JP3441684B2 - 積層成形体及びその製造方法 - Google Patents

積層成形体及びその製造方法

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JP3441684B2
JP3441684B2 JP25480099A JP25480099A JP3441684B2 JP 3441684 B2 JP3441684 B2 JP 3441684B2 JP 25480099 A JP25480099 A JP 25480099A JP 25480099 A JP25480099 A JP 25480099A JP 3441684 B2 JP3441684 B2 JP 3441684B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層成形体に係
り、詳しくは電子機器等に組み込まれるシール材、ディ
スプレイ関連製品等のタッチパネル表面材や各種滑り止
め材(以下、「シール材等」と称す)、あるいはメンブ
レンスイッチ用シートとして好適な積層成形体及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からシリコーンゴムは、耐熱性や電
気的性質に優れていることから上記シール材等の用途に
使用されている。しかし、シリコーンゴム単体からな
り、比較的肉厚の薄いものをそのままシール材等の用途
に適用しようとすると、ゴム製品であるがために、変形
を生じ、組付け寸法精度が悪くなったり、しわが生じた
り、製品同士が密着したりして、作業性に問題がある。
この問題を解消するため、特開平11−20082号公
報には、シートあるいはフィルムとシリコーンゴム層と
を一体化したシリコーンゴム複合体が提案されている。
【0003】また、電子機器等に使用される薄型スイッ
チの一つであるメンブレンスイッチとして、図4
(a),(b)に示す構成のものがある(例えば、特開
平4−215219号公報)。即ち、電極31a,31
bがスクリーン印刷等によってパターン形成された絶縁
樹脂製の上部シート32a及び下部シート32bを絶縁
シート33を挟んで積層し、絶縁シート33の両電極3
1a,31bと対応する箇所に孔34が形成されてい
る。そして、図4(b)に示すように、上部シート32
aの孔34と対応する位置を矢印で示すように押すと、
上部シート32aが凹んで両電極31a,31bが接触
して導通状態となり、スイッチが接続した状態に保持さ
れる。押圧を解除すると、上部シート32aは自身の剛
性によって元に戻り、スイッチの接続が解除される。
【0004】ところが、前記の構成では上部シート32
aを指で押したときにクリック感がないため、両電極3
1a,31bが接しているか否かを感覚的に確認できな
いという欠点がある。この欠点を解消するため、図5に
示すように、平坦な上部シート32aに代えて、多数の
凸部35a(1個のみ図示)がエンボス加工で形成され
たポリエステル樹脂製のエンボスシート35を絶縁シー
ト33を挟んで積層したものがある(例えば、特開平7
−52240号公報)。電極31aは凸部35aの内側
に形成されている。また、エンボスシート35を挟んで
下部シート32bと反対側には、絶縁層36を介して可
撓性の表面シート37が配設されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−2008
2号公報に開示されたシートあるいはフィルムとシリコ
ーンゴム層とを一体化したシリコーンゴム複合体は平面
状のシートであり、シール材等として凹凸あるいは段差
がある箇所に使用する際には、それらの凹凸あるいは段
差に対応した形状に成形する必要がある。しかし、シリ
コーンゴム層が露出した状態でプレス成形で所定の形状
に加工すると、加工の際にシリコーンゴム層が傷つき易
いという問題がある。
【0006】また、特開平7−52240号公報に開示
されたクリック感が得られるメンブレンスイッチを構成
する部材として、押圧操作用の凸部35aを有するポリ
エステル樹脂製(硬質樹脂製)のエンボスシート35を
使用する場合は、手触りが硬く滑りやすいという問題が
ある。本願発明者はクリック感を得るための膨出部を備
え、表面の滑りを抑制し、スイッチの押し間違いを防止
することができるメンブレンスイッチ用シートとして、
硬質プラスチック層と軟質層とを強固に接着した積層シ
ートに、前記軟質層側に突出するスイッチクリック用の
膨出部を成形したものを発明した。このメンブレンスイ
ッチ用シートを形成する場合、硬質プラスチック層と軟
質層との積層シートを単純にプレス成形すると、軟質層
が傷つき易いという問題がある。
【0007】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は電気・電子部品に組み込
まれるシール材等として使用される積層成形体が、所定
