JPH0829303A - 金属試料取出装置 - Google Patents

金属試料取出装置

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JPH0829303A
JPH0829303A JP6168278A JP16827894A JPH0829303A JP H0829303 A JPH0829303 A JP H0829303A JP 6168278 A JP6168278 A JP 6168278A JP 16827894 A JP16827894 A JP 16827894A JP H0829303 A JPH0829303 A JP H0829303A
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JP
Japan
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rotor
clamp mechanism
sample container
sampler
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Application number
JP6168278A
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English (en)
Inventor
Masanobu Sakitani
正信 崎谷
Yasushi Katagiri
康 片桐
Akio Shimomura
昭夫 下村
Iwao Okochi
巌 大河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Oxygen Industries Ltd
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Osaka Oxygen Industries Ltd
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 破断可能な本体部と、該本体部の中に収容さ
れた試料用の溶融金属を汲み取るための試料容器とを備
えたサンプラーから、採取されて凝固した試料を取り出
すための金属試料取出装置を高度に自動化する。 【構成】 金属試料取出装置10は、サンプラーの本体
部91から試料容器94を取り出すための試料容器取出
装置12と、本体部から取り出された試料容器から凝固
した試料98を取り出すための試料分離取出装置14と
を備える。試料容器取出装置は3つのクランプ機構2
2、24、26を備え、それらクランプ機構によってサ
ンプラーの本体部に折曲力を作用させて本体部を破断さ
せ、試料容器を取り出す。試料分離取出装置はロータ4
0を備え、凝固試料を収容している試料容器をロータへ
投入し、ロータを回転させることによって試料容器に衝
撃力を作用させて試料容器から凝固試料を分離させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料用に溶融金属を採
取したサンプラーから、採取されて凝固した金属試料を
取り出すための金属試料取出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より溶融金属の成分を分析する分析
用試料を採取するために、例えば図4に示すようなサン
プラー90が使用されている。図4のサンプラー90は
全体が細長い筒状であり、ランスと呼ばれる長い棒の一
端に装着して使用される。ランスは、多くの場合、その
ランスを昇降動させる自動式ランス昇降装置等適宜の手
段によって略々上下方向に延在する姿勢に保持されてお
り、そのランスの下端にサンプラー90が図4に示した
姿勢で装着される。ランスを昇降動させて溶融金属の中
にサンプラーを浸漬して引揚げることにより、サンプラ
ーの先端部分(図中下端部分)の中に画成されている試
料採取空間95に、試料用の溶融金属が汲み取られる。
【0003】図4のサンプラー90の本体部91は、ラ
ンスの下端に装着できるようにした中空円筒形状の第1
の紙管92と、この紙管92の下端に接続した同じく中
空円筒形状のやや大径の第2の紙管93とで構成されて
いる。第2の紙管93の中には、上方が開放したカップ
形状の試料容器94が収容されており、この試料容器9
4によって前述の試料採取空間95が画成されている。
第2の紙管93の下端は耐火物(耐火セメント等)96
で閉塞されている。第2の紙管93の側面には試料採取
