JPH08300025A - 板圧延における板クラウンの制御方法 - Google Patents

板圧延における板クラウンの制御方法

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JPH08300025A
JPH08300025A JP7080729A JP8072995A JPH08300025A JP H08300025 A JPH08300025 A JP H08300025A JP 7080729 A JP7080729 A JP 7080729A JP 8072995 A JP8072995 A JP 8072995A JP H08300025 A JPH08300025 A JP H08300025A
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strip
plate
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JP7080729A
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Shinichi Shimizu
晋一 清水
Hisatoshi Yoshii
久利 吉井
Naozumi Tateshita
直純 館下
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Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 ストリップ連続熱間圧延設備における板クラ
ウンの制御精度を向上させることにより、良質のストリ
ップを製造するための方法を提供する。 〔構成〕 多段に配置された複数の仕上圧延機のうち中
間に配置された一つをキースタンドとして選択する(ス
テップ1)。このキースタンド及びその後段の各仕上圧
延機については、最終段の出側における板クラウンの目
標値から算出した板クラウン比率の目標値を用いてそれ
ぞれの出側における板クラウン比率を算出し、この算出
値からそれぞれの出側における板クラウンの目標値を一
意的に決定する(ステップ2,3)。キースタンドの前
段の各仕上圧延機については、通板可能な板形状の許容
範囲からそれぞれの出側における板クラウンの許容範囲
を算出し、これらの許容範囲内の板クラウンをそれぞれ
の出側における板クラウンの目標値とする(ステップ
4,5,6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストリップ連続熱間圧
延設備に利用される板クラウンの制御方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ストリップ連続熱間圧延設備は、近接し
て多段に配置された複数の仕上圧延機を備えている。こ
のような設備によるストリップの圧延に際しては、各仕
上圧延機の出側における板厚の目標値や各仕上圧延機に
おける圧延力の目標値などの板厚制御用の目標値と、各
仕上圧延機の出側における板クラウンの目標値や各仕上
圧延機におけるロールベンディング力の目標値などの板
形状制御用の目標値とを、各ストリップの通板に先立っ
て算出し、この算出済みの目標値を各機器の制御装置に
伝達して設定しておくという方法が広く一般に行われて
いる。
【0003】上述した従来方法では、最終段の仕上圧延
機の出側における予め決められた板クラウンの目標値か
ら各仕上圧延機の動作の基準となる各仕上圧延機の出側
における板クラウンの目標値が決定される。これら目標
値の決定に際しては、以下のような4つのステップが踏
まれている。
【0004】まず、最初の第1ステップでは、最終段の
仕上圧延機の出側における予め決められた板クラウンの
目標値から、この最終段の仕上圧延機の入側における板
クラウンの目標値が算出される。次の第2ステップで
は、各仕上圧延機が中伸び形状限界で動作する場合の入
側における中伸び限界板クラウンが、上記第1ステップ
で算出された最終段の仕上圧延機の入側における板クラ
ウンの目標値を用いて、最終段の直前のものから順に前
段の仕上圧延機へと遡りながら順次算定されてゆく。
【0005】次の第3ステップでは、各仕上圧延機が端
伸び形状限界で圧延する場合の入側における端伸び限界
板クラウンが、上記第1ステップで算定された最終段の
