JPH08296552A - 可変容量圧縮機 - Google Patents

可変容量圧縮機

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Publication number
JPH08296552A
JPH08296552A JP7105839A JP10583995A JPH08296552A JP H08296552 A JPH08296552 A JP H08296552A JP 7105839 A JP7105839 A JP 7105839A JP 10583995 A JP10583995 A JP 10583995A JP H08296552 A JPH08296552 A JP H08296552A
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JP
Japan
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passage
refrigerant gas
chamber
crank chamber
pressure
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Application number
JP7105839A
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English (en)
Inventor
Takuya Okuno
卓也 奥野
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Takeshi Mizufuji
健 水藤
Shinichi Ogura
進一 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08296552A publication Critical patent/JPH08296552A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 斜板の最小傾角状態で最小容量の運転が行わ
れるとき、ハウジング内の下部に溜まった潤滑油を循環
冷媒ガス中に十分に取り込んで、内部の潤滑必要部分が
潤滑不良に陥るおそれを防ぐとともに、構成を簡単にす
る。 【構成】 圧力供給通路54の途中に電磁開閉弁55を
設け、その開放に伴い圧力供給通路54を介して吐出室
40内の冷媒ガスをクランク室25に供給するととも
に、放圧通路51を介してクランク室25内の冷媒ガス
を吸入室38に放出して、クランク25室内の調圧を行
う。斜板30が最小傾角になったとき、圧力供給通路5
4及び放圧通路51を通る冷媒ガスの循環通路を形成し
て、内部の潤滑を行う。圧力供給通路54の入口部54
aを吐出室40の最下部に開口するように設け、吐出室
40の下部に溜まった潤滑油を、冷媒ガスとともに圧力
供給通路54の入口部54aから循環通路内へ効果的に
取り込むようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ピストンが往復動す
るタイプの可変容量圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の可変容量圧縮機は、ピストンを
往復動させるための斜板が傾動可能であり、斜板の傾動
にともなう同斜板の傾角の大小に応じてピストンストロ
ークが変化して容量が変更される。
【0003】一方、圧縮機内部の潤滑は、冷媒ガス中の
潤滑油により行われる。従って、小容量の場合には、圧
縮機内部を通過する冷媒ガス量が少なくなるため、潤滑
油も少なくなり、潤滑不良のおそれがある。特に、最小
容量時には小量の冷媒ガスが圧縮機内部を循環するタイ
プのものにおいては、このおそれが高い。しかも、圧縮
機の回転軸とエンジンとを電磁クラッチを介することな
く直結したクラッチレスタイプ圧縮機においては、冷房
不要時に圧縮機が最小容量で常時稼働されるため、潤滑
不良のおそれが高い。
【0004】そして、最小容量時に圧縮機内部を循環さ
れる冷媒ガス中から潤滑油を抽出するために、特開平4
−54288号公報に開示された圧縮機では、吐出室と
クランク室との間に通路を設けて、吐出室内とクランク
室内との圧力差に依存して吐出室内の潤滑油をクランク
