JPH082987B2 - インテグラルスキンフォーム成形品 - Google Patents

インテグラルスキンフォーム成形品

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JPH082987B2
JPH082987B2 JP3067507A JP6750791A JPH082987B2 JP H082987 B2 JPH082987 B2 JP H082987B2 JP 3067507 A JP3067507 A JP 3067507A JP 6750791 A JP6750791 A JP 6750791A JP H082987 B2 JPH082987 B2 JP H082987B2
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foam molded
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skin foam
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正博 滝本
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ポリオール成分を含有する第一液
と、イソシアナート成分を含有する第二液とからなり、
前記第一液にフルオロカーボン系発泡剤(以下「FC系
発泡剤と略す。)が添加されてなるウレタンフォーム成
形用材料からなるインテグラルスキンフォーム成形品に
関する。
【0002】本発明を適用可能なインテグラルスキンフ
ォーム成形品としては、意匠性、ソフト感とともに耐摩
耗性が要求される自動車用内装品、例えば、ウレタンハ
ンドル、ホーンパッド、アームレスト、ヘッドレスト、
インストルメントパネル等を挙げることができる。さら
には、適度にポリオール成分、架橋剤の種類及び量を変
えることにより、クッション、マットレス、家具類、自
動車用バンパ等、幅広く各種成形品に適用可能である。
ここでは、主として、ウレタンハンドルを例に採り説明
をするがこれに限られるものではない。
【0003】なお、以下の説明で使用する「フレオン
(Freon)」は、デユポン(Du Pont) 社の商品名である
が、慣用されているため使用する。「フレオン」に後置
される数字は、百位=C原子数−1、十位=H原子数+
1、一位=F原子数、それぞれ意味する。
【0004】本明細書で、配合単位は、特に断らない限
り、重量単位である。
【0005】
【従来の技術】従来、ウレタンハンドル(インテグラル
スキンフォーム成形品)の形成材料であるウレタンフォ
ーム成形用材料における発泡剤は、インテグラルスキン
フォームを形成しやすいFC系発泡剤が主流であり、特
に、トリクロロフルオロメタン(フレオン11)を代表
とするクロロフルオロカーボン類(水素が結合されてい
ない。)が多用されている。トリクロロフルオロカーボ
ン類は、適度な沸点をもち、他のFCに比して安価であ
り、また、ポリオール成分との相溶性が良好である等の
理由による。
【0006】しかし、クロロフルオロカーボン類は、化
学的に安定であり、大気中に放出されると、分解せずに
そのまま成層圏まで到達する。そして、当該クロロフル
オロカーボン類は、成層圏で、強紫外線によって初めて
光分解し、塩素を放出して、該塩素がオゾンと反応し、
成層圏オゾン層を破壊する。
【0007】他方、C−H結合を1個以上有するフルオ
ロカーボン、いわゆるハイドロクロロフルオロカーボン
類(以下「HCFC」と略す。)またはハイドロフルオ
ロカーボン類(以下「HFC」と略す。)は、C−H結
合の存在により、安定性が上記クロロフルオロカーボン
類に比して、化学的に不安定である。このため、上記H
CFC及びHFCは、成層圏に到達する前に大部分が分
解し、成層圏オゾン層を破壊するおそれが大幅に低減す
るとされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、HCFC、H
FCで汎用のもの(入手しやすくかつ安価である。)
は、一般に常温で気体(沸点20℃以下)である。例え
ば、クロロジフルオロカーボン(フレオン22)は、沸
点が−40.75℃であり、ジフルオロモノクロロエタン
(フレオン142b)は、沸点が-9.7℃である。
【0009】即ち、低沸点のHCFCまたはHFCは、
気化しやすく、かつ、分子量が小さいため、同一発泡倍
率を得るために、発泡剤としての配合量は、少量です
む。
