JPH08296170A - 繊維構造物の製法 - Google Patents
繊維構造物の製法Info
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- JPH08296170A JPH08296170A JP7103875A JP10387595A JPH08296170A JP H08296170 A JPH08296170 A JP H08296170A JP 7103875 A JP7103875 A JP 7103875A JP 10387595 A JP10387595 A JP 10387595A JP H08296170 A JPH08296170 A JP H08296170A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 抗菌性に優れた綿含有繊維構造物の製法の提
供。 【構成】 綿とコロイド状の遊離硫黄を０．２〜２０重
量％含有するセルロース系繊維で構成された繊維構造物
を晒処理するに際し、塩素晒しによって晒処理すること
を特徴とする繊維構造物の製法。
供。 【構成】 綿とコロイド状の遊離硫黄を０．２〜２０重
量％含有するセルロース系繊維で構成された繊維構造物
を晒処理するに際し、塩素晒しによって晒処理すること
を特徴とする繊維構造物の製法。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、綿を含有する抗菌性に
優れた繊維構造物の製法に関する。
優れた繊維構造物の製法に関する。
【０００２】
【従来の技術】アトピー性皮膚炎に代表される皮膚疾患
は年々増加の一途をたどっており、抗菌性を有する繊維
を含有させた繊維製品が多く市場に出回っている。例え
ば、本出願人が先に提案した特開平３−１９９６４号公
報に開示されたコロイド状の遊離硫黄を０．２〜２０重
量％含有するセルロース系繊維は、黄色ブドウ球菌、ア
クネ菌（ニキビの原因となる菌）、白せん菌（水虫の原
因となる菌）等に対してその増殖を抑制する抗菌性があ
り、皮膚疾患等に顕著な効果を有することから各種製品
に利用されている。しかしながら、綿を含有する繊維構
造物に利用する場合は、綿カス除去や綿の白度向上から
晒処理が必須となるが、かかる晒処理を行うと、コロイ
ド状の遊離硫黄がセルロース系繊維から脱落してしま
い、コロイド状の遊離硫黄を含有した綿混の繊維構造物
は得られていないのが現状であった。
は年々増加の一途をたどっており、抗菌性を有する繊維
を含有させた繊維製品が多く市場に出回っている。例え
ば、本出願人が先に提案した特開平３−１９９６４号公
報に開示されたコロイド状の遊離硫黄を０．２〜２０重
量％含有するセルロース系繊維は、黄色ブドウ球菌、ア
クネ菌（ニキビの原因となる菌）、白せん菌（水虫の原
因となる菌）等に対してその増殖を抑制する抗菌性があ
り、皮膚疾患等に顕著な効果を有することから各種製品
に利用されている。しかしながら、綿を含有する繊維構
造物に利用する場合は、綿カス除去や綿の白度向上から
晒処理が必須となるが、かかる晒処理を行うと、コロイ
ド状の遊離硫黄がセルロース系繊維から脱落してしま
い、コロイド状の遊離硫黄を含有した綿混の繊維構造物
は得られていないのが現状であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記要求に
応え、コロイド状の遊離硫黄を含有した綿混の繊維構造
物の製法を提供することを目的とする。
応え、コロイド状の遊離硫黄を含有した綿混の繊維構造
物の製法を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記従来技
術の欠点を克服するために鋭意検討した結果、本発明に
到達した。すなわち、本発明は綿とコロイド状の遊離硫
黄を０．２〜２０重量％含有するセルロース系繊維で構
成された繊維構造物を晒処理するに際し、塩素晒しによ
って晒処理することを特徴とする繊維構造物の製法であ
る。
術の欠点を克服するために鋭意検討した結果、本発明に
到達した。すなわち、本発明は綿とコロイド状の遊離硫
