記S511、S512のカウント数と設定値
[3]との比較判断の処理を行う。そして、S513と
S514のどちらかの式を満たしたならば、エラーとな
り、エラー信号を出力する。S515では、座標検出回
数記憶部68におけるループ回数nをカウントアップす
る処理を行う。S516では、エラー回数記憶部80に
てエラー回数をカウントする処理を行っている。S51
7では、リセット部72にて、エラーのルートを通って
きたことにより演算処理に関わる変数を全てクリアーの
状態とし、初期状態に設定する。そして上記S504か
ら再度、演算処理に入る。
【0042】S518では、ループ回数nが設定値[1
00]以上になった時、いままで座標記憶部70に格納
しておいた座標値の平均値を接触位置演算処理部76に
て演算して求め、この値を出力する。そしてこの結果は
CRT等の表示部78の画面上に表示するようにする。
S519ではEND−FLG=1として図3に示すよう
に振動中心位置移動制御及び接触位置演算処理フローが
終了する。
【0043】ここで、上記エラー判断の状況を図8を参
照して具体的に説明する。図中、黒丸は、座標値を示
す。 a.エラー判断1の説明. 図8(A)は複数の検出座標に対するS507〜S51
4間の工程における処理状況を示している。先ず、S5
03、S504にて第1及び第2の初期座標が入力さ
れ、比較判断処理を行うための仮の基準ラインが設定さ
れる。続いてS505〜S509までを順当に進みS5
10に来ると、比較判断の上、3つのパターンに振り分
けられる。今、ループが第1回目として考えると、P2
の処理ルートになる。そして、S513、S514を経
て、S515にてループカウントに1が加算され、S5
06の処理に入る。ここで、ループ回数が比較判断され
て、次番目のメモリに座標値を格納する。仮に初期座標
より大きい座標値であったとして、S510で比較判断
処理が行われ、P1の処理ルートへ入る。そして、S5
12の処理がおこなわれてCが+1、Dが0となる。図
では5回の処理がなされた結果、5回とも同じ座標値で
あることが示されている。第6回目以降は比較判断の結
果、徐々に座標値が増大していることが理解できる。す
なわち、Cが+1ずつ増加している。
【0044】この場合、連続3回して座標値が増大し、
C=3となることから、S513の比較処理でNOのル
ートへ移行し、エラー処理となる。仮に座標値の増大方
向が+と考えると、最初の接触基準位置に対して、ワイ
ヤ電極を押し付けている状態となる。逆に−方向では前
記基準位置から離れることになる。
【0045】b.エラー判断2の説明. 図8(B)は、S508での比較判断の処理を示してい
る。初めの点は上記で説明した通りでS503〜S50
7までの処理は同じである。次に第3回目になると、第
1の初期座標(基準座標ライン)に対して、第3回目に
取り込んだ座標値(3)が広域許容範囲である±9μm
の外に出てしまい、エラーとなってエラーカウントされ
る。そして今までの演算に必要な変数はクリアーされ、
第2の初期座標の基準ラインが次に取り入れられた座標
値に更新される。その後の処理は上記と同じように行わ
れる。そしてエラーによって更新された第2の初期座標
値の後、第2〜第5回目とエラーが続きカウントオーバ
ーでエラーストップとなる。
【0046】c.エラー判断3の説明. 図8(C)は、S509での比較判断の処理を示してい
る。ここでは大枠の第1の初期座標の基準幅内であっ
て、更にその幅内に狭い基準幅を設けた第2の初期座標
値についての説明を表している。ここで、S508の比
較判断処理を経ていることが前提となって説明すると、
先ず、第1回目の点は上記S508と同様になる。そし
て第2回目は取り込んだ座標値(2)が第2の初期座標
の基準幅(狭域許容範囲)から外れてエラーとなり、エ
ラールートに入る。エラーが1つカウントアップされた
後、前記変数がクリアーされる。しかる後に取り込んだ
座標を次の新たな第2の初期座標として更新する。今度
は更新した第2の初期座標が新らたな基準ラインとな
り、従って、狭域許容範囲も変動する。
【0047】このようにして、本発明ではワイヤ電極を
加工時と同じ環境下に置き、ワイヤ電極を走行させなが
らこれに被加工物を付かず離れずの状態に制御しながら
座標を求めるようにしたので、ワイヤ電極の振動による
