JPH08294523A - マッサージ装置 - Google Patents

マッサージ装置

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JPH08294523A
JPH08294523A JP12576095A JP12576095A JPH08294523A JP H08294523 A JPH08294523 A JP H08294523A JP 12576095 A JP12576095 A JP 12576095A JP 12576095 A JP12576095 A JP 12576095A JP H08294523 A JPH08294523 A JP H08294523A
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JP
Japan
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drive mechanism
reciprocating drive
human body
treatment element
viscous
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JP12576095A
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English (en)
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Yutaka Yamauchi
豊 山内
Daizo Takaoka
大造 高岡
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 施療子4を往復駆動機構2に連繋してなるマ
ッサージ装置において、人体に対する押圧力の制御にフ
ィードフォワード制御を採用することによって、力セン
サを省略し、装置構成の簡易化、調整作業の簡略化を図
る。 【構成】 動力源としてDCモータ7を具えた往復駆動
機構2の駆動回路10は、実際のマッサージ動作に先立っ
て往復駆動機構2の動摩擦トルク及び粘性摩擦トルクを
導出し、実際のマッサージ動作に際しては、導出した両
摩擦トルクを目標トルクに加算して、DCモータ7に対
するトルク指令を作成する。そして、該トルク指令に基
づいて往復駆動機構2のフィードフォワード制御を行な
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、往復駆動機構に連繋し
た施療子によって人体にマッサージを施すマッサージ装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、椅子の背もたれにマッサージ
機構を組み込んで、椅子に座った人体の背中などにマッ
サージを施す装置が普及している。例えば図15に示す
マッサージ装置は、椅子のフレーム(1)に、往復駆動機
構(20)を介してアーム(3)を突設し、該アーム(3)の先
端部に施療子(4)を取り付けたものである。
【0003】往復駆動機構(20)は駆動源としてモータを
具え、例えば該モータを正逆に回転させることによって
アーム(3)を揺動させ、施療子(4)によって人体(5)に
マッサージを施すのである。
【0004】この様なマッサージ装置において、人体に
対する押圧力を適度な大きさに調整するべく、施療子
(4)に力センサを組み込んで、該力センサからの検出信
号に基づいて、駆動機構(20)をフィードバック制御する
方式が提案されている(例えば特開昭62-213755号〔A61H
7/00〕)。該方式によれば、ユーザの好みや症状などに
応じて、適切な大きさの押圧力によるマッサージを施す
ことが出来る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィー
ドバック制御方式のマッサージ装置においては、押圧力
を検出するための力センサが不可欠であり、これによっ