空間95に連通した湯口97が形成されており、試料採
取時にサンプラー90を溶融金属に浸漬すると、この湯
口97を介して試料採取空間95へ溶融金属が流れ込
み、流れ込んだ溶融金属は試料容器94に熱を奪われて
速やかに凝固する。
【0004】サンプラー90を溶融金属から引揚げたな
ら、先ずランスからサンプラー90を取り外し、続いて
そのサンプラー90から凝固した試料を取り出す。サン
プラー90から凝固試料を取り出すためには、先ず、湯
口97のところでサンプラー90を折り曲げるようにし
て、サンプラー90の本体部91に折曲力を加え、それ
によって、本体部91をこの湯口97のところで破断さ
せて、本体部91の中から試料容器94を取り出す。こ
うして取り出した、中に凝固試料98を収容した試料容
器94を図5に示した。続いて、その取り出した試料容
器94にハンマ等で衝撃を与えて、その試料容器94か
ら凝固試料98を取り出す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】溶融金属の試料採取
は、主として、金属の精練工程中の成分分析に必要な試
料を供する目的で行なわれる。金属の精練工程では、温
度制御のタイミング並びに様々な原料や添加剤等の投入
のタイミングが非常に重要であるため、試料採取はいわ
ば時間との戦いでもある。従って、凝固試料の取出しは
迅速に行なう必要があり、場合によっては、赤熱状態ま
たはそれに近い高温の凝固試料をサンプラーから取り出
さねばならないこともあり、作業能率を犠牲にしなけれ
ば作業の安全を確保できないこともしばしばであった。
更には、サンプラーからの凝固試料の取出し作業を行な
う現場は金属溶融炉に近く、溶融金属の輻射熱を受けて
雰囲気温度が高いために、作業環境が過酷であるという
ことからも、サンプラーからの凝固試料の取出し作業を
高度に自動化することが強く望まれていた。
【0006】本発明は上記問題に鑑みなされたものであ
り、その主目的は、破断可能な本体部と、該本体部の中
に収容された試料用の溶融金属を汲み取るための試料容
器とを備えたサンプラーから、採取されて凝固した試料
を取り出すための、高度に自動化した金属試料取出装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、破断可能な本体部と、該本体部の中に収
容された試料用の溶融金属を汲み取るための試料容器と
を備えたサンプラーから、採取されて凝固した試料を取
り出すための金属試料取出装置を提供する。この金属試
料取出装置は、前記サンプラーの前記本体部から前記試
料容器を取り出すための試料容器取出装置と、前記本体
部から取り出された前記試料容器から凝固した試料を取
り出すための試料分離取出装置とを備えている。
【0008】試料容器取出装置は、可動ベースと、該可
動ベース上に設けたクランプ手段とを備えている。クラ
ンプ手段は、上クランプ機構、中クランプ機構、及び下
クランプ機構を含んでいる。前記下クランプ機構は該下
クランプ機構を可動ベースに対する相対的な第1ポジシ
ョンと第2ポジションとの間で移動させるための移動機
構を備えている。試料容器取出装置は更に下クランプ機
構が前記第1ポジションにあるときには、上クランプ機
構、中クランプ機構及び下クランプ機構の把持中心が略
々垂直方向に延在する1本の直線上に位置して、それら
クランプ機構によって前記サンプラーを把持できるよう
にしてあり、更に、上クランプ機構、中クランプ機構及
び下クランプ機構によってサンプラーを把持した後に下
クランプ機構を第1ポジションから第2ポジションへ移
動させることにより、サンプラーの本体部に対して折曲
力を作用させて本体部を破断させ、本体部から試料容器
を落下させることができるように構成してある。
【0009】試料分離取出装置は、支持フレームと、略
々水平方向に延在する回転軸心を中心にして回転可能に
該支持フレームに支持された中空ロータと、ロータを回
転駆動するための駆動機構とを備えている。ロータは、
その外周部に開口を有する。試料分離取出装置は更に、
ロータの外周部に近接して配置されロータが所定角位置
範囲にあるときにロータの開口を実質的に閉塞するケー
シング部材と、ロータの外周部に近接してロータの下方
に配置されロータの開口が下方を向いているときに開口
を実質的に開閉するシャッタ機構とを備えており、凝固
した試料を収容している試料容器を開口を介してロータ
へ投入し、該ロータを回転させることによって試料容器
に対して衝撃力を作用させて試料容器から凝固試料を分
