JPH08293277A - 電界放出型電子銃の立ち上げ方法 - Google Patents
電界放出型電子銃の立ち上げ方法Info
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- JPH08293277A JPH08293277A JP7098412A JP9841295A JPH08293277A JP H08293277 A JPH08293277 A JP H08293277A JP 7098412 A JP7098412 A JP 7098412A JP 9841295 A JP9841295 A JP 9841295A JP H08293277 A JPH08293277 A JP H08293277A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 自動立ち上げを行い、放電等の異常状態の発
生の防止と、該異常状態が発生した場合のエミッタの破
壊等を防止する。 【構成】 自動立ち上げ用データテーブル12からのデ
ータと電界放出型電子銃の自動立ち上げの為のプログラ
ムに従う予測される各エミッション電流値に基づいて引
き出し電圧値を順次各ステップ毎に算出し、該算出され
た引き出し電圧を各ステップ毎に印加する。該各ステッ
プにおいて、実測されたエミッション電流値が各ステッ
プのエミッション電流の臨界値に到達した時、その時の
ステップの引き出し電圧を実測されたエミッション電流
値に基づいて求め、その時に印加されていた引き出し電
圧を該求めた引き出し電圧に引き下げる。
生の防止と、該異常状態が発生した場合のエミッタの破
壊等を防止する。 【構成】 自動立ち上げ用データテーブル12からのデ
ータと電界放出型電子銃の自動立ち上げの為のプログラ
ムに従う予測される各エミッション電流値に基づいて引
き出し電圧値を順次各ステップ毎に算出し、該算出され
た引き出し電圧を各ステップ毎に印加する。該各ステッ
プにおいて、実測されたエミッション電流値が各ステッ
プのエミッション電流の臨界値に到達した時、その時の
ステップの引き出し電圧を実測されたエミッション電流
値に基づいて求め、その時に印加されていた引き出し電
圧を該求めた引き出し電圧に引き下げる。
Description
【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、電界放出型電子銃の
自動立ち上げ方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 例えば、酸化ジルコニウムで表面をコ
ートしたタングステン製エミッタ(ZrO/Wエミッ
タ)は、高輝度のサーマル電界放出電子源として用いら
れている。特にこれをショットキー電界放出領域や該シ
ョットキー領域近辺の領域で用いる事により、放出され
る電子のエネルギーの広がりを小さくする事が出来、走
査型電子顕微鏡やオージェマイクロプローブ等の電子放
出源として用いた時に電子ビームをより小さく絞る事が
可能となる。 【0003】図6は、前記ZrO/Wエミッタを用いた
電界放出型電子銃の典型的な構成例を示したものであ
る。図中1はZrO/Wエミッタ、2は該エミッタから
電子を引き出す為の引き出し電極、3は該引き出された
電子を加速する為の陽極、4は前記エミッタの先端に電
界を集中させる為のサプレッサ電極で、前記エミッタ1
及び前記何れの電極も真空容器5内に配置される。6は
真空ポンプで、前記真空容器5内を適宜な圧力に排気す
るものである。図中7,8,9,10は夫々フィラメン
ト加熱電源,サプレッサ電圧電源,引き出し電圧電源,
加速電圧電源である。 【0004】この様な電界放出型電子銃は、その使用雰
囲気の圧力が大きいと、大きな電位勾配による放電が起
き易くなったり、エミッション電流の低下やエミッタ寿
命の低下の原因になったりするので、超高真空(例、1
0-7Pa以下)雰囲気中で使用する。一方、使用状態に
おいては、エミッタは1700°Cから1800°Cに
加熱され、2500V程度の引出し電圧が印加され、−
300V程度のサプレッサ電圧が印加される。又、エミ
ッタ1の先端と引き出し電極3の距離は0.3mm程度
で、この距離において印加された引出し電圧に基づく高
電位勾配の為にエミッタから電子の電界放出が行われ
る。尚、定常状態におけるエミッション電流は10μA
から100μA程度である。 【0005】さて、この様な電界放出型電子銃を立ち上
げる場合、先ず、圧力の確認(例、10-7Pa以下)を
行った後、(1)エミッタの加熱、(2)サプレッサ電
圧の印加、(3)引き出し電圧の設定の手順で全てオペ
レータが手動にて行う。 【0006】先ず、真空容器5内を真空ポンプ6によ
り、例えば、10-7Pa以下の超高真空状態にし、真空
計(図示せず)により真空容器5内の圧力を確認する。
この状態において、フィラメント加熱電源7からエミッ
タ1を支持しているフィラメント11に電流を適宜流す
事により、前記エミッタ1を加熱する。例えば、ZrO
/Wエミッタの場合は1700°Cから1800°Cに
なるように加熱する。この際、前記フィラメント11や
エミッタ1からのガス放出により、真空容器5内の圧力
の上昇が起きた場合には、オペレータは一旦フィラメン
ト電流を適宜下げていた。次に、サプレッサ電圧電源8
からサプレッサ電極4に−300V程度の電圧を与え
る。次に、引き出し電圧電源9から引き出し電極2に引
き出し電圧を与える。該引き出し電圧の印加により、前
記エミッタ1から電子の放出が始まり、前記引き出し電
極2や陽極3への電子の衝撃により、該各電極からガス
が放出されるが、該ガス放出の程度によっては急激に真
空容器5内の圧力が大きくなってしまうことがある。そ
の為、引き出し電圧の設定は適宜徐々に段階を追って行
なう。即ち、引き出し電極2や陽極3のガス放出を適宜
徐々に行いながら引き出し電圧を上げていく。尚、前記
の引き出し電圧の上昇の過程において、急激な圧力の上
昇があった場合には放電が発生し、該放電によりエミッ
タ1が破壊される恐れがあるので、その場合にはオペレ
ータは電子銃の立ち上げ操作を中止していた。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 この様な電子銃立ち
上げにおいては次の様な問題が発生する。 【0008】引き出し電圧を印加する場合、前記の様
に徐々に上げる様にはしているが、該上げ方はオペレー
タが最初の段階でエミッションの出方を見て適宜設定し
ているので、該設定の仕方によっては数分後、エミッシ