て装置が高価となるばかりでなく、力センサの出力を増
幅するための増幅器などが必要となって、回路構成が複
雑となる問題がある。然も、増幅器のゲインは、被施療
部の剛性等に応じて微妙に調整する必要があり、調整操
作が煩雑である。又、従来のマッサージ装置において
は、目標の押圧力が与えられた場合に、例えば押圧力を
目標値まで増加させる際の変化率については全く制御が
行なわれておらず、同じ押圧力を設定したとしても、患
者によってその効果がまちまちとなる問題があった。
【0006】本発明の目的は、人体に対する押圧力の制
御にフィードフォワード制御を採用することによって、
力センサを省略し、装置構成が簡易であると共に、煩雑
な調整作業が不要なマッサージ装置を提供することであ
る。又、本発明の他の目的は、例えば押圧力を増大させ
る際の力変化率など、マッサージ動作を規定するファク
ターを、個々の人体に対して最適設定することが可能な
マッサージ装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明に係るマッサージ装
置は、施療子に連繋する往復駆動機構のマッサージ動作
に伴う摩擦抵抗成分を導出する摩擦抵抗導出手段と、人
体に与えるべき押圧力に関する目標値に対し、前記導出
された摩擦抵抗成分を加味して、往復駆動機構が発揮す
べき動力を算出する演算手段と、前記算出された動力値
に基づいて往復駆動機構をフィードフォワード制御する
制御手段とを具えている。
【0008】具体的構成に於いて、摩擦抵抗導出手段
は、往復駆動機構の往復移動に伴う粘性摩擦係数を同定
する粘性摩擦係数同定手段と、同定された粘性摩擦係数
に基づいてマッサージ動作に伴う粘性摩擦抵抗を算出す
る粘性摩擦抵抗算出手段とを具え、算出された粘性摩擦
抵抗を摩擦抵抗成分の少なくとも一部とするものであ
る。ここで、粘性摩擦係数同定手段は具体的には、施療
子を人体に非接触のまま変位させて、その際に往復駆動
機構に与えた動力の増分と、これによって生じた施療子
の変位速度とに基づいて、粘性摩擦係数を算出するもの
である。
【0009】他の具体的構成に於いて、摩擦抵抗導出手
段は、前記粘性摩擦係数同定手段及び粘性摩擦抵抗算出
手段の他に、施療子を人体に押し付けた状態で変位させ
て、その際に往復駆動機構に与えた動力と、これによっ
て生じた施療子の変位量とに基づいて、人体の被施療部
のバネ定数を同定するバネ定数同定手段を具えている。
ここで、粘性摩擦抵抗算出手段は、同定された粘性摩擦
係数及びバネ定数と、押圧力に関する目標値の時間微分
値とに基づいて、粘性摩擦抵抗を算出する。
【0010】又、他の具体的構成に於いて、摩擦抵抗導
出手段は更に、施療子を人体に非接触のまま停止状態か
ら変位させる際、施療子が変位を開始する時点で往復駆
動機構に与えられた動力の大きさを検知し、該動力値を
動摩擦抵抗として同定する動摩擦抵抗同定手段と、同定
された動摩擦係数に基づいて、往復駆動機構の往復移動
に伴う動摩擦抵抗を算出する動摩擦抵抗算出手段とを具
えている。ここで、演算手段は、押圧力に関する目標値
に対し、前記算出された動摩擦抵抗及び粘性摩擦抵抗を
加算して、往復駆動機構が発揮すべき動力を算出する。
【0011】更に、具体的構成に於いて、施療子には、
施療子が人体に接触したことを検知するためのタッチセ
ンサが設けられ、該タッチセンサによって人体との接触
が検知された場合に限り、往復駆動機構のマッサージ動
作が開始される。
【0012】本発明に係る他のマッサージ装置に於い
て、往復駆動機構の駆動回路は、施療子を人体に押し付
けた状態で変位させて、その際に往復駆動機構に与えた
動力と、これによって生じた施療子の変位量とに基づい
て、人体の被施療部のバネ定数を同定するバネ定数同定
手段と、同定されたバネ定数に基づいて、往復駆動機構
の動作を制御する制御手段とを具えている。
【0013】
【作用】上記本発明のマッサージ装置に於いては、人体
に対するマッサージ動作に先だち、先ず摩擦抵抗導出手
段が機能して、往復駆動機構のマッサージ動作に伴う摩
