JPH0829228A - 熱式空気流量検出装置 - Google Patents

熱式空気流量検出装置

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Publication number
JPH0829228A
JPH0829228A JP6183976A JP18397694A JPH0829228A JP H0829228 A JPH0829228 A JP H0829228A JP 6183976 A JP6183976 A JP 6183976A JP 18397694 A JP18397694 A JP 18397694A JP H0829228 A JPH0829228 A JP H0829228A
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JP
Japan
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air
flow rate
casing
resistor
resistors
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Application number
JP6183976A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Aoi
寛 青井
Masao Tsukada
正夫 塚田
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーシング内を流れる正方向の空気流と逆方
向の空気流とを判別し、吸入空気流量の検出精度を向上
させ、A/F制御を正確に行いうるようにする。 【構成】 ケーシング22内に突出させて設けた検出ヘ
ッド24に、ケーシング22の中心軸O−Oに対して対
称となる位置に第1,第2の空気通路25,26を形成
し、空気通路25,26を空気流の方向(矢示A,B方
向)に対しては互いに逆向きに拡開するテーパ形状とす
る。そして、空気通路25,26の途中には絶縁基板2
8の主基板部28Aと副基板部28Bとを介して第1,
第2の発熱抵抗体29,30、第1,第2の感温抵抗体
31,32と温度補償抵抗体33とを設け、それぞれ空
気通路25,26内を流れる空気流で発熱抵抗体29,
30および感温抵抗体31,32の抵抗値が変化するこ
とにより、これらの抵抗値変化から、吸入空気流量を正
確に検出するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用エンジ
ン等の吸入空気流量を検出するのに好適に用いられる熱
式空気流量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等では、エン
ジン本体の燃焼室内で燃料と吸入空気との混合気を燃焼
させ、その燃焼圧からエンジンの回転出力を取出すよう
にしており、燃料の噴射量を高精度に演算するためには
吸入空気流量を正確に検出することが要求される。
【0003】そこで、図10ないし図12に従来技術の
熱式空気流量検出装置を示す。
【0004】図において、1は例えば自動車用エンジン
の吸気通路途中に設けられる熱式空気流量検出装置で、
該熱式空気流量検出装置1は、前記吸気通路の一部を構
成する筒状のケーシング2と、該ケーシング2の途中に
取付穴2Aを介して配設される後述の流量計本体3とか
ら構成されている。そして、該熱式空気流量検出装置1
はケーシング2が前記エンジンのスロットルバルブより
も上流側に位置して吸気管の途中に接続され、エンジン
本体の燃焼室(図示せず)に向けて矢示A方向に流通す
る吸入空気の流量を流量計本体3により検出するもので
ある。
【0005】3は熱式空気流量検出装置1の本体部を構
成する流量計本体を示し、該流量計本体3はインサート
モールド等の手段により図11に示すように成形され、
巻線状をなす後述の基準抵抗14を巻回すべく段付き円
柱状に形成された巻線部4と、該巻線部4の基端側に位
置して略円板状に形成され、後述の端子ピン8A〜8D
が一体的に設けられた端子部5と、巻線部4の先端側か
らケーシング2の径方向に延設され、ケーシング2の中
心部で後述の発熱抵抗9および温度補償抵抗11を位置
決めする検出ホルダ6と、ケーシング2の外側に位置し
て端子部5が接続された後述の回路ケース7とから大略
構成されている。
【0006】7はケーシング2の取付穴2Aを閉塞する
ように該ケーシング2の外周側に設けられた回路ケース
を示し、該回路ケース7は絶縁性の樹脂材料等によって
形成され、その底部側にはケーシング2の取付穴2Aに
嵌合する嵌合部7Aが一体的に設けられている。そし
て、該回路ケース7は、例えばセラミック材料等からな
る絶縁基板上に流量調整抵抗および差動増幅器(いずれ
も図示せず)等を実装した状態で、これらを内蔵する構
成となっている。
【0007】8A,8B,8C,8Dは流量計本体3の
端子部5から軸方向に突出した4本の端子ピン(全体と
して各端子ピン8という)を示し、該各端子ピン8は流
量計本体3の巻線部4および検出ホルダ6内に埋設され
た例えば4本の端子板(図示せず)に一体化して設けら
れ、回路ケース7のコネクタ部(図示せず)に着脱可能
に接続されるものである。
【0008】9は流量計本体3の検出ホルダ6にターミ
ナル10A,10Bを介して設けられたホットフィルム
型の発熱抵抗を示し、該発熱抵抗9は温度変化に敏感に
反応して抵抗値が変化する白金等の感温性材料からな
り、例えばアルミナ等のセラミック材料からなる絶縁性
の筒体に白金線を巻回したり、白金膜を蒸着したりして
形成される小径の発熱抵抗素子によって構成されてい
る。そして、該発熱抵抗9はバッテリ(図示せず)から
の通電により、例えば240℃前,後の温度をもって発
熱した状態となり、ケーシング2内を矢示A方向に流れ
る吸入空気によって冷却されるときには、この吸入空気
の流量に応じて抵抗値が変化し流量の検出信号を出力さ
せるものである。
【0009】11は発熱抵抗9の上流側に位置して流量
計本体3の検出ホルダ6に設けられた温度補償抵抗を示
し、該温度補償抵抗11は例えばアルミナ等のセラミッ
ク材料からなる絶縁基板上にスパッタリング等の手段を
用いて白金膜を着膜させることにより形成され、白金膜
の両端は前記検出ホルダ6に立設されたターミナル12
A,12B間に接続されている。
【0010】13は流量計本体3の検出ホルダ6上に装
着される保護カバーを示し、該保護カバー13は検出ホ
ルダ6上に発熱抵抗9および温度補償抵抗11を実装し
た後に、図11中に矢印で示す如く検出ホルダ6に被着
され、発熱抵抗9および温度補償抵抗11を保護すると
共に、吸入空気の流通を許すようになっている。なお、
図10中では発熱抵抗9および温度補償抵抗11を明示
すべく、保護カバー13を検出ホルダ6から取外した状
態で示している。
【0011】さらに、14は流量計本体3の巻線部4に
巻回された巻線抵抗からなる基準抵抗を示し、該基準抵
抗14はその両端が、巻線部4に立設されたターミナル
15A,15Bに接続され、前記発熱抵抗9に直列接続
されている。ここで、前記各端子ピン8のうち、端子ピ
ン8Aはターミナル15Aに前記端子板を介して接続さ
れ、端子ピン8Bは他の端子板を介してターミナル15
B,10Aに接続されている。また、端子ピン8Cは別
の端子板を介してターミナル10B,12Bに接続さ
れ、端子ピン8Dはターミナル12Aにさらに別の端子
板を介して接続されている。
【0012】このように構成される従来技術の熱式空気
流量検出装置1は、自動車用エンジン等の吸入空気流量
を検出するときに、流量計本体3の端子部5を各端子ピ
ン8を介して回路ケース7のコネクタ部に接続した状態
で、流量計本体3の検出ホルダ6等をケーシング2内に
取付穴2Aを介して挿入し、該取付穴2Aにケーシング
2の外周側から回路ケース7を取付けることによって、
検出ホルダ6に設けた発熱抵抗9および温度補償抵抗1
1をケーシング2の中心部に配設する。
【0013】この場合、発熱抵抗9を基準抵抗14に直
列接続すると共に、温度補償抵抗11を回路ケース7内
の流量調整抵抗に直列接続することによって、これらの
発熱抵抗9、基準抵抗14、温度補償抵抗11および流
量調整抵抗からブリッジ回路を構成する。そして、この
ブリッジ回路にはエンジンの始動と共に外部から電流を
印加し続けることにより発熱抵抗9を、例えば240℃
前,後の所定温度をもって発熱させるようにする。
【0014】そして、この状態でケーシング2内をエン
ジン本体の燃焼室に向けて矢示A方向に吸入空気が流通
するときには、この吸入空気の流れにより発熱抵抗9が
冷却されて該発熱抵抗9の抵抗値が変化するから、該発
熱抵抗9に直列接続された基準抵抗14の両端電圧に基
づいて吸入空気の流量に対応した検出信号を出力電圧の
変化として検出する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ケーシング2内を流れる吸入空気の流れで
発熱抵抗9が冷却されるのを利用して、該発熱抵抗9の
抵抗値変化に基づき吸入空気流量を検出する構成である
から、該発熱抵抗9は図10中の矢示A方向(正方向)
に流れる吸入空気流によって冷却されると共に、矢示B
方向(逆方向)に流れる空気流によっても冷却されてし
まい、この逆方向の空気流により吸入空気流量を誤検出
するという問題がある。
【0016】即ち、多気筒のシリンダを備えたエンジン
本体では、各シリンダ内でそれぞれピストンが往復動す
るに応じて各吸気弁(図示せず)が開弁する毎に、吸入
空気が各シリンダ内に向けて矢示A方向(正方向)に吸
込まれるから、ケーシング2内を流れる空気の流速は各