の凹凸あるいは段差を有する形状に加工される際に、軟
質層が傷つくのを防止できる積層成形体を提供すること
にある。また、第2の目的はクリック感を得るための膨
出部を備え、表面の滑りを抑制し、スイッチの押し間違
いを防止することができるメンブレンスイッチ用シート
を製造する際に好適な積層成形体を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、請求項1に記載の発明では、軟質中間層の一方
の面に第1の硬質プラスチック層を強固に接着し、他方
の面に第2の硬質プラスチック層を剥離可能に積層して
なる積層体を一体的に成形してなる。
【0009】第2の目的を達成するため、請求項2に記
載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記積
層成形体は、前記剥離可能な第2の硬質プラスチック層
側に凸となるように、スイッチクリック用の膨出部が形
成されている。
【0010】第1の目的を達成するため、請求項3に記
載の発明では、軟質中間層の一方の面に第1の硬質プラ
スチック層を強固に接着し、他方の面に、マットコート
した硬質プラスチック製の保護フィルムを、マットコー
ト側を軟質中間層に向けて圧着することにより、剥離可
能に積層してなる。
【0011】第2の目的を達成するため、請求項4に記
載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記積
層成形体は、前記保護フィルム側に凸となるように、ス
イッチクリック用の膨出部が形成されている。
【0012】また、請求項5に記載の発明では、請求項
1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前
記軟質中間層は、架橋シリコーンゴム層で構成されてい
る。また、請求項6に記載の発明では、シリコーンゴム
層の一方の面に第1の硬質プラスチック層を強固に接着
し、他方の面に第2の硬質プラスチック層を剥離可能に
積層してなる積層体を一体的にプレス成形してなる。
って、請求項1及び請求項6に記載の発明では、積層成
形体は、軟質中間層の他方の面に積層された第2の硬質
プラスチック層を剥離した状態で、例えばシール材等と
して使用される。積層成形体がシール材等として使用さ
れる箇所の凹凸あるいは段差と対応する形状に一体的に
プレス成形される際、軟質中間層は両硬質プラスチック
層に挟まれた状態にあるため、軟質中間層が傷つく虞が
ない。
【0013】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、積層成形体は、軟質中間層の他方の
面に積層された第2の硬質プラスチック層を剥離した状
態で、メンブレンスイッチ用シートとして使用される。
スイッチクリック用の膨出部は軟質中間層側に突出する
ように形成されているため、指が膨出部に触れた際の感
触が柔らかで滑り難い。
【0014】請求項3に記載の発明では、積層成形体
は、軟質中間層の他方の面に積層された保護フィルムを
剥離した状態で、例えばシール材等として使用される。
積層成形体がシール材等として使用される箇所の凹凸あ
るいは段差と対応する形状にプレス成形される際、軟質
中間層は硬質プラスチック層と保護フィルムとに挟まれ
た状態にあるため、軟質中間層が傷つく虞がない。保護
フィルムには軟質中間層と対向する面にマットコートが
施されているため、保護フィルムを剥離すると軟質中間
層に細かい凹凸が転写され、軟質中間層の表面がより滑
り難くなる。
【0015】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記積層成形体は、前記保護フィル
ムを剥離した状態で、メンブレンスイッチ用シートとし
て使用される。スイッチクリック用の膨出部は軟質中間
層側に突出するように形成され、また、軟質中間層に細
かい凹凸が転写されているため、指が膨出部に触れた際
の感触が柔らかでより滑り難くなる。
【0016】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記軟質
中間層は、架橋シリコーンゴム層で構成されているた
め、通常のゴムに比較して耐熱性に優れ、高温での使用
時に弾力性の劣化が少なくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明をメンブレンスイッ
チ用のシートに好適な積層成形体に具体化した一実施の
形態を説明する。
【0018】図1(a)に示すように、積層成形体1
は、軟質中間層2と、その一方の面(図1(a)では下
面)に強固に接着した第1の硬質プラスチック層3と、
他方の面に剥離可能に積層した第2の硬質プラスチック
層としての硬質プラスチック製の保護フィルム4とを備
えている。積層成形体1は、保護フィルム4側に凸とな