擦抵抗成分が導出される。次に、演算手段によって、押
圧力に関する目標値に対し、前記導出された摩擦抵抗成
分が加算されて、往復駆動機構が発揮すべき動力が算出
される。その後、人体に対するマッサージ動作に移行し
て、算出された動力値に基づいて、往復駆動機構がフィ
ードフォワード制御される。ここで、往復駆動機構が発
揮する動力は、人体に与えるべき目標の押圧力に摩擦抵
抗成分を加味した大きさを有しているので、往復駆動機
構のマッサージ動作に伴って摩擦抵抗成分が損失となる
結果、人体には、目標の押圧力が与えられることにな
る。
【0014】粘性摩擦係数同定手段及び粘性摩擦抵抗算
出手段を具えた具体的構成に於いては、往復駆動機構に
装備されている減速機やダンパー等の粘性摩擦による損
失が算出され、目標の押圧力に加算される。ここで、往
復駆動機構の粘性摩擦係数は、施療子を無負荷で変位さ
せたときの往復駆動機構の動力の増分を、施療子の変位
速度で除算することによって同定することが出来る。そ
して、粘性摩擦抵抗は、施療子の変位速度に粘性摩擦係
数を乗算することによって算出される。
【0015】更にバネ定数同定手段を具えた具体的構成
に於いて、被施療部のバネ定数は、施療子を人体に押し
付けて変位させた際の往復駆動機構の動力を、施療子の
変位量で除算することによって同定することが出来る。
そして、施療子の変位速度に粘性摩擦係数を乗算するこ
とによって粘性摩擦抵抗を算出する際、施療子の変位速
度は、押圧力に関する目標値の時間微分値と、同定され
たバネ定数とに基づいて算出することが出来る。
【0016】更に動摩擦抵抗同定手段及び動摩擦抵抗算
出手段を具えた具体的構成に於いて、動摩擦抵抗は、往
復駆動機構の動力を徐々に増大させて、無負荷の施療子
を停止状態から変位させる際、施療子が変位を開始した
時点の動力の大きさとして検知することが出来る。そし
て、目標の押圧力に対応する動力に、動摩擦抵抗及び粘
性摩擦抵抗を加算することによって、往復駆動機構の動
摩擦損失及び粘性摩擦損失を加味した必要動力が算出さ
れることになる。
【0017】更に施療子にタッチセンサを設けた具体的
構成に於いては、上述の各種摩擦抵抗の算出が終了し、
必要動力が算出された後、実際のマッサージ動作に移行
する際、タッチセンサによって人体との接触が検知され
たかどうかが判断され、YESの場合に限り、往復駆動
機構がマッサージ動作を開始する。従って、施療子が人
体に触れていない状態で、誤ってマッサージスタートボ
タンが操作されたとしても、施療子が動作を開始するこ
とが無く、安全である。
【0018】又、バネ定数同定手段及び制御手段を具え
た本発明の他のマッサージ装置においては、人によって
異なるバネ定数を個々に同定することによって、例えば
押圧力を目標値まで変化させる際の変化率などを、同定
したバネ定数に基づいて最適設定することが出来る。こ
の結果、個々の人体に最適なマッサージ動作を実現する
ことが出来る。
【0019】
【発明の効果】本発明に係るマッサージ装置によれば、
人体に対する押圧力の制御にフィードフォワード制御を
採用しているので、力センサの装備は不要である。この
結果、装置構成が簡易となると共に、従来の煩雑なゲイ
ン調整が不要となり、良好な操作性が実現される。又、
マッサージ動作を規定する種々のファクターを個々の人
体に対して最適に制御することが可能であり、これによ
って高いマッサージ効果が得られる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき、図面に沿っ
て詳述する。図1は、本発明のマッサージ装置の構成を
示しており、例えば椅子の背もたれのフレーム等に突設
された支持部材(6)には、DCモータ(7)を動力源とす
る往復駆動機構(2)が配備されており、DCモータ(7)
の出力軸は、減速機構(図示省略)を介してアーム(3)の
基端部に連結されている。該アーム(3)の先端部には、
施療子(4)が取り付けられている。従って、DCモータ