吸気弁の開,閉弁に応じて図12に例示する如く増,減
を繰返し脈動するようになる。
【0017】特に、エンジンの回転数が低速域から中速
域等に達して吸,排気量が増大してくると、吸気弁と排
気弁(図示せず)とがオーバラップし、排気の一部が吸
気弁の開弁に伴ってケーシング2内に吹返すことがある
ため、このときにケーシング2内では図12に示す時間
t1 ,t2 間のように流速が負(マイナス)となって、
矢示B方向(逆方向)に流れる空気流が発生し、この空
気流で吸入空気流量が実際の流量よりも過大に検出され
てしまい、A/F制御を正確に行えなくなるという問題
が生じる。
【0018】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はケーシング内を流れる正方向の
空気流と逆方向の空気流とを確実に判別でき、吸入空気
流量の検出精度を大幅に向上できると共に、A/F制御
を正確に行いうるようにした熱式空気流量検出装置を提
供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載の発明は、吸気通路の一部を構
成する筒状のケーシングと、該ケーシング内を径方向に
伸長するように該ケーシングに取付けられた検出ヘッド
と、前記ケーシング内を流れる正,逆方向の空気流が流
通するように該検出ヘッドに設けられ、正方向の空気流
に対しては流速を速くし、逆方向の空気流に対しては流
速を遅くする第1の空気通路と、該第1の空気通路から
前記検出ヘッドの長さ方向に離間して前記検出ヘッドに
設けられ、前記正方向の空気流に対しては流速を遅く
し、前記逆方向の空気流に対しては流速を速くする第2
の空気通路と、前記検出ヘッドに設けられ、該第1,第
2の空気通路内に延びるように前記検出ヘッドの長さ方
向に伸長した絶縁基板と、前記第1の空気通路内に位置
して該絶縁基板に設けられ、前記第1の空気通路内を流
れる空気の流量を検出する第1の検出手段と、前記第2
の空気通路内に位置して前記絶縁基板に設けられ、前記
第2の空気通路内を流れる空気の流量を検出する第2の
検出手段とからなる構成を採用している。
【0020】この場合、請求項2に記載の発明のよう
に、前記第1,第2の検出手段からそれぞれ出力される
第1,第2の流量検出信号に基づき前記ケーシング内を
流れる空気流量に対応した流量信号を出力する流量信号
出力手段を備え、該流量信号出力手段は第1,第2の流
量検出信号を比較することにより、前記ケーシング内を
流れる空気流が正方向であるときには正の流量信号を出
力し、逆方向の空気流であるときには負の流量信号を出
力する構成とするのが好ましい。
【0021】また、請求項3に記載の発明のように、前
記第1,第2の空気通路をケーシングの径方向に離間し
て互いに逆向きに拡開するように前記検出ヘッドに形成
し、該第1の空気通路を、前記ケーシング内を流れる正
方向の空気流に対して上流側よりも下流側で通路面積が
大きくなる構成とし、前記第2の空気通路を、前記ケー
シング内を流れる正方向の空気流に対して下流側よりも
上流側で通路面積が大きくなる構成とするのがよい。
【0022】さらに、請求項4に記載の発明のように、
前記第1,第2の検出手段は、それぞれ前記第1,第2
の空気通路内に位置して前記絶縁基板上に形成され、外
部からの通電によって発熱し空気流で冷却されることに
より該空気流の流量に対応してそれぞれの抵抗値が変化
する第1,第2の発熱抵抗体を少なくとも含んで構成す
るのがよい。
【0023】さらにまた、請求項5に記載の発明のよう
に、前記絶縁基板には、少なくとも長さ方向の一端側で
前記検出ヘッドに固定される主基板部および副基板部
と、該主基板部と副基板部との間に形成され、前記空気
の流れ方向で該副基板部を主基板部から離間させるスリ
ットとを設け、前記第1,第2の検出手段は、それぞれ
前記第1,第2の空気通路内に位置して前記主基板部上
に形成され、外部からの通電によって発熱する第1,第
2の発熱抵抗体と、該第1,第2の発熱抵抗体に隣接し
てそれぞれ前記主基板部上に形成され、前記第1,第2
の空気通路内を流れる空気流で冷却されることにより該
空気流の流量に対応してそれぞれの抵抗値が変化する第
1,第2の感温抵抗体と、前記空気の温度変化を補償す
るため前記副基板部上に形成された温度補償抵抗体とか
ら構成してもよい。
【0024】
【作用】上記構成により、請求項1に記載の発明では、
吸入空気がケーシング内を正方向に流れるときに、この
空気流が第1の空気通路内を速い流速で流れ、第2の空
気通路内では遅い流速となる。この結果、第1の空気通
路内に絶縁基板を介して設けた第1の検出手段によっ
て、吸入空気の流量を第2の検出手段よりも大きな流量
(流速)をもって検出できる。また、前記ケーシング内
を逆方向に空気が流れるときには、この空気流が前記第
2の空気通路内を速い流速で流れ、前記第1の空気通路
内では遅い流速となるから、前記第2の空気通路内に絶
縁基板を介して設けた第2の検出手段によって、このと
きの空気流量を前記第1の検出手段よりも大きな流量
(流速)をもって検出できる。
【0025】そして、請求項2に記載の発明により、流
量信号出力手段で前記第1,第2の検出手段からそれぞ
れ出力される第1,第2の流量検出信号に基づいてケー
シング内を流れる空気流量に対応した流量信号を出力で
きると共に、前記第1,第2の流量検出信号を比較する
ことによって、前記ケーシング内を流れる空気流が正方
向であるときには、この流量信号を正の流量信号として
出力でき、逆方向の空気流であるときには負の流量信号
として出力することができる。
【0026】また、請求項3に記載の発明によれば、吸
入空気がケーシング内を正方向に流れるときに、第1の
空気通路はこの空気流に対して上流側よりも下流側で通
路面積が大きくなっているので、この空気流に対する抵
抗を確実に小さくすることができ、正方向に流れる空気
の流速を速くできる。一方、ケーシング内を流れる正方
向の空気流に対して下流側よりも上流側で通路面積が大
きくなっている第2の空気通路では、このときの空気流
に対して大きな抵抗を与えるようになり、正方向に流れ
る空気の流速を第1の空気通路に比較して遅くすること
ができる。
【0027】さらに、請求項4に記載の発明のように、
前記第1,第2の検出手段を少なくとも絶縁基板上に形
成した第1,第2の発熱抵抗体から構成することによ
り、該第1,第2の発熱抵抗体はそれぞれ第1,第2の
空気通路内を流れる空気の流速に応じてそれぞれの抵抗
値が変化するようになり、各空気通路内を流れる空気の
流量を流速に比例した値として抵抗値の変化から取出す
ことができる。
【0028】さらにまた、請求項5に記載の発明のよう
に、第1,第2の検出手段を、それぞれ前記第1,第2
の空気通路内に位置して絶縁基板の主基板部上に形成さ
れた第1,第2の発熱抵抗体および第1,第2の感温抵
抗体と、前記絶縁基板の副基板部上に形成され空気の温
度変化を補償する温度補償抵抗体とから構成することに
より、例えば第1,第2の発熱抵抗体からの熱で前記主
基板部を介して第1,第2の感温抵抗体を加熱しておく
ことができ、この状態で前記第1,第2の空気通路内を
流れる空気流で第1,第2の感温抵抗体が冷却されると
きに、該第1,第2の感温抵抗体は空気流の流量に対応
してそれぞれの抵抗値が変化し、このときの抵抗値変化
から各空気通路内を流れる空気の流量を流速に比例した
値として取出すことができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図9に基
づいて説明する。なお、実施例では前述した図10に示
す従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その
説明を省略するものとする。
【0030】而して、図1ないし図5は本発明の第1の
実施例を示している。
【0031】図中、21は本実施例による熱式空気流量
検出装置を示し、該熱式空気流量検出装置21は従来技
術で述べた熱式空気流量検出装置1とほぼ同様に、筒状
のケーシング22と、該ケーシング22に取付穴22A
を介して取付けられた流量計本体23とから構成されて
いる。
【0032】しかし、本実施例による熱式空気流量検出
装置21では、流量計本体23が、インサートモールド
等の手段により図1,図2に示すように略円柱状に成形
されケーシング22内を径方向に伸長した検出ヘッド2
4と、後述の回路ケース27とから構成されている。そ
して、該流量計本体23の検出ヘッド24はその基端側
が回路ケース27に連結され、先端側はケーシング22
の取付穴22Aと径方向で対向する位置で該ケーシング
22の内周面に当接している。
【0033】ここで、検出ヘッド24には図1,図2に
示す如く、該検出ヘッド24内に後述する絶縁基板28
を位置決めするためのスロット24A,24Bが形成さ
れ、該スロット24Aは絶縁基板28の基端側が着脱可
能に装着される構成となっている。また、スロット24
Bは後述の空気通路25,26間に位置し、後述する主
基板部28Aの長さ方向中間部が装着されるように、主
基板部28Aの幅寸法および厚さ寸法に対応する寸法を
もって形成されている。
【0034】25,26は検出ヘッド24を径方向に貫
通して該検出ヘッド24に穿設された第1,第2の空気
通路を示し、該空気通路25,26はケーシング22の
中心軸O−Oからそれぞれ逆向きに一定寸法だけ径方向
に離間して検出ヘッド24に形成され、ケーシング22
内を流れる空気流の方向(矢示A,B方向)に対しては
互いに逆向きに拡開するテーパ形状となっている。
【0035】ここで、第1の空気通路25はケーシング
22内を正方向(矢示A方向)に流れる空気流に対して
上流側の開口端25Aが下流側の開口端25Bよりも小