ョンが急激に増加する場合があり、その場合には、電子
衝撃による引き出し電極からのガス放出が盛んになり、
その為に真空容器5内の圧力が急上昇し放電が発生す
る。この様な引き出し電圧の設定の仕方に基づく放電の
発生は少なくなく、その為、その度にオペレータは電子
銃の立ち上げ操作を中止せざるを得なかった。 【0009】この電子銃の立ち上げには時間が掛かる
が、その間、常時オペレータがついている必要があり、
オペレータにとって極めて厄介な操作となる。 【0010】この電子銃の立ち上げは、オペレータの
勘と技術に頼っているので、ミスを発生する恐れがあ
り、その為に、何時も安全な立ち上げを行う事が期待出
来ない。 【0011】本発明は、この様な問題に解決する為に成
されたもので、新規な電界放出型電子銃の立ち上げ方法
を提供することを目的とするものである。 【0012】 【課題を解決するための手段】 この様な目的を達成す
る為に本発明の電界放出型電子銃の立ち上げ方法は、時
間経過に伴って所定のスケジュールに従うエミッション
電流値に基づいて電界放出型電子銃のエミッタと引き出
し電極の間に印加する引き出し電圧値を順次各ステップ
毎に算出し、該算出された引き出し電圧を各ステップ毎
に印加する際、該各ステップにおいて、実測されたエミ
ッション電流値が前記スケジュールに従うエミッション
電流の臨界値に到達した時、その時のステップの引き出
し電圧を実測されたエミッション電流値に基づいて求
め、その時に印加されていた引き出し電圧を該求めた引
き出し電圧に引き下げる様にした。 【0013】又、本発明の電界放出型電子銃の立ち上げ
方法は、更に、電界放出型電子銃内の真空度をモニター
し、該電界放出型電子銃の立ち上げに伴って前記真空度
が第1の閾値値に到達したら該真空度が第1の閾値に回
復するまで立ち上げ動作を待機させ、該真空度が第2の
閾値に到達したら電子銃の立ち上げ動作を中止させる様
にした。 【0014】 【作用】 自動立ち上げ用データテーブルからのデータ
と電界放出型電子銃の自動立ち上げの為のプログラムに
従う予測される各エミッション電流値に基づいて引き出
し電圧値を順次各ステップ毎に算出し、該算出された引
き出し電圧を各ステップ毎に印加する。該各ステップに
おいて、実測されたエミッション電流値が各ステップの
エミッション電流の臨界値に到達した時、その時のステ
ップの引き出し電圧を実測されたエミッション電流値に
基づいて求め、その時に印加されていた引き出し電圧を
該求めた引き出し電圧に引き下げる様にすることによ
り、放電等の異常状態の発生を未然に防止する。 【0015】又、電子銃内の真空度を常にモニターし、
電子銃の立ち上げに伴って前記真空度が第1の閾値値に
到達したら該真空度が第1の閾値に回復するまで立ち上
げ動作を待機させ、該真空度が第2の閾値に到達したら
電子銃の立ち上げ動作を中止させる様にすることによ
り、放電等の異常現象への移行を防止したり、放電等の
異常現象からエミッタの破壊等を防止する。 【0016】 【実施例】 先ず、本発明の実施例を説明する前に、電
界放出型電子銃におけるエミッタに印加される引き出し
電圧と該エミッタから放出される電子の電流の関係を説
明する。 【0017】電界放出型電子銃から放出される電子の電
流Iは、引き出し電圧Vexの低い領域(例えば,25
00V以下)ではショットキーの式、即ち、 Js=C2 Texp{[−W+(e3 F)1/2 ]/kT} (1) (但し、Js:角電流密度,C:定数,T:エミッタの
温度,W:エミッタの仕事関数,e:素電荷,F:電場
の大きさ,K:ボルツマン定数)に従う。ここで、エミ
ッタ下方に例えば、ファラデーカップを置いて電子ビー
ム電流のモニタを行うと、ファラデーカップに検出され
る電子に基づくビーム電流(以後、ファラデーカップ電
流と称す)Ifcは, Ifc=Js×Ω (2) (但し、Ω:エミッタから臨むファラデーカップの立体
角)と表され、ファラデーカップ電流Ifcは角電流密
度Jsに比例する。又、電場の大きさFは引き出し電圧
Vexに比例するので、前記(1)式は次式の様に書き
直す事ができる。 【0018】 Vex=P{log(I)+Q}2 (3) ここで、定数Pはエミッタの温度とエミッタの形状で決
まり、定数Qは圧力や温度決まる定数である。この
(3)式から、定数P,Qが決まると、引き出し電圧値
は電子ビーム電流値により設定出来る事が分かる。 【0019】さて、図1は本発明の一実施例を示したも
ので、電界放出型電子銃の概略図である。図中前記図6
で使用した符号と同一符号を付したものは同一構成要素
である。前記図6で示した電界放出型電子銃と異なる点
は、電界放出型電子銃の自動立ち上げの為のプログラム
と自動立ち上げ用データテーブル12からのデータとが
ロードされる中央制御装置13、該中央制御装置の指令
により作動し、引き出し電極2に印加すべき引き出し電
圧を演算する引き出し電圧演算回路14、同様に該中央
制御装置の指令に基づき電子銃の立ち上げ動作の一時停
止と中止を行う為の第1安全装置15、同様に該中央制
御装置の指令に基づき電子銃の立ち上げ動作の中止を行
うための第2安全装置16、真空容器5内の圧力を測定
する真空計17の電源(真空計電源)18、光軸上の位
置と光軸外の位置との間を移動出来る様に成されてお
り、電界放出された電子を収集するファラデーカップ1
9、該ファラデーカップに繋がった電流計20を備えて
いる事である。尚、前記ファラデーカップ19で検出さ
れた電子に基づく電流はエミッション電流に対応する。
前記真空計電源18は前記第1安全装置15に、前記電
流計20は前記第2安全装置16に夫々繋がれている。
前記自動立ち上げ用プログラムはエミッタ1の加熱,サ
プレッサ電圧の印加,引き出し電圧の印加の順で自動的
に電界放出型電子銃を立ち上げ動作させると共に、前記
自動立ち上げ用データテーブル12からのデータに基づ
いて該各プロセスにおけるエミッタ加熱電流の与え方、
サプレッサ電圧の与え方、引き出し電圧の与え方、該各
プロセスの動作中において、真空容器内の圧力が第1閾
値を越えている場合や越えた場合には電子銃の立ち上げ
において次のステップに行くのを一時停止させ、真空容
器内の圧力が第1閾値以下になったら次のステップに行
くようにさせたり、真空容器内の圧力が第2閾値を越え
た場合やエミッション電流が所定の閾値を越えた場合に
は電子銃の立ち上げ動作を中止させる命令を持つプログ
ラムである。又、前記自動立ち上げ用データテーブル1
2には次のデータが蓄積されている。 【0020】P1:第1圧力閾値(自動立ち上げ一時停止