黄を０．２〜２０重量％含有するセルロース系繊維で構
成された繊維構造物を晒処理するに際し、塩素晒しによ
って晒処理することを特徴とする繊維構造物の製法であ
る。
【０００５】本発明において繊維構造物とは、綿を含有
する繊維構造物をいい、綿の含有量は繊維構造物の種
類、用途に応じて適宜選定すればよいが、通常は５〜９
０％程度、好ましくは２０〜８０％含有したものをい
う。繊維構造物の形態としては、糸、不織布、編織物等
のいずれでもよく、又、その用途としては肌着等のイン
ナー、靴下、タオル、敷物、シーツ、シーツカバー、化
粧要のパフ、ガーゼ、手袋、白衣、包帯、フィルター、
産業用衛生着、毛布、マフラー等がある。
する繊維構造物をいい、綿の含有量は繊維構造物の種
類、用途に応じて適宜選定すればよいが、通常は５〜９
０％程度、好ましくは２０〜８０％含有したものをい
う。繊維構造物の形態としては、糸、不織布、編織物等
のいずれでもよく、又、その用途としては肌着等のイン
ナー、靴下、タオル、敷物、シーツ、シーツカバー、化
粧要のパフ、ガーゼ、手袋、白衣、包帯、フィルター、
産業用衛生着、毛布、マフラー等がある。
【０００６】また、繊維構造物は必要に応じて、綿並び
にコロイド状の遊離硫黄を含有するセルロース系繊維以
外の他繊維例えば、麻、ウール、シルク、キュプラ、ビ
スコースレーヨン、ポリノジックレーヨン（特に平均重
合度５００〜６００が好ましい。）等の再生セルロース
繊維、ライオセル（ＬＹＯＣＥＬＬ；例えば繊維学会誌
（繊維と工業）Ｖｏｌ．４８，Ｎｏ．１１（１９９２）
Ｐ−５８４〜Ｐ．５９１に記載されているコートルズ社
の商品名テンセルが相当する。）、アセテート、エステ
ル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、抗ピル性等を改質した改質
繊維等と一種以上と混紡（例えば、綿スライバーとアク
リルスライバー、又はアクリルとコロイド状の遊離硫黄
含有セルロース系繊維をカード等で混合したスライバー
と綿スライバーとのスライバーミックスによる混紡）、
精紡交撚等の複合紡績、交撚、混繊、交編織等によって
混用したものでもよい。
にコロイド状の遊離硫黄を含有するセルロース系繊維以
外の他繊維例えば、麻、ウール、シルク、キュプラ、ビ
スコースレーヨン、ポリノジックレーヨン（特に平均重
合度５００〜６００が好ましい。）等の再生セルロース
繊維、ライオセル（ＬＹＯＣＥＬＬ；例えば繊維学会誌
（繊維と工業）Ｖｏｌ．４８，Ｎｏ．１１（１９９２）
Ｐ−５８４〜Ｐ．５９１に記載されているコートルズ社
の商品名テンセルが相当する。）、アセテート、エステ
ル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、抗ピル性等を改質した改質
繊維等と一種以上と混紡（例えば、綿スライバーとアク
リルスライバー、又はアクリルとコロイド状の遊離硫黄
含有セルロース系繊維をカード等で混合したスライバー
と綿スライバーとのスライバーミックスによる混紡）、
精紡交撚等の複合紡績、交撚、混繊、交編織等によって
混用したものでもよい。
【０００７】本発明に用いるコロイド状の遊離硫黄を
０．２〜２０重量％含有するセルロース系繊維とは、本
出願人が先に提案した特開平３−１９９６４号公報に開
示されたものである。ここでセルロース系繊維とは、
麻、、綿、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジッ
クレーヨン、ライオセル（ＬＹＯＣＥＬＬ；例えば繊維
学会誌（繊維と工業）Ｖｏｌ．４８，Ｎｏ．１１（１９
９２）Ｐ−５８４〜Ｐ．５９１に記載されているコート
ルズ社の商品名テンセルが相当する。）をいうが、特に
好ましくはビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨ
ン、ライオセルであり、単糸デニールや繊維長（短繊維
でも長繊維でもよい）は特に限定されない。
０．２〜２０重量％含有するセルロース系繊維とは、本
出願人が先に提案した特開平３−１９９６４号公報に開
示されたものである。ここでセルロース系繊維とは、