るように、スイッチクリック用の膨出部5が複数形成さ
れている。
【0019】図1(b)に示すように、積層成形体1は
長方形状に形成され、スイッチクリック用の膨出部5は
所定間隔でマトリックス状に配置されている。膨出部5
は後記するメンブレンスイッチの電極と対応する位置に
設けられた孔とほぼ同じ大きさに形成されている。
【0020】第1の硬質プラスチック層3は2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(以下、2軸延伸P
ETフィルムと称す。)で形成されている。軟質中間層
2はシリコーンゴム組成物を架橋したもので形成されて
いる。保護フィルム4はマットコートした2軸延伸PE
Tフィルムで形成されている。「マットコート」とはマ
ット処理とも称し、細かい粒子を含有する層を塗布する
ことを意味する。
【0021】次に前記のように構成された積層成形体1
の製造方法を説明する。先ず、所定の厚さ(例えば12
μm)の2軸延伸PETフィルムからなる基体フィルム
上に、必要に応じて接着処理を施した上で、未架橋のシ
リコーンゴム組成物を接着する。シリコーンゴム組成物
の厚さは30μm〜1500μmが好ましい。接着処理
としては、例えばフィルムに塗布できるポリウレタン樹
脂、非晶性ポリエステル樹脂で下塗り層を形成し、その
上に前記下塗り層に対して親和性の高いシリコーン樹脂
を含有する熱硬化薄膜層を形成する。前記熱硬化薄膜層
を形成するシリコーン系樹脂として例えば縮合型シリコ
ーン樹脂が挙げられる。
【0022】未架橋のシリコーンゴム組成物としては、
例えば、電子線架橋型(電子線硬化型)のシリコーンエ
ラストマーが使用される。電子線架橋型のシリコーンエ
ラストマーとしてはビニル基を含有したポリジメチルシ
ロキサンを主体としたものが一般的であるが、メチル基
の一部がフェニル基あるいはトリフルオロプロピル基で
置換されたものであってもよい。
【0023】次に厚さ20μの2軸延伸PETフィルム
上にマットコートした保護フィルム4をマットコート側
をシリコーンゴム組成物に向けて圧着することにより、
基体フィルム、軟質中間層2及び保護フィルム4からな
る成形積層シートが得られる。
【0024】次に上記成形積層シートに電子線照射する
ことにより、中間層であるシリコーンゴム組成物を架橋
して、図2に示すように、第1の硬質プラスチック層
3、軟質中間層2及び保護フィルム4からなる原反積層
体6を得る。なお、図2では保護フィルム4に形成され
たマットコート層4aが図示されている。照射線量は2
0kGy〜150kGyが好ましい。次に原反積層体6
をプレス機により、所定の形状にプレスすることによ
り、図1に示すような積層成形体1が得られる。
【0025】次に前記のように構成された積層成形体1
を使用したメンブレンスイッチ及びその製造方法を説明
する。図3に示すように、メンブレンスイッチ7は、ス
イッチ用の電極8aがマトリックス状に形成された基体
(プリント基板)8と、電極8aと対応する位置に孔9
aが形成された絶縁材製のスペーサ9と、電極8aと共
同してスイッチを構成する電極10aがマトリックス状
に形成された絶縁シート10とから本体部11が構成さ
れている。そして、積層成形体1から保護フィルム4が
剥離された第1の硬質プラスチック層3と軟質中間層2
との積層体が、スイッチクリック用の膨出部5が孔9a
と対応する状態で、本体部11の上に積層されている。
【0026】積層成形体1は必要に応じて、例えば、卓
上計算機のキー配列に応じた所定の輪郭形状に打ち抜い
た後、第1の硬質プラスチック層3側をメンブレンスイ
ッチ7の本体部11の絶縁シート10に接着する。
【0027】その後、保護フィルム4を剥離して除去す
ることにより、架橋されたシリコーンゴムの面を露出さ
せる。その結果、保護フィルム4のマットコート層4a
のマット模様、即ち細かい凹凸模様がシリコーンゴムの
露出した面に転写され、軟質中間層2の露出面(表面)
がマット面(細かい凹凸を有する面)となる。
【0028】前記のように構成されたメンブレンスイッ
チ7はスイッチクリック用の膨出部5を指先で押圧する
と、膨出部5がへこみ、絶縁シート10を基体8側へ撓
ませる。そして、絶縁シート10に形成されている電極
10aが基体8に形成された電極8aと接触する状態に
保持され、スイッチが導通状態(オン状態)となる。膨
出部5の押圧を解除すると、第1の硬質プラスチック層
3はその剛性によって元の状態に復帰し、スイッチがオ
フ状態となる。
【0029】この実施の形態では次の効果を有する。 (1) 積層成形体1は、軟質中間層2の一方の面に第
1の硬質プラスチック層3を強固に接着し、他方の面に
第2の硬質プラスチック層を剥離可能に積層した積層体
(原反積層体6)を成形してなる。従って、積層体の成
形時に軟質中間層2が傷つくのを防止できる。