用の値)で、放電等の異常事態に発展する可能性の高い
値 P2:第2圧力閾値(自動立ち上げ中断用の値(P1 <P
2 ))で、放電等の異常事態が発生し、エミッタが使用
出来ない異常圧力値 Iemax:エミッション電流の閾値(自動立ち上げ中
断用の値)で、放電等の異常事態が発生する値 If[N]:エミッタ加熱電流のテーブル(N=1,
2,3,…….N) Te:エミッタ加熱電流の増加の各ステップ時間 Temax:エミッタ加熱にかけられる最大時間で、エ
ミッタと引き出し電極間に電界を発生させない状態でこ
の時間より長い時間エミッタを加熱すると、エミッタの
電子放出部が大きな球状に変形し、使用出来なくなる限
界時間である。 Vsup:サプレッサ電圧 Ifc[N]:予想されるファラデーカップ電流値のテ
ーブル(N=1,2,3,……,N) Ifcmax[N]:各引き出し電圧印加ステップでの
ファラデーカップ電流の臨界値のテーブルで、各ステッ
プにおいてこれ以上の電流が流れると、放電に至るよう
な圧力になっているか、エミッタが引き出し電極に所定
の距離より近づき、実質的な引き出し電圧が高くなって
いる等の異常事態に至る危険性のある電流値である。 【0021】P:前記式(3)のP Q:前記式(3)のQ Vex:計算によって得られる引き出し電圧 Vexmax:引き出し電圧の目標値 尚、PとQはZrO/Wエミッタを装着したときの典型
的な値が設定されている。 【0022】前記の如く構成された電界放出型電子銃の
自動立ち上げ動作は、自動立ち上げの為のプログラムと
自動立ち上げ用データテーブル12からデータ中央制御
装置13にロードされることにより始まる。大まかに
は、図2のフローに示す様に、初期状態から、エミッタ
の加熱、サプレッサ電圧の印加、引き出し電圧の印加の
順に行われる。又、各プロセスにおいて、真空容器5内
の圧力は真空計17により常に測定されており、該測定
された圧力は真空計電源18と第1安全装置15を通じ
て中央制御装置13で常にチェックされ、該圧力が第2
閾値P2 (例えば、1×10-5)を越え場合には、前記
第1安全装置15は前記中央制御装置13からの指令に
従って、放電等などの異常事態発生からエミッタ1の破
壊等を防止する安全対策の為に、初期状態、即ち、引き
出し電圧を0V、エミッタ加熱電流を0A、サプレッサ
電圧を0Vに設定し、自動立ち上げを中止する。又、引
き出し電圧印加後には電子の放出が始まるが、ファラデ
ーカップ19に繋がった電流計20によりエミッション
電流に対応したファラデーカップ電流が測定されてお
り、該測定されたファラデーカップ電流は第2安全装置
16を通じて前記中央制御装置13でチェックされ、該
電流圧力が所定の閾値Iemaxを越え場合には、前記
と同様に放電等等の異常事態発生からエミッタ1の破壊
等を防止する安全対策の為に、前記第2安全装置16は
前記中央制御装置13からの指令に従って初期状態、即
ち、引き出し電圧を0V、エミッタ加熱電流を0A、サ
プレッサ電圧を0Vに設定し、自動立ち上げを中断す
る。更に、前記測定された圧力が第1閾値P1 を越えて
いる場合若しくは越えた場合には、前記第1安全装置1
5は前記中央制御装置13からの指令に従って、放電等
等の異常事態発生に発展させない安全対策の為に、次の
ステップに行くのを停止させる、即ち、その引き出し電
圧値、エミッタ加熱電流値、サプレッサ電圧値を適宜時
間(圧力が第1閾値P
1以下になるまでの時間)維持させる。 【0023】先ず、制御装置12の指令に従って、真空
容器5内を真空ポンプ6により、例えば、10 -7
Pa以下の超高真空にしておく。そして、電界放出型電
子銃の自動立ち上げの初期状態、即ち、引き出し電圧V
ex=0V、エミッタ加熱電流If=0A、サプレッサ
電圧Vsup=0Vの状態からスタートする。 【0024】第1ステップのエミッタ1の加熱は以下の
様に行われる(図3参照)。 【0025】先ず、真空計電源18を介しての真空計1
7からの真空容器5内の圧力のチェックを第1安全装置
15を通じて制御装置13は行い、該圧力が第1閾値P
1 (例えば、10-7Pa)よりも大きければエミッタ1
の加熱プロセスに入らない。P1 以下であれば制御装置
13は加速電圧電源10を介してフィラメント加熱電源
7に指令を送り、フィラメント11に加熱電流を流すこ
とにより、該フィラメントを通じてエミッタ1の加熱を
行う。該エミッタの加熱は自動立ち上げ用データテーブ
ル12で指定されたエミッタ加熱電流If[N](N=
1,2,……N)を時間Te(例えば1分)毎にステッ
プ状に与えていく。例えば、If[1],If[2],
If[3],………として夫々1.0A,1.1A,
1.2A,……といった具合に最終的なエミッタ加熱電
流If[N]まで増加させる。この際、前記フィラメン
ト11や該フィラメントの周囲の材料が加熱されること
によりガスが放出されるが、この様なエミッタの加熱プ
ロセスの間、真空容器5内の圧力が第1閾値P1 を越え
たら次のステップへの進行を中断し、再び圧力が第1閾
値P1 以下になるのを待ち、圧力が第1閾値P1 以下に
なったら時間Te待ち、次のステップへ進む(例えば、
図3に示す様に、エミッタ加熱電流がIf[2]の
時)。又、真空容器5内の圧力が第2閾値P2 を越えた
らエミッタ加熱電流を0に戻し、自動立ち上げを中止す
る(例えば、図3に示す様に、エミッタ加熱電流がIf
[4]の時)。尚、このエミッタ加熱電流If[N]は
エミッタ毎に異なり、予めテスト治具などでエミッタが
1800°Kになるように測定された値が格納されてい
る。尚、電子銃自体の焼きだしが充分でない時はガスが
多く出るためエミッタの加熱に非常に時間がかかってし
まう場合がある。その為にエミッタの加熱にかけられる
最大時間Temax(例えば、20分)を越えたらエミ
ッタ加熱電流を0Aに戻し、自動立ち上げのプロセスを
中止させる。 【0026】次にサプレッサ電圧Vsup(例えば、−
300V)の印加は、エミッタの加熱終了後直ちに行わ
れる。このプロセスは中央制御装置13が、サプレッサ
電極4にサプレッサ電圧が印加される様に加速電圧源1
0を介してサプレッサ電圧電源8に指令を送る事により
行われる。 【0027】続いて、引き出し電圧の印加は次の様に行
われる(図4参照)。 【0028】中央制御装置13の指令により、引き出し
電圧演算回路14は自動立ち上げ用データテーブル12
で指定された予想されるファラデーカップ電流Ifc
[N](N=1,2,……N)(図4の破線)に基づい
て前記(3)式より順次引き出し電圧を演算し、前記中
央制御装置13を介してその算出した引き出し電圧が引