【0010】例えば、フレオン11の代わりに、フレオ
ン22を使用する場合、フレオン22の配合量はフレオ
ン11の配合量の約1/4ですむ。
【0011】従って、常温気体のHCFC、HFCを、
第一液に配合して使用する場合、HCFCは、第一液の
粘度が高過ぎて、成形性(射出成形性)に問題が発生す
ることが分った。このため、低分子量のポリオールを配
合して、粘度を調製することが考えられるが、通常の低
分子量のポリオールを配合しただけでは、反発弾性及び
引張強度において物性低下(特に反発弾性において)の
問題が発生することが分った(比較例1参照)。
【0012】本発明の目的は、上記にかんがみて、ウレ
タンフォーム成形用材料におけるFC系発泡剤として、
H−C結合を一個以上有する常温気体のフルオロカーボ
ンを使用して、良好な物性のインテグラルスキンフォー
ム成形品を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のインテグラルス
キンフォーム成形品は、上記課題を、下記構成により解
決する。
【0014】ポリオール成分を含有する第一液と、イソ
シアナート成分を含有する第二液とからなり、前記第一
液にFC系発泡剤が添加されてなるウレタンフォーム成
形用材料からなるインテグラルスキンフォーム成形品に
おいて、FC系発泡剤が、C−H結合を一個以上有し、
常温気体のフルオロカーボンであり、ポリオール成分の
粘度が、複数種のポリエーテル系ポリオールを組み合わ
せて、700〜1000cPに調製されている、ことを
特徴とする。
【0015】
【手段の詳細な説明】次に、上記手段の各構成について
詳細な説明をおこなう。
【0016】A.本発明のインテグラルスキンフォーム
を形成するウレタンフォーム成形用材料は、ポリオール
成分を含有する第一液と、イソシアナート成分を含有す
る第二液とからなり、前記第一液にFC系発泡剤が添加
されてなることを、上位の構成要件とする。
【0017】(1) ここで、イソシアナート成分は、慣用
のものを使用でき、例えば、下記のもの内から、成形品
に要求される物性に応じて、適宜種類及び量を選定す
る。意匠性が要求され、かつ、成形品に仕上げ塗装また
はインモールドコートをおこなわない場合は、非黄変タ
イプである脂肪族系イソシアナートを使用することが望
ましい。
【0018】(a) 芳香族系イソシアナート 4,4´−ジフエニルメタンジイソシアナート(以下
「MDI」と略す)、クルードMDI、液状MDI、ト
リレンジイソシアナート、及びフエニレンジイソシアナ
ート等、さらには取扱上の見地から、これらのを高分子
化させたダイマー、トリマー、トリメチロールプロパ
ン、プレポリマーなどを挙げることができる。
【0019】(b) 脂肪族系イソシアナート 本来の脂肪族イソシアナートの他に脂環式イソシアナー
トも含み、ヘキサメチレンジイソシアナート(HMD
I)、キシレンジイソシアナート(XDI)、水添キシ
レンジイソシアナート(水添XDI)、4,4´−メチ
レンビスジシクロヘキシルジイソシアナート(H12M
DI)、メチルシクロヘキシルジイソシアナート(水添
TDI)、及びイソホロンジイソシアナート(IPD
I)等、さらには、取扱上の見地から、それらを高分子
化させたダイマー、トリマー、トリメチロールプロパン
付加体、プレポリマーなど、いわゆる非黄変性のものを
挙げることができる。
【0020】(2) 第一液には、通常、発泡剤以外に、他
の副資材、架橋剤、触媒、整泡剤、着色剤を添加して使
用する。
【0021】B.本発明は、上記構成のウレタンフォー
ム用材料において、C−H結合を一個以上有し、沸点2
0度以下(常温気体)のフルオロカーボンであり、ポリ
オール成分が、複数種のポリオールを組み合わせて、粘
度が700〜1000cPに調製されている、ことを下
位の構成要件とする。
【0022】(1) 上記C−H結合を一個以上有するフル
オロカーボンとしては、HCFCまたはHFCを挙げる
ことができる。通常、価格的に有利なフレオン22(ク
ロロジフルオロメタン)、フレオン142b(ジフルオ
ロモノクロロエタン)等のHCFCを使用する。このH
CFC、HFCを使用することにより、成層圏オゾン層
の破壊のおそれが大幅に低減する。HCFC、HFCの
配合量は、発泡倍率及びポリオールとの混和性(Compab
ility)により異なるが、ポリーオール成分100部に対
して、2〜10部とし、従来の、フレオン11の配合量
に比して、少量ですむ。
【0023】(2) 第一液の主要成分たるポリオールは、
