JPH08294667A - 紫外レーザーによる樹脂表面のマーキング方法および樹脂部材 - Google Patents

紫外レーザーによる樹脂表面のマーキング方法および樹脂部材

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JPH08294667A
JPH08294667A JP10537995A JP10537995A JPH08294667A JP H08294667 A JPH08294667 A JP H08294667A JP 10537995 A JP10537995 A JP 10537995A JP 10537995 A JP10537995 A JP 10537995A JP H08294667 A JPH08294667 A JP H08294667A
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JP
Japan
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marking
curved surface
resin
coating material
ultraviolet laser
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JP10537995A
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English (en)
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Mamoru Maekawa
守 前川
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Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗料との親和性が低い高分子樹脂の曲面に、
容易にマーキングを施す方法を提供する。 【構成】 高分子樹脂1の曲面2のマーキング部位3
に、紫外線レーザーLを照射して塗料との親和性を高
め、マーキング部位3を含む範囲に塗料4を塗着する。
曲面2に粘着性フィルム5を貼付して、剥離する。マー
キング部位3上の塗料は曲面2に残存し、マーキング部
位3以外の塗料は粘着フィルム5とともに曲面2から剥
離して、マーク6が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子樹脂の表面にマ
ーキングを行う方法に関するものであり、特に、曲面に
マーキングを行う方法、および曲面にマーキングを施さ
れた高分子樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高分子樹脂から成る部材は現代社会にお
いてあらゆる分野で利用されており、装飾や機能表示の
ためにマーキングが施されることが多い。例えば、コン
ピュータやワードプロセッサの入力装置として利用され
るキーボード、電話機やファクシミリ装置あるいは電子
複写機の操作部、テレビやビデオ装置あるいは家庭用空
調装置の遠隔操作装置、カーステレオを初めとする車載
電化製品等では、それぞれのキーやボタンに割り当てら
れた機能を表すために、文字、数字または記号が付され
る。
【0003】一般に、高分子樹脂表面へのマーキングは
印刷または塗装によって行われる。ところが、樹脂の材
質によって塗料との親和性が高いものと低いものがあ
り、親和性の低いものでは、塗料が樹脂表面に付着せず
印刷や塗装が困難または不可能になる。このような塗装
性の悪い高分子樹脂には、ナイロン66、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、液
晶ポリマー、エポキシ樹脂等が含まれる。
【0004】塗装性の悪い樹脂にマーキングを施す場
合、塗装に先立って表面に改質処理を行い、塗料との親
和性を向上させる。表面改質の方法としては、コロナ放
電等の物理的処理と、酸、アルカリ、化学薬品による化
学処理とがあり、樹脂の組成や処理の簡便さ等を考慮し
て使い分けられている。分子内に炭素−ハロゲン結合ま
たは炭素−窒素結合を含む高分子に対して紫外線レーザ
ーをパルス照射して、改質を行うことが、公開特許公報
・昭60−226534号および昭60−245643
号に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、マーキング
は必ずしも高分子樹脂の表面の平面部位に施されるもの
ではない。人が直接触れる部材の形状を曲面に形成する
ことで、操作能率を向上させたり指触りをよくしたりす
ることが図られ、しかも、その部材の機能を表すマーキ
ングを、見易い操作面に施すことがしばしば行われる。
例えば、キーボードのキーは、上面を人の指先に合わせ
て凹んだ曲面に形成されることが多く、この曲面にアル
ファベットや数字が記される。また、押しボタン式の電
話機等では、ボタンの上面を膨らんだ曲面に形成し、こ
の曲面に数字を記している。
【0006】印刷や塗装は、表面が平面あるときは容易
に行うことができるが、表面が曲面であったり、凹凸が
あったりする場合には困難になる。曲面状の樹脂表面へ
のマーキング方法として、YAGレーザーの照射による
樹脂の熱変色が知られているが、マークの色が限定され
る等の制約を受けることになる。