き出し電極2に印加される様に、加速電圧源10を介し
て引き出し電圧電源9に指令を送る。又、前記各引き出
し電圧の印加ステップにおいて、前記中央制御装置13
は、ファラデーカップ電流の臨界値テーブルIfcma
x[N](N=1,2,……N)(図4の実線)の各ス
テップの臨界値と実際に測定されたフラデーカップ電流
(図4の一点破線)を比較し、実測値が臨界値を越えた
場合には、前記引き出し電圧演算回路14にそのステッ
プにおいて新たな引き出し電圧を再演算させる指令を送
る。先ず、例えば、前記引き出し電圧演算回路14は、
予想されるファラデーカップ電流Ifc[1](例え
ば、5μA/str(strは立体角))に成る様に前
記(3)式より引き出し電圧Vex1 を計算し、その算
出した引き出し電圧が引き出し電極2に印加される様
に、前記中央制御装置13を通じ、加速電圧源10を介
して引き出し電圧電源9に指令を送る。この引き出し電
圧の印加後、適当な時間Tex(例えば10分)待つ。
その間に徐々にエミッション電流が増えてくるが、前記
のように、予想されるファラデーカップ電流Ifc
[1]に対する引き出し電圧が計算されて引き出し電極
2に印加されているので、該引き出し電圧Vex1 が印
加されているステップにおいては、実際に発生するエミ
ッション電流は前記予想されるファラデーカップ電流I
fc[1]前後の値であることが殆どで、電子衝撃によ
るガス放出は少ない。この際、少なくとも、該引き出し
電圧Vex1 が印加されるステップにおいて与えられて
いるファラデーカップ電流の臨界値Ifcmax[1]
を越える事は通常状態ではない。該時間Tex経ったら
次のステップの予想されるファラデーカップ電流Ifc
[2]に成る様に前記引き出し電圧演算回路14は、引
き出し電圧Vex2 を計算し、該算出した引き出し電圧
を引き出し電極2に印加する。更に、時間Tex経った
ら次のステップの予想されるファラデーカップ電流If
c[3]に成る様に引き出し電圧Vex3 を計算し、該
算出した引き出し電圧を引き出し電極2に印加する。 【0029】さて、前記エミッタ1自身のばらつきや真
空容器5内の圧力の関係により、ファラデーカップ電流
の実測値が予想に比べて大きく、臨界値を越えてしまう
場合がある(図4に示す様に、予想されるファラデーカ
ップ電流Ifc[3]を与える引き出し電圧値Vex3
の時)。その場合には次の(4)式に従って新たに前記
(3)式のQを計算し直す。 【0030】 Q=(Vex/P)−log(Ifc´) (4) (Ifc´:ファラデーカップ電流の実測値) この(4)式で計算されるQを用いて新たに前記(3)
式より予想されるファラデーカップ電流がIfc[3]
になる様に、引き出し電圧Vex3 ´を計算し、それを
引き出し電極に印加する事で所望のファラデーカップ電
流が得られるようになる。この引き出し電圧Vex3 ´
を印加して時間Tex経ったら次のステップの予想され
るファラデーカップ電流Ifc[4]に成る様に前記と
同様に引き出し電圧演算回路14により引き出し電圧V
ex4 を計算し、該算出した引き出し電圧を引き出し電
極2に印加する。 【0031】この様なプロセスを繰り返しながら、引き
出し電圧がVexmaxになるまで増加させて行き、自
動立ち上げを終了する。この時点から実際に電界放出型
電子銃が安定するまで更に数時間を要するが、この時点
での電界放出型電子銃はほぼ使用可能な状態となってい
る。尚、前記引き出し電圧値の印加プロセスにおいて、
図5に示す様に、真空容器5内の圧力が第1閾値P1 を
越えた場合には、該圧力が該閾値以下になるまでそのス
テップでの引き出し電圧を維持し、閾値以下担って前記
一定時間Tex経ったら、次のステップの引き出し電圧
を計算して、印加する。又、真空容器5内の圧力が第2
閾値P2 を越えた場合には、即く引き出し電圧,サプレ
ッサ電圧及びフィラメント加熱電流を全てを0に戻し、
自動立ち上げを中止する尚、前記実施例ではファラデー
カップ19が陽極3の下側に配置したが、例えば、陽極
の上側でも良い。又、前記実施例ではエミッタ1からの
エミッション電流としてファラデーカップ19で検出さ
れる電子に基づく電流をモニタしたが、その代わりに、
例えば、フィラメント11に流れる電流をモニタしても
良い。更に、ショットキー領域の近傍の領域でも、前記
(3)式を若干変更する事で本発明の自動立ち上げが実
施出来る。 【0032】 【発明の効果】 本発明は電界放出型電子銃を自動的に
立ち上げるようにし、更に、放電等の異常事態に対する
安全対策を採用し、且つ、各引き出し電圧印加のステッ
プにおいてエミッション電流の臨界値信号を与える様に
成し、測定されたエミッション電流が前記臨界値に到達
した時に、放電の発生を未然に防げ、例え放電が発生し
ても、エミッタ等の破壊を未然に防ぐ事が出来る。又、
電子銃の立ち上げのスタート時点以外はオペレータは該
立ち上げ操作に従事している必要がなく、立ち上げ操作
が極めて簡単に成るばかりではなく、何時も安全な立ち
上げを行う事が可能となる。
自動立ち上げ方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 例えば、酸化ジルコニウムで表面をコ
ートしたタングステン製エミッタ(ZrO/Wエミッ
タ)は、高輝度のサーマル電界放出電子源として用いら
れている。特にこれをショットキー電界放出領域や該シ
ョットキー領域近辺の領域で用いる事により、放出され
る電子のエネルギーの広がりを小さくする事が出来、走
査型電子顕微鏡やオージェマイクロプローブ等の電子放
出源として用いた時に電子ビームをより小さく絞る事が
可能となる。 【0003】図6は、前記ZrO/Wエミッタを用いた
電界放出型電子銃の典型的な構成例を示したものであ
る。図中1はZrO/Wエミッタ、2は該エミッタから
電子を引き出す為の引き出し電極、3は該引き出された
電子を加速する為の陽極、4は前記エミッタの先端に電
界を集中させる為のサプレッサ電極で、前記エミッタ1
及び前記何れの電極も真空容器5内に配置される。6は
真空ポンプで、前記真空容器5内を適宜な圧力に排気す
るものである。図中7,8,9,10は夫々フィラメン
ト加熱電源,サプレッサ電圧電源,引き出し電圧電源,
加速電圧電源である。 【0004】この様な電界放出型電子銃は、その使用雰
囲気の圧力が大きいと、大きな電位勾配による放電が起
き易くなったり、エミッション電流の低下やエミッタ寿
命の低下の原因になったりするので、超高真空(例、1
0-7Pa以下)雰囲気中で使用する。一方、使用状態に
