JPH0829605A - 位相シフト回折格子の作製方法 - Google Patents

位相シフト回折格子の作製方法

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JPH0829605A
JPH0829605A JP18177094A JP18177094A JPH0829605A JP H0829605 A JPH0829605 A JP H0829605A JP 18177094 A JP18177094 A JP 18177094A JP 18177094 A JP18177094 A JP 18177094A JP H0829605 A JPH0829605 A JP H0829605A
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JP
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substrate
diffraction grating
resist
photoresist
etching
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JP18177094A
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Masahiro Nakanishi
正浩 中西
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な工程で再現性よく精密な回折格子形状が
作製できる位相シフト回折格子の作製方法を提供するこ
とにある。 【構成】位相シフト回折格子g2の作製方法は、基板1
上に均一な凹凸の位相を有する回折格子g1を作製する
工程と、基板1上の一部領域の回折格子g1の凹部のみ
をフォトレジスト2で覆う工程と、少なくともフォトレ
ジスト2をマスクとして基板1をエッチングする工程と
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光記録、光情報処理、
光計測、光通信などの分野において用いられる光素子に
必要な回折格子の作製技術に関するものであり、特にD
FBレーザの開発に不可欠な位相シフト回折格子の作製
技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、回折格子は、例えば、分布帰還型
半導体レーザ(以下DFBレーザ)に用いられている。
DFBレーザは単一軸モードの光を発するので光通信な
どに多く用いられている。ところが、DFBレーザで
は、ブラッグ波長を中心とする2つの異なる軸モードの
損失及び利得が等しく、端面での回折格子の位相の非対
称性、共振器方向での成長膜厚のゆらぎなど、いくつか
の不確定な要素により、一つの軸モードが選択されてい
るにすぎない。
【0003】この問題を回避する手段として、たとえば
1次回折格子を用いた場合においては、回折格子の中央
近傍で回折格子の凹凸の位相を反転させたλ/4位相シ
フト回折格子の採用が提案されている。これまで、様々
な位相シフト回折格子の製造方法が考案された。初期に
は、基板上に塗布されたレジスト膜に電子ビームで直接
描画する方法が採用されたが、これは余りにも描画に時
間がかかり一般的ではなかった。
【0004】通常、比較的大きな面積に一括して回折格
子を形成する方法としては、二光束干渉露光という方法
が使われている。この方法は、He−Cdレーザのよう
な波長の短いコヒーレントな光をハーフミラーで2つに
分けて再びミラーで合成し、その干渉による周期的パタ
ーンを基板上のレジストに照射して露光するものであ
る。
【0005】この二光束干渉露光法を応用して、ネガ/
ポジレジストを併用したλ/4位相シフト回折格子の作
製方法が考案されている。図6にこの製法を示す。図6
において、記号101は基板、103はポジレジスト、
104はネガレジストを示す。 図6の各工程を説明す
る。 (1)まず、ネガレジスト104のストライプを基板1
01上に形成する。 (2)次にポジレジスト103を塗布する。 (3)ここに一括で二光束干渉露光し、まずポジレジス
ト部分103を現像する。 (4)エッチングしてポジレジスト103のパターンを