室内に供給し、斜板とピストンとの連結部等を潤滑する
ようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、吐出室
とクランク室とを常時連通させると、大容量稼働時に吐
出ガスの一部が外部冷媒回路に供給されずにクランク室
に逃げてしまうため、圧縮機の稼働効率が低下する。こ
のため、前記公報においては、吐出室とクランク室との
間の通路を開閉する弁を設けて、熱負荷が大きく、冷房
が必要な場合に前記通路を閉鎖するように構成してい
る。
【0006】ところが、この弁は圧縮機の容量変更には
関与せず、通路の開閉のみを行うようになっており、容
量変更弁は吸入通路に別に設けられている。そのため、
この公報の圧縮機においては、弁の数が多くなって、構
成が複雑になる。
【0007】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、斜板の最小傾角状態で最小容量の運転が
行われるとき、ハウジング内の下部に溜まった潤滑油を
循環冷媒ガス中に十分に取り込むことができて、内部の
潤滑必要部分が潤滑不良に陥るおそれを防止することが
できるとともに、構成が簡単な可変容量圧縮機を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、請求項1の発明においては、吐出圧領域とクラン
ク室との間に第1の通路を設けるとともに、クランク室
と吸入圧領域との間に第2の通路を設け、第1の通路に
は同通路内を通過する冷媒ガス量を調節して、容量を制
御するための容量制御弁を設け、第1の通路の吐出圧領
域側の開口を吐出圧領域の下部に配置したものである。
【0009】請求項2の発明においては、請求項1にお
いて、容量制御弁は電磁弁である。請求項3の発明にお
いては、請求項1または2において、回転軸は駆動源に
常時作動連結されているものである。
【0010】請求項4の発明においては、請求項1〜3
のいずれかにおいて、斜板が最小傾角になったとき、外
部冷媒回路と吸入圧領域との間を遮断する遮断部材を設
けたものである。
【0011】請求項5の発明においては、請求項4にお
いて、遮断部材は外部冷媒回路と吸入圧領域との間を絞
る絞りを有しているものである。請求項6の発明におい
ては、請求項1〜5のいずれかにおいて、吐出圧領域が
ハウジングの外周側に配置されているものである。
【0012】
【作 用】請求項1においては、容量制御弁の開放動作
及び閉鎖動作により、第1の通路内を通過する冷媒ガス
量が調節されて、クランク室内の圧力が調節され、容量
制御が行われる。また、容量制御弁の開放動作により、
吐出圧領域の下部に溜まった潤滑油が、冷媒ガスととも
に第1の通路を通してクランク室内に効果的に取り込ま
れる。
【0013】請求項2においては、電磁弁は、単にオ
ン、オフを行うだけでよい。請求項3においては、冷房
不要時に圧縮機が最小容量で常時稼働されても、潤滑不
良のおそれがない。
【0014】請求項4においては、斜板が最大傾角と最
小傾角との間で傾動されると、遮断部材が斜板の傾動に
連動して、冷媒ガスを導入可能な開位置と導入不能な閉
位置とに切り換え移動される。
【0015】請求項5においては、遮断部材の移動時
に、絞りによって外部冷媒回路と吸入圧領域との間が絞
られる。請求項6においては、吐出圧領域の下部が圧縮
機の最下部に位置することになる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の一実施例を、図面に基づい
て詳細に説明する。この実施例は、クラッチレスタイプ
の可変容量圧縮機において具体化したものである。
【0017】図1に示すように、シリンダブロック11
の前端面にはフロントハウジング12が接合されるとと
もに、後端面にはリヤハウジング13が弁板14を介し
て接合されている。シリンダブロック11、フロントハ
ウジング12及びリヤハウジング13により、この可変
容量圧縮機のハウジングが構成されている。複数の通し
ボルト15はフロントハウジング12からシリンダブロ
ック11及び弁板14を通してリヤハウジング13に螺
合され、これらの通しボルト15によりフロントハウジ
ング12及びリヤハウジング13がシリンダブロック1
1の両端面に締付固定されている。
【0018】回転軸16は前記シリンダブロック11及