おいては、エミッタは1700°Cから1800°Cに
加熱され、2500V程度の引出し電圧が印加され、−
300V程度のサプレッサ電圧が印加される。又、エミ
ッタ1の先端と引き出し電極3の距離は0.3mm程度
で、この距離において印加された引出し電圧に基づく高
電位勾配の為にエミッタから電子の電界放出が行われ
る。尚、定常状態におけるエミッション電流は10μA
から100μA程度である。 【0005】さて、この様な電界放出型電子銃を立ち上
げる場合、先ず、圧力の確認(例、10-7Pa以下)を
行った後、(1)エミッタの加熱、(2)サプレッサ電
圧の印加、(3)引き出し電圧の設定の手順で全てオペ
レータが手動にて行う。 【0006】先ず、真空容器5内を真空ポンプ6によ
り、例えば、10-7Pa以下の超高真空状態にし、真空
計(図示せず)により真空容器5内の圧力を確認する。
この状態において、フィラメント加熱電源7からエミッ
タ1を支持しているフィラメント11に電流を適宜流す
事により、前記エミッタ1を加熱する。例えば、ZrO
/Wエミッタの場合は1700°Cから1800°Cに
なるように加熱する。この際、前記フィラメント11や
エミッタ1からのガス放出により、真空容器5内の圧力
の上昇が起きた場合には、オペレータは一旦フィラメン
ト電流を適宜下げていた。次に、サプレッサ電圧電源8
からサプレッサ電極4に−300V程度の電圧を与え
る。次に、引き出し電圧電源9から引き出し電極2に引
き出し電圧を与える。該引き出し電圧の印加により、前
記エミッタ1から電子の放出が始まり、前記引き出し電
極2や陽極3への電子の衝撃により、該各電極からガス
が放出されるが、該ガス放出の程度によっては急激に真
空容器5内の圧力が大きくなってしまうことがある。そ
の為、引き出し電圧の設定は適宜徐々に段階を追って行
なう。即ち、引き出し電極2や陽極3のガス放出を適宜
徐々に行いながら引き出し電圧を上げていく。尚、前記
の引き出し電圧の上昇の過程において、急激な圧力の上
昇があった場合には放電が発生し、該放電によりエミッ
タ1が破壊される恐れがあるので、その場合にはオペレ
ータは電子銃の立ち上げ操作を中止していた。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 この様な電子銃立ち
上げにおいては次の様な問題が発生する。 【0008】引き出し電圧を印加する場合、前記の様
に徐々に上げる様にはしているが、該上げ方はオペレー
タが最初の段階でエミッションの出方を見て適宜設定し
ているので、該設定の仕方によっては数分後、エミッシ
ョンが急激に増加する場合があり、その場合には、電子
衝撃による引き出し電極からのガス放出が盛んになり、
その為に真空容器5内の圧力が急上昇し放電が発生す
る。この様な引き出し電圧の設定の仕方に基づく放電の
発生は少なくなく、その為、その度にオペレータは電子
銃の立ち上げ操作を中止せざるを得なかった。 【0009】この電子銃の立ち上げには時間が掛かる
が、その間、常時オペレータがついている必要があり、
オペレータにとって極めて厄介な操作となる。 【0010】この電子銃の立ち上げは、オペレータの
勘と技術に頼っているので、ミスを発生する恐れがあ
り、その為に、何時も安全な立ち上げを行う事が期待出
来ない。 【0011】本発明は、この様な問題に解決する為に成
されたもので、新規な電界放出型電子銃の立ち上げ方法
を提供することを目的とするものである。 【0012】 【課題を解決するための手段】 この様な目的を達成す
る為に本発明の電界放出型電子銃の立ち上げ方法は、時
間経過に伴って所定のスケジュールに従うエミッション
電流値に基づいて電界放出型電子銃のエミッタと引き出
し電極の間に印加する引き出し電圧値を順次各ステップ
毎に算出し、該算出された引き出し電圧を各ステップ毎
に印加する際、該各ステップにおいて、実測されたエミ
ッション電流値が前記スケジュールに従うエミッション
電流の臨界値に到達した時、その時のステップの引き出
し電圧を実測されたエミッション電流値に基づいて求
め、その時に印加されていた引き出し電圧を該求めた引
き出し電圧に引き下げる様にした。 【0013】又、本発明の電界放出型電子銃の立ち上げ
方法は、更に、電界放出型電子銃内の真空度をモニター
し、該電界放出型電子銃の立ち上げに伴って前記真空度
が第1の閾値値に到達したら該真空度が第1の閾値に回
復するまで立ち上げ動作を待機させ、該真空度が第2の
閾値に到達したら電子銃の立ち上げ動作を中止させる様
にした。 【0014】 【作用】 自動立ち上げ用データテーブルからのデータ
と電界放出型電子銃の自動立ち上げの為のプログラムに
従う予測される各エミッション電流値に基づいて引き出
し電圧値を順次各ステップ毎に算出し、該算出された引
き出し電圧を各ステップ毎に印加する。該各ステップに
おいて、実測されたエミッション電流値が各ステップの
エミッション電流の臨界値に到達した時、その時のステ
ップの引き出し電圧を実測されたエミッション電流値に
基づいて求め、その時に印加されていた引き出し電圧を
該求めた引き出し電圧に引き下げる様にすることによ
り、放電等の異常状態の発生を未然に防止する。 【0015】又、電子銃内の真空度を常にモニターし、
電子銃の立ち上げに伴って前記真空度が第1の閾値値に
到達したら該真空度が第1の閾値に回復するまで立ち上
げ動作を待機させ、該真空度が第2の閾値に到達したら
電子銃の立ち上げ動作を中止させる様にすることによ
り、放電等の異常現象への移行を防止したり、放電等の
異常現象からエミッタの破壊等を防止する。 【0016】 【実施例】 先ず、本発明の実施例を説明する前に、電
界放出型電子銃におけるエミッタに印加される引き出し
電圧と該エミッタから放出される電子の電流の関係を説
明する。 【0017】電界放出型電子銃から放出される電子の電
流Iは、引き出し電圧Vexの低い領域(例えば,25
00V以下)ではショットキーの式、即ち、 Js=C2 Texp{[−W+(e3 F)1/2 ]/kT} (1) (但し、Js:角電流密度,C:定数,T:エミッタの
温度,W:エミッタの仕事関数,e:素電荷,F:電場
の大きさ,K:ボルツマン定数)に従う。ここで、エミ
ッタ下方に例えば、ファラデーカップを置いて電子ビー
ム電流のモニタを行うと、ファラデーカップに検出され
る電子に基づくビーム電流(以後、ファラデーカップ電
流と称す)Ifcは, Ifc=Js×Ω (2) (但し、Ω:エミッタから臨むファラデーカップの立体
角)と表され、ファラデーカップ電流Ifcは角電流密
