JPH08297117A - 微少量反応液滴下による金属試料分析方法 - Google Patents
微少量反応液滴下による金属試料分析方法Info
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- JPH08297117A JPH08297117A JP7103643A JP10364395A JPH08297117A JP H08297117 A JPH08297117 A JP H08297117A JP 7103643 A JP7103643 A JP 7103643A JP 10364395 A JP10364395 A JP 10364395A JP H08297117 A JPH08297117 A JP H08297117A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 廃液のほとんど発生しない、金属試料成分分
析方法を提供する。 【構成】 微少量反応液滴下による金属試料分析方法
は、金属試料を反応液と反応させて、発生した水素化物
ガスを分析して金属試料Sに含まれる成分を分析する方
法において、金属試料Sを50〜100℃の一定温度に
保持しながら、密閉セル11内で金属試料表面に反応液
を0.1〜1mlの一定量滴下し、発生した水素化物ガス
をキャリアーガスによって分析装置65に搬送し、成分
分析を行う。
析方法を提供する。 【構成】 微少量反応液滴下による金属試料分析方法
は、金属試料を反応液と反応させて、発生した水素化物
ガスを分析して金属試料Sに含まれる成分を分析する方
法において、金属試料Sを50〜100℃の一定温度に
保持しながら、密閉セル11内で金属試料表面に反応液
を0.1〜1mlの一定量滴下し、発生した水素化物ガス
をキャリアーガスによって分析装置65に搬送し、成分
分析を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属試料中に含有さ
れる成分を分析する方法に関する。この発明は、製鉄業
あるいは各種非鉄金属業などにおける製造工程管理や品
質管理分析の分野で利用される。
れる成分を分析する方法に関する。この発明は、製鉄業
あるいは各種非鉄金属業などにおける製造工程管理や品
質管理分析の分野で利用される。
【0002】
【従来の技術】金属の精錬、製鋼プロセスなどの操業管
理には、可能な限り迅速に成分含有率を分析して把握
し、その結果によって操業上の対応処理をとる必要があ
る。また、製品の検定にも成分含有率の分析が必要であ
る。分析対象成分の中でも硫黄および燐については、特
に製鉄において品質を決定する上で重要である。
理には、可能な限り迅速に成分含有率を分析して把握
し、その結果によって操業上の対応処理をとる必要があ
る。また、製品の検定にも成分含有率の分析が必要であ
る。分析対象成分の中でも硫黄および燐については、特
に製鉄において品質を決定する上で重要である。
【0003】本発明者らは「金属試料中の硫黄および燐
の分析方法、ならびにその装置」(特願平6−3178
23号)により,簡単かつ迅速に金属試料中の硫黄、燐
を高精度で定量することができる方法を提案している。
この分析方法の概略は、金属試料を電気分解または還元
力を有する酸と反応させて、硫黄、燐等を還元して水素
化物ガスを発生させ、試験紙光電光度定量装置により前
記水素化物ガスの濃度を測定して、金属試料中の各成分
の含有量を求めるというものである。
の分析方法、ならびにその装置」(特願平6−3178
23号)により,簡単かつ迅速に金属試料中の硫黄、燐
を高精度で定量することができる方法を提案している。
この分析方法の概略は、金属試料を電気分解または還元
力を有する酸と反応させて、硫黄、燐等を還元して水素
化物ガスを発生させ、試験紙光電光度定量装置により前
記水素化物ガスの濃度を測定して、金属試料中の各成分
の含有量を求めるというものである。
【0004】しかしながらこれらの方法においては、試
料中の硫黄および燐等を水素化物ガスとして発生させる
際に、電解液あるいは酸を大量に(20〜30ml/回)
使うため、相当量の廃液が生じる。現場での操業管理、
製品の検定などのための成分分析は1月に一万回程度行
われることもあり、現場でこれらの方法を実施すると膨
大な量の廃液が生じるという問題があった。