びフロントハウジング12の中央に、前後一対のラジア
ルベアリング17,18を介して回転可能に支持され、
その前端外周とフロントハウジング12との間にはリッ
プシール19が介装されている。プーリ20はフロント
ハウジング12より突出した回転軸16の前端部に取り
付けられ、ベルト21を介して図示しない車両エンジン
等の駆動源に電磁クラッチを介することなく直接連結さ
れている。アンギュラベアリング22はプーリ20とフ
ロントハウジング12との間に介装され、このベアリン
グ22によって、プーリ20に作用するスラスト方向及
びラジアル方向の荷重が受け止められる。
【0019】複数のシリンダボア23は前記回転軸16
の軸線と平行に延びるように、シリンダブロック11の
両端部間に所定の等間隔おきで貫通形成され、それらの
内部には片頭型のピストン24が往復動可能に嵌挿支持
されている。
【0020】クランク室25はシリンダブロック11の
前面側において、フロントハウジング12の内部に形成
されている。回転支持体26はクランク室25内におい
て回転軸16に一体回転可能に止着され、スラストベア
リング27を介してフロントハウジング12の内面に支
持されている。支持アーム28は回転支持体26の一部
からシリンダブロック11側に向かって突設され、その
先端には回転軸16の軸線と交差する方向に延びる一対
のガイド孔29が形成されている。
【0021】ほぼ円板状の斜板30は前記回転軸16に
傾動可能に嵌挿され、その前面の一部には先端に球状部
を有する一対の連結体31が突設されている。そして、
この連結体31が支持アーム28のガイド孔29に回動
及び摺動自在に係入されることによって、斜板30が回
転支持体26に対して傾角を変更可能にかつ一体回転可
能にヒンジ連結されている。
【0022】摺動面32は斜板30の外周部の前後両面
に形成され、この摺動面32が一対の半球状のシュー3
3を介して各ピストン24の基端部に連結されている。
そして、回転軸16が回転されたとき、回転支持体26
及び連結体31等を介して斜板30が一体に回転され
る。このとき、斜板30の傾斜角度に応じたストローク
で各ピストン24がシリンダボア23内において往復動
される。
【0023】収容室34は前記回転軸16と同一軸線上
に位置するように、シリンダブロック11の中心に貫通
形成されている。吸入通路35は回転軸16と同一軸線
上に延びるように、リヤハウジング13及び弁板14の
中心に形成され、その内端は収容室34に連通されると
ともに、外端には吸入マフラ36を介して外部冷媒回路
37が接続されている。吸入圧領域を構成する吸入室3
8はリヤハウジング13内の中央部に環状に区画形成さ
れ、弁板14上の連通口39を介して収容室34に連通
されている。吐出圧領域を構成する吐出室40はリヤハ
ウジング13内の外周部に環状に区画形成され、シリン
ダブロック11の外周の吐出マフラ41を介して外部冷
媒回路37に接続されている。
【0024】吸入弁機構42は前記弁板14に形成さ
れ、ピストン24がシリンダボア23内で復動されると
き、この吸入弁機構42によって吸入室38から各シリ
ンダボア23の圧縮室内に冷媒ガスが吸入される。吐出
弁機構43は弁板14に形成され、ピストン24がシリ
ンダボア23内で往動されるとき、この吐出弁機構43
によって各シリンダボア23の圧縮室内で圧縮された冷
媒ガスが吐出室40に吐出される。
【0025】遮断部材としてのスプール44は前記回転
軸16と同一軸線上に位置するように、シリンダブロッ
ク11の収容室34内に摺動可能に収容されている。バ
ネ45はスプール44と収容室34の後端縁との間に介
装され、このバネ45によりスプール44が斜板30側
に向かって付勢されている。そして、このスプール44
内には前述した後側のラジアルベアリング18が嵌着さ
れて、このラジアルベアリング18中に回転軸16の後
端が摺動可能に嵌挿支持されてる。
【0026】図1及び図4に示すように、スラストベア
リング46は前記スプール44と斜板30との間におい
て、回転軸16に嵌挿されている。一対の突起部47は
スラストベアリング46の前側レース46aに当接する
ように、斜板30の後面に形成され、頂部を円弧状にし
た山形をなしている。
【0027】絞り開閉部49は前記吸入通路35と対応