離させ、その後に、分離した試料容器と凝固試料とを開
口を介して取り出せるように構成してある。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0011】本発明に係る金属試料取出装置は、破断可
能な本体部と、該本体部の中に収容された試料用の溶融
金属を汲み取るための試料容器とを備えたサンプラーか
ら、採取されて凝固した試料を取り出すための装置であ
る。この種のサンプラーは広く一般的に使用されてお
り、先に説明した図4のサンプラー90もそのうちの1
つである。既述の如く、図4のサンプラー90の本体部
91は、ランスの下端に装着できるようにした中空円筒
形状の第1の紙管92と、この紙管92の下端に接続し
た同じく中空円筒形状のやや大径の第2の紙管93とで
構成されている。第2の紙管93の中には、試料採取空
間95を画成している上方が開放したカップ形状の試料
容器94が収容されている。第2の紙管93の下端は耐
火物(耐火セメント等)96で閉塞されている。第2の
紙管93の側面には試料採取空間95に連通した湯口9
7が形成されており、試料採取時にサンプラー90を溶
融金属に浸漬すると、湯口97を介して試料採取空間9
5へ溶融金属が流れ込み、流れ込んだ溶融金属は試料容
器94に熱を奪われて速やかに凝固する。
【0012】勿論、本発明の装置によって取り扱えるサ
ンプラーは図4に示したサンプラー90だけに限られる
ものではなく、破断可能な本体部と該本体部の中に収容
された試料用の溶融金属を汲み取るための試料容器とを
備えたサンプラーであれば、いかなる種類のサンプラー
でも、そのサンプラーに適合するように本発明の装置を
構成することができる。
【0013】図1は本発明の実施例に係る金属試料取出
装置10の側面図であり、この金属試料取出装置10
は、大きく分けて、サンプラーの本体部から試料容器を
取り出すための試料容器取出装置12と、サンプラーの
本体部から取り出された試料容器から凝固した試料を取
り出すための試料分離取出装置14とから成る。又、こ
の金属試料取出装置10は、支持フレーム16を含んで
おり、支持フレーム16に試料容器取出装置12と試料
分離取出装置14が支持されている。
【0014】先ず、試料容器取出装置12について説明
する。試料容器取出装置12は、可動ベース20と、こ
の可動ベース20上に設けたクランプ手段とを備えてい
る。可動ベース20は、不図示の軸受けを介して、垂直
な軸心18を中心に回転自在に支持フレーム16に支持
されており、また、不図示の適当な回転駆動機構によっ
て、その回転位置を制御できるようにしてある。
【0015】可動ベース20上に設けたクランプ手段
は、上クランプ機構22、中クランプ機構24、及び下
クランプ機構26を含んでいる。それらのクランプ機構
は、サンプラーを把持するのに適した形状の開閉可能な
可動クランプ爪と、可動クランプ爪を開閉させてサンプ
ラーを選択的に把持及び解放させるための流体圧シリン
ダと、流体圧シリンダを制御するための制御装置とを備
えたものである。それらクランプ機構は様々な構造のも
のにすることができるが、図2に、上クランプ機構22
の一例を平面図で示した。この図2の上クランプ機構2
2は、クランプ機構ベース部材60と、このクランプ機
構ベース部材60に枢着した開閉可能な可動クランプ爪
62と、可動クランプ爪62を開位置(想像線)と閉位
置(実線)との間で駆動する流体圧シリンダ64とで構
成されている。流体圧シリンダ64は不図示の適当な制
御用の流体圧回路によって制御されており、その流体圧
回路は不図示の一般的なプログラム可能な電子式制御装
置によって制御されている。中クランプ機構24及び下
クランプ機構26もこれと同様の構成として、図1に示
したように、流体圧シリンダ66、68を備えたものと
することができる。
【0016】上クランプ機構22と中クランプ機構24
とは、それらのクランプ機構ベース部材を可動ベース2
0に直接に固定してある。一方、下クランプ機構26
は、この下クランプ機構26の全体を可動ベース20に
対して相対的に移動させるための移動操作機構28を介
して可動ベース20に取付けてある。この移動操作機構
28は、下クランプ機構26を、可動ベース20に対す
る相対的な第1ポジションと第2ポジションとの間で移
動させるものであり、この移動は、下クランプ機構26
を、その水平な長手方向軸心70を中心としてを回転さ
せつつ、その長手方向軸心70自体を略々円弧形の軌跡
をたどるようにして横方向へ移動させるというものであ