料中の硫黄および燐等を水素化物ガスとして発生させる
際に、電解液あるいは酸を大量に(20〜30ml/回)
使うため、相当量の廃液が生じる。現場での操業管理、
製品の検定などのための成分分析は1月に一万回程度行
われることもあり、現場でこれらの方法を実施すると膨
大な量の廃液が生じるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水素化物ガ
スを発生させる際に生じる廃液の量をできるだけ少なく
し、迅速な分析を可能とする金属試料分析方法を提供す
るものである。
スを発生させる際に生じる廃液の量をできるだけ少なく
し、迅速な分析を可能とする金属試料分析方法を提供す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の微少量反応液
滴下による金属試料分析方法は、金属試料を反応液と反
応させて、発生した水素化物ガスを分析して金属試料に
含まれる成分を分析する方法において、金属試料を50
〜100℃の一定温度に保持しながら、密閉セル内で金
属試料表面に反応液を0.1〜1mlの一定量滴下し、発
生した水素化物ガスをキャリアーガスによって分析装置
に搬送し、成分分析を行うことを特徴とする。
滴下による金属試料分析方法は、金属試料を反応液と反
応させて、発生した水素化物ガスを分析して金属試料に
含まれる成分を分析する方法において、金属試料を50
〜100℃の一定温度に保持しながら、密閉セル内で金
属試料表面に反応液を0.1〜1mlの一定量滴下し、発
生した水素化物ガスをキャリアーガスによって分析装置
に搬送し、成分分析を行うことを特徴とする。
【0007】金属試料の成分の内、特に硫黄および燐の
分析を正確に行う際には、上記発明において試験紙光電
光度定量法を用い、発生した気体のうちH2 SおよびP
H3を定量することが効果的である。
分析を正確に行う際には、上記発明において試験紙光電
光度定量法を用い、発生した気体のうちH2 SおよびP
H3を定量することが効果的である。
【0008】反応液としては、塩酸などの還元力を有す
る酸を用いる。金属試料に含有されている硫黄、燐、お
よび炭素等と反応させて、水素化物ガスを発生させるた
めである。反応液が過剰であると、廃液の量が増大し
て、この発明の目的に反する。また、反応液が過少であ
ると、後述の手段によって反応効率を高めても、発生す
る気体の量が少なすぎ、分析装置で分析できなくなる。
したがって、反応液の量は0.1〜1mlとする。
る酸を用いる。金属試料に含有されている硫黄、燐、お
よび炭素等と反応させて、水素化物ガスを発生させるた
めである。反応液が過剰であると、廃液の量が増大し
て、この発明の目的に反する。また、反応液が過少であ
ると、後述の手段によって反応効率を高めても、発生す
る気体の量が少なすぎ、分析装置で分析できなくなる。
したがって、反応液の量は0.1〜1mlとする。
【0009】この発明では、反応液が0.1〜1mlと微
少量であるので、常温では分析に十分な量のガスが発生
しない。そこで、金属試料を50〜100℃の一定温度
に保持して、金属試料と反応液との反応温度を高めてい
る。こうすることで金属試料と反応液との反応効率が向
上して、反応液のほぼ全量が反応に寄与するようにな
り、十分な量のガスを発生させることができる。なお、
金属試料の温度が50℃以下では反応効率が十分に向上
せず、100℃以上では金属試料と反応液が十分に反応
する以前に反応液が気化してしまうので、金属試料の温
度は50〜100℃とした。
少量であるので、常温では分析に十分な量のガスが発生
しない。そこで、金属試料を50〜100℃の一定温度
に保持して、金属試料と反応液との反応温度を高めてい
る。こうすることで金属試料と反応液との反応効率が向
上して、反応液のほぼ全量が反応に寄与するようにな
り、十分な量のガスを発生させることができる。なお、
金属試料の温度が50℃以下では反応効率が十分に向上
せず、100℃以上では金属試料と反応液が十分に反応
する以前に反応液が気化してしまうので、金属試料の温
度は50〜100℃とした。
【0010】金属試料と反応液との反応効率を高めるた
めには、予め50〜100℃の一定温度に昇温された反
応液を滴下するようにしてもよい。
めには、予め50〜100℃の一定温度に昇温された反
応液を滴下するようにしてもよい。