するように、スプール44の後端面に突出形成され、そ
の外表面がほぼ球面状になっている。そして、図4に示
すように、斜板30が最小傾角状態に傾動されたときに
は、スプール44がバネ45の付勢力に抗して後方の閉
位置に移動され、絞り開閉部49が吸入通路35の後端
内周縁に進入係合する。それにより、外部冷媒回路37
から吸入室38内への冷媒ガスの導入が停止される。な
お、この斜板30の最小傾角は0度よりも僅かに大きく
なるように設定されるとともに、その最小傾角はスプー
ル44が閉位置に配置されることによって規制される。
【0028】また、図1に示すように、斜板30が最大
傾角状態に傾動されたときには、スプール44がバネ4
5の付勢力により前方の開位置に移動されて、絞り開閉
部49が吸入通路35から退出する。それにより、外部
冷媒回路37から吸入通路35を介して吸入室38内に
冷媒ガスが導入され、斜板30の回転に伴って最大吐出
容量の圧縮運転が行われる。なお、この斜板30の最大
傾斜角度は、斜板30の前面に形成された規制突部50
が回転支持体26に当接することによって規制される。
【0029】図1に示すように、放圧通路51は前記回
転軸16の中心に形成され、その前端が通孔52を介し
てクランク室25に開口されるとともに、後端がスプー
ル44の内部に開口されている。放圧孔53はスプール
44の後端外周に形成され、この放圧孔53を介してス
プール44の内部が収容室34内に連通されている。そ
して、クランク室25の圧力が、これらの通孔52、放
圧通路51、スプール44の内部、放圧孔53、収容室
34及び連通孔39を介して、吸入室38内に導出され
るようになっている。本実施例では、これらの通孔5
2、放圧通路51等により第2の通路が構成されてい
る。
【0030】図1〜図3に示すように、圧力供給通路5
4は前記リヤハウジング13、弁板14及びシリンダブ
ロック11に連続して形成され、この圧力供給通路54
を介して吐出室40がクランク室25に接続されてい
る。本実施例では、この圧力供給通路54により第1の
通路が構成されている。容量制御弁としての電磁開閉弁
55は圧力供給通路54の途中に位置するようにリヤハ
ウジング13に装着され、ソレノイド56の励磁または
消磁に伴って、弁体64が弁孔65を閉鎖または開放す
る2位置に切換られる。そして、この電磁開閉弁55が
開放されたときには、吐出室40の圧力が圧力供給通路
54を介して、クランク室25内へ供給されて、クラン
ク室25内の圧力調節が行われるようになっている。
【0031】また、前記圧力供給通路54の吐出室40
と電磁開閉弁55との間の部分は、リヤハウジング13
内において縦方向へ斜状に延びるように形成され、この
部分の入口部54aが吐出室40の最下部に位置する部
分に開口されている。そして、図4に示すように、電磁
開閉弁55が開放状態に切換られ、スプール44が外部
冷媒回路37と吸入室38との間を遮断したとき、圧力
供給通路54及び放圧通路51を通る冷媒ガスの循環通
路が形成される。このとき、吐出室40の下部に溜まっ
た潤滑油が、冷媒ガスとともに圧力供給通路54の入口
部54aから循環通路内へ取り込まれて、圧縮機内部の
潤滑が行われる。
【0032】前記外部冷媒回路37は凝縮器57、膨脹
弁58及び蒸発器59を有している。温度センサ60は
蒸発器59の近傍に配置され、蒸発器59における温度
を検出する。また、制御コンピュータ61には空調装置
の作動スイッチ62及びエンジンの回転数を検出する回
転数検出器63が接続されている。
【0033】そして、前記制御コンピュータ61は、作
動スイッチ62のオン状態において、温度センサ60に
よる検出温度が設定温度以下になったとき、ソレノイド
56に消磁指令信号を出力して、電磁開閉弁55を開放
させる。なお、この設定温度は、蒸発器59が温度低下
に伴ってフロストを発生し始める温度と一致するように
なっている。また、制御コンピュータ61は、作動スイ
ッチ62のオン状態において、回転数検出器63による
検出回転数に特定の変動があったとき、ソレノイド56
に消磁指令信号を出力して、電磁開閉弁55を開放させ
る。さらに、制御コンピュータ61は、作動スイッチ6
2からオフ信号を入力したときに、ソレノイド56に消
磁指令信号を出力して、電磁開閉弁55を開放させる。
【0034】次に、前記のように構成された可変容量圧