基板101に転写する。 (5)次にネガレジスト部分104を現像する。 (6)エッチングしてネガレジスト104のパターンを
基板101に転写する。 (7)レジストを除去する。
【0006】ネガレジストとポジレジストでは感光特性
が逆なのでパターン反転するため、ネガレジスト/ポジ
レジスト境界部で凹凸が反転した位相シフト回折格子が
得られる。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、こ
の方法には以下に示すような欠点がある。2種類のレジ
ストを用いるため、レジストの種類によってはネガレジ
ストとポジレジストが反応してしまう。この対策とし
て、ネガレジストとポジレジストの間に反応防止を目的
として中間層を設けた方法も考案されているが、これで
は工程が多くなってしまう上に再現性に乏しい。
【0008】また、2種類のレジストを用いるため、そ
の2種類を積層したとき反応しない事、レジストの感度
を揃える事等の制約から、実際使用できるレジストの組
み合わせは極めて少ない。特に、ネガレジストは一般に
感度が低く、解像度も低いので、ネガレジスト/ポジレ
ジストの各領域で作製される回折格子形状を揃えるのが
非常に難しい。
【0009】よって、本発明の目的は、上記の課題に鑑
み、簡単な工程で再現性よく精密な回折格子形状が作製
できる位相シフト回折格子の作製方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の位相シフト回折
格子の作製方法は、基板上に均一な凹凸の位相を有する
回折格子を作製し、この上にフォトレジストで一部領域
の凹部のみを覆い、このフォトレジストをマスクとして
基板をエッチングすることにより、この一部領域の凹凸
の位相を反転させる。これ以外の領域は、回折格子が元
の凹凸の位相を保ったまま全体の位置が低くなるだけで
ある。したがって、これら2つの領域で位相シフト回折
格子を構成することができる。
【0011】また、本発明の位相シフト回折格子の作製
方法は、基板上に均一な凹凸の位相を有する回折格子を
作製し、この上にレジストで一部領域の凹部のみを覆
い、少なくともこのレジストをマスクとして基板をエッ
チングすることにより、この一部領域の凹凸の位相を反
転させる。これ以外の領域は、回折格子が元の凹凸の位
相を保つようにエッチング時に何等かの材料で保護して
おく。これらの凹凸の位相が反転する領域と元の位相を
保つ領域の、2つの領域で位相シフト回折格子を構成す
ることができる。
【0012】詳細には、基板上に均一な凹凸の位相を有
する回折格子を作製する工程と、該基板上の一部領域を
フォトレジストで覆う工程と、該フォトレジストを均一
にエッチングして前記回折格子の凹部のみに残す工程
と、該フォトレジストをマスクとして該基板をエッチン
グする工程とからなることを特徴とする。
【0013】また、基板上に均一な凹凸の位相を有する
回折格子を作製する工程と、該基板上の一部領域を第1
の材料で覆う工程と、該一部領域以外の領域における回
折格子の凹部をレジストで覆う工程と、該第1の材料及
び該レジストをマスクとして該基板をエッチングする工
程とからなることを特徴とする。また、基板上に均一な
凹凸の位相を有する回折格子を作製する工程と、該基板
上をレジストで覆う工程と、該基板上の一部領域を第1
の材料で覆う工程と、該レジストを均一にエッチングし
て前記回折格子の凹部のみに残す工程と、該第1の材料
及び該レジストをマスクとして該基板をエッチングする
工程とからなることを特徴とする。また、基板上に均一
な凹凸の位相を有する回折格子を作製する工程と、該基
板上をレジストで覆う工程と、該レジストを均一にエッ
チングして前記回折格子の凹部のみに残す工程と、該基
板上の一部領域を第1の材料で覆う工程と、該第1の材
料及び該レジストをマスクとして該基板をエッチングす
る工程とからなることを特徴とする。
【0014】具体的には、前記第1の材料はレジスト、
誘電体、金属、ポリイミドなどであったり、前記基板は
予め段差が設けてあり、段差の高い領域は後にエッチン
グされる領域と一致することを特徴としたりする。ま
た、前記第1の材料及び該レジストをマスクとして該基
板をエッチングした後、該基板の一部領域以外を金属な
どの第2の材料で覆って該第2の材料をマスクとしてエ
ッチングを行って段差をなくすことを特徴とする。
【0015】