(7)を正逆に回転させることによって、施療子(4)が往
復移動することになる。
【0021】往復駆動機構(2)には、アーム(3)の回転
角度を検出するためのポテンショメータ(8)が取り付け
られている。又、施療子(4)には、施療子(4)が人体に
接触したことを検出するためのタッチセンサ(9)が取り
付けられている。尚、往復駆動機構(2)は、基本的には
DCモータ(7)によって施療子(4)を往復駆動する構成
であるが、図1の構成に限らず、種々の動力伝達機構
(例えばリンク機構、軸受、ダンパ等)を介在させたもの
など、施療の目的や実現すべきマッサージ動作に応じ
て、他の周知の構成を採ることが出来るのは言うまでも
ない。
【0022】ポテンショメータ(8)及びタッチセンサ
(9)の出力信号は駆動回路(10)へ供給され、該駆動回路
(10)によってDCモータ(7)が駆動される。駆動回路(1
0)は、後述の動作を実行するマイクロコンピュータ(11)
を具え、ポテンショメータ(8)の出力信号はA/D変換
器(13)を経てデジタル信号に変換された後、マイクロコ
ンピュータ(11)へ入力される。又、タッチセンサ(9)の
出力信号はインターフェース(12)を経てマイクロコンピ
ュータ(11)へ入力される。
【0023】これに応じて、マイクロコンピュータ(11)
はDCモータ(7)へトルク指令を発し、該トルク指令は
D/A変換器(14)を経てアナログ信号に変換された後、
モータアンプ(7)へ入力され、DCモータ(7)へ供給す
べき駆動電流が作成される。DCモータ(7)は駆動電流
の供給を受けて、該駆動電流に比例した回転トルクを発
生する。
【0024】マイクロコンピュータ(11)には、施療子
(4)によって人体に与えるべき目標押圧力に応じた目標
のトルク関数、例えば所定の振幅を有するサインカーブ
が予め登録されており、後述するフィードフォワード制
御の手続によって、目標押圧力を実現するための電流指
令が作成される。
【0025】ここで、本発明のフィードフォワード制御
の原理について説明する。往復駆動機構(2)によって施
療子(4)を往復駆動する際、往復駆動機構(2)に作用す
る抵抗成分として、リンク部材等が互いに接触すること
によって発生する動摩擦による抵抗成分(動摩擦トルク)
と、軸受やダンパなどが動作する際に流体の粘性によっ
て発生する粘性摩擦による抵抗成分(粘性摩擦トルク)と
があり、これらの抵抗成分を加味したトルク指令を与え
ることによって、目標押圧力が達成される。尚、本実施
例では、DCモータ(7)及び減速機構の慣性項の他、ア
ームや施療子に関する重力項及び慣性項は、摩擦トルク
に比べて微小であると仮定して、これらを無視する。
【0026】即ち、トルク指令をTrin、動摩擦トルク
をTrdf、アームの回転角度を図7の如くθ(t)、その時
間微分値をθ′(t)、施療子の回転半径をL、施療子が
発揮する押圧力をF(t)、粘性摩擦係数をKvとすると、
トルク指令値Trinは目標トルクと抵抗成分の合計とし
て、下記数1で表わすことが出来る。
【0027】
【数1】Trin=F(t)・L+Trdf・sgn〔θ′(t)〕+
Kv・θ′(t) 但し、
【0028】上記数1の右辺第1項が目標トルク、第2
項が動摩擦トルク、第3項が粘性摩擦トルクであって、
夫々回転方向を含むベクトルとして表わされている。こ
こで、右辺第2項で表わされる動摩擦トルクは、リンク
の回転方向に応じて1(正方向)、0(停止)、或いは−1
(負方向)となる変数sgn〔θ′(t)〕を乗算すること
によってベクトル化されている。
【0029】施療子が人体に接触してマッサージを施す
場合の力学系は、人体の被施療部を弾性体と考えて、図
7の如くモデル化することが出来る。ここで、弾性体の
バネ定数をKsとすると、アームの回転角度θ(t)は下記
数2によって表わすことが出来る。
【0030】
【数2】θ(t)=F(t)・L/Ks
【0031】従って、上記数1は下記数3に変形され
る。
【数3】Trin=F(t)・L+Trdf・sgn〔F′(t)〕+