縮機について動作を説明する。さて、図1に示す状態で
は、作動スイッチ62のオン操作に伴うソレノイド56
の励磁により、電磁開閉弁55が閉鎖されて、圧力供給
通路54が閉じられている。このため、吐出室40内の
高圧冷媒ガスが圧力供給通路54を介してクランク室2
5内には供給されず、クランク室25内の冷媒ガスのみ
が、放圧通路51及び放圧孔53等を介して吸入室38
内に流入する。従って、クランク室25内の圧力が吸入
室38内の低圧力、すなわち吸入圧に近付いていき、シ
リンダボア23内の圧力とクランク室25内の圧力との
差が小さくなる。このため、斜板30が最大傾角側に移
動もしくは維持される。そして、このとき、冷房負荷に
応じて、吸入圧が変動し、この変動に基づいてクランク
室25内の圧力と、シリンダボア23内の圧力との差が
変化する。従って、冷房負荷に応じて、斜板30の傾斜
角度が変化し、ピストン24の往復動ストロークが調節
される。このため、圧縮機の吐出容量が調節される。
【0035】そして、圧縮機の大容量運転により、冷房
負荷が小さくなって、蒸発器59における温度が次第に
低下し、その温度がフロストを発生し始める設定温度以
下になると、温度センサ60からの検出信号に基づい
て、制御コンピュータ61からソレノイド56に消磁指
令信号が出力され、電磁開閉弁55が開放される。ま
た、冷房動作を停止するために、作動スイッチ62がオ
フ操作されると、前記と同様に制御コンピュータ61か
らソレノイド56に消磁指令信号が出力され、電磁開閉
弁55が開放される。
【0036】この電磁開閉弁55の開放により、圧力供
給通路54が開放されて、吐出室40内の高圧冷媒ガス
が圧力供給通路54を介してクランク室25内に供給さ
れる。このため、クランク室25内の圧力が高くなっ
て、シリンダボア23内の圧力とクランク室25内の圧
力との差が大きくなり、斜板30が最大傾角状態から最
小傾角状態へ移行される。従って、圧縮機の容量が小さ
くなる。
【0037】このように斜板30の傾角が減少される
と、その傾動に伴いスラストベアリング46を介してス
プール44に後方への移動力が付与される。これによ
り、スプール44がバネ45の付勢力に抗して、前方の
開位置から後方の閉位置に向かって移動される。そし
て、図4に示すように、斜板30が最小傾角状態になる
と、スプール44が後方の閉位置に配置されて、絞り開
閉部49が吸入通路35の後端縁に進入係合する。これ
により、吸入通路35が閉じられて、外部冷媒回路37
から吸入室38内への冷媒ガスの導入が阻止される。
【0038】この斜板30の最小傾角は0度よりも僅か
に大きくなるように設定されているため、斜板30の最
小傾角状態においても、シリンダボア23の圧縮室から
吐出室40内に、小量の圧縮冷媒ガスが吐出され続け
て、最小吐出容量の圧縮運転が行われる。そして、この
吐出室40内に吐出された冷媒ガスは、圧力供給通路5
4を通ってクランク室25内に流入するとともに、クラ
ンク室25内から放圧通路51及び放圧孔53を介して
吸入室38内に流入して、再びシリンダボア23の圧縮
室内に吸入される。すなわち、斜板30の最小傾角状態
では、小量の冷媒ガスが圧縮機の内部において、シリン
ダボア23、吐出室40、クランク室25及び吸入室3
8の間で循環され、その冷媒ガスとともに流動する潤滑
油によって圧縮機内部の潤滑が行われる。
【0039】一方、この実施例のように、圧縮機が電磁
クラッチを介することなくエンジンに直結されるように
構成した場合には、冷房が不要な場合でも圧縮機が作動
される。このとき、本実施例においては、冷房負荷ある
いは作動スイッチ62の操作により圧縮機が最小容量で
運転されて、圧縮機内部を小量の冷媒ガスが循環するの
みである。このため、エンジンに余分な負荷がかかるこ
とがほとんどないばかりでなく、循環冷媒ガス中の潤滑
油により、各ベアリング17,18,27,46等が効
果的に潤滑され、騒音や振動が発生したり、焼き付きが
生じたりすることはない。
【0040】さらに、図4に示す斜板30の最小傾角状
態で運転が行われて、作動スイッチ62のオン状態で冷
房負荷が増大すると、蒸発器59における温度が次第に
上昇する。そして、その温度が設定温度を越えると、温
度センサ60からの検出信号に基づいて、制御コンピュ
ータ61からソレノイド56に励磁指令信号が出力さ