麻、、綿、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジッ
クレーヨン、ライオセル（ＬＹＯＣＥＬＬ；例えば繊維
学会誌（繊維と工業）Ｖｏｌ．４８，Ｎｏ．１１（１９
９２）Ｐ−５８４〜Ｐ．５９１に記載されているコート
ルズ社の商品名テンセルが相当する。）をいうが、特に
好ましくはビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨ
ン、ライオセルであり、単糸デニールや繊維長（短繊維
でも長繊維でもよい）は特に限定されない。
【０００８】コロイド状の遊離硫黄は０．２〜２０重量
％含有している必要があり、好ましくは１〜１０重量％
である。０．２重量％未満では効果が発揮されず、２０
重量％を超えると臭いの発生や糸切れ等繊維製造が困難
になる。更に、コロイド状の遊離硫黄の分布が、繊維断
面の中心部に集まっており、断面の中心から１／２の部
分に全硫黄量の７０％以上が分散状態で含有されている
と、繊維の劣化が生じにくく、効果の持続性に優れてい
ので好ましい。
％含有している必要があり、好ましくは１〜１０重量％
である。０．２重量％未満では効果が発揮されず、２０
重量％を超えると臭いの発生や糸切れ等繊維製造が困難
になる。更に、コロイド状の遊離硫黄の分布が、繊維断
面の中心部に集まっており、断面の中心から１／２の部
分に全硫黄量の７０％以上が分散状態で含有されている
と、繊維の劣化が生じにくく、効果の持続性に優れてい
ので好ましい。
【０００９】コロイド状の遊離硫黄を含有させる方法
は、紡糸原液中に硫黄生成物を含有させて紡糸したり、
後加工において、例えば、硫黄を溶解した硫化ソーダ水
溶液やチオ硫酸ソーダ水溶液にセルロース系繊維の糸又
は布帛を浸漬し、酸溶液中で分解させることで達成され
る。かかるセルロース系繊維の繊維構造物における含有
量は、繊維構造物を構成する繊維の少なくとも１０重量
％以上、好ましくは２０重量％以上、さらに好ましくは
５０重量％以上占めておればよい。
は、紡糸原液中に硫黄生成物を含有させて紡糸したり、
後加工において、例えば、硫黄を溶解した硫化ソーダ水
溶液やチオ硫酸ソーダ水溶液にセルロース系繊維の糸又
は布帛を浸漬し、酸溶液中で分解させることで達成され
る。かかるセルロース系繊維の繊維構造物における含有
量は、繊維構造物を構成する繊維の少なくとも１０重量
％以上、好ましくは２０重量％以上、さらに好ましくは
５０重量％以上占めておればよい。
【００１０】本発明の特徴はかかる繊維構造物を晒処理
するに際し、塩素晒することによってコロイド状の遊離
硫黄を大きく脱落させずに残存せしめるものである。過
酸化水素等による晒処理では、コロイド状の遊離硫黄が
脱落してしまい抗菌性が得られなくなる。塩素晒しは、
亜塩素酸ソーダよりも次亜塩素酸ソーダを用いた方がコ
ロイド状の遊離硫黄の脱落が少なく、又、使用可能な濃
度範囲が広く管理しやすいので好ましい。好ましい濃度
範囲は１０〜３０ｇ／ｌさらには１５〜２５ｇ／ｌが好
ましく、温度は２０〜５０℃程度の低温好ましくは２５
〜３５℃で６０〜９０分程度がコロイド状の遊離硫黄が
脱落しにくく好ましい。
するに際し、塩素晒することによってコロイド状の遊離
硫黄を大きく脱落させずに残存せしめるものである。過
酸化水素等による晒処理では、コロイド状の遊離硫黄が
脱落してしまい抗菌性が得られなくなる。塩素晒しは、
亜塩素酸ソーダよりも次亜塩素酸ソーダを用いた方がコ
ロイド状の遊離硫黄の脱落が少なく、又、使用可能な濃
度範囲が広く管理しやすいので好ましい。好ましい濃度
範囲は１０〜３０ｇ／ｌさらには１５〜２５ｇ／ｌが好
ましく、温度は２０〜５０℃程度の低温好ましくは２５
〜３５℃で６０〜９０分程度がコロイド状の遊離硫黄が
脱落しにくく好ましい。
【００１１】又、脱塩素は、ハイドロサルファイトや過
酸化水素よりチオ硫酸ソーダを用いた方がコロイド状の
遊離硫黄の脱落が少なく、濃度は１〜５ｇ／ｌさらには
１．５〜３ｇ／ｌが好ましく、温度は２０〜５０℃程度
の低温好ましくは３０〜４５℃で１０〜３０分程度がコ
ロイド状の遊離硫黄が脱落しにくく好ましい。晒処理の