【0007】本発明は、塗料との親和性が低い高分子樹
脂の曲面に、容易にマーキングを施す方法を提供すると
ともに、その方法でマーキングを施された高分子樹脂部
材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、高分子樹脂の曲面にマーキングを行う
方法において、曲面上のマーキングを施す部位に紫外線
レーザーを照射する工程、曲面上のマーキングを施す部
位を含む範囲に塗料を塗着する工程、塗料を塗着した部
位に粘着性フィルムを貼付する工程、粘着性フィルムを
剥離する工程を順次行う。
【0009】マーキングを行う高分子樹脂表面は凸状の
曲面であってもよく、凹状の曲面であってもよい。
【0010】また、高分子樹脂から成る部材において、
曲面に形成された表面に紫外線レーザーによって改質さ
れたマーク部分を設けて、そのマーク部分に塗料を塗着
した構成とする。
【0011】
【作用】高分子樹脂の曲面にマーキングを行うときに、
曲面上のマーキングを施す部位に紫外線レーザーを照射
する工程、曲面上のマーキングを施す部位を含む範囲に
塗料を塗着する工程、塗料を塗着した部位に粘着性フィ
ルムを貼付する工程、粘着性フィルムを剥離する工程を
順次行う方法では、まず、紫外線レーザーの照射によっ
て、マーキングが施される部位の改質がなされ、塗料と
の親和性が高められる。このとき、マーキングの対象と
しない曲面上の他の部位は塗料との親和性が低いままに
保たれる。
【0012】次いで、マーキングが施される部位および
その周辺に塗料が塗着され、さらに、塗料の上に粘着フ
ィルムが貼付される。このとき、粘着フィルムは、樹脂
表面の形状に対応した曲面になって塗料にむらなく接触
する。この粘着フィルムを剥離すると、レーザー照射が
なされなかった樹脂部位に塗着された塗料は、樹脂表面
との親和性が低いままであるため、粘着フィルムととも
に樹脂表面から剥離する。一方、レーザー照射がなされ
た樹脂部位の塗料は、樹脂に強固に付着して樹脂表面上
に留まる。これにより、不要部分の塗料が除去されて、
マーキングがなされる。
【0013】粘着フィルムは貼付する表面の形状に応じ
て変形するため、マーキングを行う高分子樹脂表面が凸
状の曲面であっても凹状の曲面であってもむらなく接触
し、不要部分の塗料は除去される。
【0014】また、紫外線レーザーにより改質されたマ
ーク部分と、そのマーク部分に塗着された塗料とを、曲
面上に有する高分子樹脂部材では、マーク部分の樹脂は
紫外線レーザーによって塗料との親和性が高められてい
るため、塗料が樹脂に強固に付着する。このため、マー
クを設けた曲面を人の指先等が触れる操作面として用い
るときでも、マークが消失することはない。
【0015】
【実施例】本発明の方法によって、キーボードのキーに
マーキングを施す例について説明する。図1はマーキン
グの工程の流れを示したものである。図において、1は
ポリカーボネート樹脂から成るキーであり、その上面2
は周辺部よりも中央部が低くなった凹状の曲面に形成さ
れている。3は上面2に形成しようとしているマークの
形状、すなわちマーキング部位である。
【0016】まず、(A)において、キー1の上方から
上面2に向けて、紫外線レーザーLを照射する。紫外線
レーザーLはマーキング部位3にのみ照射される。この
紫外線レーザーLは細径のビームであり、照射位置を少
しずつずらすことで、マーキング部位3全体を均一に照
射する。
【0017】紫外線レーザーが照射された部位の樹脂表
面は、分子中の炭素−炭素結合や炭素−水素結合が開裂
する。一方、空気中の酸素分子は紫外線レーザーによっ
て励起されて、酸素ラジカルやオゾンとなる。これらの
反応性の高い酸素種が樹脂分子の開裂した炭素原子に結
合したり二重結合に付加したりすることにより、樹脂表
面には塗料と結合し易いカルボキシル基等の極性基が多
数生成する。したがって、マーキング部位3は紫外線レ
ーザーの照射によって改質され、塗料との親和性が向上
する。
【0018】レーザービームは平行光で強度分布が略均
一であるという特性を有しており、このため、照射部位
と非照射部位との境界が明確になる。したがって、マー
キング部位3の輪郭は極めてシャープになっている。
【0019】次いで、(B)に示したように、マーキン
グ部位3全体を含む範囲に塗料4を塗着する。このと
き、塗料はキー1の上面2全域にわたって塗着してもよ
い。
【0020】塗料乾燥後、(C)のように、下面5aが
粘着性を有する粘着フィルム5をキー1の上面2に貼付
する。粘着フィルム5としては、貼付面の曲面に合致す
る形状に変形し得る程度の柔軟性と、次工程における剥
離時に裂けることがない程度の強度を有するものを用い
る。枚葉状のものであっても、連続したテープ状に形成
されたものであってもよい。貼付した粘着フィルム5の
上から軽く押圧して、粘着フィルム5を塗料4の上面に
密着させる。
【0021】次いで、(D)のように、粘着フィルム5
をキー1の上面2から剥離する。このとき、マークキン
グ部位3上にある塗料は、樹脂表面に強く固着している
ため、粘着テープ5から離れて上面2に留まる。一方、
マーキング部位3以外に塗着されている塗料は、樹脂と
の親和性が低いため、粘着テープ5に粘着したまま上面
2から剥離する。したがって、キー1の上面2にはマー
キング部位3のみに、塗料が残存してマーク6が形成さ
れることになる。
【0022】このようにしてマーキングが行われたキー