【実施例1】本発明の第1実施例を説明する。図1は本
実施例である位相シフト回折格子の作製工程を示す図で
ある。 図1における図中記号は、1が基板、2がフォ
トレジストを表す。
【0016】図1を用いて作製工程を説明する。 (1)まず基板1上に均一な凹凸の位相をもつ回折格子
g1を作製する。 (2)その一部領域をフォトレジスト2で覆う。 このフォトレジスト2で覆われた領域は、後に凹凸の位
相が反転する領域になる。この領域を第1の領域と呼
び、これ以外の領域を第2の領域と呼ぶことにする。両
領域の境は厳密に設定する必要はなく、回折格子g1の
深さは100nm前後と浅い。フォトレジスト2の塗布
膜厚もこれと同程度にする。必要ならばフォトレジスト
をシンナーで希釈して塗布膜厚を調整する。フォトレジ
ストの塗布特性として、表面張力などにより、凹凸のあ
る場所に塗布すると平坦化することが言える。したがっ
て、この場合も図1(2)に示すように塗布膜の上面は
ほぼ平らになり、回折格子g1の凸部の上は薄く、凹部
はそれより厚くなる。
【0017】(3)フォトレジスト2を均一にエッチン
グし、凹部だけにフォトレジスト2を残す。 酸素ガスを用いた反応性イオンエッチング等を施すこと
により、フォトレジスト2は全体に上から均一にエッチ
ングされる。基板1はエッチングされない。回折格子g
1の凸部上のフォトレジスト2は薄いため、凹部上のフ
ォトレジスト2より先になくなる。したがって、適当な
時間でエッチングを終了することにより、凹部にのみフ
ォトレジスト2を残すことができる。
【0018】(4)残ったフォトレジスト2をマスクと
して基板1をエッチングする。 この工程のエッチング手法としては、低圧での反応性イ
オンビームエッチングに代表される異方性エッチングを
使用する。なおかつ、フォトレジスト2と基板1材料の
選択性が大きいことも重要である。たとえば基板1材料
にInPを使用した場合には、塩素ガスによる反応性イ
オンビームエッチングを行うとよい。
【0019】凹部にフォトレジスト2が残っている第1
の領域では、このフォトレジスト2がマスクとなり、基
板1の凸部がエッチングされる。凸部はだんだんと低く
なり、次の段階には凸部が元の凹部よりも低くなり、凹
凸は反転する。凹凸を完全に反転させるには元の凹凸の
高さの2倍の深さだけエッチングする。一方、それ以外
のフォトレジスト2のない第2の領域では、異方性エッ
チングのために凹凸の形を保ったまま全体の高さが低く
なる。
【0020】結果として第1の領域(右側部分)では凹
凸の位相が反転し、第2の領域(左側部分)では凹凸の
位相は元のままである。以上の工程で、これらの領域で
構成される位相シフト回折格子g2が得られた。
【0021】(5)最後にフォトレジストを除去する。 本実施例による位相シフト回折格子g2は、凹凸の位相
が反転する境界部に凹凸の高さに相当する段差が生じる
という特徴がある。しかしながら、この段差は、この位
相シフト回折格子を具備する光素子の特性に殆ど悪い影
響を与えない。
【0022】例えば、本実施例の位相シフト回折格子を
利用して分布帰還型半導体レーザを作製した場合の構造
例を図2に示す。このレーザはInP/InGaAsP
系の材料を使用している。図2の図中記号は、5がn−
InP基板、6がn−InGaAsP光導波層、7が上
下のInGaAsP層、8が活性層、9がp−InP
層、10が上下の電極である。
【0023】このレーザでは、位相シフトの境界部に段
差を持つ位相シフト回折格子g2の上に光導波層6や活
性層8を積層して半導体レーザ構造にするわけである
が、段差の高い部分も低い部分も積層される半導体層の
層厚は同じになる。したがって、この場合の光導波の障
害は、段差による導波層6の曲がりによる導波光の散乱
損失だけであるが、実際この段差は100nm前後なの
で殆ど散乱損失はない。むしろ、工程の大幅な簡略効果
が大きい。
【0024】
【実施例2】本発明の第2実施例を説明する。図3は本
実施例である位相シフト回折格子の作製工程を示す図で
ある。 図3における図中記号は、21が基板、22が
環化ゴム系レジスト、23がノボラック系レジストを表
す。
【0025】図3(a)を用いて作製工程を説明する。 (1)まず基板21上に均一な凹凸の位相をもつ回折格