Kv・F′(t)・L/Ks 但し、F′(t)は目標トルクF(t)の時間微分値である。
【0032】従って、目標トルクF(t)が与えられると
共に、動摩擦トルクTrdf、動粘性係数Kv及びバネ定数
Ksが判明すれば、上記数3からトルク指令Trinを算出
することが出来る。本発明では、実際のマッサージ動作
に先立ち、動摩擦トルクTrdf、動粘性係数Kv及びバネ
定数Ksを後述のステップにより同定した後、トルク指
令Trinを算出し、実際のマッサージ動作に移行する。
【0033】図2は、マイクロコンピュータ(11)が実行
するフィードフォワード制御の手続を表わしている。先
ずステップS1にて往復駆動機構(2)のアーム(3)を、
人体と非接触の初期位置に移動した後、ステップS2に
て動摩擦トルクの同定を行ない、更にステップS3にて
粘性摩擦係数の同定を行なう。これらの同定手順につい
ては後述する。
【0034】続いて、ステップS4にて施療子(4)を人
体の被施療部へ接近させ、ステップS5では、タッチセ
ンサ(9)からの出力信号に基づいて、施療子(4)が被施
療部に接触したかどうかを判断する。NOの場合は施療
子(4)の移動を続行し、YESとなったとき、ステップ
S6へ移行して、被施療部のバネ定数の同定を行なう。
この同定手順については後述する。
【0035】そして、同定された動摩擦トルクTrdf、
動粘性係数Kv及びバネ定数Ksに基づいて上記数3から
トルク指令Trinを算出した後、ステップS7に移行し
て、該トルク指令に基づく実際のマッサージ動作を実行
する。尚、ステップS7へ移行する際、タッチセンサが
ONとなっているかどうかを判断し、ONの場合に限っ
てマッサージ動作を開始することとすれば、不意にマッ
サージ動作が開始されることがなく、安全である。
【0036】動摩擦トルクの同定においては、図6に示
す如くアームを初期角度θoに設定した後、図8(a)に
示す様にトルク指令を零から徐々に増大させる。そし
て、同図(b)の如くアームが回転を開始した時点におけ
るトルク指令を取り込み、これを動摩擦トルクTrdfと
見なすのである(同図(a)参照)。
【0037】図3は動摩擦トルク同定の具体的手順を表
わしている。先ずステップS21にてトルク指令Trin
を0に設定して、ステップS22では、トルク指令をモ
ータへ向けて出力する。これによって、先ずアームを前
記初期角度位置で停止させるのである。その後、ステッ
プS23にて、前記ポテンショメータの出力信号に基づ
いてアームの回転角度の現在値θnowを検知し、初期角
度からの変化(θnow−θo)が微小角度δθ(例えば0.5
度)よりも大きいかどうかを判断し、NOの場合は、ア
ームは未だ停止状態であると判断して、トルク指令値T
rinを所定の増分δTrだけ増大させ、ステップS22へ
戻る。ステップS23にてYESと判断されたときは、
アームが回転を開始したものとして、ステップS25へ
移行し、そのときのトルク指令値Trinを動摩擦トルク
Trdfに設定する。
【0038】又、粘性摩擦係数の同定においては、前述
のトルク増大によってアームが回転を開始した時点で、
図8(a)の如くトルク指令を所定の値Troまで一気に増
大させ、その後は該所定値を維持する。これによって、
アームは同図(c)の如くある一定の角速度ωoまで加速
し、その後は該一定の角速度で回転を続行する。これに
よって、アームは図6の如く、第1の回転角度θ1を経
て第2の回転角度θ2へ達する。ここで、第1及び第2
の回転角度において、施療子は依然として人体に接触し
ていないこととする。
【0039】図8(b)の如くアームが第1及び第2の回
転角度となる時点を夫々t1、t2とすると、このときの
アームの角速度ωoは、下記数4によって表わすことが
出来る。
【数4】ωo=(θ2−θ1)/(t2−t1)
【0040】ところで、モータを無負荷で運転したとき
のトルク指令と角速度の関係は図9に示す如く切片を動
摩擦トルクTrdfとする直線で表わすことが出来、該直
線の傾きが粘性摩擦係数となる。従って、粘性摩擦係数