仕上圧延機の入側における板クラウンの目標値を用い
て、最終段の直前のものから前段の仕上圧延機へと遡り
ながら順次算出されてゆく。最後の第4ステップでは、
各仕上圧延機について、第2ステップで算出済みの中伸
び限界での板クラウンと、第3ステップで算出済みの端
伸び限界での板クラウンとに挟まれた板クラウンの許容
範囲の中間値が算出され、これらの算出値が各仕上圧延
機における板クラウンの目標値として決定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来方法による板
クラウンの制御は、高温かつ厚手のストリップが通板さ
れる前段の仕上圧延機では容易であるが、低温のストリ
ップが通板される後段の仕上圧延機になるほど困難にな
るという特徴がある。この特徴は、図4に例示するよう
に、仕上圧延機の入側の板クラウンがその出側の板クラ
ウンにどの程度影響を与えているかを示す指標であるク
ラウン比率遺伝係数ηと、仕上圧延機の幾何学的性質を
示す指標である幾何学因子Yとの間の関係を示す曲線を
参照すれば明らかである。
【0007】但し、 η=(Ch /h)/(CH /H) ・・・・(1) Y=(Dw 0.5 ・h1.5 )/b2 ・・・・(2) η ;クラウン比率遺伝係数 Y :幾何学因子 Ch :各仕上圧延機の出側における板クラウン CH :各仕上圧延機の入側における板クラウン h :各仕上圧延機の入側におけるストリップの板厚
(mm) H :各仕上圧延機の出側におけるストリップの板厚
(mm) DW :各仕上圧延機における作業ロール径(mm) b :ストリップの板幅(mm)
【0008】図4に示すように、クラウン比率遺伝係数
ηは特定段の仕上圧延機において急激に上昇し、その後
段の各仕上圧延機ではクラウン比率遺伝係数ηが高い値
を維持する。従って、特定段の後段の各仕上圧延機では
その出側における板クラウンがその入側における板クラ
ウンによってほぼ決定されてしまうことが判る。すなわ
ち、前段の仕上圧延機では、その出側の板クラウンはそ
の入側の板クラウンにほとんど影響されずに容易に制御
できるが、後段の仕上圧延機では、その出側の板クラウ
ンがその入側の板クラウンによって大きな影響を受け、
制御が困難になる。
【0009】このように、全ての仕上圧延機を用いて板
クラウンを徐々に目標値に到達させるという従来の制御
方法では、後段の仕上圧延機での板クラウンの制御精度
が低下し、その結果、最終段の仕上圧延機の出側での板
クラウンの制御精度が劣化するという問題がある。
【0010】また、ストリップ連続熱間圧延において
は、板クラウンの制御に伴って板形状も変化する。この
ため、全ての仕上圧延機を用いて板クラウンを徐々に所
定の目標値に到達させるという従来の方法では、全ての
仕上圧延機において板形状の変化が生ずることになる。
この板形状の変化は、特に、ストリップが薄くなる後段
の仕上圧延機においては通板形状の乱れを引き起こし、
このため、通板性が著しく劣化するという問題もある。
【0011】上記通板性の劣化を回避するため、キース
タンドとその後段の仕上圧延機における形状の許容範囲
を狭めるという対策が講じられている。すなわち、特開
平 6ー210334号公報に見られるように、キースタンドと
その後段の各仕上圧延機における板クラウンの許容範囲
を狭くし、極力、このキースタンドよりも前段の仕上圧
延機で板クラウンを作り込むという解決策が考えられて
いる。
【0012】しかしながら、上記解決策は、従来の制御
方法と同様、全ての仕上圧延機において板クラウン比率
の許容範囲を算出しなければならないため、計算が複雑
になり、従って、計算時間がかかり過ぎるという問題が
ある。
【0013】本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑
みてなされたものであり、その主たる目的は、ストリッ
プ連続熱間圧延設備における板クラウンの制御方法につ
いてその制御精度を向上させ、良質なストリップを製造
するための具体的な解決手段を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる板圧延に
おける板クラウン制御方法によれば、ストリップの板ク
ラウンを制御するために各仕上圧延機の動作基準となる
各仕上圧延機の出側における板クラウンの目標値が、最
終段の仕上圧延機の出側において予め決められた板クラ