検出誤差を抑制して振動中心位置にサーボすることで、
接触位置が精度良く決定することが可能となる。
【0048】尚、上記実施例では、S515から直接、
S506に入っているが、この間にディレイを行なうデ
ィレイタイム挿入ステップを設けるのが好ましい。これ
は、先に説明したサーボフローのところで、前進後退の
サーボ駆動させる処理と、座標値の取り込み処理との時
間にタイミングを図るために、例えば、サーボモータの
送りパルス一発が出力する時間(ループ回数の設定値に
より変化する、所謂F値)より座標値の取り込み処理時
間が早すぎると、前記モータ駆動パルスが出力されない
間(モータは止まっている状態)座標の取り込みが終っ
てしまい、演算処理ループ回数の設定値100回分同じ
座標値が取り込まれてしまうことになるため、これを回
避するためのものである。
【0049】ところで、上記説明したフローは、例えば
図6に示す図において、被加工物WがA地点とC地点と
の間の往復緯移動を繰り返しつつ相対移動して最終的に
接触位置(B地点)の座標を求めることをプログラム上
保証したものであるが、ワイヤ電極Wの振動状態が比較
的規則正しい状態であれば、A地点からB地点へワイヤ
電極が相対移動するに従って、CNT−BKカウンタ部
及びCNT−GOカウンタ部のカウント値も図6に示す
ようにA地点の波形からB地点の波形へスムーズに移行
する。従って、この場合には、C地点側にワイヤ電極が
相対移動することなく最終目的とする接触位置が求めら
れることになる。
【0050】また、ワイヤ電極と被加工物との接触状態
の時間をカウントするCNT−BKカウンタ部のカウン
ト値の増加量と、両者が非接触状態の時間をカウントす
るCNT−GOカウント部のカウント値の増加量が略同
じになった時、換言すれば、図6中のB地点の波形が示
すように両カウント部の増加量が略同じになった時の座
標位置を接触位置として決定するプログラムを組み込む
ようにしておいてもよい。このように構成することによ
り、前述と同様に、ワイヤ電極が比較的規則正しい振動
をしている場合には、ワイヤ電極がA地点からB地点へ
相対移動するにつれて、カウンタ部の値はA地点の波形
からB地点の波形へスムーズに移行し、B地点の近傍に
おいては両カウンタ部の増加量が略同じとなり、これに
より即座にこの地点を求めるべき接触位置として決定す
ることができる。この時、ワイヤ電極と被加工物の相対
移動は停止させればよい。
【0051】更には、上記したように接触或いは非接触
状態の時間をカウントするのではなく、所定時間、例え
ば10msec(秒)毎のワイヤ電極と被加工物間の電
圧の平均値を求め、これが印加電圧の略1/2になった
時に、ワイヤ電極と被加工物の相対移動を停止させるよ
うにして、接触位置を求めるようにしてもよい。また、
上記した各設定値は単に一例を示したに過ぎず、これら
に限定しないのは勿論である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のワイヤ放
電加工機の位置決め方法及びその装置によれば次のよう
に優れた作用効果を発揮することができる。ワイヤ電極
を走行させて加工時と同じ状況下にし、しかも進退サー
ボ動作によって接触・離反を繰り返しつつ付かず離れず
の状態を維持させているので、ワイヤ電極の振動によっ
て常に検出点が変化しているにもかかわらず、正確に振
動中心位置へ移動して接触位置を決定することができ
る。また、ワイヤ電極と被加工物とが最初に接触した座
標を基準として広い許容範囲を定め、更に、この範囲内
にエラーにより更新可能に狭い許容範囲を設定して検出
された複数の座標値から振動中心位置を求めるようにし
たので、その精度を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤ放電加工機の位置決め装置
を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す位置決め装置の制御ユニットを示す
ブロック構成図である。
【図3】位置決め装置が行なう並列処理を示すフローで
ある。
【図4】振動中心移動制御を示すフローである。
【図5】ワイヤ電極の振動と接触検出信号との関係を示
す図である。
【図6】ワイヤ電極の振動と各カウント部のカウント値
との関係を示すグラフである。
【図7】接触位置を求めるための演算処理を示すフロー