条件等は特に制限されることはなく、例えば、非イオン
界面活性剤等による前精練の後、塩素晒しを行い、水洗
後、脱塩素、さらに水洗後、蛍光染料、直接染料（淡
色）、反応性染料（中濃色）による染色を行い、乾燥、
ファイナルセットすればよい。尚、反応性染料による染
色は、常法の６０℃程度よりも５０℃程度が、Ｎａ2Ｃ
Ｏ3の濃度も３０ｇ／ｌよりも１５ｇ／ｌ程度の方がコ
ロイド状の遊離硫黄が脱落しにくく好ましい。捺染の場
合は、１２０℃×３分間程度の蒸熱によるものよりも、
乾熱による高温短時間（例えば１８０〜２００℃程度で
３０〜２分間程度）のものの方がコロイド状の遊離硫黄
が脱落しにくく好ましい。
酸化水素よりチオ硫酸ソーダを用いた方がコロイド状の
遊離硫黄の脱落が少なく、濃度は１〜５ｇ／ｌさらには
１．５〜３ｇ／ｌが好ましく、温度は２０〜５０℃程度
の低温好ましくは３０〜４５℃で１０〜３０分程度がコ
ロイド状の遊離硫黄が脱落しにくく好ましい。晒処理の
条件等は特に制限されることはなく、例えば、非イオン
界面活性剤等による前精練の後、塩素晒しを行い、水洗
後、脱塩素、さらに水洗後、蛍光染料、直接染料（淡
色）、反応性染料（中濃色）による染色を行い、乾燥、
ファイナルセットすればよい。尚、反応性染料による染
色は、常法の６０℃程度よりも５０℃程度が、Ｎａ2Ｃ
Ｏ3の濃度も３０ｇ／ｌよりも１５ｇ／ｌ程度の方がコ
ロイド状の遊離硫黄が脱落しにくく好ましい。捺染の場
合は、１２０℃×３分間程度の蒸熱によるものよりも、
乾熱による高温短時間（例えば１８０〜２００℃程度で
３０〜２分間程度）のものの方がコロイド状の遊離硫黄
が脱落しにくく好ましい。
【００１２】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する
が、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
尚、実施例中の黄色度の測定方法、遊離硫黄の分析方法
を下記に示す。 （１）黄色度；ＪＩＳ−Ｋ−７１０３に準拠して測定し
た。 （２）遊離硫黄の分析方法 セルロース系繊維におけるコロイド状の遊離硫黄の含有
量は以下の方法で測定した。
が、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
尚、実施例中の黄色度の測定方法、遊離硫黄の分析方法
を下記に示す。 （１）黄色度；ＪＩＳ−Ｋ−７１０３に準拠して測定し
た。 （２）遊離硫黄の分析方法 セルロース系繊維におけるコロイド状の遊離硫黄の含有
量は以下の方法で測定した。
【００１３】５００ｍｌのガス発生器に２００ｍｌの水
と２０ｇのホウ酸と１０ｇの糸を入れ、窒素ガスを通し
ながら１時間煮沸し、冷却後フェノールフタレインを指
示薬として６Ｎの苛性ソーダ溶液で中和する。次にこれ
を２００ｇ／ｌの亜硫酸ソーダ２０ｍｌと１ｇ／ｌのス
テアリン酸石鹸５ｍｌを加え、窒素ガスを通しながら３
時間煮沸し、冷却後別の５００ｍｌのビーカに液を移
す。１００ｍｌの水で糸を洗浄し、４０％ホルマリン１
０ｍｌと酢酸、酢酸ナトリウムの緩衝液２０ｍｌを加え
る。次にｐＨ＝４．６になるまで濃酢酸を加え、０．１
Ｎのヨウ素水を一定量加えて、０．１Ｎのチオ硫酸ソー
ダでスターチを指示薬に逆滴定する。ブランクとして糸
を入れないで以上の処理を同様に行う。
と２０ｇのホウ酸と１０ｇの糸を入れ、窒素ガスを通し
ながら１時間煮沸し、冷却後フェノールフタレインを指
示薬として６Ｎの苛性ソーダ溶液で中和する。次にこれ
を２００ｇ／ｌの亜硫酸ソーダ２０ｍｌと１ｇ／ｌのス
テアリン酸石鹸５ｍｌを加え、窒素ガスを通しながら３
時間煮沸し、冷却後別の５００ｍｌのビーカに液を移
す。１００ｍｌの水で糸を洗浄し、４０％ホルマリン１
０ｍｌと酢酸、酢酸ナトリウムの緩衝液２０ｍｌを加え
る。次にｐＨ＝４．６になるまで濃酢酸を加え、０．１
Ｎのヨウ素水を一定量加えて、０．１Ｎのチオ硫酸ソー
ダでスターチを指示薬に逆滴定する。ブランクとして糸
を入れないで以上の処理を同様に行う。
【００１４】遊離硫黄の含有量（％）＝（Ａ−Ｂ）×