1は、上面2が窪んだ曲面であるため指触りがよく、し
かも、マーク6は見易い上面2に形成されているため、
このようなキーを備えたキーボードは操作性のよいもの
となる。さらに、マーキング部位3は改質されて塗料と
の親和性が高められているため、マーク6を形成してい
る塗料がキー上面2から剥離する恐れがなく、長期間の
使用によっても、マーク6が消失しない。
【0023】なお、ここでは凹状の曲面にマーキングを
行う例を示したが、本発明の方法は凸状の曲面に対して
も適用し得るものである。
【0024】
【発明の効果】本発明によるときは、マーキング部位の
改質を紫外線レーザーによって行うため、高分子樹脂の
曲面を容易に改質することができる。レーザービームは
平行光で強度分布が略均一であるため、照射部位と非照
射部位との境界が明確になって、改質部位の輪郭がシャ
ープになる。このため、滲みのない鮮鋭なマークを形成
することができる。
【0025】マーキング部位外に塗着された塗料は粘着
フィルムによって除去されるため、マーキング部位外に
塗料が塗着することが許容される。したがって、印刷マ
スクの作成等の工程が不要であり、塗料の塗着を極めて
容易に行うことができる。粘着フィルムの貼付や剥離も
容易であり、全工程を単純な操作で行うことができる。
【0026】また、紫外線レーザーによる改質で塗料は
強固に樹脂表面に付着するため、塗料が剥離する恐れが
なく、マークを形成した曲面を、例えば人の指先が触れ
る操作面とすることができる。しかも、この面は曲面で
あり、指触りがよいものとなっている。
【0027】請求項2のように、マーキングを行う面が
凸状や凹状の曲面であるときも、上記効果は確実に発揮
される。特に、人の指先が触れる操作面にマークを形成
するときに有効である。
【0028】請求項3の高分子樹脂部材によるときは、
紫外線レーザーによる改質で塗料がマーク部分に強固に
付着するため、マークが消失する恐れがなく、様々な用
途に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるマーキング方法の工程の流れを
示す図。
【符号の説明】
1 キー 2 キー上面 3 マーキング部位 4 塗料 5 粘着フィルム 6 マーク L 紫外線レーザー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子樹脂の曲面にマーキングを行う方
    法において、 前記曲面上のマーキングを施す部位に紫外線レーザーを
    照射する工程、 前記曲面上のマーキングを施す部位を含む範囲に塗料を
    塗着する工程、 前記塗料を塗着した部位に粘着性フィルムを貼付する工
    程、 前記粘着性フィルムを剥離する工程を順次行うことを特
    徴とするマーキング方法。
  2. 【請求項2】 凸状もしくは凹状の曲面に形成された高
    分子樹脂表面にマーキングを行うことを特徴とする請求
    項1に記載のマーキング方法。
  3. 【請求項3】 紫外線レーザーにより改質されたマーク
    部分と、そのマーク部分に塗着された塗料とを、曲面上
    に有する高分子樹脂部材。
JP10537995A 1995-04-28 1995-04-28 紫外レーザーによる樹脂表面のマーキング方法および樹脂部材 Pending JPH08294667A (ja)

Priority Applications (1)

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JP10537995A JPH08294667A (ja) 1995-04-28 1995-04-28 紫外レーザーによる樹脂表面のマーキング方法および樹脂部材

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JP10537995A JPH08294667A (ja) 1995-04-28 1995-04-28 紫外レーザーによる樹脂表面のマーキング方法および樹脂部材

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JPH08294667A true JPH08294667A (ja) 1996-11-12

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ID=14406056

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JP10537995A Pending JPH08294667A (ja) 1995-04-28 1995-04-28 紫外レーザーによる樹脂表面のマーキング方法および樹脂部材

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JP (1) JPH08294667A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008310167A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Chuko Kasei Kogyo Kk 円筒型表示具及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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