である。
【図8】各種エラー状況を説明するための図である。
【図9】従来のワイヤ放電加工機の位置決め装置を示す
概略構成図である。
【符号の説明】
2 X・Yテーブル 6 ワイヤ電極 24 上ガイド 26 下ガイド 32 接触検出部 34 エンコーダ 36 駆動モータ 41 移動機構制御部 42 位置決め装置 44 接触状態カウント部 46 非接触状態カウント部 48 移動制御部 52 第1の初期座標記憶部 54 第2の初期座標記憶部 56 広域許容範囲記憶部 58 狭域許容範囲記憶部 60 第1の初期座標比較部 62 第2の初期座標比較部 63 座標比較部 64 連続値カウンタ部 64A 連続増加カウンタ 64B 連続減少カウンタ 66 連続値比較部 66A 連続増加比較器 66B 連続減少比較器 68 座標検出回数記憶部 70 座標記憶部 72 リセット部 74 検出回数比較部 76 接触位置演算処理部 80 エラー回数記憶部 82 エラー回数比較部 W 被加工物

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のワイヤガイド間に張架されたワイ
    ヤ電極と被加工物を相対移動して放電加工を行なうワイ
    ヤ放電加工機の位置決め方法において、前記ワイヤ電極
    を所定のテンション下で走行させるワイヤ走行ステップ
    と、前記ワイヤ電極と被加工物を相対移動させる相対移
    動ステップと、振動中心に移動してサーボするステップ
    と、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間に検出電圧を
    印加して両者間の電圧を検出する電圧検出ステップと、
    前記検出電圧に基づき前記ワイヤ電極の接触位置を求め
    る接触位置演算ステップとを備えるように構成したこと
    を特徴とするワイヤ放電加工機の位置決め方法。
  2. 【請求項2】 前記接触位置演算ステップが、前記検出
    電圧に基づいて接触と非接触とに分別し、前記接触状態
    及び非接触状態の時間をそれぞれカウントするステップ
    と、前記カウント値が各々に対して設けた設定値に達す
    る毎に前記ワイヤ電極と前記被加工物を接近または離反
    させるステップと、前記接近と離反の位置座標を所定時
    間毎に記憶していく記憶ステップと、前記記憶ステップ
    で記憶した位置座標から演算により接触の振動中心位置
    を求めるステップとを備えるように構成したことを特徴
    とする請求項1記載のワイヤ放電加工機の位置決め方
    法。
  3. 【請求項3】 前記記憶ステップは、エラー認定がなさ
    れた時に、前記位置座標の記憶内容をクリアするクリア
    ステップを有することを特徴とする請求項2記載のワイ
    ヤ放電加工機の位置決め方法。
  4. 【請求項4】 前記エラー認定は、前記ワイヤ電極と前
    記被加工物が最初に接触した時の第1の初期座標に対し
    て、現在の座標値が所定の広域許容範囲内から逸脱した
    場合を含むことを特徴とする請求項3記載のワイヤ放電
    加工機の位置決め方法。
  5. 【請求項5】 前記エラー認定は、エラーが認定される
    毎に座標値が、更新される第2の初期座標に対して、現
    在の座標値が所定の狭域許容範囲内から逸脱した場合を
    含むことを特徴とする請求項3または4記載のワイヤ放
    電加工機の位置決め方法。
  6. 【請求項6】 前記エラー認定は、所定の回数だけ連続
    して座標値が増加した場合を含むことを特徴とする請求
    項3乃至5記載のワイヤ放電加工機の位置決め方法。
  7. 【請求項7】 前記エラー認定は、所定の回数だけ連続
    して座標値が減少した場合を含むことを特徴とする請求
    項3乃至6記載のワイヤ放電加工機の位置決め方法。
  8. 【請求項8】 一対のワイヤガイド間に張架されたワイ
    ヤ電極と被加工物間を相対移動して放電加工を行なうワ
    イヤ放電加工機の位置決め方法において、前記ワイヤ電
    極を所定のテンション下で走行させるワイヤ走行ステッ
    プと、前記ワイヤ電極と前記被加工物との間に電圧を印
    加し、前記ワイヤ電極と前記被加工物の接触状態または