【0011】上記金属試料と反応液との反応は、密閉セ
ル内で行う。密閉セルは、例えば下面の開口した、側面
に供給口と排出口を有するセルを、押さえ部材によって
樹脂製のシール材を介してブロック状に切り出された金
属試料の上面に押さえ付けて形成すればよい。セルの材
質としてはガラス等の、反応液と反応しないものを用い
る。反応液は供給口から所定の量だけ滴下され、金属試
料の上面において、金属試料と反応し、水素化物ガスを
発生する。発生したガスは、反応液に続いて供給口から
連続的に供給されるキャリアーガスによって、密閉セル
内から分析装置に搬送される。
ル内で行う。密閉セルは、例えば下面の開口した、側面
に供給口と排出口を有するセルを、押さえ部材によって
樹脂製のシール材を介してブロック状に切り出された金
属試料の上面に押さえ付けて形成すればよい。セルの材
質としてはガラス等の、反応液と反応しないものを用い
る。反応液は供給口から所定の量だけ滴下され、金属試
料の上面において、金属試料と反応し、水素化物ガスを
発生する。発生したガスは、反応液に続いて供給口から
連続的に供給されるキャリアーガスによって、密閉セル
内から分析装置に搬送される。
【0012】金属試料加熱手段は、前述の押さえ部材の
内部に設けた加熱ランプからの光を試料面に集光するよ
うにしてもよい。その際の加熱ランプとしては、ハロゲ
ンランプ、または赤外線ランプが適している。また、加
熱ランプからの光を集光するために、押さえ部材の内部
に集光鏡を設けるとよい。
内部に設けた加熱ランプからの光を試料面に集光するよ
うにしてもよい。その際の加熱ランプとしては、ハロゲ
ンランプ、または赤外線ランプが適している。また、加
熱ランプからの光を集光するために、押さえ部材の内部
に集光鏡を設けるとよい。
【0013】
(実施例1)図1に基づいて実施例1を説明する。この
実施例の装置は、本発明の方法によって金属試料の成分
分析を行う際に使用する。
実施例の装置は、本発明の方法によって金属試料の成分
分析を行う際に使用する。
【0014】この実施例の装置は、主として水素化物ガ
ス発生装置1、セル固定装置21、温度制御装置31、
キャリアーガス供給装置41、反応液供給装置51、分
析装置65からなっている。
ス発生装置1、セル固定装置21、温度制御装置31、
キャリアーガス供給装置41、反応液供給装置51、分
析装置65からなっている。
【0015】水素化物ガス発生装置1は、試料支持台3
の上に鋼などの金属試料Sが載置され、金属試料Sの上
にセル11が配置されている。セル11はガラス製であ
り、供給口13と排出口15が設けられている。セル1
1の下面は開口しており、樹脂製のシール材5を介して
金属試料Sの上に配置すると、反応室17が形成され
る。
の上に鋼などの金属試料Sが載置され、金属試料Sの上
にセル11が配置されている。セル11はガラス製であ
り、供給口13と排出口15が設けられている。セル1
1の下面は開口しており、樹脂製のシール材5を介して
金属試料Sの上に配置すると、反応室17が形成され
る。
【0016】セル固定装置21は、ハウジング28の頂
部にシリンダアクチュエータ22が連結されており、ハ
ウジング28はシリンダアクチュエータ22の駆動によ
り昇降し、セル11を試料Sに押さえ付けるように作用
する。ハウジング28の内部には赤外線ランプ24およ
び集光鏡26が設けられている。赤外線ランプ24は消
費電力が150Wであり、電源34が接続されている。
赤外線ランプ24からの光は集光鏡26の楕円体面の鏡
面によって金属試料Sの表面に集光される。
部にシリンダアクチュエータ22が連結されており、ハ
ウジング28はシリンダアクチュエータ22の駆動によ
り昇降し、セル11を試料Sに押さえ付けるように作用
する。ハウジング28の内部には赤外線ランプ24およ
び集光鏡26が設けられている。赤外線ランプ24は消
費電力が150Wであり、電源34が接続されている。
赤外線ランプ24からの光は集光鏡26の楕円体面の鏡
面によって金属試料Sの表面に集光される。
【0017】温度制御装置31は、シリンダアクチュエ
ータ36が試料Sの側方に配置されており、シリンダア
クチュエータ36のピストンロッド38の先端部に、サ
ーミスタ温度検出器39が取り付けられている。サーミ
スタ温度検出器39は温度調節装置32に接続されてい
る。温度調節装置32は、電源34に接続されており、