径に形成され、該開口端25B側の通路面積は開口端2
5A側の通路面積よりも2倍程度に大きくなっている。
そして、第1の空気通路25はケーシング22内を正方
向(矢示A方向)に流れる空気流の流速を該空気通路2
5内で速くし、逆方向(矢示B方向)の空気流に対して
は流速を遅くする構成となっている。
【0036】即ち、図4中に実線で示す特性線q1 のよ
うに、例えば100kg/h 程度の流量をもってケーシン
グ22内で吸入空気が正方向(矢示A方向)に流通する
ときに、この空気流は空気通路25内で10m/s程度
の流速をもって正方向に流れる。一方、ケーシング22
内に矢示B方向の逆流が発生し、このときの流量が10
0kg/h 程度となったときには、図4中に一点鎖線で示
す特性線q2 の如く、空気通路25内ではこのときの空
気流が、例えば5m/s程度の流速をもって逆方向に流
れ、空気流の流速は約1/2程度まで減速される。
【0037】また、第2の空気通路26はケーシング2
2内を正方向(矢示A方向)に流れる空気流に対して上
流側の開口端26Aが下流側の開口端26Bよりも大径
に形成され、開口端26A側の通路面積は開口端26B
側の通路面積よりも2倍程度に大きくなっている。そし
て、第1の空気通路26はケーシング22内を正方向
(矢示A方向)に流れる空気流の流速を該空気通路26
内で図4中に示す特性線q2 のように遅くし、逆方向
(矢示B方向)の空気流に対しては流速を図4中に示す
特性線q1 のように速くする構成となっている。
【0038】27はケーシング22の取付穴22Aを閉
塞するように該ケーシング22の外周側に設けられた回
路ケースを示し、該回路ケース27は従来技術で述べた
回路ケース7とほぼ同様に形成され、ケーシング22の
取付穴22Aに嵌合する嵌合部27Aを有しているもの
の、該回路ケース27は嵌合部27Aに検出ヘッド24
の基端側が着脱可能に連結されている。そして、該回路
ケース27は、例えばセラミック材料等からなる絶縁基
板(図示せず)上に後述の固定抵抗41,42、流量調
整抵抗34および差動増幅器45,46,47等を実装
した状態で、これらを内蔵する構成となっている。
【0039】28は検出ヘッド24内に取付けられる絶
縁基板を示し、該絶縁基板28は、例えばガラス,酸化
アルミニウム(アルミナ)または窒化アルミニウム等の
絶縁性材料により、長さ寸法が30〜80mm前,後、幅
寸法が5〜15mm前,後となって長方形の平板状に形成
されている。また、該絶縁基板28は基端側が検出ヘッ
ド24のスロット24Aに着脱可能に取付けられる固定
端となり、先端側が自由端となっている。
【0040】ここで、該絶縁基板28は図3に示す如
く、基端側から先端側に向けて短冊状に延び比較的大き
な表面積をもった主基板部28Aと、該主基板部28A
と平行に基端側から先端側に向けて短冊状に延び該主基
板部28Aに対して1/4程度の表面積をもった副基板
部28Bとから構成され、該副基板部28Bは主基板部
28Aに対して1/4前,後の長さ寸法となっている。
そして、該副基板部28Bは矢示A方向の吸入空気流に
対して主基板部28Aよりも上流側に位置し、図1に示
すように空気通路25内に先端側が自由端となって配設
される。
【0041】また、副基板部28Bと主基板部28Aと
の間には、副基板部28Bの先端側から基端側に向けて
延びる細長いスリット28Cが形成されている。そし
て、該スリット28Cは絶縁基板28の幅方向で主基板
部28Aと副基板部28Bとを一定の間隙を介して離間
させ、両者を熱的に絶縁すると共に、副基板部28Bを
基端側で主基板部28Aに一体的に連結させるようにな
っている。一方、主基板部28Aには検出ヘッド24の
スロット24B内に装着される長さ方向中間部に長方形
状をなす打抜き穴28Dが形成され、該打抜き穴28D
は主基板部28Aの先端側と基端側との間、即ち後述の
発熱抵抗体29,30(感温抵抗体31,32)間を熱
的に絶縁するものである。
【0042】29,30は絶縁基板28の主基板部28
A上に形成された第1,第2の検出手段を構成する第
1,第2の発熱抵抗体を示し、該発熱抵抗体29,30
はプリント印刷またはスパッタリング等の手段を用いて
主基板部28A上に白金膜を着膜させることにより、主
基板部28Aの基端側と先端側とに実質的に均等な面積
をもって細長い長方形状に形成されている。そして、第
1の発熱抵抗体29は感温抵抗体31と共に第1の空気
通路25内に位置して主基板部28Aの基端側に設けら
れ、第2の発熱抵抗体30は感温抵抗体32と共に第2
の空気通路26内に位置して主基板部28Aの先端側に
設けられている。
【0043】ここで、該発熱抵抗体29,30は図5に
示す如く後述の基準抵抗39,40(抵抗値R1 )を介
してアースに接続され、従来技術で述べた発熱抵抗9と
ほぼ同様に外部からの通電により、例えば240℃前,
後の温度もって発熱する。そして、エンジンの作動に伴
いケーシング22内を吸入空気が流通するときには、空
気通路25,26内を流れるそれぞれの空気流で発熱抵
抗体29,30が冷却されることにより、この空気流の
流速(流量)に応じて発熱抵抗体29,30の抵抗値R
H1,RH2が変化する。この結果、図5に示す基準抵抗3
9,40と発熱抵抗体29,30との接続点a1 ,a2
から基準抵抗39,40の両端電圧を第1,第2の流量
検出信号V1 ,V2 として取出すことができる。
【0044】31,32は第1,第2の発熱抵抗体2
9,30と共に主基板部28A上に形成された第1,第
2の感温抵抗体を示し、該感温抵抗体31,32は抵抗
温度係数(ppm /℃)の高い、例えば白金、ニッケルま
たはタングステン等の金属膜をプリント印刷またはスパ
ッタリング等の手段で着膜させることにより形成され、
例えばケーシング22内を矢示A方向に流れる吸入空気
の流れ方向(主基板部28Aの幅方向)に対して、第1
の感温抵抗体31は第1の発熱抵抗体29の上流側に配
設され、第2の感温抵抗体32は第2の発熱抵抗体30
の下流側に配設されている。
【0045】ここで、第1の感温抵抗体31は第1の発
熱抵抗体29と共に第1の空気通路25内に配設され、
主基板部28A上で発熱抵抗体29に隣接して該発熱抵
抗体29と平行に延びるように長方形状に形成されてい
る。また、第2の感温抵抗体32は第2の発熱抵抗体3
0と共に第2の空気通路26内に配設され、主基板部2
8A上で発熱抵抗体30に隣接して該発熱抵抗体30と
平行に延びるように長方形状に形成されている。そし
て、感温抵抗体31,32は主基板部28A上で実質的
に均等な面積をもって形成され、通常時にはそれぞれ発
熱抵抗体29,30からの熱により主基板部28Aを介
して互いに等しい温度に加熱される。
【0046】さらに、該感温抵抗体31,32は発熱抵
抗体29,30からの熱により加熱された状態で、それ
ぞれ空気通路25,26内を流れる矢示A,B方向の空
気に接触したときに、この空気流で冷却されることによ
ってそれぞれの抵抗値RT1,RT2が変化する。そして、
ケーシング22内を矢示A方向(正方向)に吸入空気が
流れるときには、空気通路25内で空気の流速が空気通
路26よりも速くなっているから、空気通路25内に位
置する感温抵抗体31がこの空気流によって大きく冷却
され、該感温抵抗体31の抵抗値RT1は大幅に減少す
る。これに対し、空気通路26内に位置する感温抵抗体
32は、空気通路26内を矢示A方向に流れる空気の流
速が空気通路25よりも遅くなっているから、感温抵抗
体31よりも大きく冷却されることはなく、該感温抵抗
体32の抵抗値RT2はそれ程大きくは変化しない。
【0047】一方、ケーシング22内を矢示B方向(逆
方向)に空気が流れるときには、空気通路26内で空気
の流速が空気通路25よりも速くなるため、空気通路2
6内の感温抵抗体32がこの逆方向の空気流によって大
きく冷却され、該感温抵抗体32の抵抗値RT2は感温抵
抗体31の抵抗値RT1に比較して大きく減少する。従っ
て、感温抵抗体31,32間の抵抗値RT1,RT2の差に
基づいて空気流が正方向であるか、逆方向であるかを判
別することが可能となる。
【0048】ここで、絶縁基板28の主基板部28Aは
検出ヘッド24の空気通路25,26内をそれぞれ直径
方向に延びることによって、主基板部28A上に発熱抵
抗体29,30および感温抵抗体31,32をコンパク
トに形成させると共に、発熱抵抗体29,30および感
温抵抗体31,32の表面積(実装面積)を可及的に増
大させ、例えば空気通路25,26内を矢示A,B方向
に流れる空気流との接触面積を大きくできるようになっ
ている。
【0049】33は絶縁基板28の副基板部28B上に
形成された温度補償抵抗体を示し、該温度補償抵抗体3
3は従来技術で述べた温度補償抵抗11とほぼ同様に構
成され、プリント印刷またはスパッタリング等の手段を
用いて副基板部28B上に白金膜を着膜させることによ
り形成されている。そして、該温度補償抵抗体33は発
熱抵抗体29,30よりも大きい抵抗値RK を有し、図
5に示すように抵抗値R2 の流量調整抵抗34を介して
アースに接続されている。また、温度補償抵抗体33と
流量調整抵抗34との接続点bは後述する差動増幅器4
5,46の反転入力端子に接続され、流量調整抵抗34
の両端電圧に基づく基準電圧Vb をそれぞれ差動増幅器
45,46に出力する。
【0050】35,35,…は絶縁基板28の基端側に
形成された例えば10個の電極を示し、該各電極35は
絶縁基板28の幅方向に所定間隔をもって列設され、絶
縁基板28の基端側を前記検出ヘッド24のスロット2
4A内に差込むことにより、該検出ヘッド24側の各タ
ーミナル(図示せず)に接続される。そして、各電極3
5はこのときに前記発熱抵抗体29,30、感温抵抗体