度Jsに比例する。又、電場の大きさFは引き出し電圧
Vexに比例するので、前記(1)式は次式の様に書き
直す事ができる。 【0018】 Vex=P{log(I)+Q}2 (3) ここで、定数Pはエミッタの温度とエミッタの形状で決
まり、定数Qは圧力や温度決まる定数である。この
(3)式から、定数P,Qが決まると、引き出し電圧値
は電子ビーム電流値により設定出来る事が分かる。 【0019】さて、図1は本発明の一実施例を示したも
ので、電界放出型電子銃の概略図である。図中前記図6
で使用した符号と同一符号を付したものは同一構成要素
である。前記図6で示した電界放出型電子銃と異なる点
は、電界放出型電子銃の自動立ち上げの為のプログラム
と自動立ち上げ用データテーブル12からのデータとが
ロードされる中央制御装置13、該中央制御装置の指令
により作動し、引き出し電極2に印加すべき引き出し電
圧を演算する引き出し電圧演算回路14、同様に該中央
制御装置の指令に基づき電子銃の立ち上げ動作の一時停
止と中止を行う為の第1安全装置15、同様に該中央制
御装置の指令に基づき電子銃の立ち上げ動作の中止を行
うための第2安全装置16、真空容器5内の圧力を測定
する真空計17の電源(真空計電源)18、光軸上の位
置と光軸外の位置との間を移動出来る様に成されてお
り、電界放出された電子を収集するファラデーカップ1
9、該ファラデーカップに繋がった電流計20を備えて
いる事である。尚、前記ファラデーカップ19で検出さ
れた電子に基づく電流はエミッション電流に対応する。
前記真空計電源18は前記第1安全装置15に、前記電
流計20は前記第2安全装置16に夫々繋がれている。
前記自動立ち上げ用プログラムはエミッタ1の加熱,サ
プレッサ電圧の印加,引き出し電圧の印加の順で自動的
に電界放出型電子銃を立ち上げ動作させると共に、前記
自動立ち上げ用データテーブル12からのデータに基づ
いて該各プロセスにおけるエミッタ加熱電流の与え方、
サプレッサ電圧の与え方、引き出し電圧の与え方、該各
プロセスの動作中において、真空容器内の圧力が第1閾
値を越えている場合や越えた場合には電子銃の立ち上げ
において次のステップに行くのを一時停止させ、真空容
器内の圧力が第1閾値以下になったら次のステップに行
くようにさせたり、真空容器内の圧力が第2閾値を越え
た場合やエミッション電流が所定の閾値を越えた場合に
は電子銃の立ち上げ動作を中止させる命令を持つプログ
ラムである。又、前記自動立ち上げ用データテーブル1
2には次のデータが蓄積されている。 【0020】P1:第1圧力閾値(自動立ち上げ一時停止
用の値)で、放電等の異常事態に発展する可能性の高い
値 P2:第2圧力閾値(自動立ち上げ中断用の値(P1 <P
2 ))で、放電等の異常事態が発生し、エミッタが使用
出来ない異常圧力値 Iemax:エミッション電流の閾値(自動立ち上げ中
断用の値)で、放電等の異常事態が発生する値 If[N]:エミッタ加熱電流のテーブル(N=1,
2,3,…….N) Te:エミッタ加熱電流の増加の各ステップ時間 Temax:エミッタ加熱にかけられる最大時間で、エ
ミッタと引き出し電極間に電界を発生させない状態でこ
の時間より長い時間エミッタを加熱すると、エミッタの
電子放出部が大きな球状に変形し、使用出来なくなる限
界時間である。 Vsup:サプレッサ電圧 Ifc[N]:予想されるファラデーカップ電流値のテ
ーブル(N=1,2,3,……,N) Ifcmax[N]:各引き出し電圧印加ステップでの
ファラデーカップ電流の臨界値のテーブルで、各ステッ
プにおいてこれ以上の電流が流れると、放電に至るよう
な圧力になっているか、エミッタが引き出し電極に所定
の距離より近づき、実質的な引き出し電圧が高くなって
いる等の異常事態に至る危険性のある電流値である。 【0021】P:前記式(3)のP Q:前記式(3)のQ Vex:計算によって得られる引き出し電圧 Vexmax:引き出し電圧の目標値 尚、PとQはZrO/Wエミッタを装着したときの典型
的な値が設定されている。 【0022】前記の如く構成された電界放出型電子銃の
自動立ち上げ動作は、自動立ち上げの為のプログラムと
自動立ち上げ用データテーブル12からデータ中央制御
装置13にロードされることにより始まる。大まかに
は、図2のフローに示す様に、初期状態から、エミッタ
の加熱、サプレッサ電圧の印加、引き出し電圧の印加の
順に行われる。又、各プロセスにおいて、真空容器5内
の圧力は真空計17により常に測定されており、該測定
された圧力は真空計電源18と第1安全装置15を通じ
て中央制御装置13で常にチェックされ、該圧力が第2
閾値P2 (例えば、1×10-5)を越え場合には、前記
第1安全装置15は前記中央制御装置13からの指令に
従って、放電等などの異常事態発生からエミッタ1の破
壊等を防止する安全対策の為に、初期状態、即ち、引き
出し電圧を0V、エミッタ加熱電流を0A、サプレッサ
電圧を0Vに設定し、自動立ち上げを中止する。又、引
き出し電圧印加後には電子の放出が始まるが、ファラデ
ーカップ19に繋がった電流計20によりエミッション
電流に対応したファラデーカップ電流が測定されてお
り、該測定されたファラデーカップ電流は第2安全装置
16を通じて前記中央制御装置13でチェックされ、該
電流圧力が所定の閾値Iemaxを越え場合には、前記
と同様に放電等等の異常事態発生からエミッタ1の破壊
等を防止する安全対策の為に、前記第2安全装置16は
前記中央制御装置13からの指令に従って初期状態、即
ち、引き出し電圧を0V、エミッタ加熱電流を0A、サ
プレッサ電圧を0Vに設定し、自動立ち上げを中断す
る。更に、前記測定された圧力が第1閾値P1 を越えて
いる場合若しくは越えた場合には、前記第1安全装置1
5は前記中央制御装置13からの指令に従って、放電等
等の異常事態発生に発展させない安全対策の為に、次の
ステップに行くのを停止させる、即ち、その引き出し電
圧値、エミッタ加熱電流値、サプレッサ電圧値を適宜時
間(圧力が第1閾値P
1以下になるまでの時間)維持させる。 【0023】先ず、制御装置12の指令に従って、真空
容器5内を真空ポンプ6により、例えば、10 -7
Pa以下の超高真空にしておく。そして、電界放出型電
子銃の自動立ち上げの初期状態、即ち、引き出し電圧V
ex=0V、エミッタ加熱電流If=0A、サプレッサ
電圧Vsup=0Vの状態からスタートする。 【0024】第1ステップのエミッタ1の加熱は以下の
様に行われる(図3参照)。 【0025】先ず、真空計電源18を介しての真空計1