サーミスタ温度検出器39からの信号により、電源34
の出力を調節する。
ータ36が試料Sの側方に配置されており、シリンダア
クチュエータ36のピストンロッド38の先端部に、サ
ーミスタ温度検出器39が取り付けられている。サーミ
スタ温度検出器39は温度調節装置32に接続されてい
る。温度調節装置32は、電源34に接続されており、
サーミスタ温度検出器39からの信号により、電源34
の出力を調節する。
【0018】キャリアーガス供給装置41は、キャリア
ーガス供給源42と流量計43とを有している。キャリ
アーガス供給源42からは、反応液供給装置51の第1
三方弁55のキャリアーガス入側と、セル固定装置21
のシリンダアクチュエータ22、および温度制御装置3
1のシリンダアクチュエータ36に、それぞれキャリア
ーガスである窒素ガスを供給する。反応液供給装置51
の第1三方弁55側の管路には流量計43が設けられて
おり、キャリアーガスの供給量をモニターして、流量を
一定(10ml/min)にする。
ーガス供給源42と流量計43とを有している。キャリ
アーガス供給源42からは、反応液供給装置51の第1
三方弁55のキャリアーガス入側と、セル固定装置21
のシリンダアクチュエータ22、および温度制御装置3
1のシリンダアクチュエータ36に、それぞれキャリア
ーガスである窒素ガスを供給する。反応液供給装置51
の第1三方弁55側の管路には流量計43が設けられて
おり、キャリアーガスの供給量をモニターして、流量を
一定(10ml/min)にする。
【0019】反応液供給装置51は、反応液タンク5
2、ポンプ53、第1三方弁55、計量管57、第2三
方弁59からなっている。反応液タンク52からは、ポ
ンプ53によって第1三方弁55の反応液入側に反応液
を供給する。第1三方弁55の出側は、計量管57を介
して第2三方弁59の入側に接続されている。第2三方
弁59の反応液出側は、セル11の供給口13に接続さ
れている。第2三方弁59のもう一つの出側は、オーバ
ーフロー出側になっている。オーバーフロー出側には、
オーバーフロー受け容器60が設けられている。分析装
置65はICP発光分光分析装置であり、セル11の排
出口15に接続されている。
2、ポンプ53、第1三方弁55、計量管57、第2三
方弁59からなっている。反応液タンク52からは、ポ
ンプ53によって第1三方弁55の反応液入側に反応液
を供給する。第1三方弁55の出側は、計量管57を介
して第2三方弁59の入側に接続されている。第2三方
弁59の反応液出側は、セル11の供給口13に接続さ
れている。第2三方弁59のもう一つの出側は、オーバ
ーフロー出側になっている。オーバーフロー出側には、
オーバーフロー受け容器60が設けられている。分析装
置65はICP発光分光分析装置であり、セル11の排
出口15に接続されている。
【0020】ここで、上記のように構成された装置によ
り、金属試料を分析する方法について説明する。製鋼工
程で採取した溶鋼をディスク状(直径30 mm ,厚み2
0 mm )に鋳込み、1面を研磨して試料Sとする。研磨
面を上にして試料Sを試料支持台3に載せる。ついでセ
ル11を、セル11の開口面がシール材5を介して試料
Sの研磨面に接触するように、試料Sの上に配置する。
さらに、シリンダアクチュエータ22を駆動し、ハウジ
ング28を降下させてセル11を押え、セル11を試料
Sの研磨面に固定する。これにより、セル11と試料S
から反応室17が形成される。試料Sとシール材5との
間は隙間なく密閉できるので、反応室17に反応液およ
びキャリアーガスを供給しても、これらが試料Sとシー
ル材5との間から漏れることはない。
り、金属試料を分析する方法について説明する。製鋼工
程で採取した溶鋼をディスク状(直径30 mm ,厚み2
0 mm )に鋳込み、1面を研磨して試料Sとする。研磨
面を上にして試料Sを試料支持台3に載せる。ついでセ
ル11を、セル11の開口面がシール材5を介して試料
Sの研磨面に接触するように、試料Sの上に配置する。
さらに、シリンダアクチュエータ22を駆動し、ハウジ
ング28を降下させてセル11を押え、セル11を試料
Sの研磨面に固定する。これにより、セル11と試料S
から反応室17が形成される。試料Sとシール材5との
間は隙間なく密閉できるので、反応室17に反応液およ