ウンの目標値から算出される。この板クラウンの目標値
の算出に際し、中間に配置された仕上圧延機の一つがキ
ースタンドとして選択される。この選択されたキースタ
ンドとその後段の各仕上圧延機では、それぞれの出側に
おける板クラウン比率が、最終段の仕上圧延機の出側に
おける板クラウンの目標値から算出された板クラウン比
率の目標値を用いて算出され、これらの算出値を用いて
各仕上圧延機の出側における板クラウンの目標値が一意
的に決定される。さらに、上記キースタンドの前段の各
仕上圧延機においては、通板可能な板形状の許容範囲か
らそれぞれの出側における板クラウンの許容範囲が算出
され、この算出された許容範囲内の板クラウンがそれぞ
れの出側における板クラウンの目標値とされる。
【0015】
【作用】キースタンドとその後段の各仕上圧延機では、
上記出側における板クラウン比率の算出値を用いて板ク
ラウンの目標値を一意的に決定する際に、キースタンド
となる中間の仕上圧延機の出側において最終段の仕上圧
延機の出側における板クラウン比率の目標値がほぼ達成
されるように、各仕上圧延機の出側における板クラウン
の目標値が決定される。このため、板クラウンの制御能
力の高い前段の各仕上圧延機において板クラウンの作り
込みが確実に行われる。
【0016】また、キースタンドの後段の仕上圧延機で
は、板クラウン比率をほぼ一定に保つような動作が行わ
れるため、板の形状変化が少なくなり良好な通板性を確
保できる。さらに、板クラウンの許容範囲はキースタン
ドの前段の各仕上圧延機のみで計算すれば足りるため、
従来の制御方法よりも短時間で目標値を計算できる。以
下、本発明の好適な実施例を説明する。
【0017】
【実施例】図2は、本発明の実施例を適用するストリッ
プ連続熱間圧延設備の構成の概略を示す図である。圧延
対象のストリップ8は、多段に配置された複数の仕上圧
延機1〜7のそれぞれを連続的に通過することによって
圧延され、その板厚を徐々に減少させてゆく。各仕上圧
延機には、板厚を減少させるための圧下装置の他に、ス
トリップの形状と板クラウンとを制御するための装置と
して、ワークロール・ベンディング装置、ワークロール
・シフト装置、ペアクロス装置などが装備されている。
各仕上圧延機に装備される各装置の動作は、各ストリッ
プの通板に先立って設定値演算装置10によって算出さ
れた指令値に基づき、仕上圧延機制御装置9によって制
御される。
【0018】図3は、ストリップの板クラウンの定義を
説明するための概念図である。板端部からx(mm)の位
置における板クラウンC(mm)は、このストリップの各
端部からx(mm)の位置における板厚he1(mm)、he2
(mm)と、板幅方向の中心位置における板厚hc (mm)
とから、次式のように定義される。 C=hc −(he1+he2)/2 (mm) ・・・・(3) また、板クラウンC(mm)を板厚hc (mm)で除算した
値は、板クラウン比率と称され、次式で定義される。 r=C/hc ・・・・(4)
【0019】図1は、本発明の一実施例における計算の
手順を示すフローチャートである。まず、最初のステッ
プにおいて、キースタンドとなる中間の仕上圧延機が選
択される。良好な制御性を確保するために、クラウン比
率遺伝係数ηが急上昇して高い値となる仕上圧延機の一
つ前段の仕上圧延機がキースタンドとして選択される。
クラウン比率遺伝係数ηは、簡略には、以下の式で算定
できる。 η=(tan ー1 ( ( a2 ーln(Y) )/a1 )+a3 )/ π ・・・・(5) ただし、Yは幾何学因子、a1 ,a2 ,a3 は定数、π
は円周率である。
【0020】圧延対象のストリップごとに、作業ロール
径、ストリップの板厚、ストリップの板幅などに応じ
て、各仕上圧延機におけるクラウン比率遺伝係数ηを
(5)式を用いて算出し、算出結果が所定の閾値を超え
る仕上圧延機、例えばη>0.5 を満足する最も前段の仕
上圧延機をキースタンドとして選択するようにしてもよ
い。また、簡易的には、各仕上圧延機のクラウン比率遺
伝係数ηを多くの代表例によって予め算出しておき、そ
の算出結果に基づいてクラウン比率遺伝係数ηが急激に
上昇して高い値となる直前の仕上圧延機をキースタンド
として固定的に選択しておく構成でもよい。
【0021】次の第2ステップでは、最終段の仕上圧延
機(第N番目の仕上圧延機)の出側での板クラウンの目