【0030】(2) 第2の硬質プラスチック層として
マットコートした硬質プラスチック製の保護フィルム4
が使用され、保護フィルム4はマットコート側を軟質中
間層2に向けて圧着することにより剥離可能に積層され
ている。従って、積層成形体1を所望の目的に使用する
際、保護フィルム4を剥離すると軟質中間層2に細かい
凹凸が転写される。従って、軟質中間層2の表面がより
滑り難くなる。
【0031】(3) 積層成形体1には、保護フィルム
4側に凸となるように、スイッチクリック用の膨出部5
が形成されている。従って、メンブレンスイッチ用のシ
ートに使用した場合、PETフィルムのような硬質プラ
スチック層単独で形成した場合に比較して、指が膨出部
5に触れた際の感触が柔らかで表面の滑りが抑制され、
スイッチの押し間違いを防止することができる。
【0032】(4) 膨出部5に細かい凹凸が転写され
るため、指が膨出部5に触れた際の表面の滑りがより抑
制される。 (5) メンブレンスイッチ用のシートに使用した場
合、PETフィルムのような硬質プラスチック層単独で
形成した場合と異なり、軟質中間層2を構成するシリコ
ーンゴム層が第1の硬質プラスチック層3の可撓性を助
勢し、膨出部5の押圧及び解除を繰り返した際の耐久性
が向上する。
【0033】(6) 軟質中間層2が架橋されたシリコ
ーンゴムで形成されている。従って、積層成形体1を高
温下で長期間保存したり、保護フィルム4を剥離して高
温下で所望の目的に使用しても、通常のゴムに比較して
変質し難く、比較的高温下での耐久性が向上する。
【0034】(7) シリコーンゴムの架橋を電子線架
橋で行うため、第1の硬質プラスチック層3となる基体
フィルムや保護フィルム4に熱を加えないので、基体フ
ィルムや保護フィルム4が架橋の際に過熱によって変質
する虞がない。
【0035】(8) 既存のクリック感のない構造(例
えば、図4(a)に示す構造)のメンブレンスイッチ
に、第1の硬質プラスチック層3及び軟質中間層2から
なり、る積層体を積層することにより、当該メンブレン
スイッチをクリック感のあるメンブレンスイッチに簡単
に改造できる。
【0036】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ 保護フィルム4として、マットコートが施されてい
ない保護フィルムを使用してもよい。この場合、軟質中
間層2の表面に細かい凹凸を転写することはできない
が、軟質中間層2側に突出した膨出部5は硬質樹脂製の
シートに形成された膨出部に比較して、押圧操作の際に
滑り難く、感触も良い。
【0037】○ メンブレンスイッチ用シートとして好
適な積層成形体1に代えて、シール材等に好適な形状に
成形された積層成形体に適用してもよい。その場合はス
イッチクリック用の膨出部5に代えて、シール材等とし
て使用される箇所の凹凸あるいは段差と対応する凹凸部
や段差部が成形される。この場合も、積層成形体が、所
定の凹凸あるいは段差を有する形状に加工される際に、
軟質中間層2が傷つくのを防止できる。
【0038】○ シリコーンゴムの架橋は電子線架橋に
限らず他の方法であってもよい。例えば、シリコーンエ
ラストマーとして付加型の系で温度150°C程度で架
橋を行う。付加型では炭素二重結合に対しSi H基が付
加するヒドロシリル化反応で架橋が行われる。シリコー
ンエラストマーとしては、例えばビニル基を二つ以上含
むポリシロキサンを基体ポリマーとし、架橋剤にはSi
H基を三つ以上もつシロキサンオリゴマーを使用し、触
媒には白金化合物を使用する。保護フィルムとしては延
伸ポリプロピレンフィルム(OPP)が好ましい。但
し、OPP単独では、架橋中に収縮が起こるため、PE
T/OPPラミネートフィルムを使用する。表面マット
処理が施されたOPPが市販されているので、市販のマ
ット処理OPPに2軸延伸PETフィルムを貼り合わせ
たラミネートフィルムを形成して保護フィルムとして使
用する。そして、マットコート側をシリコーンゴム組成
物側となるように圧着した状態で加熱硬化させる。この
場合はシリコーンゴムを架橋するのに電子線照射装置が
不要となる。
【0039】○ シリコーンゴムを電子線架橋する場合
の保護フィルム4として、市販のマット処理OPPに2
軸延伸PETフィルムを貼り合わせたラミネートフィル
ムを使用してもよい。
【0040】○ シリコーンゴムの未架橋状態でプレス
加工により膨出部5を成形することも考えられる。しか
し、未架橋状態では流動性があるため、たとえシリコー
ンゴム層が保護層(保護フィルム4)と基体フィルムと
の間に挟まれた3層状態で成形しても、成形圧力によっ
てシリコーンゴム層に流動が生じ、極めて薄い部分がで
きてしまうので良くない。膨出部5の成形時に流動が生
じ難い程度に部分架橋しておき、成形後に完全架橋する
ようにしてもよい。この場合、シリコーンゴム層による
第1の硬質プラスチック層3の可撓性の助勢効果が向上