０．００３２×１００／ｇ Ａ；０．１Ｎ−Ｎａ2Ｓ2Ｏ3滴定量（ブランク） ＜ｍ
ｌ＞ Ｂ；０．１Ｎ−Ｎａ2Ｓ2Ｏ3滴定量（サンプル） ＜ｍ
ｌ＞ ｇ；糸採取量（絶乾） ＜ｇ＞ （３）抗菌性；ＪＩＳーＬー１９０２に準拠して測定し
た。菌接種後６日後に、白せん菌・ 発育阻止帯の幅
（ｍｍ）で評価した。
０．００３２×１００／ｇ Ａ；０．１Ｎ−Ｎａ2Ｓ2Ｏ3滴定量（ブランク） ＜ｍ
ｌ＞ Ｂ；０．１Ｎ−Ｎａ2Ｓ2Ｏ3滴定量（サンプル） ＜ｍ
ｌ＞ ｇ；糸採取量（絶乾） ＜ｇ＞ （３）抗菌性；ＪＩＳーＬー１９０２に準拠して測定し
た。菌接種後６日後に、白せん菌・ 発育阻止帯の幅
（ｍｍ）で評価した。
【００１５】使用菌種；白せん菌・Ｔｒｉｃｈｏｐｈｙ
ｔｏｎ ｍｅｎｔａｇｒｏｐｈｙｔｅｓ（ＩＦＯ ６２
０２） 使用培地；ＰＤＡ寒天培地
ｔｏｎ ｍｅｎｔａｇｒｏｐｈｙｔｅｓ（ＩＦＯ ６２
０２） 使用培地；ＰＤＡ寒天培地
【００１６】
【実施例１】単糸１．５デニールのビスコースレーヨン
フイラメントの集合体を、１００ｇ／ｌの硫化ソーダ水
溶液中に３．０ｇ／ｌの硫黄を溶解させた処理液中に浸
漬、次いで、絞液後、１４０ｇ／ｌの硫酸中に浸漬し
た。硫化水素ガスが発生しなくなった時点で液中から取
り出し、水洗を繰り返し、風乾、熱風乾燥、一時間洗濯
機での水洗後、風乾した。
フイラメントの集合体を、１００ｇ／ｌの硫化ソーダ水
溶液中に３．０ｇ／ｌの硫黄を溶解させた処理液中に浸
漬、次いで、絞液後、１４０ｇ／ｌの硫酸中に浸漬し
た。硫化水素ガスが発生しなくなった時点で液中から取
り出し、水洗を繰り返し、風乾、熱風乾燥、一時間洗濯
機での水洗後、風乾した。
【００１７】得られたビスコースレーヨンフイラメント
の集合体は、コロイド状の遊離硫黄を０．５重量％含有
したものであった。かかる集合体を３８ｍｍにカットし
たものと綿を混紡し、綿番手で３２番手の混紡糸を得
た。（綿含有量８０％） この混紡糸を用いて１８ＧＧのスムース組織の丸編地を
作製し、前精練（非イオン界面活性剤２ｇ／ｌ、８０
℃、２０分）、塩素晒し（次亜塩素酸ソーダ１５ｇ／
ｌ、３０℃、６０分、浴比１：２０）、水洗、脱塩素
（チオ硫酸ソーダ１．５ｇ／ｌ、４０℃、１５分）、水
洗の順で塩素晒しを行った。
の集合体は、コロイド状の遊離硫黄を０．５重量％含有
したものであった。かかる集合体を３８ｍｍにカットし
たものと綿を混紡し、綿番手で３２番手の混紡糸を得
た。（綿含有量８０％） この混紡糸を用いて１８ＧＧのスムース組織の丸編地を
作製し、前精練（非イオン界面活性剤２ｇ／ｌ、８０
℃、２０分）、塩素晒し（次亜塩素酸ソーダ１５ｇ／
ｌ、３０℃、６０分、浴比１：２０）、水洗、脱塩素
（チオ硫酸ソーダ１．５ｇ／ｌ、４０℃、１５分）、水
洗の順で塩素晒しを行った。
【００１８】晒処理された丸編地の黄色度は３〜５であ
り（晒処理する前の黄色度２６）、又、丸編地に含有さ
れているコロイド状の遊離硫黄の含有量は０．０５重量
％であった（晒処理する前は０．１〜０．１５重量
％）。次いで、蛍光染料により常法により染色後、乾燥
ファイナルセット（１２０℃×２分）した。得られた染
色物を用いて常法により肌着を作製した。得られた肌着
の黄色度は１〜３であり、又、コロイド状の遊離硫黄の
含有量は０．０５重量％であり、肌触り、白さ、抗菌性
（１０．６ｍｍ）共に満足いくものであった。
り（晒処理する前の黄色度２６）、又、丸編地に含有さ
れているコロイド状の遊離硫黄の含有量は０．０５重量
％であった（晒処理する前は０．１〜０．１５重量
％）。次いで、蛍光染料により常法により染色後、乾燥
ファイナルセット（１２０℃×２分）した。得られた染
色物を用いて常法により肌着を作製した。得られた肌着
の黄色度は１〜３であり、又、コロイド状の遊離硫黄の
含有量は０．０５重量％であり、肌触り、白さ、抗菌性
（１０．６ｍｍ）共に満足いくものであった。
【００１９】
【比較例１】実施例１において、塩素晒しに代えて過酸
化水素による晒処理（Ｈ2Ｏ2５ｇ／ｌ、Ｎａ2ＣＯ3５ｇ
／ｌ、６０℃、３０分、浴比１：２０）に変化させた以
外は実施例１同様に晒処理した。晒処理された丸編地の
黄色度は３〜５であったが、丸編地からはコロイド状の