標値Ctargetと、ストリップの形状の目標値εtarget
から最終段の仕上圧延機の入側における板クラウンの目
標値CF N-1 を下式に従って算定する。 CF N-1 =hN-1(Ctarget /hN ーεtargetN ) ・・・・(6) ただし、 CF N-1 : 最終段の仕上圧延機の入側における板クラ
ウンの目標値( ストリップがこの最終段の仕上圧延機に
咬み込んだ後の値) Ctarget : 最終段の仕上圧延機の出側における板クラ
ウンの目標値 εtarget : 最終段の仕上圧延機の出側における形状の
目標値 hN : 最終段の仕上圧延機の出側における板厚の目標
値 hN-1 : 最終段の仕上圧延機の入側における板厚の目標
値 ζN : 最終段の仕上圧延機における形状変化係数
【0022】ストリップが最終段の仕上圧延機に咬み込
む前のその入側における板クラウンの目標値CN-1 と形
状の目標値εN-1 は、下式に従って算定できる。 CN-1 =αN-1 ・Ctarget・hN-1 / hN ・・・・(7) εN-1 =εtargetN ・・・・(8) ただし、 CN-1 : 最終段の仕上圧延機の入側における板クラウ
ンの目標値( ストリップがこの仕上圧延機の咬み込む前
の値) εN-1 :最終段の仕上圧延機の入側における形状の目
標値(ストリップがこの仕上圧延機に咬み込む前の値) αN-1 :係数
【0023】次の第3ステップでは、各仕上圧延機の入
側における板クラウンの目標値(ストリップが各仕上圧
延機に咬み込む前と咬み込んだ後の値) と、形状の目標
値とが、一つ後段の仕上圧延機の入側(すなわち、着目
する仕上圧延機の出側)における板クラウンの目標値と
形状の目標値とを用いて、ステップ2と同様な算定式に
従って、最終段の一つ前段の仕上圧延機(第(N−1)
番目の仕上圧延機)からキースタンド(第k番目の仕上
圧延機)まで各仕上圧延機を遡りながら算定される。
【0024】 CF i-1 =hi-1(Ci / hi ーεi / ζi ) ・・・・(9) Ci-1 =αi-1 ・Ci ・hi-1 / hi ) ・・・・(10) εi-1 =εi / ζi ・・・・(11)
【0025】ただし、 CF i-1 : 第i番目の仕上圧延機の入側における板ク
ラウンの目標値(ストリップがこの第i番目の仕上圧延
機に咬み込んだ後の値) Ci : 第i番目の仕上圧延機の出側における板ク
ラウンの目標値(ストリップが第(i+1)番目の仕上
圧延機に咬み込む前の値) Ci-1 : 第i番目の仕上圧延機の入側における板ク
ラウンの目標値(ストリップがこの第i番目の仕上圧延
機に咬み込む前の値)
【0026】εi : 第i番目の仕上圧延機の出側
における形状目標値(ストリップが第(i+1)番目の
仕上圧延機に咬み込む前の値) εi-1 : 第i番目の仕上圧延機の入側における形状
目標値(ストリップがこの第i番目の仕上圧延機に咬み
込む前の値) hi : 第i番目の仕上圧延機の出側における板厚 hi-1 : 第i番目の仕上圧延機の入側における板厚 ζi : 第i番目の仕上圧延機における形状変化係
数 i : 仕上圧延機の番号(i=k〜N−1) αi-1 : 係数
【0027】上述した第2ステップと第3ステップとに
おいて、各仕上圧延機の出側における板クラウン比率
(Ci / hi )が最終段の仕上圧延機の出側における板
クラウン比率(Ctarget /hN )にほぼ等しくなるよう
に、各係数αi としてほぼ1の値が選択される。これに
より、キースタンドとなる中間の仕上圧延機の出側にお
いて最終段の仕上圧延機の出側における板クラウン比率
の目標値がほぼ達成されるように、各仕上圧延機の出側
における板クラウンの目標値が決定される。さらに、各
係数αi がほぼ1の値に設定されることにより、キース
タンドの後段の各仕上圧延機では、板クラウン比率がほ
とんど変化せずに圧延される。このため、板形状の変化
が少なく良好な通板性が保証される。
【0028】上述の手順を踏むことによって、キースタ
ンドとその後段の各仕上圧延機における板クラウンの目
標値が一意に決定された。以下では、キースタンドの前
段の各仕上圧延機の出側における板クラウンの目標値の
決定方法について説明する。この各仕上圧延機の出側に
おける板クラウンの目標値の決定は、従来技術と同様
に、キースタンドの前段の各仕上圧延機が端伸び形状限
界で動作する場合と中伸び形状限界で動作する場合の板