ポリエーテル系を使用する。ポリエステル系では、粘度
調製が困難である。
【0024】また、ポリエーテルポリオールは、ニ官能
体、三官能以上の多官能体(主として三官能体)を適宜
組み合わせて使用する。二官能体及び多官能体として
は、下記のものを例示できる。
【0025】二官能体:ポリオキシプロピレン−ポリ
オキシエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコ
ール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブ
チレングリコール、 三官能体:プロピレンオキサイド−トリメチロールプ
ロパン共重合体、プロピレンオキサイド−ヘキサントリ
オール共重合体、プロピレンオキサイド−グリセリン共
重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−
グリセリン共重合体、 四官能体:エチレンジアミン−エチレンオキサイド−
プロピレンオキサイド共重合体、ここで、二官能体と多
官能体との配合比率は、前者/後者=10/90〜90
/10とすることが望ましい。多官能体の配合量が過少
であると、成形品の反発弾性が低下する。他方、多官能
体の配合量が過多であると、成形に際して、材料流動性
が不安定となり、また、エア巻き込み現象が発生しやす
い。多官能体は、二官能体に比して反応性が高く、反応
速度が高くなり過ぎるためである。
【0026】なお、多官能体の分子量は、OH基一個当
たり1100以上であることが望ましい。1100未満
では、成形品における反発弾性の低下を阻止する作用が
小さい。
【0027】(3) ポリオールの粘度が、700cP未満
では、成形品にしたとき、良好な反発弾性力が得がた
い。また、1000cPを超えると、粘度が高くなり過
ぎて、成形性に悪影響を与える。
【0028】C.成形方法 本発明のインテグラルスキンフォーム成形品の、上記要
件を満足するウレタンフォーム成形用材料を使用しての
成形方法は、発泡剤の第一液への混入を除き、従来と同
様である。RIM成形によりウレタンハンドルをインモ
ールドコート成形する場合を例に採り説明をする(第1
・2図参照)。
【0029】材料射出前において、第一液・第二液を、
相互に非接触状態で、第一液タンク1または第二液タン
ク3とミキシングヘッド5との間で、高圧定量性ポンプ
7、8を介して循環させておく。そして、射出時には、
弁体(図示せず)を操作して、ミキシングヘッド5内の
混合室で第一・第二液を高圧衝突混合させた後、金型1
0内へ材料を射出注入する。ここで、金型10は、キヤ
ビテイ面にあらかじめ、ウレタン塗膜11が形成されて
いるとともに、ホイール芯金13がセットされている。
このウレタン塗膜を形成するウレタン塗料は、無黄変タ
イプのものが望ましい。
【0030】なお、本発明で使用するウレタンフォーム
成形用材料に配合する発泡剤の投入方法は、特に限定さ
れないが、例えば、常温気体であるため、ポリオールの
循環配管に設けたフロン投入口15から直接投入する。
【0031】
【発明の作用・効果】本発明のインテグラルスキンフォ
ーム成形品は、上記構成により、下記のような作用効果
を奏するものである。
【0032】FC系発泡剤として、H−C結合を一個以
上有する常温気体のフルオロカーボンを使用して、良好
な物性のフォーム成形品を提供できる。そして、当該H
−C結合を有するフルオロカーボンは、化学的に不安定
で成層圏に至るまでに大部分が分解する。またFC系発
泡剤の配合量も従来より少なくてすみ。従って、FC系
発泡剤仕様のウレタン成形材料からなるインテグラルス
キンフォーム成形品を製造するのに際して、オゾン層破
壊のおそれを大幅に低下させる。
【0033】
【実施例】以下、本発明をよりよく理解するために、実
施例を比較例・従来例とともに説明をする。
【0034】(1) 下記基本配合処方において、第二液
と、ポリオール成分・架橋剤を表−1に示すものとした
第一液とを高圧で衝突混合させて金型内へ材料を注入
し、40×40×0.5 cmtの試験片を成形した。成形条
件は、射出圧力:130kgf/cm2、材料温度:30±2
℃、金型温度:50℃とした。また、表1に示す粘度
は、東京計器株式会社製の「B−8R型粘度計」を使用
し、ロータ:No. 2、回転数:100 rpm.、室温:2
5℃の条件で測定をしたものである。
【0035】なお、従来例は、下記配合処方において、
フレオン22の代わりに、フレオン11を15部配合し
た処方とした。