7からの真空容器5内の圧力のチェックを第1安全装置
15を通じて制御装置13は行い、該圧力が第1閾値P
1 (例えば、10-7Pa)よりも大きければエミッタ1
の加熱プロセスに入らない。P1 以下であれば制御装置
13は加速電圧電源10を介してフィラメント加熱電源
7に指令を送り、フィラメント11に加熱電流を流すこ
とにより、該フィラメントを通じてエミッタ1の加熱を
行う。該エミッタの加熱は自動立ち上げ用データテーブ
ル12で指定されたエミッタ加熱電流If[N](N=
1,2,……N)を時間Te(例えば1分)毎にステッ
プ状に与えていく。例えば、If[1],If[2],
If[3],………として夫々1.0A,1.1A,
1.2A,……といった具合に最終的なエミッタ加熱電
流If[N]まで増加させる。この際、前記フィラメン
ト11や該フィラメントの周囲の材料が加熱されること
によりガスが放出されるが、この様なエミッタの加熱プ
ロセスの間、真空容器5内の圧力が第1閾値P1 を越え
たら次のステップへの進行を中断し、再び圧力が第1閾
値P1 以下になるのを待ち、圧力が第1閾値P1 以下に
なったら時間Te待ち、次のステップへ進む(例えば、
図3に示す様に、エミッタ加熱電流がIf[2]の
時)。又、真空容器5内の圧力が第2閾値P2 を越えた
らエミッタ加熱電流を0に戻し、自動立ち上げを中止す
る(例えば、図3に示す様に、エミッタ加熱電流がIf
[4]の時)。尚、このエミッタ加熱電流If[N]は
エミッタ毎に異なり、予めテスト治具などでエミッタが
1800°Kになるように測定された値が格納されてい
る。尚、電子銃自体の焼きだしが充分でない時はガスが
多く出るためエミッタの加熱に非常に時間がかかってし
まう場合がある。その為にエミッタの加熱にかけられる
最大時間Temax(例えば、20分)を越えたらエミ
ッタ加熱電流を0Aに戻し、自動立ち上げのプロセスを
中止させる。 【0026】次にサプレッサ電圧Vsup(例えば、−
300V)の印加は、エミッタの加熱終了後直ちに行わ
れる。このプロセスは中央制御装置13が、サプレッサ
電極4にサプレッサ電圧が印加される様に加速電圧源1
0を介してサプレッサ電圧電源8に指令を送る事により
行われる。 【0027】続いて、引き出し電圧の印加は次の様に行
われる(図4参照)。 【0028】中央制御装置13の指令により、引き出し
電圧演算回路14は自動立ち上げ用データテーブル12
で指定された予想されるファラデーカップ電流Ifc
[N](N=1,2,……N)(図4の破線)に基づい
て前記(3)式より順次引き出し電圧を演算し、前記中
央制御装置13を介してその算出した引き出し電圧が引
き出し電極2に印加される様に、加速電圧源10を介し
て引き出し電圧電源9に指令を送る。又、前記各引き出
し電圧の印加ステップにおいて、前記中央制御装置13
は、ファラデーカップ電流の臨界値テーブルIfcma
x[N](N=1,2,……N)(図4の実線)の各ス
テップの臨界値と実際に測定されたフラデーカップ電流
(図4の一点破線)を比較し、実測値が臨界値を越えた
場合には、前記引き出し電圧演算回路14にそのステッ
プにおいて新たな引き出し電圧を再演算させる指令を送
る。先ず、例えば、前記引き出し電圧演算回路14は、
予想されるファラデーカップ電流Ifc[1](例え
ば、5μA/str(strは立体角))に成る様に前
記(3)式より引き出し電圧Vex1 を計算し、その算
出した引き出し電圧が引き出し電極2に印加される様
に、前記中央制御装置13を通じ、加速電圧源10を介
して引き出し電圧電源9に指令を送る。この引き出し電
圧の印加後、適当な時間Tex(例えば10分)待つ。
その間に徐々にエミッション電流が増えてくるが、前記
のように、予想されるファラデーカップ電流Ifc
[1]に対する引き出し電圧が計算されて引き出し電極
2に印加されているので、該引き出し電圧Vex1 が印
加されているステップにおいては、実際に発生するエミ
ッション電流は前記予想されるファラデーカップ電流I
fc[1]前後の値であることが殆どで、電子衝撃によ
るガス放出は少ない。この際、少なくとも、該引き出し
電圧Vex1 が印加されるステップにおいて与えられて
いるファラデーカップ電流の臨界値Ifcmax[1]
を越える事は通常状態ではない。該時間Tex経ったら
次のステップの予想されるファラデーカップ電流Ifc
[2]に成る様に前記引き出し電圧演算回路14は、引
き出し電圧Vex2 を計算し、該算出した引き出し電圧
を引き出し電極2に印加する。更に、時間Tex経った
ら次のステップの予想されるファラデーカップ電流If
c[3]に成る様に引き出し電圧Vex3 を計算し、該
算出した引き出し電圧を引き出し電極2に印加する。 【0029】さて、前記エミッタ1自身のばらつきや真
空容器5内の圧力の関係により、ファラデーカップ電流
の実測値が予想に比べて大きく、臨界値を越えてしまう
場合がある(図4に示す様に、予想されるファラデーカ
ップ電流Ifc[3]を与える引き出し電圧値Vex3
の時)。その場合には次の(4)式に従って新たに前記
(3)式のQを計算し直す。 【0030】 Q=(Vex/P)−log(Ifc´) (4) (Ifc´:ファラデーカップ電流の実測値) この(4)式で計算されるQを用いて新たに前記(3)
式より予想されるファラデーカップ電流がIfc[3]
になる様に、引き出し電圧Vex3 ´を計算し、それを
引き出し電極に印加する事で所望のファラデーカップ電
流が得られるようになる。この引き出し電圧Vex3 ´
を印加して時間Tex経ったら次のステップの予想され
るファラデーカップ電流Ifc[4]に成る様に前記と
同様に引き出し電圧演算回路14により引き出し電圧V
ex4 を計算し、該算出した引き出し電圧を引き出し電
極2に印加する。 【0031】この様なプロセスを繰り返しながら、引き
出し電圧がVexmaxになるまで増加させて行き、自
動立ち上げを終了する。この時点から実際に電界放出型
電子銃が安定するまで更に数時間を要するが、この時点
での電界放出型電子銃はほぼ使用可能な状態となってい
る。尚、前記引き出し電圧値の印加プロセスにおいて、
図5に示す様に、真空容器5内の圧力が第1閾値P1 を
越えた場合には、該圧力が該閾値以下になるまでそのス
テップでの引き出し電圧を維持し、閾値以下担って前記
一定時間Tex経ったら、次のステップの引き出し電圧
を計算して、印加する。又、真空容器5内の圧力が第2
閾値P2 を越えた場合には、即く引き出し電圧,サプレ
ッサ電圧及びフィラメント加熱電流を全てを0に戻し、