クラウンを各仕上圧延機ごとに計算し、端伸び形状限界
での板クラウンと中伸び形状限界での板クラウンとに挟
まれた板クラウンの許容範囲の中間値を算出することに
よって行われる。
【0029】すなわち、第4ステップでは、上記第3ス
テップで算定したキースタンドの入側における板クラウ
ンの目標値(ストリップがキースタンドに咬み込んだ後
の値)を用い、このキースタンドの前段の各仕上圧延機
が端伸び形状限界(εU i )で動作した場合のそれぞれ
の出側の板クラウンCU i , それぞれの入側における板
クラウンCFU i-1,CU i-1 が、キースタンドの一つ前
段の仕上圧延機から順次前段の各仕上圧延機へと遡りな
がら算出される。これらCU i , CFU i-1,C
U i-1 は、それぞれ以下の式で与えられる。
【0030】 CU i =CF i +hi ・εU i ・・・・(12) CFU i-1=hi-1(CU i / hi ーεU i / ζi ) ・・・・(13) CU i-1 =CFU i-1+hi-1 ・εU i-1 ・・・・(14)
【0000】次の第5ステップでは、上記第3ステップ
で算定したキースタンドの入側における板クラウンの目
標値(ストリップがキースタンドに咬み込んだ後の値)
を用い、このキースタンドの前段の各仕上圧延機が、中
伸び形状限界(εL i ) で動作場合のそれぞれの出側の
板クラウンCL i , 各仕上圧延機の入側における板クラ
ウンCFL i-1,CL i-1 を、キースタンドの一つ前段の
仕上圧延機から順に前段の各仕上圧延機へと遡りながら
導出する。これらCL i , CFL i-1,CL i-1は、それ
ぞれ以下の式で与えられる。
【0031】 CL i =CF i +hi ・εL i ・・・・(15) CFL i-1=hi-1(CL i / hi ーεL i / ζi ) ・・・・(16) CL i-1 =CFL i-1+hi-1 ・εL i-1 ・・・・(17)
【0032】次の第6ステップでは、上記第4ステップ
で算出された端伸び形状限界で動作する場合の板クラウ
ンCU i と、上記第5ステップで算出された中伸び形状
限界で動作する場合の板クラウンCL i とに挟まれた板
クラウンの許容範囲が按分されることにより、キースタ
ンドよりも一つ前段の仕上圧延機から先頭段の第1番目
の仕上圧延機までの各仕上圧延機における板クラウンの
目標値C i が決定される。この按分に際しては、端伸
び形状限界と中伸び形状限界のそれぞれに対して等しい
制御余裕を持つように、板クラウンの許容範囲を二等分
してもよい。また、望ましい通板形状となるように、上
記按分比率の調整によって端伸び気味あるいは中伸び気
味に動作するようにしてもよい。
【0033】以上説明したように、キースタンドである
中間の仕上圧延機の出側で最終段の仕上圧延機の出側に
おける板クラウン比率の目標値をほぼ達成するように各
仕上圧延機の出側における板クラウンの目標値が一意に
決定される。
【0034】なお、各仕上圧延機の制御能力の上限や下
限を超えている場合に、算出された各仕上圧延機の出側
における板クラウンの目標値に対して修正を加える点
は、従来技術の場合と同様である。
【0035】また、従来から知られている通り、各仕上
圧延機における板クラウンの目標値から目標メカニカル
クラウン量MCi が算定でき、この目標メカニカルクラ
ウン量MCi から各仕上圧延機における操作量であるロ
ールベンディング量Fi やクロス角θi が算定できる。
このため、これらの操作量に従って各仕上圧延機を動作
させることによって、最終段の仕上圧延機の出側の板ク
ラウンの目標値を満足させる製品を製造することができ
る。
【0036】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
る板クラウンの制御方法によれば、キースタンドである
中間の仕上圧延機の出側で最終段の仕上圧延機の出側に
おける板クラウン比率の目標値をほぼ達成するように、
各仕上圧延機の出側における板クラウンの目標値が決定
されるため、板クラウンの制御能力の高い前段の仕上圧
延機で確実に板クラウン比率の目標値を達成できる。こ
の結果、ストリップの板クラウンの制御精度が向上し、
良質なストリップを製造できるという効果が奏される。
【0037】また、キースタンドよりも後段の各仕上圧
延機では、板クラウン比率をほぼ一定に保ったまま圧延