びキャリアーガスを供給しても、これらが試料Sとシー
ル材5との間から漏れることはない。
【0021】試料S上にセル11を固定した後、シリン
ダアクチュエータ36を駆動し、サーミスタ温度検出器
39を試料Sの側面に押し付けて接触させる。つぎに、
赤外線ランプ24を点灯し、試料Sを加熱する。サーミ
スタ温度検出器39は試料Sの温度を測定する。試料S
の温度に従って、温度調節器32は電源34の出力を調
節し、試料Sの温度が一定(80℃)となるようにす
る。
ダアクチュエータ36を駆動し、サーミスタ温度検出器
39を試料Sの側面に押し付けて接触させる。つぎに、
赤外線ランプ24を点灯し、試料Sを加熱する。サーミ
スタ温度検出器39は試料Sの温度を測定する。試料S
の温度に従って、温度調節器32は電源34の出力を調
節し、試料Sの温度が一定(80℃)となるようにす
る。
【0022】この操作の間に反応液(6mol/l HCl)
を計量管57に計量する。そのためには、第1三方弁5
5は反応液入側から出側に、第2三方弁59は入側から
オーバーフロー出側にそれぞれ通じるようにし、ポンプ
53によって、反応液タンク52から反応液を供給し、
反応液を第2三方弁59のオーバーフロー出側からオー
バーフローさせることで、計量管57に一定量(0.5
ml)の反応液を採取する。
を計量管57に計量する。そのためには、第1三方弁5
5は反応液入側から出側に、第2三方弁59は入側から
オーバーフロー出側にそれぞれ通じるようにし、ポンプ
53によって、反応液タンク52から反応液を供給し、
反応液を第2三方弁59のオーバーフロー出側からオー
バーフローさせることで、計量管57に一定量(0.5
ml)の反応液を採取する。
【0023】試料Sの温度が一定(80℃)となった
ら、第1三方弁55をキャリアーガス入側から出側に通
じるように切り換え、さらに、第2三方弁59を入側か
ら反応液出側に通じるようにして、一定流量10ml/min
で供給されるキャリアーガスによって、計量管57に採
取した0.5mlの反応液を押し出し、セル11の供給口
から金属試料Sの研磨面に反応液を滴下する。
ら、第1三方弁55をキャリアーガス入側から出側に通
じるように切り換え、さらに、第2三方弁59を入側か
ら反応液出側に通じるようにして、一定流量10ml/min
で供給されるキャリアーガスによって、計量管57に採
取した0.5mlの反応液を押し出し、セル11の供給口
から金属試料Sの研磨面に反応液を滴下する。
【0024】金属試料Sの研磨面において、金属試料S
の含有物である硫黄、燐等は反応液により還元され、H
2S、PH 3等の水素化物ガスとなる。発生した水素化
物ガスは、キャリアーガス供給源から一定流量10ml/m
inで供給され続けるキャリアーガスによって、セル11
の排出口15から分析装置65に搬送される。分析装置
65において、前記水素化物ガスの定量を行い、硫黄、
燐等が金属試料S内に含有される量を求める。
の含有物である硫黄、燐等は反応液により還元され、H
2S、PH 3等の水素化物ガスとなる。発生した水素化
物ガスは、キャリアーガス供給源から一定流量10ml/m
inで供給され続けるキャリアーガスによって、セル11
の排出口15から分析装置65に搬送される。分析装置
65において、前記水素化物ガスの定量を行い、硫黄、
燐等が金属試料S内に含有される量を求める。
【0025】金属試料の温度は80℃に保持されている
ので、常温で反応させる場合よりも反応の効率は高く、
反応液が0.5mlと少量であっても、分析装置において
成分分析を行うのに十分な量のガスが発生する。また、
分析に際して、廃液の発生がほとんど生じない。
ので、常温で反応させる場合よりも反応の効率は高く、
反応液が0.5mlと少量であっても、分析装置において
成分分析を行うのに十分な量のガスが発生する。また、
分析に際して、廃液の発生がほとんど生じない。
【0026】(実施例2)図2に基づいて実施例2を説
明する。この実施例の装置は、金属試料と反応液の反応
効率を高めるために、実施例1のように金属試料を昇温
するのではなく、反応液を昇温してから金属試料の表面
に供給するものである。
明する。この実施例の装置は、金属試料と反応液の反応
効率を高めるために、実施例1のように金属試料を昇温
するのではなく、反応液を昇温してから金属試料の表面
に供給するものである。