31,32および温度補償抵抗体33等を後述する電流
制御用トランジスタ37,38のエミッタ側とアースと
の間に接続し、これらの発熱抵抗体29,30、感温抵
抗体31,32および温度補償抵抗体33等は回路ケー
ス27内に設けた各電子部品と共に図5に示す流量検出
用の処理回路を構成するようになる。
【0051】次に、図5を参照して流量検出用の処理回
路について説明する。
【0052】図中、36はバッテリ電圧VB をもった直
流電源、37,38はコレクタ側が該直流電源36に接
続された電流制御用トランジスタを示し、該電流制御用
トランジスタ37,38はそれぞれエミッタ側が発熱抵
抗体29,30に接続され、ベース側が差動増幅器4
5,46の出力端子に接続されている。そして、該電流
制御用トランジスタ37,38は直流電源36から発熱
抵抗体29,30、感温抵抗体31,32および温度補
償抵抗体33に印加(給電)する電流を、差動増幅器4
5,46からの出力信号に基づき制御している。
【0053】39,40は発熱抵抗体29,30に接続
点a1 ,a2 を介して接続された基準抵抗を示し、該基
準抵抗39,40は同一の抵抗値R1 を有し、空気流の
流速(流量)に応じて発熱抵抗体29,30の抵抗値R
H1,RH2が変化することにより、該発熱抵抗体29,3
0との接続点a1 ,a2 から基準抵抗39,40の両端
電圧を第1,第2の流量検出信号V1 ,V2 として後述
の差動増幅器47に出力させるものである。
【0054】41,42は感温抵抗体31,32とアー
スとの間に接続点c1 ,c2 を介して接続された固定抵
抗を示し、該固定抵抗41,42は同一の抵抗値R3 を
有し、感温抵抗体31,32との接続点c1 ,c2 が後
述する差動増幅器45,46の非反転入力端子に接続さ
れている。そして、第1,第2の感温抵抗体31,32
と固定抵抗41,42との直列接続部は、温度補償抵抗
体33と流量調整抵抗34の直列接続部と共に第1,第
2のブリッジ回路43,44を構成するようになってい
る。
【0055】ここで、第1のブリッジ回路43は感温抵
抗体31、固定抵抗41、温度補償抵抗体33および流
量調整抵抗34からなり、それぞれ対向する辺の抵抗値
の積が等しくなるブリッジとして構成されている。ま
た、感温抵抗体31と温度補償抵抗体33との接続点d
は直流電源36に接続され、流量調整抵抗34と固定抵
抗41との接続点eはアースに接続されている。そし
て、該ブリッジ回路43は第1の発熱抵抗体29等と共
に第1の検出手段を構成し、空気通路25内を流れる空
気流で感温抵抗体31が冷却されるときに、該感温抵抗
体31の抵抗値RH1が変化することにより、感温抵抗体
31と固定抵抗41との接続点c1 から該固定抵抗41
の両端電圧に基づく第1の検出電圧Vc1を出力する。
【0056】また、第2のブリッジ回路44は感温抵抗
体32、固定抵抗41、温度補償抵抗体33および流量
調整抵抗34からなり、それぞれ対向する辺の抵抗値の
積が等しくなるブリッジとして構成されている。なお、
感温抵抗体32と温度補償抵抗体33との接続点dも直
流電源36に接続され、流量調整抵抗34と固定抵抗4
1との接続点eはアースに接続されている。そして、該
ブリッジ回路44は第2の発熱抵抗体30等と共に第2
の検出手段を構成し、空気通路26内を流れる空気流で
感温抵抗体32が冷却されるときに、該感温抵抗体32
の抵抗値RH2が変化することによって、感温抵抗体32
と固定抵抗42との接続点a2 から該固定抵抗42の両
端電圧に基づく第2の検出電圧Vc2を出力する。
【0057】45,46は電流制御用トランジスタ3
7,38等と共に回路ケース27に内蔵された第1,第
2の差動増幅器を示し、該差動増幅器45,46の反転
入力端子は温度補償抵抗体33と流量調整抵抗34との
間の接続点bに接続され、非反転入力端子は感温抵抗体
31,32と固定抵抗41,42との接続点c1 ,c2
に接続されている。そして、該差動増幅器45(46)
は出力端子が電流制御用トランジスタ37(38)のベ
ースに接続され、接続点c1 ,b(接続点c2 ,b)か
らの検出電圧Vc1,基準電圧Vb (検出電圧Vc2,基準
電圧Vb )間の電圧差に基づき、直流電源36から発熱
抵抗体29(30)に印加(給電)する電流を電流制御
用トランジスタ37,38で制御させる。
【0058】さらに、47は流量信号出力手段を構成す
る他の差動増幅器を示し、該差動増幅器47は非反転入
力端子が第1の発熱抵抗体29の接続点a1 に接続さ
れ、反転入力端子が第2の発熱抵抗体30の接続点a2
に接続されている。そして、該差動増幅器47は接続点
a1 ,a2 からの流量検出信号V1 ,V2 を比較し、
【0059】
【数1】 Vout =K×(V1 −V2 ) 但し、K:増幅率 なる演算を行うことによって、ケーシング22内を矢示
A方向に流れる吸入空気の流量に対応した出力電圧Vou
t を出力端子48から出力する。
【0060】本実施例による熱式空気流量検出装置21
は上述の如き構成を有するもので、次にケーシング22
内を流れる吸入空気の流量検出動作について説明する。
【0061】まず、エンジン本体の始動と同時に直流電
源36から電流制御用トランジスタ37,38を介して
発熱抵抗体29,30に電圧を印加し、例えば240℃
前,後の温度で発熱抵抗体29,30を発熱させる。こ
の結果、該発熱抵抗体29,30からの熱で感温抵抗体
31,32は絶縁基板28の主基板部28Aを介して加
熱され、第1,第2のブリッジ回路43,44は平衡状
態に近付き、接続点c1 ,b(接続点c2 ,b)から差
動増幅器45(46)に出力される検出電圧Vc1,基準
電圧Vb (検出電圧Vc2,基準電圧Vb )間の電圧差が
小さくなるに応じて、直流電源36から発熱抵抗体29
(30)に印加(給電)する電流は電流制御用トランジ
スタ37,38で漸次小さくなるように制御される。
【0062】そして、この状態でケーシング22内を吸
入空気が図1に示す矢示A方向(正方向)に流れるとき
に、検出ヘッド24に形成した第1,第2の空気通路2
5,26のうち、空気通路25側では図4中に実線で示
す特性線q1 のように空気流の流速が速くなり、空気通
路26側では図4中に一点鎖線で示す特性線q2 のよう
に、空気流の流速が特性線q1 の流速に比較して遅くな
る。
【0063】この結果、空気通路25,26の途中に設
けた第1,第2の発熱抵抗体29,30のうち、発熱抵
抗体29は発熱抵抗体30よりも大きくこのときの空気
流で冷却されるようになり、発熱抵抗体29の抵抗値R
H1は発熱抵抗体30の抵抗値RH2よりも大きく減少する
と共に、該発熱抵抗体29,30からの熱で主基板部2
8Aを介して加熱されている感温抵抗体31,32のう
ち、空気通路25内に位置する感温抵抗体31がこの空
気流によって大きく冷却されるから、該感温抵抗体31
の抵抗値RT1は感温抵抗体32の抵抗値RT2よりも大き
く減少する。
【0064】そして、図5に示す第1のブリッジ回路4
3では感温抵抗体31と固定抵抗41との接続点c1 に
おける電圧レベル(第1の検出電圧Vc1) が、第2のブ
リッジ回路44の接続点c2 における電圧レベル(第2
の検出電圧Vc2)よりも大きくなる。この結果、差動増
幅器45の出力電圧は差動増幅器46の出力電圧よりも
増大し、電流制御用トランジスタ37のコレクタ−エミ
ッタ間を流れる電流が電流制御用トランジスタ37側よ
りも大きくなるので、発熱抵抗体29,30の接続点a
1 ,a2 から基準抵抗39,40の両端電圧として出力
される第1,第2の流量検出信号V1 ,V2 には、この
ときの空気流量に対応した電圧差が生じる。
【0065】そして、差動増幅器47はこのときの流量
検出信号V1 ,V2 に基づき前記数1の式による出力電
圧Vout を出力端子48から出力し、この出力電圧Vou
t によって実際の吸入空気流量に対応した流量信号を取
出すことができる上に、この場合の流量検出信号V1 は
流量検出信号V2 よりも大きな電圧値となるから、出力
電圧Vout を正の流量信号として出力できる。
【0066】また、ブリッジ回路43,44では感温抵
抗体31,32がこのときの空気流で冷却され、接続点
c1 ,c2 の電圧レベル(検出電圧Vc1,Vc2)が接続
点bの電圧レベル(基準電圧Vb )よりも大きくなって
いるから、差動増幅器45,46は接続点c1 ,c2 と
接続点bとの電位差に基づいて、直流電源36から発熱
抵抗体29,30に印加(給電)する電流を電流制御用
トランジスタ37,38を介して制御させる。なお、発
熱抵抗体29,30には温度補償抵抗体33等に比較し
て大きな電流が供給され、発熱抵抗体29,30がこれ
によって再び240℃に近い温度で発熱するようにな
る。
【0067】そして、このときには発熱抵抗体29,3
0および基準抵抗39,40に供給される電流に応じて
接続点a1 ,a2 の電圧レベルが上昇し、これはケーシ
ング22内を流れる吸入空気の流量に対応して増減する
ので、差動増幅器47は接続点a1 ,a2 からの流量検
出信号V1 ,V2 に基づき出力電圧Vout を正の流量信
号として出力端子48に出力させ、このときの出力電圧
Vout によって吸入空気の流量を検出する。
【0068】一方、エンジン回転数が低速域から中速域
等に達して吸,排気量が増大し、吸気弁と排気弁(図示
せず)とがオーバラップする等の理由で、排気の一部が
吸気弁の開弁に伴ってケーシング22内に吹返し流速が
負(マイナス)となって、図12中に時間t1 ,t2 と
して例示したようにケーシング22内に矢示B方向の逆
流が発生したときには、検出ヘッド24の空気通路26
側で図4中に示す特性線q1 のように空気流の流速が速