できるため、板形状の変化が少なくなり良好な通板性が
確保できる。
【0038】さらに、板クラウン比率の許容範囲をキー
スタンドの前段の各仕上圧延機のみで算出すればよいの
で、従来の制御方法に比べてより短い時間で設定値を算
出することができる。この結果、従来設備よりも安価で
低速の計算装置を利用でき、設備全体の費用を低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御のための各仕上圧延機
の出側における板クラウンの算出手順を説明するための
フローチャートである。
【図2】上記実施例が適用されるストリップ連続熱間圧
延設備の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】圧延対象のストリップの板クラウンと板クラウ
ン比率の定義を説明するための概念図である。
【図4】圧延機の幾何学因子Yとクラウン比率遺伝係数
ηとの関係の典型的な一例を示す概念図である。
【符号の説明】
1〜7 仕上圧延機 8 圧延対象のストリップ 9 仕上圧延機の制御装置 10 設定値の演算装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多段に配置された複数の仕上圧延機を有す
    るストリップの連続熱間圧延設備において、最終段の仕
    上圧延機の出側における板クラウンの目標値からこの最
    終段以外の前記各仕上圧延機についてそれぞれの出側に
    おける板クラウンの目標値を算出し、これらの算出値に
    基づき圧延対象のストリップの板クラウンを制御する方
    法であって、 前記複数の仕上圧延機のうちの中間段の一つをキースタ
    ンドに選択すること、 前記最終段の仕上圧延機については、前記出側における
    板クラウンの目標値から板クラウン比率の目標値を算出
    すること、 前記選択したキースタンドから前記最終段の仕上圧延機
    の一つ前段の仕上圧延機までのそれぞれについては、前
    記最終段の仕上圧延機について算出された板クラウン比
    率の目標値を用いてそれぞれの出側における板クラウン
    比率を算出し、これらの算出した板クラウン比率を用い
    てそれぞれの出側における板クラウンの目標値を算出す
    ること、及び前記キースタンドの前段の各仕上圧延機に
    ついては、通板可能な板形状の許容範囲からそれぞれの
    出側における板クラウンの許容範囲を算出し、この算出
    した許容範囲内の板クラウンをそれぞれの出側における
    板クラウンの目標値とすることを特徴とする板圧延にお
    ける板クラウンの制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記キースタンドとその後段の各仕上圧延機について
    は、それぞれの出側における板クラウン比率がほぼ等し
    い値に設定されることを特徴とする板圧延における板ク
    ラウンの制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2のそれぞれにおいて、 前記キースタンドは、圧延対象のストリップごとに、そ
    の板厚、板幅、作業ロール径を含む因子を考慮して各仕
    上圧延機におけるクラウン比率遺伝係数を算出し、この
    算出値が所定の閾値を超える仕上圧延機のうち最も前段
    のものであることを特徴とする板圧延における板クラウ
    ンの制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のそれぞれにおいて、 前記キースタンドの前段の各仕上圧延機については、そ
    れぞれが端伸び形状限界で動作する場合の板クラウン
    と、中伸び形状限界で動作する場合の板クラウンとに挟
    まれた板クラウンの許容範囲が按分されることにより、
    前記それぞれの出側における板クラウンの許容範囲が算
    出されることを特徴とする板圧延における板クラウンの
    制御方法。
JP7080729A 1995-03-13 1995-03-13 板圧延における板クラウンの制御方法 Withdrawn JPH08300025A (ja)

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