る。図3は図1の装置を矢印3の方向から見た部分正面
図であり、この図3に、下クランプ機構26の第1ポジ
ション72と第2ポジション74とを図示した。
【0017】下クランプ機構26がその第1ポジション
72にあるときには、上クランプ機構22、中クランプ
機構24、及び下クランプ機構26の、夫々の把持中心
(把持中心とは、把持したサンプラーの中心軸の位置で
あり、例えば上クランプ機構22では、図2にCで示し
た位置である)が、略々垂直方向に延在する1本の直線
L上に位置するようにしてあり、このとき、それらクラ
ンプ機構22、24、26で1本のサンプラー90を把
持することができる。そして、それらクランプ機構2
2、24、26によってサンプラー90を把持した後
に、下クランプ機構26を第1ポジション72から第2
ポジション74へ移動させることによって、サンプラー
90の本体部91に対して折曲力を作用させてこの本体
部91を破断させ、本体部91から試料容器94を落下
させることができるようにしてある。また、そのとき試
料容器94は、後述する試料分離取出装置のじょうご3
4の中へ落下する。
【0018】支持フレーム16の背面側には、使用済サ
ンプラー回収シュート30を備えてある。可動ベース2
0が、図1に示した「サンプラー受渡し位置」から18
0度回転して「使用済サンプラー廃棄位置」へ移動した
ならば、上クランプ機構22の把持中心、中クランプ機
構24の把持中心、及び第1ポジション72にある下ク
ランプ機構26の把持中心は、そのいずれもが、使用済
サンプラー回収シュート30の投入口の上方に位置す
る。後述するように、可動ベース20が使用済サンプラ
ー廃棄位置へ移動するときには、3つのクランプ機構2
2、24、26が、使用済の破断したサンプラー本体部
の破片を把持しており、サンプラー廃棄位置においてそ
れらクランプ機構22、24、26を開くことによっ
て、それらに把持されていたサンプラー本体部の破片が
使用済サンプラー回収シュート30の中へ投入される。
【0019】次に、試料分離取出装置14について説明
する。試料分離取出装置14は、前述の支持フレーム1
6と、中空のロータ40とを備えている。ロータ40は
不図示の軸受けを介して、略々水平方向に延在する回転
軸心を中心にして回転可能に支持フレーム16に支持さ
れている。試料分離取出装置14は更に、ロータ40を
回転駆動するための駆動機構42を備えている。
【0020】より詳しくは、支持フレーム16には、前
述の不図示の軸受けを介して回転軸43が軸支されてお
り、ロータ40はこの回転軸43に固定されている。回
転軸43の一端にはプーリ44が固定されており、この
プーリ44と駆動機構42とがベルト45を介して駆動
可能に連結されている。駆動機構42は、一般的なプロ
グラム可能な電子式制御装置(不図示)によって制御さ
れている。ロータ40には更に、一般的な回転角位置エ
ンコーダ(不図示)が備えられており、電子式制御装置
は、その回転角位置エンコーダから得られる情報に基づ
いて、ロータ40の回転のタイミング及び回数、並びに
停止時の角位置を制御している。
【0021】ロータ40には、その外周部に開口46を
設けてあり、この開口46を介して凝固試料を収容した
試料容器94をロータ40の中へ入れ、また、後述する
ようにロータ40の中で互いに分離した試料容器94と
凝固試料とをロータ40の外へ出すようにしている。
【0022】ロータ40の上方に、このロータ40の外
周に近接させて前述のじょうご34を配設してある。ロ
ータ40の開口46が真上を向いているとき(即ち、ロ
ータ40が図1の角位置から180度回転した角位置に
あるとき)には、このじょうご34の下側の開口36と
ロータ40の開口46とが整合する。試料容器取出装置
12がサンプラー90の本体部91から試料容器94を
取り出すときには、予め開口46が真上を向くようにロ
ータ40の角位置を定めておき、それにより、本体部9
1から取り出されてじょうご34へ落下した試料容器9
4が、このじょうご34に案内されて、開口46からロ
ータ40の中へ転がり込むようにしている。
【0023】ロータ40の全体形状は略々円筒形である
が、ただしその外周部のうち、開口46の両側の部分
は、図1に示したように円筒面ではなく平面にしてあ
る。このようにしたのは、図示の如く開口46を真下へ
向けた時に、ロータ40の中の試料容器94及び凝固試
料98が、開口46の口元の内側に引っかかることな
く、確実に開口46の中に(後述するシャッタ機構47