子g1を作製する。 (2)その一部領域を環化ゴム系レジスト22で覆う。 (3)ノボラック系レジスト23を均一に塗布する。 ノボラック系レジスト23は環化ゴム系レジスト22の
上も覆う。ノボラック系レジスト23と環化ゴム系レジ
スト22は反応性及び相溶性がない為、積層する事が可
能である。ノボラック系レジスト23のみで覆われた領
域と、環化ゴム系レジスト22とノボラック系レジスト
23の2層で覆われた領域の両方ができる。前者は後に
凹凸の位相が反転する領域になる。この領域を第1の領
域と呼び、後者を第2の領域と呼ぶことにする。回折格
子g1の深さは100nm前後と浅い。ノボラック系レ
ジスト23の塗布膜厚もこれと同程度にする。必要なら
ばレジストをシンナーで希釈する。一般的なレジストの
塗布特性として、凹凸のある場所に塗布すると平坦化す
ることが言える。したがって、この場合も図3(2)に
示すように塗布膜の上面はほぼ平らになり、回折格子g
1の凸部の上は薄く、凹部はそれより厚くなる。
【0026】(4)レジストを均一にエッチングし、ノ
ボラック系レジスト23は凹部だけに残す。 酸素ガスを用いた反応性イオンエッチング等を施すこと
により、レジストは全体に上から均一にエッチングされ
る。基板21はエッチングされない。第1の領域(右側
部分)において、回折格子g1の凸部上のレジスト23
は薄いため、凹部上のレジスト23より先になくなる。
したがって、適当な時間でエッチングを終了することに
より、凹部にのみレジスト23を残すことができる。
【0027】(5)残ったレジスト22、23をマスク
として基板21をエッチングする。 凹部にレジスト23が残っている第1の領域では、この
フォトレジスト23がマスクとなり、基板21の凸部が
エッチングされる。凸部はだんだんと低くなり、次の段
階には凸部が元の凹部よりも低くなり、凹凸は反転す
る。凹凸を完全に反転させるには元の凹凸の高さの2倍
の深さだけエッチングする。一方、第2の領域(左側部
分)では、厚い環化ゴム系レジスト22が凹凸を保護し
ているのでエッチングされない。
【0028】結果として第1の領域では凹凸の位相が反
転し、第2の領域では凹凸の位相は元のままである。以
上の工程で、これらの領域で構成される位相シフト回折
格子g2が得られた。
【0029】(6)最後にフォトレジスト22、23を
除去する。 本実施例では、図3の記号22に環化ゴム系レジスト、
記号23にノボラック系レジストを使用したが、この2
つの材料は互いに反応しない事、相溶性のない事という
条件があれば他の材料で置き換えることができる。以下
に使用可能な組み合わせの例を幾つか示す。 記号22 記号23 環化ゴム系レジスト ノボラック系レジスト ノボラック系レジスト 環化ゴム系レジスト 誘電体 全てのレジスト 金属 全てのレジスト ポリイミド 全てのレジスト 本実施例による位相シフト回折格子でも、凹凸の位相が
反転する境界部に凹凸の高さに相当する段差が生じると
いう特徴がある。しかしながら、上述したように、この
段差は、この位相シフト回折格子を具備する光素子の特
性に殆ど悪い影響を与えない。
【0030】また、この段差を解消する方法もある。本
実施例の方法では必ず第1の領域(右側部分)の方が凹
凸の高さに相当する分だけ低くなる。従って、工程
(1)の前に予め基板に第2の領域(左側部分)が凹凸
の高さに相当するだけ低くなるような段差を設けておけ
ば、最終的に段差は相殺されて生じない。図3(b)に
これを示す。このことは他の実施例でも同様である。第
1の実施例では、右側領域が凹凸の高さに相当するだけ
低くなるような段差を設けておく。
【0031】また、以下の工程で段差を解消してもよ
い。 (6)図3(a)の(5)の工程の後で金属膜を全面に
形成する。 (7)レジスト22を有機溶剤等で剥離し、レジスト2
2上の金属膜をリフトオフする。金属膜を全面に形成し
てから、(2)の工程で形成したレジストパターン22
を剥離して金属膜のパターンを作る為、丁度(5)の工
程のレジストパターン22以外の場所に金属膜が形成出
来る。これは(6)のエッチング工程の結果低くなった
領域(右側領域)と完全に一致する。ここで使用する金
属は成膜可能であれば大抵のものが使用出来る。また、
金属以外の材料も使用可能である。 (8)金属膜をマスクとして、InPをエッチングし、
全体の高さを揃える。このエッチングには反応性イオン
ビームエッチングなどの異方性エッチングを用いる。異