くなり、空気通路25側では図4中に示す特性線q2 の
ように空気流の流速が遅くなるから、空気通路26の途
中に設けた発熱抵抗体30は、空気通路25の途中に設
けた発熱抵抗体29よりも大きくこのときの空気流で冷
却される。
【0069】この結果、発熱抵抗体30の抵抗値RH2は
発熱抵抗体29の抵抗値RH1よりも大きく減少すると共
に、空気通路26内に位置する感温抵抗体32の抵抗値
RT2が感温抵抗体31の抵抗値RT1よりも大きく減少
し、図5に示す第2のブリッジ回路44では感温抵抗体
32と固定抵抗42との接続点c2 における電圧レベル
(検出電圧Vc2)が第1のブリッジ回路43の接続点c
1 における電圧レベル(検出電圧Vc1)よりも大きくな
る。
【0070】そして、差動増幅器46からの出力電圧は
差動増幅器45の出力電圧よりも増大し、電流制御用ト
ランジスタ37側の電流が電流制御用トランジスタ37
側よりも大きくなるので、発熱抵抗体29,30の接続
点a1 ,a2 から基準抵抗39,40の両端電圧として
出力される第1,第2の流量検出信号V1 ,V2 に、こ
のときの空気流量に対応した電圧差が生じ、差動増幅器
47はこのときの流量検出信号V1 ,V2 に基づき前記
数1の式による出力電圧Vout を出力端子45から出力
する。そして、この出力電圧Vout によって実際の吸入
空気流量に対応した流量信号を取出すことができ、この
場合には、流量検出信号V1 が流量検出信号V2 よりも
小さな電圧値となっているから、出力電圧Vout は負の
流量信号として出力されるようになる。
【0071】而して、本実施例によれば、ケーシング2
2内に突出させて設けた検出ヘッド24に、ケーシング
22の中心軸O−Oに対して対称となる位置に第1,第
2の空気通路25,26を形成し、該空気通路25,2
6を空気流の方向(矢示A,B方向)に対しては互いに
逆向きに拡開するテーパ形状とすると共に、該空気通路
25,26の途中には絶縁基板28の主基板部28Aと
副基板部28Bとを介して第1,第2の発熱抵抗体2
9,30、第1,第2の感温抵抗体31,32と温度補
償抵抗体33とを設ける構成としたから、下記のような
作用効果を得ることができる。
【0072】即ち、第1の空気通路25は正方向(矢示
A方向)の空気流に対して上流側の開口端25Aが下流
側の開口端25Bよりも小径となるように形成し、該開
口端25B側の通路面積を開口端25A側の通路面積よ
りも大きくすることにより、ケーシング22内を正方向
(矢示A方向)に流れる空気流の流速を空気通路25内
で速くでき、逆方向(矢示B方向)の空気流に対しては
流速を遅くすることができる。
【0073】一方、第2の空気通路26は正方向(矢示
A方向)の空気流に対して上流側の開口端26Aが下流
側の開口端26Bよりも大径となるように形成し、開口
端26A側の通路面積を開口端26B側の通路面積より
も大きくすることによって、ケーシング22内を正方向
(矢示A方向)に流れる空気流の流速を空気通路26内
で遅くでき、逆方向(矢示B方向)の空気流に対しては
流速を速くすることができる。
【0074】この結果、吸入空気がケーシング22内を
正方向に流れるときには、空気通路25,26の途中に
設けた第1,第2の発熱抵抗体29,30のうち、発熱
抵抗体29が発熱抵抗体30よりも大きくこのときの空
気流で冷却され、発熱抵抗体29の抵抗値RH1は発熱抵
抗体30の抵抗値RH2よりも大きく減少すると共に、発
熱抵抗体29,30からの熱で主基板部28Aを介して
加熱されている感温抵抗体31,32のうち、空気通路
25内に位置する感温抵抗体31がこの空気流によって
大きく冷却され、該感温抵抗体31の抵抗値RT1は感温
抵抗体32の抵抗値RT2よりも大きく減少する。
【0075】そして、図5に示す第1のブリッジ回路4
3では感温抵抗体31と固定抵抗41との接続点c1 に
おける電圧レベル(第1の検出電圧Vc1) が、第2のブ
リッジ回路44の接続点c2 における電圧レベル(第2
の検出電圧Vc2)よりも大きくなるから、差動増幅器4
5の出力電圧が差動増幅器46の出力電圧よりも増大し
て、電流制御用トランジスタ37側の電流が電流制御用
トランジスタ38側よりも大きくなり、発熱抵抗体2
9,30の接続点a1 ,a2 から基準抵抗39,40の
両端電圧として出力される第1,第2の流量検出信号V
1 ,V2 に、このときの空気流量に対応した電圧差を生
じさせることができる。
【0076】これによって、差動増幅器47で流量検出
信号V1 ,V2 に基づき前記数1の式による出力電圧V
out を出力端子48から出力できると共に、この出力電
圧Vout によって実際の吸入空気流量に対応した流量信
号を取出すことができ、この場合の流量検出信号V1 は
流量検出信号V2 よりも大きな電圧値となるから、出力
電圧Vout を正の流量信号として出力できる。
【0077】また、ケーシング22内に矢示B方向の逆
流が発生したときには、検出ヘッド24の空気通路26
側で空気流の流速が速くなり、空気通路25側では空気
流の流速が遅くなるから、空気通路26の途中に設けた
発熱抵抗体30および感温抵抗体32を、空気通路25
の途中に設けた発熱抵抗体29および感温抵抗体31よ
りも大きく冷却でき、発熱抵抗体30の抵抗値RH2を発
熱抵抗体29の抵抗値RH1よりも大きく減少させて、接
続点a1 ,a2 から出力される第1,第2の流量検出信
号V1 ,V2 に、このときの空気流量に対応した電圧差
を生じさせることができる。
【0078】そして、差動増幅器47はこのときの流量
検出信号V1 ,V2 に基づき前記数1の式による出力電
圧Vout を出力端子48から出力し、この出力電圧Vou
t によって実際の吸入空気流量に対応した流量信号を取
出すことができ、この場合には、流量検出信号V1 が流
量検出信号V2 よりも小さな電圧値となるから、出力電
圧Vout を負の流量信号として出力することができる。
【0079】かくして、本実施例によれば、ケーシング
22内を流れる吸入空気の流量を、発熱抵抗体29,3
0の抵抗値RH1,RH2に基づき接続点a1 ,a2 から出
力される流量検出信号V1 ,V2 の電圧差により、出力
電圧Vout として取出すことができると共に、このとき
の空気流の方向も出力電圧Vout が正の流量信号である
か、負の流量信号であるかとして確実に検出できる。従
って、エンジンの中速域等でケーシング22内に排気が
吹返して逆流が生じるようなときでも、吸入空気の流量
を高精度に検出することができ、A/F制御の信頼性を
確実に向上できる。
【0080】また、流量計本体23の検出ヘッド24内
に設けた単一の絶縁基板28には、第1の空気通路25
および第2の空気通路26内に亘って延びる長尺の主基
板部28Aと第1の空気通路25内に延びる短尺の副基
板部28Bとを一体形成し、該副基板部28Bを主基板
部28Aからスリット28Cを介して空気の流れ方向で
離間させると共に、主基板部28A上には第1,第2の
発熱抵抗体29,30および第1,第2の感温抵抗体3
1,32を着膜形成したから、主基板部28Aの限られ
た表面スペースを有効に利用して第1,第2の発熱抵抗
体29,30および第1,第2の感温抵抗体31,32
をコンパクトに形成でき、発熱抵抗体30の表面積(実
装面積)を可能な限り大きくすることができる。
【0081】さらに、主基板部28Aの長さ方向中間部
には長方形状の打抜き穴28Dを形成し、主基板部28
Aの基端側に位置する第1の発熱抵抗体29、感温抵抗
体31と主基板部28Aの先端側に位置する第2の発熱
抵抗体30、感温抵抗体32とを、打抜き穴28Dの
前,後で大きく離間させる構成としているから、第1の
発熱抵抗体29(感温抵抗体31)と第2の発熱抵抗体
30(感温抵抗体32)とを打抜き穴28Dによって熱
的に分離でき、発熱抵抗体29(30)からの熱が主基
板部28Aを介して発熱抵抗体30(29)に伝わるの
を確実に防止できる。そして、発熱抵抗体29からの熱
で感温抵抗体31を所要温度まで加熱できると共に、発
熱抵抗体30からの熱で感温抵抗体32を所要温度まで
加熱でき、感温抵抗体31,32間を効果的に断熱する
ことができる。
【0082】さらにまた、空気通路25,26内を流れ
る空気流に対してそれぞれ発熱抵抗体29,30および
感温抵抗体31,32の接触面積を大きく取ることがで
き、これらの抵抗値RH1,RH2,RT1,RT2を空気流に
対して敏感に高い応答性をもって変化させることができ
る。
【0083】また、絶縁基板28の主基板部28Aと副
基板部28Bとの間には、該副基板部28Bの先端側か
ら基端側に向けて延びるスリット28Cを形成すること
によって、主基板部28Aと副基板部28Bとを空気の
流れ方向で離間させると共に、副基板部28B上には温
度補償抵抗体33を形成しているから、単一の絶縁基板
28上に発熱抵抗体29,30および感温抵抗体31,
32と共に温度補償抵抗体33を着膜形成でき、部品点
数を削減することができる。そして、発熱抵抗体29,
30で加熱される主基板部28Aから副基板部28Bに
熱が逃げるのをスリット28Cによって防止でき、主基
板部28Aを早期に温度上昇させることができる等、種
々の効果を奏する。
【0084】次に、図6ないし図8は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例の特徴は、ケーシング内に突出さ
せて設けた検出ヘッドに、ケーシングの中心軸O−Oに
対して対称となる位置に第1,第2の空気通路を形成
し、該第1,第2の空気通路の途中には第1,第2の発
熱抵抗体と第1,第2の温度補償抵抗体とを絶縁基板を
介して設ける構成としたことにある。なお、本実施例で