【0027】したがって、図1の実施例のようにセル固
定装置21内部に赤外線ランプ24および集光鏡26は
設けず、図2に示す加熱装置を反応液タンク52に設け
る。図2において、反応液タンク52内にはヒーター3
7およびサーミスタ温度検出器39が配置されている。
サーミスタ温度検出器39は温度調節装置32に接続さ
れている。温度調節装置32は、電源34に接続されて
おり、サーミスタ温度検出器39からの信号により、ヒ
ーター37の出力を調節する。以上の構成以外は、実施
例1と同様である。
定装置21内部に赤外線ランプ24および集光鏡26は
設けず、図2に示す加熱装置を反応液タンク52に設け
る。図2において、反応液タンク52内にはヒーター3
7およびサーミスタ温度検出器39が配置されている。
サーミスタ温度検出器39は温度調節装置32に接続さ
れている。温度調節装置32は、電源34に接続されて
おり、サーミスタ温度検出器39からの信号により、ヒ
ーター37の出力を調節する。以上の構成以外は、実施
例1と同様である。
【0028】上記のように構成された装置により、金属
試料を分析する際には、予めヒーター37および電源3
4とそれを制御する温度調節装置32およびサーミスタ
温度検出器39により、反応液の温度を80℃に昇温し
て保持しておく。そのほかの点は、実施例1と同様であ
る。
試料を分析する際には、予めヒーター37および電源3
4とそれを制御する温度調節装置32およびサーミスタ
温度検出器39により、反応液の温度を80℃に昇温し
て保持しておく。そのほかの点は、実施例1と同様であ
る。
【0029】(実施例3)図3に基づいて実施例3を説
明する。この実施例の装置は、実施例1の構成の装置に
分析装置として試験紙光電光度定量装置71を適用して
いる。
明する。この実施例の装置は、実施例1の構成の装置に
分析装置として試験紙光電光度定量装置71を適用して
いる。
【0030】試験紙光電光度定量装置71のガス導入管
72を通ってガス接触室73へ導入された水素化物ガス
は、まずH2 S検出用試験紙76の片面から逆面方向へ
通過した後、活性炭カラム84を通過し、PH3 検出用
試験紙77の片面から逆面方向へ通過し、ガス排出管7
4、吸引ポンプ75を通って排出される。各試験紙のガ
ス流入面上部には、照射ランプ78およびフォトダイオ
ード79が取り付けられており、フォトダイオード79
はマイクロコンピュータを含む発色強度検出装置80に
接続されている。ガス接触室73へ導入された水素化物
ガスは、巻戻しリール82と巻取りリール83との間を
走行する両試験紙を通過することで、その流入面上に発
色を呈する。この発色部分に照射ランプ78から単色光
を照射し、その反射光強度をフォトダイオード79で検
出することでH2 SおよびPH3濃度を知ることができ
る。
72を通ってガス接触室73へ導入された水素化物ガス
は、まずH2 S検出用試験紙76の片面から逆面方向へ
通過した後、活性炭カラム84を通過し、PH3 検出用
試験紙77の片面から逆面方向へ通過し、ガス排出管7
4、吸引ポンプ75を通って排出される。各試験紙のガ
ス流入面上部には、照射ランプ78およびフォトダイオ
ード79が取り付けられており、フォトダイオード79
はマイクロコンピュータを含む発色強度検出装置80に
接続されている。ガス接触室73へ導入された水素化物
ガスは、巻戻しリール82と巻取りリール83との間を
走行する両試験紙を通過することで、その流入面上に発
色を呈する。この発色部分に照射ランプ78から単色光
を照射し、その反射光強度をフォトダイオード79で検
出することでH2 SおよびPH3濃度を知ることができ
る。
【0031】以上のような構成の装置によりH2 Sおよ
びPH3 の定量を行う方法について説明する。試験紙光
電光度定量装置71には、H2 S検出用試験紙76およ
びPH3 検出用試験紙77が配置されている。水素化物
ガス発生装置1から窒素ガスとともに送られてきたH2
S、PH3 およびAsH3 は、まずH2 S検出用試験紙
76を通過する。H2 S検出用試験紙76はPH3 、A
sH3 を全く検出せず、H2 Sのみを選択的に検出し、
H2 S濃度に応じた発色を試験紙上に呈する。H2 S検
出用試験紙76を通過したガスは、カラム温度調節装置
85によって130℃に保たれた活性炭カラム84へ流
入する。活性炭カラム84においてガス中のAsH3 は