れ、電磁開閉弁55が閉鎖される。これにより、吐出室
40内の高圧冷媒ガスが圧力供給通路54を介してクラ
ンク室25内に供給されなくなり、クランク室25の圧
力のみが放圧通路51及び放圧孔53を介して吸入室3
8内に放出される。従って、クランク室25内の圧力が
次第に減少され、斜板30が最小傾角状態から最大傾角
側に移動される。
【0041】このように斜板30の傾角が増大される
と、その傾動に従ってスプール44がバネ45の付勢力
により、後方の閉位置から前方の開位置に向かって移動
される。そして、図1に示すように、斜板30が最大傾
角状態になると、スプール44が前方の開位置に配置さ
れて、絞り開閉部49が吸入通路35から退出する。こ
れにより、吸入通路35が開かれて、外部冷媒回路37
から吸入室38内への冷媒ガスの導入が再開され、前述
したように、容量可変をともないながら圧縮機の圧縮運
転が行われる。
【0042】以上のように、この実施例の圧縮機におい
ては、電磁開閉弁55の開放動作及び閉鎖動作により、
圧力供給通路54が開閉されて、クランク室25内の圧
力が調節され、容量制御が行われる。そして、斜板30
が最大傾角と最小傾角との間で傾動されると、スプール
44が斜板30の傾動に連動して、冷媒ガスを導入可能
な開位置と導入不能な閉位置とに切り換え移動される。
斜板30が最小傾角になったときには、スプール44が
外部冷媒回路37からの冷媒ガスを導入不能な閉位置に
切り換えられ、冷媒ガスが圧力供給通路54及び放圧通
路51等を介して、圧縮機の内部で循環されて潤滑が行
われる。
【0043】このとき、圧力供給通路54の入口部54
aが、リヤハウジング13の内側下部において、吐出室
40内の下端部に開口されている。そのため、吐出室4
0内の下部に溜まった潤滑油は、吐出室40とクランク
室25との圧力差により、冷媒ガスとともに圧力供給通
路54の入口部54aから循環通路内へ効果的に取り込
まれる。従って、冷媒循環量の少ない斜板30の最小傾
角状態においても、ラジアルベアリング17,18及び
スラストベアリング27,46等の潤滑必要部分に潤滑
油が十分に供給されて、それらの潤滑必要部分が潤滑不
良に陥るおそれを防止することができる。
【0044】以上のように、この実施例においては、前
記の従来構成とは異なり、1個の電磁開閉弁55を設け
ただけで、圧縮機の容量制御及び最小容量時の潤滑油供
給を行うことができ、構成が簡単である。しかも、容量
制御のための電磁開閉弁55は、単にオン、オフを行う
だけであるから、電磁開閉弁55自体の構成も簡単であ
る。
【0045】また、クラッチレスタイプの圧縮機では、
冬期等の冷房が不要な期間に最小容量状態で長時間連続
運転を強いられる。しかし、本実施例では、最小容量状
態にて最も潤滑油が貯留されやすい吐出室40の最下部
に圧力供給通路54が開口されているので、圧縮機内の
潤滑油を確実に利用することができる。
【0046】また、この実施例においては、斜板30が
最小傾角になったとき、外部冷媒回路37と吸入室38
との間を遮断するスプール44を設けたことにより、最
小容量時に圧縮機と外部冷媒回路37との連通を遮断で
きる。このため、外部冷媒回路37からの冷媒ガスの流
入を阻止できて、最小容量時におけるエンジンに対する
圧縮機の負荷を軽減でき、圧縮機が常時作動されるクラ
ッチレスタイプの圧縮機として好適である。しかも、そ
のスプール44には同スプール44の移動時に吸入通路
35を絞るための絞り開閉部49が設けられている。こ
のため、斜板30が最大傾角状態から最小傾角状態、或
いはその逆に移動されるときに、吸入通路35が徐々に
開閉されて、急激に開閉されるのが回避される。このた
め、冷房動作の開始及び停止にともなう振動や騒音など
のショックを避けることができる。
【0047】さらに、この実施例においては、吐出室4
0がハウジングの外周側に配置されているため、吐出室
40の下部は圧縮機の最下部に位置することになる。こ
のため、潤滑油が吐出室40の下部に確実に貯留され、
その潤滑油を効果的に回収して潤滑に供することができ
る。
【0048】なお、この発明は、次のように変更して具
体化することも可能である。 (1) 前記実施例とは逆に吐出室40を吸入室38の
内側に配置すること。 (2) この発明をスプール44を有しない通常の可変
