JPH06138116A - 金属試料中微量成分のガス化迅速分析方法及び装置 - Google Patents

金属試料中微量成分のガス化迅速分析方法及び装置

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JPH06138116A
JPH06138116A JP28592992A JP28592992A JPH06138116A JP H06138116 A JPH06138116 A JP H06138116A JP 28592992 A JP28592992 A JP 28592992A JP 28592992 A JP28592992 A JP 28592992A JP H06138116 A JPH06138116 A JP H06138116A
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Akihiro Ono
昭紘 小野
Yasuhiro Hayakawa
泰弘 早川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属試料中の微量成分を簡便かつ迅速に定量
する。 【構成】 水素化物ガス発生装置(図1)で金属試料9
を電気分解または還元力を有する酸と反応させて試料中
の硫黄あるいは燐等の微量成分を水素化物ガスとして発
生させ、搬送ガスと共に水素化物ガス定量装置(図2)
に導入する。上記水素化物ガスと発色反応を取り行わせ
るべき材料に水素化物ガス成分と化学反応を生じる発色
試薬溶液を噴霧ないしは同材料を発色試薬溶液中に浸漬
することによって発色用の試薬を含浸させる発色用試験
紙調製操作、及びこの発色用試験紙に上記水素化物ガス
を接触させて発色反応を行わせる操作を順次連続して取
り行う。そして、試験紙上面の発色強度を測定すること
により金属試料中の微量成分を簡便かつ迅速に定量する
分析方法及び装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属試料中に含有され
る微量の硫黄、燐等の成分をガス化して迅速に定量する
ことができる微量成分の分析方法及び装置に関する。本
発明は、製鉄業あるいは各種非鉄金属業などにおける製
造工程管理や品質管理分析の分野で利用される。
【0002】
【従来の技術】金属の精錬、製鋼プロセスなどの操業管
理には、可能な限り迅速に微量成分含有率を分析して把
握し、その結果によって操業上の対応処理をとる必要が
ある。例えば、製鋼プロセスでは試料採取から分析結果
が得られるまでの時間は、通常5ないし6分である。ま
た、製品の検定にも高精度、迅速分析が必要である。分
析対象成分の中でも硫黄、燐等の微量成分については、
特に製鉄において品質を決定する上で重要である。
【0003】金属試料中の微量の硫黄を定量する方法と
しては、例えばJIS G1215「鉄および鋼中の硫
黄定量方法」に定められた燃焼−赤外線吸収法がある。
この方法は、酸素気流中で金属試料を燃焼して、試料中
の硫黄を二酸化硫黄とし、その赤外線吸収強度から含有
率を求めるものである。これらの分析方法は定量感度に
は優れるが、試料を切削あるいは小形状の塊状にする試
料前処理を含めて分析所要時間がかかる問題がある。ま
た、微量の燐を定量する方法として、例えばJIS G
1214「鉄および鋼中のりん定量方法」に定められた
モリブデン青吸光光度法がある。この方法は、試料を酸
で分解し、過塩素酸白煙処理により燐を酸化した後、モ
リブデン酸アンモニウムとともに加温して生成した燐モ
リブデン酸の還元によって生じたモリブデン青の吸光度
を測定するものである。更に、燐定量法に関しては分析
操作が煩雑であり、熟練を要することも大きな問題であ
る。
【0004】これらの問題点を改良するものとして、本
発明者らは「金属材料の電解ガス化分析方法およびその
装置」(特願平2−44485)により試料中の硫黄、
燐、炭素等の新しい簡便な分析方法を提案した。この分