Kvは下記数5によって表わすことが出来る。
【数5】Kv=(Tro−Trdf)/ωo
【0041】図4は粘性摩擦係数同定の具体的手順を表
わしている。先ずステップS31にて、トルク指令Tri
nを所定トルクTroに設定し、ステップS32にて該ト
ルク指令をモータへ向けて出力する。その後、マイクロ
コンピュータ(11)が内蔵するタイマー(図示省略)によっ
て、アームが前記第1及び第2の回転角度となる時点を
計測する。
【0042】次に、ステップS34にてトルク指令Tri
nを0に設定し、ステップS35にて該トルク指令をモ
ータへ出力することによって、アームの回転を停止させ
る。その後、ステップS36にて、前記数4を用いて角
速度ωoを算出し、更にステップS37では、前記数5
を用いて粘性摩擦係数Kvを算出する。
【0043】被施療部のバネ定数の同定に於いては、施
療子(4)が被施療部に接触した後、トルク指令を徐々に
増大して、アームを所定トルクTr1で回転させ、施療子
(4)を被施療部に押し付ける。この際、アームの回転速
度を低く設定すれば、粘性摩擦抵抗は無視することが出
来る。従って、アームの出力トルクを所定値Tr1に設定
するには、この所定値に動摩擦トルクTrdfを加算した
トルク指令をモータに与える必要がある。
【0044】これによって、アームが第3の回転角度θ
3から第4の回転角度θ4まで回転したとすると、被施療
部のバネ定数Ksは下記数6によって表わすことが出来
る。
【数6】Ks=Tr1/(θ4−θ3)
【0045】図5は、被施療部のバネ定数同定の具体的
手順を表わしている。先ずステップS61にて、回転角
度の現在値θnowを取り込んで、これを第3の回転角度
θ3に設定した後、ステップS62にてトルク指令Trin
を0に設定し、ステップS63にて該トルク指令をモー
タへ出力して、アームを停止させる。
【0046】次にステップS64にて、トルク指令Tri
nが前記所定の出力トルクTr1と動摩擦トルクTrdfの合
計値に等しいかどうかを判断し、NOの場合は、ステッ
プS65にてトルク指令を所定の増分δTrだけ増大さ
せ、ステップS63へ戻る。ステップS64にてYES
と判断されたときは、ステップS66へ移行して、その
ときの回転角度の現在値θnowを取り込んで、これを第
4の回転角度θ4に設定する。その後、ステップS67
にて、上記数6を用いて被施療部のバネ定数Ksを算出
するのである。
【0047】図10乃至図12は、上述のマッサージ機
によるフィードフォワード制御の結果を表わしている。
上記数3の右辺第1項の目標トルクF(t)は、図10に
実線で表わす様に振幅が10Kgfcmのサインカーブであ
って、同第2項及び第3項の摩擦トルクの合計は、上述
の摩擦項の同定及び演算処理の結果、図10に破線で表
わされる曲線となった。
【0048】図10に実線で表わされる目標トルクと、
破線で表わされる摩擦トルクの合計、即ちモータに対す
るトルク指令は図11に示す曲線となる。そして、該ト
ルク指令をモータに与えることによって、図12に実線
で示す押圧力が被施療部に与えられることになる。尚、
被施療部に与えられる押圧力は、実験のために施療子に
取り付けた力センサによって測定した。図12に示す破
線は、図10に実線で示した目標トルクによる押圧力で
あって、実線で示す実際の押圧力との比較から、きわめ
て高い制御精度が得られていることが判る。尚、本実施
例では、アームや施療子等に関する重力項及び慣性項は
微小であると仮定したが、これによっても高い制御精度
が得られたことから、この仮定の妥当性が証明される。
【0049】一方、図13は、従来のフィードバック制
御を採用したマッサージ装置における目標押圧力(破線)
と、実際に被施療部に与えられた押圧力(実線)との比較
を示している。制御精度は高いが、実際の押圧力には、
サインカーブ上に細かい変動が現われている。これに対
して、本発明のマッサージ装置では、図12の如く滑ら
かな押圧力の変化となっており、人体に対して不快感を
与えることがない。