遊離硫黄は検出できなかったし、抗菌性も無かった。
化水素による晒処理（Ｈ2Ｏ2５ｇ／ｌ、Ｎａ2ＣＯ3５ｇ
／ｌ、６０℃、３０分、浴比１：２０）に変化させた以
外は実施例１同様に晒処理した。晒処理された丸編地の
黄色度は３〜５であったが、丸編地からはコロイド状の
遊離硫黄は検出できなかったし、抗菌性も無かった。
【００２０】
【発明の効果】本発明は、綿を含有する抗菌性に優れた
繊維構造物の製法を提供するものである。
繊維構造物の製法を提供するものである。
【手続補正書】
【提出日】平成７年１２月２６日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００６
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００６】また、繊維構造物は必要に応じて、綿並び
にコロイド状の遊離硫黄を含有するセルロース系繊維以
外の他繊維例えば、麻、ウール、シルク、キュプラ、ビ
スコースレーヨン、ポリノジックレーヨン（特に平均重
合度５００〜６００が好ましい。）等の再生セルロース
繊維、ライオセル（ＬＹＯＣＥＬＬ；例えば繊維学会誌
（繊維と工業）Ｖｏｌ．４８，Ｎｏ．１１（１９９２）
Ｐ−５８４〜Ｐ．５９１に記載されているコートルズ社
の商品名テンセルが相当する。）、アセテート、エステ
ル、ナイロン、アクリル、弾性繊維（弾性繊維は、エス
テル系やエーテル系のポリウレタン系弾性繊維でもポリ
エーテルエステル系の弾性繊維でもよく、又、ベア糸使
いでもカバリング（シングル並びにダブル）や噴射加工
によって得られる被覆弾性糸として用いてもよく、弾性
繊維のデニールは希望に応じて適宜選定すればよく、例
えば１５〜４０デニール程度のものが用いられる）、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
抗ピル性等を改質した改質繊維等と一種以上と混紡（例
えば、綿スライバーとアクリルスライバー、又はアクリ
ルとコロイド状の遊離硫黄含有セルロース系繊維をカー
ド等で混合したスライバーと綿スライバーとのスライバ
ーミックスによる混紡）、精紡交撚等の複合紡績、交
撚、混繊、交編織等によって混用したものでもよい。
にコロイド状の遊離硫黄を含有するセルロース系繊維以
外の他繊維例えば、麻、ウール、シルク、キュプラ、ビ
スコースレーヨン、ポリノジックレーヨン（特に平均重
合度５００〜６００が好ましい。）等の再生セルロース
繊維、ライオセル（ＬＹＯＣＥＬＬ；例えば繊維学会誌
（繊維と工業）Ｖｏｌ．４８，Ｎｏ．１１（１９９２）
Ｐ−５８４〜Ｐ．５９１に記載されているコートルズ社
の商品名テンセルが相当する。）、アセテート、エステ
ル、ナイロン、アクリル、弾性繊維（弾性繊維は、エス
テル系やエーテル系のポリウレタン系弾性繊維でもポリ
エーテルエステル系の弾性繊維でもよく、又、ベア糸使
いでもカバリング（シングル並びにダブル）や噴射加工
によって得られる被覆弾性糸として用いてもよく、弾性
繊維のデニールは希望に応じて適宜選定すればよく、例
えば１５〜４０デニール程度のものが用いられる）、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
抗ピル性等を改質した改質繊維等と一種以上と混紡（例
えば、綿スライバーとアクリルスライバー、又はアクリ
ルとコロイド状の遊離硫黄含有セルロース系繊維をカー
ド等で混合したスライバーと綿スライバーとのスライバ
ーミックスによる混紡）、精紡交撚等の複合紡績、交
撚、混繊、交編織等によって混用したものでもよい。
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１０
【補正方法】変更
【補正内容】
【００１０】本発明の特徴はかかる繊維構造物を晒処理
するに際し、塩素晒することによってコロイド状の遊離
硫黄を大きく脱落させずに残存せしめるものである。過
酸化水素等による晒処理では、コロイド状の遊離硫黄が
脱落してしまい抗菌性が得られなくなる。塩素晒しは、
亜塩素酸ソーダよりも次亜塩素酸ソーダを用いた方がコ
ロイド状の遊離硫黄の脱落が少なく、又、使用可能な濃