は前記第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
【0085】図中、51は本実施例による熱式空気流量
検出装置を示し、該熱式空気流量検出装置51は前記第
1の実施例で述べた熱式空気流量検出装置21と同様
に、筒状のケーシング22と、回路ケース27および後
述の検出ヘッド53からなる流量計本体52とから構成
されている。
【0086】53は本実施例による検出ヘッドを示し、
該検出ヘッド53は前記第1の実施例で述べた検出ヘッ
ド24と同様に、第1,第2の空気通路25,26が形
成されているものの、検出ヘッド53には図6に示す如
く、後述する絶縁基板54を位置決めするためのスロッ
ト53A,53Bが形成され、該スロット53Aは絶縁
基板54の基端側が着脱可能に装着される構成となって
いる。また、スロット53Bは空気通路25,26間に
位置し、絶縁基板54の長さ方向中間部が装着されるよ
うに、絶縁基板54の幅寸法および厚さ寸法に対応した
寸法をもって形成されている。
【0087】54は検出ヘッド53内に取付けられる絶
縁基板を示し、該絶縁基板54は、例えばガラス,酸化
アルミニウム(アルミナ)または窒化アルミニウム等の
絶縁性材料により、長さ寸法が30〜80mm前,後、幅
寸法が5〜12mm前,後となって長方形の平板状に形成
されている。また、該絶縁基板54は基端側が検出ヘッ
ド53のスロット53Aに着脱可能に取付けられる固定
端となり、先端側が自由端となって空気通路26内に延
びている。
【0088】ここで、該絶縁基板54は図7に示す如
く、基端側から先端側に向けて細長く短冊状に延びた第
1,第2の基板部54A,54Bと、該基板部54A,
54B間を先端側から基端側に向けて延びる細長いスリ
ット54Cとから構成されている。そして、該スリット
54Cは絶縁基板54の幅方向で第1の基板部54Aと
第2の基板部54Bとを一定の間隙を介して離間させ、
両者を熱的に絶縁すると共に、該基板部54A,54B
を基端側で一体的に連結させている。
【0089】また、該基板部54Bは矢示A方向の空気
流に対して基板部54Aよりも上流側に位置し、検出ヘ
ッド53のスロット53B内に装着される中間部にはス
リット54Cの途中に位置して長方形状をなす打抜き穴
54Dが形成されている。そして、該打抜き穴54Dは
絶縁基板54の先端側と基端側との間、即ち後述の発熱
抵抗体55,56(温度補償抵抗体59,60)間を熱
的に絶縁するようになっている。
【0090】55,56は絶縁基板54の基板部54A
上に形成された第1,第2の検出手段を構成する第1,
第2の発熱抵抗体を示し、該発熱抵抗体55,56はプ
リント印刷またはスパッタリング等の手段を用いて基板
部54A上に白金膜を着膜させることにより、基板部5
4Aの基端側と先端側とに実質的に均等な面積をもって
細長い長方形状に形成されている。そして、第1の発熱
抵抗体55は第1の空気通路25内に位置して基板部5
4Aの基端側に設けられ、第2の発熱抵抗体56は第2
の空気通路26内に位置して基板部54Aの先端側に設
けられている。また、該発熱抵抗体55,56は図8に
示す如く抵抗値R4 の基準抵抗57,58に接続点a1
,a2 を介して直列接続され、この接続点a1 ,a2
は後述する差動増幅器68,69の非反転入力端子に接
続されている。
【0091】ここで、該発熱抵抗体55,56は後述の
温度補償抵抗体59,60等と共に第1,第2の検出手
段を構成し、エンジンの作動時には直流電源36から電
圧を印加されることにより、例えば240℃前,後の温
度をもって発熱する。そして、エンジンの作動に伴いケ
ーシング22内を吸入空気が流通するときには、空気通
路25,26内を流れるそれぞれの空気流で発熱抵抗体
55,56が冷却されることにより、この空気流の流速
(流量)に応じて発熱抵抗体55,56の抵抗値RH1,
RH2が変化する。この結果、図8に示す基準抵抗57,
58と発熱抵抗体55,56との接続点a1 ,a2 から
基準抵抗57,58の両端電圧を第1,第2の流量検出
信号VA ,VB として取出すことができる。
【0092】59,60は空気通路25,26内に位置
して絶縁基板54の基板部54B上にそれぞれ設けられ
た温度補償抵抗体を示し、該温度補償抵抗体59,60
は前記第1の実施例で述べた温度補償抵抗体33とほぼ
同様に、プリント印刷またはスパッタリング等の手段を
用いて基板部54B上に白金膜を着膜させることにより
形成されている。ここで、該温度補償抵抗体59,60
は発熱抵抗体55,56よりも大きい一定の抵抗値RK
を有し、図8に示すように抵抗値R5 の流量調整抵抗6
1,62に接続点b1 ,b2 を介して直列接続されてい
る。また、該温度補償抵抗体59,60と流量調整抵抗
61,62との接続点b1 ,b2 は差動増幅器68,6
9の反転入力端子に接続されている。
【0093】63,63,…は絶縁基板54の基端側に
形成された例えば6個の電極で、該各電極63は絶縁基
板54の幅方向に所定間隔をもって列設され、絶縁基板
54の基端側を前記検出ヘッド53のスロット53A内
に差込むことにより、該検出ヘッド53側の各ターミナ
ル(図示せず)に接続される。そして、各電極63はこ
のときに前記発熱抵抗体55,56および温度補償抵抗
体59,60を後述する電流制御用トランジスタ64,
65のエミッタ側とアースとの間に接続し、これらの発
熱抵抗体55,56および温度補償抵抗体59,60等
は回路ケース27内に設けた各電子部品と共に図8に示
す流量検出用の処理回路を構成するようになる。
【0094】次に、図8を参照して流量検出用の処理回
路について説明する。
【0095】図中、64,65はコレクタ側が直流電源
36に接続された電流制御用トランジスタを示し、該電
流制御用トランジスタ64,65はエミッタ側が発熱抵
抗体55,56および温度補償抵抗体59,60に接続
点d1 ,d2 を介して接続され、ベース側が差動増幅器
68,69の出力端子に接続されている。そして、該電
流制御用トランジスタ64,65は直流電源36から発
熱抵抗体55,56および温度補償抵抗体59,60等
に印加(給電)する電流を、差動増幅器68,69から
の出力信号に基づき制御している。
【0096】66,67は発熱抵抗体55,56等から
構成される第1,第2の検出手段としてのブリッジ回路
を示し、該ブリッジ回路66は発熱抵抗体55、基準抵
抗57、温度補償抵抗体59および流量調整抵抗61か
らなり、それぞれ対向する辺の抵抗値の積が等しくなる
ブリッジとして構成されている。また、発熱抵抗体55
と温度補償抵抗体59との接続点d1 は電流制御用トラ
ンジスタ64のエミッタ側に接続され、流量調整抵抗6
1と基準抵抗57との接続点e1 はアースに接続されて
いる。そして、該ブリッジ回路66は、空気通路25内
を流れる空気流で発熱抵抗体55が冷却されるときに、
該発熱抵抗体55の抵抗値RH1が変化することにより、
発熱抵抗体55と基準抵抗57との接続点a1 から該基
準抵抗57の両端電圧に基づく第1の流量検出信号VA
を出力する。
【0097】また、ブリッジ回路67は発熱抵抗体5
6、基準抵抗58、温度補償抵抗体60および流量調整
抵抗62からなり、それぞれ対向する辺の抵抗値の積が
等しくなるブリッジとして構成されている。そして、発
熱抵抗体56と温度補償抵抗体60との接続点d2 は電
流制御用トランジスタ65のエミッタ側に接続され、流
量調整抵抗62と基準抵抗58との接続点e2 はアース
に接続されている。そして、該ブリッジ回路67は、空
気通路26内を流れる空気流で発熱抵抗体56が冷却さ
れるときに、該発熱抵抗体56の抵抗値RH2が変化する
ことによって、発熱抵抗体56と基準抵抗58との接続
点a2 から該基準抵抗58の両端電圧に基づく第2の流
量検出信号VB を出力する。
【0098】68,69は電流制御用トランジスタ6
4,65等と共に回路ケース27に内蔵された第1,第
2の差動増幅器を示し、該差動増幅器68,69の反転
入力端子は温度補償抵抗体59,60と流量調整抵抗6
1,62との間の接続点b1 ,b2 に接続され、非反転
入力端子は発熱抵抗体55,56と基準抵抗57,58
との接続点a1 ,a2 に接続されている。そして、該差
動増幅器68(69)は出力端子が電流制御用トランジ
スタ64(65)のベースに接続され、接続点a1 ,b
1 (接続点a2 ,b2 )間の電位差に基づき、直流電源
36から発熱抵抗体55(56)および温度補償抵抗体
59(60)に印加する電流を電流制御用トランジスタ
64,65で制御させる。
【0099】さらに、70は流量信号出力手段を構成す
る他の差動増幅器を示し、該差動増幅器70は非反転入
力端子が第1のブリッジ回路66の接続点a1 に接続さ
れ、反転入力端子がブリッジ回路67の接続点a2 に接
続されている。そして、該差動増幅器70は接続点a1
,a2 からの流量検出信号VA ,VB を比較し、
【0100】
【数2】 Vout =K×(VA −VB ) 但し、K:増幅率 なる演算を行うことによって、ケーシング22内を矢示
A方向に流れる吸入空気の流量に対応した出力電圧Vou
t を出力端子71から出力する。
【0101】本実施例による熱式空気流量検出装置51
は上述の如き構成を有するもので、次にケーシング22
内を流れる吸入空気の流量検出動作について説明する。
【0102】まず、エンジン本体の始動と同時に直流電
源36から電流制御用トランジスタ64,65を介して
発熱抵抗体55,56および温度補償抵抗体59,60
等に電圧を印加し、例えば240℃前,後の温度で発熱
抵抗体55,56を発熱させる。
【0103】そして、この状態でケーシング22内を吸
入空気が図6に示す矢示A方向(正方向)に流れるとき