析方法では、電解液中で金属試料を電解して硫黄、燐、
炭素等の定量目的成分を水素化物ガスとして発生させ、
ガスクロマトグラフ分析装置、誘導結合プラズマ発光分
光分析装置、原子吸光分析装置、または可視もしくは紫
外吸光光度分析装置などのガス分析装置によりガス成分
濃度を測定して試料中の各成分の含有率を求める。この
方法を用いることで、従来に比べ簡単かつ迅速に金属試
料中の微量の硫黄、燐等の成分を定量することができる
ようになった。
【0005】しかし、更に定量感度を向上させるために
本発明者等は、硫黄、燐成分にのみ分析対象を絞り、高
感度で迅速性に優れた分析方法として、「金属試料中の
燐および硫黄の分析方法およびその装置」(特願平3−
160587)および「金属試料中の微量の燐および硫
黄の分析方法およびその装置」(特願平3−18897
5)を提案した。これらの方法では、ガス分析装置とし
て硫黄及び燐の水素化物ガスを高感度に検出することが
できる試験紙光電光度法を採用し、電解あるいは還元力
を有する酸との反応により試料中の硫黄、燐を水素化物
ガスとして発生させ、この発生ガス濃度を検出すること
により硫黄、燐成分を定量する。この方法により、ppm
オーダーの硫黄、燐を定量することが可能とした。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、製品の高級化に
伴って高純度金属の開発が盛んに行われ、材料中の不純
物成分は減少の一途をたどっている。例えば鉄鋼製品を
例にとると、硫黄、燐等の含有成分がppm オーダーで制
御された高級鋼材が開発されている。このため、微量の
含有成分を正確に分析する必要性が増大し、更に分析結
果を製造工程管理に利用するために迅速で、簡便な操作
でしかも分析のためのコストが低い分析が要求されてい
る。
【0007】上記「金属試料中の燐および硫黄の分析方
法およびその装置」(特願平3−160587)および
「金属試料中の微量の燐および硫黄の分析方法およびそ
の装置」(特願平3−188975)では、ガス分析装
置に試験紙光電光度法を採用することで、ppm オーダー
の硫黄、燐を定量することが可能となった。しかし、こ
れらの方法では、各成分を発色させるための試験紙を予
め調製する作業が煩雑であり、その試験紙に含浸させた
発色用試薬を化学変化を起させずに長期間保存すること
が困難であるなど、発色用試験紙の調製及び保存に問題
があった。
【0008】本発明は、発色用試験紙の調製及び保存の
問題を解決するために、水素化物ガスを定量する操作を
自動的に行っている間に発色用試験紙を自動調製する方
法により、金属試料中に含有される微量の硫黄、燐等の
微量成分を迅速かつ簡便に定量することができる分析方
法及び装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め、本発明者らは次の分析方法及び装置が有効であるこ
とを明らかにした。すなわち、金属試料を電気分解また
は還元力を有する酸と反応させて試料中の硫黄、燐等の
水素化物ガスを発生させ、搬送ガスに導かれた水素化物
ガスを発色試薬を含浸させた試験紙に接触させてその発
色強度から金属試料中の微量成分含有率を求める分析方
法において、発色反応を取り行わせるべき材料に発色試
薬溶液を噴霧ないし同材料を発色試薬溶液中に浸漬する
ことによって発色用の試薬を含浸させる発色用試験紙調
製操作、及びこの発色用試験紙に金属試料から発生させ
た水素化物ガスを接触させて発色反応を行わせる操作を
順次連続して取り行うことを特徴とする金属試料中の微
量成分のガス化迅速分析方法、及び金属試料から試料中
の硫黄、燐等の水素化物ガスを発生させる水素化物ガス
発生装置に、発色試薬含浸用試験紙を巻き取ったリール
部、この試験紙を浸漬する発色試薬を入れた容器、発色
試薬を含浸した試験紙の過剰水分除去部からなる発色用
試験紙調製装置、この発色試薬を含浸させた試験紙の上