する。
【0041】○ 軟質中間層2として架橋シリコーンゴ
ム以外の材質、例えばウレタンゴムを使用してもよい。 ○ 第1の硬質プラスチック層3や保護フィルム4とし
てPETフィルム以外の材質、例えばポリエチレンナフ
タレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネ
ートフィルムを使用してもよい。また、結晶性ポリエス
テルフィルムと他のフィルムとのラミネートフィルムを
使用してもよい。
【0042】○ 膨出部5はマトリックス状に配置され
るものに限らず、使用される電気製品のスイッチの配置
に対応して適宜変更してもよい。膨出部5の形状は円形
に限らず、楕円形、三角形、四角形等適宜の形状に変更
してもよい。また、膨出部5を全て同じ大きさに形成す
る必要はなく、デザインや目的に合わせて異なる大きさ
の膨出部が混在してもよい。
【0043】○ 積層成形体1を使用してメンブレンス
イッチを製造する場合、第1の硬質プラスチック層3の
裏面に電極を形成する構成のメンブレンスイッチに適用
してもよい。この場合も、表面の滑りを抑制し、スイッ
チの押し間違いを防止することができる。
【0044】前記実施の形態から把握できる請求項記載
以外の技術的思想(発明)について、以下にその効果と
ともに記載する。 (1) 請求項5に記載の発明において、シリコーンゴ
ムの架橋が電子線架橋で行われている。この場合、架橋
時に硬質プラスチック層及び保護フィルムが加熱され
ず、過熱によって変質する虞がなく、加熱を必要とする
他の架橋方法を使用した場合に比較して、耐久性が向上
する。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項
に記載の発明によれば、電気・電子部品に組み込まれる
シール材等として使用される積層成形体が、所定の凹凸
あるいは段差を有する形状に加工される際に、軟質層が
傷つくのを防止できる。
【0046】請求項2及び請求項4に記載の発明によれ
ば、硬質プラスチックのみで形成したクリック感を有す
るエンボスシートに比較して、表面の滑りを抑制し、ス
イッチの押し間違いを防止することができる。
【0047】請求項3及び請求項4に記載の発明によれ
ば、軟質中間層に細かい凹凸が転写されるため、軟質中
間層の表面がより滑り難くなる。請求項5に記載の発明
によれば、積層成形体を高温下で長期間保存又は第2の
硬質プラスチック層あるいは保護フィルムを剥離して高
温下で使用する際、変質し難く、比較的高温下での耐久
性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は一実施の形態の積層成形体の部分拡
大模式断面図、(b)は部分模式斜視図。
【図2】 積層成形体の製造途中の原反積層体の部分拡
大模式断面図。
【図3】 メンブレンスイッチの部分模式断面図。
【図4】 (a)は従来のメンブレンスイッチの部分断
面図、(b)はスイッチが押された状態の部分断面図。
【図5】 別の従来のメンブレンスイッチの部分断面
図。
【符号の説明】
1…積層成形体、2…軟質中間層、3…第1の硬質プラ
スチック層、4…第2の硬質プラスチック層としての保
護フィルム、5…膨出部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟質中間層の一方の面に第1の硬質プラ
    スチック層を強固に接着し、他方の面に第2の硬質プラ
    スチック層を剥離可能に積層してなる積層体を一体的に
    成形してなる積層成形体。
  2. 【請求項2】 前記積層成形体は、前記剥離可能な第2
    の硬質プラスチック層側に凸となるように、スイッチク
    リック用の膨出部が形成されている請求項1に記載の積
    層成形体。
  3. 【請求項3】 軟質中間層の一方の面に第1の硬質プラ
    スチック層を強固に接着し、他方の面に、マットコート
    した硬質プラスチック製の保護フィルムを、マットコー
    ト側を軟質中間層に向けて圧着することにより、剥離可
    能に積層してなる積層成形体。
  4. 【請求項4】 前記積層成形体は、前記保護フィルム側
    に凸となるように、スイッチクリック用の膨出部が形成
    されている請求項3に記載の積層成形体。
  5. 【請求項5】 前記軟質中間層は、架橋シリコーンゴム
    層で構成されている請求項1〜請求項4のいずれか一項
    に記載の積層成形体。
  6. 【請求項6】 シリコーンゴム層の一方の面に第1の硬
    質プラスチック層を強固に接着し、他方の面に第2の硬
    質プラスチック層を剥離可能に積層してなる積層体を一
    体的にプレス成形してなる積層成形体の製造方法。
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