方性エッチングを用いる事により、基板21の深さ方向
へのエッチング速度が横方向へのエッチング速度を上回
る為、回折格子形状を保ったまま全体の高さを低くする
ことが出来る。 (12)最後に金属膜及び残りのレジスト23を除去す
る。以上の工程により段差のない位相シフト回折格子g
2が作製出来る。
【0032】
【実施例3】本発明の第3実施例を説明する。図4は本
実施例である位相シフト回折格子の作製工程を示す図で
ある。 図4における図中記号は、31が基板、32が
環化ゴム系レジスト、33がノボラック系レジストを表
す。
【0033】図4を用いて作製工程を説明する。 (1)まず基板31上に均一な凹凸の位相をもつ回折格
子g1を作製する。 (2)ノボラック系レジスト23を均一に塗布する。 回折格子の深さは100nm前後と浅い。ノボラック系
レジスト33の塗布膜厚もこれと同程度にする。必要な
らばレジストをシンナーで希釈する。一般的なレジスト
の塗布特性として、凹凸のある場所に塗布すると平坦化
することが言える。したがって、この場合も図4(2)
に示すように塗布膜の上面はほぼ平らになり、回折格子
g1の凸部の上は薄く、凹部はそれより厚くなる。 (3)その一部領域を環化ゴム系レジスト32で覆う。 この膜厚は或る程度厚い方がよい。ノボラック系レジス
ト33と環化ゴム系レジスト32は反応性及び相溶性が
ない為、積層する事が可能である。ノボラック系レジス
ト33のみで覆われた領域と、環化ゴム系レジスト32
とノボラック系レジスト33の2層で覆われた領域の両
方ができる。前者は後に凹凸の位相が反転する領域にな
る。この領域を第1の領域と呼び、後者を第2の領域と
呼ぶことにする。
【0034】(4)レジストを均一にエッチングし、ノ
ボラック系レジスト33は凹部だけに残す。 酸素ガスを用いた反応性イオンエッチング等を施すこと
により、レジストは全体に上から均一にエッチングされ
る。基板31はエッチングされない。第1の領域(右側
部分)において、回折格子の凸部上のレジスト33は薄
いため、凹部上のレジスト33より先になくなる。した
がって、適当な時間でエッチングを終了することによ
り、凹部にのみレジスト33を残すことができる。
【0035】(5)残ったレジスト32、33をマスク
として基板31をエッチングする。 凹部にレジスト33が残っている第1の領域では、この
フォトレジスト33がマスクとなり、基板31の凸部が
エッチングされる。凸部はだんだんと低くなり、次の段
階には凸部が元の凹部よりも低くなり、凹凸は反転す
る。凹凸を完全に反転させるには元の凹凸の高さの2倍
の深さだけエッチングする。一方、第2の領域(左側部
分)では、厚い環化ゴム系レジスト32が凹凸を保護し
ているのでエッチングされない。
【0036】結果として第1の領域では凹凸の位相が反
転し、第2の領域では凹凸の位相は元のままである。以
上の工程で、これらの領域で構成される位相シフト回折
格子g2が得られた。
【0037】(6)最後にフォトレジストを除去する。 本実施例では、図4の記号32に環化ゴム系レジスト、
記号33にノボラック系レジストを使用したが、第2実
施例と同様、この2つの材料は互いに反応しない事、相
溶性のないことという条件があれば他の材料で置き換え
ることができる。使用可能な組み合わせは第2実施例で
述べたものと同じである。
【0038】本実施例による位相シフト回折格子でも、
凹凸の位相が反転する境界部に凹凸の高さに相当する段
差が生じるという特徴がある。しかしながら、この段差
は、上記した理由で、この位相シフト回折格子を具備す
る光素子の特性にほとんど悪い影響を与えない。
【0039】
【実施例4】本発明の第4実施例を説明する。図5は本
実施例である位相シフト回折格子の作製工程を示す図で
ある。 図5における図中記号は、41が基板、42が
環化ゴム系レジスト、43がノボラック系レジストを表
す。
【0040】図5を用いて作製工程を説明する。 (1)まず基板41上に均一な凹凸の位相をもつ回折格
子g1を作製する。 (2)ノボラック系レジスト43を均一に塗布する。 回折格子の深さは100nm前後と浅い。ノボラック系
レジスト43の塗布膜厚もこれと同程度にする。必要な
らばレジストをシンナーで希釈する。一般的なレジスト
の塗布特性として、凹凸のある場所に塗布すると平坦化
することが言える。したがって、この場合も図5(2)