面に前記水素化物ガス発生装置に接続する水素化物ガス
搬送管末端口を、同試験紙の下面に末端に吸引ポンプを
接続する吸引ノズルを配置した水素化物ガス供給装置、
発色させた同試験紙を間歇的にあるいは走行状態を維持
して巻き取る装置、試験紙の上面に単色光を照射してそ
の反射光強度を測定して試験紙のガス流入面上の発色強
度を検出し、水素化物ガス濃度を測定することによって
金属試料中の微量成分の含有率を求めるべき発色強度検
出装置から構成される水素化物ガス発生装置を接続する
ことを特徴とする金属試料中の微量成分のガス化迅速分
析装置を用いる手段である。
【0010】
【作用】金属試料を電気分解または還元力を有する酸と
反応させると、金属試料中の硫黄、燐等の成分は還元さ
れ、硫化水素、燐化水素などの水素化物ガスを発生す
る。本発明において、分析に供する金属試料はブロック
状または切削状のいずれであってもよい。例えば、製鉄
業においては、溶銑および溶鋼から採取し、試料調製装
置で調製した直径約30mm程度の円柱状のブロック試料
が用いられることが多い。金属試料からの水素化物ガス
の発生は密閉した水素化物ガス発生装置内で行われ、酸
のみで反応させる場合には30〜110℃に加熱した3
〜12M塩酸などが適当である。更に塩酸などを電解液
として用い、対電極を設置して試料を電解することによ
り単位時間当りの試料溶解量を増大させ、水素化物ガス
の発生量を向上させることができる。発生した水素化物
ガスは不活性ガスにより水素化物ガス定量装置に搬送さ
れる。不活性ガスとしてはアルゴン、ヘリウムまたは窒
素ガスなどが用いられる。
【0011】水素化物ガス定量装置に搬送された水素化
物ガスは、連続的にまたは間欠的に走行する水素化物ガ
ス検出用試験紙に連続的に供給される。試験紙には、硫
化水素あるいは燐化水素などと化学反応を生じる試薬、
例えば、酢酸鉛あるいは硝酸銀を含浸させた、幅2cm程
度のテープ状の試験紙や試験布などが利用できる。これ
らの試験紙は、100ppm 程度以下の微量の硫化水素や
燐化水素などの微量濃度の全量を検出することができ
る。試験紙に含浸された試薬と水素化物ガスが反応する
と、試験紙表面には発色が呈せられ、この発色強度を検
出することでガス濃度を測定することができる。
【0012】硫黄や燐等の水素化物ガス成分を検出する
試験紙には、各成分と化学反応を起し発色する試薬を固
定させることが必要である。試験紙の材質としては表面
が平滑な紙や布を用いることができるが、発色試薬を保
持しやすいようにシリカゲル等の担体を含浸させたもの
が適当である。通常発色試薬は空気中に曝しておくと化
学変化を起しその機能を低下するので低温で光を遮断し
て密封して保管する必要があり、このように厳密に保管
しても長期間の保存は困難な場合が多い。また試験紙に
吸収させる発色用の溶液は水素イオン濃度や水分の保持
具合によって水素化物ガス成分との化学反応速度が異な
る。従って、可能ならば発色反応を行わせる直前に発色
用試験紙を調製するのが理想的である。
【0013】また、試験紙の走行速度はガス発生量に合
わせて適宜調整し、連続測定ならば1〜10cm/min、間
欠走行ならば10〜60秒間/1測定程度が適当であ
る。発色した試験紙の発色強度を測定するには、それぞ
れの試験紙上面の発色部分を単一波長のランプにより照
射し、フォトダイオードなどで反射光の強度を測定す
る。上記の試薬を含浸した硫化水素検出用試験紙あるい
は燐化水素検出用試験紙の場合は、共にその発色は55
5nm程度の同一波長で検出することが可能である。金属
試料中の硫黄あるいは燐の含有率と発色強度(反射光強
度)との関係を示す検量線を実験により予め求めておく
ことにより、反射光強度から硫黄あるいは燐等の微量成
分の定量を行うことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1、図2及
び図3を用いて説明する。本発明は、図1に示した水素