自動立ち上げを中止する尚、前記実施例ではファラデー
カップ19が陽極3の下側に配置したが、例えば、陽極
の上側でも良い。又、前記実施例ではエミッタ1からの
エミッション電流としてファラデーカップ19で検出さ
れる電子に基づく電流をモニタしたが、その代わりに、
例えば、フィラメント11に流れる電流をモニタしても
良い。更に、ショットキー領域の近傍の領域でも、前記
(3)式を若干変更する事で本発明の自動立ち上げが実
施出来る。 【0032】 【発明の効果】 本発明は電界放出型電子銃を自動的に
立ち上げるようにし、更に、放電等の異常事態に対する
安全対策を採用し、且つ、各引き出し電圧印加のステッ
プにおいてエミッション電流の臨界値信号を与える様に
成し、測定されたエミッション電流が前記臨界値に到達
した時に、放電の発生を未然に防げ、例え放電が発生し
ても、エミッタ等の破壊を未然に防ぐ事が出来る。又、
電子銃の立ち上げのスタート時点以外はオペレータは該
立ち上げ操作に従事している必要がなく、立ち上げ操作
が極めて簡単に成るばかりではなく、何時も安全な立ち
上げを行う事が可能となる。
【図1】 本発明の一実施例を示したもので、電界放出
型電子銃の概略図である。
型電子銃の概略図である。
【図2】 本発明の動作の説明を補足するためのフロー
である。
である。
【図3】 本発明の動作の説明を補足するための時間に
対する圧力,エミッタ加熱電流の関係を示す。
対する圧力,エミッタ加熱電流の関係を示す。
【図4】 本発明の動作の説明を補足するための時間に
対する予想されるエミッショク電流に対応した電流,引
き出し電圧の関係を示した図である
対する予想されるエミッショク電流に対応した電流,引
き出し電圧の関係を示した図である
【図5】 本発明の動作の説明を補足するための時間に
対する圧力,引き出し電圧の関係を示した図である
対する圧力,引き出し電圧の関係を示した図である
【図6】 従来の電界放出型電子銃の概略を示す。
1 エミッタ 2 引き出し電極 3 陽極 4 サプレッサ電極 5 真空容器 6 真空ポンプ 7 フィラメント加熱電源 8 サプレッサ電圧電源 9 引き出し電圧電源 10 加速電圧電源 11 フィラメント 12 自動立ち上げ用データテーブル 13 中央制御装置 14 引き出し電圧演算回路 15 第1安全装置 16 第2安全装置 17 真空計 18 真空計電源 19 ファラデーカップ 20 電流計
Claims (2)
- 【請求項1】 時間経過に伴って所定のスケジュールに
従うエミッション電流値に基づいて電界放出型電子銃の
エミッタと引き出し電極の間に印加する引き出し電圧値
を順次各ステップ毎に算出し、該算出された引き出し電
圧を各ステップ毎に印加する際、該各ステップにおい
て、実測されたエミッション電流値が前記スケジュール
に従うエミッション電流の臨界値に到達した時、その時
のステップの引き出し電圧を実測されたエミッション電
流値に基づいて求め、その時に印加されていた引き出し
電圧を該求めた引き出し電圧に引き下げる様にした電界
放出型電子銃の立ち上げ方法。 - 【請求項2】 電界放出型電子銃内の真空度をモニター
し、該電子銃の立ち上げに伴って前記真空度が第1の閾
値値に到達したら該真空度が第1の閾値に回復するまで
立ち上げ動作を待機させ、該真空度が第2の閾値に到達
したら電子銃の立ち上げ動作を中止させる様にした請求
項1記載の電界放出型電子銃の立ち上げ方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09841295A JP3276804B2 (ja) | 1995-04-24 | 1995-04-24 | 電界放出型電子銃の立ち上げ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09841295A JP3276804B2 (ja) | 1995-04-24 | 1995-04-24 | 電界放出型電子銃の立ち上げ方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08293277A true JPH08293277A (ja) | 1996-11-05 |
JP3276804B2 JP3276804B2 (ja) | 2002-04-22 |
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ID=14219119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP09841295A Expired - Fee Related JP3276804B2 (ja) | 1995-04-24 | 1995-04-24 | 電界放出型電子銃の立ち上げ方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3276804B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007311149A (ja) * | 2006-05-18 | 2007-11-29 | Jeol Ltd | 電子ビーム発生装置 |
JP2012038858A (ja) * | 2010-08-05 | 2012-02-23 | Nuflare Technology Inc | 電子銃のコンディショニング方法および電子ビーム描画装置 |
-
1995
- 1995-04-24 JP JP09841295A patent/JP3276804B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007311149A (ja) * | 2006-05-18 | 2007-11-29 | Jeol Ltd | 電子ビーム発生装置 |
JP2012038858A (ja) * | 2010-08-05 | 2012-02-23 | Nuflare Technology Inc | 電子銃のコンディショニング方法および電子ビーム描画装置 |
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Publication number | Publication date |
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JP3276804B2 (ja) | 2002-04-22 |
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