の上に)位置するようにするためである。
【0024】ロータ40の真下に、このロータ40の外
周に近接させて、シャッタ機構47を配設してあり、こ
のシャッタ機構47は、不図示の制御装置によって選択
的に開閉することができるようにしてある。更に、ロー
タ40の外周部の円筒面に沿うように、シャッタ機構4
7の両側からロータ40の中心の高さの位置までの範囲
に亙って一対のケーシング部材48を配設してある。こ
れらシャッタ機構47とケーシング部材48とは、開口
46の回転軌跡に近接した位置にある。そのため、シャ
ッタ機構47が閉じていれば(ロータ40から試料容器
94及び凝固試料を取り出すとき以外は、シャッタ機構
47を閉じておくようにしている)、ロータ40の角位
置が、開口46が水平より下側を向く角位置範囲にある
間は、開口46がシャッタ機構47またはケーシング部
材48のいずれかによって実質的に閉塞されている。
【0025】以上の構成により、ロータ40の回転中に
試料容器94ないし凝固試料が開口46から勝手に転が
り出るのを好適に防止している。開口46は、水平より
上を向いているときは閉塞されておらず、開放したまま
であるが、いうまでもなく、開口46が上を向いている
間は中のものが転がり出ることはない。
【0026】ロータ40の内壁には板状の突片50を設
けてある。後述するように、試料容器取出装置12から
ロータ40の中へ凝固試料を収容した試料容器94が投
入されたならば、ロータ40の回転を開始するが、その
とき、その試料容器94は、突片50によってロータ4
0の回転軸43より高くまで持ち上げられた後に、その
高さから転がり落ちて、ロータ40の内壁またはシャッ
タ機構47の内面に衝突する。これによって試料容器9
4に対して衝撃力が作用するため、その試料容器94の
中に収容されていた凝固試料が分離して、その試料容器
94から転がり出る。既述の如く、ロータ40の回転サ
イクルのうちで、開口46が水平より下を向いている間
は、その開口46がシャッタ機構47またはケーシング
部材48によって実質的に閉塞されているため、ロータ
40回転中に試料容器94ないし凝固試料が開口46か
らはみ出て回転を妨げるということは起こらない。通常
はロータ40が数回転するうちに、試料容器94と凝固
試料とが分離するが、念のために充分な回数に亙って回
転させた後にロータ40を停止させるようにしている。
また、この停止時のロータ40の角位置は、開口46と
シャッタ機構47とが揃う角位置にし、ロータ40を停
止させた後に、シャッタ機構47を開くようにしてい
る。これらの動作を行なわせるには、ロータ40の駆動
機構42を制御している制御装置と、シャッタ機構47
の開閉動作を制御している制御装置とを適宜プログラム
しておけば良い。シャッタ機構47の下方には、試料容
器94及び凝固試料を回収するためのシュート52を備
えており、シャッタ機構47が開いたならば、試料容器
94及び凝固試料が落下して、このシュート52に案内
されて回収される。
【0027】次に、以上に説明した本発明の実施例に係
る金属試料取出装置10の動作について説明する。金属
試料取出装置10は、試料用に溶融金属を採取したサン
プラーから凝固した金属試料を取り出す作業を自動化し
た装置であるため、自動式ランス昇降装置と組み合わせ
て使用するならば、金属溶融炉の周囲の過酷な環境での
作業を無人化し得るという大きな利点が得られる。それ
ゆえ、以下の動作説明では、自動式ランス昇降装置と組
み合わせた場合について説明して行く。自動式ランス昇
降装置については、様々な種類のものが公知となってい
るため、ここでは自動式ランス昇降装置の具体的な構造
の説明は省略する。ただし、多くの自動式ランス昇降装
置では、略々垂直な姿勢に支持したランスを降下及び上
昇させてそのランスの下端に装着したサンプラーを溶融
金属に浸漬し引揚げることによって、そのサンプラーに
試料を汲み取るようにしており、また、ランスを上昇さ
せた後には、そのランスを水平方向へ、サンプラー受渡
し位置まで移動させるようにしているため、ここでも、
そのような自動式ランス昇降装置を使用している場合に
ついて説明をして行く。
【0028】図1にはランス80の下端の部分だけが示
されている。図1に示した状態は、ランス80が不図示
の自動式ランス昇降装置に操作されて、その下端に装着
されているサンプラー90に溶融金属試料を汲み取った
後に、サンプラー受渡し位置まで移動されてきたところ
である。図1には更に、試料容器取出装置12が初期状
態にあって、その可動ベース20がサンプラー受渡し位