化物ガス発生装置及びこれに接続する図2に示した水素
化物ガス定量装置から構成されている。
【0015】図1は、円柱状ブロック鋼試料を用い、電
気分解によって水素化物ガスを発生させる水素化物ガス
発生装置の一例を示したものである。水素化物ガス発生
装置には反応室1を備えており、反応室1の上部にはニ
ードル弁3および流量計4を介して窒素ガスボンベ2が
接続されている。ニードル弁3の開度を調節して、反応
室1に供給する窒素ガス流量を一定に保持する。また、
反応室1には窒素ガスボンベ2が接続された位置とは反
対側に気液分離器5が接続されている。反応室1の下部
には熱交換器8を介して電解液ポンプ7及び電解液タン
ク6が接続されている。電解液には、各種組成の溶液を
用いることができるが、6M塩酸を用いた。反応室1の
頂部は円柱状ブロック鋼試料9の保持部となっており、
試料9は下端面が反応室1内に入り込むようにして支持
されている。上記気液分離器5の頂部はラインフィルタ
ー10を介して水素化物ガス定量装置(図2)に、ま
た、底部は上記電解液タンク6に接続されている。
【0016】水素化物ガス発生装置には、上記各部とは
別に電圧制御回路12及び電源13からなる電解装置1
1が備えられており、試料用電極(正極)14は試料9
の上面に接触して、また対極(負極;図示省略)は反応
室1内において試料9の下面近くに配置されている。試
料用電極14と対極とは電源13に接続されており、電
源13は電圧制御回路12に接続されている。対極と試
料9下面との間には参照電極(図示省略)が挿入されて
いる。参照電極は電圧測定回路15を介して上記電圧制
御回路12に接続されている。参照電極により検出され
た電圧に基づき、電解電圧は設定電圧を保持するように
電圧制御回路12により制御される。
【0017】水素化物ガス定量装置(図2)は、発色試
薬含浸試験紙24を巻き取ったリール部25、この試験
紙24を浸漬する発色試薬溶液26を入れた容器27、
発色試薬を含浸した試験紙の余分の水分除去用の試験紙
乾燥器28からなる発色用試験紙調製装置、この発色試
薬を含浸させた発色用試験紙30の上面に前記水素化物
ガス発生装置(図1)に接続する水素化物ガス搬送管1
6末端口を、同試験紙の下面に末端に吸引ポンプ19を
接続する吸引ノズル18を配置した水素化物ガス供給装
置、発色させた同試験紙を間歇的にあるいは走行状態を
維持して巻き取る発色用試験紙巻き取り装置31、試験
紙の上面に照射ランプ21により単色光を照射してフォ
トダイオード22により試験紙のガス流入面上の発色強
度を検出する反射光強度測定装置20、この反射光強度
より水素化物ガス濃度を測定し、金属試料中の微量成分
の含有率を算出する発色強度検出装置23から構成され
ている。
【0018】発色試薬含浸用試験紙24は、幅5cm程度
の帯状の紙ないしは布が適しているが、分析目的成分と
化学反応を起して発色を呈する試薬溶液26を中に浸漬
し、試験紙24に発色試薬を含浸させる。図2の実施例
では試薬溶液中に浸漬する方法を示したが、試薬溶液を
噴霧して付着させる等の方法でも良い。分析目的成分を
金属試料中の硫黄あるいは燐とするならば、硫黄には酢
酸鉛溶液が、燐には硝酸銀溶液が適している。発色試薬
を含浸させた試験紙30を硫化水素あるいは燐化水素ガ
スが通過する間に、ガス中の硫化水素の全量は硫化水素
発色用試験紙30上面で酢酸鉛と反応して黒色の沈殿物
となり、またガス中の燐化水素は燐化水素発色用試験紙
30の上面で硝酸銀と反応して褐色の銀の析出を行う。
【0019】発色用試験紙30は、試験紙巻き取り装置
31によって巻き取ることにより走行速度が調節され、
それぞれの帯状の試験紙をガス導入管17及びそれに対
向したガス吸引ノズル18の間を通過する。試験紙の走
行は間欠的にあるいは遅い速度で常時巻き取るなど目的
に応じた走行方法をとることができる。
【0020】ガスを通過させて発色を行わせた後、その
発色強度を測定するためにそれぞれの試験紙の上面に対