度範囲が広く管理しやすいので好ましい。好ましい濃度
範囲は５〜３０ｇ／１さらには１０〜２５ｇ／１が好ま
しく、温度は２０〜６０℃好ましくは４０〜６０℃で３
０〜９０分程度がコロイド状の遊離硫黄が脱落しにくく
好ましい。
するに際し、塩素晒することによってコロイド状の遊離
硫黄を大きく脱落させずに残存せしめるものである。過
酸化水素等による晒処理では、コロイド状の遊離硫黄が
脱落してしまい抗菌性が得られなくなる。塩素晒しは、
亜塩素酸ソーダよりも次亜塩素酸ソーダを用いた方がコ
ロイド状の遊離硫黄の脱落が少なく、又、使用可能な濃
度範囲が広く管理しやすいので好ましい。好ましい濃度
範囲は５〜３０ｇ／１さらには１０〜２５ｇ／１が好ま
しく、温度は２０〜６０℃好ましくは４０〜６０℃で３
０〜９０分程度がコロイド状の遊離硫黄が脱落しにくく
好ましい。
【手続補正３】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１１
【補正方法】変更
【補正内容】
【００１１】又、脱塩素は、ハイドロサルファイトや過
酸化水素よりチオ硫酸ソーダを用いた方がコロイド状の
遊離硫黄の脱落が少なく、濃度は１〜５ｇ／１さらには
１．５〜３ｇ／１が好ましく、温度は２０〜８０℃程度
好ましくは４０〜８０℃で１５〜３０分程度がコロイド
状の遊離硫黄が脱落しにくく好ましい。特に弾性繊維例
えばポリウレタン系弾性繊維を混用した繊維構造物を晒
処理する場合は、次亜塩素酸ソーダを用い、濃度範囲は
５〜１０ｇ／１で、温度は６０℃で３０分程度処理する
と（脱塩素はチオ硫酸ソーダが好ましい。）、所望の綿
の白度を得るとともに弾性繊維の強度低下が殆ど無く、
かつ、コロイド状の遊離硫黄が脱落しにくく好ましい。 ─────────────────────────────────────────────────────
酸化水素よりチオ硫酸ソーダを用いた方がコロイド状の
遊離硫黄の脱落が少なく、濃度は１〜５ｇ／１さらには
１．５〜３ｇ／１が好ましく、温度は２０〜８０℃程度
好ましくは４０〜８０℃で１５〜３０分程度がコロイド
状の遊離硫黄が脱落しにくく好ましい。特に弾性繊維例
えばポリウレタン系弾性繊維を混用した繊維構造物を晒
処理する場合は、次亜塩素酸ソーダを用い、濃度範囲は
５〜１０ｇ／１で、温度は６０℃で３０分程度処理する
と（脱塩素はチオ硫酸ソーダが好ましい。）、所望の綿
の白度を得るとともに弾性繊維の強度低下が殆ど無く、
かつ、コロイド状の遊離硫黄が脱落しにくく好ましい。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成８年２月１４日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００２
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００２】
【従来の技術】アトピー性皮膚炎に代表される皮膚疾患
は年々増加の一途をたどっており、抗菌性を有する繊維
を含有させた繊維製品が多く市場に出回っている。例え
ば、本出願人が先に提案した特開平３−１９９６４号公
報に開示されたコロイド状の遊離硫黄を０．２〜２０重
量％含有するセルロース系繊維は、黄色ブドウ球菌、ア
クネ菌（ニキビの原因となる菌）、白せん菌（水虫の原
因となる菌）等に対してその増殖を抑制する抗菌性があ
り、皮膚疾患等に顕著な効果を有することから各種製品
に利用されている。アクネ菌を例にすると、かかるセル
ロース系繊維と他の繊維（例えば、コロイド状の遊離硫
黄を含有しないセルロース系繊維）との複合不織布をフ
ェイスマスク（例えば、所定の大きさの当該複合不織布
を用意し、両端部の耳にかける部分を打ち抜いて、両端
にリング状部分を形成し、リング状部分を耳にかけるよ
うにしたもの。）として用いたり、顔等に発生したニキ
ビの部分にのみ局部的に貼付するシート（例えば、フィ
ルム等の基材に貼着剤を塗布し、その上に当該セルロー
ス系繊維を繊維状又は不織布等の布帛状で載置したも
の。尚、シートの大きさ、形状はニキビの大きさ、形状