置にあるところが示されている。図示例では、可動ベー
ス20にとっての、サンプラー受渡し位置と、サンプラ
ーの本体部を破断させて試料容器を取り出すサンプラー
破断位置とは、同一位置となっている。しかしながら、
使用する自動式ランス昇降装置の構成及びレイアウト
と、金属試料取出装置の具体的な構成とに応じて、可動
ベース20のサンプラー受渡し位置とサンプラー破断位
置とを異ならせて、可動ベース20が、サンプラー受渡
し位置でサンプラーを受け取った後に、サンプラー破断
位置へ移動するような構成としても良い。
【0029】金属試料取出装置10の初期状態(従って
試料容器取出装置12の初期状態)においては、下クラ
ンプ機構26を、前述の第1ポジション72に位置付け
てあり、上クランプ機構22、中クランプ機構24、及
び下クランプ機構26の把持中心が、略々垂直方向に延
在する1本の直線L上に位置するようにしてある。サン
プラー受渡し位置にあるランス80の軸心もこの直線L
上に位置している。
【0030】試料容器取出装置12の動作サイクルにお
いては、先ず最初に、ランス80から試料容器取出装置
12へのサンプラー90の受渡しが行なわれる。この受
渡しの際には、上クランプ機構22、中クランプ機構2
4、及び下クランプ機構26を開状態にし、自動式ラン
ス昇降装置を作動させてランス80を所定位置まで降下
させて、そのランス80の下端に装着されているサンプ
ラー90が、3つのクランプ機構22、24、26で把
持できる位置にくるようにする。続いて、3つのクラン
プ機構22、24、26を閉じてサンプラー90を把持
させ、その状態でランス80を上昇させることによっ
て、ランス80からサンプラー90が抜脱され、これに
よって、自動式ランス昇降装置から試料容器取出装置1
2へのサンプラー90の受渡しが完了する。
【0031】次いで、試料容器取出装置12は前述した
ように動作し、即ち、下クランプ機構26を第1ポジシ
ョン72から第2ポジション74へ移動させることによ
ってサンプラー90の本体部91に折曲力を作用させて
本体部91を破断させ、その中の試料容器94をじょう
ご34の中へ落下させる。続いて、下クランプ機構26
を第2ポジション74から第1ポジション72へ復帰さ
せると共に可動ベース20を軸心18を中心に180度
回転させて使用済サンプラー廃棄位置へ移動させ、そこ
で3つのクランプ機構22、24、26を開状態にする
ことによってサンプラー90の本体部91の破断した破
片を、使用済サンプラー回収シュート30へ投入させ
る。続いて、可動ベース20をサンプラー受渡し位置へ
復帰させると、試料容器取出装置12の動作サイクルが
完了する。
【0032】一方、試料分離取出装置14は、初期状態
では、ロータ40の角位置が図1に示した位置ではな
く、ロータ40の開口46が真上にくる(従ってじょう
ご34の下側の開口36とロータ40の開口46とで位
置が揃う)ような角位置にしてあり、シャッタ機構47
は閉じている。この試料分離取出装置14の動作サイク
ルは、試料容器取出装置12から試料容器94を受け取
ったときに開始する。そうするためには、試料容器取出
装置12の下クランプ機構26が第1ポジション72か
ら第2ポジション74へ移動したことを検出して、それ
から僅かな時間が経過した後に試料分離取出装置14の
動作サイクルを開始するようにしても良いし、或いは、
試料容器94がじょうご34へ落下したことを検出する
センサを設けておき、そのセンサからの検出信号に応答
して試料分離取出装置14の動作サイクルを開始するよ
うにしても良い。
【0033】試料分離取出装置14の動作サイクルにお
いては、先ず最初に、ロータ40を前述したように所定
の回数だけ回転させる。これによって、試料容器94と
その中の凝固試料とが分離する。続いて、ロータ40
を、図1に示したように、その開口46が真下にくる
(従って、シャッタ機構47と位置が揃う)ような角位
置で停止させ、シャッタ機構47を開いて、分離した試
料容器94及び凝固試料をシュート52に落下させて回
収する。尚、シュート52の先にはベルトコンベヤ等の
搬送手段を備えておき、回収した試料容器及び凝固試料
を所望の場所へ搬送するようにしても良い。この後、シ
ャッタ機構47を閉じ、ロータ40の角位置を初期状態
の位置に復帰させると、試料分離取出装置14の動作サ
イクルが完了する。
【0034】以上に本発明の実施例について説明した
が、本発明は説明した実施例に限定されるものではな
い。例えば、可動ベース20の構成は、上述の実施例で