【0050】又、図14は、上述のフィードフォワード
制御において、トルク指令に対して摩擦トルクによる補
償(上記数3の右辺第2項及び第3項)を行なわず、目標
トルク(上記数3の右辺第1項)のみによってトルク指令
を作成した場合に、実際に被施療部に与えられる押圧力
を実線で表わしたものである。目標押圧力(破線)から大
きくずれており、摩擦トルクによる補償が不可欠である
ことが判る。
【0051】上述の如く本発明に係るマッサージ装置に
よれば、摩擦トルクによる補償を施したフィードフォワ
ード制御の採用によって、高い制御精度を実現すると共
に、従来のフィードバック制御方式では不可欠な圧力セ
ンサを省略したので、装置構成が従来よりも簡略化され
る。又、ゲイン調整などの煩雑な操作は一切不要であ
り、単に電源を投入するだけの簡易な操作によって、適
度な押圧力によるマッサージを施すことが出来る。
【0052】又、施療を受ける患者毎に被施療部のバネ
定数が同定されるので、患者の状態に応じた適切な押圧
力が設定されることになる。更に、マッサージ動作を開
始する度に摩擦トルクの同定を行なうので、そのときの
室温や装置の調整状態に拘わらず、高い精度で摩擦トル
クを算出することが出来、この結果、常に目標の押圧力
によるマッサージを施すことが出来る。
【0053】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。例えば、摩擦トルクを算出した後、これを
目標トルクに加算してトルク指令を作成する時点は、マ
ッサージ動作に移行する直前に限らず、マッサージ動作
と並行して行なうことも可能である。
【0054】又、上記数3に表わされる動摩擦トルク及
び動粘性係数を同定で求める例に限らず、これらの値は
予め所定値に設定し、バネ定数のみを同定によって求め
る実施例も採用可能である。更に、バネ定数の同定は、
上記数3で表わされるフィードフォワード制御のみなら
ず、例えば押圧力を目標値まで増大させる際の力変化率
の最適設定など、他の制御目的に応用することも可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマッサージ装置の基本的な構成を
示す図である。
【図2】フォードフォワード制御の手順を表わすフロー
チャートである。
【図3】動摩擦トルクの同定手順を表わすフローチャー
トである
【図4】粘性摩擦係数の同定手順を表わすフローチャー
トである。
【図5】被施療部のバネ定数の同定手順を表わすフロー
チャートである。
【図6】アームの回転角度を表わす図である。
【図7】被施療部を含む力学系を表わす図である。
【図8】動摩擦トルク及び粘性摩擦係数を同定する際の
トルク指令、アーム回転角度及び角速度の変化を表わす
グラフである。
【図9】アームの角速度とトルク指令の関係を表わすグ
ラフである。
【図10】本発明のフィードフォワード制御方式のマッ
サージ装置による目標トルクと摩擦トルクの変化を表わ
すグラフである。
【図11】本発明のマッサージ装置によるトルク指令の
変化を表わすグラフである。
【図12】本発明のマッサージ装置によって被施療部に
与えられる押圧力の変化を表わすグラフである。
【図13】従来のフィードバック制御方式のマッサージ
装置によって与えられる押圧力の変化を表わすグラフで
ある。
【図14】フォードフォワード制御において、摩擦トル
クによる補償を省略した場合の押圧力の変化を表わすグ
ラフである。
【図15】従来のマッサージ装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
(2) 往復駆動機構 (3) アーム (4) 施療子 (6) 支持部材 (7) DCモータ (8) ポテンショメータ (9) タッチセンサ (10) 駆動回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体の一部を押圧すべき施療子を往復駆
    動機構に連繋してなるマッサージ装置に於いて、往復駆