して反射光強度測定装置20を設けてある。反射光強度
測定部は、本実施例ではガス導入管17と同じ位置にし
てあるが、試験紙へのガスの導入場所と分けて設けても
良い。反射光強度測定装置20には照射ランプ21及び
フォトダイオード22が取り付けられている。フォトダ
イオード22はマイクロコンピュータを含む発色強度検
出器23に接続されている。
【0021】ここで、上記図1及び図2のように構成さ
れた装置により、鉄鋼試料中の微量硫黄を定量する方法
について説明する。試料9は円柱状の鋼であって、直径
が30mm、高さが20mmである。試料9を反応室1の頂
部に設置し、試料用電極14を接触させる。電解液ポン
プ7を駆動して電解液である6M塩酸を反応室1に連続
的に供給する。途中、塩酸は熱交換器8により60℃程
度に加熱される。このような状態で、試料9に電解電圧
(0.7V)を印加するとともに、窒素ガスボンベ2か
ら一定流量(100ml/min)で窒素ガスを反応室1に供
給する。試料9中の硫黄は還元されて硫化水素ガスとな
り、窒素ガスに伴われて気液分離器5に入る。気液分離
器5で塩酸は電解液タンク6に戻り、硫化水素は窒素ガ
スと共に水素化物ガス搬送管16を経て水素化物定量装
置(図2)に送られる。途中、ラインフィルター10に
よって塩酸ミストは除去される。
【0022】水素化物ガス定量装置では、発色試薬含浸
用試験紙巻き取りリール25に収納されていた発色試薬
含浸用試験紙24が発色用試験紙巻き取り装置31の駆
動によって、一定速度(4cm/min)で試薬溶液容器27
に入れられた酢酸鉛容器26の中に入っていき、酢酸鉛
が試験紙に含浸される。この試験紙24はそのあと、乾
燥器28を通過する間にローラー29で余分の溶液を除
かれ適度に乾燥される。このようにして自動的に調製さ
れた発色用試験紙30は、反射光強度測定装置20を通
過して巻き取り装置31に巻き取られる。発色用試験紙
30が反射光強度測定装置20を通過する間に、水素化
物ガス搬送管16から供給される硫化水素ガスはガス導
入管17を通って発色用試験紙30の上面に供給され、
ガスが供給される位置に対向した試験紙30の下面に設
けた吸引ノズル18よりその末端に接続した吸引ポンプ
19で吸引する。硫化水素ガスは発色用試験紙30を通
過し、硫化水素濃度に応じた発色を試験紙30上に呈す
る。しかも、搬送されてきたガス中の硫化水素の全量が
同試験紙30によって消費され同試験紙30を通過して
きたガス中には硫化水素は存在しなかった。
【0023】硫化水素検出用試験紙30上の発色部分は
照射ランプ21により照射され、フォトダイオード22
でその反射光強度が検出された後、発色強度検出器23
により発色強度すなわち硫化水素濃度が測定され、含有
率既知の鋼試料を用いて予め作成してある検量線を用い
て鋼試料中の硫黄の含有率を算出する。
【0024】図3は、上記ブロック状鋼試料を用い、電
気分解によって硫化水素を発生させたときの硫化水素発
色用試験紙の反射光強度測定結果を示している。電気分
解を開始すると、発色用試験紙の反射光強度が低下し、
約1分で安定する。その後、電気分解を行っている間、
試験紙はほぼ一定の反射光強度を示し、電気分解を停止
すると反射光強度は直ちに変化し、最初の反射光強度に
戻る。電気分解を行っている間の反射光強度と鋼中硫黄
含有率との関係を予め求めておくことにより、鋼中の微
量の硫黄を定量することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、これまで煩雑な分析操
作が必要で、しかも長い分析所要時間を要した金属試料
中の微量成分の定量を、簡単にかつ迅速に行うことがで
きる。しかも、金属試料よりガス化して分離した水素化
物ガスを高感度に検出することができる試験紙光電光度
法を用いているためppm オーダーまでの硫黄や燐等の微
量成分を定量することができる。また、予め調製してお
いた試験紙を用いるのではなく、発色反応を取り行わせ