は回転運動するものであったが、これ以外の構成とする
こともでき、例えば、レール等に案内されて平行移動す
る可動ベースとしても良い。また、ロータ40の形状
も、上述の実施例では、全体が略々円筒形で外周部のう
ちの開口46の両側を平面形状にしたものであったが、
これ以外の形状とすることもでき、例えば、角を面取り
した三角柱ないし四角柱の形状としても良い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
破断可能な本体部と、該本体部の中に収容された試料用
の溶融金属を汲み取るための試料容器とを備えたサンプ
ラーから、採取されて凝固した試料を取り出すための金
属試料取出装置を高度に自動化して、その試料取出しの
作業を無人化することができるため、作業能率を大幅に
向上させることができると共に、労働環境を衛生上良好
に保つための出費を不要化することができるという、優
れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る、試料容器取出装置と試
料分離取出装置とから成る金属試料取出装置の側面図で
ある。
【図2】図1に示した試料容器取出装置の上クランプ機
構の平面図である。
【図3】図1に示した試料容器取出装置の下クランプ機
構の2つのポジションを説明するための、図1の矢印3
から見た部分正面図である。
【図4】図1の金属試料取出装置が取り扱う具体的なサ
ンプラーの一例を示した断面図である。
【図5】図4のサンプラーの試料容器とその中の凝固試
料とを示した図である。
【符号の説明】
10 金属試料取出装置 12 試料容器取出装置 14 試料分離取出装置 16 支持フレーム 20 可動ベース 22 上クランプ機構 24 中クランプ機構 26 下クランプ機構 28 移動操作機構 40 ロータ 42 駆動機構 46 ロータの開口 47 シャッタ機構 48 ケーシング部材 72 第1ポジション 74 第2ポジション 90 サンプラー 91 サンプラーの本体部 94 試料容器 98 凝固試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片桐 康 千葉県市川市鬼高3−28−23 大阪酸素工 業株式会社市川工場内 (72)発明者 下村 昭夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 大河内 巌 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 破断可能な本体部と、該本体部の中に収
    容された試料用の溶融金属を汲み取るための試料容器と
    を備えたサンプラーから、採取されて凝固した試料を取
    り出すための金属試料取出装置において、 前記サンプラーの前記本体部から前記試料容器を取り出
    すための試料容器取出装置と、前記本体部から取り出さ
    れた前記試料容器から凝固した試料を取り出すための試
    料分離取出装置とを備え、 前記試料容器取出装置は、可動ベースと、該可動ベース
    上に設けたクランプ手段とを備えており、該クランプ手
    段は上クランプ機構、中クランプ機構、及び下クランプ
    機構を含んでおり、前記下クランプ機構は該下クランプ
    機構を前記可動ベースに対する相対的な第1ポジション
    と第2ポジションとの間で移動させるための移動機構を
    備えており、前記下クランプ機構が前記第1ポジション
    にあるときには、前記上クランプ機構、前記中クランプ
    機構、及び前記下クランプ機構の把持中心が略々垂直方
    向に延在する1本の直線上に位置して、それらクランプ
    機構によって前記サンプラーを把持できるようにしてあ
    り、更に、前記上クランプ機構、前記中クランプ機構、
    及び前記下クランプ機構によって前記サンプラーを把持
    した後に前記下クランプ機構を前記第1ポジションから
    前記第2ポジションへ移動させることにより、前記サン
    プラーの前記本体部に対して折曲力を作用させて該本体
    部を破断させ、該本体部から前記試料容器を落下させる
    ことができるように構成してあり、 前記試料分離取出装置は、支持フレームと、略々水平方
    向に延在する回転軸心を中心にして回転可能に該支持フ
    レームに支持された中空ロータと、該ロータを回転駆動
    するための駆動機構とを備えており、該ロータは、その
    外周部に開口を有し、前記試料分離取出装置は更に、前