活性炭に吸着され、そのまま保持され、ガス中に溶離す
ることはない。一方、PH3 は活性炭に吸着されても、
再び溶離する。その結果PH3 検出用試験紙77には、
AsH3 は送られず、PH3 のみが送られ、試験紙はP
H3 濃度に応じた発色を呈する。H2 S検出用試験紙7
6およびPH3 検出用試験紙77上の発色部分は照射ラ
ンプ78により照射され、フォトダイオード79でその
反射光強度が検出された後、発色強度検出装置80によ
り発色強度すなわちH2 SおよびPH3 濃度が算出され
る。
びPH3 の定量を行う方法について説明する。試験紙光
電光度定量装置71には、H2 S検出用試験紙76およ
びPH3 検出用試験紙77が配置されている。水素化物
ガス発生装置1から窒素ガスとともに送られてきたH2
S、PH3 およびAsH3 は、まずH2 S検出用試験紙
76を通過する。H2 S検出用試験紙76はPH3 、A
sH3 を全く検出せず、H2 Sのみを選択的に検出し、
H2 S濃度に応じた発色を試験紙上に呈する。H2 S検
出用試験紙76を通過したガスは、カラム温度調節装置
85によって130℃に保たれた活性炭カラム84へ流
入する。活性炭カラム84においてガス中のAsH3 は
活性炭に吸着され、そのまま保持され、ガス中に溶離す
ることはない。一方、PH3 は活性炭に吸着されても、
再び溶離する。その結果PH3 検出用試験紙77には、
AsH3 は送られず、PH3 のみが送られ、試験紙はP
H3 濃度に応じた発色を呈する。H2 S検出用試験紙7
6およびPH3 検出用試験紙77上の発色部分は照射ラ
ンプ78により照射され、フォトダイオード79でその
反射光強度が検出された後、発色強度検出装置80によ
り発色強度すなわちH2 SおよびPH3 濃度が算出され
る。
【0032】以上のようにして算出されたH2 Sおよび
PH3 濃度から、金属試料Sの硫黄および燐の含有量を
求める。その他の分析装置を適用した場合よりも硫黄お
よび燐の含有量を高感度に求めることができる。
PH3 濃度から、金属試料Sの硫黄および燐の含有量を
求める。その他の分析装置を適用した場合よりも硫黄お
よび燐の含有量を高感度に求めることができる。
【0033】
【発明の効果】この発明によれば、金属試料に含有され
る燐、硫黄といった、還元すると水素化物ガスを発生す
る成分元素の分析を行うことができる。その際、還元反
応に用いる反応液が0.1〜1mlと少量ですむので、分
析に際しての廃液の発生をほとんど無視することができ
る。
る燐、硫黄といった、還元すると水素化物ガスを発生す
る成分元素の分析を行うことができる。その際、還元反
応に用いる反応液が0.1〜1mlと少量ですむので、分
析に際しての廃液の発生をほとんど無視することができ
る。
【図1】この発明の方法(実施例1)を実施する装置の
構成図である。
構成図である。
【図2】この発明の他の方法(実施例2)を実施する装
置の要部を示す図面である。
置の要部を示す図面である。
【図3】この発明の更に他の方法(実施例3)を実施す
る装置の構成図である。
る装置の構成図である。
S 金属試料 1 水素化物ガ
ス発生装置 3 試料支持台 5 シール材 11 セル 13 供給口 15 排出口 17 反応室 21 セル固定装置 22 シリンダア
クチュエータ 24 赤外線ランプ 26 集光鏡 28 ハウジング 31 温度制御装
置 32 温度調節装置 34 電源 36 シリンダアクチュエータ 37 ヒーター 38 ピストンロッド 39 サーミスタ
温度検出器 41 キャリアーガス供給装置 42 キャリアー
ガス供給源 43 流量計 51 反応液供給
装置 52 反応液タンク 53 ポンプ 55 第1三方弁 57 計量管 59 第2三方弁 60 オーバーフ
ロー受け容器 65 分析装置 71 水素化物ガ
ス定量装置 72 ガス導入管 73 ガス接触室 74 ガス排出管 75 吸引ポンプ 76 H2 S検出用試験紙 77 PH3 検出
用試験紙 78 照射ランプ 79 フォトダイ
オード 80 発色強度検出装置 81 試験紙走行
装置 82 巻戻しリール 83 巻取りリー
ル 84 活性炭カラム 85 カラム温度
調節装置
ス発生装置 3 試料支持台 5 シール材 11 セル 13 供給口 15 排出口 17 反応室 21 セル固定装置 22 シリンダア