るべき材料に発色試薬溶液を噴霧ないしは同材料を発色
試薬溶液中に浸漬することによって発色用の試薬を含浸
させる発色用試験紙調製操作を、金属試料から水素化物
ガスを発生させ、水素化物ガスを試験紙に接触させて発
色反応を行わせて定量する各操作とを順次連続して取り
行う方法を新規に採用した。その結果、発色用試験紙を
別途調製する手間がなくなり、化学変化を起さないよう
に大気との接触を避けて密封し、低温でかつ光を遮断し
て保管する必要がなくなり、調製したての新鮮な状態で
使用できるようになった。また、微量域の各種元素の定
量精度を向上させることができ信頼性を大幅に向上する
ことができた。これは金属の精錬、製鋼プロセスなど金
属製造業における操業管理、あるいは製品の品質管理な
どの分野に与える効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の水素化物ガス発生装置部の実施
例。
【図2】水素化物ガス定量装置部の実施例。
【図3】硫化水素発色用試験紙の反射光強度測定結果の
一例を示す線図。
【符号の説明】
1 反応室 2 窒素ガスボンベ 3 ニードル弁 4 流量計 5 気液分離器 6 電解液タンク 7 電解液ポンプ 8 熱交換器 9 試料 10 ラインフィルター 11 電解装置 12 電圧制御回路 13 電源 14 試料用電極 15 電圧測定回路 16 水素化物ガス搬送管 17 ガス導入管 18 吸引ノズル 19 吸引ポンプ 20 反射光強度測定装置 21 照射ランプ 22 フォトダイオード 23 発色強度検出器 24 発色試薬含浸用試験紙 25 試薬含浸用試験紙巻き取りリール 26 発色試薬溶液 27 試薬溶器 28 発色用試験紙乾燥器 29 ローラー 30 発色用試験紙 31 発色用試験紙巻き取り装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属試料を電気分解または還元力を有す
    る酸と反応させて試料中の硫黄、燐等の水素化物ガスを
    発生させ、搬送ガスに導かれた水素化物ガスを発色試薬
    を含浸させた試験紙に接触させてその発色強度から金属
    試料中の微量成分含有率を求める分析方法において、 発色反応を取り行わせるべき材料に発色試薬溶液を噴霧
    ないし同材料を発色試薬溶液中に浸漬することによって
    発色用の試薬を含浸させる発色用試験紙調製操作、及び
    この発色用試験紙に金属試料から発生させた水素化物ガ
    スを接触させて発色反応を行わせる操作を順次連続して
    取り行うことを特徴とする金属試料中の微量成分のガス
    化迅速分析方法。
  2. 【請求項2】 金属試料から試料中の硫黄、燐等の水素
    化物ガスを発生させる水素化物ガス発生装置に、発色試
    薬含浸用試験紙を巻き取ったリール部、この試験紙を浸
    漬する発色試薬を入れた容器、発色試薬を含浸した試験
    紙の過剰水分除去部からなる発色用試験紙調製装置、こ
    の発色試薬を含浸させた試験紙の上面に前記水素化物ガ
    ス発生装置に接続する水素化物ガス搬送管末端口を、同
    試験紙の下面に末端に吸引ポンプを接続する吸引ノズル
    を配置した水素化物ガス供給装置、発色させた同試験紙
    を間歇的にあるいは走行状態を維持して巻き取る装置、
    試験紙の上面に単色光を照射してその反射光強度を測定
    して試験紙のガス流入面上の発色強度を検出し、水素化
    物ガス濃度を測定することによって金属試料中の微量成
    分の含有率を求めるべき発色強度検出装置から構成され
    る水素化物ガス発生装置を接続することを特徴とする金
    属試料中の微量成分のガス化迅速分析装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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