に、検出ヘッド53に形成した第1,第2の空気通路2
5,26のうち、空気通路25側では図4中に実線で示
す特性線q1 のように空気流の流速が速くなり、空気通
路26側では図4中に一点鎖線で示す特性線q2 のよう
に、空気流の流速が特性線q1 の流速に比較して遅くな
る。
【0104】この結果、空気通路25,26の途中に設
けた第1,第2の発熱抵抗体55,56のうち、発熱抵
抗体55は発熱抵抗体56よりも大きくこのときの空気
流で冷却されるようになり、発熱抵抗体55の抵抗値R
H1は発熱抵抗体56の抵抗値RH2よりも大きく減少し、
図8に示す第1のブリッジ回路66では発熱抵抗体55
と基準抵抗57との接続点a1 における電圧レベルが第
2のブリッジ回路67の接続点a2 における電圧レベル
よりも大きくなり、この接続点a1 ,a2 から基準抵抗
57,58の両端電圧として出力される第1,第2の流
量検出信号VA,VB には、このときの空気流量に対応
した電圧差が生じる。
【0105】そして、差動増幅器70はこのときの流量
検出信号VA ,VB に基づき前記数2の式による出力電
圧Vout を出力端子71から出力し、この出力電圧Vou
t によって実際の吸入空気流量に対応した流量信号を取
出すことができる上に、この場合の流量検出信号VA は
流量検出信号VB よりも大きな電圧値となるから、出力
電圧Vout を正の流量信号として出力できる。
【0106】また、ブリッジ回路66,67では発熱抵
抗体55,56がこのときの空気流で冷却され、接続点
a1 ,a2 の電圧レベルが接続点b1 ,b2 の電圧レベ
ルよりも大きくなっているから、差動増幅器68,69
は接続点a1 ,a2 と接続点b1 ,b2 との電位差に基
づいて、直流電源36から発熱抵抗体55,56および
温度補償抵抗体59,60等に印加(給電)する電流を
電流制御用トランジスタ64,65を介して制御させ
る。なお、発熱抵抗体55,56には温度補償抵抗体5
9,60に比較して大きな電流が供給され、発熱抵抗体
55,56がこれによって再び240℃に近い温度で発
熱するようになる。
【0107】そして、このときには発熱抵抗体55,5
6および基準抵抗57,58に供給される電流に応じて
接続点a1 ,a2 の電圧レベルが上昇し、これはケーシ
ング22内を流れる吸入空気の流量に対応して増減する
ので、差動増幅器70は接続点a1 ,a2 からの流量検
出信号VA ,VB に基づき出力電圧Vout を正の流量信
号として出力端子71に出力させ、このときの出力電圧
Vout によって吸入空気の流量を検出する。
【0108】一方、エンジン回転数が低速域から中速域
等に達して吸,排気量が増大し、吸気弁と排気弁(図示
せず)とがオーバラップする等の理由で、排気の一部が
吸気弁の開弁に伴ってケーシング22内に吹返し流速が
負(マイナス)となって、図12中に時間t1 ,t2 と
して例示したようにケーシング22内に矢示B方向の逆
流が発生したときには、検出ヘッド53の空気通路26
側で図4中に示す特性線q1 のように空気流の流速が速
くなり、空気通路25側では図4中に示す特性線q2 の
ように空気流の流速が遅くなるから、空気通路26の途
中に設けた発熱抵抗体56は、空気通路25の途中に設
けた発熱抵抗体55よりも大きくこのときの空気流で冷
却される。
【0109】この結果、発熱抵抗体56の抵抗値RH2は
発熱抵抗体55の抵抗値RH1よりも大きく減少し、図8
に示す第2のブリッジ回路67では発熱抵抗体56と基
準抵抗57との接続点a2 における電圧レベルが第1の
ブリッジ回路66の接続点a1 における電圧レベルより
も大きくなり、この接続点a1 ,a2 から基準抵抗5
7,58の両端電圧として出力される第1,第2の流量
検出信号VA ,VB には、このときの空気流量に対応し
た電圧差が生じる。
【0110】そして、差動増幅器70はこのときの流量
検出信号VA ,VB に基づき前記数2の式による出力電
圧Vout を出力端子71から出力し、この出力電圧Vou
t によって実際の吸入空気流量に対応した流量信号を取
出すことができ、この場合には、流量検出信号VA が流
量検出信号VB よりも小さな電圧値となっているから、
出力電圧Vout は負の流量信号として出力されるように
なる。
【0111】かくして、このように構成される本実施例
でも、ケーシング22内に突出させて設けた検出ヘッド
53に、ケーシング22の中心軸O−Oに対して対称と
なる位置に第1,第2の空気通路25,26を形成し、
該空気通路25,26の途中には第1,第2の発熱抵抗
体55,56と温度補償抵抗体59,60とを絶縁基板
54を介して設ける構成としたから、前記第1の実施例
とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、特に本実
施例では、空気流の方向を正確に判別でき、絶縁基板5
4を単純な形状に形成できる等の効果を奏する。
【0112】次に、図9は本発明の第3の実施例を示
し、本実施例では前記第2の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。し
かし、本実施例の特徴は、絶縁基板81を細長い長方形
状をなす平板上に形成し、該絶縁基板81の表面側には
第1,第2の発熱抵抗体82,83を着膜形成し、絶縁
基板81の裏面側には第1,第2の温度補償抵抗体8
4,85を着膜形成する構成としたことにある。
【0113】ここで、絶縁基板81は第2の実施例で述
べた絶縁基板54とほぼ同様に、基端側が検出ヘッド5
3のスロット53A内に着脱可能に取付けられる固定端
となり、先端側が空気通路26内へと延びて自由端とな
っている。しかし、該絶縁基板81は、例えばガラス、
酸化アルミニウム(アルミナ)または窒化アルミニウム
等の絶縁性材料により長方形の平板状に形成され、長さ
寸法が30〜80mm前,後、幅寸法が3〜10mm前,後
となっている。そして、該絶縁基板81の長さ方向中間
部には長方形状の打抜き穴81Aが形成され、該打抜き
穴81Aは第1,第2の発熱抵抗体82,83間を熱的
に絶縁する構成となっている。
【0114】また、第1,第2の発熱抵抗体82,83
は前記第2の実施例で述べた発熱抵抗体55,56とほ
ぼ同様に形成され、該発熱抵抗体82は第1の空気通路
25内に配設され、発熱抵抗体83は第2の空気通路2
6内に配設される。一方、絶縁基板81の裏面側に形成
した第1,第2の温度補償抵抗体84,85は第2の実
施例で述べた温度補償抵抗体59,60とほぼ同様に構
成され、該温度補償抵抗体84は第1の空気通路25内
に配設され、温度補償抵抗体85は第2の空気通路26
内に配設される。
【0115】そして、発熱抵抗体82,83は図8に例
示した発熱抵抗体55,56に替えて基準抵抗57,5
8に直列接続され、該発熱抵抗体82,83は外部から
の通電により、例えば240℃前,後の温度もって発熱
する。また、温度補償抵抗体84,85は図8に例示し
た温度補償抵抗体59,60に替えて流量調整抵抗6
1,62に直列接続される。
【0116】さらに、絶縁基板81の基端側には例えば
4個の電極86,86,…が絶縁基板81の幅方向に所
定間隔をもって列設され、絶縁基板81の基端側を前記
検出ヘッド53のスロット53A内に差込むことによ
り、該各電極86は検出ヘッド53側の各ターミナル
(図示せず)に接続される。
【0117】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第2の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、絶縁基板81をより
単純な形状に形成でき、コストダウンを図ることが可能
となる。
【0118】なお、前記第1の実施例では、絶縁基板2
8の主基板部28Aに第1,第2の発熱抵抗体29,3
0と共に設けた第1,第2の感温抵抗体31,32を、
発熱抵抗体29,30からの熱で主基板部28Aを介し
て加熱するものとして述べたが、これに替えて、感温抵
抗体31,32をそれぞれ直流電源36から通電により
自己発熱させる構成としてもよい。
【0119】また、前記各実施例では、検出ヘッド24
(53)に形成した第1,第2の空気通路25,26の
途中に絶縁基板28(54,81)を介して発熱抵抗体
29,30(55,56,82,83)と共に温度補償
抵抗体33(59,60,84,85)を設けるものと
して述べたが、本発明はこれに限らず、例えば温度補償
抵抗体を空気通路25,26の外部に位置して、ケーシ
ング22内で空気流に接触する任意の位置に設けれるよ
うにしてもよい。
【0120】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、請求
項1に記載の如く、ケーシング内を径方向に伸長する検
出ヘッドに第1,第2の空気通路を形成し、吸入空気が
ケーシング内を正方向に流れるときに、この空気流が第
1の空気通路内を速い流速で流れ、第2の空気通路内で
は遅い流速となるように構成したから、第1の空気通路
内に絶縁基板を介して設けた第1の検出手段により、正
方向の空気流量を第2の検出手段よりも大きな流量(流
速)をもって検出でき、ケーシング内を逆方向に空気が
流れるときには、第2の空気通路内に絶縁基板を介して
設けた第2の検出手段により、このときの空気流量を第
1の検出手段よりも大きな流量(流速)をもって検出で
きる。従って、逆方向の空気流による吸入空気流量の誤
検出を防止することが可能となり、流量の検出精度を向
上できると共に、A/F制御の信頼性を確実に向上でき
る。
【0121】そして、請求項2に記載の発明の如く、流
量信号出力手段で前記第1,第2の検出手段からそれぞ
れ出力される第1,第2の流量検出信号に基づいてケー