に示すように塗布膜の上面はほぼ平らになり、回折格子
g1の凸部の上は薄く、凹部はそれより厚くなる。 (3)レジスト43を均一にエッチングし、ノボラック
系レジスト43は凹部だけに残す。 酸素ガスを用いた反応性イオンエッチング等を施すこと
により、レジスト43は全体に上から均一にエッチング
される。基板41はエッチングされない。回折格子g1
の凸部上のレジスト43は薄いため、凹部上のレジスト
43より先になくなる。したがって、適当な時間でエッ
チングを終了することにより、凹部にのみレジスト43
を残すことができる。
【0041】(4)その一部領域を環化ゴム系レジスト
42で覆う。 この膜厚は或る程度厚い方がよい。ノボラック系レジス
ト43と環化ゴム系レジスト42は反応性及び相溶性が
ない為、積層する事が可能である。ノボラック系レジス
ト43のみで覆われた領域と、環化ゴム系レジスト42
とノボラック系レジスト43の2層で覆われた領域の両
方ができる。前者は後に凹凸の位相が反転する領域にな
る。この領域を第1の領域(右側領域)と呼び、後者を
第2の領域(左側領域)と呼ぶことにする。
【0042】(5)レジスト42、43をマスクとして
基板41をエッチングする。 凹部にレジスト43が残っている第1の領域では、この
フォトレジスト43がマスクとなり、基板41の凸部が
エッチングされる。凸部はだんだんと低くなり、次の段
階には凸部が元の凹部よりも低くなり、凹凸は反転す
る。凹凸を完全に反転させるには元の凹凸の高さの2倍
の深さだけエッチングする。一方、第2の領域では、厚
い環化ゴム系レジスト42が凹凸を保護しているのでエ
ッチングされない。
【0043】結果として第1の領域では凹凸の位相が反
転し、第2の領域では凹凸の位相は元のままである。以
上の工程で、これらの領域で構成される位相シフト回折
格子g2が得られた。
【0044】(6)最後にフォトレジストを除去する。 本実施例では、図5の記号42に環化ゴム系レジスト、
記号43にノボラック系レジストを使用したが、この2
つの材料は互いに反応しない事、相溶性のないこととい
う条件があれば他の材料で置き換えることができる。使
用可能な組み合わせは第2実施例で述べたものと同じで
ある。
【0045】本実施例による位相シフト回折格子でも、
凹凸の位相が反転する境界部に凹凸の高さに相当する段
差が生じるという特徴がある。しかしながら、この段差
は、上記した理由で、この位相シフト回折格子を具備す
る光素子の特性にほとんど悪い影響を与えない。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、全工程での回折格子形状を決定付ける最初の均一
回折格子形状は、1種類のレジストによる1回の干渉露
光により容易に作製できるため、複数のレジスト材料の
相互作用は全く考慮する必要がなく、簡単な工程で再現
性よく精密な回折格子形状が作製できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を説明する図。
【図2】第1実施例の位相シフト回折格子を利用して作
製した分布帰還型半導体レーザ構造例を示す断面図。
【図3】本発明の第2実施例を説明する図。
【図4】本発明の第3実施例を説明する図。
【図5】本発明の第4実施例を説明する図。
【図6】従来例を示す図。
【符号の説明】
1、21、31、41、101 基板 2 フォトレジスト 5 n−InP基板 6 n−InGaAsP光導波層 7 InGaAsP SCH層 8 活性層 9 p−InP層 10 電極 g1、g2 グレーティング 22、32、42 環化ゴム系レジスト 23、33、43 ノボラック系レジスト 103 ポジレジスト 104 ネガレジスト

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に均一な凹凸の位相を有する回折
    格子を作製する工程と、該基板上の一部領域をフォトレ
    ジストで覆う工程と、該フォトレジストを均一にエッチ
    ングして前記回折格子の凹部のみに残す工程と、該フォ
    トレジストをマスクとして該基板をエッチングする工程
    とからなることを特徴とする位相シフト回折格子の作製
    方法。
  2. 【請求項2】 基板上に均一な凹凸の位相を有する回折