に応じて適宜選択され、通常１〜１０ｃｍ程度の円形、
多角形が多い。）として用いられるなど、当該セルロー
ス系繊維単独あるいは他の繊維やフィルム等との複合体
として、増殖抑制が要求される部位に局部的利用を含め
て多用されている。しかしながら、綿を含有する繊維構
造物に利用する場合は、綿カス除去や綿の白度向上から
晒処理が必須となるが、かかる晒処理を行うと、コロイ
ド状の遊離硫黄がセルロース系繊維から脱落してしま
い、コロイド状の遊離硫黄を含有した綿混の繊維構造物
は得られていないのが現状であった。
は年々増加の一途をたどっており、抗菌性を有する繊維
を含有させた繊維製品が多く市場に出回っている。例え
ば、本出願人が先に提案した特開平３−１９９６４号公
報に開示されたコロイド状の遊離硫黄を０．２〜２０重
量％含有するセルロース系繊維は、黄色ブドウ球菌、ア
クネ菌（ニキビの原因となる菌）、白せん菌（水虫の原
因となる菌）等に対してその増殖を抑制する抗菌性があ
り、皮膚疾患等に顕著な効果を有することから各種製品
に利用されている。アクネ菌を例にすると、かかるセル
ロース系繊維と他の繊維（例えば、コロイド状の遊離硫
黄を含有しないセルロース系繊維）との複合不織布をフ
ェイスマスク（例えば、所定の大きさの当該複合不織布
を用意し、両端部の耳にかける部分を打ち抜いて、両端
にリング状部分を形成し、リング状部分を耳にかけるよ
うにしたもの。）として用いたり、顔等に発生したニキ
ビの部分にのみ局部的に貼付するシート（例えば、フィ
ルム等の基材に貼着剤を塗布し、その上に当該セルロー
ス系繊維を繊維状又は不織布等の布帛状で載置したも
の。尚、シートの大きさ、形状はニキビの大きさ、形状
に応じて適宜選択され、通常１〜１０ｃｍ程度の円形、
多角形が多い。）として用いられるなど、当該セルロー
ス系繊維単独あるいは他の繊維やフィルム等との複合体
として、増殖抑制が要求される部位に局部的利用を含め
て多用されている。しかしながら、綿を含有する繊維構
造物に利用する場合は、綿カス除去や綿の白度向上から
晒処理が必須となるが、かかる晒処理を行うと、コロイ
ド状の遊離硫黄がセルロース系繊維から脱落してしま
い、コロイド状の遊離硫黄を含有した綿混の繊維構造物
は得られていないのが現状であった。
Claims (1)
- 【請求項１】綿とコロイド状の遊離硫黄を０．２〜２０
重量％含有するセルロース系繊維で構成される繊維構造
物を晒処理するに際し、塩素晒しによって晒処理するこ
とを特徴とする繊維構造物の製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7103875A JPH08296170A (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 繊維構造物の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7103875A JPH08296170A (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 繊維構造物の製法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08296170A true JPH08296170A (ja) | 1996-11-12 |
Family
ID=14365618
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7103875A Withdrawn JPH08296170A (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 繊維構造物の製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08296170A (ja) |
-
1995
- 1995-04-27 JP JP7103875A patent/JPH08296170A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020702 |