    記ロータの外周部に近接して配置され前記ロータが所定
    角位置範囲にあるときに前記ロータの前記開口を実質的
    に閉塞するケーシング部材と、前記ロータの外周部に近
    接して該ロータの下方に配置され前記ロータの前記開口
    が下方を向いているときに該開口を実質的に開閉するシ
    ャッタ機構とを備えており、凝固した試料を収容してい
    る前記試料容器を前記開口を介して前記ロータへ投入
    し、該ロータを回転させることによって該試料容器に対
    して衝撃力を作用させて該試料容器から前記凝固試料を
    分離させ、その後に、分離した前記試料容器と前記凝固
    試料とを前記開口を介して取り出せるように構成してあ
    る、ことを特徴とする金属試料取出装置。
  2. 【請求項2】 破断可能な本体部と、該本体部の中に収
    容された試料用の溶融金属を汲み取るための試料容器と
    を備えたサンプラーの、前記本体部から前記試料容器を
    取り出すための試料容器取出装置において、 可動ベースと、該可動ベース上に設けたクランプ手段と
    を備え、該クランプ手段は上クランプ機構、中クランプ
    機構、及び下クランプ機構を含んでおり、前記下クラン
    プ機構は、該下クランプ機構を前記可動ベースに対する
    相対的な第1ポジションと第2ポジションとの間で移動
    させるための移動機構を備えており、前記下クランプ機
    構が前記第1ポジションにあるときには、前記上クラン
    プ機構、前記中クランプ機構、及び前記下クランプ機構
    の把持中心が略々垂直方向に延在する1本の直線上に位
    置して、それらクランプ機構によって前記サンプラーを
    把持できるようにしてあり、更に、前記上クランプ機
    構、前記中クランプ機構、及び前記下クランプ機構によ
    って前記サンプラーを把持した後に前記下クランプ機構
    を前記第1ポジションから前記第2ポジションへ移動さ
    せることにより、前記サンプラーの前記本体部に対して
    折曲力を作用させて該本体部を破断させ、該本体部から
    前記試料容器を落下させることができるように構成して
    ある、ことを特徴とする試料容器取出装置。
  3. 【請求項3】 破断可能な本体部と、該本体部の中に収
    容された試料用の溶融金属を汲み取るための試料容器と
    を備えたサンプラーの、前記本体部から取り出された前
    記試料容器から凝固した試料を取り出すための試料分離
    取出装置において、 支持フレームと、略々水平方向に延在する回転軸心を中
    心にして回転可能に該支持フレームに支持された中空ロ
    ータと、該ロータを回転駆動するための駆動機構とを備
    え、該ロータは、その外周部に開口を有し、前記試料分
    離取出装置は更に、前記ロータの外周部に近接して配置
    され前記ロータが所定角位置範囲にあるときに前記ロー
    タの前記開口を実質的に閉塞するケーシング部材と、前
    記ロータの外周部に近接して該ロータの下方に配置され
    前記ロータの前記開口が下方を向いているときに該開口
    を実質的に開閉するシャッタ機構とを備え、凝固した試
    料を収容している前記試料容器を前記開口を介して前記
    ロータへ投入し、該ロータを回転させることによって該
    試料容器に対して衝撃力を作用させて該試料容器から前
    記凝固試料を分離させ、その後に、分離した前記試料容
    器と前記凝固試料とを前記開口を介して取り出せるよう
    に構成してある、ことを特徴とする試料分離取出装置。
JP6168278A 1994-07-20 1994-07-20 金属試料取出装置 Pending JPH0829303A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104502140A (zh) * 2015-01-01 2015-04-08 韩杰 一种可区分模孔的物品采样方法及采样设备
WO2019225405A1 (ja) 2018-05-22 2019-11-28 ウシオオプトセミコンダクター株式会社 発光素子
WO2021100396A1 (ja) * 2019-11-22 2021-05-27 学校法人創価大学 試料作製方法、凍結加圧装置および観察方法

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