容量圧縮機において具体化すること。
【0049】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1において
は、1個の容量制御弁を設けただけで、圧縮機の容量制
御及び最小容量時の潤滑油供給を行うことができ、構成
が簡単である。
【0050】請求項2においては、電磁弁は、単にオ
ン、オフを行うだけでよく、電磁弁自体の構成も簡単で
ある。請求項3においては、冷房不要時に圧縮機が最小
容量で常時稼働されても、潤滑不良のおそれがない。
【0051】請求項4においては、斜板が最小傾角にな
ったとき、遮断部材により外部冷媒回路と吸入圧領域と
の間を遮断でき、外部冷媒回路からの冷媒ガスの流入を
阻止できて、最小容量時におけるエンジンに対する圧縮
機の負荷を軽減でき、圧縮機が常時作動されるクラッチ
レスタイプの圧縮機として好適である。
【0052】請求項5においては、遮断部材の移動時に
外部冷媒回路と吸入圧領域との間を絞ることができて、
冷房動作の開始及び停止にともなう振動や騒音などのシ
ョックを避けることができる。
【0053】請求項6においては、吐出圧領域の下部が
圧縮機の最下部に位置することになり、潤滑油が吐出圧
領域の下部に確実に貯留され、その潤滑油を効果的に回
収して潤滑に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の圧縮機の一実施例を示す側断面
図。
【図2】 その圧縮機におけるリヤハウジング部分の要
部縦断面図。
【図3】 電磁開閉弁及び圧力供給通路を中心に示す要
部拡大断面図。
【図4】 斜板の傾角が最小になった状態を示す圧縮機
の側断面図。
【符号の説明】
11…ハウジングを構成するシリンダブロック、13…
リヤハウジング、16…回転軸、23…シリンダボア、
24…ピストン、25…クランク室、26…回転支持
体、30…斜板、38…吸入圧領域を構成する吸入室、
40…吐出圧領域を構成する吐出室、44…遮断部材と
してのスプール、49…絞り開閉部、51…第2の通路
を構成する放圧通路、54…第1の通路を構成する圧力
供給通路、54a…入口部、55…容量制御弁としての
電磁開閉弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04B 27/08 N (72)発明者 小倉 進一 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングのシリンダボア内にピストン
    を往復動可能に収容し、ハウジングのクランク室内にお
    いて回転軸には回転支持体を止着するとともに、その回
    転支持体にはピストンを往復動させるための斜板を傾動
    可能に支持し、ピストンを介したクランク室内の圧力と
    シリンダボア内の圧力との間の差に応じて斜板の傾斜角
    度を調節することにより、容量を変更できるようにした
    可変容量圧縮機において、 吐出圧領域とクランク室との間に第1の通路を設けると
    ともに、クランク室と吸入圧領域との間に第2の通路を
    設け、第1の通路には同通路内を通過する冷媒ガス量を
    調節して、容量を制御するための容量制御弁を設け、第
    1の通路の吐出圧領域側の開口を吐出圧領域の下部に配
    置した可変容量圧縮機。
  2. 【請求項2】 容量制御弁は電磁弁である請求項1に記
    載の可変容量圧縮機。
  3. 【請求項3】 回転軸は駆動源に常時作動連結されてい
    る請求項1または2に記載の可変容量圧縮機。
  4. 【請求項4】 斜板が最小傾角になったとき、外部冷媒
    回路と吸入圧領域との間を遮断する遮断部材を設けた請
    求項1〜3のいずれかに記載の可変容量圧縮機。
  5. 【請求項5】 遮断部材は外部冷媒回路と吸入圧領域と
    の間を絞る絞りを有している請求項4に記載の可変容量
    圧縮機。
  6. 【請求項6】 吐出圧領域がハウジングの外周側に配置
    されている請求項1〜5のいずれかに記載の可変容量圧
    縮機。
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Cited By (4)

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