    格子を作製する工程と、該基板上の一部領域を第1の材
    料で覆う工程と、該一部領域以外の領域における回折格
    子の凹部をレジストで覆う工程と、該第1の材料及び該
    レジストをマスクとして該基板をエッチングする工程と
    からなることを特徴とする位相シフト回折格子の作製方
    法。
  3. 【請求項3】 基板上に均一な凹凸の位相を有する回折
    格子を作製する工程と、該基板上をレジストで覆う工程
    と、該基板上の一部領域を第1の材料で覆う工程と、該
    レジストを均一にエッチングして前記回折格子の凹部の
    みに残す工程と、該第1の材料及び該レジストをマスク
    として該基板をエッチングする工程とからなることを特
    徴とする位相シフト回折格子の作製方法。
  4. 【請求項4】 基板上に均一な凹凸の位相を有する回折
    格子を作製する工程と、該基板上をレジストで覆う工程
    と、該レジストを均一にエッチングして前記回折格子の
    凹部のみに残す工程と、該基板上の一部領域を第1の材
    料で覆う工程と、該第1の材料及び該レジストをマスク
    として該基板をエッチングする工程とからなることを特
    徴とする位相シフト回折格子の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の材料はレジストであることを
    特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の位相シフト
    回折格子の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の材料は誘電体であることを特
    徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の位相シフト回
    折格子の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の材料は金属であることを特徴
    とする請求項1乃至4の何れかに記載の位相シフト回折
    格子の作製方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の材料はポリイミドであること
    を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の位相シフ
    ト回折格子の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記基板は予め段差が設けてあり、段差
    の高い領域は後にエッチングされる領域と一致すること
    を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の位相シフ
    ト回折格子の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の材料及び該レジストをマス
    クとして該基板をエッチングした後、該基板の一部領域
    以外を第2の材料で覆って該第2の材料をマスクとして
    エッチングを行うことを特徴とする請求項1乃至3の何
    れかに記載の位相シフト回折格子の作製方法。
  11. 【請求項11】 基板上に均一な凹凸の位相を有する回
    折格子を作製する工程と、該基板上の一部領域の前記回
    折格子の凹部のみをフォトレジストで覆う工程と、少な
    くとも該フォトレジストをマスクとして該基板をエッチ
    ングする工程とを有することを特徴とする位相シフト回
    折格子の作製方法。
JP18177094A 1994-07-11 1994-07-11 位相シフト回折格子の作製方法 Pending JPH0829605A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7282455B2 (en) * 2004-12-10 2007-10-16 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of producing a diffraction grating

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