    動機構の駆動回路は、 往復駆動機構のマッサージ動作に伴う摩擦抵抗成分を導
    出する摩擦抵抗導出手段と、 人体に与えるべき押圧力に関する目標値に対し、前記導
    出された摩擦抵抗成分を加味して、往復駆動機構が発揮
    すべき動力を算出する演算手段と、 前記算出された動力値に基づいて、往復駆動機構をフィ
    ードフォワード制御する制御手段とを具えていることを
    特徴とするマッサージ装置。
  2. 【請求項2】 摩擦抵抗導出手段は、往復駆動機構につ
    いての粘性摩擦係数を同定する粘性摩擦係数同定手段
    と、同定された粘性摩擦係数に基づいてマッサージ動作
    に伴う粘性摩擦抵抗を算出する粘性摩擦抵抗算出手段と
    を具え、算出された粘性摩擦抵抗を摩擦抵抗成分の少な
    くとも一部とする請求項1に記載のマッサージ装置。
  3. 【請求項3】 粘性摩擦係数同定手段は、施療子を人体
    に非接触のまま変位させて、その際に往復駆動機構に与
    えた動力の増分と、これによって生じた施療子の変位速
    度とに基づいて、粘性摩擦係数を算出する請求項2に記
    載のマッサージ装置。
  4. 【請求項4】 摩擦抵抗導出手段は、更に、施療子を人
    体に押し付けた状態で変位させて、その際に往復駆動機
    構に与えた動力と、これによって生じた施療子の変位量
    とに基づいて、人体の被施療部のバネ定数を同定するバ
    ネ定数同定手段を具え、粘性摩擦抵抗算出手段は、同定
    された粘性摩擦係数及びバネ定数と、押圧力に関する目
    標値の時間微分値とに基づいて、粘性摩擦抵抗を算出す
    る請求項2又は請求項3に記載のマッサージ装置。
  5. 【請求項5】 摩擦抵抗導出手段は、更に、 施療子を人体に非接触のまま停止状態から変位させる
    際、施療子が変位を開始する時点で往復駆動機構に与え
    られた動力の大きさを検知し、該動力値を動摩擦抵抗と
    して同定する動摩擦抵抗同定手段と、 同定された動摩擦係数に基づいて、往復駆動機構の往復
    移動に伴う動摩擦抵抗を算出する動摩擦抵抗算出手段と
    を具え、演算手段は、押圧力に関する目標値に対し、前
    記算出された動摩擦抵抗及び粘性摩擦抵抗を加算して、
    往復駆動機構が発揮すべき動力を算出する請求項2乃至
    請求項4の何れかに記載のマッサージ装置。
  6. 【請求項6】 人体の一部を押圧すべき施療子を往復駆
    動機構に連繋してなるマッサージ装置に於いて、往復駆
    動機構の駆動回路は、 施療子を人体に押し付けた状態で変位させて、その際に
    往復駆動機構に与えた動力と、これによって生じた施療
    子の変位量とに基づいて、人体の被施療部のバネ定数を
    同定するバネ定数同定手段と、 同定されたバネ定数に基づいて、往復駆動機構の動作を
    制御する制御手段とを具えていることを特徴とするマッ
    サージ装置。
  7. 【請求項7】 施療子には、施療子が人体に接触したこ
    とを検知するためのタッチセンサが設けられ、該タッチ
    センサによって人体との接触が検知された場合に限り、
    往復駆動機構のマッサージ動作が開始される請求項1乃
    至請求項6の何れかに記載のマッサージ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007094952A (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Brother Ind Ltd 駆動制御装置
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JP2009005775A (ja) * 2007-06-26 2009-01-15 Panasonic Electric Works Co Ltd マッサージ機

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