【0036】そして、各試験片について、後述に示す項
目の物性試験をおこなった。
【0037】 フォーム成形用材料配合処方 <第一液> ポリオール成分 100部 グリコール系架橋剤 9部 触 媒 2部 フレオン22 4部 <第二液> MDI 68部ここで、グリコール系架橋剤には、エチレングリコール
(日本触媒化学工業株式会社製)を、触媒には、「ダブ
コ−33LV」(三共エアープロダクツ株式会社製商品
名;トリエチレンジアミンの33%溶液)を用いる。 (2)試験方法と評価 反発弾性 試験方法:リュプケ反発弾性試験機(高分子計器社製)
を用いて、試験温度25℃の条件で測定をした。
【0038】評価:各実施例の反発弾性は、従来例に比
して、低下度が小さい。他方、ポリオール成分粘度が7
00未満である比較例1・2の反発弾性は、低下度が大
きい。
【0039】引張強度 試験方法:試験機「オートグラフDCS-10T A」(島津製
作所社製)を用いて、ダンベル2号(JISK6301) 引張速
度:200mm/min の条件で測定をした。
【0040】評価:各実施例および比較例1の引張強度
は、従来例よりも増大している。他方、ポリオール粘度
が425の大幅に小さい比較例2は、引張強度が従来例
に比して大きく低下している。
【0041】破断伸び 試験方法:引張強度の方法と同じ。
【0042】評価:各実施例および比較例1の破断伸び
は、従来例と略同等である。他方、ポリオール成分粘度
が425の大幅に小さい比較例2は、破断伸びが従来例
に比して大きく低下している。
【0043】
【表1】
【0044】 各ポリオールには下記のものを使用し
た。 ポリ1…ポリエーテルポリオール、「ED−28」(三
井東圧化学株式会社製商品名) ポリ2…ポリエーテルポリオール、「ED−37A」
(三井東圧化学株式会社製商品名) ポリ3…ポリエーテルポリオール、「ED−56」(三
井東圧化学株式会社製商品名) ポリ4…ポリエーテルポリオール、「EP−828」
(三井東圧化学株式会社製商品名) ポリ5…ポリエーテルポリオール、「EP−330N」
(三井東圧化学株式会社製商品名) ポリ6…ポリエーテルポリオール、「EP−550N」
(三井東圧化学株式会社製商品名) また、 表中「f」は官能基数であり、「m.w.」は、
分子量である。
【0045】本発明のインテグラルスキンフォーム成形
品を用いての成形方法を説明するための該略図である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインテグラルスキンフォーム成形品の
一例であるウレタンハンドルを成形する際に使用する金
型の概略断面図である。
【図2】本発明のインテグラルスキンフォーム成形品の
成形方法を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 第一液タンク、 3 第二液タンク、 5 ミキシングヘッド、 15 フロン投入口、 17 発泡剤ボンベ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール成分を含有する第一液と、イ
    ソシアナート成分を含有する第二液とからなり、前記第
    一液にフルオロカーボン系発泡剤が添加されてなるウレ
    タンフォーム成形用材料からなるインテグラルフォーム
    成形品において、前記フルオロカーボン発泡剤が、C−
    H結合を一個以上有し、沸点20℃以下のフルオロカー
    ボンであり、前記ポリオール成分の粘度が、複数種のポ
    リエーテル系ポリオール成分を組み合わせて、700〜
    1000cPに調製されている、ことを特徴とするイン
    テグラルスキンフォーム成形品。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ポリオール成分
    の組み合わせを、二官能体と、三官能以上の多官能体と
    が、前者/後者=10/90〜90/10の重量比率で
    配合されたものである、ことを特徴とするインテグラル
    スキンフォーム成形品。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記第一液のポリオ
    ール成分を構成する前記多官能体が、分子量がOH基一
    個当たり1100以上である、ことを特徴とするインテ
    グラルスキンフォーム成形品。
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