シング内を流れる空気流量に対応した流量信号を出力で
きると共に、前記第1,第2の流量検出信号を比較する
ことによって、前記ケーシング内を流れる空気流が正方
向であるときに、この流量信号を正の流量信号として出
力でき、逆方向の空気流であるときには負の流量信号と
して出力することができる。
【0122】また、請求項3に記載の発明にように、吸
入空気がケーシング内を正方向に流れるときに、第1の
空気通路ではこの空気流に対して上流側よりも下流側で
通路面積が大きくなり、第2の空気通路では正方向の空
気流に対して下流側よりも上流側で通路面積が大きくな
る構成とすることによって、第1の空気通路では正方向
の空気流に対する抵抗を確実に小さくして、正方向の流
速を速くでき、第2の空気通路では正方向の空気流に対
して大きな抵抗を与え、正方向の流速を第1の空気通路
に比較して遅くすることができる。
【0123】さらに、請求項4に記載の発明のように、
前記第1,第2の検出手段を少なくとも絶縁基板に形成
した第1,第2の発熱抵抗体で構成することにより、該
第1,第2の発熱抵抗体を第1,第2の空気通路内を流
れる空気の流速に応じてそれぞれの抵抗値を変化させ、
このときの抵抗値の変化から各空気通路内を流れる空気
の流量を流速に比例した値として取出すことができ、流
量の検出精度を向上できると共に、A/F制御の信頼性
を確実に向上させることができる。
【0124】さらにまた、請求項5に記載の発明のよう
に、前記第1,第2の検出手段を、それぞれ第1,第2
の空気通路内に位置して絶縁基板の主基板部上に形成さ
れた第1,第2の発熱抵抗体および第1,第2の感温抵
抗体と、前記絶縁基板の副基板部上に形成された温度補
償抵抗体とから構成することにより、第1,第2の空気
通路内を流れる空気流で第1,第2の発熱抵抗体および
第1,第2の感温抵抗体の抵抗値を変化させ、このとき
の抵抗値変化から各空気通路内を流れる空気の流量を流
速に比例した流量検出信号を取出すことができ、流量の
検出精度を効果的に向上できると共に、A/F制御の信
頼性を大幅に高めることができる。
【0125】また、単一の絶縁基板上に第1,第2の発
熱抵抗体、第1,第2の感温抵抗体および温度補償抵抗
体等を一体化して、全体をコンパクトに形成でき、部品
点数を削減できると共に、取付け時の作業性を大幅に向
上させることができる等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による熱式空気流量検出
装置を示す縦断面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向拡大断面図である。
【図3】絶縁基板上に形成された各発熱抵抗体、各感温
抵抗体および温度補償抵抗体等を拡大して示す平面図で
ある。
【図4】ケーシング内を流れる空気の流量と空気通路内
での流速との関係を示す特性線図である。
【図5】第1の実施例による熱式空気流量検出装置の回
路構成を示す回路図である。
【図6】第2の実施例による熱式空気流量検出装置を示
す縦断面図である。
【図7】絶縁基板上に形成された各発熱抵抗体および各
温度補償抵抗体等を拡大して示す平面図である。
【図8】第2の実施例による熱式空気流量検出装置の回
路構成を示す回路図である。
【図9】第3の実施例で用いる絶縁基板、各発熱抵抗体
および各温度補償抵抗体等を拡大して示す平面図であ
る。
【図10】従来技術による熱式空気流量検出装置を示す
縦断面図である。
【図11】従来技術による流量計本体および発熱抵抗等
を示す斜視図である。
【図12】ケーシング内を流れる空気の流速変化を示す
特性線図である。
【符号の説明】
21,51 熱式空気流量検出装置 22 ケーシング 23,52 流量計本体 24,53 検出ヘッド 25 第1の空気通路 26 第2の空気通路 27 回路ケース 28,54,81 絶縁基板 28A 主基板部 28B 副基板部 28C,54C スリット 28D,54D,81A 打抜き穴 29,55,82 第1の発熱抵抗体 30,56,83 第2の発熱抵抗体 31 第1の感温抵抗体 32 第2の感温抵抗体 33,59,60,84,85 温度補償抵抗体 34,61,62 流量調整抵抗 35,63,86 電極 36 直流電源 37,38,64,65 電流制御用トランジスタ 39,40,57,58 基準抵抗 41,42 固定抵抗 43,66 第1のブリッジ回路(第1の検出手段) 44,67 第2のブリッジ回路(第2の検出手段) 47,70 差動増幅器(流量信号出力手段) V1 ,V2 ,VA ,VB 流量検出信号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気通路の一部を構成する筒状のケーシ
    ングと、該ケーシング内を径方向に伸長するように該ケ
    ーシングに取付けられた検出ヘッドと、前記ケーシング
    内を流れる正,逆方向の空気流が流通するように該検出
    ヘッドに設けられ、正方向の空気流に対しては流速を速
    くし、逆方向の空気流に対しては流速を遅くする第1の
    空気通路と、該第1の空気通路から前記検出ヘッドの長
    さ方向に離間して前記検出ヘッドに設けられ、前記正方
    向の空気流に対しては流速を遅くし、前記逆方向の空気
    流に対しては流速を速くする第2の空気通路と、前記検
    出ヘッドに設けられ、該第1,第2の空気通路内に延び
    るように前記検出ヘッドの長さ方向に伸長した絶縁基板
    と、前記第1の空気通路内に位置して該絶縁基板に設け
    られ、前記第1の空気通路内を流れる空気の流量を検出
    する第1の検出手段と、前記第2の空気通路内に位置し
    て前記絶縁基板に設けられ、前記第2の空気通路内を流
    れる空気の流量を検出する第2の検出手段とから構成し
    てなる熱式空気流量検出装置。
  2. 【請求項2】 前記第1,第2の検出手段からそれぞれ
    出力される第1,第2の流量検出信号に基づき前記ケー
    シング内を流れる空気流量に対応した流量信号を出力す
    る流量信号出力手段を備え、該流量信号出力手段は第
    1,第2の流量検出信号を比較することにより、前記ケ
    ーシング内を流れる空気流が正方向であるときには正の
    流量信号を出力し、逆方向の空気流であるときには負の
    流量信号を出力する構成としてなる請求項1に記載の熱
    式空気流量検出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1,第2の空気通路はケーシング
    の径方向に離間して互いに逆向きに拡開するように前記
    検出ヘッドに形成し、該第1の空気通路は、前記ケーシ
    ング内を流れる正方向の空気流に対して上流側よりも下
    流側で通路面積が大きくなる構成とし、前記第2の空気
    通路は、前記ケーシング内を流れる正方向の空気流に対
    して下流側よりも上流側で通路面積が大きくなる構成と
    してなる請求項1または2に記載の熱式空気流量検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1,第2の検出手段は、それぞれ
    前記第1,第2の空気通路内に位置して前記絶縁基板上
    に形成され、外部からの通電によって発熱し空気流で冷
    却されることにより該空気流の流量に対応してそれぞれ
    の抵抗値が変化する第1,第2の発熱抵抗体を少なくと
    も含んで構成してなる請求項1,2または3に記載の熱
    式空気流量検出装置。
  5. 【請求項5】 前記絶縁基板には、少なくとも長さ方向
    の一端側で前記検出ヘッドに固定される主基板部および
    副基板部と、該主基板部と副基板部との間に形成され、
    前記空気の流れ方向で該副基板部を主基板部から離間さ
    せるスリットとを設け、前記第1,第2の検出手段は、
    それぞれ前記第1,第2の空気通路内に位置して前記主
    基板部上に形成され、外部からの通電によって発熱する
    第1,第2の発熱抵抗体と、該第1,第2の発熱抵抗体
    に隣接してそれぞれ前記主基板部上に形成され、前記第
    1,第2の空気通路内を流れる空気流で冷却されること
    により該空気流の流量に対応してそれぞれの抵抗値が変
    化する第1,第2の感温抵抗体と、前記空気の温度変化
    を補償するため前記副基板部上に形成された温度補償抵
    抗体とから構成してなる請求項1,2または3に記載の
    熱式空気流量検出装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7251995B2 (en) 2005-01-19 2007-08-07 Denso Corporation Fluid flow sensor
JP2012159505A (ja) * 2011-01-28 2012-08-23 Heraeus Sensor Technology Gmbh カバーにブッシングを備える流量センサ、流量センサの生産方法、およびセンサチップ
WO2015046328A1 (ja) * 2013-09-27 2015-04-02 林泰正 熱式流速・流量センサの製造方法及び熱式流速・流量センサ
CN109073433A (zh) * 2016-04-26 2018-12-21 Koa株式会社 流量传感器
CN114608669A (zh) * 2022-03-14 2022-06-10 温州荣际新能源有限公司 一种改进进气温度监控的空气流量传感器及其工艺

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