    非接触状態を所定時間検出する検出ステップと、前記所
    定時間内に検出された状態に応じて前記ワイヤ電極と被
    加工物を接近または離反移動させるステップと、前記所
    定時間内に検出された前記接触状態と前記非接触状態が
    略同じになったとき、前記ワイヤ電極と前記被加工物の
    接近または離反移動を停止するステップとを備えたこと
    を特徴とするワイヤ放電加工機の位置決め方法。
  9. 【請求項9】 前記所定時間内において、接触状態の時
    間と非接触時間の状態が略同じであるときに接近または
    離反移動を停止することを特徴とする請求項8記載のワ
    イヤ放電加工機の位置決め方法。
  10. 【請求項10】 前記所定時間内において、前記ワイヤ
    電極と前記被加工物との間の電圧の平均値が印加電圧の
    略1/2であるときに接近または離反移動を停止するこ
    とを特徴とする請求項8記載のワイヤ放電加工機の位置
    決め方法。
  11. 【請求項11】 一対のワイヤガイド間に張架されたワ
    イヤ電極と被加工物を移動機構により相対移動して放電
    加工を行なうワイヤ放電加工機の位置決め装置におい
    て、前記ワイヤと前記被加工物との接触を検出する接触
    検出部と、前記接触検出部の出力に基づいて前記ワイヤ
    電極と前記被加工物との接触・離反を繰り返しつつこれ
    らを相対移動させる移動機構制御部と、前記ワイヤ電極
    と前記被加工物とが最初に接触した時の座標を記憶する
    第1の初期座標記憶部と、エラーが検出される毎に現地
    の座標に内容が更新される第2の初期座標記憶部と、前
    記第1の初期座標に対する広域許容範囲を記憶する広域
    許容範囲記憶部と、前記第2の初期座標に対する狭域許
    容範囲を記憶する狭域許容範囲記憶部と、現在の座標値
    が、前記第1の初期座標を基準として定まる前記広域許
    容範囲から逸脱した時にエラー信号を出力する第1の初
    期座標比較部と、現在の座標値が、前記第2の初期座標
    を基準として定まる前記狭域許容範囲から逸脱した時に
    エラー信号を出力する第2の初期座標比較部と、連続的
    に入力してくる座標値の大小を比較する座標値比較部
    と、この比較部の出力に基づいて、座標値が前記広域及
    び狭域許容範囲内に入った状態で所定の回数だけ連続的
    に増加或いは減少した時の数をカウントする連続値カウ
    ンタ部と、このカウンタ部のカウンタ値が所定値になっ
    た時にエラー信号を出力する連続値比較部と、前記ワイ
    ヤ電極と前記被加工物が最初に接触した後の座標検出回
    数を記憶する座標検出回数記憶部と、前記ワイヤ電極と
    前記被加工物が最初に接触した後において、検出された
    座標値を記憶する座標記憶部と、前記エラー信号が出力
    された時に前記座標検出回数比較部と前記座標記憶部の
    内容をクリアするリセット部と、前記座標検出回数記憶
    部の記憶値が所定の回数に達したか否かを比較する検出
    回数比較部と、この比較部の値が所定の値に達した時
    に、前記座標記憶部の座標の平均を演算して振動接触中
    心位置を求める中心位置演算処理部とを備えることを特
    徴とするワイヤ放電加工機の位置決め装置。
  12. 【請求項12】 前記移動機構は、前記ワイヤ電極と前
    記被加工物との接触状態の時間をカウントする接触状態
    カウント部と、非接触状態の時間をカウントする非接触
    状態カウント部と、それぞれのカウント値が所定値に達
    する毎に前進パルス或いは後退パルスを出力する移動制
    御を有していることを特徴とする請求項11記載のワイ
    ヤ放電加工機の位置決め装置。
  13. 【請求項13】 前記エラー回数を記憶するエラー回数
    記憶部と、このエラー回数と所定値とを比較するエラー
    回数比較部とを有し、前記エラー回数が所定値に達した
    ならば処理全体を中止させるように構成したことを特徴
    とする請求項10または12記載のワイヤ放電加工機の
    位置決め装置。
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