クチュエータ 24 赤外線ランプ 26 集光鏡 28 ハウジング 31 温度制御装
置 32 温度調節装置 34 電源 36 シリンダアクチュエータ 37 ヒーター 38 ピストンロッド 39 サーミスタ
温度検出器 41 キャリアーガス供給装置 42 キャリアー
ガス供給源 43 流量計 51 反応液供給
装置 52 反応液タンク 53 ポンプ 55 第1三方弁 57 計量管 59 第2三方弁 60 オーバーフ
ロー受け容器 65 分析装置 71 水素化物ガ
ス定量装置 72 ガス導入管 73 ガス接触室 74 ガス排出管 75 吸引ポンプ 76 H2 S検出用試験紙 77 PH3 検出
用試験紙 78 照射ランプ 79 フォトダイ
オード 80 発色強度検出装置 81 試験紙走行
装置 82 巻戻しリール 83 巻取りリー
ル 84 活性炭カラム 85 カラム温度
調節装置
Claims (3)
- 【請求項1】 金属試料を反応液と反応させて、発生し
た水素化物ガスを分析して金属試料に含まれる成分を分
析する方法において、金属試料を50〜100℃の一定
温度に保持しながら、密閉セル内で金属試料表面に反応
液を0.1〜1mlの一定量滴下し、発生した水素化物ガ
スをキャリアーガスによって分析装置に搬送し、成分分
析を行うことを特徴とする微少量反応液滴下による金属
試料分析方法。 - 【請求項2】 金属試料を反応液と反応させて、発生し
た水素化物ガスを分析して金属試料に含まれる成分を分
析する方法において、密閉セル内で金属試料表面に予め
50〜100℃の一定温度に昇温した反応液を0.1〜
1mlの一定量滴下し、発生した水素化物ガスをキャリア
ーガスによって分析装置に搬送し、成分分析を行うこと
を特徴とする微少量反応液滴下による金属試料分析方
法。 - 【請求項3】 発生した水素化物ガスのうちH2 Sおよ
びPH3 を、試験紙光電光度定量法で定量し、金属試料
に含まれる硫黄および燐の分析を行う請求項1または2
記載の微少量反応液滴下による金属試料分析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7103643A JPH08297117A (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 微少量反応液滴下による金属試料分析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7103643A JPH08297117A (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 微少量反応液滴下による金属試料分析方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08297117A true JPH08297117A (ja) | 1996-11-12 |
Family
ID=14359459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7103643A Withdrawn JPH08297117A (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 微少量反応液滴下による金属試料分析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08297117A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016190204A1 (ja) * | 2015-05-27 | 2016-12-01 | 株式会社 イアス | 誘導結合プラズマ又はマイクロ波プラズマ分析用の希釈システム |
-
1995
- 1995-04-27 JP JP7103643A patent/JPH08297117A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016190204A1 (ja) * | 2015-05-27 | 2016-12-01 | 株式会社 イアス | 誘導結合プラズマ又はマイクロ波プラズマ分析用の希釈システム |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020702 |